JP2005126581A - 感光性材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、樹脂単独で高い屈折率を有し、かつ十分な鉛筆硬度を有する感光性材料を提供することを目的とする。
また、基材への密着性が発現できない用途では高い屈折率を有し、かつ十分な基材への密着性を有する感光性材料を提供することを目的とする。
【0000】
【解決手段】ビフェニレン骨格を主鎖に含み、かつ、重合性不飽和結合を有する化合物(A)、
光重合開始剤(B)、
および屈折率が1.60以上のフィラーを含んでなる感光性材料。
ビフェニレン骨格が、下記一般式(1)である上記感光性材料。
一般式(1)
−(R1−Ar1−Ar2−R2−Ar3)−
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、アリーレン基を表す。)
化合物(A)が、下記一般式(2)で表される化合物(A1)である上記感光性材料。
一般式(2)
【化1】

Description

本発明は、光硬化性があり、鉛筆硬度も高く、高屈折率である透明な感光性材料に関する。本発明の感光性樹脂は、レンズ、導波路、光ファイバー、あるいは、低屈折率の層と交互に積層した干渉膜、光学フィルター、ホログラムなどの光学素子などに用いることができる。
近年、高屈折率である透明な樹脂が光学用物品で求められている。このような感光性樹脂は、レンズ、導波路、光ファイバー、あるいは、低屈折率の層と交互に積層した干渉膜、光学フィルター、ホログラムなどの光学素子などへの検討が盛んに行われている。(特許文献1−5参照)
これらの用途では高屈折率性以外にもハードコート性や、基材への接着性など、いろいろな要求物性がある。しかしながら、従来は屈折率を上げるために無機系材料の配合比率を高めて対処していたが、無機系材料の配合比率が高くなるほど有機系材料の利点が発現しにくくなり、ハードコート性、基材への接着性は発現させにくくなる。そこで樹脂自身の屈折率を上昇させ無機微粒子の配合比を減らす必要がある。また基材がポリエチレンテレフタレートのときには有機系誘導体材料がウレタンアクリレートや感光性モノマーだけでは基材への十分な密着性が得られなかった。
特開平7−13472号公報 特開平8−217825号公報 特開平9−208529号公報 特開平11−240864号公報 特開平10−73718号公報
本発明は、樹脂単独で高い屈折率を有し、かつ十分な鉛筆硬度を有する感光性材料を提供することを目的とする。
また、基材への密着性が発現できない用途では高い屈折率を有し、かつ十分な基材への密着性を有する感光性材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、研究を重ねた結果、ビフェニレン骨格と重合性不飽和結合を有する感光性材料が高い屈折率を有し、かつ充分な鉛筆硬度を有することを見出し、本発明を完成させた。
また、プライマー用途では感光性材料が高い屈折率を有し、かつ十分な基材への密着性を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ビフェニレン骨格を主鎖に含み、かつ、重合性不飽和結合を有する化合物(A)、
光重合開始剤(B)、
および屈折率が1.60以上のフィラーを含んでなる感光性材料に関する。
また、本発明は、ビフェニレン骨格が、下記一般式(1)である上記感光性材料に関する。
一般式(1)
−(R1−Ar1−Ar2−R2−Ar3)−
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、アリーレン基を表す。)
また、本発明は、化合物(A)が、下記一般式(2)で表される化合物(A1)である上記感光性材料に関する。
一般式(2)
Figure 2005126581
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
R4およびR4’は、それぞれ独立に、1価の有機残基を表し、少なくとも一つは不飽和二重結合を含む1価の有機残基である。
R5〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し、
nは1〜20を表す。)
また、本発明は、一般式(2)で表される化合物(A1)が、
下記一般式(3)で表される化合物(B1)、および、グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させたものである上記感光性材料に関する。
一般式(3)
Figure 2005126581
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
R5〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し、
nは1〜20を表す。)
また、本発明は、一般式(2)で表される化合物(A1)が、
一般式(3)で表される化合物(B1)のグリシジル基1倍モルに対して、グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を0.8倍モル以下の量で反応させたものである上記感光性材料に関する。
また、本発明は、一般式(2)で表される化合物(A1)が、
下記一般式(3)で表される化合物(B1)、および、グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させ、
さらに、水酸基と反応する官能基と不飽和二重結合とを共に有する化合物(E)を反応させたものである上記感光性材料に関する。
一般式(3)
Figure 2005126581
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
R5〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し、
nは1〜20を表す。)
また、本発明は、一般式(2)で表される化合物(A1)が、
下記一般式(3)で表される化合物(B1)、および、グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させ、
さらに、2官能以上のイソシアナト基を有する化合物(F)と反応させたものである上記感光性材料に関する。
一般式(3)
Figure 2005126581
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
R5〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し、
式中、nは1〜20を表す。)
また、本発明は、フィラーが、球状フィラーである上記感光性材料に関する。
また、本発明は、フィラーが、金属酸化物(C)である上記感光性材料に関する。
また、本発明は、活性エネルギー線を照射後の屈折率が、1.60以上である上記感光性材料に関する。
また、本発明は、上記感光性材料を活性エネルギー線で照射して硬化させてなる硬化物に関する。
また、本発明は、プラスチック成形品、および上記感光性材料を積層してなる積層体に関する。
また、本発明は、プラスチック成形品、および上記感光性材料を積層し、活性エネルギー線を照射する積層体の製造方法に関する。
本発明により、樹脂単独で高い屈折率を有し、かつ充分な鉛筆硬度を有する感光性材料を提供することができた。
また、基材への密着性が発現できない用途では高い屈折率を有し、かつ十分な基材への密着性を有する感光性材料を提供することができた。
<ビフェニレン骨格を主鎖に含み、かつ、重合性不飽和結合を有する化合物(A)>
ビフェニレン骨格を主鎖に含み、かつ、重合性不飽和結合を有する化合物(A)は、例えば、一般式(1)のような骨格を含む。
一般式(1)
−(R1−Ar1−Ar2−R2−Ar3)−
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、アリーレン基を表す。)
本発明で言う、アルキレン基とは、置換もしくは未置換の、直鎖または分岐の2価の脂肪族残基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。また、アリーレン基は、置換もしくは未置換の2価の芳香族残基であり、フェニレン基、ナフタレン基などが挙げられる。
ビフェニレン骨格を主鎖に含み、かつ、重合性不飽和結合を有する化合物(A)は、例えば、
下記一般式(2)で表される化合物(A1)で表される。
一般式(2)
Figure 2005126581
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
R4およびR4’は、それぞれ独立に、1価の有機残基を表し、少なくとも一つは不飽和二重結合を含む1価の有機残基である。
R5〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し、
nは1〜20を表す。)
ここで、1価の有機残基とは、脂肪族、芳香族、ヘテロ原子を含む原子団を単独もしくは組み合わせてなる原子団であり、具体的には、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルキレンオキシ基などの脂肪族、アリーレン基などの芳香族の有機残基が挙げられ、これらは、さらに、置換基を有していても良い。ここで表される1価の有機残基は、少なくともひとつは(メタ)アクリレート基、ビニル基、アリル基、マレイン酸残基などの不飽和二重結合を含む。
R5〜R12は、フェニレン基の水素原子もしくは置換基である。
本発明で言う置換基とは、特に、断らない限り、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基などをいう。
一般式(2)で表される化合物(A1)は、たとえば、下記一般式(3)で表される化合物(B1)、および、グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させて得ることができる。
一般式(3)
Figure 2005126581
<化合物(B1)>
前記、一般式(3)で示されるエポキシ樹脂は、例えば、下記一般式(4)で表される化合物とエピハロヒドリンとの反応をアルカリ金属水酸化物の存在下で行うことにより得ることができる。
一般式(4)
Figure 2005126581
(式中、R1,R2,R5〜R12は一般式(1)におけるそれらと同じ意味を表す。)
一般式(4)で表される化合物は、例えば、下記一般式(5)で表される化合物とフェノール類とを酸触媒の存在下で縮合反応させることにより得ることができる。
一般式(5)
Figure 2005126581
(式中、Xはハロゲン原子、水酸基、低級アルコキシ基を表す。R1,R2,R5〜R12は一般式(1)におけるそれらと同じ意味を表す。)
一般式(5)のXにおいてハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子などが、低級アルキル基としてはメチル基、エチル基、t−ブチル基などが、低級アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基などがそれぞれ好ましい基として挙げられる。
ここでフェノール類とはフェノール性水酸基を1分子中に1個有する芳香族化合物が該当し、用いうる具体例としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソブチルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、キシレノール、メチルブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール等を代表例とするアルキルフェノールの各種o−,m−,p−異性体、またはビニルフェノール、アリルフェノール、プロペニルフェノール、エチニルフェノールの各種o−、m−、p−異性体、またはシクロペンチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、シクロヘキシルクレゾール等を代表例とするシクロアルキルフェノール、またはフェニルフェノールなどの置換フェノール類が挙げられる。これらのフェノール類は1種類あるいは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記縮合反応を行う場合、フェノール類の使用量は一般式(5)で表される化合物1モルに対して好ましくは0.5〜20モル、特に好ましくは2〜15モルである。
上記縮合反応においては酸触媒を用いるのが好ましく、酸触媒としては種々のものが使用できるが塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、三弗化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛などが好ましく、特にp−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸が好ましい。これら酸触媒の使用量は特に限定されるものではないが、一般式(5)で表される化合物の0.1〜30重量%用いるのが好ましい。
上記縮合反応は無溶剤下で、あるいは有機溶剤の存在下で行うことができる。有機溶剤を使用する場合の具体例としてはトルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。有機溶剤の使用量は仕込んだ原料の総重量に対して50〜300重量%が好ましく、特に100〜250重量%が好ましい。反応温度は40〜180℃の範囲が好ましく、反応時間は1〜8時間が好ましい。
反応終了後、中和処理或は水洗処理を行って生成物のpH値を3〜7好ましくは5〜7に調節する。水洗処理を行う場合は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、アンモニア、リン酸二水素ナトリウムさらにはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、アニリン、フェニレンジアミンなどの有機アミンなど様々な塩基性物質等を中和剤として用いて処理してもよい。また水洗処理の場合は常法にしたがって行えばよい。例えば反応混合物中に上記中和剤を溶解した水を加え分液抽出操作をくり返す。
中和処理を行った後、減圧加熱下で未反応のジヒドロキシベンゼン類及び溶剤を留去し生成物の濃縮を行い、一般式(4)で表される化合物を得ることが出来る。
一般式(4)で表される化合物から本発明で用いられるエポキシ樹脂を得る方法としては公知の方法が採用できる。例えば前記で得られた一般式(4)で表される化合物と過剰のエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等のエピハロヒドリンの溶解混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物をあらかじめ添加し、または添加しながら20〜120℃の温度で1〜10時間反応させることにより本発明のエポキシ樹脂を得ることが出来る。
本発明で用いられるエポキシ樹脂を得る反応において、アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合に該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法でもよい。
また、一般式(4)で表される化合物とエピハロヒドリンの溶解混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムプロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、等の4級アンモニウム塩を触媒として添加し50〜150℃で1〜5時間反応させて得られる一般式(4)の化合物のハロヒドリンエーテル化物にアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、再び20〜120℃の温度で1〜10時間反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でもよい。
通常これらの反応において使用されるエピハロヒドリンの量は一般式(4)で表される化合物の水酸基1当量に対し通常1〜20モル、好ましくは2〜10モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量は式(4)で表される化合物の水酸基1当量に対し0.8〜15モル、好ましくは0.9〜11モルである。更に、反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノールなどのアルコール類の他、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ましい。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの量に対し5〜100重量%、好ましくは10〜90重量%である。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下、110〜250℃、圧力10mmHg以下でエピハロヒドリンや他の添加溶媒などを除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて反応を行い閉環を確実なものにすることができる。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した式(4)で表される化合物の水酸基1当量に対して好ましくは0.01〜0.3モル、特に好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩をろ過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することによりエポキシ樹脂が得られる。
<グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)>
グリシジル基と反応する官能基(a)としては水酸基、有機酸などが挙げられる。
有機酸としてカルボキシル基がグリシジル基と反応すると、グリシジル基が開裂し、水酸基とエステル結合が生成する。
カルボキシル基と不飽和二重結合とを共に有する化合物としては公知のものを使用することができる。例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、エチレングリコールアクリレートフタレート、プロピレングリコールアクリレートフタレートなどが挙げられる。
アルコールがグリシジル基と反応すると、グリシジル基が開裂し、水酸基とエーテル結合が生成する。
水酸基と不飽和二重結合とを共に有する化合物としては公知のものを使用することができる。例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどが挙げられる。
グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)はハードコート用途ではグリシジル基に対してグリシジル基と反応する官能基(a)が0.8倍モル以上、100.0倍モル以下を混入させることが好ましい、とくに好ましくは0.8倍モル以上、2.0倍モル以下である。0.8倍モルより少ないと鉛筆硬度が不足し、100.0倍モルより多いとビフェニル骨格の原料の相対比率が減少し、高い屈折率を発現させることができない。
グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)はプライマー用途またはハードコート用途に柔軟性をもたせる目的で混入させる用途ではグリシジル基に対してグリシジル基と反応する官能基(a)が0.8倍モルより少量を混入させることが好ましい、とくに好ましくは0.2倍モル以上、0.5倍モル以下である。0.8倍モルより多いと塗膜が硬くなり過ぎて密着性が発現しない。
<グリシジル基と反応する官能基(b)を有し、不飽和二重結合を有しない化合物(H)>
一般式(2)で表される化合物(A1)が、
一般式(3)で表される化合物(B1)、および、グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させたものである感光性材料は必要に応じてグリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)の代わりにグリシジル基と反応する官能基(b)を有し、不飽和二重結合を有しない化合物(H)を反応させてもよい。
グリシジル基と反応する官能基(b)としては水酸基、有機酸、アミノ基などが挙げられる。
有機酸としてカルボキシル基がグリシジル基と反応すると、グリシジル基が開裂し、水酸基とエステル結合が生成する。
カルボキシル基を有し、不飽和二重結合を有しない化合物としては公知のものを使用することができる。例えば、トリクロロ酢酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、サリチル酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などが挙げられる。
アルコールがグリシジル基と反応すると、グリシジル基が開裂し、水酸基とエーテル結合が生成する。
水酸基を有し、不飽和二重結合を有しない化合物としては公知のものを使用することができる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。
アミノ基を有し、不飽和二重結合を有しない化合物としては公知のものを使用することができる。反応制御の点から2級アミンが好ましい。例えば、ジイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジイソブチルアミン、ジブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミンなどが挙げられる。
グリシジル基と反応する官能基(b)を有し、不飽和二重結合を有しない化合物(H)はグリシジル基に対してグリシジル基と反応する官能基(b)が0.9倍モル以下を混入させることが好ましい、とくに好ましくは0.5倍モル以下である。0.9倍モルより多いと硬化後に架橋密度が低くなり鉛筆硬度が不足する。
<触媒>
グリシジル基と反応する官能基(a)とグリシジル基の反応を進行させるときには、必要に応じて、アミン類等の触媒を添加して行っても良い。使用される触媒としたは公知の触媒を使用することができる。触媒は、以下の化合物が挙げられる。触媒の好ましい具体例を以下に示すが、本発明は、これらに何ら限定されるものではない。
(1)3級アミン類及び/又はその塩類トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−メチルピペラジン等
(2)イミダゾール類及び/又はその塩類2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジシアノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジン等
(3)ジアザビシクロ化合物類
1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデカン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアビシクロ[2.2.2]オクタン等
(4)ホスフィン類
トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホスフィン等
(5)ホスホニウム塩類
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリシアノエチルホスホニウムテトラフェニルボレート等
本発明で用いられるエポキシ樹脂と触媒の配合割合は、エポキシ樹脂100重量部に対し、触媒が0.01〜10重量部である。触媒が0.01重量部未満であると反応が遅くなり、10重量部を越えると硬化物の耐水性が低下するため好ましくない。
グリシジル基と反応する官能基(a)とグリシジル基の反応を進行させるときには、用いるエポキシ樹脂の軟化温度が反応温度範囲よりも低い場合には無溶剤にて行うことができる。また、用いるエポキシ樹脂の軟化温度に関わらず適当な溶剤を用いて行うこともできる。この時用いる溶剤としては、グリシジル基、水酸基、有機酸と反応しないものであれば特に制限なく、用いることができる。例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、アセトン、ベンゼン等の公知の溶剤を使用できる。
本発明の感光性材料には、必要に応じて、バインダー樹脂、不飽和化合物、光重合開始剤などを添加できる。バインダー樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ビニル樹脂などに重合性不飽和二重結合を導入したものが挙げられる。重合性不飽和二重結合の導入方法はどのようなものであっても構わない。これらの樹脂を単独で添加しても良いし、他の樹脂を含む、複数の樹脂を混合して添加しても良い。
以下、具体的に、不飽和化合物を例示する。
不飽和化合物としては(メタ)アクリレート系化合物、脂肪酸ビニル化合物、アルキルビニルエーテル化合物、α−オレフィン化合物、ビニル化合物、エチニル化合物などが挙げられる。不飽和化合物(d)は、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミド基、シラノール基などの官能基を有してもいてもよい。
(メタ)アクリレート系化合物としては、アルキル系(メタ)アクリレート、アルキレングリコール系(メタ)アクリレートがある。
更に具体的に例示すると、アルキル系(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ヘンイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜22のアルキル(メタ)アクリレートがあり、極性の調節を目的とする場合には好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルキル基を有するアルキル基含有アクリレートまたは対応するメタクリレートが挙げられる。レベリング性の調節等を目的とする場合には炭素数6以上が好ましい。
また、アルキレングリコール系(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)等、末端に水酸基を有し、ポリオキシアルキレン鎖を有するモノアクリレートまたは対応するモノメタアクリレート等、
メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、末端にアルコキシ基を有し、ポリオキシアルキレン鎖を有するモノアクリレートまたは対応するモノメタアクリレート等、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレートなど末端にフェノキシまたはアリールオキシ基を有するポリオキシアルキレン系アクリレートまたは対応するメタアクリレートがある。
カルボキシル基含有不飽和化合物としてはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸等を例示することが出来る。
上記以外の水酸基含有不飽和化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼンなどが挙がられる。
窒素含有不飽和化合物としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミドなどのモノアルキロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミドなどのジアルキロール(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系不飽和化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートメチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等のジアルキルアミノ基を有する不飽和化合物および対イオンとしてCl-,Br-,I-等のハロゲンイオンまたはQSO3 -(Q:炭素数1〜12アルキル基)を有するジアルキルアミノ基含有不飽和化合物の4級アンモニウム塩を例示できる。
更にその他の不飽和化合物としては、パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルアミル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルウンデシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキルアルキル(メタ)アクリレート類;パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレン等のパーフルオロアルキル、アルキレン類等のパーフルオロアルキル基含有ビニルモノマー、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有ビニル化合物及びその誘導体、グリシジルアクリレート、3、4-エポキシシクロヘキシルアクリレートなどのグリシジル基含有アクリレートなどを挙げることができ、これらの群から複数用いることができる。
脂肪酸ビニル化合物としては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が挙げられる。
アルキルビニルエーテル化合物としては、ブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等が挙げられる。
α−オレフィン化合物としては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等が挙げられる。
ビニル化合物としては、酢酸アリル、アリルアルコール、アリルベンゼン、シアン化アリル等のアリル化合物、シアン化ビニル、ビニルシクロヘキサン、ビニルメチルケトン、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、クロロスチレン、などが挙げられる。
エチニル化合物としては、アセチレン、エチニルベンゼン、エチニルトルエン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等が挙げられる。これらは単独もしくは2種類以上を併用して使用することもできる。
<光重合開始剤(B)>
光重合開始剤は紫外線により硬化させる場合に添加される。なお、電子線により硬化させる場合には開始剤は特に必要ではない。光重合開始剤としては、光励起によってビニル重合を開始できる機能を有するものであれば特に限定はなく、例えばモノカルボニル化合物、ジカルボニル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アシルフォスフィンオキシド化合物、アミノカルボニル化合物等が使用できる。
具体的にモノカルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、4-メチル-ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、メチル-o-ベンゾイルベンゾエート、4-フェニルベンゾフェノン、4-(4-メチルフェニルチオ)フェニル-エネタノン、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、4-(1,3-アクリロイル-1,4,7,10,13-ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、3,3'4,4'-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N,N-トリメチルベンゼンメタアンモニウムクロリド、2-ヒドロキシ-3-(4-ベンゾイル-フェノキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミン塩酸塩、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-[2-(1-オキソ-2-プロペニルオキシエチル)メタアンモニウム臭酸塩、2-/4-iso-プロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9-オキソ-9Hチオキサントン-2-イロキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミン塩酸塩、ベンゾイルメチレン-3-メチルナフト(1,2-d)チアゾリン等が挙げられる。
ジカルボニル化合物としては、1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2.1.1]ヘプタン-2,3-ジオン、ベンザイル、2-エチルアントラキノン、9,10-フェナントレンキノン、メチル-α-オキソベンゼンアセテート、4-フェニルベンザイル等が挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)2-ヒドロキシ-ジ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-スチリルプロパン-1-オン重合物、ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2,2-ジエトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノ-フェニル)ブタン-1-オン、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、3,6-ビス(2-メチル-2-モルホリノ-プロパノニル)-9-ブチルカルバゾール等が挙げられる。
ベンゾインエーテル化合物としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテル等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキシド化合物としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4-n-プロピルフェニル-ジ(2,6-ジクロロベンゾイル)ホスフィンオキシド等が挙げられる。
アミノカルボニル化合物としては、メチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、エチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2-nブトキシエチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、イソアミル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2-(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、4,4'-ビス-4-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4'-ビス-4-ジエチルアミノベンゾフェノン、2,5'-ビス-(4-ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン等が挙げられる。
これらは上記化合物に限定されず、紫外線により重合を開始させる能力があればどのようなものでも構わない。これらは単独使用または併用することができ、使用量に制限はないが、被硬化物の乾燥重量の合計100重量部に対して1〜20重量部の範囲で添加されるのが好ましい。また、増感剤として公知の有機アミンを加えることもできる。
本発明の感光性材料は、公知のラジエーション硬化方法により硬化させ硬化物とすることができ、活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、400〜500nmの可視光を使用することができる。
照射する電子線の線源には熱電子放射銃、電界放射銃等が使用できる。また、紫外線および400〜500nmの可視光の線源(光源)には、例えば、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ等を使用することができる。具体的には、点光源であること、輝度の安定性から、超高圧水銀ランプ、キセノン水銀ランプが用いられることが多い。照射する活性エネルギー線量は、5〜2000mJの範囲で適時設定できるが、工程上管理しやすい50〜1000mJの範囲であることが好ましい。
また、これら紫外線または電子線と、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
本発明の感光性材料を塗工後、自然または強制乾燥後にラジエーション硬化を行っても良いし、塗工に続いてラジエーション硬化させた後に自然または強制乾燥しても構わないが、自然または強制乾燥後にラジエーション硬化した方が好ましい。電子線で硬化させる場合は、水による硬化阻害又は有機溶剤の残留による塗膜の強度低下を防ぐため、自然または強制乾燥後にラジエーション硬化を行うのが好ましい。ラジエーション硬化のタイミングは塗工と同時でも構わないし、塗工後でも構わない。
この他、本発明の感光性材料には目的を損なわない範囲で任意成分として、さらに溶剤、染料、酸化防止剤、重合禁止剤、レベリング剤、保湿剤、粘度調整剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、電磁波シールド剤、球状フィラー等を添加することができる。
球状フィラーは塗工物の表面抵抗値を下げたり、屈折率を上げる目的で添加することができる。
球状フィラーとしては公知のものを使用でき、例えば、金属酸化物(C)や金属フッ化物の単独化合物、混合物、複合化合物が挙げられる。球状フィラーの屈折率は1.60以上であるのが好ましい。球状フィラーの屈折率が1.60より低いとビフェニレン骨格を主鎖に含み、かつ、重合性不飽和結合を有する化合物(A)よりも屈折率が低くなってしまい、高屈折率化のために混入する球状フィラーの働きが無くなってしまう。
金属酸化物(C)としては、珪素酸化物,マグネシウム酸化物,珪素酸化物とマグネシウム酸化物の共酸化物,カルシウム酸化物,バリウム酸化物,硼素酸化物,アルミニウム酸化物,インジウム酸化物,ゲルマニウム酸化物,錫酸化物,亜鉛酸化物,チタン酸化物,ジルコウム酸化物,セシウム酸化物、インジウム錫酸化物、錫アンチモン酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムが挙げられる。これらの金属酸化物は、単独または混合物として用いられる。
<水酸基と反応する官能基と不飽和二重結合とを共に有する化合物(E)>
本発明において水酸基と反応する官能基と不飽和二重結合とを共に有する化合物(E)は、分子中に1個のイソシアネート基と1個以上の不飽和二重結合を有するイソシアン酸エステル化合物を挙げることができ、樹脂に不飽和二重結合を導入するために使用される。斯るイソシアン酸エステル化合物としては、例えばメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート(MAI)、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート(TMI)等がある。また、1,6ージイソシアナトヘキサン、ジイソシアン酸イソホロン、ジイソシアン酸4,4'−ジフェニルメタン、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアン酸トリレン、ジイソシアン酸トルエン、2,4−ジイソシアン酸トルエン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイソシアン酸4−メチル−m−フェニレン、ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のジイソシアン酸エステル化合物と上記の水酸基、カルボキシル基、アミド基含有ビニルモノマーとを等モルで反応せしめた化合物もイソシアン酸エステル化合物として使用することができる。
本発明において水酸基と反応する官能基と不飽和二重結合とを共に有する化合物(E)は、分子中に1個のグリシジル基と1個以上の不飽和二重結合を有するビニル系エポキシ化合物を挙げることができ、樹脂に不飽和二重結合を導入するために使用される。斯るビニル系エポキシ化合物としては、例えばメタクリル酸グリシジルエステル、アクリル酸グリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルシンナメート等がある。
<2官能以上のイソシアナト基を有する化合物(F)>
本発明に用いられる2官能以上のイソシアナト基を有する化合物(F)としては、従来公知のポリイソシアネートを使用することができ、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また一部上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。ポリフェニルメタンポリイソシアネート(PAPI)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート変性物等を使用し得る。なおポリイソシアネート変性物としては、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のいずれかの基、またはこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。ポリオールとジイソシアネートの反応物も2官能以上のイソシアナト基を有する化合物(F)として使用することができる。
以下に製造例、実施例をもって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、重量平均分子量はGPCにより測定された標準ポリスチレン換算分子量を示す。
また、特に断らない限り、数字は重量基準で記載した。
合成例1
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにNC−3000(日本化薬株式会社製)160.0g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)41.6g、ヒドロキノン0.08g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン40gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)1.28gを加え、85℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン163.0gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN790、重量平均分子量MW1,180であった。
合成例2
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにNC−3000(日本化薬株式会社製)160.0g、メタクリル酸(株式会社日本触媒製)49.7g、ヒドロキノン0.08g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン40gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)1.28gを加え、85℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン171.1gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN800、重量平均分子量MW1,280であった。
合成例3
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにエピコートYX−4000(ジャパンエポキシレジン株式会社製)80.0g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)31.0g、ヒドロキノン0.04g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン20gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.64gを加え、85℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン91.7gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN550、重量平均分子量MW610であった。
合成例4
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにNC−3000(日本化薬株式会社製)80.0g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)20.8g、ヒドロキノン0.08g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン20gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.64gを加え、85℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのちカレンズMOI(昭和電工株式会社製)31.3gを加え85℃まで昇温し、2時間撹拌した後、室温まで冷却してメチルエチルケトン112.9gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN1,000、重量平均分子量MW1,570であった。
合成例5
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにNC−3000(日本化薬株式会社製)80.0g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)20.8g、ヒドロキノン0.04g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン20gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.64gを加え、85℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのちトリレンジイソシアネート(商品名スミジュールT−80住友バイエルウレタン株式会社製)17.8gを加え85℃まで昇温し、1時間撹拌した後、室温まで冷却してメチルエチルケトン99.3gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN1,460、重量平均分子量MW4,790であった。
合成例6
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにNC−3000(日本化薬株式会社製)80.0g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)6.2g、ヒドロキノン0.04g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン20gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.64gを加え、85℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン66.9gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN690、重量平均分子量MW1,220であった。
合成例7
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにNC−3000(日本化薬株式会社製)80.0g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)10.4g、ヒドロキノン0.04g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン20gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.64gを加え、85℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン71.1gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN700、重量平均分子量MW1,080であった。
合成例8
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにNC−3000(日本化薬株式会社製)80.0g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)6.3g、ヒドロキノン0.04g(和光純薬工業株式会社製)酢酸(和光純薬工業株式会社製)12.2g、メチルエチルケトン20gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.64gを加え、85℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン66.9gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN760、重量平均分子量MW1,140であった。
合成例9
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにNC−3000(日本化薬株式会社製)80.0g、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート(商品名 M−5400、東亞合成株式会社製)22.9g、ヒドロキノン0.04g(和光純薬工業株式会社製)サリチル酸(和光純薬工業株式会社製)27.9g、メチルエチルケトン20gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.64gを加え、85℃で6時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン66.9gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN1,130、重量平均分子量MW2,030であった。
比較合成例1
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにエピコート1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製)86.2g、アクリル酸(株式会社日本触媒製)13.8g、ヒドロキノン0.04g(和光純薬工業株式会社製)、メチルエチルケトン25.0gを仕込み85℃まで昇温した。次いで触媒としてジメチルベンジルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.80gを加え、85℃で7時間撹拌し、室温まで冷却したのちメチルエチルケトン74.2gを加えて反応を終了した。この反応溶液は淡黄色透明で固形分50%、数平均分子量MN980、重量平均分子量MW1,700であった。
比較合成例2
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、温度計を備えた4口フラスコにペンタエリスリトールトリアクリレートトレレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(商品名 UA−306T、共栄社化学株式会社製)70gとNKオリゴEA7420(固形分70%、新中村化学株式会社製)21gとビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(商品名 エポキシエステル3000A、共栄社化学株式会社製)15gを加え混合した。
実施例1
<ハードコート用途評価>
<塗工方法>
上記樹脂溶液に酸化亜鉛(テイカ株式会社製、商品名MZ-505S)を表1の重量比で3本ロールを使用して分散させ、屈折率が1.67になるように調整した。更にメチルイソブチルケトンを加えて粘度が10〜100mPa・Sになるように調整した。この分散体100重量部に対して光重合開始剤イルカギュア184を5重量部加え、PETフィルムにバーコーダーで乾燥塗膜が5μmになるように塗工し、100℃−2分乾燥し、メタルハライドランプで600mJの紫外線を照射し、塗工物を作製した。室温で1週間経過したものを以下の測定に用いた。
<屈折率>
上記塗工物をアッベ屈折計(アタゴ株式会社)を用いて屈折率を測定した。屈折率は表1のようになった。
<鉛筆硬度>
鉛筆硬度はJIS K 5400 8.4.2に従って試験を行った。
鉛筆硬度が
H以上のものを○
Hより低いものを×
として評価した。
<ヘイズ>
上記塗工物を濁度計300A (日本電色工業株式会社製)を用いて測定した。
ヘイズが
1.0より低いものを○
1.0以上のものを×
として評価した。
Figure 2005126581
<プライマー用評価>
<塗工方法>
上記樹脂溶液に酸化亜鉛(テイカ株式会社製、商品名MZ-505S)を表2の重量比で3本ロールを使用して分散させ、屈折率が1.67になるように調整した。更にメチルイソブチルケトンを加えて粘度が10〜100mPa・Sになるように調整する。この分散体100重量部に対して光重合開始剤イルカギュア184を5重量部加え、PETフィルムにバーコーダーで乾燥塗膜が5μmになるように塗工し、100℃−2分乾燥し、メタルハライドランプで600mJの紫外線を照射し、塗工物を作製した。室温で1週間経過したものを以下の測定に用いた。
<PETへの密着性>
密着性試験は上記塗工物でゴバン目セロテープ剥離試験を行い
感光性樹脂が95%以上残存するものを◎
感光性樹脂の残存率が95%より低いものを×
として評価した。
<屈折率>
上記塗工物をアッベ屈折計(アタゴ株式会社)を用いて屈折率を測定した。屈折率は表2のようになった。
<透明性>
上記塗工物を目視で見て
透明であるものを○
透明でないものを×
として評価した。
Figure 2005126581

Claims (13)

  1. ビフェニレン骨格を主鎖に含み、かつ、重合性不飽和結合を有する化合物(A)、
    光重合開始剤(B)、
    および屈折率が1.60以上のフィラーを含んでなる感光性材料。
  2. ビフェニレン骨格が、下記一般式(1)である請求項1記載の感光性材料。
    一般式(1)
    −(R1−Ar1−Ar2−R2−Ar3)−
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
    Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、アリーレン基を表す。)
  3. 化合物(A)が、下記一般式(2)で表される化合物(A1)である請求項2記載の感光性材料。
    一般式(2)
    Figure 2005126581
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
    R4およびR4’は、それぞれ独立に、1価の有機残基を表し、少なくとも一つは不飽和二重結合を含む1価の有機残基である。
    R5〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し、
    nは1〜20を表す。)
  4. 一般式(2)で表される化合物(A1)が、
    下記一般式(3)で表される化合物(B1)、および、グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させたものである請求項3記載の感光性材料。
    一般式(3)
    Figure 2005126581
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
    R5〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し、
    nは1〜20を表す。)
  5. 一般式(2)で表される化合物(A1)が、
    一般式(3)で表される化合物(B1)のグリシジル基1倍モルに対して、グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を0.8倍モル以下の量で反応させたものである請求項4記載の感光性材料。
  6. 一般式(2)で表される化合物(A1)が、
    下記一般式(3)で表される化合物(B1)、および、グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させ、
    さらに、水酸基と反応する官能基と不飽和二重結合とを共に有する化合物(E)を反応させたものである請求項3記載の感光性材料。
    一般式(3)
    Figure 2005126581

    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
    R5〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し、
    nは1〜20を表す。)
  7. 一般式(2)で表される化合物(A1)が、
    下記一般式(3)で表される化合物(B1)、および、グリシジル基と反応する官能基(a)と不飽和二重結合とを共に有する化合物(D)を反応させ、
    さらに、2官能以上のイソシアナト基を有する化合物(F)と反応させたものである請求項3記載の感光性材料。
    一般式(3)
    Figure 2005126581
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、
    R5〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し、
    式中、nは1〜20を表す。)
  8. フィラーが、球状フィラーである請求項1〜7いずれか記載の感光性材料。
  9. フィラーが、金属酸化物(C)である請求項1〜8いずれか記載の感光性材料。
  10. 活性エネルギー線を照射後の屈折率が、1.60以上である請求項1〜9いずれか記載の感光性材料。
  11. 請求項1〜10いずれか記載の感光性材料を活性エネルギー線で照射して硬化させてなる硬化物。
  12. プラスチック成形品、および請求項1〜10いずれか記載の感光性材料を積層してなる積層体。
  13. プラスチック成形品、および請求項1〜10いずれか記載の感光性材料を積層し、活性エネルギー線を照射する積層体の製造方法。
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