JP2005124181A - 制御電圧生成回路、可変利得回路及び電流増幅回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 差動回路を構成する第1のトランジスタのドレイン電流(若しくはコレクタ電流)と、第2のトランジスタのドレイン電流(若しくはコレクタ電流)の電流比を設定する手段と、前記電流比に応じた電圧を、第1のトランジスタと第2のトランジスタのゲート端子間(若しくはベース端子間)に出力する手段を備えた制御電圧生成回路と、この制御電圧生成回路が出力する電圧により利得値が制御される差動増幅段で構成される。
【選択図】図1
Description
通常、可変利得回路の増幅段は差動増幅回路で構成されている。例えば、この差動増幅回路を、MOSトランジスタを用いて構成した場合、MOSトランジスタが持つ温度依存性により差動増幅回路も温度依存性を持つことになる。
Id=K×β×(Vgs−Vth)2
で与えられる。この式で、Kはゲート幅、ゲート長によって決まる係数であり、βはキャリアの移動度、ゲート酸化膜誘電率、ゲート酸化膜厚によって決まる係数であり、Vgsはゲート電圧であり、Vthは閾値電圧である。このドレイン電流Idの式で、βとVthが温度依存性を持っており、βが支配的な領域では、温度上昇に対してドレイン電流が減少傾向を示し、Vthが支配的な領域では、温度上昇に対してドレイン電流が増加傾向を示す。
Ik=Ix+Iy
の関係を満たし、IxとIyの電流比は、制御電圧Vctrlによって決まる。
前記制御電圧生成回路が出力する前記制御電圧により、前記差動増幅回路の利得値が制御されることを特徴とする可変利得回路によっても、本発明の目的は達成される。
本発明にかかる可変利得回路を、図面を参照して説明する。図1は、本発明にかかる可変利得回路の好ましい実施形態を示す回路図である。この可変利得回路は、制御電圧を生成する制御電圧生成段10と、この制御電圧生成段10から供給される制御電圧に基づいて、入力電圧を増幅する増幅段20で構成されている。
MOSトランジスタM11とMOSトランジスタM12はソース端子同士が接続されており、そのソース端子には可変電流源CS12が接続され、可変電流源CS12の他方の端子は接地電位GNDに接続され、MOSトランジスタM11のドレイン端子には定電流源CS11が接続され、定電流源CS11の他方の端子は電源電位VCCに接続され、MOSトランジスタM12のドレイン端子は電源電位VCCに接続され、MOSトランジスタM11とMOSトランジスタM12のゲート端子間には抵抗R11が接続されている。
MOSトランジスタM21とMOSトランジスタM22はソース端子同士が接続されており、そのソース端子には定電流源CS21が接続され、定電流源CS21の他方の端子は接地電位GNDに接続され、MOSトランジスタM21とMOSトランジスタM22のゲート端子間には抵抗R21が接続され、MOSトランジスタM21のドレイン端子にはMOSトランジスタM25のドレイン端子が接続され、MOSトランジスタM25のソース端子は電源電位VCCに接続され、MOSトランジスタM25のゲート端子とドレイン端子は短絡されている。
制御電圧生成段10で、MOSトランジスタM11及びMOSトランジスタM12は差動回路を構成し、MOSトランジスタM11のドレイン端子には定電流源CS11が接続されている。従って、可変電流源CS12によりソース電流Icを変化させた場合、それに応じてMOSトランジスタM12のドレイン電流Iaが変化する。ここで、MOSトランジスタM11のドレイン電流Ib、MOSトランジスタM12のドレイン電流Ia及びソース電流Icは、
Ic=Ia+Ib
の関係を満たすため、例えば、Ic=2×Ibの時、IaとIbの比はIa:Ib=1:1となり、Ic=3×Ibの時、IaとIbの比はIa:Ib=2:1となる。
Vctrl=R11×Id1
で与えられる。
Ia:Ib=I1:I2=I3:I4
の関係を満たす。ここで、Ib/Ia=kとすれば、
I2=k×I1 (1)
I4=k×I3 (2)
の関係が成り立つ。
Iout=(I1+I4)−(I2+I3) (3)
で与えられる。ここで、式3に式1及び式2を代入すれば、
Iout=(1−k)(I1−I3) (4)
が得られる。
I1+I2=Is1+(Vs1−Vs2)/Rs (5)
I3+I4=Is2−(Vs1−Vs2)/Rs (6)
の関係を満たす。ここで、式5に式1を代入し、式6に式2を代入すれば、
(1+k)I1=Is1+(Vs1−Vs2)/Rs (7)
(1+k)I3=Is2−(Vs1−Vs2)/Rs (8)
が得られる。更に、(式7)−(式8)を行ない、Is1=Is2とすれば、
(1+k)(I1−I3)=2(Vs1−Vs2)/Rs
I1−I3=2(Vs1−Vs2)/{Rs(1+k)} (9)
が得られる。
Vs1−Vs2=Vp−Vn (10)
の関係を満たす。ここで、式9に式10を代入すれば、
I1−I3=2(Vp−Vn)/{Rs(1+k)} (11)
が得られる。ここで、式4に式11を代入すれば、
Iout={2(Vp−Vn)/Rs}{(1−k)/(1+k)} (12)
が得られる。
Vout={2(Vp−Vn)R23/Rs}{(1−k)/(1+k)} (13)
で与えられる。ここで、R23=Rsとすれば、
Vout={2(Vp−Vn)}{(1−k)/(1+k)} (14)
が得られる。この式14から分かるように、出力電圧Voutは、入力端子Vin+の電位Vp、入力端子Vin−の電位Vn及びIaとIbの比kによって決まる。
例えば、図4に示した増幅段20では、MOSトランジスタM21のソース端子とMOSトランジスタM22のソース端子の接続部と、定電流源CS21と抵抗Rsの接続部の間にMOSトランジスタM31を接続し、MOSトランジスタM23のソース端子とMOSトランジスタM24のソース端子の接続部と、定電流源CS22と抵抗Rsの接続部の間にMOSトランジスタM32を接続し、MOSトランジスタM31及びMOSトランジスタM32のゲート端子から入力電圧を入力している。
I1+I2=Is1+(Vs3−Vs4)/Rs (15)
I3+I4=Is2−(Vs3−Vs4)/Rs (16)
Vs3−Vs4=Vp−Vn (17)
の関係を満たす。
トランジスタQ11とトランジスタQ12はエミッタ端子同士が接続されており、そのエミッタ端子には可変電流源CS32が接続され、可変電流源CS32の他方の端子は接地電位GNDに接続され、トランジスタQ11のコレクタ端子には定電流源CS31が接続され、定電流源CS31の他方の端子は電源電位VCCに接続され、トランジスタQ12のコレクタ端子は電源電位VCCに接続され、トランジスタQ11とトランジスタQ12のベース端子間には抵抗R31が接続されている。
又、抵抗R31の一方の端子はトランジスタQ13のエミッタ端子に接続され、トランジスタQ13のベース端子はトランジスタQ11のコレクタ端子に接続され、トランジスタQ13のコレクタ端子はMOSトランジスタM41のドレイン端子に接続され、MOSトランジスタM41のソース端子は電源電位VCCに接続され、MOSトランジスタM41のドレイン端子とゲート端子は短絡され、抵抗R31の他方の端子には定電圧源V31が接続され、定電圧源V31の他方の端子は接地電位GNDに接続されている。
Vctrl=R11×Id1'
で与えられる。
増幅段20'には、トランジスタQ21及びトランジスタQ22で構成される差動回路と、トランジスタQ23及びトランジスタQ24で構成される差動回路があり、トランジスタQ21とトランジスタQ22のベース端子間、及びトランジスタQ23とトランジスタQ24のベース端子間には、抵抗R43の両端子間に生じる電圧が印加される。
Ia':Ib'=Ic1:Ic2=Ic3:Ic4
の関係を満たす。ここで、Ib'/Ia'=k'とすれば、
Ic2=k'×Ic1 (18)
Ic4=k'×Ic3 (19)
の関係が成り立つ。
Vout=(Vcc−R41×Ic1)−(Vcc−R42×Ic3)
=R42×Ic3−R41×Ic1 (20)
で与えられる。
Ic1+Ic2=Ie1+(Ve1−Ve2)/Re (21)
Ic3+Ic4=Ie2−(Ve1−Ve2)/Re (22)
の関係を満たす。ここで、式21に式18を代入し、式22に式19を代入すれば、
(1+k')I1=Ie1+(Ve1−Ve2)/Re (23)
(1+k')I3=Ie2−(Ve1−Ve2)/Re (24)
が得られる。更に、(式23)−(式24)を行ない、Ie1=Ie2とすれば、
(1+k')(I1−I3)=2(Ve1−Ve2)/Re
I1−I3=2(Ve1−Ve2)/{Re(1+k')} (25)
が得られる。
Ve1−Ve2=Vp−Vn (26)
の関係を満たす。ここで、式25に式26を代入すれば、
I1−I3=2(Vp−Vn)/{Re(1+k')} (27)
が得られる。
Vout=−{2(Vp−Vn)}{(1−k’)/(1+k’)} (28)
で与えられる。
この式28から分かるように、出力電圧Voutは、入力端子Vin+の電位Vp、入力端子Vin−の電位Vn及びIa'とIb'の比k'によって決まる。つまり、入力端子Vin+、入力端子Vin−から入力された入力電圧の増幅率は、Ia'とIb'の比k'によって決まる。従って、Ia'とIb'の比k'により入力電圧の増幅率を設定すれば温度変化による出力電圧Voutの変動を排除することができる。
上記第1の実施形態では、可変利得回路を説明したが、本実施形態では、電流増幅回路を説明する。
図6は、本発明にかかる電流増幅回路の好ましい実施形態を示す回路図である。この電流増幅回路は、制御電圧を生成する制御電圧生成段10と、この制御電圧生成段10から供給される制御電圧に基づいた増幅率で電流増幅を行う増幅部30とで構成されている。
制御電圧生成段10は、図1の制御電圧生段10と同様に動作する。
即ち、可変電流源CS12によりソース電流Icを変化させた場合、それに応じてMOSトランジスタM12のドレイン電流Iaが変化する。ここで、MOSトランジスタM11のドレイン電流Ib、MOSトランジスタM12のドレイン電流Ia及びソース電流Icは、
Ic=Ia+Ib
の関係を満たす。例えば、Ic=2×Ibの時、IaとIbの比はIa:Ib=1:1となり、Ic=3×Ibの時、IaとIbの比はIa:Ib=2:1となる。
Vctrl=R11×Id1
で与えられる。
MOSトランジスタ51のドレイン端子に接続された抵抗R51には、MOSトランジスタ51のドレイン電流Id2が流れる。また、抵抗R11及び抵抗R51の抵抗値を等しくすれば、MOSトランジスタM52とMOSトランジスタM53のゲート端子間に印加される電圧は、制御電圧生成段10のMOSトランジスタM11とMOSトランジスタM12のゲート端子間に生じる制御電圧Vctrlと等しくなる。
このように制御電圧生成段10を構成する差動回路のゲート端子間と、増幅部30のMOSトランジスタM52とMOSトランジスタM53のゲート端子間とに等しい電圧を印加した場合、そ、MOSトランジスタM52に流れるドレイン電流I52、MOSトランジスタM53のドレイン電流I53は、
Ia:Ib=I53:I52
の関係を満たす。即ち、電流入力端子Iinから入力される電流と電流出力端子Ioutに流れる電流の比、つまり電流増幅率がMOSトランジスタM11のドレイン電流Ib、MOSトランジスタM12のドレイン電流Iaの比と等しくなる。IaとIbの比kにより入力電圧の増幅率を設定すれば温度変化による増幅率の変動を排除することができる。
なお、電流比に応じた制御電圧を出力する制御電圧生成段10は、図6に示した回路に限定されることはない。
トランジスタQ11とトランジスタQ12はエミッタ端子同士が接続されており、そのエミッタ端子には可変電流源CS32が接続され、可変電流源CS32の他方の端子は接地電位GNDに接続され、トランジスタQ11のコレクタ端子には定電流源CS31が接続され、定電流源CS31の他方の端子は電源電位VCCに接続され、トランジスタQ12のコレクタ端子は電源電位VCCに接続され、トランジスタQ11とトランジスタQ12のベース端子間には抵抗R31が接続されている。
又、抵抗R31の一方の端子はトランジスタQ13のエミッタ端子に接続され、トランジスタQ13のベース端子はトランジスタQ11のコレクタ端子に接続され、トランジスタQ13のコレクタ端子はMOSトランジスタM41のドレイン端子に接続され、MOSトランジスタM41のソース端子は電源電位VCCに接続され、MOSトランジスタM41のドレイン端子とゲート端子は短絡され、抵抗R31の他方の端子には定電圧源V31が接続され、定電圧源V31の他方の端子は接地電位GNDに接続されている。
増幅部30’は、MOSトランジスタM14にミラー接続されたMOSトランジスタM51を備えている。MOSトランジスタM51のソース端子は、電源VCCに接続され、MOSトランジスタM51のゲート端子は、MOSトランジスタ14のソース端子及びゲート端子に接続されている。MOSトランジスタM51のドレイン端子が、抵抗R51の一端とトランジスタQ52のベース端子に接続されている。抵抗R51の他端は、定電圧源V51とトランジスタQ53のベース端子とに接続されている。定電圧源V51の他端が接地電位GNDに接続されている。
制御電圧生成段10'の動作は図1に示したMOSトランジスタを用いた回路と同様で、トランジスタQ11及びトランジスタQ12が差動回路を構成し、可変電流源CS32によりエミッタ電流Ic'を変化させた場合、それに応じてトランジスタQ12のコレクタ電流Ia'(Ia'=Ic'−Ib')が変化する。尚、トランジスタQ11のコレクタ電流Ib'は、定電流源CS31が出力する定電流になる。
Vctrl=R11×Id1'
で与えられる。
MOSトランジスタ51のドレイン端子に接続された抵抗R51には、MOSトランジスタ51のドレイン電流がId2’が流れる。また、抵抗R11及び抵抗R51の抵抗値を等しくすれば、トランジスタQ52とトランジスタQ53のベース端子間に印加される電圧は、制御電圧生成段10’のトランジスタQ11とトランジスタQ12のベース端子間に生じる制御電圧Vctrlと等しくなる。
Ia’:Ib’=I53’:I52’
の関係を満たす。即ち、電流入力端子Iinから入力される電流と電流出力端子Ioutに流れる電流の比、つまり、電流増幅率がトランジスタQ11のコレクタ電流Ib’、トランジスタQ12のコレクタ電流Ia’の比と等しくなる。Ia’とIb’の比kにより入力電圧の増幅率を設定すれば温度変化による増幅率の変動を排除することができる。
20,20’ 増幅段
30,30’ 増幅部
Claims (10)
- 差動回路の第1の差動電流と第2の差動電流の電流比を設定する手段と、前記電流比に応じた制御電圧を出力する手段を備えたことを特徴とする制御電圧生成回路。
- 前記制御電圧が、前記差動回路の差動入力端子間に生じた電圧であることを特徴とする請求項1記載の制御電圧生成回路。
- 前記第1の差動電流又は前記第2の差動電流が定電流回路の出力電流であることを特徴とする請求項1又は2記載の制御電圧生成回路。
- 請求項1乃至3のいずれか1項記載の制御電圧生成回路と、差動増幅回路を備え、
前記制御電圧生成回路が出力する前記制御電圧により、前記差動増幅回路の利得値が制御されることを特徴とする可変利得回路。 - 請求項1乃至3のいずれか1項記載の制御電圧生成回路と、
前記制御電圧生成回路の出力する前記制御電圧により制御された増幅率で入力電流の増幅を行う増幅部と、を備えたことを特徴とする電流増幅回路。 - 差動回路を構成する第1のトランジスタのドレイン電流若しくはコレクタ電流と第2のトランジスタのドレイン電流若しくはコレクタ電流との電流比を設定する手段と、
前記電流比に応じた電圧を、第1のトランジスタと第2のトランジスタのゲート端子間若しくはベース端子間に出力する手段と、
を備えたことを特徴とする制御電圧生成回路。 - 前記第1のトランジスタのドレイン端子若しくはコレクタ端子、又は前記第2のトランジスタのドレイン端子若しくはコレクタ端子に、定電流回路が接続されていることを特徴とする請求項6記載の制御電圧生成回路。
- 請求項6又は7のいずれか1項記載の制御電圧生成回路と、差動増幅回路を備え、
前記制御電圧生成回路が出力する電圧により、前記差動増幅回路の利得値が制御されることを特徴とする可変利得回路。 - 請求項6又は7のいずれか1項記載の制御電圧生成回路と、差動増幅回路を備え、
前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタのゲート端子間若しくはベース端子間に出力される電圧と、前記差動増幅回路を構成する差動回路のゲート端子間若しくはベース端子間に与えられる電圧とが等しくなるように回路が接続されていることを特徴とする可変利得回路。 - 請求項6又は7のいずれか1項記載の制御電圧生成回路と、
前記制御電圧生成回路の出力する前記制御電圧により制御された増幅率で入力電流の増幅を行う増幅部と、を備えたことを特徴とする電流増幅回路。
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