JP2005122790A - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温、常温いずれの環境下においても走行安定性、走行耐久性に優れ、磁気ヘッドの耐磨耗性の向上を図った磁気記録媒体を得る。
【解決手段】非磁性支持体1上に、コバルト含有マグヘマイト薄膜よりなる磁性層3と、保護層4とを有してなり、保護層4上に、フェノール化合物を含有する潤滑補助層5が形成され、潤滑補助層5上に、下記一般式(1)に示される化合物を含有する潤滑剤層6が形成された磁気記録媒体を提供する。
R1CH(COOR2)CH2COOR3・・・(1)
但し、R1は、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基又は水素を示す。
また、R2とR3は、フロロアルキル基、フロロアルケニル基、フロロポリエーテル基又は水素のいずれかを示す。
【選択図】図1
【解決手段】非磁性支持体1上に、コバルト含有マグヘマイト薄膜よりなる磁性層3と、保護層4とを有してなり、保護層4上に、フェノール化合物を含有する潤滑補助層5が形成され、潤滑補助層5上に、下記一般式(1)に示される化合物を含有する潤滑剤層6が形成された磁気記録媒体を提供する。
R1CH(COOR2)CH2COOR3・・・(1)
但し、R1は、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基又は水素を示す。
また、R2とR3は、フロロアルキル基、フロロアルケニル基、フロロポリエーテル基又は水素のいずれかを示す。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)や、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(GMRヘッド)を用いたシステムにおいて、優れた走行安定性、走行耐久性を実現できる磁気記録媒体に関するものである。
近年、磁気記録媒体においては、大容量のデータを取り扱うために、高密度記録化への要求が益々高まってきている。特に最近においては、更なる高密度記録化を達成するために、記録信号の再生を行う際に用いる磁気ヘッドについて、従来の誘導型ヘッドに代わり磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)や、巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッド(GMRヘッド)のような高感度型の磁気ヘッドが適用されるようになってきており、ハードディスクだけではなく、いわゆる磁気テープに対しても適用されるようになってきている。
このような高密度型の磁気記録媒体としては、従来、いわゆるスパッタリング法や真空蒸着法によって磁性層を形成した薄膜型の磁気記録媒体が適用されており、上述したような高感度型の磁気ヘッドを用いて記録密度を向上させるために磁性層を薄膜化し、高保磁力化、低ノイズ化を図ることが必要となってきている。また、高密度記録化とともに、長期に亘って信号品質の劣化を起こすことなく保存が可能な、いわゆるアーカイブ性に対する要求も厳しくなってきている。
上述したような要求を満たす磁気記録媒体として、コバルト含有マグヘマイト薄膜を磁性層に用いたハードディスク向けの磁気記録媒体が提案されている(例えば、下記特許文献1、2参照。)。
フェライト膜はメタルパウダーを使用した塗布型の磁気テープやCo/CoO蒸着テープ等に比べて錆びにくいため、長期保存においても磁気特性が非常に安定であるという利点を有している。
しかしながら、これを高密度記録用の磁気テープに使用することを仮定すると、磁気ヘッドとテープ間の接触による磨耗により表面にダメージを受け、安定な走行が確保されず、記録信号の劣化等が起こるおそれがある。このため、テープ表面の潤滑性を高めることが重要課題となってくる。
フェライト膜はメタルパウダーを使用した塗布型の磁気テープやCo/CoO蒸着テープ等に比べて錆びにくいため、長期保存においても磁気特性が非常に安定であるという利点を有している。
しかしながら、これを高密度記録用の磁気テープに使用することを仮定すると、磁気ヘッドとテープ間の接触による磨耗により表面にダメージを受け、安定な走行が確保されず、記録信号の劣化等が起こるおそれがある。このため、テープ表面の潤滑性を高めることが重要課題となってくる。
ところで、磁性層に強磁性粉末とバインダー樹脂を主体として含む、いわゆる塗布型の磁気記録テープにおいては、バインダー樹脂中に潤滑剤を添加することによりテープ表面に潤滑性を与えている。
しかし、コバルト含有マグヘマイト薄膜を記録層として有する磁気テープにおいては、塗布型磁気記録テープのように潤滑剤を磁性層内に添加することは困難である。このため磁性層上に保護層を設けることで磁性層を保護し、耐久性の向上を図っている。しかし、上記保護層のみでは充分な潤滑性が得られず、長時間走行を行うと摩擦が高くなり、テープ表面が損傷したり、その際の削り屑によって磁気ヘッドが磨耗したりするという問題を抱えている。
また、特に低温環境下において高速走行を行う際には、潤滑剤層の破壊が起こりやすくなり、その結果、磁性層の破壊による出力低下が起こるという問題があった。
しかし、コバルト含有マグヘマイト薄膜を記録層として有する磁気テープにおいては、塗布型磁気記録テープのように潤滑剤を磁性層内に添加することは困難である。このため磁性層上に保護層を設けることで磁性層を保護し、耐久性の向上を図っている。しかし、上記保護層のみでは充分な潤滑性が得られず、長時間走行を行うと摩擦が高くなり、テープ表面が損傷したり、その際の削り屑によって磁気ヘッドが磨耗したりするという問題を抱えている。
また、特に低温環境下において高速走行を行う際には、潤滑剤層の破壊が起こりやすくなり、その結果、磁性層の破壊による出力低下が起こるという問題があった。
すなわち、磁気ヘッドが磁性層形成面に接することなく浮上している状態で信号の記録再生動作がなされるハードディスクと異なり、磁気テープにおいては媒体と磁気ヘッドとが高速で接触し続けるため、両者の摩擦について検討することは極めて重要な課題である。
そこで本発明においては、上述した問題点に鑑みて、コバルト含有マグヘマイト薄膜よりなる磁性層の利点を生かしつつ、常温、低温のいずれの環境下においても良好な走行安定性、及び走行耐久性が実現され、高感度磁気ヘッドの摩耗や磁気特性の劣化を効果的に回避可能な磁気記録媒体を提供することとした。
本発明の磁気記録媒体は、長尺状の非磁性支持体上に、コバルト含有マグヘマイト薄膜よりなる磁性層と、保護層とを有してなり、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを備えた磁気記録システムに適用されるものであって、保護層上に、フェノール化合物を含有する潤滑補助層が形成され、潤滑補助層上に、下記一般式(1)に示される化合物を含有する潤滑剤層が形成されてなる構成を有しているものとする。
R1CH(COOR2)CH2COOR3・・・(1)
但し、R1は、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基又は水素を示す。
また、R2とR3は、フロロアルキル基、フロロアルケニル基、フロロポリエーテル基又は水素のいずれかを示すものとする。
R1CH(COOR2)CH2COOR3・・・(1)
但し、R1は、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基又は水素を示す。
また、R2とR3は、フロロアルキル基、フロロアルケニル基、フロロポリエーテル基又は水素のいずれかを示すものとする。
また、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、コバルト含有マグヘマイト薄膜よりなる磁性層と、保護層とを有し、磁気抵抗効果型磁気ヘッドに適用される磁気記録媒体であって、保護層上に、フェノール化合物及び下記一般式(1)に示す化合物を含有する潤滑層が形成されているものとする。
R1CH(COOR2)CH2COOR3・・・(1)
但し、R1は、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基又は水素を示す。
また、R2とR3は、フロロアルキル基、フロロアルケニル基、フロロポリエーテル基又は水素のいずれかを示すものとする。
R1CH(COOR2)CH2COOR3・・・(1)
但し、R1は、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基又は水素を示す。
また、R2とR3は、フロロアルキル基、フロロアルケニル基、フロロポリエーテル基又は水素のいずれかを示すものとする。
本発明の磁気記録媒体によれば、フェノール化合物を含有する潤滑補助層を設けることにより、長時間走行により潤滑剤層が摩擦により剥離した場合においても、この下層のフェノール化合物が近傍の潤滑剤を引き付けて膜修復が行なわれるので、この潤滑補助層を介して上層に形成される潤滑剤層の自己修復能力が高められ、低温環境下における潤滑剤層の破壊が防止される。
また、保護層上に上記一般式(1)に示す化合物及びフェノール化合物よりなる潤滑補助剤を含有する潤滑層を形成したことにより、フェノール化合物によって潤滑剤分子の結晶化が妨げられて潤滑膜がやわらかくなり、その結果損傷した潤滑膜が速やかに回復するので、磁気記録媒体として低温環境下における耐久性が良好に保たれる。
本発明にかかる磁気記録媒体によれば、フェノール化合物からなる潤滑補助層を保護層上に形成したことにより、潤滑剤層の破壊を効果的に防止することができ、走行性および耐久性を向上を図ることができた。また、潤滑剤層形成用の化合物として一般式(1)に示す化合物を適用したことにより、走行安定性、走行耐久性に優れ、高感度磁気ヘッドを適用した際において効果的に磁気ヘッドの摩耗を防止でき、かつ低温環境下で長時間走行を行った場合においても良好な走行性が維持できる磁気記録媒体を得られた。
また、保護層上に、フェノール化合物からなる潤滑補助剤と、一般式(1)に示す化合物とを含有する潤滑層を形成したことにより、走行性安定性及び走行耐久性の向上が図られ、磁気ヘッド摩耗が防止され、かつ磁気特性の劣化が回避され、常温、及び低温のいずれの環境下においても優れた走行性が実現できた。
本発明の磁気記録媒体の具体的な実施形態について説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。先ず、本発明に係る磁気記録媒体の第1の実施形態について、図1に一例の概略断面図を示して説明する。
磁気記録媒体10は、非磁性支持体1の一主面上に、コバルト含有マグヘマイト薄膜よりなる磁性層3を有し、磁性層3上に保護層4を有し、保護層4上に潤滑補助層5を有し、最上層に潤滑剤層6が形成された構成を有している。磁性層3形成側とは反対側には、バックコート層7が形成されている。
非磁性支持体1は長尺形状を有するプラスチックフィルムよりなるものとし、材料としてはポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が適用できる。
非磁性支持体1の膜厚は3〜10μmが好適であり、磁性層形成面には高さ5〜20nm、1.0×108〜5.0×108個/mm2の割合で微小突起が形成されていることが好ましい。
非磁性支持体1の膜厚は3〜10μmが好適であり、磁性層形成面には高さ5〜20nm、1.0×108〜5.0×108個/mm2の割合で微小突起が形成されていることが好ましい。
次に、磁性層3について説明する。
磁性層3はスパッタリング法によって形成することができる。具体的には、連続的に搬送されている非磁性支持体1上に、コバルト含有鉄合金のターゲットを用いて、酸素を導入しながら反応スパッタを行うことにより、コバルト含有マグネタイト膜を形成し、次に、このコバルト含有マグネタイト膜を加熱酸化処理することによってコバルト含有マグヘマイト膜を形成する。
ターゲットに使用する鉄コバルト合金中のコバルト含有量は1〜10重量%であるものとし、最終的に成膜する磁性層3のコバルト含有量が1〜10重量%になるようにする。
コバルト含有量を高くすると保磁力Hcを高くすることができ、実用上充分な保磁力Hcを得るためには磁性層中のコバルト含有量が1重量%以上であることが必要であるが、10重量%を越えると磁気テープの経時安定性が低下する。
また磁性層の面内配向を高めたり結晶粒子の微細化を促進する目的、あるいはテープの変形を抑制する等の目的で下地層を設けても良い。例えば面内配向を高めるためにはNiOが効果的であるがこれに限定されず、磁性層の下地層形成用材料として公知のものを適宜用いることができる。
磁性層3はスパッタリング法によって形成することができる。具体的には、連続的に搬送されている非磁性支持体1上に、コバルト含有鉄合金のターゲットを用いて、酸素を導入しながら反応スパッタを行うことにより、コバルト含有マグネタイト膜を形成し、次に、このコバルト含有マグネタイト膜を加熱酸化処理することによってコバルト含有マグヘマイト膜を形成する。
ターゲットに使用する鉄コバルト合金中のコバルト含有量は1〜10重量%であるものとし、最終的に成膜する磁性層3のコバルト含有量が1〜10重量%になるようにする。
コバルト含有量を高くすると保磁力Hcを高くすることができ、実用上充分な保磁力Hcを得るためには磁性層中のコバルト含有量が1重量%以上であることが必要であるが、10重量%を越えると磁気テープの経時安定性が低下する。
また磁性層の面内配向を高めたり結晶粒子の微細化を促進する目的、あるいはテープの変形を抑制する等の目的で下地層を設けても良い。例えば面内配向を高めるためにはNiOが効果的であるがこれに限定されず、磁性層の下地層形成用材料として公知のものを適宜用いることができる。
スパッタ法は特に限定されるものではなく、RFマグネトロンスパッタ法、ECRスパッタ法、対向ターゲット式スパッタ法等、いずれの方法も適用することができる。これらのスパッタ法においては、それぞれ酸素流量とガス圧、投入電力を任意に制御しながらコバルト含有マグネタイト膜を形成する。
コバルト含有マグネタイト薄膜を生成、堆積させる時の温度は300℃以下とする。非磁性支持体となるプラスチックフィルムの耐熱性を考慮すれば、好ましくは240℃以下、より好ましくは200℃以下とする。
コバルト含有マグネタイトを酸化してコバルト含有マグヘマイトにする手法には、大気中で250〜300℃の温度に保持したキャンに接触させ搬送する方法(大気中アニール処理)や、希ガスを含むプラズマ活性化された酸素イオンを数秒間照射する方法(プラズマ酸化法)、酸素含有ガス雰囲気下で紫外線照射するUV−オゾン処理等が挙げられる。
コバルト含有マグネタイトを酸化してコバルト含有マグヘマイトにする手法には、大気中で250〜300℃の温度に保持したキャンに接触させ搬送する方法(大気中アニール処理)や、希ガスを含むプラズマ活性化された酸素イオンを数秒間照射する方法(プラズマ酸化法)、酸素含有ガス雰囲気下で紫外線照射するUV−オゾン処理等が挙げられる。
磁性層3上には、耐久性や耐候性を高める目的で、硬質炭素に代表されるような保護層4を形成する。
保護層4は、スパッタリング法やCVD法等により形成することができる。保護層を5nmよりも薄く形成すると充分な耐久性が得られず、15nmよりも厚く形成すると、スペーシングが増加して充分な出力が得られなくなるおそれがあるため、5〜15nmの膜厚に形成することが望ましい。
保護層形成材料としては、従来公知の金属磁性薄膜型の磁気記録媒体用の保護層として用いられているものであれば、いずれも適用できるが、カーボンが好適である。その他、CrO2、Al2O3、BN、Co酸化物、MgO、SiO2、Si3O4、SiN、SiC、SiNx−SiO2、ZrO2、TiO2、TiC等が挙げられる。
保護層4は、スパッタリング法やCVD法等により形成することができる。保護層を5nmよりも薄く形成すると充分な耐久性が得られず、15nmよりも厚く形成すると、スペーシングが増加して充分な出力が得られなくなるおそれがあるため、5〜15nmの膜厚に形成することが望ましい。
保護層形成材料としては、従来公知の金属磁性薄膜型の磁気記録媒体用の保護層として用いられているものであれば、いずれも適用できるが、カーボンが好適である。その他、CrO2、Al2O3、BN、Co酸化物、MgO、SiO2、Si3O4、SiN、SiC、SiNx−SiO2、ZrO2、TiO2、TiC等が挙げられる。
また、磁性層3を形成する面とは反対の面にバックコート層7を設けても良い。バックコート層はカーボンを主成分とするもので、ウエットプロセスあるいはドライプロセス等、従来公知の方法により形成することができる。
潤滑補助層5は、フェノール化合物を所定の溶媒に溶解したものを塗布して形成される。
ここで、フェノール化合物とは、ベンゼン環に直接水酸基(−OH基)が結合した化合物であるものとし、一価〜三価フェノール、各種フェノール誘導体、ナフトール、及びナフトール誘導体等も含まれるものとする。なお、本発明において適用するフェノール化合物は、ベンゼン環の数が1又は2であるものが好適である。
この潤滑補助剤の量は、1m2あたり5mg〜150mgが望ましく、より好ましくは10mg〜50mgであるものとする。
潤滑補助剤の量が1m2あたり5mg未満であると、後述する潤滑剤層において、充分な修復補助作用を発揮することができず、特に低温度環境下において充分なスチル耐久性が得られない場合がある。また1m2あたり150mgを超えると、逆に潤滑補助剤が潤滑剤の働きを阻害する場合がある。
ここで、フェノール化合物とは、ベンゼン環に直接水酸基(−OH基)が結合した化合物であるものとし、一価〜三価フェノール、各種フェノール誘導体、ナフトール、及びナフトール誘導体等も含まれるものとする。なお、本発明において適用するフェノール化合物は、ベンゼン環の数が1又は2であるものが好適である。
この潤滑補助剤の量は、1m2あたり5mg〜150mgが望ましく、より好ましくは10mg〜50mgであるものとする。
潤滑補助剤の量が1m2あたり5mg未満であると、後述する潤滑剤層において、充分な修復補助作用を発揮することができず、特に低温度環境下において充分なスチル耐久性が得られない場合がある。また1m2あたり150mgを超えると、逆に潤滑補助剤が潤滑剤の働きを阻害する場合がある。
潤滑剤層6は、下記一般式(1)で表される化合物を含有する潤滑剤を所定の溶媒中に溶解した潤滑剤塗料を、潤滑補助層5上に塗布して形成される。
R1CH(COOR2)CH2COOR3・・・(1)
但し、R1は、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基又は水素を示す。
また、R2とR3は、フロロアルキル基、フロロアルケニル基、フロロポリエーテル基又は水素のいずれかを示す。
R1CH(COOR2)CH2COOR3・・・(1)
但し、R1は、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基又は水素を示す。
また、R2とR3は、フロロアルキル基、フロロアルケニル基、フロロポリエーテル基又は水素のいずれかを示す。
上記一般式(1)の化合物において、R1で表される脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基の炭素数は6〜30であることが好ましく、10〜21であることがより好ましい。R1で表される脂肪族アルキル基、または脂肪族アルケニル基の炭素数を6〜30とすることで、溶媒への溶解性が良好なものとなり、摩擦係数の低下効果、摩耗特性、及び耐久性の向上効果が確実に発揮される。
R1で表される脂肪族アルキル基、または脂肪族アルケニル基の炭素数が6未満である場合、アルキル基長が短すぎ、摩擦係数の低下、摩耗特性、及び耐久性の向上という効果を確実に発揮することが困難となる。一方、炭素数が30を超える場合、溶媒への溶解性が小さくなり、均一な潤滑剤層5の形成が困難となる場合がある。
R1で表される脂肪族アルキル基、または脂肪族アルケニル基の炭素数が6未満である場合、アルキル基長が短すぎ、摩擦係数の低下、摩耗特性、及び耐久性の向上という効果を確実に発揮することが困難となる。一方、炭素数が30を超える場合、溶媒への溶解性が小さくなり、均一な潤滑剤層5の形成が困難となる場合がある。
また、上記一般式(1)で示される化合物において、R2とR3で表されるフロロアルキル基、フロロアルケニル基、またはフロロポリエーテル基の炭素数は、フロロアルキル基及びフロロアルケニル基の場合は6〜30であることが好ましく、6〜21であることがより好ましい。
フロロポリエーテル基である場合はその平均分子量が1000〜6000であることが好ましく、さらには2000〜4000がより好ましい。
R2とR3で表されるフロロアルキル基又はフロロアルケニル基の炭素数を6〜30とすることで、溶媒への溶解性が良好なものとなり、摩擦係数の低下効果、摩耗特性、及び耐久性の向上効果を確実に発揮することができる。
R2とR3で表されるフロロアルキル基、またはフロロアルケニル基の炭素数が6未満である場合、アルキル基長が短すぎ、摩擦特性の低下、摩耗特性、及び耐久性の向上という効果を充分に発揮できない。
一方、R2とR3で表されるフロロアルキル基、またはフロロアルケニル基の炭素数が30を超える場合、溶媒への溶解性が小さくなり、均一な潤滑剤層5の形成が困難となる場合がある。
R2とR3で表されるフロロポリエーテル基の平均分子量が1000以下である場合は潤滑剤が剥がれやすくなり、摩耗特性や耐久性が向上しない場合がある。平均分子量が6000以上である場合はヘッドと潤滑層が凝着を起こしやすくなり、摩耗特性が低下する。
フロロポリエーテル基である場合はその平均分子量が1000〜6000であることが好ましく、さらには2000〜4000がより好ましい。
R2とR3で表されるフロロアルキル基又はフロロアルケニル基の炭素数を6〜30とすることで、溶媒への溶解性が良好なものとなり、摩擦係数の低下効果、摩耗特性、及び耐久性の向上効果を確実に発揮することができる。
R2とR3で表されるフロロアルキル基、またはフロロアルケニル基の炭素数が6未満である場合、アルキル基長が短すぎ、摩擦特性の低下、摩耗特性、及び耐久性の向上という効果を充分に発揮できない。
一方、R2とR3で表されるフロロアルキル基、またはフロロアルケニル基の炭素数が30を超える場合、溶媒への溶解性が小さくなり、均一な潤滑剤層5の形成が困難となる場合がある。
R2とR3で表されるフロロポリエーテル基の平均分子量が1000以下である場合は潤滑剤が剥がれやすくなり、摩耗特性や耐久性が向上しない場合がある。平均分子量が6000以上である場合はヘッドと潤滑層が凝着を起こしやすくなり、摩耗特性が低下する。
上記一般式(1)の化合物は、アルキル無水コハク酸、又はアルケニル無水コハク酸、及び含フッ素アルコールを原料として合成することができる。
原料となるアルキル無水コハク酸、又はアルキルコハク酸としては、ドデシル無水コハク酸、トリデシル無水コハク酸、テトラデシル無水コハク酸、ペンタデシル無水コハク酸、ヘプタデシル無水コハク酸、オクタデシル無水コハク酸、ノナデシル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、トリデセニル無水コハク酸、テトラデセニル無水コハク酸、ペンタデセニル無水コハク酸、ヘキサデセニル無水コハク酸、ヘプタデセニル無水コハク酸、オクタデセニル無水コハク酸、ノナデセニル無水コハク酸等が挙げられる。
同じく原料となる含フッ素アルコールとしては、3−(パーフロロブチル)プロパノール、6−(パーフロロブチル)プロパノール、2−(パーフロロヘキシル)エタノール、3−(パーフロロヘキシル)プロパノール、6−(パーフロロヘキシル)ヘキサノール、2−(パーフロロオクチル)エタノール、3−(パーフロロオクチル)プロパノール、6−(パーフロロオクチル)ヘキサノール、2−(パーフロロデシル)エタノール、6−(パーフロロ−1−メチルエチル)ヘキサノール、2−(パーフロロ−3−メチルブチル)エタノール、2−(パーフロロ−5−メチルヘキシル)エタノール、2−(パーフロロ−7−メチルオクチル)エタノール、1H,1H,7H−ドデカフロロヘプタノール、1H,1H,9H−ヘキサデカフロロノナノール、1H,1H,11H−エイコサフロロ−1−ウンデカノール、1H,1H−パーフロロ−1−デカノール、1H,1H−パーフロロ−1−ヘキサデカノール、1H,1H−13H−パーフロロトリデカノール、1H,1H−パーフロロ−1−テトラデカノール、2,3−ジフロロベンジルアルコール、2,4−ジフロロベンジルアルコール、2,5−ジフロロベンジルアルコール、2,6−ジフロロベンジルアルコール、3,4−ジフロロベンジルアルコール、3,5−ジフロロベンジルアルコール、2−(ジフロロメトキシ)ベンジルアルコール、3−(ジフロロメトキシ)ベンジルアルコール、4−(ジフロロメトキシ)ベンジルアルコール、2,3−ジフロロ−4−メチルベンジルアルコール2,6−ジフロロ−3−メチルベンジルアルコール、2,3−ジフロロ−4−(トリフルオロメチル)ベンジルアルコール、2−フロロベンジルアルコール、4−フロロベンジルアルコール、3−フロロ−4−メチルベンジルアルコール、4−フロロ−3−メチルベンジルアルコール、5−フロロ−2−メチルベンジルアルコール、2−フロロフェニルアルコール、2−フロロ−3−(トリフロロメチル)ベンジルアルコール、1−(ペンタフロロフェニル)エタノール、2,3,4,5−テトラフロロベンジルアルコール、2,4,5−トリフロロベンジルアルコール、2,4,6−トリフロロベンジルアルコール、3,4,5−トリフロロベンジルアルコール、2,3,4−トリフロロベンジルアルコール、2,3,5−トリフロロベンジルアルコール、2,3,6−トリフロロベンジルアルコール、2−(トリフロロメチル)ベンジルアルコール、3−(トリフロロメチル)ベンジルアルコール、4−(トリフロロメチル)ベンジルアルコール、Fomblin MF402等が挙げられる。
なお、潤滑剤層6は、上記一般式(1)で示される化合物だけでなく、従来公知の潤滑剤を組み合わせて含有させてもよい。
潤滑剤塗料の塗布量は、5mg/m2〜500mg/m2であることが好ましく、10mg/m2〜150mg/m2であることがより好ましい。
潤滑剤塗料の塗布量が少なすぎる場合、摩擦係数の低下、耐摩耗性及び耐久性の向上という効果が充分に現れない場合がある。一方、潤滑剤塗料の塗布量が多すぎる場合、摺動部材に移着した潤滑剤と潤滑剤層6との間で凝着が起こり、走行性が悪化する。
潤滑剤塗料の塗布量は、5mg/m2〜500mg/m2であることが好ましく、10mg/m2〜150mg/m2であることがより好ましい。
潤滑剤塗料の塗布量が少なすぎる場合、摩擦係数の低下、耐摩耗性及び耐久性の向上という効果が充分に現れない場合がある。一方、潤滑剤塗料の塗布量が多すぎる場合、摺動部材に移着した潤滑剤と潤滑剤層6との間で凝着が起こり、走行性が悪化する。
上記一般式(1)で示される化合物は、従来の含フッ素系潤滑剤と同様に、分子中にフッ素原子を有している。
ところが、従来の含フッ素系潤滑剤はフッ素系溶媒のみに溶解するのに対し、一般式(1)の化合物は、フッ素系溶媒のみならず、トルエンやアセトン等の炭化水素系溶媒にも溶解する。つまり溶媒として、フッ素系溶媒と比較すると環境に与える影響が非常に小さい炭化水素系溶媒を使用することができるという利点を有している。
ところが、従来の含フッ素系潤滑剤はフッ素系溶媒のみに溶解するのに対し、一般式(1)の化合物は、フッ素系溶媒のみならず、トルエンやアセトン等の炭化水素系溶媒にも溶解する。つまり溶媒として、フッ素系溶媒と比較すると環境に与える影響が非常に小さい炭化水素系溶媒を使用することができるという利点を有している。
上述したように、本実施の形態における磁気記録媒体10は、摩擦低減効果の高い潤滑剤を含有する潤滑剤層6の下層として、潤滑剤層6の修復を促進する潤滑補助層5が形成されているため、特に低温環境下のような厳しい使用条件下においても、良好な走行性安定性、及び走行耐久性が確保され、かつ磁気ヘッド摩耗や磁気特性の劣化が回避される。
次に、本発明に係る磁気記録媒体の第2の実施形態について、図2に一例の概略断面図を示して説明する。
なお、上述した第1の実施の形態における磁気記録媒体10と共通する部分には、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
なお、上述した第1の実施の形態における磁気記録媒体10と共通する部分には、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図2の磁気記録媒体20は、非磁性支持体1の一主面上に、磁性層3、保護層4を有し、保護層4上に、最上層として潤滑層9が形成された構成を有している。
すなわち、第1の実施の形態では保護層4上に潤滑補助層5と潤滑剤層6が形成されているのに対して、本実施の形態では保護層4上に潤滑層9が形成されている点で構成上異なる。
すなわち、第1の実施の形態では保護層4上に潤滑補助層5と潤滑剤層6が形成されているのに対して、本実施の形態では保護層4上に潤滑層9が形成されている点で構成上異なる。
本実施の形態は、第1の実施の形態と比較して、保護層4までは同じであるため、潤滑層9についてのみ説明する。潤滑層9は、フェノール化合物からなる潤滑補助剤、及び下記一般式(1)で表される化合物を含有する潤滑剤を溶媒中に溶解した潤滑剤塗料を、保護層4上に塗布して形成されたものである。
ここで使用する潤滑補助剤及び潤滑剤は第1の実施の形態で使用したものと同じものを適用できる。なお溶媒としてはアルコール系の溶媒が用いられる。
R1CH(COOR2)CH2COOR3・・・(1)
但し、R1は、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基又は水素を示す。
また、R2とR3は、フロロアルキル基、フロロアルケニル基、フロロポリエーテル基又は水素のいずれかを示す。
ここで使用する潤滑補助剤及び潤滑剤は第1の実施の形態で使用したものと同じものを適用できる。なお溶媒としてはアルコール系の溶媒が用いられる。
R1CH(COOR2)CH2COOR3・・・(1)
但し、R1は、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基又は水素を示す。
また、R2とR3は、フロロアルキル基、フロロアルケニル基、フロロポリエーテル基又は水素のいずれかを示す。
潤滑補助剤の量としては1m2あたり5mg〜120mgが望ましく、より好ましくは10mg〜50mgであるものとする。潤滑補助剤の量が1m2あたり5mg未満になると、充分な潤滑膜の修復補助作用を発揮できず、特に低温環境下でのスチル耐久性が充分に確保できない。また1m2あたり120mgを超えると逆に潤滑補助剤が潤滑剤の働きを阻害する場合がある。
また、潤滑剤の塗布量は、5mg/m2〜500mg/m2であることが好ましく、10mg/m2〜150mg/m2であることがより好ましい。潤滑剤塗料の塗布量が少なすぎると、摩擦係数の低下、耐摩耗性及び耐久性の向上という効果が充分に得られない場合がある。
一方、潤滑剤塗料の塗布量が多すぎると、摺動部材に移着した潤滑剤と潤滑層9との間で凝着が起こり、却って走行性が悪化する。
一方、潤滑剤塗料の塗布量が多すぎると、摺動部材に移着した潤滑剤と潤滑層9との間で凝着が起こり、却って走行性が悪化する。
なお、潤滑層9は、フェノール化合物と一般式(1)に示される化合物を含有するだけでなく、従来公知の潤滑剤を組み合わせて含有してもよい。
また、図2の磁気記録媒体においても、磁性層3を形成する面とは反対の面にバックコート層7を設けても良い。バックコート層7はカーボンを主成分とするもので、ウエットプロセスあるいはドライプロセス等、従来公知の方法により形成することができる。
上述したような磁気記録媒体20は、潤滑性に優れ、粉落ちの発生を防止できる潤滑剤と、層の密度を下げることができる潤滑補助剤を含有する潤滑層9を持つため、特に低温環境下のような厳しい使用環境下においても、長時間に亘って良好な走行性安定性、走行耐久性が確保でき、かつ磁気ヘッド摩耗や磁気特性の劣化が防止される。
以下、本発明の磁気記録媒体の実施例について、具体的な実験結果に基づいて説明する。
〔試験A〕
(潤滑剤の合成)
37gのF(CF2)8(CH2)2OHをオクタデシルコハク酸無水物15gとともに400ccのヘキサンに溶解し、濃硫酸を触媒量添加して24時間還流した。 次に、カラムクロマトグラフィにより目的物を分取した。これを濃縮することにより、C18H37CH(COOH)CH2COOC2H4C8F17を25g得た。
原材料を変えて他の化合物を上述した方法と同様にして合成した。
合成した二種類の化合物を下記表1に化合物1、2として示す。
〔試験A〕
(潤滑剤の合成)
37gのF(CF2)8(CH2)2OHをオクタデシルコハク酸無水物15gとともに400ccのヘキサンに溶解し、濃硫酸を触媒量添加して24時間還流した。 次に、カラムクロマトグラフィにより目的物を分取した。これを濃縮することにより、C18H37CH(COOH)CH2COOC2H4C8F17を25g得た。
原材料を変えて他の化合物を上述した方法と同様にして合成した。
合成した二種類の化合物を下記表1に化合物1、2として示す。
次に、下記表2に示す化合物3〜7を用意した。
次に、サンプル磁気テープを作製した。
〔サンプルA1〕
ベースフィルムとして、磁性層形成面に高さ10nmの微小突起が3×108個/mm2形成されている膜厚7.5μmの二層ポリイミドフィルムを用意した。
次に、対向ターゲット式スパッタ装置を用い、反応スパッタ法によりベースフィルムとターゲットとの距離を150mmに設定して、10m/minの送り速度で搬送させ、室温(30℃)で全圧0.30Pa、アルゴン20sccm、酸素30sccmの流量中で、Fe+4重量%Co金属合金ターゲットをスパッタリングして、Co含有マグネタイト膜を膜厚15nmに形成した。
次に連続してプラズマ酸化処理を行い、Co含有マグヘマイト膜よりなる磁性層を形成した。
次に、ベースフィルムを5m/minの送り速度で搬送させ、アルゴン20sccm、全圧0.20Paの条件下、スパッタ法によりカーボン膜よりなる保護層4を膜厚5nmに形成した。
次に、磁性層形成面側とは反対側の面に、カーボンブラック、炭酸カルシウム、ポリエステル樹脂、ニトロセルロース樹脂を主成分とした塗料を塗布することにより、バックコート層を形成した。
〔サンプルA1〕
ベースフィルムとして、磁性層形成面に高さ10nmの微小突起が3×108個/mm2形成されている膜厚7.5μmの二層ポリイミドフィルムを用意した。
次に、対向ターゲット式スパッタ装置を用い、反応スパッタ法によりベースフィルムとターゲットとの距離を150mmに設定して、10m/minの送り速度で搬送させ、室温(30℃)で全圧0.30Pa、アルゴン20sccm、酸素30sccmの流量中で、Fe+4重量%Co金属合金ターゲットをスパッタリングして、Co含有マグネタイト膜を膜厚15nmに形成した。
次に連続してプラズマ酸化処理を行い、Co含有マグヘマイト膜よりなる磁性層を形成した。
次に、ベースフィルムを5m/minの送り速度で搬送させ、アルゴン20sccm、全圧0.20Paの条件下、スパッタ法によりカーボン膜よりなる保護層4を膜厚5nmに形成した。
次に、磁性層形成面側とは反対側の面に、カーボンブラック、炭酸カルシウム、ポリエステル樹脂、ニトロセルロース樹脂を主成分とした塗料を塗布することにより、バックコート層を形成した。
次に、潤滑補助剤として上記表2中の化合物3をエタノールに溶解させて潤滑補助剤塗料を調整し、塗布量が40mg/m2になるように保護層4上に均一に塗布して潤滑補助層5を形成した。
その後、潤滑剤として上記表1の化合物1をトルエンに溶解させて潤滑剤塗料を形成し、この潤滑剤塗料を磁性層のある面に塗布量が50mg/m2になるように均一に塗布して潤滑剤層6を形成した。
最後に原反を、6.35mm幅にスリットしてサンプルとなる磁気テープを作製した。
その後、潤滑剤として上記表1の化合物1をトルエンに溶解させて潤滑剤塗料を形成し、この潤滑剤塗料を磁性層のある面に塗布量が50mg/m2になるように均一に塗布して潤滑剤層6を形成した。
最後に原反を、6.35mm幅にスリットしてサンプルとなる磁気テープを作製した。
〔サンプルA2〜A7〕、〔サンプルA8〜A13〕
潤滑補助層5形成用材料、及び潤滑剤層6形成用材料を変更して、サンプル磁気テープを作製した。これら化合物の組み合わせを下記表3、表4に示す。
その他の製造条件は、サンプルA1と同様とする。
潤滑補助層5形成用材料、及び潤滑剤層6形成用材料を変更して、サンプル磁気テープを作製した。これら化合物の組み合わせを下記表3、表4に示す。
その他の製造条件は、サンプルA1と同様とする。
(サンプル磁気テープの評価)
上述のようにして作製したサンプルA1〜A7、及びA8〜A13の磁気テープについて、各磁気テープの完成直後に以下に示す種々の測定を行い、走行性、シャトル耐久性、及びMRヘッド磨耗量についての評価を行った。
上述のようにして作製したサンプルA1〜A7、及びA8〜A13の磁気テープについて、各磁気テープの完成直後に以下に示す種々の測定を行い、走行性、シャトル耐久性、及びMRヘッド磨耗量についての評価を行った。
(走行性の評価)
温度25℃、湿度60%の環境条件に制御された恒温槽中で、ステンレスのガイドピン上にサンプル磁気テープを100パス摩擦走行させ、摩擦走行100パス目における摩擦係数を測定した。
摩擦係数の評価のランク付けは、◎が0.24%以下、○が0.29%以下で0.24%より大きい、△が0.35以下で0.29%より大きい、×が0.35%より大きい、とした。
(シャトル耐久性)
23℃50%RH(室温)と0℃(低温)に制御された環境条件に制御された恒温槽中で、市販のデジタルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:VX−1000)を用い、デジタルビデオカセットに60分長の磁気テープを組み込み、1分間記録した後、巻き戻しを行い1分間再生し、その時の出力を初期出力とした。その後1回だけ全長記録を行い繰り返し再生を行い、出力をモニタリングしながら走行させ、初期出力に対し、出力が半分(−6dB)になる走行繰り返し回数(パス回数)を測定した。
シャトル耐久性の評価のランク付けは、◎が100パス以上、○が80パス以上100パス未満、△が50パス以上80パス未満、×が50パス未満とした。
(MRヘッド磨耗量)
初期のMRヘッドの高さと、60分間の再生を50回繰り返した後のMRヘッドの高さとの差を、MRヘッドの磨耗量として測定した。
磨耗量のランク付けは、◎が0.3μm以下、○が0.6μm以下で0.3μmより大きい、△が1μm以下で0.6μmより大きい、×が1μmより大きいとした。
温度25℃、湿度60%の環境条件に制御された恒温槽中で、ステンレスのガイドピン上にサンプル磁気テープを100パス摩擦走行させ、摩擦走行100パス目における摩擦係数を測定した。
摩擦係数の評価のランク付けは、◎が0.24%以下、○が0.29%以下で0.24%より大きい、△が0.35以下で0.29%より大きい、×が0.35%より大きい、とした。
(シャトル耐久性)
23℃50%RH(室温)と0℃(低温)に制御された環境条件に制御された恒温槽中で、市販のデジタルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:VX−1000)を用い、デジタルビデオカセットに60分長の磁気テープを組み込み、1分間記録した後、巻き戻しを行い1分間再生し、その時の出力を初期出力とした。その後1回だけ全長記録を行い繰り返し再生を行い、出力をモニタリングしながら走行させ、初期出力に対し、出力が半分(−6dB)になる走行繰り返し回数(パス回数)を測定した。
シャトル耐久性の評価のランク付けは、◎が100パス以上、○が80パス以上100パス未満、△が50パス以上80パス未満、×が50パス未満とした。
(MRヘッド磨耗量)
初期のMRヘッドの高さと、60分間の再生を50回繰り返した後のMRヘッドの高さとの差を、MRヘッドの磨耗量として測定した。
磨耗量のランク付けは、◎が0.3μm以下、○が0.6μm以下で0.3μmより大きい、△が1μm以下で0.6μmより大きい、×が1μmより大きいとした。
サンプルA1〜A13の磁気テープについての、走行性、シャトル耐久性、及びMRヘッド磨耗量についての評価結果を、下記表5に示す。
上記表5に示すように、フェノール化合物による潤滑補助層5と上記一般式(1)に示される各種化合物を含有する潤滑剤層6が保護層4上に形成されているサンプルA1〜A7の磁気テープは、低温環境下においても良好な走行性安定性、及び走行耐久性の評価が得られ、かつMRヘッドの摩耗が少なく、さらには長時間走行を行った場合における磁気特性の劣化についても極めて少なく、実用上非常に優れた評価結果が得られた。
一方、サンプルA8、A9においては、潤滑補助層5を形成しなかったため、低温環境下における走行耐久性の評価が劣化した。
また、サンプルA10においては、潤滑補助層5の塗布量が多すぎ、上層の潤滑剤の働きを阻害してしまい、低温環境下において長時間走行を行った場合におけるシャトル耐久性、及びMRヘッド磨耗量の評価が著しく劣化した。
サンプルA11においては、潤滑補助層5の塗布量が少なすぎ、充分な潤滑剤の補修効果が得られず、特に低温環境下において長時間走行を行った場合におけるシャトル耐久性が劣化した。
サンプルA12においては、潤滑補助層5をフェノール類やナフトール類により形成しなかったため、走行耐久性の評価において、やや劣った結果となった。
また、サンプルA13においては、潤滑剤層9を形成しなかったため、シャトル走行中に固定ヘッドや固定ガイド等の摺動部材にテープの削り屑が付着し、その結果、テープと摺動部材の間に貼り付き現象が起こって走行不能となった。
また、サンプルA10においては、潤滑補助層5の塗布量が多すぎ、上層の潤滑剤の働きを阻害してしまい、低温環境下において長時間走行を行った場合におけるシャトル耐久性、及びMRヘッド磨耗量の評価が著しく劣化した。
サンプルA11においては、潤滑補助層5の塗布量が少なすぎ、充分な潤滑剤の補修効果が得られず、特に低温環境下において長時間走行を行った場合におけるシャトル耐久性が劣化した。
サンプルA12においては、潤滑補助層5をフェノール類やナフトール類により形成しなかったため、走行耐久性の評価において、やや劣った結果となった。
また、サンプルA13においては、潤滑剤層9を形成しなかったため、シャトル走行中に固定ヘッドや固定ガイド等の摺動部材にテープの削り屑が付着し、その結果、テープと摺動部材の間に貼り付き現象が起こって走行不能となった。
上述したように、フェノール類又はナフトール類からなる潤滑補助層5を保護層4上に形成し、最上層として、一般式(1)で示される化合物からなる潤滑剤層6を形成した構成とすることにより、特に低温環境下のような厳しい使用条件下でも、長時間に亘って良好な走行性安定性、及び走行耐久性を維持でき、かつMRヘッドの摩耗や磁気特性の劣化についても効果的に回避できた。
〔試験B〕
上記〔表1〕、〔表2〕に示した潤滑剤及び潤滑補助剤を用いて、図2に示した構成の磁気テープを作製し、その評価を行った。
上記〔表1〕、〔表2〕に示した潤滑剤及び潤滑補助剤を用いて、図2に示した構成の磁気テープを作製し、その評価を行った。
〔サンプルB1〕
ベースフィルムとして磁性層形成面に高さ10nmの微小突起が3×108個/mm2形成されている膜厚7.5μmの二層ポリイミドフィルムを用意した。
対向ターゲット式スパッタ装置を用い、反応スパッタ法により、ベースフィルムとターゲットとの距離を150mmに設定して、10m/minの送り速度で搬送させ、室温(30℃)で全圧0.30Pa、アルゴン20sccm、酸素30sccmの流量中で、Fe+4重量%Co金属合金ターゲットをスパッタリングして、Co含有マグネタイト膜を膜厚15nmに形成した。
さらに連続してプラズマ酸化処理を行い、Co含有マグヘマイト膜よりなる磁性層3を形成した。
次に、ベースフィルムを5m/minの送り速度で搬送させ、アルゴン20sccm、全圧0.20Paとし、スパッタ法によりカーボン膜よりなる保護層4を膜厚5nmに形成した。
次に、磁性層形成面側とは反対側の面に、カーボンブラック、炭酸カルシウム、ポリエステル樹脂、ニトロセルロース樹脂を主成分とした塗料を塗布することにより、バックコート層7を形成した。
ベースフィルムとして磁性層形成面に高さ10nmの微小突起が3×108個/mm2形成されている膜厚7.5μmの二層ポリイミドフィルムを用意した。
対向ターゲット式スパッタ装置を用い、反応スパッタ法により、ベースフィルムとターゲットとの距離を150mmに設定して、10m/minの送り速度で搬送させ、室温(30℃)で全圧0.30Pa、アルゴン20sccm、酸素30sccmの流量中で、Fe+4重量%Co金属合金ターゲットをスパッタリングして、Co含有マグネタイト膜を膜厚15nmに形成した。
さらに連続してプラズマ酸化処理を行い、Co含有マグヘマイト膜よりなる磁性層3を形成した。
次に、ベースフィルムを5m/minの送り速度で搬送させ、アルゴン20sccm、全圧0.20Paとし、スパッタ法によりカーボン膜よりなる保護層4を膜厚5nmに形成した。
次に、磁性層形成面側とは反対側の面に、カーボンブラック、炭酸カルシウム、ポリエステル樹脂、ニトロセルロース樹脂を主成分とした塗料を塗布することにより、バックコート層7を形成した。
次に、上記表2に示した潤滑補助剤である化合物3と、表1に示した潤滑剤である化合物1を、エタノールに溶解させて潤滑剤塗料を調整し、化合物3の塗布量が40mg/m2に、化合物1の塗布量が50mg/m2になるような割合で保護層4の上に均一に塗布し、乾燥させて潤滑層9を形成した。
最後に原反を6.35mm幅に切断し、サンプルB1の磁気テープとした。
最後に原反を6.35mm幅に切断し、サンプルB1の磁気テープとした。
〔サンプルB2〜B7〕、〔サンプルB8〜B13〕
潤滑補助剤、及び潤滑剤の組み合わせを変更し、各種サンプル磁気テープを作製した。これら化合物の組み合わせを下記表6、表7に示す。
その他の製造条件は、サンプルB1と同様とする。
潤滑補助剤、及び潤滑剤の組み合わせを変更し、各種サンプル磁気テープを作製した。これら化合物の組み合わせを下記表6、表7に示す。
その他の製造条件は、サンプルB1と同様とする。
〔サンプル磁気テープの評価〕
上述のようにして作製したサンプルB1〜B7、及びB8〜B13の磁気テープについて、各磁気テープの完成直後に以下に示す種々の測定を行い、走行性、シャトル耐久性、及びMRヘッド磨耗量についての評価を行った。
上述のようにして作製したサンプルB1〜B7、及びB8〜B13の磁気テープについて、各磁気テープの完成直後に以下に示す種々の測定を行い、走行性、シャトル耐久性、及びMRヘッド磨耗量についての評価を行った。
(走行性の評価)
温度25℃湿度60%の環境条件に制御された恒温槽中で、ステンレスのガイドピン上にサンプル磁気テープを100パス摩擦走行させ、摩擦走行100パス目における摩擦係数を測定した。
摩擦係数の評価のランク付けは、◎が0.24%以下、○が0.29%以下で0.24%より大きい、△が0.35以下で0.29%より大きい、×が0.35%より大きい、とした。
(シャトル耐久性)
23℃50%RH(室温)と0℃(低温)に制御された環境条件に制御された恒温槽中で、市販のデジタルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:VX−1000)を用い、デジタルビデオカセットに60分長の磁気テープを組み込み、1分間記録した後、巻き戻しを行い1分間再生し、その時の出力を初期出力とした。その後1回だけ全長記録を行い繰り返し再生を行い、出力をモニタリングしながら走行させ、初期出力に対し、出力が半分(−6dB)になる走行繰り返し回数(パス回数)を測定した。
シャトル耐久性の評価のランク付けは、◎が100パス以上、○が80パス以上100パス未満、△が50パス以上80パス未満、×が50パス未満とした。
(MRヘッド磨耗量)
初期のMRヘッドの高さと、60分間の再生を50回繰り返した後のMRヘッドの高さとの差を、MRヘッドの磨耗量として測定した。
磨耗量のランク付けは、◎が0.3μm以下、○が0.6μm以下で0.3μmより大きい、△が1μm以下で0.6μmより大きい、×が1μmより大きいとした。
温度25℃湿度60%の環境条件に制御された恒温槽中で、ステンレスのガイドピン上にサンプル磁気テープを100パス摩擦走行させ、摩擦走行100パス目における摩擦係数を測定した。
摩擦係数の評価のランク付けは、◎が0.24%以下、○が0.29%以下で0.24%より大きい、△が0.35以下で0.29%より大きい、×が0.35%より大きい、とした。
(シャトル耐久性)
23℃50%RH(室温)と0℃(低温)に制御された環境条件に制御された恒温槽中で、市販のデジタルビデオカムコーダー(ソニー社製、機種名:VX−1000)を用い、デジタルビデオカセットに60分長の磁気テープを組み込み、1分間記録した後、巻き戻しを行い1分間再生し、その時の出力を初期出力とした。その後1回だけ全長記録を行い繰り返し再生を行い、出力をモニタリングしながら走行させ、初期出力に対し、出力が半分(−6dB)になる走行繰り返し回数(パス回数)を測定した。
シャトル耐久性の評価のランク付けは、◎が100パス以上、○が80パス以上100パス未満、△が50パス以上80パス未満、×が50パス未満とした。
(MRヘッド磨耗量)
初期のMRヘッドの高さと、60分間の再生を50回繰り返した後のMRヘッドの高さとの差を、MRヘッドの磨耗量として測定した。
磨耗量のランク付けは、◎が0.3μm以下、○が0.6μm以下で0.3μmより大きい、△が1μm以下で0.6μmより大きい、×が1μmより大きいとした。
サンプルB1〜B13の磁気テープについての、走行性、シャトル耐久性、及びMRヘッド磨耗量についての評価結果を下記表8に示す。
上記表8に示すように、フェノール化合物による潤滑補助剤と、一般式(1)に示される各種化合物よりなる潤滑剤とを含有する潤滑層9が保護層4上に形成されているサンプルB1〜B7の磁気テープは、室温及び低温環境下において良好な走行性安定性、走行耐久性の評価が得られ、かつMRヘッドの摩耗もきわめて少なく、さらには長時間走行を行った場合における磁気特性の劣化が少なく、実用上非常に優れた評価結果が得られた。
一方、サンプルB8、B9においては、潤滑補助剤を含有させなかったため、低温環境下における走行耐久性の評価が劣化した。
また、サンプルB10においては、潤滑補助剤の塗布量が多すぎ、潤滑剤の働きを阻害してしまい、走行安定性が劣化し、低温環境下において長時間走行を行った場合におけるシャトル耐久性、及びMRヘッド磨耗量の評価についても著しい劣化が見られた。
サンプルB11においては、潤滑補助剤の塗布量が少なすぎ、かつ潤滑剤の塗布量が多すぎるため、充分な潤滑剤の補修効果が得られず、特に低温環境下において長時間走行を行った場合におけるシャトル耐久性が劣化した。
サンプルB12においては、潤滑補助剤としてフェノール類やナフトール類を適用しなかったため、走行耐久性の評価において、やや劣った結果となった。
また、サンプルB13においては、潤滑剤を用いなかったため、低温環境下におけるシャトル走行中に固定ヘッドや固定ガイド等の摺動部材にテープの削り屑が付着してしまい、その結果、テープと摺動部材の間に貼り付き現象が起こって走行不能となった。
また、サンプルB10においては、潤滑補助剤の塗布量が多すぎ、潤滑剤の働きを阻害してしまい、走行安定性が劣化し、低温環境下において長時間走行を行った場合におけるシャトル耐久性、及びMRヘッド磨耗量の評価についても著しい劣化が見られた。
サンプルB11においては、潤滑補助剤の塗布量が少なすぎ、かつ潤滑剤の塗布量が多すぎるため、充分な潤滑剤の補修効果が得られず、特に低温環境下において長時間走行を行った場合におけるシャトル耐久性が劣化した。
サンプルB12においては、潤滑補助剤としてフェノール類やナフトール類を適用しなかったため、走行耐久性の評価において、やや劣った結果となった。
また、サンプルB13においては、潤滑剤を用いなかったため、低温環境下におけるシャトル走行中に固定ヘッドや固定ガイド等の摺動部材にテープの削り屑が付着してしまい、その結果、テープと摺動部材の間に貼り付き現象が起こって走行不能となった。
上述したように、フェノール類又はナフトール類からなる潤滑補助剤及び上記一般式(1)で示される化合物からなる潤滑剤を用いて潤滑層を形成した構成とすることにより、常温、低温のいずれの環境下においても長時間に亘って良好な走行性安定性、走行耐久性を維持でき、かつMRヘッドの摩耗や磁気特性の劣化についても効果的に回避できた。
1……非磁性支持体、3……磁性層、4……保護層、5……潤滑補助層、6……潤滑剤層、7……バックコート層、9……潤滑層、10……磁気記録媒体、20……磁気記録媒体
Claims (8)
- 長尺状の非磁性支持体上に、コバルト含有マグヘマイト薄膜よりなる磁性層と、保護層とを有し、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを備えた磁気記録システムに適用される磁気記録媒体であって、
上記保護層上に、フェノール化合物を含有する潤滑補助層が形成されてなり、
上記潤滑補助層上に、下記一般式(1)に示される化合物を含有する潤滑剤層が形成されてなることを特徴とする磁気記録媒体。
R1CH(COOR2)CH2COOR3・・・(1)
(但し、R1は、脂肪族アルキル基又は脂肪族アルケニル基、または水素を示す。
R2、R3は、フロロアルキル基、フロロアルケニル基、フロロポリエーテル基又は水素のいずれかを示す。) - 上記潤滑補助層に含有されているフェノール化合物の量が、5mg/m2〜150mg/m2であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 上記一般式(1)に示される化合物を含む潤滑剤の量が、5mg/m2〜500mg/m2であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 上記フェノール化合物がフェノール類、またはナフトール類であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 長尺状の非磁性支持体上に、コバルト含有マグヘマイト薄膜よりなる磁性層と、保護層とを有し、磁気抵抗効果型磁気ヘッドを備えた磁気記録システムに適用される磁気記録媒体であって、
上記保護層上に、フェノール化合物及び下記一般式(1)に示す化合物を含有する潤滑層が形成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
R1CH(COOR2)CH2COOR3・・・(1)
(但し、R1は、脂肪族アルキル基、または脂肪族アルケニル基又は水素を示す。
R2、R3は、フロロアルキル基、フロロアルケニル基、フロロポリエーテル基又は水素のいずれかを示す。) - 上記潤滑層に含有されているフェノール化合物の量が、5mg/m2〜120mg/m2であることを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体。
- 上記潤滑層に含有されている上記一般式(1)に示す化合物を含む潤滑剤の量が、5mg/m2〜500mg/m2であることを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体。
- 上記フェノール化合物が、フェノール類、またはナフトール類であることを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体。
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2003
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