JP2005121702A - 光源装置とこれを用いた投写型表示装置 - Google Patents

光源装置とこれを用いた投写型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】主に投写型表示装置に用いるにあたり、偏光方向の揃った照明光を高い効率で形成し、かつ、照明光の照射角が小さく、均一な照明を実現できる光源装置を提供する。これにより小型で明るく、高画質な投写型表示装置を実現する。
【解決手段】例えば、光源と、二次発光体像を形成する集光手段と、光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、偏波面回転手段とを備え、第1反射面は特定方位の直線偏光成分を反射し、第2反射面はこれと直交する特定方位の直線偏光成分を反射し、形成される2つの二次発光体像を光軸をずらして互いに隣接させ、偏波面回転手段は、いずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、略同一方向の直線偏光成分の照明光を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に投写型表示装置に用いる光源装置と、当該光源装置を用いて構成される投写型表示装置に関係し、特に、自然偏光の放射光からおよそ単一の直線偏光の照明光を高い光利用効率で形成する新しい偏光変換の方式を提供する。
透過型あるいは反射型の小型液晶パネルを使い、この表示画像を投写レンズを用いて拡大投影する投写型表示装置は、広く知られると共に、PC画像のプレゼンテーション用途、ホームシアター用途、背面型のリア・プロジェクションTV用途などに、実用化が進んでいる。液晶パネルは、対角0.5〜1.6インチ程度の大きさが主流であり、偏光を利用するツイスト・ネマチック型や、ホメオトロピック型の液晶材料と配向方式が使われ、液晶パネルの前後には、直線偏光の光のみを透過させる2枚の偏光板が使われる。
液晶パネルは、光源装置が形成する自然光のうち、特定方位の直線偏光の成分しか利用できず、入射側偏光板で、照明光の約1/2の光が損失となる。また、大画面で明るい投写画像とするには、強力な光を上記サイズの小型液晶パネルに集中させて、この表示画像に応じた変調を行う必要がある。従って、入射側偏光板での光損失は、装置全体の光利用効率を低くし、投写画像が暗くなるので問題がある。また、損失となる光は熱に変わるので、強力な光を小さい面積に集中させる条件下では、発熱による偏光板の焼損、信頼性の低下、などの問題が生じる。
従って、液晶パネルを用いた投写型表示装置に用いる光源装置には、以下の3つの性能が要求される。(1)高い効率でランプ発光体の放射光を集め、高い効率でこの光を受光面まで伝達する、(2)明るさむらと色むらの少ない均一な照明光束を形成し、受光面を照らす、(3)ランプ発光体の放射する自然光を直交する2つの直線偏光成分に分離し、一方の偏波面を90度回転させた後に合成し、少ない損失で液晶パネルの必要とする直線偏光の照明光を形成する。
上記要求(1)については、ランプ発光体を大きな立体角で覆う楕円面鏡や放物面鏡を用い、高い効率で集光された単一光束を形成し、レンズ素子を組み合わせたリレー光学系の作用により、受光面に導く各種構成が採用されている。
要求(2)については、インテグレータと呼ぶ光学構成が利用される。これは、例えば、四角柱の光伝播路を形成し、これに集中角の大きな光を入射させ、伝播路界面の多重反射により光束を均一化して、四角柱の出射端面に均一な被照明領域を形成するものである。この被照明領域は、リレー光学系を構成するレンズ群により、液晶パネルの表示領域まで伝達される。
或いは、別のインテグレータとして、2枚のレンズアレイを組み合わせる構成が利用される。凹面鏡で集光された光束は、入射側のレンズアレイにより、複数の部分光束に分割される。各部分光束は、入射側レンズアレイの各レンズにより、出射側レンズアレイの各レンズ開口上に導かれて収斂される。出射側レンズアレイの各レンズは、対応する入射側レンズアレイの各レンズの開口と、受光面である液晶パネルの表示領域を共役関係とし、各部分光束を適当な倍率に拡大させて表示領域を重畳形態で照明する。凹面鏡で集光直後の単一光束をむらの少ない部分光束に分割し、2枚のレンズアレイの対をなす各レンズ群が、個々にリレー光学系の作用をして、各部分光束を液晶パネル上に重畳形態で導く。従って、明るさむらが少なく、高い効率の照明を実現できる。
上記要求(3)を実現する手段として、偏光変換光学系が導入される。これは、集光された自然偏光の単一光束に対し、(ア)偏光分離手段:偏光方向の直交する2つの光束に分ける、(イ)偏波面回転手段:偏光を揃える側の直線偏光にのみ作用し偏波面を90度回転させる、(ウ)光路合成手段:偏波面の揃った2つの光束を合成して液晶パネルを照明する光束を形成する、以上の(ア)〜(ウ)の要素が必要であり、各種方式や構成が提案され、一部、実用化されている。
このような偏光変換を行う光源装置の従来例の1つとして、例えば、特許文献1があり、その構成と作用を図17を用いて述べる。501はランプであり、発光体502から自然偏光の光を放射する。503は放物面鏡であり、光を集光して、光軸におよそ平行に進行する単一光束を形成する。504は、UV−IRカットフィルタであり、有害な赤外線や紫外線を除去する。
505は複数の入力側レンズを二次元状に配列した入力側レンズアレイ、506はガラスから構成される三角柱プリズム、507は所定厚みをもつガラス基材、508は入力側レンズの2倍のレンズを二次元状に配列した出力側レンズアレイ、509はこれを貼付した領域の通過光についてのみ、偏波面を90度回転させるλ/2板であり、その波長は、可視を代表する例えば550nmの光について、偏波面が90度回転するように、複屈折性と光路長(板厚)を最適化している。
三角柱プリズム506とガラス基材507の貼り合わせ面507Aには、偏光分離多層膜が形成される。これは、紙面に直交する記号510の方向に偏波面を有するS偏光成分についてこれを反射し、紙面に平行となる記号511の方向に偏波面を有するP偏光成分について、これを透過させる機能を有するように、多層膜の構成(屈折率、層厚、層数)を最適化したものである。またガラス基材507の他方の界面507Bには、全反射ミラー面が形成される。従って、偏光分離層を透過したP偏光成分は、この界面507Bにて反射される。
入力側レンズ1個と、出力側レンズ2個は、互いに対をなすように構成される。つまり、1個の入力側レンズに入射した部分光束は、そのS偏光成分について、偏光分離層を形成した界面507Aで反射され、対応する所定の出力部収束レンズの開口部に収斂して到達する。この光路には、λ/2板は貼付されておらず、S偏光成分は、記号512の方向のまま、当該レンズを通過し、然るべき領域を照明する。他方、当該部分光束のP偏光成分は、界面507Aを透過し、界面507Bにて反射され、再び界面507Aを透過して、対応するもう1つの出力部収束レンズの開口部に収斂して到達する。この光路には、λ/2板509が貼付されており、偏波面が90度回転されて出力部収束レンズから出射する。すなわち、出力側レンズアレイ508から出射する全ての光は、紙面に垂直の偏波面:矢印512方向のおよそ直線偏光となる。
二次元状に配列された出力部収束レンズの各々は、偏波面の揃った照明光を所定の大きさに拡大し、これを受光面に重畳させれば、およそ直線偏光の照明光で、所定領域を効率良く照明できる光源装置を構成できる。
或いは、偏光変換を行う光源装置の他の従来例の1つとして、例えば、特許文献2があり、その構成と作用を図18を用いて述べる。501〜504で示すランプと放物面鏡の組み合わせは、図17と同様である。520は入力部レンズアレイ、521は出力部レンズアレイ、524は補助レンズであり、入力部レンズ520Aと出力部レンズ521Aは、1対1に対応させて二次元状に配列される。
522はプリズム型の偏光分離素子であり、多層膜を蒸着し光路に45度の入射角で配置される短冊状の偏光分離層と、同じく光路に45度の入射角で配置される反射ミラーを交互に配置して構成している。また、第2レンズ521A各々の光軸正面にあって短冊状の偏光分離層を通過するP偏光成分の光の光路には、偏波面を90度回転させる目的でλ/2板523が、こちらも同様の短冊状に貼付される。多層膜の偏光分離層で反射されたS偏光成分は、隣接する反射ミラーにより反射され、直進するP偏光と同じ方向に進行する光となる。
入力部レンズアレイ520に入射した自然偏光の単一光束は、第1レンズ520Aの個数に応じた部分光束に分割され、これらの部分光束は、対応する第2レンズ521Aの開口上に収斂される。第2レンズ521Aから出射する光は、P偏光成分について、偏光分離素子522を直進し、偏波面を90度回転させてS偏光成分となって、補助レンズ524に入射する。S偏光成分は、偏光分離素子内で、多層膜面での反射と、ミラー面での反射を行い、直進するP偏光成分から分離されて、隣接する光軸を形成し、補助レンズ524に入射する。これらの各部分光束についてP偏光成分とS偏光成分は、いずれも光軸は放物面鏡503の光軸に平行であり、補助レンズ524はこれらの光軸を受光面525の中心上に収斂させる。分割された各部分光束が、偏波面の揃ったS偏光成分となり、受光面525上を重畳形態で照明する光束を形成できる。
特開平9−146064号公報 特開平8−304739号公報 特許第2973750号公報
図17に示す光学系には、以下に述べる課題がある。
(1)多層膜を用いた偏光分離層には、可視光である430〜650nmの波長帯域について、高い効率で良好な偏光分離特性を実現する事が難しい。
(2)多層膜を用いた偏光分離層は入射角に依存した特性変化が大きく、この用途に用いられるようなランプ発光体の大きさでは、偏光分離層を通過する光の集中角(照射角)がある程度大きく、また、光学系を小型サイズにしようとするとより角度の広がった光線を通過させることとなり、良好な偏光分離特性を実現することが難しい。
(3)多層膜を用いた偏光分離層では、所謂、P偏光成分、S偏光成分、と呼ぶ偏波面ベクトルの定義方位について、光学系全体を定義しているグローバルなデカルト座標系を導入できない。偏光分離層を通過する所定進行方位の光線進行ベクトルについて、当該ベクトルと多層膜面の法線ベクトルを定義し、これらを用いて、局所的に、個別の進行方位光線ごとに、ローカルなS偏光成分、P偏光成分の方位が定義される。つまり、光線進行ベクトルと法線ベクトルを含む平面において、P偏光成分の電界振動ベクトルは定義される。また、これらと直交する第3の方位を定義し、S偏光成分の電界振動ベクトルは定義される。この結果、光学系全体としては、グローバルなデカルト座標系において、単一のP偏光方位、S偏光方位を定義し、これらの電界振動ベクトルの単一偏光成分を必要としている。言い換えれば、紙面に直交する、或いは、平行となる、として定義される偏波面の光を必要としている。ところが、上記のように、集中角(照射角)の広がった円錐状の照明光が多層膜の偏光分離層を通過する場合、個別光線の進行方位ベクトルに応じて、個別にローカルなP偏光、S偏光成分が定義され、偏光分離層はローカルな偏光方位について、最適設計された消光比を持つ。従って、多層膜にとってあるべき偏光方位の定義と、光学系全体でのグローバルな定義の間に、ねじれ状態が生じ、広がった光線群の全系について良好な偏光分離特性を実現することが難しい。
(4)上記(2)と(3)の問題は、当該光学系を構成する上で、大きな設計上の制約を生じる。対をなす入力部レンズと出力部レンズの間の光路について、各々のレンズ間光軸の全てを、光学系の光軸、つまり放物面鏡503の光軸に対し、完全に平行、テレセントリックとなるように構成しなくてはいけない。出力部レンズの開口上に収斂する各々の部分光束スポットの断面について、その大きさは不揃いであり、放物面鏡の光軸近傍ほど大きく、光軸から離れるほど小さくなるが、出力部レンズの開口は、これらに合わせて最適な必要十分な開口と配列に構成することができない。ある出力部レンズでは光束スポットが開口からはみ出し光損失を生じ、他の出力部レンズでは光束スポットに対しレンズ開口が必要以上に大きく、照明光全体でみた場合に、瞳面積の全体を有効に利用できない。
(5)三角柱プリズム506は、大きくて重量が重く、部材コストも高価となる。小型安価な応用に不適切な部材となる。これを省けば、多層膜の偏光分離膜は、その偏光分離特性を可視帯域全域に、高い消光比で実現する事がより一層に難しくなる。
(6)入力部レンズアレイと、出力部レンズアレイの間に、三角柱プリズムと光路ずらしの為のガラス基材を配置する光路長を確保することも、光学系を構成する上で、大きな設計自由度の制約となる。入力部レンズアレイと出力部レンズアレイの間の光路長は、出力部レンズアレイ〜受光面までの光路長、受光面の大きさと入力部レンズの開口との相対比で決まる倍率、から決まる。従って、2つのレンズアレイ間の光路を長く確保する場合、受光面までの光路も長くなり、小型の光学系を構成できない。或いは、上記倍率を小さくする必要があり、結果として、入力部レンズの開口を大きくする必要が生じ、必要なレンズアレイの分割数(レンズのコマ数)を確保できない。効率や明るさの均一性を低下させる。この視点からも、三角柱プリズムを省き、空気層でこの間を構成すると、必要な光路長がより大きくなるので大きな問題を生じる。
また、図18に示す光学系においても、以下に述べる課題がある。
(1)多層膜を用いた偏光分離層を用いているので、可視全域について良好な消光比を得にくい、集中角(照射角)の広がった照明光線群に対し良好な消光比を得にくい、光線進行方位に対しローカルに定義されるP偏光、S偏光成分と、グローバルな偏波面方位とのねじれによって、良好な消光比を得にくいなど、上記と同様である。
(2)入力部レンズ、出力部レンズ、透過するP偏光について偏光分離素子を透過する光軸、補助レンズへの入射光線、これらについて、各々の光軸を光学系の主光軸に対し平行とする必要がある。上記(4)の課題と同様に、テレセントリックな光学系を構成しなくてはならず、入力部レンズアレイと出力部レンズアレイを通過する光束について、損失を最小限としながら瞳面の大きさ、つまり発光面としての拡がりを最小にする点において、大きな設計上の支障となる。
(3)偏光分離層と反射ミラーを短冊状に積層したプリズム構造は、量産性、部品コストの点で課題がある。安価でできるだけシンプルで性能の良い光学系を構成する上で課題となる。
投写型表示装置に用いる照明光学装置として、レンズアレイからなるインテグレータを導入する場合、特許第2973750号公報に開示される構成を採用する事は、光損失が少なく、明るい照明光学装置を実現する上で、極めて有効である。これは異形開口レンズアレイと呼ばれ、上記各々の実施例においてその導入した構成を述べると、以下の説明となる。
入力部レンズアレイの各レンズを偏心させて、対応する出力部レンズの開口上に形成される個別光束の最収斂スポット断面を、できるだけ小さな拡がりの瞳面上に凝集して配列させる。出力部レンズの各々は、対応する当該照明スポットの断面に必要十分なできるだけ小さい開口形状とし、これらを適宜、必要な瞳面形状の制約、例えば、正円断面に近くなるように互いを密接に組み合わせて、光損失をあまり生じること無く、発光面全体の拡がりを小さくすると良い。これは、受光面での照明光の集中角(照射角)を小さくするので、Fナンバの小さい投写光学系を組み合わせることができる。製品の価格、明るさ、コントラスト、明るさや色の均一性などを改善できる利点がある。
一方、上記2つの実施例や、従来の他の偏光変換光学系を用いた光源装置、照明光学装置、液晶投写型表示装置の各種実施例は、そのいずれにおいても、上記異形開口レンズアレイを用いた照明系の改善構成とは、相容れず、その両立、両方の長所利点を実現する事は極めて困難であった。この点は、上記課題事項の列記の中で、入力部レンズと出力部レンズの互いの光軸を主光軸に平行とし、その配列、間隔ピッチについても設計自由度が制約される課題を述べているが、課題の内容は同じである。
本発明は、上記課題に対してなされ、投写型表示装置に適した、偏光変換光学系を備えた光源装置を提供することを目的とする。つまり、光損失が少なく、設計の自由度が高く、高い光利用効率で、できるだけ発光面が小さく照明光の集中角(照射角)の小さい、およそ単一方位の偏波面を有する照明光束を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために本発明の光源装置は、自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、発光体の放射する光を集めると共に収斂させて二次発光体像を形成する集光手段と、集光手段から二次発光体像の間に配置されて光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段とを備え、第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、第2反射面は、第1反射面を透過した特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)を各々の光軸をずらして互いに隣接して配置し、偏波面回転手段は、二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、2つの二次発光体像から放射される光の偏光状態を、略同一方向の直線偏光成分に揃えると良い。
更に、第1反射面に備わる偏光分離手段は、波長単位の微小な金属格子構造を配列してなるワイヤーグリッド型の偏光分離層からなるとなお良い。
更に、第1反射面と第2反射面は、所定板厚の透光性基材の対向する両側界面に形成し、偏光分離手段は、波長単位の微小な金属格子構造を配列してなるワイヤーグリッド型の偏光分離層からなるとなお良い。
更に、第1の透光性基材の入射側界面に第1反射面を形成し、第2の基材の界面に第2反射面を形成し、第1の基材と第2の基材を所定の相対位置関係に保持して配置するとなお良い。
更に、第1の透光性基材の出射側界面に第1反射面を形成し、第2の透光性基材の第1反射面とは反対の界面に第2反射面を形成し、第2の透光性基材の第1反射面に向いた界面は、第1の透光性基材の出射側界面と密接に対向し、第2の透光性基材の界面により第1の反射面を保護するとなお良い。
更に、第2の反射面で反射された光の光路において、当該光の収斂して形成される発光スポット近傍に、屈折率1を超える透光性バルク部材を挿入し、当該バルク部材を挿入しない場合と比較して、2つの反射面で反射される2つの発光スポットの最収斂する位置について、光軸方向のずれ量を小さく補正するとなお良い。
上記問題点を解決するために本発明の他の光源装置は、自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、発光体の放射する光を集めると共に収斂させて二次発光体像を形成する集光手段と、集光手段から二次発光体像の間に配置されて光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段と、発散光束を光軸に沿って略平行に進行する光束に変換するレンズ手段とを備え、第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、第2反射面は、第1反射面を透過した特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、第1反射面と第2反射面は、各々の反射光の光軸が、特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)の近傍において互いに交差するようにくさび形に配置し、レンズ手段は、2つの光軸の交差点から放射される発散光束を捕捉して照明光束を形成し、偏波面回転手段は、照明光束のうち、二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方から放射された光が支配的な領域に配置されて当該光の偏波面を略90度回転させ、2つの二次発光体像から放射される光の偏光状態を、略同一方向の直線偏光成分に揃えると良い。
更に、第1反射面に備わる偏光分離手段は、波長単位の微小な金属格子構造を配列してなるワイヤーグリッド型の偏光分離層からなるとなお良い。
更に、第2の反射面で反射された光の光路において、負パワーのレンズ素子を挿入し、当該レンズ素子を挿入しない場合と比較して、2つの反射面で反射される2つの発光スポットの最収斂する位置について、光軸方向のずれ量を小さく補正するとなお良い。
上記問題点を解決するために本発明の更に他の光源装置は、自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、発光体の放射する光を集めると共に光軸に沿って進行する略平行な光束を形成する集光手段と、集光手段から出射する略平行光束に作用して光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、第1反射面と第2反射面で反射された光が入射すると共に、各々の反射光を収斂させて二次発光体像を形成するレンズ素子と、特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段とを備え、第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、第2反射面は、第1反射面を透過した特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)を各々の重心をずらして互いに隣接して配置し、偏波面回転手段は、二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、2つの二次発光体像から放射される光の偏光状態を、略同一方向の直線偏光成分に揃えると良い。
更に、第1反射面に備わる偏光分離手段は、波長単位の微小な金属格子構造を配列してなるワイヤーグリッド型の偏光分離層からなるとなお良い。
上記問題点を解決するために本発明の更に他の光源装置は、自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、発光体の放射する光を集めて光軸に沿って進行する光束を形成する集光手段と、集光手段から出射する光束を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、第1反射面と第2反射面を通過する光を収斂させて2つの二次発光体像を形成するレンズ手段と、2つの二次発光体像から出射する光に作用する複数の第1レンズを二次元状に配列してなる第1レンズアレイと、第1レンズと対をなす複数の第2レンズを二次元状に配列してなる第2レンズアレイと、特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段とを備え、第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、第2反射面は、第1反射面を透過した特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)を各々の光軸をずらして互いに隣接して配置し、第1レンズの各々は対応する第2レンズの開口重心近傍に隣接する2つの二次発光体像(C)と(D)の実像を形成し、第2レンズの各々は対応する第1レンズの開口における光束断面の実像を所定の倍率に拡大すると共に、被照明領域に重畳形態で伝達し、第2レンズの各開口上には互いに大きさの異なる二次発光体像の実像群が形成されると共に、第2レンズの各開口は対応する実像群の大きさに合わせて互いに異ならしめると共に、第2レンズアレイ全体の有効開口の光学的な拡がりを開口領域を全て同じ形状及び大きさとする場合と比較して小さくし、偏波面回転手段は、二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、被照明領域における光の偏光状態を、略同一方向の直線偏光成分に揃えると良い。
更に、第1反射面に備わる偏光分離手段は、波長単位の微小な金属格子構造を配列してなるワイヤーグリッド型の偏光分離層からなるとなお良い。
更に、偏波面回転手段は、通過光の主要波長λに対して略λ/2の位相差板であり、第2レンズアレイ上に形成される二次発光体像の実像群のうち、偏波面を回転させて揃えるべき実像の形成領域にのみ、選択的に具備されるとなお良い。
上記問題点を解決するために本発明の投写型表示装置は、自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、発光体の放射する光を集めると共に収斂させて二次発光体像を形成する集光手段と、集光手段から二次発光体像の間に配置されて光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段と、二次発光体像から放射される光が入射し所定領域を照明する光を形成する照明手段と、照明手段によって照明される空間光変調素子と、空間光変調素子によって変調された照明光が入射し空間光変調素子上の光学像を拡大投影する投写レンズ、とを備え、空間光変調素子は、所定方位の直線偏光の光を入射させてこれに偏光状態の変化を与えて光学像を形成し、第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、第2反射面は、第1反射面を透過した特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)を各々の光軸をずらして互いに隣接して配置し、偏波面回転手段は、二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、空間光変調素子を照明する光の偏光状態を、空間光変調素子の必要とする略同一方向の直線偏光成分に揃えると良い。
上記問題点を解決するために本発明の他の投写型表示装置は、自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、発光体の放射する光を集めると共に収斂させて二次発光体像を形成する集光手段と、集光手段から二次発光体像の間に配置されて光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段と、発散光束を光軸に沿って略平行に進行する光束に変換するレンズ手段と、レンズ手段から出射する照明光に依って照明される空間光変調素子と、空間光変調素子によって変調された照明光が入射し空間光変調素子上の光学像を拡大投影する投写レンズ、とを備え、空間光変調素子は、所定方位の直線偏光の光を入射させてこれに偏光状態の変化を与えて光学像を形成し、第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、第2反射面は、第1反射面を透過した特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、第1反射面と第2反射面は、各々の反射光の光軸が、特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)の近傍において互いに交差するようにくさび形に配置し、レンズ手段は、2つの光軸の交差点から放射される発散光束を捕捉して照明光束を形成し、偏波面回転手段は、照明光束のうち、二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方から放射された光が支配的な領域に配置されて当該光の偏波面を略90度回転させ、空間光変調素子を照明する光の偏光状態を、空間光変調素子の必要とする略同一方向の直線偏光成分に揃えると良い。
上記問題点を解決するために本発明の更に他の投写型表示装置は、自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、発光体の放射する光を集めると共に光軸に沿って進行する略平行な光束を形成する集光手段と、集光手段から出射する略平行光束に作用して光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、第1反射面と第2反射面で反射された光が入射すると共に、各々の反射光を収斂させて二次発光体像を形成するレンズ素子と、特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段と、二次発光体像から放射される光が入射し所定領域を照明する光を形成する照明手段と、照明手段によって照明される空間光変調素子と、空間光変調素子によって変調された照明光が入射し空間光変調素子上の光学像を拡大投影する投写レンズ、とを備え、空間光変調素子は、所定方位の直線偏光の光を入射させてこれに偏光状態の変化を与えて光学像を形成し、第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、第2反射面は、第1反射面を透過した特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)を各々の重心をずらして互いに隣接して配置し、偏波面回転手段は、二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、空間光変調素子を照明する光の偏光状態を、空間光変調素子の必要とする略同一方向の直線偏光成分に揃えると良い。
上記問題点を解決するために本発明の更に他の投写型表示装置は、自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、発光体の放射する光を集めて光軸に沿って進行する光束を形成する集光手段と、集光手段から出射する光束を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、第1反射面と第2反射面を通過する光を収斂させて2つの二次発光体像を形成するレンズ手段と、2つの二次発光体像から出射する光に作用する複数の第1レンズを二次元状に配列してなる第1レンズアレイと、第1レンズと対をなす複数の第2レンズを二次元状に配列してなる第2レンズアレイと、特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段と、第2レンズアレイから出射する照明光によって照明される空間光変調素子と、空間光変調素子によって変調された照明光が入射し空間光変調素子上の光学像を拡大投影する投写レンズ、とを備え、空間光変調素子は、所定方位の直線偏光の光を入射させてこれに偏光状態の変化を与えて光学像を形成し、第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、第2反射面は、第1反射面を透過した特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)を各々の光軸をずらして互いに隣接して配置し、第1レンズの各々は対応する第2レンズの開口重心近傍に隣接する2つの二次発光体像(C)と(D)の実像を形成し、第2レンズの各々は対応する第1レンズの開口における光束断面の実像を所定の倍率に拡大すると共に、被照明領域に重畳形態で伝達し、第2レンズの各開口上には互いに大きさの異なる二次発光体像の実像群が形成されると共に、第2レンズの各開口は対応する実像群の大きさに合わせて互いに異ならしめると共に、第2レンズアレイ全体の有効開口の光学的な拡がりを開口領域を全て同じ形状及び大きさとする場合と比較して小さくし、偏波面回転手段は、二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、空間光変調素子を照明する光の偏光状態を、空間光変調素子の必要とする略同一方向の直線偏光成分に揃えると良い。
以上述べたように本発明の光源装置は、高い効率で偏光方向の揃った照明光束を形成できる。これを用いて、設計自由度が高く、高い光利用効率で、均一な明るさ表示を実現できる投写型表示装置を構成できる。結果的に、小型、低消費電力で明るい高画質の画像を提供できる。
(光源装置の実施の形態1a)
図1は、本発明の光源装置について構成の一例を示す。ランプ10は外部から供給される駆動電流に応じて発光体11を形成し、可視波長帯域を含む自然偏光の光を放射する。楕円面鏡12は、放射光に対する集光手段として作用し、発光体11の放射する光に対して広い立体角の作用範囲を持ち、大部分の光を捕捉して反射し、その焦点近傍に照明光を収斂させる。UV−IRカットフィルタ13は、照明光から有害な赤外光と紫外光を取り除く。
UV−IRカットフィルタ13から出射した光は、基材14の両面に形成された第1の反射面14Aと、第2の反射面14Bにより、光路を折り曲げられる。図1では、光路をおよそ90度折り曲げた場合の構成実施例を示す。第1の反射面14Aは偏光分離機能を有し、当該反射面と入出射光の光軸について、S偏光成分の光を反射させ、P偏光成分の光を透過させる。P偏光成分の光は、第2の反射面14Bで反射され、再度、第1の反射面14Aを透過して、そのまま進行する。結果として、第1の反射面で反射されたS偏光成分の照明光は、集光手段である楕円面鏡の作用により、収斂した照明スポット、言い換えれば第1の二次発光体像15を形成する。第2の反射面で反射されたP偏光成分の照明光は、第2の二次発光体像16を形成する。2つの二次発光体像15と16は、基材14の厚み分だけ光軸がずれ、互いが分離されて隣接するように配置できる。このうち、例えば、P偏光成分が主体の第2の二次発光体像16の光に対してのみ、偏波面を90度回転させる素子、例えば、λ/2板17を適切な配置方位として作用させる。λ/2板とは、例えば、視感度の高い可視の中心波長である550nmに対し、λ/2=275nmのリターデーション(主軸と副軸の屈折率差×作用光路長)を有する位相差板である。こうすれば、第1の二次発光体像15から出射する光と、第2の二次発光体像16から出射し、λ/2板17を通過して出射する光は、互いに偏光方向の揃ったおよそ直線偏光の光となり、光損失を発生させること無く、およそ単一の偏光方向の光を放射する光源装置を実現できる。
更に言えば、第1の反射面14Aに備えるべき偏光分離層として、微小な金属格子を波長単位で配列してなる、所謂、ワイヤーグリッド型の偏光分離層を具備した場合、上記本発明の光源装置は、より大きな作用と効果を得る。このようなワイヤーグリッド型の偏光分離素子は、例えば、適切な厚みのアルミニウム薄膜を、マイクロリソグラフィ技術により、可視の波長単位の一次元格子(微小スリット)形状に加工する事で実現できる。このようなワイヤーグリッド型偏光分離層は、例えば、特表2003−502708に記載される。
説明に先立ち、第1の反射面14Aに用いる偏光分離層の種類によって、反射される光の偏波面方位、透過される光の偏波面方位が、大きく2通りに分類されることを述べる。
第1の場合は、偏光分離層に入射する光線の進行方位に依存したローカルの3次元直交座標系を導入し、進行方位の異なる各々の光線について、個別に異なるS偏光とP偏光の定義が必要となる場合である。一般に、誘電体多層膜から構成される偏光分離層は、このローカル定義の偏光方位を用いて、その作用と効果を考える必要がある。つまり、所定の拡がり角を持って進行する光線群について、個々に1つの進行方位ベクトルを定義し、これと偏光分離層の法線ベクトルを考える。これら2つのベクトルに直交する方位が、この光線について、偏光分離層で反射される光が支配的に有するS偏光成分の偏波面方位である。当該S偏光の方位と当該光線の進行方位ベクトルに対し、これら2つのベクトルに直交する方位が、この光線について、偏光分離層を透過する光が支配的に有するP偏光成分の偏波面方位である。
従って、上記第1の場合、図1を参照し、楕円面鏡12の光軸、つまり紙面に沿って第1の反射面14Aに入射し、法線ベクトル14Cと45度の入射角を成し、法線ベクトル14Cと45度の出射角を成し、二次発光体像15、16に到達する光線について、そのS偏光とP偏光の定義は、紙面に垂直な図中矢印18と、紙面に沿って矢印18に直交する図中矢印19の方位と一致する。しかしながら、この光線と角度を成して、所定の拡がり角で進行する、所謂スキュー光線については、ローカルに定義されるS偏光とP偏光の方位が、矢印18、19の方位と捻れた関係になる。このケースは、一方の偏波面を回転させて矢印20の偏光方位に揃った光を必要とする光源装置でありながら、実際には、およそ偏波面は矢印20の方位に揃ったけれど、スキュー光線の捻れた偏波面方位の影響で、得られる照明光の偏光度が低い、言い換えれば、液晶パネルを組み合わせた際に、利用できない不要な偏波面成分の光が多く含まれる事となる。
これに対し、第2の場合は、第1の反射面14Aの作用として、光線の入射方位に依らず、偏光分離層の配置方位に依存して、グローバルな座標系によって、反射および透過する光の偏波面方位が定義される場合である。つまり、光線の進行方位に依らず、反射されるS偏光成分の偏波面方位として、矢印18、20の定義方位に従い、透過されるP偏光成分の偏波面方位について、矢印19の定義方位に従う事が、本発明の目的を鑑みて、より好ましい実施の形態と成り得る。
上述のワイヤーグリッド型の偏光分離素子を第1の反射面14Aに用いた場合、通過する光線群の個々の光線について、上記第2の場合に示されるグローバルな座標系に準じたS偏光成分とP偏光成分を得ることができる。従って、より必要な直線偏光成分の多い、言い換えれば矢印20の方向について偏光度の高い、照明光を得ることができる。この場合、ワイヤーグリッドの微小スリットを形成する金属ラインの長手方向を、紙面に垂直の矢印18方向と一致させると良い。
上記光源装置は、偏波面方位の揃った二次発光面を、その拡がりを抑えて隣接させて形成できるので大きな意味がある。この2つの二次発光面の放射する光を、集光レンズやリレーレンズなど以降の光学要素により、高い効率で、かつ高い自由度で、利用できる。
上記構成において、特に、厚みと平行度の管理された透光性の基材14を用い、その入射側である第1の反射面14Aに偏光分離層を形成し、対向面である第2の反射面に全反射面を形成する事は、好ましい実施の形態と言える。2つの反射面の配置精度を容易に管理できるし、不必要な光学界面を設けて発生するフレネル損失を抑制できる。全反射面には、アルミ基材の像反射ミラーを形成しても良いし、銀ミラーを蒸着し、空気との界面に保護層を設けても良い。
(光源装置の実施の形態1b)
図2は、図1を用いて述べた実施の形態1aの、更に他の好ましい構成の一例を示す。図2中で、図1と同じ番号で示したものは、同様の作用と効果を果たす。
本実施の形態では、透光性基材21の入射側界面を第1の反射面21Aとし、この面に偏光分離層を形成する。当該偏光分離層として、ワイヤーグリッド型の偏光分離層が好ましい事は同様である。第2の反射面は、別の基材22の表面22Aに形成し、基材21と基材22は、所定の位置関係として配置されると良い。場合によって、基材21の反対側の界面と、基材22の第2の反射面22Aは、光学的に結合されて密着保持すると、1枚基板として扱いやすくなるし、不要なフレネル損失を低減できる。
偏光分離層を形成する基材21と、全反射ミラーを形成する基材22を別基材とする事は、各々の光学機能面を作成するプロセスを、別々の基材で運用できるので、量産性、歩留まり、品質確認、などの面で、より実現し易い構成となる。本実施の形態においても、図1を用いて述べた作用と効果は、同様に得られる。
(光源装置の実施の形態1c)
図3は、図1、図2を用いて述べた各実施の形態に対し、更に他の好ましい構成の一例を示す。本実施の形態では、透光性基材23の入射側と反対の界面を第1の反射面23Aとし、この面に偏光分離層を形成する。当該偏光分離層として、ワイヤーグリッド型の偏光分離層を用いる。第2の反射面は、別の透光性基材24の裏面24Aに形成し、基材24の入射側界面によって、基材23の偏光分離層を形成した界面23Aを保護する構成としている。
一般に、ワイヤーグリッド型の偏光分離層は、スクラッチなどの機械応力に弱く、金属材料に依っては腐食を抑える必要がある。この目的で、本実施の形態の構成は、第2の反射面24Aを形成する基材24を、保護用のカバーガラスとして利用できるので効果がある。このため、基材24の入射側界面は、周囲に土手形状を構成したリブ構造とし、これらリブ構造をスペーサとして、偏光分離層を形成した基材23の界面23Aと接合され、所定空隙のエアギャップを介して、偏光分離層面と基材24の入射側界面を対向して挟持させると良い。本実施の形態においても、図1を用いて述べた作用と効果は、同様に得られる。
(光源装置の実施の形態1d)
図4は、図1を用いて述べた実施の形態に対し、更に他の好ましい構成の一例を示す。図1を用いて述べた第1の実施の形態において、偏光分離層の界面14Aで反射された偏光方向18の光の収斂された二次発光体像15と、第2の反射面14Bで反射された偏光方向19の光の収斂された二次発光体像16は、その光軸方向の位置が異なって形成される。これは、偏光分離層14Aから、第2の反射面に到る往復の長さだけ光路長が異なる事による。これに対し、屈折率の高い透光性基材25を挿入すれば、これらの光路長差を縮めて、2つの二次発光体像15、16の位置を、揃える事ができる。つまり、屈折率が1.5〜1.7程度のPMMAやガラス製のロッド部材を、光路長の相対的に長くなる、第2の反射面14Bで反射される偏波面の光の光路にだけ、挿入する。二次発光体像15、16の位置が完全に揃わないまでも、透光性ロッド25を挿入しない場合と比較して、挿入することで、これら最収斂スポットの位置ずれが補正されれば、この後の光学系で、これら2つの二次発光体像から放射される損失が少なく、有効に利用できるので好ましい。
(光源装置の実施の形態2)
図5は、本発明の光源装置について、上記各実施の形態と同じ目的ながら、更に他の構成の一例を述べる。ランプ10、発光体11、楕円面鏡12、UV−IRカットフィルタ13は、図1に示したものと同様に構成し、同様の作用を果たす。
本実施の形態では、偏光分離層を備えた反射面26を介し、反射面26で反射される偏光方向の光は、焦平面29の近傍に、第1の二次発光面を形成する。この光は、矢印33で示した紙面に垂直の偏光方向とする。
偏光分離層を備えた反射面26を透過した光は、第2の反射面27で反射されて、同じく焦平面29の近傍に第2の二次発光面を形成する。この光は、矢印32で示した紙面に平行の偏光方向とする。2つ偏光方向に分離された2つの二次発光面は、焦平面29近傍に重畳形態で形成される。凹レンズ28は、相対的に光路の長くなる偏光方向32の光について、その最収斂する二次発光面の形成位置を、焦平面29近傍に補正するために用いる。
焦平面29は、次に配置される集光レンズ30の焦点として定義され、2つの二次発光面から放射される光は、集光レンズ30により捕捉され、光軸に沿って略平行に進行する光成分となる。この際、集光レンズ30の片側半分を通過する光は、反射面26において反射された偏光成分の光が主体的であり、これは、紙面に直交する矢印34の偏光方向なので、例えば、偏波面をそのまま回転させずに利用する。一方、集光レンズ30の他方の片側半分を通過する光は、反射面27にて反射された光が主体的であり、この光に対しては偏波面を90度回転させる素子、例えば、λ/2板31を選択的に透過させ、偏光方向を矢印34に揃える事ができる。これらの結果、集光レンズ30と、その出射光の片側半分にだけ作用するλ/2板31を通過して出射する略平行の照明光は、偏光方向が矢印34方向に揃った光となり、高い効率で、偏光方向がおよそ単一方向に揃った照明光を得ることができる。
尚、上記構成において、反射面26に具備される偏光分離層は、上述と同様にワイヤーグリッド型の偏光分離層を用いると良い。可視全域に、高い消光比で、入射角依存も小さく、良好な偏光分離特性を得ることができる。
(光源装置の実施の形態3)
図6は、本発明の光源装置について、上記各実施の形態と同じ目的ながら、更に他の構成の一例を述べる。ランプ10、発光体11、UV−IRカットフィルタ13は、図1に示したものと同様であるが、発光体11の放射する光を、放物面鏡40を用いて集光する。従って、UV−IRカットフィルタ13からは、放物面鏡40の光軸に沿って、およそ平行に進行する光束が出射する。
偏光分離層を備えた第1の反射面41は、矢印48の偏光方向の光を反射し、これは、集光レンズ43に入射して二次発光面45を形成する。反射面41を透過する矢印47の偏光方向の光は、第2の反射面42により反射されて、再度、偏光分離層を形成した反射面41を透過し、集光レンズ43に入射する。こちらの光は、収斂されて二次発光面44を形成する。2つの二次発光面44、45は、互いが分離されて、かつ、隣接して形成される。この際、偏波面47方向の二次発光面44から出射する光にのみ、選択的に偏波面を回転する手段、例えば、λ/2板46を配置して作用させる。
これらの結果、互いに隣接して、結果的に、1つの二次発光面と見なせる44、45の放射する光は、矢印49の偏光方向となり、およそ単一の偏波面の光を、高い効率で形成できる。二次発光面44、45の拡がりを、互いに分離できて片側だけを選択的に偏波面を制御できるようにした上で、できるだけ小さくし、これらを、発光面以降の光学系、例えば集光レンズなどで捕捉し、有効に利用できる照明光を形成できる。
尚、上記構成においても、反射面41に具備される偏光分離層は、ワイヤーグリッド型の偏光分離層を用いると良い。
(光源装置の実施の形態4)
図7は、本発明の光源装置について、上記各実施の形態と同じ目的ながら、更に好ましい他の構成の一例を述べる。ランプ10、発光体11、UV−IRカットフィルタ13は、上述と同様であり、発光体11の放射する光は、楕円面鏡12を用いて集光して収斂させ、発光体11の実像である二次発光面15、16を形成する。楕円面鏡12と収斂される二次発光面の間に偏光分離機能を備えた反射ミラー14を配置する。
反射ミラー14の入射側界面は、平板型の偏光分離機能を有し、紙面に直交する矢印18方向の偏波面の光成分のみを折り返して、二次発光面15を形成する。また、これと直交する矢印19の偏波面成分の光は、上記偏光分離層14Aは通過し、板厚分だけ離れて配置された反射面14Bによって反射される。当該偏波面成分の光は、再度、偏光分離層14Aを通過し、二次発光面16を形成する。当該構成として、二次発光面15と16を隣接して配置し、例えば、片側の偏波面成分の光にのみ、偏波面回転手段17を作用させる。図7では、二次発光面16から出射する光に対し、λ/2板を作用させて、当該光の偏波面を、二次発光面15から出射する光と揃えることができる。
上記構成は、図1で示して述べた実施の形態1とほぼ同じであるが、当該実施の形態においては、二次発光面15、16から放射される光を、効率良く、受光面に導く手段までを含めてその望ましい構成を述べる。集光レンズ50は、2つの二次発光面15、16から放射される光に作用してこれを捕捉し、光軸に沿って進行する単一の略平行光束を形成する。入射側レンズアレイ51は、入射側レンズ55を二次元状に配置してなり、当該光束を入射側レンズ55の個数に応じた部分光束に分割し、個々の部分光束を、対応する出射側レンズアレイ52上に収斂させる。例えば、入射側レンズアレイ51と、これを構成する入射側レンズ55について、図8にその一例を示す。
出射側レンズアレイ52と、これを構成する出射側レンズ56の構成例を図9に示す。出射側レンズ56の開口上には、対応する入射側レンズ55によって二次発光体像15と16の実像57と58が形成される。出射側レンズ56は、このように当該開口に収斂される部分光束を受けて、これを適切な大きさに拡大し、対応する入射側レンズ55の開口に対する実像を、必要とする被照明領域に形成する。複数の出射側レンズ56により、これらの当該部分光束を被照明領域に重畳形態で伝達し、光損失を発生させることなく、必要な領域を照明できる。収束レンズ53は、出射側レンズアレイ52から出射する複数の部分光束を被照明領域上で重ね合わせる為に、補助的に用いられる。第1レンズ56の各々の光軸を偏心させれば、任意の方向に部分光束を向かわせる事ができるし、補助レンズ53を用いる事で、偏心量を小さくし、レンズ収差の影響を低減できる。
上記構成において、照明光の偏波面は、収斂した二次発光面15と16の位置で、片側の二次発光面の光路にλ/2板17を挿入して揃えても良いが、出射側レンズアレイ52の開口上で、片側の偏波面の光が通過する光路にのみ、選択的にλ/2板の機能を有する領域を形成しても良い。図10は、その場合の構成例を示しており、出射側レンズアレイ60を構成する第1レンズ61の開口のうち、片側の偏波面の光が通過する光路は、領域63としてそのまま通過させ、直交する他方の偏波面の光が通過する光路は、領域62に示すように、偏波面回転手段を与える。例えば、λ/2板機能を有する位相差フィルムを部分的に貼付すればよい。或いは、同様の位相差機能薄膜を、選択的に、スパッタリング法や、真空蒸着法で形成すれば良い。
図9に示したように、出射側レンズアレイの開口上には、部分光束の通過する位置の違いに応じて、その大きさや拡がりの向きで様々な発光体の実像が形成される。従って、光損失を発生させず、また、被照明領域を照明する照明光の拡がり(照射角)を小さくするために、形成される実像の大きさと向きに合わせて必要最小限の開口を与える必要がある。図9と図10は、この点を考慮してなされたレンズアレイの開口形状の一例である。図7に示す構成は、偏光を分離して変換し、これらを高い効率で一方向に揃える機能と、偏波面の揃えられた発光体の実像を、限られた照明用の瞳開口上に凝集させて密接に配列し、極めて高い効率で照明光を形成できる手段とを両立させる。
(投写型表示装置の実施の形態1)
図11は、図1を用いて述べた本発明の光源装置の実施の形態1を用いて、投写型表示装置を構成した場合の一例を示す。73は透過型の液晶パネルであり、入射側偏光板72、出射側偏光板74、を備える。入射側偏光板72は、偏光方向が紙面に垂直の矢印77方向の光を透過させる。出射側偏光板74は、これと直交する紙面に平行の矢印78の偏光方向の光を透過させ、液晶層が何も偏波面の変調作用を与えない場合に、照明光が直交する2枚の偏光板で阻止されて、黒表示となる。液晶層の変調作用で偏波面が回転される度合いに応じて、グレーから白の階調表示を行う。尚、集光レンズ70は、2つの二次発行面15,16から放射される光に作用してこれを捕捉し、光軸に沿って進行する単一の略平行光束を形成する。また、フィールドレンズ71は、液晶パネルを照明する光を投写レンズの入射瞳76に収斂させるために用いる。
液晶パネル73上に形成される光学像は、投写レンズ75によって、スクリーン(図示せず)上に拡大投影される。このような装置は、液晶プロジェクタと呼ばれ、会議室にて電子データをプレゼンテーションする用途や、家庭用の大画面背面投写型TVに応用される。いずれの場合も、液晶パネルを照明する光源装置には、高い光利用効率で、単一方向に偏波面の揃った強力な光を形成する事が要求される。少ない消費電力と発熱で、より明るい投写型表示装置を構成する事は、非常に重要である。
本発明の光源装置の構成と、これを用いた投写型表示装置は、簡便な方法で、偏波面の揃った2つの二次発光面を形成し、これを後の照明光学系で適宜、再利用し、全系として、高い光利用効率の投写型表示装置を実現できる。
(投写型表示装置の実施の形態2)
図12は、図5を用いて述べた本発明の光源装置の実施の形態2を用いて、投写型表示装置を構成した場合の一例を示す。フィールドレンズ71から投写レンズ75に至る系は、上記と同様である。本発明の光源装置により、集光レンズ30を経て、部分的にλ/2板31を通過した照明光束は、およそ矢印34の方向に、偏波面の揃った光となる。この照明光束は、偏光分離面26と反射面27で、経路と光路長が異なる為、照明光束の断面において、1つの均一な明るさ分布はしていない。この場合、図7で用いたものと同様の2枚のレンズアレイ80、81を組み合わせた光学インテグレータと補助レンズ82を用いて照明光束を形成することで高い効率で、明るさむらが少なく、照明光の断面アスペクトも整合された照明光を、液晶パネル73の有効表示領域上に形成できる。
例えば、入射側レンズアレイ80を構成する入射側レンズ85として、図13に示す配置の構成とする。例えば、このレンズアレイの上側半分の領域を、偏光分離素子26により反射された第1の偏波面の光を通過させると良い。他方の下側半分の領域を、平面ミラー27により反射された光を通過させると良い。
この場合に、出射側レンズアレイ81、出射側レンズ86と、当該レンズの開口上に形成される発光体の実像87、88について、図14に一例を示す。斜線でハッチングした上半分の実像領域と、白抜きの実像領域は、元々は異なる偏光方向の光である。これに対し、図12の31で示すようなλ/2板か、或いは、図14の出射側レンズアレイの上半分、または、下半分の領域にλ/2板を貼付すれば、空間的に分離された片側の偏波面の光についてだけ、偏波面を90度回転させることができる。これにより、液晶パネル73を照明する光の偏光方向を、入射側偏光板72の偏光方向と揃えることができ、従って、効率よく、明るい投写型表示装置を実現できる、加えて、本来であれば、2つに分離された照明ビームにより、明るさむらや、所望形状と異なる照明領域が得られる課題に対し、2枚のレンズアレイを付加することで、均一でむらのない、液晶パネルの表示領域形状に応じた、照明光を形成できる。
更に、片側の光の偏波面を回転させる手段は、図14に示す出射側レンズアレイの近傍で、この片側の偏波面の光についてのみ、選択的に作用するλ/2板を貼付、或いは、配置する事がより好ましい。レンズアレイの平面側に貼付すれば、保持しやすく、専用の基材が不要になる利点があるし、より選択的に分離されて、光束が拡がって平行度の良い領域に配置すれば、入射角の拡がりによる偏波面回転作用の不揃いを低減させ、より好ましい作用と効果を得ることができる。
(投写型表示装置の実施の形態3)
図15は、図6を用いて述べた本発明の光源装置の実施の形態3を用いて、投写型表示装置を構成した場合の一例を示す。フィールドレンズ71から投写レンズ75に至る系は、上記と同様である。本発明の光源装置により、集光レンズ43は、リレーレンズ91の主平面近傍に、分離された2つの二次発光面92と93を形成する。このうち、片側の偏波面の光、例えば、二次発光面92を通過する光には、λ/2板94が作用し、次の集光レンズ95から出射するおよそ平行の照明光束は、偏波面がおよそ一方向に揃った光束となる。この単一偏波面の光束を受け、これまで述べたものと同様の2枚のレンズアレイ96、97と補助レンズ98を用いて照明光束を形成し、上述と同様の作用と効果により、光損失が少なく明るい、照明光に明るさむらが少ない、投写型表示装置を実現できる。この場合、入射側レンズアレイ96は、出射側レンズアレイ97の開口上に、図9に示したものと同様の発光体の実像を形成する。ここの分割された部分光束に応じ、元々の偏波面の直交する2つの実像を互いに分離して隣接できる。片側の光について、偏波面を回転させる手段として、94に示す位置にλ/2板を置いても良いし、出射側レンズアレイ97の開口上に、部分選択的に、片側の偏波面の実像が形成される複数領域をカバーするλ/2板の領域を形成すればよい。必要なパターン状に中抜きされた光学屈折率位相差フィルムを貼付しても良いし、斜め蒸着などで、光学異方性を有する多層膜をゾーン形成しても良い。不要な箇所にマスキングを施し、多層膜を形成後にマスキングを除去すればよい。
このような投写型表示装置は、投写レンズの入射瞳76が取り込める光の照射角が、レンズ仕様、いわゆるF値によって規定される。液晶パネルを照明する光は、光源に使う発光体の見かけの拡がりと集光する効率を一定として考えた場合、パネル面積が大きくなるほど平行度が高く、小さくなるほど照明光の照射角が大きくなる。つまり、小型で安価な投写型表示装置を構成する場合、液晶パネルは小さくする必要があり、この際に、限られた投写レンズの集光角に対し、損失なく整合が取れる照明光の照射角を実現する必要がある。この目的において、本実施の形態や、他の実施の形態を含めて、本発明の光源装置と、2枚のレンズアレイを組み合わせた構成は、極めて大きな作用と効果を得ることができる。
従来も同様のレンズアレイを用いたインテグレータと偏光変換光学系を組み合わせたものは提案されたが、いずれも、レンズアレイを同じ開口で、二次元状に規則正しく配列し、幾何学的に固定された周期構造などで、偏光分離を行うマイクロプリズムなどを配置している。本発明の構成は、常に、光路のいずれかに、最収斂される二次発光面(発光体の実像)を形成し、これを互いに偏波面の異なる分離された2つの光について、隣接して配置する構成を示す。この2つ並んだ二次発光面を、新たに発光源と見なして後の光学系を構成すれば、極めて自由度の高い照明系と光源装置、投写型表示装置を構成できる。
この点は、図9と図10、図13と図14を用いて示した様に、レンズアレイの開口を適切に異ならせたり、発光体実像の形成位置を、入射側レンズの偏心により適宜、最密重点となるように制御したりすることで、照明光の瞳の拡がり、すなわち、照明光の照射角を大きくすることなく、より光損失が少なく、効率の高い明るい光源と投写型表示装置を実現する上で、極めて重要な作用と効果を与えてくれる。
(投写型表示装置の実施の形態4)
図16は、これまで述べた各種実施の形態を代表し、例えば、液晶パネルとして、三原色に対応させた赤用パネル122、緑用パネル120、青用パネル121、を用いる場合の構成の一例である。入射側偏光板は、119、117、118であり、出射側偏光板は、125、123、124で示す。フィールドレンズ116、114、115は補助的に記載し、変調された3原色の色光は、X字型の光合成用ダイクロイックプリズム126により、光路が合成されて、投写レンズ127に到達する。
リレーレンズ112は、フィールドレンズ115と相まって、効率よく光を伝達し、青の液晶パネル121を、実効的に、他の2色の液晶パネル120、122と、同様の光路長で配置されると見なして、取り扱えるようにする。
107、109は、色分離用のダイクロイックミラーであり、108、111、113は、平面ミラーであるが、色トリミング用のダイクロイックミラーであってもよい。以上の色分離系から3枚の液晶パネル、色合成用プリズムを経て、投写レンズに至る系は、広く知られると共に、実用化されている。
この系を照明する光源装置として、例えば、図1を用いて紹介した本発明の光源装置の第1の実施の形態を適用すると良い。偏光分離面14Aで反射された光と、裏面側の反射面14Bで反射された光は光軸をずらし、平面ミラー101近傍で、互いに隣接する2つの二次発光面を形成する。これらの二次発光面から放射される光は、集光レンズ102で補足されて再度平行光束に集光され、2枚のレンズアレイの組み合わせにより、液晶パネル上を、極めて均一に、高い効率で照明できる。この際、出射側レンズアレイの平面側において、選択的にλ/2板を貼付して具備する構成とすればよい。入射側レンズアレイ103は、各々のレンズ光軸を偏心させて、出射側レンズアレイ104上に形成される複数の発光体実像の配列を、できるだけ照明光の照射角が小さくなるように、凝集させる事ができる。それに併せて、出射側レンズアレイの開口形状と光軸位置を最適化し、配列される複数の発光体実像の中で、所定の領域に対してのみ、偏波面の回転作用を与える事ができる。これにより、偏光変換を行って偏波面を揃える作用と、部分光束の空間的な配置状況を随意に操作し、中抜けの無い、効率よく所定の瞳領域を使う作用とを、両立させて得ることができる。
以上述べた各実施の形態において、偏光分離板と、偏光分離を行う為の機能は、ワイヤーグリッド型の偏光分離板を用いると良い。平板型で、入射角依存が少なく、ねじれ進行によるスキュー的な偏波面の乱れも少なく、良好に偏光分離を行って、本発明の目的に即した作用と効果を得る事ができる。但し、必ずしもワイヤーグリッド型の偏光分離板でなくても、他の平板型の偏光分離素子であっても構わない。
本発明にかかる光源装置とこれを用いた投写型表示装置は、高い効率で偏光方向の揃った照明光束を形成でき、これを用いて、設計自由度が高く、高い光利用効率で、均一な明るさ表示を実現できる投写型表示装置を構成でき、小型、低消費電力で明るい高画質の画像を提供できる効果を有しており、投写型表示装置に用いる光源装置および投写型表示装置に関し、自然偏光の放射光からおよそ単一の直線偏光の照明光を高い光利用効率で形成する新しい偏光変換の方式等として有用である。
本発明の光源装置の一例を示す略構成図 本発明の光源装置の他の一例を示す略構成図 本発明の光源装置の他の一例を示す略構成図 本発明の光源装置の他の一例を示す略構成図 本発明の光源装置の他の一例を示す略構成図 本発明の光源装置の他の一例を示す略構成図 本発明の光源装置の他の一例を示す略構成図 入射側レンズアレイの構成の一例を示す略線図 出射側レンズアレイの構成の一例を示す略線図 出射側レンズアレイの構成の一例を示す略線図 本発明の投写型表示装置の一例を示す略構成図 本発明の投写型表示装置の他の一例を示す略構成図 入射側レンズアレイの構成の他の一例を示す略線図 出射側レンズアレイの構成の他の一例を示す略線図 本発明の投写型表示装置の他の一例を示す略構成図 本発明の投写型表示装置の他の一例を示す略構成図 従来の光源装置の一例を示す略構成図 従来の光源装置の他の一例を示す略構成図
符号の説明
10 ランプ
11 発光体
12 楕円面鏡
13 UV−IRカットフィルタ
14 反射ミラー
14A、21A、23A 偏光分離層
14B 反射面
15、16、29、44、45、92、93 二次発光面
17、31、46、94 λ/2板
21 偏光分離層基材
22、24 全反射ミラー基材
22A、24A 反射面
23、25 透光性基材
26、41 偏光分離基板
27、42 全反射基板
28 凹レンズ
30、43、50、70、95 集光レンズ
40 放物面鏡
51、80、96 入射側レンズアレイ
52、60、81、97 出射側レンズアレイ
53、82、98 補助レンズ
55、85 入射側レンズ
56、61、86 出射側レンズ
57、58、87、88 発光体の実像
71 フィールドレンズ
72、117、118、119 入射側偏光板
73、120、121、122 液晶パネル
74、123、124、125 出射側偏光板
75、127 投写レンズ
76 入射瞳
91 リレーレンズ
126 X字光合成ダイクロイックプリズム

Claims (18)

  1. 自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、
    前記発光体の放射する光を集めると共に収斂させて二次発光体像を形成する集光手段と、
    前記集光手段から前記二次発光体像の間に配置されて光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段とを備え、
    前記第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、
    前記第2反射面は、前記第1反射面を透過した前記特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、
    前記特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、前記特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)を各々の光軸をずらして互いに隣接して配置し、
    前記偏波面回転手段は、前記二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、
    2つの前記二次発光体像から放射される光の偏光状態を、略同一方向の直線偏光成分に揃えることを特徴とする光源装置。
  2. 第1反射面に備わる偏光分離手段は、波長単位の微小な金属格子構造を配列してなるワイヤーグリッド型の偏光分離層からなることを特徴とする請求項1記載の光源装置。
  3. 第1反射面と第2反射面は、所定板厚の透光性基材の対向する両側界面に形成し、偏光分離手段は、波長単位の微小な金属格子構造を配列してなるワイヤーグリッド型の偏光分離層からなることを特徴とする請求項1記載の光源装置。
  4. 第1の透光性基材の入射側界面に第1反射面を形成し、第2の基材の界面に第2反射面を形成し、第1の基材と第2の基材を所定の相対位置関係に保持して配置することを特徴とする請求項1記載の光源装置。
  5. 第1の透光性基材の出射側界面に第1反射面を形成し、第2の透光性基材の前記第1反射面とは反対の界面に第2反射面を形成し、前記第2の透光性基材の前記第1反射面に向いた界面は、前記第1の透光性基材の出射側界面と密接に対向し、前記第2の透光性基材の界面により前記第1の反射面を保護することを特徴とする請求項1記載の光源装置。
  6. 第2の反射面で反射された光の光路において、当該光の収斂して形成される発光スポット近傍に、屈折率1を超える透光性バルク部材を挿入し、当該バルク部材を挿入しない場合と比較して、2つの反射面で反射される2つの発光スポットの最収斂する位置について、光軸方向のずれ量を小さく補正する請求項1記載の光源装置。
  7. 自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、
    前記発光体の放射する光を集めると共に収斂させて二次発光体像を形成する集光手段と、
    前記集光手段から前記二次発光体像の間に配置されて光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段と、発散光束を光軸に沿って略平行に進行する光束に変換するレンズ手段とを備え、
    前記第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、
    前記第2反射面は、前記第1反射面を透過した前記特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、
    前記第1反射面と前記第2反射面は、各々の反射光の光軸が、
    前記特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、前記特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)の近傍において互いに交差するようにくさび形に配置し、
    前記レンズ手段は、前記2つの光軸の交差点から放射される発散光束を捕捉して照明光束を形成し、前記偏波面回転手段は、前記照明光束のうち、前記二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方から放射された光が支配的な領域に配置されて当該光の偏波面を略90度回転させ、2つの前記二次発光体像から放射される光の偏光状態を、略同一方向の直線偏光成分に揃えることを特徴とする光源装置。
  8. 第1反射面に備わる偏光分離手段は、波長単位の微小な金属格子構造を配列してなるワイヤーグリッド型の偏光分離層からなることを特徴とする請求項7記載の光源装置。
  9. 第2の反射面で反射された光の光路において、負パワーのレンズ素子を挿入し、当該レンズ素子を挿入しない場合と比較して、2つの反射面で反射される2つの発光スポットの最収斂する位置について、光軸方向のずれ量を小さく補正する請求項7記載の光源装置。
  10. 自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、
    前記発光体の放射する光を集めると共に光軸に沿って進行する略平行な光束を形成する集光手段と、
    前記集光手段から出射する略平行光束に作用して光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、前記第1反射面と前記第2反射面で反射された光が入射すると共に、各々の反射光を収斂させて二次発光体像を形成するレンズ素子と、
    特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段とを備え、
    前記第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、
    前記第2反射面は、前記第1反射面を透過した前記特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、
    前記特定方位(A)の直線偏光成分からなる前記二次発光体像(C)と、前記特定方位(B)の直線偏光成分からなる前記二次発光体像(D)を各々の重心をずらして互いに隣接して配置し、
    前記偏波面回転手段は、前記二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、
    2つの前記二次発光体像から放射される光の偏光状態を、略同一方向の直線偏光成分に揃えることを特徴とする光源装置。
  11. 第1反射面に備わる偏光分離手段は、波長単位の微小な金属格子構造を配列してなるワイヤーグリッド型の偏光分離層からなることを特徴とする請求項10記載の光源装置。
  12. 自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、
    前記発光体の放射する光を集めて光軸に沿って進行する光束を形成する集光手段と、
    前記集光手段から出射する光束を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、
    前記第1反射面と前記第2反射面を通過する光を収斂させて2つの二次発光体像を形成するレンズ手段と、
    2つの前記二次発光体像から出射する光に作用する複数の第1レンズを二次元状に配列してなる第1レンズアレイと、
    前記第1レンズと対をなす複数の第2レンズを二次元状に配列してなる第2レンズアレイと、
    特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段とを備え、
    前記第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、
    前記第2反射面は、前記第1反射面を透過した前記特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、
    前記特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、前記特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)を各々の光軸をずらして互いに隣接して配置し、
    前記第1レンズの各々は対応する第2レンズの開口重心近傍に前記隣接する2つの二次発光体像(C)と(D)の実像を形成し、
    前記第2レンズの各々は対応する第1レンズの開口における光束断面の実像を所定の倍率に拡大すると共に、被照明領域に重畳形態で伝達し、
    前記第2レンズの各開口上には互いに大きさの異なる前記二次発光体像の実像群が形成されると共に、前記第2レンズの各開口は対応する前記実像群の大きさに合わせて互いに異ならしめると共に、前記第2レンズアレイ全体の有効開口の光学的な拡がりを開口領域を全て同じ形状及び大きさとする場合と比較して小さくし、
    前記偏波面回転手段は、前記二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、
    前記被照明領域における光の偏光状態を、略同一方向の直線偏光成分に揃えることを特徴とする光源装置。
  13. 第1反射面に備わる偏光分離手段は、波長単位の微小な金属格子構造を配列してなるワイヤーグリッド型の偏光分離層からなることを特徴とする請求項12記載の光源装置。
  14. 偏波面回転手段は、通過光の主要波長λに対して略λ/2の位相差板であり、第2レンズアレイ上に形成される二次発光体像の実像群のうち、偏波面を回転させて揃えるべき実像の形成領域にのみ、選択的に具備されることを特徴とする請求項12記載の光源装置。
  15. 自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、
    前記発光体の放射する光を集めると共に収斂させて二次発光体像を形成する集光手段と、前記集光手段から前記二次発光体像の間に配置されて光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、
    特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段と、
    前記二次発光体像から放射される光が入射し所定領域を照明する光を形成する照明手段と、
    前記照明手段によって照明される空間光変調素子と、
    前記空間光変調素子によって変調された照明光が入射し前記空間光変調素子上の光学像を拡大投影する投写レンズ、とを備え、
    前記空間光変調素子は、所定方位の直線偏光の光を入射させてこれに偏光状態の変化を与えて前記光学像を形成し、
    前記第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、
    前記第2反射面は、前記第1反射面を透過した前記特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、
    前記特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、前記特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)を各々の光軸をずらして互いに隣接して配置し、
    前記偏波面回転手段は、前記二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、
    前記空間光変調素子を照明する光の偏光状態を、前記空間光変調素子の必要とする略同一方向の直線偏光成分に揃えることを特徴とする投写型表示装置。
  16. 自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、
    前記発光体の放射する光を集めると共に収斂させて二次発光体像を形成する集光手段と、
    前記集光手段から前記二次発光体像の間に配置されて光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、
    特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段と、
    発散光束を光軸に沿って略平行に進行する光束に変換するレンズ手段と、
    前記レンズ手段から出射する照明光に依って照明される空間光変調素子と、
    前記空間光変調素子によって変調された照明光が入射し前記空間光変調素子上の光学像を拡大投影する投写レンズ、とを備え、
    前記空間光変調素子は、所定方位の直線偏光の光を入射させてこれに偏光状態の変化を与えて前記光学像を形成し、
    前記第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、
    前記第2反射面は、前記第1反射面を透過した前記特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、
    前記第1反射面と前記第2反射面は、各々の反射光の光軸が、
    前記特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、前記特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)の近傍において互いに交差するようにくさび形に配置し、
    前記レンズ手段は、前記2つの光軸の交差点から放射される発散光束を捕捉して照明光束を形成し、前記偏波面回転手段は、前記照明光束のうち、前記二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方から放射された光が支配的な領域に配置されて当該光の偏波面を略90度回転させ、
    前記空間光変調素子を照明する光の偏光状態を、前記空間光変調素子の必要とする略同一方向の直線偏光成分に揃えることを特徴とする投写型表示装置。
  17. 自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、
    前記発光体の放射する光を集めると共に光軸に沿って進行する略平行な光束を形成する集光手段と、
    前記集光手段から出射する略平行光束に作用して光路を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、前記第1反射面と前記第2反射面で反射された光が入射すると共に、各々の反射光を収斂させて二次発光体像を形成するレンズ素子と、
    特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段と、
    前記二次発光体像から放射される光が入射し所定領域を照明する光を形成する照明手段と、
    前記照明手段によって照明される空間光変調素子と、
    前記空間光変調素子によって変調された照明光が入射し前記空間光変調素子上の光学像を拡大投影する投写レンズ、とを備え、
    前記空間光変調素子は、所定方位の直線偏光の光を入射させてこれに偏光状態の変化を与えて前記光学像を形成し、
    前記第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、
    前記第2反射面は、前記第1反射面を透過した前記特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、
    前記特定方位(A)の直線偏光成分からなる前記二次発光体像(C)と、前記特定方位(B)の直線偏光成分からなる前記二次発光体像(D)を各々の重心をずらして互いに隣接して配置し、
    前記偏波面回転手段は、前記二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、
    前記空間光変調素子を照明する光の偏光状態を、前記空間光変調素子の必要とする略同一方向の直線偏光成分に揃えることを特徴とする投写型表示装置。
  18. 自然偏光の光を放射する発光体を形成する光源と、
    前記発光体の放射する光を集めて光軸に沿って進行する光束を形成する集光手段と、
    前記集光手段から出射する光束を折り曲げる第1反射面と第2反射面と、
    前記第1反射面と前記第2反射面を通過する光を収斂させて2つの二次発光体像を形成するレンズ手段と、
    2つの前記二次発光体像から出射する光に作用する複数の第1レンズを二次元状に配列してなる第1レンズアレイと、
    前記第1レンズと対をなす複数の第2レンズを二次元状に配列してなる第2レンズアレイと、
    特定方位の直線偏光の光に作用して当該光の偏光方向を略90度回転させる偏波面回転手段と、
    前記第2レンズアレイから出射する照明光によって照明される空間光変調素子と、
    前記空間光変調素子によって変調された照明光が入射し前記空間光変調素子上の光学像を拡大投影する投写レンズ、とを備え、
    前記空間光変調素子は、所定方位の直線偏光の光を入射させてこれに偏光状態の変化を与えて前記光学像を形成し、
    前記第1反射面は特定方位(A)の直線偏光成分の光を反射すると共に、これと直交する特定方位(B)の直線偏光成分の光を透過させる偏光分離手段を備え、
    前記第2反射面は、前記第1反射面を透過した前記特定方位(B)の直線偏光成分の光を反射する鏡面を備え、
    前記特定方位(A)の直線偏光成分からなる二次発光体像(C)と、前記特定方位(B)の直線偏光成分からなる二次発光体像(D)を各々の光軸をずらして互いに隣接して配置し、
    前記第1レンズの各々は対応する第2レンズの開口重心近傍に前記隣接する2つの二次発光体像(C)と(D)の実像を形成し、
    前記第2レンズの各々は対応する第1レンズの開口における光束断面の実像を所定の倍率に拡大すると共に、被照明領域に重畳形態で伝達し、
    前記第2レンズの各開口上には互いに大きさの異なる前記二次発光体像の実像群が形成されると共に、前記第2レンズの各開口は対応する前記実像群の大きさに合わせて互いに異ならしめると共に、前記第2レンズアレイ全体の有効開口の光学的な拡がりを開口領域を全て同じ形状及び大きさとする場合と比較して小さくし、
    前記偏波面回転手段は、前記二次発光体像(C)または(D)のいずれか一方の光路にのみ支配的に作用し、
    前記空間光変調素子を照明する光の偏光状態を、前記空間光変調素子の必要とする略同一方向の直線偏光成分に揃えることを特徴とする投写型表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007003756A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Ricoh Opt Ind Co Ltd 偏光光学素子、光学部品組み立て体、及び光学装置
JP2011525637A (ja) * 2008-06-27 2011-09-22 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー マイクロリソグラフィ用の照明光学ユニット
JP2013178438A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Seiko Epson Corp プロジェクター及びレンズアレイ

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