JP2005125474A - ワイヤソー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の回転ローラ19a,19b間で走行するワイヤ14に砥粒を含むスラリを供給しながらインゴット13を切断するワイヤソー10において、回転ローラ19a,19b間かつインゴット13を切断する部位の上流に設けられたスラリ転写ローラ33と、スラリ転写ローラ33の表面にスラリ31を制御された供給量でもって供給するスラリ供給手段20とを備え、スラリ転写ローラ33がワイヤ14と接触しながら回転し、ワイヤ14にスラリ31を供給するようにし、スラリ転写ローラ33の回転方向が、ワイヤ14の走行方向に対して対向方向であることを特徴とするワイヤソー10。
【選択図】図3
Description
このようなワイヤソーでは、スラリをワイヤに供給する際に、ワイヤの上方からカーテン状に大量のスラリが吐出されている。供給したスラリのうちワイヤに付着するのは極少量であり、スラリの大部分はワイヤの下方に脱落するので、脱落したスラリは、加工室床部から引き出されたドレインを経由して、スラリ貯蔵タンクに回収されている。
(1)大量のスラリを供給・循環するため、予め大量のスラリを調製し、準備しておく必要があり、コストが高くなる。また、循環して用いるために組成の変化(水分や砥粒の減少)や粘度の変化を生じやすく、加工品質のばらつきや、スラリ性状安定化のための工数・コストが発生する。これらの結果、ランニングコストが高くなるため、製品の原価アップとなる。
(2)大量のスラリが加工室内に散乱するため、加工室の汚れが大きく、操業後のメンテナンスの工数が大きくなる。
(3)スラリを回収、循環する機構が必要であり、製造装置が複雑、高価になる。
(4)スラリの温度を一定に保ちたい場合、スラリを収容するタンクの容量が大きくなり、攪拌しても均一性が悪く、また温度制御の応答性も悪い。スラリ温度のばらつきは加工品質の低下(ウエハ厚さばらつき、ソーマーク(傷)の発生など)を招く。
(5)螺旋状に巻きつけられたワイヤの対向部(下部)にも大量のスラリがかかるため、ワーク切断部の上流側に位置する回転ローラに大量のスラリが巻き込まれ、当該回転ローラの加工溝が磨耗劣化しやすく、ランニングコスト増大となる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るワイヤソーを説明するための図である。
図1において、ワイヤソー10は、インゴット送り機構11とワイヤ送り機構12とを備えている。インゴット送り機構11には、ワークとしてのシリコンインゴット13を固定する固定機構(図示せず)と、固定されたシリコンインゴット13をワイヤ14に向けて押し下げ又は引き上げるためのインゴット移動機構(図示せず)が設けられている。ワイヤ送り機構12には、ワイヤ14を送るためのワイヤ送出機構15と、裸のワイヤ14を巻き取るためのワイヤ巻取機構16と、ワイヤ14の張力を一定にたもつための張力制御ローラ17とが設けられている。
またワイヤソー10では、インゴット送り機構11は、ワイヤ送出機構15とワイヤ巻取機構16との間に配置された加工室23の内部に配置されており、加工室23内では、インゴット送り機構11の下方となる位置に、同期回転する二本の回転ローラ19a、19bが配置されている。この回転ローラ19a、19bの外周壁面には、ワイヤ14を案内する溝が螺旋状に形成されている。ワイヤ送り機構12においてワイヤ14は、ワイヤ送出機構15から引き出されて、回転ローラ19a、19bの溝に案内されることによって、回転ローラ19a、19b間で螺旋状に周回すると共に、ワイヤ送出機構15とワイヤ巻取機構16との間で一定の張力を維持しつつ走行可能に掛け渡されている。ここで用いるワイヤ14としては、金属製のものや樹脂製のものが挙げられ、切断効率の観点から、金属製のものが好ましい。
本実施の形態におけるワイヤソー10は、加工室23の内部において、回転ローラ19a、19bの間であってインゴット送り機構11に対してワイヤ走行方向上流側に、スラリ供給機構20を備えている。
ワイヤソー10の稼働時では、図1及び図2に示したように、加工室23内でインゴット送り機構11が、シリコンインゴット13をワイヤ14に向けて押し下げることによって、ワークとしてのシリコンインゴット13が、走行するワイヤ14と接触し、押しつけられる。このとき、走行するワイヤ14によってシリコンインゴット切削用スラリが、シリコンインゴット切断部に運ばれると、シリコンインゴット13がラッピング作用によって削られ、切断される。
スラリ供給機構20は、シリコン切削用スラリ31を貯留する液槽32と、シリコンインゴット切断部の上流側に位置する回転ローラ19aとシリコンインゴット切断部との間に配置されたスラリ転写ローラ33と、スラリ転写ローラ33の表面へのスラリ31の供給量を調整する調整手段としてのカットローラ34とを備えてなる。
ワイヤ14の走行方向に対して液漕32の上流側となるスラリ転写ローラ33の周囲には、クリーニングスキージ37が配置されており、スラリ転写ローラ33に付着したスラリ残渣を掻き取るようになっている。このクリーニングスキージ37の下方には、スラリ残渣受けトレー38が設けられ、掻き取られたスラリを回収可能となっている。
なお、スラリ供給ノズル36、クリーニングスキージ37及びスラリ残渣受けトレー38は、装置構成によっては他の代替手段に代え、又は設けなくてもよい。また、液槽32内部でのスラリ31の沈殿、凝集を防ぐための攪拌機構や、温度を一定に保つ温度制御機構などを設けてもよい。
回転ローラ19a,19bの間を走行するワイヤ14は、まず、スラリ転写ローラ33と接触する。そこでスラリ転写ローラ33の表面に付着していたスラリ31が、ワイヤ14に転写され、シリコンインゴット切断部に運ばれる。このため、シリコンインゴット13は、適切な量のスラリ31で切断される。
図5は、本発明の実施の形態2に係るスラリ供給機構50を説明するための図であり、図5(a)は、その斜視図であり、図5(b)は、A矢視図である。
スラリ供給機構50のスラリ転写ローラ51には、回転ローラ19a、19b(図1参照)と同様に、その外周壁面にワイヤ14(図1参照)を案内する溝部52が設けられている。この溝部52の間隔(ピッチ)は、回転ローラ19a、19bの溝の間隔と同一になっている。このため、スラリ転写前のワイヤ14が、回転ローラ19a、19bに案内された後に、同じ間隔で、スラリ転写ローラ51の溝部52に案内される。
このスラリ転写ローラ51に対してカットローラ34は、緊密に接触されている。このためカットローラ34は、スラリ転写ローラ51の表面(溝部52のない表面部分)と接触して、溝部52以外へのスラリ51の供給を阻止している。この結果、スラリ31は溝部52の内部に収容されて、ワイヤ14との接触部まで運ばれる。なお、他の構成は前記実施の形態1と同様に構成されている。
なお、本発明のワイヤソー10では、一対のローラ19a,19bにワイヤ14を巻きつけてシリコンインゴット13を切断しているが、これに限定されず、3本以上の回転ローラにワイヤ14を巻きつけてシリコンインゴット13を切断してもよい。
Claims (2)
- 複数のローラ間で走行するワイヤに砥粒を含むスラリを供給しながらワークを切断するワイヤソーにおいて、
前記ワークを切断する部位の上流に設けられた前記ローラとワーク切断部との間に設けられたスラリ転写手段と、前記スラリ転写手段への前記スラリの供給量を調整する調整手段とを有するスラリ供給手段を備え、前記スラリ転写手段が前記ワイヤと接触することによって、前記ワイヤに前記スラリを供給するとともに、前記スラリ転写手段がスラリ転写ローラであり、該スラリ転写ローラの回転方向が、前記ワイヤの走行方向に対して対向方向であることを特徴とするワイヤソー。 - 前記スラリ転写ローラ及び前記ローラの外周壁面には共に同じ間隔で溝部が設けられ、前記スラリ転写ローラの溝部内に前記スラリを供給し、前記ワイヤを前記溝部内に案内することによって前記スラリを供給することを特徴とする請求項1に記載のワイヤソー。
Priority Applications (1)
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JP2003366392A JP4098700B2 (ja) | 2003-10-27 | 2003-10-27 | ワイヤソー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003366392A JP4098700B2 (ja) | 2003-10-27 | 2003-10-27 | ワイヤソー |
Publications (2)
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JP2005125474A true JP2005125474A (ja) | 2005-05-19 |
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Family
ID=34644753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003366392A Expired - Lifetime JP4098700B2 (ja) | 2003-10-27 | 2003-10-27 | ワイヤソー |
Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110883955A (zh) * | 2019-11-28 | 2020-03-17 | 西安奕斯伟硅片技术有限公司 | 线切割清洁装置及线切割系统 |
CN113085040A (zh) * | 2021-05-17 | 2021-07-09 | 成都青洋电子材料有限公司 | 一种单晶硅棒切割工艺 |
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2003
- 2003-10-27 JP JP2003366392A patent/JP4098700B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110883955B (zh) * | 2019-11-28 | 2021-11-02 | 西安奕斯伟材料科技有限公司 | 线切割清洁装置及线切割系统 |
CN113085040A (zh) * | 2021-05-17 | 2021-07-09 | 成都青洋电子材料有限公司 | 一种单晶硅棒切割工艺 |
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