JP2005121632A - Qcmセンサー用圧電振動子の実装構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のQCMセンサーの構造では、圧電振動子の外周部分に封止材を塗布しており、封止材が自然に濡れ広がることにより塗布領域が圧電振動子の中心部分に向かって広がってしまう。また、封止材が濡れ広がる面積は封止材の粘度や圧電振動子の濡れ性によって変化してしまい圧電振動子の良好な特性を得ることができなかった。
【解決手段】本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、基板上または圧電振動子上に凸部または凹部を設けておくことにより圧電振動子外周部分に封止材を塗布した際に封止材が圧電振動子と基板との隙間に流れ込む領域を制限することが可能な構造となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、基板上または圧電振動子上に凸部または凹部を設けておくことにより圧電振動子外周部分に封止材を塗布した際に封止材が圧電振動子と基板との隙間に流れ込む領域を制限することが可能な構造となっている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、圧電振動子上の励振用電極パターンを試料ガスや試料溶液に晒したときの圧電振動子の発振周波数やインピーダンス等の電気的特性の変化から励振用の電極パターン表面に吸着した試料の成分を検知、定量するQCM(Quartz Crystal Microbalance)センサーの実装構造に関するものである。
近年、圧電振動子を用いてマイクロバランス原理を応用したケミカルバイオセンサーが注目を集めている。従来のQCMセンサーの構造を図21を用いて説明する。図21は特許文献1に記載されているQCMセンサーの実装構造を示している。圧電振動子1の表面には励振用の電極パターン2a、2bが形成されている。片面被覆材11は圧電振動子1を保持しながらその一方の面を覆っており、片面被覆材11の側壁内面11aは圧電振動子1の側面に接している。この側壁内面11aと圧電振動子1との間に封止材5が設けられ、側壁内面11aと圧電振動子1の全外周部分とに接着している。また、電極パターン2a、2bはリード端子10a、10bと接続されており、リード端子10a、10bは片面被覆材11と圧電振動子1で構成された気密空間内に配線され、リード端子10a、10bの端部は、片面被覆材11の開口部(図示せず)を通って外部の発振回路に接続されている。
上記のQCMセンサーは、圧電振動子1の電極パターン2aが形成された面のみを露出させ、この面を試料ガスや試料溶液に晒し、圧電振動子1上に形成された電極パターン2aに試料成分が吸脱着することにより変動する共振周波数の変化量から試料成分を検知、定量することができる。
特開2001−153777号公報(4頁、第1図)
前述したQCMセンサー用圧電振動子の実装構造には以下に記載するような問題点がある。
従来のQCMセンサーの構造では、圧電振動子の外周部分に封止材を塗布しているが、封止材が自然に濡れ広がることにより塗布領域が圧電振動子の中心部分に向かって広がってしまう。また、封止材が濡れ広がる面積は封止材の粘度や圧電振動子の濡れ性によって変化してしまう。
これにより、封止材の塗布領域を一定に保つことができないため、圧電振動子の周波数特性などの電気的特性にバラツキが発生し、安定した性能を得ることが難しく、生産性の良好なQCMセンサーを得ることが難しかった。
本発明は、QCMセンサーとしての特性が良好で、生産性に優れたQCMセンサー用圧電振動子の実装構造を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明における圧電振動子の実装構造は、下記記載の構成を採用する。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、圧電振動子を基板上に搭載し、前
記圧電振動子の外周部と前記基板の間を封止材によって封止したQCMセンサー用圧電振動子の実装構造において、前記基板は前記圧電振動子を搭載する領域に凸部または凹部を有し、該凸部または該凹部によって前記前記圧電振動子と前記基板との隙間に流れ込む前記封止材の塗布領域を制限することを特徴としている。
記圧電振動子の外周部と前記基板の間を封止材によって封止したQCMセンサー用圧電振動子の実装構造において、前記基板は前記圧電振動子を搭載する領域に凸部または凹部を有し、該凸部または該凹部によって前記前記圧電振動子と前記基板との隙間に流れ込む前記封止材の塗布領域を制限することを特徴としている。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、前記基板は、前記圧電振動子に設けた励振用の電極パターンと接続するための配線を有し、前記凸部は、前記配線と同じ部材で構成されていることを特徴としている。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、前記凸部は、環状に形成したことを特徴としている。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、前記凸部は複数の凸部で構成されていることを特徴としている。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、前記凹部が開口部であることを特徴としている。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、前記開口部を塞ぐための保護層を有することを特徴としている。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、圧電振動子を基板に搭載し、前記圧電振動子の外周部と前記基板の間を封止材によって封止したQCMセンサー用圧電振動子の実装構造において、前記圧電振動子に凸部または凹部を設け、該凸部または該凹部によって前記圧電振動子と前記基板との隙間に流れ込む前記封止材の塗布領域を制限することを特徴としている。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、前記圧電振動子は、前記基板に設けた配線と接続するための励振用の電極パターンを有し、前記凸部は、前記励振用の電極パターンと同じ部材で構成されていることを特徴としている。
本発明のQCMセンサー用圧電師恩同士の実装構造は、前記凸部は、環状に形成したことを特徴としている。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、前記励振用の電極パターンは、導電接着剤によって前記配線に実装されていることを特徴としている。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、前記圧電振動子が水晶板であることを特徴としている。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、前記励振用の電極パターンは、異方性導電シートを用いて前記配線に接続されるとともに、前記異方性導電シートが前記封止材を兼用するように設けられていることを特徴としている。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、圧電振動子と基板の間に形成される空間と外部を連通する連通穴を設けていることを特徴としている。
[作用]
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、圧電振動子に設けた励振用の電極パターンを、基板に設けた配線に接続し、前記圧電振動子の外周部と前記基板の間を封止
材によって封止したQCMセンサー用圧電振動子の実装構造において、前記基板または前記圧電振動子に、前記圧電振動子と前記基板との隙間に流れ込む前記封止材の塗布領域を制限するための凸部または凹部を有する構造となっている。
本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、圧電振動子に設けた励振用の電極パターンを、基板に設けた配線に接続し、前記圧電振動子の外周部と前記基板の間を封止
材によって封止したQCMセンサー用圧電振動子の実装構造において、前記基板または前記圧電振動子に、前記圧電振動子と前記基板との隙間に流れ込む前記封止材の塗布領域を制限するための凸部または凹部を有する構造となっている。
これにより、圧電振動子と基板の隙間に封止材を流し込んだ際に封止材の流れ込む領域を確実に制御することが可能になるので、圧電振動子上に設けた励振用の電極パターンに封止材が接触することが無く、安定した性能を有するQCMセンサー用圧電振動子の実装構造を容易に形成することが可能となっている。
以上のように、本発明のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造は、基板上または圧電振動子上に凸部または凹部を設けておくことにより圧電振動子外周部分に封止材を塗布した際に封止材が圧電振動子と基板との隙間に流れ込む領域を制限することが可能となっている。
これにより、圧電振動子と基板の隙間に封止材を流し込んだ際に封止材の流れ込む領域を確実に制御することが可能になるので、圧電振動子上に設けた励振用の電極パターンに封止材が接触することが無く、安定した性能を有するQCMセンサー用圧電振動子の実装構造を容易に形成することが可能となっている。
以下図面を用いて本発明の最適な実施形態におけるQCMセンサー用圧電振動子の実装構造について説明する。図1〜図12に第一の実施形態におけるQCMセンサー用圧電振動子の実装構造の断面図を示す。図1に示すように、圧電振動子1に設けた励振用の電極パターン2a、2bを、基板3に設けた配線4a、4bに接続し、圧電振動子1の外周部1aと基板3の間を封止材5によって封止したQCMセンサー用圧電振動子の実装構造において、基板3は、圧電振動子1と基板3との隙間に流れ込む封止材5の塗布領域を制限するための凸部6を有する構造となっている。この凸部6によって、基板3に段差20が形成される。
基板3上に設けた配線4a、4bと圧電振動子1に設けた励振用の電極パターン2a、2bは導電接着剤や異方性導電シートなどの接続材料9により電気的に接続されている。基板3上に設けた凸部6が圧電振動子1の外周部1aに塗布した封止材5の圧電振動子1と基板3との隙間に流れ込む領域を制限している。この場合、凸部6は圧電振動子1の電極パターン2a、2bよりは外周側に設けられている。
凸部6があることにより基板3上に設けた配線4a、4bと圧電振動子1上に設けた励振用の電極パターン2a、2bを導電接着剤や異方性導電シートなどの接続材料9を用いて電気的に接続した際に、圧電振動子1と凸部6との隙間が非常に狭くなるため、封止材5を圧電振動子1外周部に塗布した際に圧電振動子1と基板3との隙間には、毛細管現象により、封止材5が流れ込む。しかし、凸部6がなくなって隙間が広がる段差部分20では、表面張力により封止材5が流れなくなり、圧電振動子1と凸部6との狭い隙間より中には流れ込まないように制御できる。
基板3上に設ける凸部6の形状により、圧電振動子1と基板3の隙間に流れ込む封止材5の塗布領域を自由に設定することができ、圧電振動子1の励振を妨げることなく、QCMセンサー用の圧電振動子の実装構造を得ることができる。
また、基板3上に設けた凸部6は、圧電振動子1と基板3との隙間のスペーサーとしての働きも同時に兼ね備えており、圧電振動子1の変形を防止する効果も有している。
次に、第一の実施形態におけるQCMセンサー用圧電振動子の実装工程について図1から図12を用いて説明する。まず、図2に示すように圧電振動子1をエッチングやダイシングなどの方法により任意の大きさに分割し、メタルマスクを用いてスパッタリング法や真空蒸着法によって水晶板上に金属薄膜を形成することにより、圧電振動子1上に励振用の電極パターン2a、2bを形成する。
図3は圧電振動子1の斜視図であるが、点線は裏面の状態を表している。励振用の電極パターン2a、2bは基板3上に設けた配線4a、4bと電気的な接続を行う部分が同一の面になるように形成されている。
本実施形態では圧電振動子1として水晶板を用い、大きさが5mm角で厚みが50μmのものを使用し、励振用の電極パターン2a、2b部分が3mm角となるようなパターンで金を0.2μmの厚みで形成した。
次に図4の断面図と図5の斜視図に示すように、ガラスやガラス繊維とエポキシ樹脂で形成された基板3上に銅箔を張り合わせ、フォトリソグラフィとエッチングにより配線4a、4bと凸部6を同時に形成する。配線4a、4bと凸部6の表面には銅の腐食防止のためニッケルと金を形成しておく。凸部6を配線4a、4bと同じ部材で構成しているので製造が容易になる。
凸部6については上記方法以外にエポキシやシリコーンなどの接着剤を塗布または印刷し硬化させておくことでも形成することができ、形状は圧電振動子1の励振用電極パターン2a、2b部分を囲む様な環状の形状であれば良く、円や四角といった形状は特に限定されない。凸部6は、圧電振動子1の励振用電極パターン2a、2bの大きさに合わせて、基板3の圧電振動子搭載領域に適宣形成する。
本実施形態では厚みが0.5mmのガラス繊維とエポキシ樹脂でできた基板3を使用し、厚みが18μmの銅箔を張り合わせフォトリソグラフィとエッチングにより配線4a、4bと凸部6を形成した。配線4a、4bと凸部6の表面にはニッケルを1μm、金を0.3μmの厚みでメッキ法により形成した。
次に図7に示すように、圧電振動子1上に設けた励振用の電極パターン2a、2bと基板3上に設けた配線4a、4bは、導電接着剤や異方性導電シートなどの接続材料9を用いて電気的な接続を行う。
本実施形態ではシリコーン接着剤中に銀やパラジウムなどの導電粒子を含有した導電接着剤をディスペンサで基板3の配線4a、4b上に塗布し、圧電振動子1の励振用の電極パターン2a、2bと基板3上の配線4a、4bとの位置あわせを行い、熱処理により導電接着剤を硬化させて、電気的接続を行った。
最後に、図1に示すようにエポキシ、シリコーン、ポリウレタンなどの封止材5を圧電振動子1の外周部にディスペンサを用いて塗布し、圧電振動子1と基板3との隙間に封止材5を流し込み、封止材5を硬化させることで封止が完了する。
このとき前述の如く圧電振動子1と基板3との隙間に流れ込んだ封止材5は基板3上に設けた凸部6と圧電振動子1との狭い隙間より中には流れ込まないので、圧電振動子1の励振を妨げることなく封止をすることが可能となっている。
本実施形態では硬化後に柔らかく、圧電振動子1を変形させるような応力発生させない
常温硬化型のシリコーン接着剤を封止材5として使用した。
常温硬化型のシリコーン接着剤を封止材5として使用した。
また、図9に示すように、基板3上に形成した凸部6の外周部および配線4a、4b上に異方性導電シート8を配置し、圧電振動子1上に形成した電極パターン2a、2bと基板3上に形成した配線4a、4bとの電気的接続と圧電振動子1外周部分の封止とを異方性導電シート8を用いて同時に行うことが可能である。異方性導電シート8の配置位置を斜視図で示すと図10の斜線部分になり、後述するようにこの場合、異方性導電シート8は封止材を兼用するようになっている。
異方性導電シート8を基板3上に配置した後、電極パターン2a、2bを形成した圧電振動子1との位置あわせを行い、圧力と熱を加えることにより電極パターン2a、2bと配線4a、4bとの電気的な接続と圧電振動子1外周部の封止を異方性導電シート8で行った図11に示すような実装構造を得ることができる。
この時にも基板3上に設けた凸部6が加熱および加圧を行った際の異方性導電シート8の流れ込みを制限するので異方性導電シート8が励振部分の電極パターン2a、2bに接触することがなく良好な特性を示す圧電振動子の実装構造を得ることができる。しかも電極パターン2a、2と配線4a、4bとの電気的な接続を取ると同時に、圧電振動子1と凸部6の接着ができるので、作業工程を簡単にできる。
なお、本実施形態では基板3に凸部6を設けたが、凸部6を基板3上に形成せずに、図12に示すように圧電振動子1上に形成したものを用いることでも同様の効果を得ることができる。その際は、圧電振動子1の一方の面の励振部分の外周に印刷またはディスペンサを用いてエポキシやシリコーンなどの接着剤を塗布し硬化させることで圧電振動子1上に凸部6を形成することができる。
なお、上記実施形態では、凸部6を環状に設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6のように基板3上に設ける凸部6は複数の凸部6が配置されている状態でも環状に凸部6を設けた場合と同様に封止材5が圧電振動子1と基板3の隙間に流れ込む領域を制限することが可能となる。
また上記第一の実施形態において、封止材5として熱硬化型の接着剤を用いる場合、硬化時に圧電振動子1と基板3との間の空気層21が加熱、冷却により膨張または収縮し、圧電振動子1に応力を加えて圧電振動子1の特性を劣化させてしまう恐れがある。この対策として図8に示すように基板3には、空気層と外部を連通する連通穴13を形成しておくことで圧電振動子1の特性を劣化させることなく熱硬化型の封止材5を硬化することができる。連通穴13としては直径0.5mm程度の穴が設けられていれば試料液体の浸入もなく通気も十分に行える。連通穴13の大きさは、試料液体が入らない程度に設定すればよい。
以上の方法により圧電振動子1を基板3上に実装することで、封止材5を塗布する領域を制限し、更には凸部6が基板3と圧電振動子1との隙間のスペーサーとして圧電振動子1の変形を防止することが可能となり、安定した性能を有するQCMセンサーの実装構造を得ることができる。
次に、第二の実施形態について説明する。図13に第二の実施形態におけるQCMセンサー用圧電振動子の実装構造の断面図を示す。図13に示すように、圧電振動子1に設けた励振用の電極パターン2a、2bを、基板3に設けた配線4a、4bに接続し、圧電振動子1の外周部と基板3の間を封止材5によって封止したQCMセンサー用圧電振動子の実装構造において、基板3は、圧電振動子1と基板3との隙間に流れ込む封止材5の塗布
領域を制限するための凹部7を有する構造となっている。
領域を制限するための凹部7を有する構造となっている。
基板3上に設けた配線4a、4bと圧電振動子1に設けた励振用の電極パターン2a、2bは導電接着剤や異方性導電シートなどの接続材料9により電気的に接続されており、基板3上に設けた凹部7が圧電振動子1の外周部に塗布した封止材5の圧電振動子1と基板3との隙間に流れ込む領域を制限している。
凹部7があることにより基板3上に設けた配線4a、4bと圧電振動子1上に設けた励振用の電極パターン2a、2bを導電接着剤や異方性導電シートなどの接続材料9を用いて電気的に接続した際に、圧電振動子1と凹部7との間には一定の間隔が確保され、それ以外の部分の隙間が非常に狭くなるため、封止材5を圧電振動子1外周部に塗布した際に圧電振動子1と基板3との隙間に封止材5が流れ込むが、圧電振動子1と凹部7との隙間には流れ込まない。
基板3上に設ける凹部7の形状によって、第一の実施形態の凸部と同様の作用により、圧電振動子1と基板3の隙間に流れ込む封止材5の塗布領域を自由に設定することができ、圧電振動子1の励振を妨げることなく、QCMセンサー用の圧電振動子の実装構造を得ることができる。
次に、第二の実施形態におけるQCMセンサー用圧電振動子の実装行程について図2から図3と図13から図19を用いて説明する。まず、第一の実施形態と同様の方法により図2と図3に示すような表面に励振用の電極パターン2a、2bを設けた圧電振動子1を用意する。
次に図14の断面図と図15の斜視図に示すように、ガラスやガラス繊維とエポキシ樹脂で形成された基板3上に銅箔を張り合わせ、フォトリソグラフィとエッチングにより配線4a、4bを形成した後、切削により圧電振動子搭載領域に凹部7を形成する。
凹部7の形状は、圧電振動子1の励振用電極パターン2a、2bよりも大きく、圧電振動子1よりも小さければ問題なく、円や四角といった形状は特に限定されない。
本実施形態では厚みが0.5mmのガラス繊維とエポキシ樹脂でできた基板3を使用し、厚みが18μmの銅箔を張り合わせフォトリソグラフィとエッチングにより配線4a、4bを形成し、配線4a、4bの表面にはニッケルを1μm、金を0.3μmの厚みでメッキ法により形成した。凹部7は大きさが4mm角で深さが0.2mmのものを形成した。
圧電振動子1上に設けた励振用の電極パターン2a、2bと基板3上に設けた配線4a、4bとの電気的な接続を第一の実施形態と同様の方法で図16に示すように行う。また、図17に示すように基板3上の配線4a、4bと圧電振動子1上の電極パターン2a、2bが隣り合うように配置し、導電接着剤や異方性導電シートなどの接続材料9によって電気的導通を行ってもかまわない。
本実施形態ではシリコーン接着剤中に銀やパラジウムなどの導電粒子を含有した導電接着剤をディスペンサで基板3上に形成した配線4a、4b上に塗布し、圧電振動子1上に形成した励振用の電極パターン2a、2bと基板3上の配線4a、4bとの位置あわせを行い、熱処理により導電接着剤を硬化させて、電気的接続を行った。
最後に、図13に示すようにエポキシ、シリコーン、ポリウレタンなどの封止材5を圧電振動子1の外周部にディスペンサを用いて塗布し、圧電振動子1と基板3との隙間に封
止材5を流し込み、封止材5を硬化させることで封止が完了する。
止材5を流し込み、封止材5を硬化させることで封止が完了する。
このとき圧電振動子1と基板3との隙間に流れ込んだ封止材5は基板3上に設けた凹部7と圧電振動子1との隙間には流れ込まないので、圧電振動子1の励振を妨げることなく封止をすることが可能となっている。
本実施形態では硬化後に柔らかく、圧電振動子1を変形させるような応力発生させない常温硬化型のシリコーン接着剤を封止材5として使用した。
また、本実施形態では基板3に凹部7を設けたが、凹部7を基板3上に形成せずに、図18に示すように圧電振動子1上に形成したものを用いることでも同様の効果を得ることができる。その際は、圧電振動子1にフォトリソグラフィとエッチングを行うことにより凹部7を形成した後に励振用の電極パターン2を形成することで、圧電振動子1上に凹部7を設けた構造を得ることができる。
また本実施形態では、凹部7で封止材5の塗布領域を制限したが、これとは別に、配線4a、4bを形成した基板3に図19に示すような開口部23を設けることでも上記記載の方法と同様に封止材5の塗布領域を制限することが容易になり、接続材料9や封止材5を硬化させるときに発生する揮発成分の付着による汚れの除去が容易になる。さらに開口部23を塞ぐ保護層12を設けることで圧電振動子1の一方の面だけが露出した状態にすることが可能となり試料液体に浸漬して使用することが可能となる。本実施形態では保護層12としてポリイミドテープを用いて基板3上に設けた開口部23を塞いだ。
本実施形態のQCMセンサーの使用方法の一例として図20に示すような構成が考えられる。図20は容器14内に試料液体18を貯留しておきマグネチックスターラー15で撹拌子16を回転させ試料液体18を攪拌し、圧電振動子1上に特定の物質を選択的に吸着させるセンサー膜を形成したQCMセンサーを浸積し、その時の圧電振動子1の周波数の変化を計測装置17で測定し、センサー膜吸着した物質の質量を算出する構成となっている。
以上の方法により圧電振動子1を基板3上に実装することで、封止材5を配置する領域を制限し、安定した性能を有するQCMセンサーの実装構造を得ることができる。
1 圧電振動子
2a、2b 電極パターン
3 基板
4a、4b 配線
5 封止材
6 凸部
7 凹部
8 異方性導電シート
9 接続材料
10 リード端子
11 片面被覆材
12 保護層
13 連通穴
14 容器
15 マグネチックスターラー
16 攪拌子
17 計測装置
18 試料液体
20 段差
21 空気層
23 開口部
2a、2b 電極パターン
3 基板
4a、4b 配線
5 封止材
6 凸部
7 凹部
8 異方性導電シート
9 接続材料
10 リード端子
11 片面被覆材
12 保護層
13 連通穴
14 容器
15 マグネチックスターラー
16 攪拌子
17 計測装置
18 試料液体
20 段差
21 空気層
23 開口部
Claims (13)
- 圧電振動子を基板上に搭載し、前記圧電振動子の外周部と前記基板の間を封止材によって封止したQCMセンサー用圧電振動子の実装構造において、
前記基板は前記圧電振動子を搭載する領域に凸部または凹部を有し、該凸部または該凹部によって前記圧電振動子と前記基板との隙間に流れ込む前記封止材の塗布領域を制限することを特徴とするQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。 - 前記基板は、前記圧電振動子に設けた励振用の電極パターンと接続するための配線を有し、前記凸部は、前記配線と同じ部材で構成されている請求項1記載のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。
- 前記凸部は、環状に形成したことを特徴とする請求項1または2記載のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。
- 前記凸部は複数の凸部で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。
- 前記凹部が開口部であることを特徴とする請求項1記載のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。
- 前記開口部を塞ぐための保護層を有することを特徴とする請求項5に記載のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。
- 圧電振動子を基板に搭載し、前記圧電振動子の外周部と前記基板の間を封止材によって封止したQCMセンサー用圧電振動子の実装構造において、
前記圧電振動子に凸部または凹部を設け、該凸部または該凹部によって前記圧電振動子と前記基板との隙間に流れ込む前記封止材の塗布領域を制限することを特徴とするQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。 - 前記圧電振動子は、前記基板に設けた配線と接続するための励振用の電極パターンを有し、前記凸部は、前記励振用の電極パターンと同じ部材で構成されている請求項7記載のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。
- 前記凸部は、環状に形成したことを特徴とする請求項7または8記載のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。
- 前記励振用の電極パターンは、導電接着剤によって前記配線に実装されていることを特徴とする請求項2または8記載のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。
- 前記圧電振動子が水晶板である請求項1から請求項10のいずれか一つに記載のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。
- 前記励振用の電極パターンは、異方性導電シートを用いて前記配線に接続されるとともに、前記異方性導電シートが前記封止材を兼用するように設けられていることを特徴とする請求項2または請求項8に記載のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。
- 圧電振動子と基板の間に形成される空間と外部を連通する連通穴を設けていることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一つに記載のQCMセンサー用圧電振動子の実装構造。
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