JP2005120708A - 開閉体の開閉制御装置及び開閉制御方法 - Google Patents

開閉体の開閉制御装置及び開閉制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 所定の開閉順序を守って開閉動作する複数個の開閉体のうち、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生した場合において、これ以後の、この事象によって停止動作させるべき開閉体及びこの開閉体よりも開閉順位が下位となっている開閉体の制御を有効に行えるようにする開閉体の開閉制御装置及び開閉制御方法を提供すること。
【解決手段】 5個のカーテン8,9,10,11,12がこの閉鎖順序で順次閉鎖動作を行っているときに、カーテン10が障害物44に当接した場合、障害物に当接したカーテン10及び開閉順位下位開閉体抽出手段33Bにより抽出されるカーテン10よりも閉鎖順位が下位となっているカーテン11,12の閉鎖動作が、開閉体開閉動作停止手段33Cにより停止されるので、カーテン10が障害物44に当接した後の、カーテン10,11,12の制御を有効に行うことができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、複数個の開閉体を開閉動作させるための開閉制御装置及び開閉制御方法に係り、例えば、複数個の防災用シャッターカーテンを備えた防災用シャッター装置や、複数個の防火扉を備えた防火扉装置、少なくとも1個の防災用シャッターカーテンと少なくとも1個の防火扉を併設した防災用開閉装置等に利用できるものである。
従来より、建物内部の大空間に防災区画を形成するために設置される防災用シャッター装置に用いるスクリーン状のシャッターカーテンは大スパンとすることが求められ、このような大空間に設置される防災用シャッター装置には、複数個の中スパン又は小スパンのシャッターカーテン同士を重ねて逢着させて大スパンの1枚のシャッターカーテンとしたものを閉鎖させるものがあるが、施工や製造の容易さの観点から、複数個のシャッターカーテン(座板を含む)同士を重ねて逢着せずに並設させ、それぞれのシャッターカーテンを同時に閉鎖動作させることで、結果的に大スパンの1枚のシャッターカーテンにより大開口部を閉鎖するのと同様の効果が得られる防災用シャッター装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)。
この防災用シャッター装置では、それぞれのシャッターカーテンが閉鎖動作を行う際に、互いに隣接するシャッターカーテンの対向端部同士の重ね合わせも同時に行われるので、隣接するシャッターカーテン同士は密に重なった状態となり、これにより炎や煙を遮断する。
また、シャッターカーテン付近の空間に発生する大きな風圧を低減させるために、複数個のシャッターカーテン同士を重ねて逢着させないで並設させた複数個のシャッターカーテンを所定の閉鎖順序に従って閉鎖動作を行うようにしたシャッター装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このシャッター装置では、例えば、それぞれのシャッターカーテンの閉鎖速度をそれぞれ異なるものとすることにより、それぞれのシャッターカーテンが異なるタイミングで全閉鎖状態となるようにした閉鎖方法や、それぞれのシャッターカーテンの閉鎖速度は同一にして、それぞれのシャッターカーテンの閉鎖開始時間を異なるものとすることにより、それぞれのシャッターカーテンが異なるタイミングで全閉鎖状態となるようにした閉鎖方法等が実施されるようになっている。
特開2000−320273号公報(段落番号0024〜0038、図1) 特開2003−221991号公報(段落番号0004,0037、図1)
ところで、複数個のシャッターカーテンを所定の閉鎖順序に従って閉鎖動作させるシャッター装置を建物に設置した場合において、これらの複数個のシャッターカーテンが閉鎖動作を行っているときに、いずれかのシャッターカーテンの閉鎖方向に障害物が存在し、このシャッターカーテンが障害物に当接したときには、その後、それぞれのシャッターカーテンの制御を有効に行わなくてはならない。従来より提案されている装置には、このように実際に発生し得る状況に対処できるようにした方策まで考慮したものは見当たらない。
本発明の目的は、所定の開閉順序を守って開閉動作する複数個の開閉体のうち、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生した場合において、これ以後のそれぞれの開閉体の制御を有効に行えるようにする開閉体の開閉制御装置及び開閉制御方法を提供するところにある。
本発明に係る開閉体の制御装置は、所定の開閉順序を守って開閉動作する複数個の開閉体のうち、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生したとき、この事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている少なくとも1個の開閉体を抽出する開閉順位下位開閉体抽出手段と、前記事象の発生によって停止動作させるべき開閉体及び開閉順位下位開閉体抽出手段により抽出された開閉体の開閉動作を停止させる制御を実行する開閉体開閉動作停止手段とを含んで構成されていることを特徴とするものである。
この開閉体の制御装置では、所定の開閉順序を守って開閉動作する複数個の開閉体のうち、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生したとき、この事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている少なくとも1個の開閉体を抽出する開閉順位下位開閉体抽出手段と、前記事象の発生によって停止動作させるべき開閉体及び開閉順位下位開閉体抽出手段により抽出された開閉体の開閉動作を停止させる制御を実行する開閉体開閉動作停止手段が備えられているので、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生した場合において、これ以後の、この事象によって停止動作させるべき開閉体及びこの開閉体よりも開閉順位が下位となっている開閉体の制御を有効に行うことができる。
「所定の開閉順序」とは、複数個の開閉体の全部が、開閉動作の開始のタイミングを同じにして、かつ、それぞれの開閉体の開閉速度を同一のものとすることにより、それぞれの開閉体の開閉動作が同時に終了するものとなっている開閉順序を除いたものをいう。これを言い換えると、「所定の開閉順序」とは、複数個の開閉体が開閉動作することにより、これらの複数個の開閉体付近の空間に発生する大きな風圧を低減させることができる開閉順序であることが好ましい。
複数個の開閉体を「所定の開閉順序」で開閉動作させる方法には、複数個の開閉体の全部の開閉動作の開始のタイミングを同一にして、それぞれの開閉体の開閉速度を異なるものとする方法や、複数個の開閉体の全部の開閉動作の開始のタイミングを異なるものにして、それぞれの開閉体の開閉速度を同一のものとする方法や、複数個の開閉体の一部の開閉動作の開始のタイミングを異なるものにして、それぞれの開閉体の開閉速度を同一のものとする方法や、複数個の開閉体の全部の開閉動作の開始のタイミングを異なるものにして、それぞれの開閉体の開閉速度を異なるものとする方法等がある。
「それぞれの開閉体の開閉速度を異なるもの」とした場合、それぞれの開閉体の開閉速度は、終始同一であってもよく、途中で変化するものであってもよく、任意である。
「複数個の開閉体の一部の開閉動作の開始のタイミングを異なるものにして」とは、複数個の開閉体の開閉動作の開始のタイミングを少なくとも2段階にずらして開閉動作を開始させるということである。例えば、開閉体の個数がn個である場合、1個の開閉体がまず開閉動作を開始し、一定の時間が経過した後、残りのn−1個の開閉体の全部が同時に開閉動作の開始するものであってもよいということである。
また、「所定の開閉順序」は、あらかじめ静的に定められているもの、すなわち、あらかじめROM等の記憶媒体に書き込んであるものであってもよく、開閉動作直前に動的に定められるものであってもよく、これらを複合して定められるものであってもよく、任意である。
なお、「所定の開閉順序を守って開閉動作」させる理由には、複数個の開閉体の構造上の理由から、複数個の開閉体を任意の開閉順序で開閉動作させることができず、これらの複数個の開閉体を所定の開閉順序で開閉動作させなければならない場合や、前述したように、複数個の開閉体の全部を同時に開閉動作させるときにこれらの複数個の開閉体付近の空間発生する大きな風圧を低減させるためという理由から、これらの複数個の開閉体を、所定の時間間隔をおいて、所定の開閉順序で順次開閉動作させる場合等がある。
「開閉体の幅方向」とは、開閉体の開閉方向と直交する方向であって、開閉体の厚さ方向とも直交する方向をいう。
「開閉体を停止動作させるべき事象」とは、開閉体の開閉方向に障害物が存在し、開閉動作を行っている開閉体がこの障害物に当接したり、引っ掛かったりする等の事象(障害物感知装置がこの障害物を検出する事象を含む)や、開閉体が開閉動作を行っているときに、この開閉体を開閉動作させている駆動機構や制御機構等が故障する事象等がある。
「開閉順位下位開閉体抽出手段」は、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている全部の開閉体を抽出するものでもよく、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている開閉体のうち、開閉動作を行っている開閉体のみを抽出するものでもよく、任意である。後者の場合を言い換えると、「開閉順位下位開閉体抽出手段」は、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている開閉体のうち、開閉動作をまだ開始していない開閉体については、抽出する必要はないということである。
「開閉体開閉動作停止手段」とは、開閉体を開閉動作させるための駆動機構のブレーキを復帰させる制御や駆動機構のモータの駆動を停止させる制御をこの駆動機構に対して実行する手段をいう。具体的に述べると、例えば、防災用シャッター装置においては、シャッターカーテンに対応する開閉機のブレーキを復帰させる制御や開閉機のモータの駆動を停止させる制御を該当する開閉機に対して実行する手段をいい、同様に、防火扉装置においては、扉を開閉動作させるための開閉機のブレーキを復帰させる制御や開閉機のモータの駆動を停止させる制御を該当する開閉機に対して実行する手段をいう。
また、「開閉順位下位開閉体抽出手段」が、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている全部の開閉体を抽出するものとなっている場合においては、この「開閉体開閉動作停止手段」は、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている開閉体のうち、まだ、開閉動作を開始していない開閉体に対しては、開閉動作を停止させる制御を実行しなくてもよい。
なお、本発明においては、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている少なくとも1個の開閉体は、「開閉順位下位開閉体抽出手段」によって、一括して抽出された後、「開閉体開閉動作停止手段」によって、前記事象の発生によって停止動作させるべき開閉体とともに一括して開閉動作が停止されるものとなっている。
しかし、「開閉順位下位開閉体抽出手段」によって、該当する開閉体が1個抽出されたら、この後すぐに、この抽出された1個の開閉体が「開閉体開閉動作停止手段」によって開閉動作を停止されるようにしてもよい。言い換えると、「開閉順位下位開閉体抽出手段」及び「開閉体開閉動作停止手段」による2つの処理を、開閉体1個ごとに連続して行うようにしてもよい。なお、この場合においては、前記事象の発生によって停止動作させるべき開閉体が最初に、この「開閉体開閉動作停止手段」により開閉動作を停止されることが好ましい。
「開閉順位下位開閉体抽出手段」及び「開閉体開閉動作停止手段」は、リレーを結線したワイヤードロジック方式によるものでもよく、マイクロプログラム制御方式によるものでもよく、任意である。
「複数個の開閉体」とは、シャッターカーテンのみで構成されるものでもよく、扉のみで構成されるものでもよく、これらを組み合わせたもので構成されるものでもよく、任意である。開閉体がシャッターカーテンである場合には、耐火スクリーンで形成されたものでもよく、耐火性を有しない他のスクリーンで形成されたものでもよく、スラット、パネル等のようにスクリーン以外の金属材料等の材料で形成されたものでもよく、また、これらを組み合わせて形成されたものでもよい。
なお、「開閉順位下位開閉体抽出手段」により抽出される開閉体には、「複数個の開閉体」にシャッターカーテンが含まれており、このシャッターカーテンの開閉動作を案内するガイド部材が可動式となっている場合には、この可動式のガイド部材を含むものとしてもよい。
「開閉体」は、垂直のものでもよく、水平のものでもよく、斜めのものでもよい。また、その開閉方向は、上下方向でもよく、左右方向でもよく、斜め方向でもよい。
なお、「開閉」には、開放及び閉鎖の両方を指す場合はもちろん、開放のみを指す場合や、閉鎖のみを指す場合も含まれる。例えば、「開閉順位下位開閉体抽出手段」には、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生したとき、前記事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも閉鎖順位及び開放順位が下位となっている少なくとも1個の開閉体を抽出する「開閉順位下位開閉体抽出手段」はもちろん、前記事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも閉鎖順位が下位となっている少なくとも1個の開閉体のみを抽出する「閉鎖順位下位開閉体抽出手段」や、前記事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開放順位が下位となっている少なくとも1個の開閉体のみを抽出する「開放順位下位開閉体抽出手段」も含まれる。
前述したように、本発明に係る開閉体の開閉制御装置には、所定の開閉順序を守って開閉動作する複数個の開閉体のうち、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生したとき、この事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている少なくとも1個の開閉体を抽出する開閉順位下位開閉体抽出手段と、前記事象の発生によって停止動作させるべき開閉体及び開閉順位下位開閉体抽出手段により抽出された開閉体の開閉動作を停止させる制御を実行する開閉体開閉動作停止手段が備えられているが、この開閉体開閉動作停止手段により開閉動作を停止された、前記事象によって停止動作させるべき開閉体を、前記事象から回避させるための手段を、この開閉体の開閉制御装置にさらに設けてもよい。
この「前記事象から回避させるための手段」を具体化したものの一例として、例えば、閉鎖動作を行っている開閉体が、この開閉体の閉鎖方向に存在する障害物に当接したために、開閉体開閉動作停止手段により閉鎖動作を停止されているこの開閉体を、障害物に当接している状態から回避させるために、この開閉体を開放動作させる制御を実行する障害物回避手段がある。この障害物回避手段により、開閉体に当接している障害物を除去しやすくなるので、この障害物が除去されれば、障害物に当接した開閉体及び障害物に当接した開閉体よりも閉鎖順位が下位となっている開閉体が、再びもとの正常な閉鎖動作を行うことが可能となる。
本発明に係る開閉体の開閉制御装置において、複数個の開閉体を具体化したものの一例として、複数個の開閉体を、これらの複数個の開閉体の幅方向に互いに隣接して配設するものとし、複数個の開閉体の閉鎖方向の先端部には、複数個の開閉体の幅方向全長又は略全長に亘るエンド部材を設け、さらに、互いに隣接している2個の開閉体における互いに対向するエンド部材の幅方向の端部同士のうちの一方の端部には、第1係止部を設け、他方の端部には、第1係止部とは複数個の開閉体の開閉方向にずれている第2係止部を設けたものを挙げることができる。そして、この場合における複数個の開閉体の所定の開閉順序は、第1係止部と第2係止部とが、複数個の開閉体の開閉方向に互いに係合する順序とすることが好ましい。
これによると、複数個の開閉体の所定の開閉順序が、第1係止部と第2係止部とが、複数個の開閉体の開閉方向に互いに係合する順序となっているので、これらの複数個の開閉体が全閉鎖状態となったときにおいては、互いに隣接している2個の開閉体における互いに対向するエンド部材の幅方向の端部同士は、密接に係合することになり、これにより、全閉鎖状態の複数個の開閉体によって仕切られる空間の密閉性は高いものとなる。
これを具体的に説明すると、例えば、互いに隣接している2個の開閉体における互いに対向するエンド部材の幅方向の端部同士のうち、一方の端部に第1係止部を設け、他方の端部に設けられる第2係止部を、第1係止部とは複数個の開閉体の開放方向にずれているものとした場合には、これらの2個の開閉体の閉鎖順序は、まず、第1係止部が設けられている開閉体が閉鎖動作を行い、次に、第2係止部が設けられている開閉体が閉鎖動作を行うことにより、第1係止部に対して第2係止部が、これらの2個の開閉体の閉鎖方向に係合する順序となる。これにより、これらの2個の開閉体が全閉鎖状態となったときにおいては、互いに隣接している2個の開閉体における互いに対向するエンド部材の幅方向の端部同士は、密接に係合することになる。
ここで、複数個の開閉体の閉鎖方向の先端部に設けられているエンド部材とは、例えば、複数個の開閉体が、建物の出入口等の開口部を開放、閉鎖するためのシャッターカーテンとなっている場合には、このシャッターカーテン本体の閉鎖方向の先端部に設けられている座板に相当するものである。
複数個の開閉体のうちの1個の開閉体のみに着目した場合、この1個の開閉体のエンド部材の幅方向の両端部に設ける係止部は、両端部に第1係止部のみを設けてもよく、同様に、両端部に第2係止部のみを設けてもよく、また、両端部のうちの一方の端部に第1係止部を設けるとともに、他方の端部に第2係止部を設けるようにしてもよく、任意であるが、互いに隣接している2個の開閉体における互いに対向するエンド部材の幅方向の端部同士に着目した場合、前述したように、端部同士が係合するように、一方の端部には第1係止部を設け、他方の端部には第2係止部を設けなければならない。なお、エンド部材の幅方向の端部に設けられている第1係止部及び第2係止部の形状は任意であるが、第1係止部と第2係止部とが、複数個の開閉体の開閉方向に互いに密接に係合しやすい形状とすることがより好ましい。
なお、これらの複数個の開閉体は、これらの複数個の開閉体の開閉方向から見たときの形状が、直線を描くように配設されてもよく、く字状や、コ字状や、半円状や、曲線状等のように開曲線を描くように配設されてもよく、円形状や、多角形状等のように閉曲線を描くように配設されてもよく、これらを複合した線を描くように配設されてもよく、任意である。
また、複数個の開閉体の付近の空間に発生する大きな風圧を低減させるために、これらの複数個の開閉体の開閉順序は、これらの複数個の開閉体の開閉動作の開始のタイミングをずらして開閉動作を行わせる開閉順序とすることが好ましい。
また、前述した複数個の開閉体を具体化したものの一例において、複数個の開閉体をそれぞれ防災用シャッターカーテンとした場合には、第1係止部をこれらの複数個の防災用シャッターカーテンの開放方向に向かって開放形状となっている段部とし、第2係止部をこれらの複数個の防災用シャッターカーテンの閉鎖方向に向かって開放形状となっている段部とすることが好ましい。
これによると、複数個の開閉体がそれぞれ防災用シャッターカーテンとなっており、第1係止部がこれらの複数個の防災用シャッターカーテンの開放方向に向かって開放形状となっている段部となっており、第2係止部がこれらの複数個の防災用シャッターカーテンの閉鎖方向に向かって開放形状となっている段部となっているので、これらの複数個の防災用シャッターカーテンの全部が全閉鎖状態となったときには、互いに隣接している2個の防災用シャッターカーテンにおける互いに対向するエンド部材の幅方向の端部同士がより密接に係合することになり、これらの複数個の防災用シャッターカーテンによって形成される防災区画の密閉性は一層高いものとなる。
ここで、「シャッターカーテンの開放方向に向かって開放形状となっている段部」とは、具体的には、例えば、シャッターカーテンの開放方向に昇って行く階段の段差を有するような部分をいい、一方、「シャッターカーテンの閉鎖方向に向かって開放形状となっている段部」とは、具体的には、例えば、前述したシャッターカーテンの開放方向に昇って行く階段の段差を反転させたものを有するような部分をいう。
互いに隣接している2個の防災用シャッターカーテンにおける互いに対向するエンド部材の幅方向の端部同士をより密接に係合させるために、第1係止部となっている段部に、エンド部材の幅方向の内側方向へ没入する凹部を形成し、第2係止部となっている段部に、エンド部材の幅方向の外側方向に突出する凸部を形成してもよい。これにより、第1係止部となっている段部と、第2係止部となっている段部とが互いに係合するとともに、第1係止部となっている段部に形成されている凹部と、第2係止部となっている段部に形成されている凸部とが互いに嵌合するので、これらの複数個の防災用シャッターカーテンによって形成される防災区画の密閉性はより一層高いものとなる。
また、第1係止部及び第2係止部となっている段部に形成される段差の個数は、1個のみでもよく、複数個でもよく、任意であるが、互いに隣接している2個の防災用シャッターカーテンにおける互いに対向するエンド部材の幅方向の端部同士をより密接に係合させるためには、段差の数は複数個あることがより好ましい。
さらに、これらの複数個の防災用シャッターカーテンが全閉鎖状態となったときにおいて、互いに隣接している2個の防災用シャッターカーテン同士の間では、これらのシャッターカーテンの対向端部同士が重ね部分となるように、これらの複数個の防災用シャッターカーテンをそれぞれ配設することが好ましい。これにより、互いに隣接している2個の防災用シャッターカーテンにおける互いに対向するエンド部材の幅方向の端部同士がより密接に係合することに加えて、互いに隣接している2個の防災用シャッターカーテン同士の間では、これらのシャッターカーテンの対向端部同士が重ね部分となるので、これらの複数個の防災用シャッターカーテンによって形成される防災区画の密閉性はさらにより一層高いものとなる。
また、複数個の小スパン又は中スパンの防災用シャッターカーテンを、これらの複数個の防災用シャッターカーテンの幅方向に互いに隣接して配設させ、これらの複数個の防災用シャッターカーテンを閉鎖動作させることにより、室内空間に大スパンの防災区画を形成することが可能となる。
本発明に係る開閉体の開閉制御装置において、複数個の開閉体を具体化したものの別の一例として、複数個の開閉体を、少なくとも1個の防火扉と、少なくとも1個の防災用シャッターカーテンとの組合せとし、これらの防火扉と防災用シャッターカーテンを、これらの幅方向に互いに隣接して配設するものとし、防災用シャッターカーテンの幅方向両側に配設されていて、防災用シャッターカーテンの開閉動作を案内する第1及び第2ガイド部材のうち、防火扉と隣接する側に配設された第1ガイド部材は、上端部が防災用シャッターカーテンの収納空間内に存在する躯体に揺動自在に軸支されていて、第1ガイド部材は、軸支端部を中心とする鉛直方向への揺動により、防災区画を形成する空間の床面に垂下姿勢で設置されるものとなっているとともに、軸支端部を中心とする水平方向への揺動により、収納空間内に水平姿勢で収納されるものとなっており、第1ガイド部材が床面に垂下姿勢で設置されたときに防火扉の幅方向の側面部と互いに対向する第1ガイド部材の側面部には、防火扉の幅方向の端縁部全長を嵌入させる溝部が第1ガイド部材の長手方向に亘って形成されているものを挙げることができる。そして、この場合における複数個の開閉体の所定の開閉順序のうち、閉鎖順序は、防火扉が閉鎖動作を開始すると同時に、又は防火扉が閉鎖動作を開始した後に、第1ガイド部材が鉛直方向へ揺動することにより床面に垂下姿勢で設置されるとともに、防火扉の幅方向の端縁部全長が第1ガイド部材の溝部に嵌入した状態となった後に、防災用シャッターカーテンが閉鎖動作する順序となっており、開放順序は、防災用シャッターカーテンが開放動作を終了した後に、第1ガイド部材の水平方向への揺動が行われるとともに、防火扉の幅方向の端縁部全長が第1ガイド部材の溝部に嵌入した状態が解除され、第1ガイド部材が収納空間内に水平姿勢で収納された後に、防火扉が開放動作する順序となっている。
これによると、複数個の開閉体を、少なくとも1個の防火扉と、少なくとも1個の防災用シャッターカーテンとの組合せからなるものとし、これらの防火扉と防災用シャッターカーテンをこれらの幅方向に互いに隣接して配設させるものとした場合にも、本発明に係る開閉体の制御装置を適用することができる。
ここで、開閉順位下位開閉体抽出手段により抽出される開閉体には、防災用シャッターカーテンの開閉動作を案内する第1及び第2ガイド部材のうち、防火扉と隣接する側に配設された第1ガイド部材も含まれる。
これによると、複数個の開閉体の所定の開閉順序のうち、閉鎖順序が、防火扉が閉鎖動作を開始すると同時に、又は防火扉が閉鎖動作を開始した後に、第1ガイド部材が、鉛直方向へ揺動することにより床面に垂下姿勢で設置されるとともに、防火扉の幅方向の端縁部全長が第1ガイド部材の溝部に嵌入した状態となった後に、防災用シャッターカーテンが閉鎖動作する順序となっているので、防火扉が閉鎖動作を行っているときに、この防火扉を停止動作させるべき事象が発生した場合においては、開閉順位下位開閉体抽出手段により、この事象の発生によって停止動作させるべき防火扉よりも閉鎖順位が下位となっている開閉体である第1ガイド部材と防災用シャッターカーテンが抽出された後、開閉体開閉動作停止手段により、前記事象によって停止動作させるべき防火扉及び開閉順位下位開閉体抽出手段により抽出された開閉体となっている第1ガイド部材の揺動が停止される。この結果、第1ガイド部材がこのまま揺動を続け、先に床面に垂下姿勢で設置されてしまうことを阻止することができる。
このように、開閉順位下位開閉体抽出手段及び開閉体開閉動作停止手段を備えることにより、閉鎖動作中の防火扉を停止動作させるべき事象が発生した場合において、これ以後の、この防火扉及びこの防火扉よりも閉鎖順位が下位となっている第1ガイド部材の制御を有効に行えるようになる。
なお、防災用シャッターカーテンが閉鎖動作を開始するのは、第1ガイド部材が鉛直方向へ揺動することにより床面に垂下姿勢で設置されるとともに、防火扉の幅方向の端縁部全長が第1ガイド部材の溝部に嵌入した状態となった後である。したがって、閉鎖動作中の防火扉を停止動作させるべき事象が発生した場合において、開閉順位下位開閉体抽出手段は、閉鎖動作をまだ開始していない防災用シャッターカーテンを抽出しないものとしてもよい。一方、開閉順位下位開閉体抽出手段が、閉鎖動作をまだ開始していない防災用シャッターカーテンを抽出するものとなっている場合には、開閉体開閉動作停止手段は、防災用シャッターカーテンの閉鎖動作を停止させる制御を必ずしも実行しなくてもよい。
鉛直方向への揺動中の第1ガイド部材を停止させるべき事象が発生した場合には、開閉順位下位開閉体抽出手段により、第1ガイド部材よりも閉鎖順位が下位となっている防災用シャッターカーテンが抽出され、開閉体開閉動作停止手段により、第1ガイド部材の揺動が停止され、また、防災用シャッターカーテンの閉鎖動作の開始が阻止されることになる。
なお、鉛直方向への揺動中の第1ガイド部材を停止させるべき事象が発生した場合には、防災用シャッターカーテンは閉鎖動作をまだ開始していないため、開閉順位下位開閉体抽出手段により抽出される開閉体は0個とするものとしてもよい。一方、開閉順位下位開閉体抽出手段が、閉鎖動作をまだ開始していない防災用シャッターカーテンを抽出するものとなっている場合には、開閉体開閉動作停止手段は、防災用シャッターカーテンの閉鎖動作を停止させる制御を必ずしも実行しなくてもよい。
また、第1ガイド部材の側面部に形成する溝部は、この第1ガイド部材の長手方向の一部に亘って形成してもよく、この第1ガイド部材の長手方向全長に亘って形成してもよく、任意である。
前述した複数個の開閉体を具体化したものの別の一例において、第1ガイド部材の溝部には、防火扉の全閉鎖状態における防火扉の厚さ方向の外側へ窪んでいる窪み部を設け、第1ガイド部材と隣接する側の防火扉の幅方向の端部には、防火扉の厚さ方向の外側へ突没自在なラッチ爪部を有するラッチ機構と、このラッチ機構を解除するためのラッチ機構解除スイッチとを設け、ラッチ機構は、防火扉の幅方向の端縁部全長が第1ガイド部材の溝部に嵌入するとともに、ラッチ爪部が溝部に没入した後、窪み部で突出することにより、第1ガイド部材と防火扉とが係合するものとなっており、ラッチ機構解除スイッチの操作により、ラッチ爪部が窪み部で没入することにより、第1ガイド部材と防火扉との係合が解除されるようにしてもよい。
これによると、第1ガイド部材の溝部には、防火扉の全閉鎖時における防火扉の厚さ方向の外側へ窪んでいる窪み部が設けられており、第1ガイド部材と隣接する側の防火扉の幅方向の端部には、防火扉の厚さ方向の外側へ突没自在なラッチ爪部を有するラッチ機構と、このラッチ機構を解除するためのラッチ機構解除スイッチとが設けられているので、第1ガイド部材の軸支端部を中心とする鉛直方向への揺動により、第1ガイド部材が防災区画を形成する空間の床面に垂下姿勢で設置されたときには、防火扉の幅方向の端縁部全長が第1ガイド部材の溝部に嵌入するとともに、ラッチ機構のラッチ爪部が溝部に没入した後、溝部における窪み部で突出することにより、第1ガイド部材と防火扉とが係合することになる。
これにより、第1ガイド部材と防火扉との係合状態は、防火扉にラッチ機能を設けない場合と比較して、より強固なものとなり、第1ガイド部材と防火扉同士の密閉性はより一層高いものとなる。さらに、第1ガイド部材と防火扉同士が係合状態となった後、防災用シャッターカーテンの閉鎖動作が行われることにより、空間には、密閉性の高い大スパンの防災区画が形成されることになる。
また、防火扉には、ラッチ機構を解除するためのラッチ機構解除スイッチが設けられているので、第1ガイド部材と防火扉との係合状態は、このラッチ機構解除スイッチを操作することにより、容易に解除することができる。
なお、防火扉にラッチ機構及びラッチ機構解除スイッチを設ける位置は、防火扉の幅方向の端部における上端部でもよく、防火扉の幅方向の端部における下端部でもよく、防火扉の幅方向の端部における中央部でもよく、任意であるが、ラッチ機構解除スイッチがラッチ機構と一体となって設けられている場合には、このラッチ機構解除スイッチは、人間がラッチ機構解除スイッチを操作しやすい位置に設けることが好ましい。
さらに、防火扉にラッチ機構を設ける個数は、1個のみでもよく、複数個でもよく、任意であるが、ラッチ機構を複数個設けることにより、第1ガイド部材と防火扉との係合状態がより強固になるので、防火扉にはラッチ機構を複数個設けることがより好ましい。
また、本発明に係る開閉体の開閉制御装置において、複数個の開閉体を、防災機能を有するものとした場合には、複数個の開閉体の所定の開閉順序のうちの閉鎖順序を、火災が発生した場合、複数個の開閉体のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体から順次閉鎖動作する順序とすることが好ましい。
これによると、火災が発生した場合には、防災機能を有する複数個の開閉体を、これらの複数個の開閉体のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体から順次閉鎖動作させることにより、火災により発生した炎や煙が、防災機能を有する開閉体に早期に遮蔽されることになり、火災発生時における防災効果をより一層高めることができる。
さらに、複数個の開閉体の所定の開閉順序のうちの閉鎖順序を、火災が発生した場合、これらの複数個の開閉体のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体から順次閉鎖動作する順序とすることにより、開閉体付近の空間に発生する大きな風圧を低減させることができる。
ここで、「防災機能を有する」とは、火災等が発生したときにおいて、防火性や防煙性を有するものであるという意味である。したがって、「防災機能を有する開閉体」とは、例えば、開閉体がシャッターカーテンとなっている場合には、防火性と防煙性を有するスクリーン材又はこのスクリーン材に耐火塗料等を塗布及び/又は含侵させて形成された防災用シャッターカーテン等をいう。
なお、所定の開閉順序のうちの閉鎖順序は、火災が発生した場合、複数個の開閉体のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体から順次閉鎖動作する順序とするものなので、この閉鎖順序は、これらの複数個の開閉体を閉鎖動作させる直前に、動的に決められることとなる。
また、本発明に係る開閉体の開閉制御装置において、複数個の開閉体を、防災機能を有するものとし、複数個の開閉体の所定の開閉順序のうちの閉鎖順序を、火災が発生した場合、複数個の開閉体のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体から順次閉鎖動作する順序とした場合において、複数個の開閉体を、複数個の開閉体の幅方向に互いに隣接して配設させるものとすることができる。
これによると、複数個の開閉体が、これらの複数個の開閉体の幅方向に互いに隣接して配設されており、火災が発生した場合には、防災機能を有する複数個の開閉体の閉鎖順序が、これらの複数個の開閉体のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体から順次閉鎖動作する順序となっているので、火災により発生した炎や煙が、防災機能を有する開閉体によって早期に遮断されることになり、より高い防災効果が期待できる。
また、この閉鎖順序によれば、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体が先に閉鎖動作を終了したとしても、火災が発生した場所より遠くの空間に配設されている開閉体は、まだ閉鎖動作を行っていないか、閉鎖動作を行っている途中である可能性が高いことになる。したがって、発生した火災から避難中の人間は、火災により発生した炎や煙の影響をあまり受けることなく、火災が発生した空間から最も遠い空間に配設されている開閉体へ向かって、余裕を持って避難することができる。
さらに、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体がまず閉鎖動作を行っているときに、この開閉体を停止動作させるべき事象が発生したとき、例えば、この開閉体の閉鎖方向に障害物等が存在し、この閉鎖動作中の開閉体が障害物に当接したときには、開閉順位下位開閉体抽出手段及び開閉体開閉動作停止手段により、障害物に当接した開閉体及びこの障害物当接した開閉体よりも閉鎖順位が下位となっている開閉体の閉鎖動作が停止されることになる。
これにより、火災が発生した場所より遠くの空間に配設されている開閉体が、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体よりも先に閉鎖動作を終了してしまうことを阻止することができ、火災から避難中の人間が、安全にしかも余裕を持って避難することができるようになる。
また、複数個の小スパン又は中スパンの開閉体を、これらの複数個の開閉体の幅方向に互いに隣接して配設させ、これらの複数個の開閉体を閉鎖動作させることにより、室内空間に大スパンの防災区画を形成することが可能となる。
さらに、複数個の開閉体の所定の開閉順序のうちの閉鎖順序を、火災が発生した場合、これらの複数個の開閉体のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体から順次閉鎖動作する順序とすることにより、開閉体付近の空間に発生する大きな風圧を低減させることができる。
また、本発明に係る開閉体の開閉制御装置において、複数個の開閉体を、防災機能を有するものとし、複数個の開閉体の所定の開閉順序のうちの閉鎖順序を、火災が発生した場合、複数個の開閉体のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体から順次閉鎖動作する順序とし、複数個の開閉体を、複数個の開閉体の幅方向に互いに隣接して配設させるものとした場合において、複数個の開閉体を具体化したものの一例として、複数個の開閉体を、それぞれ防災用シャッターカーテンとし、これらの防災用シャッターカーテンの開閉動作を案内するガイド部材の上端部が、防災用シャッターカーテンの収納空間内に存在する躯体に揺動自在に軸支されるものとし、ガイド部材の下端部が、防災用シャッターカーテンの閉鎖方向の先端部における防災用シャッターカーテンの幅方向全長又は略全長に亘って設けられているエンド部材に対して前記幅方向へスライド自在に連結されるものとし、また、ガイド部材が、軸支端部を中心とする揺動を行うことにより、防災用シャッターカーテンの開閉動作を案内するものとなっているものがある。
これによると、複数個の開閉体となっている防災用シャッターカーテンの開閉動作をそれぞれ案内するガイド部材は、ガイド部材の上端部が、収納空間内に存在する躯体に揺動自在に軸支され、ガイド部材の下端部が、防災用シャッターカーテンのエンド部材に対して防災用シャッターカーテンの前記幅方向へスライド自在に連結されている可動式のガイド部材となっているので、防災用シャッターカーテンが開放動作を行うときにおいては、ガイド部材が、軸支端部を中心とする水平方向への揺動を行うとともに、ガイド部材の下端部が、防災用シャッターカーテン幅方向の内側にスライドしながら防災用シャッターカーテンの開放動作を案内した後、防災用シャッターカーテンは、収納空間内に水平姿勢で収納されることになる。
したがって、火災が発生していない平常時においては、可動式となっているガイド部材は、防災用シャッターカーテンとともに収納空間内に水平姿勢で収納され、これにより、平常時における室内空間には、障害物となるガイド部材が存在しないことになるので、ガイド部材を固定式のものとした場合と比較して、平常時における室内空間を有効に活用することができる。
なお、防災用シャッターカーテンが閉鎖動作を行うときにおいては、ガイド部材が、軸支端部を中心とする鉛直方向への揺動を行うとともに、ガイド部材の下端部が、防災用シャッターカーテン幅方向の外側にスライドしながら防災用シャッターカーテンの閉鎖動作を案内した後、防災用シャッターカーテンは、防災区画を形成する空間の床面に垂下姿勢で設置されることになる。
また、これによると、火災の発生により、複数個の防災用シャッターカーテンが閉鎖動作を開始し、これらの複数個の防災用シャッターカーテンの全部が閉鎖動作を終了したときには、互いに隣接する防災用シャッターカーテンにおける互いに対向するガイド部材の側面同士が密着することになるので、これらの複数個の防災用シャッターカーテンにより形成される防災区画の密閉性はより一層高いものとなる。
さらに、複数個の防災用シャッターカーテンが、これらの複数個の防災用シャッターカーテンの幅方向に互いに隣接して配設されている場合において、火災が発生した場合には、防災機能を有する複数個の防災用シャッターカーテンの閉鎖順序を、これらの複数個の防災用シャッターカーテンのうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている防災用シャッターカーテンから順次閉鎖動作させるものとしているので、火災により発生した炎や煙が、防災機能を有する防災用シャッターカーテンによって早期に遮断されることになり、より高い防災効果が期待できる。また、複数個の防災用シャッターカーテンを順次閉鎖動作させることにより、これらの複数個の防災用シャッターカーテン付近の空間に発生する大きな風圧を低減させることができる。
さらに、この閉鎖順序によれば、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている防災用シャッターカーテンが先に閉鎖動作を終了したとしても、火災が発生した場所より遠くの空間に配設されている防災用シャッターカーテンは、まだ閉鎖動作を行っていないか、閉鎖動作を行っている途中である可能性が高いことになる。したがって、発生した火災から避難中の人間は、火災により発生した炎や煙の影響を直接受けることなく、火災が発生した空間から最も遠い空間に配設されている防災用シャッターカーテンへ向かって、余裕を持って避難することができる。
また、複数個の防災用シャッターカーテンの開閉動作を案内するガイド部材は、それぞれの防災用シャッターカーテン毎に設けられているで、これらの複数個の防災用シャッターカーテンの開閉順序を動的に変更することができるようになる。
さらに、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている防災用シャッターカーテンが、最初に閉鎖動作を行っているときに、この防災用シャッターカーテンを停止動作させるべき事象が発生したとき、例えば、この防災用シャッターカーテンの閉鎖方向に障害物等が存在し、この防災用シャッターカーテンが障害物に当接したときには、開閉順位下位開閉体抽出手段及び開閉体開閉動作停止手段により、障害物に当接した防災用シャッターカーテン及びこの障害物に当接した防災用シャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっている防災用シャッターカーテンの閉鎖動作が停止されることになる。
これにより、火災が発生した場所より遠くの空間に配設されている防災用シャッターカーテンが、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている防災用シャッターカーテンよりも先に閉鎖動作を終了してしまうことを阻止することができ、火災から避難中の人間が、より安全にしかも余裕を持って避難することができるようになる。
また、複数個の小スパン又は中スパンの防災用シャッターカーテンを、これらの複数個の防災用シャッターカーテンの幅方向に互いに隣接して配設させ、これらの複数個の防災用シャッターカーテンを閉鎖動作させることにより、室内空間に大スパンの防災区画を形成することが可能となる。
また、本発明に係る開閉体の開閉制御装置において、複数個の開閉体を、防災機能を有するものとし、複数個の開閉体の所定の開閉順序のうちの閉鎖順序を、火災が発生した場合、複数個の開閉体のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体から順次閉鎖動作する順序とした場合において、複数個の開閉体を、複数個の開閉体の厚さ方向に互いに離間して配設させるものとすることができる。
これによると、複数個の開閉体が、これらの複数個の開閉体の厚さ方向に互いに離間して配設されており、火災が発生した場合には、防災機能を有する複数個の開閉体の閉鎖順序が、これらの複数個の開閉体のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体から順次閉鎖動作する順序となっているので、火災により発生した炎や煙が、防災機能を有する開閉体によって早期に遮断されることになり、より高い防災効果が期待できる。また、複数個の開閉体を順次閉鎖動作させることにより、これらの複数個の開閉体付近の空間に発生する大きな風圧を低減させることができる。
ここで、「複数個の開閉体を、複数個の開閉体の厚さ方向に互いに離間して配設させる」とは、例えば、建物や地下街等の通路において、火災が発生した場合、通路をこの通路の進行方向に遮断できるように、複数個の防災用シャッターカーテンを、これらの複数個の防災用シャッターカーテンの厚さ方向に互いに離間して配設させることをいう。
また、「複数個の開閉体を、複数個の開閉体の厚さ方向に互いに離間して配設させる」場合における離間の間隔は、これらの複数個の開閉体の全部を等間隔で離間するものでもよく、これらの複数個の開閉体の全部を不等間隔で離間するものでもよく、これらを組み合わせた間隔で離間するものでもよく、任意である。
さらに、これらの間隔とは、これらの複数個の開閉体の厚さ方向に互いに対向する2個の開閉体が閉鎖動作をすることにより、周囲の壁等とで囲まれて形成される防災区画に、少なくとも1人の人間が一時的に避難、待機できる程度の間隔をいい、好ましくは、避難中の人間が、何らかの原因で転倒し、手足を伸ばした体勢で仰向け又はうつ伏せの状態となったとしても、この避難中の人間の体の一部(頭、手、足等)が、閉鎖動作中の2個の開閉体に当接しない程度に広い間隔をいう。
また、この閉鎖順序によれば、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体が先に閉鎖動作を終了したとしても、火災が発生した場所より遠くの空間に配設されている開閉体は、まだ閉鎖動作を行っていないか、閉鎖動作を行っている途中である可能性が高いことになるので、発生した火災から避難しようとしている人間は、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体をいち早く通過することができれば、この後は、火災により発生した炎や煙の影響を受けることなく、火災が発生した空間から最も遠い空間に配設されている開閉体へ向かって、余裕を持って避難することができる。
さらに、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体が、まず閉鎖動作を行っているときに、この開閉体を停止動作させるべき事象が発生したとき、例えば、この開閉体の閉鎖方向に障害物が存在し、この開閉体が障害物に当接したときには、開閉順位下位開閉体抽出手段及び開閉体開閉動作停止手段により、障害物に当接した開閉体及びこの障害物に当接した開閉体よりも閉鎖順位が下位となっている開閉体の閉鎖動作が停止されることになる。
これにより、火災が発生した場所より遠くの空間に配設されている開閉体が、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体よりも先に閉鎖動作を終了してしまうことを阻止することができ、避難中の人間が、より安全にしかも余裕を持って避難することができるようになる。
なお、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体が、まず閉鎖動作を行っているときに、この開閉体の閉鎖方向で、避難中の人間が何らかの原因により転倒し、この避難中の人間がこの開閉体に挟まれるという事態になったときには、前述したのと同様に、開閉順位下位開閉体抽出手段及び開閉体開閉動作停止手段により、避難中の人間に当接した開閉体及びこの避難中の人間に当接した開閉体よりも閉鎖順位が下位となっている開閉体の閉鎖動作が停止されることになる。
これにより、火災が発生した場所より遠くの空間に配設されている開閉体が、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体よりも先に閉鎖動作を終了してしまうことを阻止することができ、避難中の人間が、開閉体に挟まった状態から自力で脱出できれば、これ以降は、火災が発生した場所より遠くの空間に配設されている開閉体へ向かって、より安全にしかも余裕を持って避難することができるようになる。
本発明に係る開閉体の制御方法は、複数個の開閉体に対して所定の開閉順序を守って開閉動作させる開閉体の制御方法であって、所定の開閉順序を守って開閉動作する複数個の開閉体のうち、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生したとき、この事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている少なくとも1個の開閉体を抽出するステップと、前記事象の発生によって停止動作させるべき開閉体及び前記ステップにより抽出された開閉体の開閉動作を停止させるステップとを含んでいることを特徴とするものである。
これによると、複数個の開閉体に対して所定の開閉順序を守って開閉動作させる開閉体の制御方法において、所定の開閉順序を守って開閉動作する複数個の開閉体のうち、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生したとき、この事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている少なくとも1個の開閉体を抽出するステップと、前記事象の発生によって停止動作させるべき開閉体及び前記ステップにより抽出された開閉体の開閉動作を停止させるステップとが含まれているので、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生した場合において、これ以後の、この事象によって停止動作させるべき開閉体及びこの事象によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている開閉体の制御を有効に行うことができる。
なお、本発明に係る開閉体の制御方法は、所定の開閉順序を守って開閉動作する複数個の開閉体のうち、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生したとき、この事象の発生によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている少なくとも1個の開閉体を抽出するステップと、前記事象の発生によって停止動作させるべき開閉体及び前記ステップにより抽出された開閉体の開閉動作を停止させるステップとを含んでいるものであるが、前記事象の発生によって停止動作させるべき開閉体及び前記ステップにより抽出された開閉体の開閉動作を停止させるステップの後に、これらの開閉動作を停止させた開閉体に対して行う制御の内容は任意であるが、例えば、以下のものが挙げられる。
その一例として、開閉体を停止動作させるべき事象の発生により停止動作させた開閉体(例えば、停止動作させるべき事象が、開閉体が障害物に当接することとなっている場合においては、障害物に当接した開閉体)に対して、前記事象が発生する前に行っていた開閉動作の方向とは反対方向へ所定の移動量だけ動作させ、この反対方向へ動作させる開閉体が、この開閉体よりも開閉順位が下位となっている開閉体を越えた位置まで行かないように(言い換えると、この反対方向へ動作させる開閉体が、この開閉体よりも開閉順位が下位となっている開閉体の停止位置の手前で停止するように)制御するものがある。
なお、反対方向へ動作させる開閉体が、この開閉体よりも開閉順位が下位となっている開閉体を越えた位置まで行かないように制御する方法としては、例えば、複数個の開閉体が開閉動作を行っているときに、それぞれの開閉体を開閉動作させるための駆動機構等の駆動量等(例えば、開閉機のモータや巻取軸の回転量等)をセンサ等で把握しておき、障害物に当接した開閉体を反対方向へ動作させるときに、障害物に当接した開閉体を開閉動作させるための駆動機構等の駆動量等と、この障害物に当接した開閉体よりも開閉順位が下位となっている開閉体を開閉動作させるための駆動機構等の駆動量等との差分の駆動量等の範囲内で、障害物に当接した開閉体の反対方向への動作が行われるように制御するものがある。
このような制御を追加することにより、例えば、複数個の開閉体がシャッターカーテンとなっている場合においては、閉鎖動作中において障害物に当接したために、閉鎖動作を停止されたこのシャッターカーテンは開放動作を行うことになる。これにより、シャッターカーテンに当接している障害物を除去しやすくなるので、この障害物が除去された後、障害物に当接したシャッターカーテン及びこのシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンに再びもとの正常な閉鎖動作を行わせるという制御も可能となる。
また、本発明に係る開閉体の制御方法において、開閉体を停止動作させるべき事象が解消された場合(例えば、開閉体に当接していた障害物が除去された場合)には、前記事象の発生によって停止動作させた開閉体及びこの開閉体よりも開閉順位が下位となっていて開閉動作が停止されている開閉体の停止状態を解除することにより、これらの開閉体の開閉動作を再開させてもよい。このとき、再度開閉動作させるこれらの開閉体は、同時に開閉動作を再開してもよく、タイミングをずらして開閉動作を再開してもよく、任意である。
タイミングをずらして開閉動作を再開させる場合の開閉順序としては、例えば、まず、前記事象の発生によって停止動作させた開閉体を先に開閉動作させ、その後、例えば、所定の時間が経過した後に、開放動作を停止していた残りの開閉体の開閉動作を順次開始させるものがある。
また、本発明に係る開閉体の制御方法において、前述したように、開閉体を停止動作させるべき事象が解消された場合に、前記事象の発生によって停止動作させた開閉体及びこの開閉体よりも開閉順位が下位となっていて開閉動作が停止されている開閉体の停止状態を解除することにより、これらの開閉体の開閉動作を再開させるようにした場合においては、開閉体を停止動作させるべき事象が解消されたか否かを判定する監視制御は、常時行われるものであってもよく、所定の時間が経過するたびに繰り返し行われるものであってもよく、任意である。
開閉体を強制的に開閉動作させることは、例えば、前述したように、複数個の開閉体が、複数個の開閉体の厚さ方向に互いに離間して配設されており、また、これらの開閉体が、防災機能を有しており、複数個の開閉体の所定の開閉順序のうちの閉鎖順序が、火災が発生した場合、複数個の開閉体のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体から順次閉鎖動作する順序となっている場合に特に有効なものとなる。これにより、障害物に当接していない開閉体が、強制的に閉鎖動作することにより、可能な範囲での防災区画が形成されることになる。
このように、開閉体を強制的に開閉動作させることは、複数個の開閉体が構造上の連結状態が確保されないで配置されている場合に特に有効である。
本発明によると、所定の開閉順序を守って開閉動作する複数個の開閉体のうち、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生した場合において、この以後の、この事象によって停止動作させるべき開閉体及びこの事象によって停止動作させるべき開閉体よりも開閉順位が下位となっている開閉体の制御を有効に行うことができるようになる。
以下に、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る開閉体の開閉制御装置が備えられている防災用シャッター装置1の全体正面図を示すものである。はじめに、この防災用シャッター装置1の全体構造を図1によって説明する。
図1に示すように、この防災用シャッター装置1は、室内空間3に大スパンの防災区画を形成するために設置されたシャッター装置であり、このシャッター装置には、5個の小スパンのシャッターカーテン8,9,10,11,12が、シャッターカーテンの幅方向に互いに隣接して配設されている。
これらの5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12をそれぞれ繰り出し、巻き取る5個の巻取軸13,14,15,16,17は、天井部材2で建物内部の室内空間3から仕切られている天井裏空間4内にそれぞれ配置されている。これらの5個の巻取軸13,14,15,16,17の配置関係について述べると、互いに隣接する2個の巻取軸同士の間では、これらの巻取軸の対向端部同士が重ね部分となって、上下方向(シャッターカーテンの開閉方向)かつ水平方向(シャッターカーテンの開閉方向と直交する方向)に位置ずれ配置されている。さらに、これらの5個の巻取軸13,14,15,16,17のうち、3個の巻取軸13,15,17が同一の軸線上に配置されており、2個の巻取軸14,16が他の同一の軸線上に配置されるものとなっている。
例えば、巻取軸13と巻取軸14との配置関係を述べると、巻取軸13の右側の端部付近と巻取軸14の左側の端部付近とが重ね部分となっており、巻取軸14は、巻取軸13に対して図1の紙面手前側の斜め下方に位置ずれ配置されている。同様に、巻取軸14と巻取軸15との配置関係を述べると、巻取軸14の右側の端部付近と巻取軸15の左側の端部付近とが重ね部分となっており、巻取軸15は、巻取軸14に対して図1の紙面奥側の斜め上方に位置ずれ配置されている。
巻取軸13,14,15,16,17の軸方向の両端部は、それぞれ保持部材である左右一対のブラケット18,19,20,21,22で回転自在に保持されている。これらの5個のブラケット18,19,20,21,22は、天井裏空間4内に形成されている図示しない建物躯体に、ボルト等の止着具で結合されている。
また、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12は、それぞれカーテン本体8A,9A,10A,11A,12Aと、それぞれのカーテン本体におけるシャッターカーテンの閉鎖方向の先端部に設けられている座板8B,9B,10B,11B,12Bと、さらに、それぞれの座板におけるシャッターカーテンの閉鎖方向の先端部に設けられ、シャッターカーテンの閉鎖方向に障害物が存在した場合に、この障害物を感知するための座板スイッチ8C,9C,10C,11C,12Cとから構成されている。
カーテン本体8A,9A,10A,11A,12Aの全部又は大部分は、ガラスクロス又はシリカクロスによる防火性と防煙性を有するスクリーン材又はこのスクリーン材に耐火塗料等を塗布及び/又は含侵させて形成されており、このようにスクリーン式となっているシャッターカーテン8,9,10,11,12は、上端部が巻取軸13,14,15,16,17に結合されている。巻取軸13,14,15,16,17からのシャッターカーテン8,9,10,11,12の繰り出し、巻き取りは、それぞれ巻取軸13,14,15,16,17の正逆回転によってなされる。
平常時においては、シャッターカーテン8,9,10,11,12は、それぞれ巻取軸13,14,15,16,17に巻き取られて上昇し、座板8B,9B,10B,11B,12Bの一部までが天井裏空間4内に収納された状態(全開放状態)となっている。火災発生等の非常時においては、図1に示すように、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12が、巻取軸13,14,15,16,17からそれぞれ繰り出されながら下降し、それぞれのシャッターカーテンの座板8B,9B,10B,11B,12Bが床面6に着地することにより全閉鎖状態となるので、室内空間3には大スパンの防災区画が形成される。
5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12のうち、一番左側に配設されているシャッターカーテン8の幅方向左側の端部と、一番右側に配設されているシャッターカーテン12の幅方向右側の端部には、抜け止め部材8F,12Fがそれぞれ設けられており、シャッターカーテン8の幅方向左側の端部とシャッターカーテン12の幅方向右側の端部は、建物躯体5に設けられた左右のガイドレール7の内部に抜け止め部材8F,12Fによってそれぞれ抜け止めされながら、スライド自在に挿入されている。
左右一対のブラケット18,19,20,21,22のうち、右側のブラケットには、図示しないモータとブレーキの組み合わせからなる開閉機23,24,25,26,27が取り付けられ、開閉機23,24,25,26,27は、それぞれ図示しないチェーン、スプロケット等からなる伝動手段28,29,30,31,32を介して、巻取軸13,14,15,16,17とそれぞれ連結されている。
図示しない開閉機23,24,25,26,27のブレーキが解除されることにより、シャッターカーテン8,9,10,11,12は、座板8B,9B,10B,11B,12Bの重量を含む自重で巻取軸13,14,15,16,17を回転させながら降下する閉鎖動作を行う。一方、図示しない開閉機23,24,25,26,27のブレーキが解除され、図示しない開閉機23,24,25,26,27のモータが逆駆動することによる巻取軸13,14,15,16,17の逆回転でシャッターカーテン8,9,10,11,12が巻取軸13,14,15,16,17に巻き取られ、シャッターカーテン8,9,10,11,12は開放動作を行う。
なお、5個の開閉機23,24,25,26,27には、シャッターカーテン8,9,10,11,12が全開放状態であるかを検知する図示しない全開リミットスイッチと、シャッターカーテン8,9,10,11,12が全閉鎖状態であるかを検知する図示しない全閉リミットスイッチがそれぞれ設けられている。
ここで、5個の巻取軸13,14,15,16,17の回転方向について述べると、巻取軸がシャッターカーテンを繰り出す場合においては、3個の巻取軸13,15,17は、それぞれシャッターカーテン8,10,12を図1の紙面奥側から紙面手前側へ繰り出すように回転するものとなっており、一方、2個の巻取軸14,16は、それぞれシャッターカーテン9,11を図1の紙面手前側から紙面奥側へ繰り出すように回転するものとなっている。
前述したように、5個の巻取軸13,14,15,16,17は、互いに隣接する2個の巻取軸同士の間では、これらの2個の巻取軸の対向端部同士が重ね部分となって、上下方向かつ水平方向に位置ずれ配置されているので、巻取軸13,14,15,16,17によってそれぞれ繰り出され、巻き取られるシャッターカーテン8,9,10,11,12は、互いに隣接する2個のシャッターカーテン同士の間では、これらのシャッターカーテンの対向端部同士が重ね部分となりながら、それぞれの巻取軸によって繰り出され、巻き取られることになる。
これにより、全部のシャッターカーテンが全閉鎖状態となったときは、これらの重ね部分が、互いに隣接する2個のシャッターカーテン同士の密閉性を高めることになり、1個の大スパンのシャッターカーテンを備えたシャッター装置を設置したのと同等の効果が得られるようになっている。
さらに、5個の巻取軸13,14,15,16,17は、互いに隣接する2個の巻取軸同士の間では、これらの2個の巻取軸の対向端部同士が、上下方向かつ水平方向に位置ずれ配置されているので、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の取り付け、取り外し作業が同時に行い易いようになっている。
また、本実施形態では、互いに隣接している2個のシャッターカーテンにおける互いに対向する座板の幅方向の端部同士のうちの一方の端部には、第1係止部となっているシャッターカーテンの開放方向に向かって開放形状となっている段部が設けられており、他方の端部には、第2係止部となっているシャッターカーテンの閉鎖方向に向かって開放形状となっている段部が設けられている。
図1に示すように、互いに隣接している2個のシャッターカーテン8,9における互いに対向する座板8B,9Bの幅方向の端部同士のうち、座板8Bの幅方向の右端部には、第1係止部となっているシャッターカーテン8の開放方向に向かって開放形状となっている段部8Dが設けられており、一方、座板9Bの幅方向の左端部には、第2係止部となっているシャッターカーテン9の閉鎖方向に向かって開放形状となっている段部9Eが設けられている。これと同様に、座板9B,10B,11Bの幅方向の右端部には、第1係止部となっている段部9D,10D,11Dがそれぞれ設けられており、座板10B,11B,12Bの幅方向の左端部には、第2係止部となっている段部10E,11E,12Eがそれぞれ設けられている。
そして、図1に示すように、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の全部が全閉鎖状態となったときには、第1係止部となっている段部8D,9D,10D,11Dと、第2係止部となっている段部9E,10E,11E,12Eとが、それぞれシャッターカーテンの開閉方向に係合した状態となっている。
ところで、本実施形態では、火災発生等の非常時等において、全開放状態にある5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12を閉鎖動作させることにより、室内空間3に防災区画を形成するためには、全部のシャッターカーテンを同時に閉鎖動作させてもよい。しかし、前述したように、全部のシャッターカーテンを同時に閉鎖動作させることにより、それぞれのシャッターカーテン付近の空間に発生する大きな風圧を低減させるため、本実施形態においては、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12をこの閉鎖順序で、かつ所定の時間間隔をおいて、順次閉鎖動作させるようになっている。
第1係止部及び第2係止部のより詳細な構造を、図2及び図3を用いて以下説明する。図2及び図3は、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12のうち、一番左側に配設されているシャッターカーテン8の座板8Bの幅方向の右端部に設けられ、第1係止部となっているシャッターカーテン8の開放方向に開放形状となっている段部8Dに、閉鎖動作を開始するのがシャッターカーテン8よりも後となっているシャッターカーテン9の座板9Bの幅方向の左端部に設けられ、第2係止部となっているシャッターカーテン9の閉鎖方向に開放形状となっている段部9Eが係合する前後の状態を示した部分拡大斜視図である。
図2に示すように、シャッターカーテン8の座板8Bに設けられている段部8Dの上段部分には、座板8Bの幅方向の内側方向に没入する凹部8Eが形成されている。一方、シャッターカーテン9の座板9Bに設けられている段部9Eの上段部分には、座板9Bの幅方向の外側方向に突出する凸部9Fが形成されている。これと同様に、シャッターカーテン9,10,11の座板9B,10B、11Bに設けられている段部9D,10D,11Dの上段部分には、図示しない凹部がそれぞれ形成されており、シャッターカーテン10,11,12の座板10B,11B,12Bの段部10E,11E,12Eの上段部分には、図示しない凸部がそれぞれ形成されている。
そして、図3に示すように、最初に閉鎖動作を開始するシャッターカーテン8の座板8Bに設けられている段部8Dに、シャッターカーテン8が閉鎖動作を開始してから所定の時間が経過した後に閉鎖動作を開始するシャッターカーテン9の座板9Bに設けられている段部9Eが係合するとともに、段部8Dに形成されている凹部8Eに、段部9Eに形成されている凸部9Fが嵌入するため、段部8Dと段部9E同士の係合状態がより確実なものとなるので、互いに隣接する2個のシャッターカーテン8,9同士の全閉鎖状態における密閉性は、前述したように、互いに隣接する2個のシャッターカーテン8,9同士の間では、カーテン本体8Aの幅方向の右端部と、カーテン本体9Aの幅方向の左端部同士とが重ね部分となることとあいまって、より一層高いものとなる。
このように、本実施形態においては、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12をこの閉鎖順序で、かつ所定の時間間隔をおいて、順次閉鎖動作させるようになっているので、第1係止部である段部8D,9D,10D,11Dに、第2係止部である段部9E,10E,11E,12Eがそれぞれ順次係合する状態となる。これにより、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の全部が閉鎖動作を終了した状態においては、互いに隣接する2個のシャッターカーテン同士の間では、これらのシャッターカーテンの対向端部同士が重ね部分となることとあいまって、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の全閉鎖状態における密閉性は、より一層高いものとなる。
防災用シャッター装置1の構造についてさらに述べると、図1に示すように、この防災用シャッター装置1には、座板8B,9B,10B,11B,12Bにおけるシャッターカーテン8,9,10,11,12の開放方向の先端部にそれぞれ設けられている障害物感知信号送信機34,35,36,37,38と、天井部材2における室内空間3側に設けられている障害物感知信号受信機39,40,41,42,43から構成される障害物感知装置が備えられている。
前述したように、座板8B,9B,10B,11B,12Bにおけるシャッターカーテンの閉鎖方向の先端部には、障害物を感知する座板スイッチ8C,9C,10C,11C,12Cがそれぞれ設けられている。したがって、シャッターカーテン8,9,10,11,12がそれぞれ閉鎖動作を行っているときに、いずれかのシャッターカーテン8,9,10,11,12の閉鎖方向に障害物が存在する場合、すなわち床面6上に障害物が存在する場合には、シャッターカーテン8,9,10,11,12の座板スイッチ8C,9C,10C,11C,12Cのいずれかがこの障害物と当接することになる。すると、障害物に当接した座板スイッチから障害物感知信号が発生し、この障害物感知信号が、障害物に当接した座板スイッチに対応する障害物感知信号送信機へ伝達されるようになっている。そして、障害物感知信号送信機は、伝達された障害物感知信号を後述する光信号に変換した後、この光信号を対応する障害物感知信号受信機へ向けて送信するようになっている。
防災用シャッター装置1の図示しないシャッターケース内部には、図1に示すように、防災信号の発生に基づき、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12を開放動作と閉鎖動作のうちの少なくとも閉鎖動作を行わせる制御を開閉機23,24,25,26,27に対してそれぞれ実行する開閉制御部33Aを有する自動閉鎖装置33が設けられている。
自動閉鎖装置33の開閉制御部33Aは、図示しないマイクロプロセッサユニット(MPU)や、RAMやROM等のメモリ等を含んで構成されており、このマイクロプロセッサにより各種の制御の実行が行われるようになっている。ROMには、各種の制御を実行するプログラムや、防災用シャッター装置1に配設されているシャッターカーテンの個数や、それぞれのシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号がシャッターカーテンの閉鎖順位の高い順に並べられているもの等の情報があらかじめ書き込まれている。
また、開閉制御部33Aには、シャッターカーテン8,9,10,11,12の閉鎖順序で、かつ所定の時間間隔をおいて順次閉鎖動作を行っている5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12のうち、少なくとも1個のシャッターカーテンの閉鎖方向に障害物が存在し、この障害物にシャッターカーテンが当接したとき、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっている少なくとも1個のシャッターカーテンを抽出する開閉順位下位開閉体抽出手段33Bと、障害物に当接したシャッターカーテン及び開閉順位下位開閉体抽出手段33Bにより抽出されたシャッターカーテンの閉鎖動作を停止させる制御を実行する開閉体開閉動作停止手段33Cと、さらに、障害物に当接したシャッターカーテンを、障害物に当接している状態から回避させる制御を実行する障害物回避手段33Dが備えられている。
障害物感知信号受信機が、障害物感知信号となっている光信号を受信(受光)することにより、この障害物感知信号受信機は、シャッターカーテンの閉鎖方向に障害物が存在した旨の感知信号を自動閉鎖装置33の開閉制御部33Aへ伝達する。この後、開閉制御部33Aの開閉順位下位開閉体抽出手段33B、開閉体開閉動作停止手段33C、障害物回避手段33Dは、後述するように、シャッターカーテンが障害物に当接したときに行われるべき各種の制御を開閉機に対して実行する。
次に、防災信号の発生に基づく5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の閉鎖動作について説明する。まず、火災発生によって図示しない火災検知器が煙あるいは熱等を検出したことにより発生する防災信号が自動閉鎖装置33に送られる。
すると、防災信号を受信した自動閉鎖装置33の開閉制御部33Aにより、シャッター8に対応する図示しない開閉機23のブレーキが解除され、これにより、室内空間3の一番左側に配設されているシャッターカーテン8が、座板8Bの重量を含む自重で巻取軸13を回転させながら下降する閉鎖動作を開始する。その後、図4に示すように、シャッターカーテン9,10,11に対応する図示しない開閉機24,25,26のブレーキがこの順序で、図示しない開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された時間間隔をおいて、順次解除される。これにより、シャッターカーテン9,10,11は、それぞれ座板9B,10B,11Bの重量を含む自重で巻取軸14,15,16を回転させながら下降する閉鎖動作を順次開始する。なお、図4に示す状態においては、シャッターカーテン12は全開放状態にあり、閉鎖動作はまだ開始されてはいない。
5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の自重による閉鎖動作が開始された後、図1に示すように、それぞれのシャッターカーテンの座板8B,9B,10B,11B,12Bが、室内空間3の閉鎖面となっている床面6に接地すると同時に、開閉機23,24,25,26,27のリミットスイッチがそれぞれ作動することにより開閉機23,24,25,26,27のブレーキがそれぞれ復帰され、シャッターカーテン8,9,10,11,12の閉鎖動作は終了する。そして、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の全部が全閉鎖状態となることにより、室内空間3に大スパンの防火区画が形成される。
前述したように、本実施形態では、室内空間3の一番左側に配設されているシャッターカーテン8を、このシャッターカーテン8に隣接して配設されているシャッターカーテン9よりも先に閉鎖動作させることにより、シャッターカーテン8の座板8Bに設けられた段部8Dと、シャッターカーテン9の座板9Bに設けられた段部9Eとが互いに係合する状態となり、この結果、互いに隣接する2個のシャッターカーテン8,9同士の全閉鎖状態における密閉性はより高いものとなる。また、互いに隣接する2個のシャッターカーテン9,10同士、シャッターカーテン10,11同士、シャッターカーテン11,12同士についても、前述したシャッターカーテン8,9同士の場合と同様に、残りの3個のシャッターカーテン10,11,12が、この閉鎖順序で、所定の時間間隔をおいて、順次閉鎖動作する。これにより、図1に示すように、シャッターカーテン9,10,11の座板9B,10B,11Bに設けられた段部9D,10D,11Dと、シャッターカーテン10,11,12の座板10B,11B,12Bの段部10E,11E,12Eとが互いに係合する状態となり、互いに隣接する2個のシャッターカーテンの全閉鎖状態における密閉性は高いものとなる。
続いて、本実施形態における5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の開放動作について説明する。5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の全部が全閉鎖状態にあるとき、図示しない電動開放スイッチが操作されることにより、これらの5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12は、閉鎖動作を行った場合とは逆の順序、すなわち、シャッターカーテン12,11,10,9,8の開放順序で、所定の時間間隔をおいて、開放動作が開始されるようになっている。なお、電動開放スイッチには、5個のシャッターカーテンをそれぞれ独立して開放させることができる図示しない個別開放スイッチも設けられている。
まず、室内空間3の一番右側に配設されているシャッターカーテン12に対応する開閉機27のブレーキが解除された後、この開閉機27のモータが逆駆動し、これにより、巻取軸17の逆回転でシャッターカーテン12が巻取軸17に巻き取られ、シャッターカーテン12の開放動作が開始される。その後、シャッターカーテン11,10,9,8に対応する開閉機26,25,24,23のブレーキが、この開放順序で、図示しない開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された時間間隔をおいて、順次解除された後、開閉機26,25,24,23のモータが順次逆駆動し、これにより、シャッターカーテン11,10,9,8は、巻取軸16,15,14,13の逆回転で巻き取られ、開放動作が順次開始される。それぞれのシャッターカーテンに対応する開閉機の全開リミットスイッチが作動すると、すなわち、それぞれのシャッターカーテンの開放動作が終了すると、それぞれのシャッターカーテンに対応する開閉機のモータの逆駆動が停止し、続いて、開閉機のブレーキが復帰される。
次に、火災発生等によって発生した防災信号が自動閉鎖装置33に送られることにより、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12が自重による閉鎖動作を開始し、この閉鎖動作中において、シャッターカーテン8,9,10,11,12のうちのいずれかの閉鎖方向に障害物が存在した場合の障害物回避動作を図4〜図6により以下説明する。
前述したように、図4に示す状態においては、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12のうち、4個のシャッターカーテン8,9,10,11は、自重による閉鎖動作中であり、シャッターカーテン12のみが、まだ閉鎖動作を開始していない。5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12が閉鎖動作を行っているときに、シャッターカーテンの閉鎖方向に障害物が何も存在せず、全部のシャッターカーテンが閉鎖動作を終了し、全閉鎖状態になると、図1で示したように、室内空間3には、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12による大スパンの防災区画が形成されることになる。
図5は、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12が、この閉鎖順序で、所定の時間間隔をおいて、順次閉鎖動作を行っているときに、シャッターカーテン10の閉鎖方向に障害物44が存在した場合の状態を示す図である。
図5に示すように、シャッターカーテン8,9,10,11,12の順で閉鎖動作を行う5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12のうち、2個のシャッターカーテン8,9は、閉鎖動作を終了し、全閉鎖状態となっている。しかし、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12のうち、中央に配設されているシャッターカーテン10のシャッターカーテンの閉鎖方向には、障害物44が存在している。
シャッターカーテン10の座板10Bにおけるシャッターカーテン10の閉鎖方向の先端部に設けられている座板スイッチ10Cが、障害物44に当接すると、座板スイッチ10Cから障害物感知信号送信機36へ障害物感知信号が伝達される。障害物感知信号送信機36は、伝達された障害物感知信号を光信号45へ変換した後、この光信号45を障害物感知信号受信機41へ向けて送信する。障害物感知信号である光信号45を受信した障害物感知信号受信機41は、シャッターカーテン10の閉鎖方向に障害物が存在した旨の感知信号を自動閉鎖装置33の開閉制御部33Aへ伝達する。
前述したように、開閉制御部33Aには、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっている少なくとも1個のシャッターカーテンを抽出する開閉順位下位開閉体抽出手段33Bと、障害物に当接したシャッターカーテン及び開閉順位下位開閉体抽出手段33Bにより抽出されたシャッターカーテンの閉鎖動作を停止させる制御を実行する開閉体開閉動作停止手段33Cと、さらに、障害物に当接したシャッターカーテンを、障害物に当接している状態から回避させる制御を実行する障害物回避手段33Dが備えられている。
障害物感知信号が伝達された開閉制御部33Aの開閉順位下位開閉体抽出手段33Bは、障害物44を感知したシャッターカーテン10よりも閉鎖順位が下位となっている2個のシャッターカーテン11,12を抽出する。
続いて、開閉体開閉動作停止手段33Cは、障害物44に当接したシャッターカーテン10、及び開閉順位下位開閉体抽出手段33Bによって抽出された2個のシャッターカーテン11,12の閉鎖動作を停止させるために、開閉機25,26,27のブレーキを復帰させる制御を開閉機25,26,27に対して実行する。この結果、3個のシャッターカーテン10,11,12の自重降下による閉鎖動作が停止する。
本実施形態では、開閉制御部33Aに開閉順位下位開閉体抽出手段33Bと開閉体開閉動作停止手段33Cが備えられている他に、障害物回避手段33Dが備えられているので、3個のシャッターカーテン10,11,12が閉鎖動作を停止したのに続いて、障害物回避手段33Dは、障害物44に当接したシャッターカーテン10を、障害物44に当接した状態から回避させる制御を開閉機25に対して実行する。
まず、障害物回避手段33Dは、復帰状態となっている開閉機25のブレーキを再び解除させる制御を開閉機25に対して実行する。続いて、障害物回避手段33Dは、シャッターカーテン10を障害物44から回避させるために、開閉機25のモータを逆駆動させる制御を開閉機25に対して実行する。これにより、開閉機25のモータの逆駆動が開始され、巻取軸15の逆回転によるシャッターカーテン10の巻き取りがなされ、シャッターカーテン10は開放動作(反転上昇)を開始する。障害物回避手段33Dは、開閉機25のモータの逆駆動を図示しない開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された時間が経過するまで継続する。
なお、この場合において、開閉機25のモータを逆駆動させる時間は、開放動作を行っているシャッターカーテン10の座板10Bの段部10Dと、このシャッターカーテン10の右側に隣接するシャッターカーテン11の座板11Bの段部11Eとが係合する状態となるまでの時間よりも短く設定することが好ましい。また、開閉機25のモータを逆駆動させるのは、シャッターカーテン10の座板スイッチ10Cが障害物44を感知しなくなるまでとしてもよい。
開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された時間が経過すると、障害物回避手段33Dは、開閉機25のモータの逆駆動を停止させる制御を開閉機25に対して実行する。続いて、障害物回避手段33Dは、開閉機25のブレーキを復帰させる制御を開閉機25に対して実行する。これにより、シャッターカーテン10の開放動作は停止する。このシャッターカーテン10が開放動作を停止している状態は、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された時間が経過するまで継続する。タイマー回路により設定された時間が経過すると、障害物回避手段33Dは、再度シャッターカーテン10を閉鎖動作させるために、復帰状態にある開閉機25のブレーキを解除させる制御を開閉機25に対して実行する。これにより、シャッターカーテン10は自重による閉鎖動作を再開する。
このシャッターカーテン10の自重による閉鎖動作が再開されるまでの間に、障害物44が除去されなかった場合には、シャッターカーテン10の座板スイッチ10Cが再度、障害物44に当接することになるので、障害物回避手段33Dは、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された時間が経過するまで、シャッターカーテン10が障害物44に当接したままの状態を継続させる。タイマー回路により設定された時間が経過した後も、シャッターカーテン10が障害物44に当接したままの状態にあれば、障害物回避手段33Dは、開閉機25のブレーキを復帰させる制御を開閉機25に対して実行するとともに、シャッターカーテンが障害物に当接した状態にある旨の情報を外部に報知し、開閉制御部33Aの制御は終了する。一方、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された時間が経過するまでの間に障害物44が除去された場合や、前述したように、シャッターカーテン10が開放動作(反転上昇)している間に障害物が除去された場合には、シャッターカーテン10は自重降下による閉鎖動作を再開する。
シャッターカーテン10に当接した障害物44が除去されたことにより、開閉制御部33Aは、この後、シャッターカーテン10よりも閉鎖順位が下位となっている2個のシャッターカーテン11,12についても自重降下による閉鎖動作をさせる制御を開閉機26,27に対して実行する。シャッターカーテン10が自重降下による閉鎖動作を再開し、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された時間が経過した後、開閉制御部33Aは、開閉機26のブレーキを解除させる制御を開閉機26に対して実行する。この結果、シャッターカーテン11は自重降下による閉鎖動作を再開する。これと同様に、この後、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された時間が経過した後、開閉制御部33Aは、開閉機27のブレーキを解除させる制御を開閉機27に対して実行する。この結果、シャッターカーテン12は自重降下による閉鎖動作を再開する。
この後、自重降下による閉鎖動作を開始したシャッターカーテン10,11,12の閉鎖方向に障害物が何も存在しなかった場合には、それぞれのシャッターカーテン10,11,12が床面6に接地するまで閉鎖動作を継続し、開閉機25,26,27の全閉リミットスイッチがそれぞれ作動したら、開閉制御部33Aは、開閉機25,26,27のブレーキを復帰させる制御を開閉機25,26,27に対してそれぞれ実行する。これにより、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12は、図1に示すような全閉鎖状態となり、室内空間3には、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12による大スパンの防災区画が形成されることになる。
図7〜図12は、以上説明した第一の実施形態に係る開閉体の開閉制御装置が備えられている防災用シャッター装置1に配設されている5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12が、防災信号の発生に基づき、シャッターカーテン8,9,10,11,12の閉鎖順序で、かつ、所定の時間間隔をおいて自重降下による閉鎖動作を行う場合において、自動閉鎖装置33の開閉制御部33A(開閉順位下位開閉体抽出手段33B、開閉体開閉動作停止手段33C、障害物回避手段33Dを含む)が、開閉機23,24,25,26,27に対して実行する制御を示すフローチャート図である。以下、図7〜図12のフローチャートにより、開閉制御部33Aによる制御の流れを説明する。
まず、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の自重降下による閉鎖動作が行われているときにおいて、シャッターカーテン8,9,10,11,12の閉鎖方向に障害物が存在しなかった場合の制御を説明する。なお、以下に説明する全部の実施形態のフローチャート図の中においては、「シャッターカーテン」のことを「カーテン」と省略して記載する。
火災発生等によって図示しない火災検知器が煙あるいは熱等を検出する(ステップS1)、火災検知器から防災信号(定格電圧:DC24(V))が発生し、自動閉鎖装置33がこの防災信号を受信する(ステップS2)。
防災信号を受信した自動閉鎖装置33の開閉制御部33Aは、ROMからシャッターカーテンの個数を読み込み、この読み込んだシャッターカーテンの個数をRAM上の変数「カーテン数」へ格納する。この結果、「カーテン数」には、シャッターカーテン8,9,10,11,12の合計個数である5が設定される(ステップS3)。
次に、開閉制御部33Aは、配列の個数が前記ステップS3で設定されたシャッターカーテンの個数となっている配列変数「閉鎖順位テーブル[5]」をRAMに動的に確保した後、ROMからシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号をシャッターカーテンの閉鎖順位の高い順に並べたものを順番に読み込むと同時に、読み込んだこれらの開閉機の識別番号を閉鎖順位テーブルへ順番に格納する。
これを具体的に述べると、配列の個数が5個である閉鎖順位テーブルのうち、1番目の配列である閉鎖順位テーブル[1]には、閉鎖順位が1位となっているシャッターカーテン8に対応する開閉機23の識別番号となっている1が格納され、2番目の配列である閉鎖順位テーブル[2]には、閉鎖順位が2位となっているシャッターカーテン9に対応する開閉機24の識別番号となっている2が格納される。同様に、閉鎖順位テーブル[3],閉鎖順位テーブル[4],閉鎖順位テーブル[5]には、閉鎖順位がそれぞれ3位,4位,5位となっているシャッターカーテン10,11,12にそれぞれ対応する開閉機25,26,27の識別番号となっている3,4,5がそれぞれ格納される(ステップS4)。
次に、開閉制御部33Aは、以下の処理において、閉鎖順位テーブルを閉鎖順位が1位となっているシャッターカーテン8の開閉機23の識別番号が格納されている閉鎖順位テーブル[1]から順番に参照するため、閉鎖順位テーブルを参照するための指標であるRAM上の変数「I」に初期値1を設定する(ステップS5)。
この後、開閉制御部33Aは、閉鎖順位テーブル[I]の識別番号の開閉機のブレーキを解除させる制御を該当する開閉機に対して実行する(ステップS6)。このとき、Iの値は、前述のステップS5において設定された1となっているので、開閉制御部33Aは、閉鎖順位が1位となっているシャッターカーテン8に対応する開閉機23の識別番号が格納されている閉鎖順位テーブル[1]を参照することになる。そして、この閉鎖順位テーブル[1]の値には、シャッターカーテン8に対応する開閉機23の識別番号となっている1が格納されているので、開閉制御部33Aは、識別番号が1となっている開閉機23のブレーキを解除させる制御を開閉機23に対して実行する。
これにより、開閉制御部33Aの図示しないブ レーキ解除回路により、閉鎖順位テーブル[I]の識別番号の開閉機のブレーキの解除が行われ、この開閉機に対応するシャッターカーテンは自重降下による閉鎖動作を開始する(ステップS7)。具体的に述べると、閉鎖順位が1位となっているシャッターカーテン8に対応する開閉機23の図示しないブレーキが解除され、シャッターカーテン8は自重降下による閉鎖動作を開始する。
この後、シャッターカーテン8よりも閉鎖順位が下位となっている残りの4個のシャッターカーテン9,10,11,12が、この閉鎖順序で自重降下による閉鎖動作を順次行うが、これらのシャッターカーテンが自重降下による閉鎖動作を行っているとき、いずれかのシャッターカーテン(この時点で、閉鎖動作を行っているのはシャッターカーテン8のみ)の閉鎖方向に障害物が何も存在しない状態である場合(ステップS8−NO)、すなわち、いずれのシャッターカーテンの座板スイッチも障害物を感知していない状態である場合、開閉制御部33Aは、前述のステップS7で閉鎖動作を開始したシャッターカーテンの次に閉鎖動作を行わせるシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号を参照するために、閉鎖順位テーブルの識別番号を参照するための指標であるIに1を加算する(ステップS9)。この結果、Iの値は2となり、開閉制御部33Aは、閉鎖順位が2位となっているシャッターカーテン9に対応する開閉機24の識別番号2が格納されている閉鎖順位テーブル[2]を参照することになる。
前述のステップS9において、Iに1を加算した結果、Iの値がシャッターカーテン数(本実施形態では5)を超えていない場合(ステップS10−NO)、言い換えると、閉鎖順位が最下位の5位となっているシャッターカーテン12がまだ閉鎖動作を開始していない場合、開閉制御部33Aは、閉鎖順位が次となっているシャッターカーテンを閉鎖動作させるわけであるが、本実施形態では、閉鎖順位が次となっているシャッターカーテンの閉鎖動作をするまで所定の時間間隔をおく必要があるため、開閉制御部33Aの図示しないタイマー回路により設定された閉鎖待ち時間が経過するまで、シャッターカーテンの閉鎖動作の開始は待ちの状態となる(ステップS11−NO)。この後、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された閉鎖待ち時間が経過すると(ステップS11−YES)、開閉制御部33Aは、前述したステップS6以降の制御を繰り返す。
一方、前述のステップS9において、Iに1を加算した結果、Iの値がシャッターカーテン数(本実施形態では5)を超えた場合(ステップS10−YES)、言い換えると、全部のシャッターカーテンが閉鎖動作を開始した場合、開閉制御部33Aは、全部のシャッターカーテンの自重降下による閉鎖動作を継続させるために、それぞれのシャッターカーテンに対応する開閉機のブレーキを解除させる制御を該当する開閉機に対して継続して実行する(ステップS12)。これにより、全部のシャッターカーテンの自重降下による閉鎖動作が継続する。
なお、本実施形態における開閉機のブレーキは、このブレーキに対して電源(商用電源又はバッテリ)を供給することでブレーキが解除され、また、このブレーキに対して電源の供給を断つことでブレーキが復帰されるようになっている。したがって、開閉機のブレーキに電源を供給し続けることにより、ブレーキの解除状態が保持され、シャッターカーテンの閉鎖動作が継続される。
この後、シャッターカーテンが自重降下による閉鎖動作を行っているときに、いずれのシャッターカーテンの座板スイッチも障害物を感知していない場合(ステップS13−NO)であって、シャッターカーテンに対応する開閉機の全閉リミットスイッチが作動したこと、及びこの全閉リミットスイッチの作動により、開閉制御部33Aがシャッターカーテンに対応する開閉機のブレーキを復帰させる制御を該当する開閉機に対して実行したことが、全部のシャッターカーテンに対して行われた場合(ステップS14−YES)、言い換えると、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の全部が自重降下による閉鎖動作を終了し、全閉鎖状態となった場合、開閉制御部33Aによる制御は終了する。
一方、シャッターカーテンが自重降下による閉鎖動作を行っているときに、いずれのシャッターカーテンの座板スイッチも障害物を感知していない場合(ステップS13−NO)であって、シャッターカーテンに対応する開閉機の全閉リミットスイッチが作動したこと、及びこの全閉リミットスイッチの作動により、開閉制御部33Aがシャッターカーテンに対応する開閉機のブレーキを復帰させる制御を該当する開閉機に対して実行したことが、全部のシャッターカーテンに対して行われていない場合(ステップS14−NO)、言い換えると、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の全部がまだ自重降下による閉鎖動作を終了していない場合、全閉鎖状態となっていないシャッターカーテンは、自重降下による閉鎖動作を継続する(ステップS12)。
次に、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12の自重降下による閉鎖動作が行われているときにおいて、いずれかのシャッターカーテン8,9,10,11,12の閉鎖方向に障害物が存在した場合の制御を説明する。
前述したステップS8,ステップS13において、自重降下による閉鎖動作を行っているいずれかのシャッターカーテンの座板スイッチが障害物を感知した場合(ステップS8−YES,ステップS13−YES)、開閉制御部33Aは以下の制御を行う。
まず、開閉制御部33Aは、障害物に当接したシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号を、閉鎖順位が1位となっているシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号が格納されている閉鎖順位テーブル[1]から順番に参照するため、閉鎖順位テーブルを参照するための指標である変数Iに初期値1を設定する(ステップS15)。
そして、開閉制御部33Aは、現在参照している閉鎖順位テーブル[I]の識別番号が、障害物感知信号受信機が受信した障害物感知信号に含まれている障害物に当接したシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号と一致するか否かの判定を行う(ステップS16)。
現在参照している閉鎖順位テーブル[I]の識別番号が、障害物に当接したシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号と一致しない場合(ステップS16−NO)、開閉制御部33Aは、次の閉鎖順位テーブルの識別番号を参照するために、Iに1を加算する(ステップS17)。Iに1を加算した結果、Iの値がシャッターカーテン数(本実施形態では5)を超えた場合(ステップS18−YES)、言い換えると、開閉制御部33Aが、閉鎖順位テーブルに格納されている5個の識別番号の全部を参照したが、この閉鎖順位テーブルには、障害物に当接したシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号と一致する識別番号が無かった場合、開閉制御部33Aは、安全のために、シャッターカーテンが自重降下による閉鎖動作を行っているか否かにかわらず、全部のシャッターカーテンを停止させるために、全部のシャッターカーテンに対応する開閉機のブレーキを復帰させる制御を該当する開閉機に対して実行するとともに、開閉機の識別番号のROMの設定エラーである旨を外部に報知する(ステップS19)。その後、開閉制御部33Aによる制御は終了する。
また、Iに1を加算した結果、Iの値がシャッターカーテン数よりも小さい場合(ステップS18−NO)、再度、現在参照している閉鎖順位テーブル[I]の識別番号が、障害物に当接したシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号と一致するか否かの判定を行う(ステップS16)。
一方、前述のステップS16において、現在参照している閉鎖順位テーブル[I]の識別番号が、障害物に当接したシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号と一致した場合(ステップS16−YES)、この開閉機の識別番号が一致したときのIの値をRAM上の変数「ERR_I」に保存する(ステップS20)。
ステップS16において、開閉制御部33Aが、障害物に当接したシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号を把握したら、次に、開閉制御部33Aの開閉順位下位開閉体抽出手段33Bは、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号を格納するRAM上の配列である閉鎖順位下位開閉体抽出テーブルを初期化、すなわち、閉鎖順位下位開閉体抽出テーブルの全部の配列に0を移送する(ステップS21)。なお、この閉鎖順位下位開閉体抽出テーブルの配列の数はシャッターカーテンの個数−1であり、本実施形態の場合は配列の個数は4個となる。
開閉順位下位開閉体抽出手段33Bは、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンの個数を格納するRAM上の変数「MAX」に初期値0を設定する(ステップS22)。
このとき、Iの値は、前述のステップS16で障害物に当接したシャッターカーテンの閉鎖順位の値(図5の例では3)となっているので、開閉順位下位開閉体抽出手段33Bは、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号を参照するため、言い換えると、この時点で参照している閉鎖順位テーブルの次の閉鎖順位テーブル以降の識別番号を参照するため、Iに1を加算する(ステップS23)。
Iに1を加算した結果、Iの値がシャッターカーテン数(本実施形態では5)を超えていない場合(ステップS24−NO)、言い換えると、開閉順位下位開閉体抽出手段33Bが、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号の全部を閉鎖順位テーブルから参照してない場合、開閉順位下位開閉体抽出手段33Bは、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンの個数を格納する変数MAXに1を加算する(ステップS25)。
そして、開閉順位下位開閉体抽出手段33Bは、このとき参照している閉鎖順位テーブル[I]の識別番号を、閉鎖順位下位開閉体抽出テーブル[MAX]に移送する(ステップS26)。この後、開閉順位下位開閉体抽出手段33Bは、次の閉鎖順位テーブルの識別番号を参照するために、前述のステップS23以降の処理を繰り返す。
一方、前述のステップS23において、Iに1を加算した結果、Iの値がシャッターカーテン数(本実施形態では5)を超えた場合(ステップS24−YES)、言い換えると、開閉順位下位開閉体抽出手段33Bが、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号の全部を参照し、参照した全部の閉鎖順位テーブルの識別番号を閉鎖順位下位開閉体抽出テーブルに移送した場合、開閉制御部33Aの開閉体開閉動作停止手段33Cは、まず、障害物に当接したシャッターカーテンの自重降下による閉鎖動作を停止させるために、障害物に当接したシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号が格納されている閉鎖順位テーブル[ERR_I]を参照し、この閉鎖順位テーブル「ERR_I」の識別番号の開閉機のブレーキを復帰させる制御を該当する開閉機に対して実行する(ステップS27)。これにより、障害物に当接したシャッターカーテンの自重降下による閉鎖動作は停止する(ステップS28)。
次に、開閉体開閉動作停止手段33Cは、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンの自重降下による閉鎖動作を停止させるために、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号が格納されている閉鎖順位下位開閉体抽出テーブルを参照するための指標である変数「J」に初期値1を設定する(ステップS29)。
まず、開閉体開閉動作停止手段33Cは、閉鎖順位下位開閉体抽出テーブル[J]の識別番号の開閉機のブレーキを復帰させる制御を該当する開閉機に対して実行する(ステップS30)。これにより、閉鎖順位下位開閉体抽出テーブル[J]の識別番号の開閉機に対応するシャッターカーテンが自重降下による閉鎖動作を停止する(ステップS31)。
続いて、開閉体開閉動作停止手段33Cは、次の閉鎖順位下位開閉体抽出テーブルの識別番号を参照するために、Jに1を加算する(ステップS32)。Jに1を加算した結果、Jの値が障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンの個数が格納されている変数MAX(図6の例では2)よりも小さい場合(ステップS33−NO)、言い換えると、開閉体開閉動作停止手段33Cが、閉鎖順位下位開閉体抽出テーブルの識別番号の全部を参照していない場合、前述のステップS30以降の処理を繰り返す。
一方、前述のステップS32において、開閉体開閉動作停止手段33Cが、Jに1を加算した結果、Jの値が障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンの個数が格納されている変数MAX(図6の例では2)を超えた場合(ステップS33−YES)、言い換えると、開閉体開閉動作停止手段33Cが、閉鎖順位下位開閉体抽出テーブルに格納されている全部の識別番号の開閉機のブレーキを復帰させる制御を該当する開閉機に対して実行し、この結果、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっている全部のシャッターカーテンの自重降下による閉鎖動作が停止した場合、以下に述べるように、開閉制御部33Aの障害物回避手段33Dが、障害物に当接したシャッターカーテンから障害物を回避させる制御を行う。
まず、障害物回避手段33Dは、障害物に当接したシャッターカーテンの閉鎖順位が格納されている変数ERR_Iを参照して、閉鎖順位テーブル[ERR_I]の識別番号の開閉機のブレーキを解除する制御を該当する開閉機に対して実行する(ステップS34)。これにより、障害物に当接したシャッターカーテンに対応する開閉機のブレーキが解除される。続いて、障害物回避手段33Dは、閉鎖順位テーブル[ERR_I]の識別番号の開閉機のモータを逆駆動させる制御を該当する開閉機に対して実行する(ステップS35)。これにより、開閉機のモータの逆駆動により障害物に当接したシャッターカーテンが開放動作(反転上昇)を開始する(ステップS36)。
このシャッターカーテンの開放動作は、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された開放時間が経過していない場合(ステップS37−NO)、言い換えると、開閉制御部33Aの図示しないタイマー回路により設定された開放時間が経過するまで、前述のステップS35以降の処理が繰り返され、障害物に当接したシャッターカーテンの開放動作が継続される。
一方、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された開放時間が経過した場合(ステップS37−YES)、障害物回避手段33Dは、閉鎖順位テーブル[ERR_I]の識別番号の開閉機のモータの逆駆動を停止させる制御を該当する開閉機に対して実行する(ステップS38)。続いて、障害物回避手段33Dは、閉鎖順位テーブル[ERR_I]の識別番号の開閉機のブレーキを復帰させる制御を該当する開閉機に対して実行する(ステップS39)。これにより、障害物に当接したシャッターカーテンの開放動作(反転上昇)は停止し(ステップS40)、障害物に当接したシャッターカーテンが開放動作することにより、シャッターカーテンに当接した状態にある障害物を除去することが容易となる。
当接したシャッターカーテンが開放動作を停止した状態は、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された開放停止時間が経過するまで継続する(ステップS41−NO)。その後、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された開放停止時間が経過した場合(ステップS41−YES)、障害物回避手段33Dは、この障害物に当接したシャッターカーテンを再度自重降下による閉鎖動作を行わせるため、閉鎖順位テーブル[ERR_I]の識別番号の開閉機のブレーキを解除させる制御を該当する開閉機に対して実行する(ステップS42)。これにより、障害物に当接したシャッターカーテンは自重降下による閉鎖動作を開始する(ステップS43)。
再度自重降下による閉鎖動作を開始したシャッターカーテンの座板スイッチが、再度障害物を感知した場合(ステップS44−YES)、言い換えると、シャッターカーテンが開放動作(反転上昇)している間に障害物が除去されなかった場合、障害物回避手段33Dは、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された障害物除去待ち時間が経過するまで(ステップS45−NO)、シャッターカーテンの座板スイッチが障害物を感知しているか否かの判定を継続する(ステップS44)。
シャッターカーテンの座板スイッチが障害物を感知している場合(ステップS44−YES)であって、かつ開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された障害物除去待ち時間が経過した場合(ステップS45−YES)、障害物回避手段33Dは、障害物に当接しているシャッターカーテンに対応する開閉機のブレーキを復帰させるために、閉鎖順位テーブル[ERR_I]の識別番号の開閉機のブレーキを復帰させる制御を該当する開閉機に対して実行する(ステップS46)。そして、障害物回避手段33Dは、閉鎖順位テーブル[ERR_I]の識別番号の開閉機に対応するシャッターカーテンが障害物感知状態にある旨の情報を外部に報知し(ステップS47)、開閉制御部33Aによる制御は終了する。
一方、前述のステップS44において、再度自重降下により閉鎖動作を開始したシャッターカーテンの座板スイッチが再度障害物を感知しなかった場合(ステップS44−NO)、言い換えると、障害物に当接したシャッターカーテンが開放動作(反転上昇)している間に障害物が除去された場合、この後、開閉制御部33Aは、所定の時間(開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された閉鎖待ち時間)間隔をおいて、障害物が除去されたシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっている残りのシャッターカーテンを、順次閉鎖動作させる(ステップS49以降)。
これを詳しく説明すると、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された閉鎖待ち時間が経過するまで(ステップS48−NO)、開閉制御部33Aは、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が次となっているシャッターカーテンの閉鎖動作を待ちの状態にさせ、一方、開閉制御部33Aのタイマー回路により設定された閉鎖待ち時間が経過した場合(ステップS48−YES)、開閉制御部33Aは、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が次となっているシャッターカーテンを再度閉鎖動作させるために、閉鎖順位テーブルを参照するための指標であるIに、障害物に当接したシャッターカーテンの閉鎖順位が格納されているERR_Iに1を加算した値を設定する(ステップS49)。これ以降は、前述したステップS6以降の開閉制御部33Aによる制御が行われ、これにより、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンの自重降下による閉鎖動作が行われる。
以上の本実施形態によると、防災用シャッター装置1には、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンを抽出する開閉順位下位開閉体抽出手段33Bと、障害物に当接したシャッターカーテン、及び開閉順位下位開閉体抽出手段33Bにより抽出されたシャッターカーテンの閉鎖動作を停止させる制御を実行する開閉体開閉動作停止手段33Cが備えられているので、5個のシャッターカーテン8,9,10,11,12が、シャッターカーテン8,9,10,11,12の閉鎖順序で、かつ、所定の時間間隔をおいて閉鎖動作しているとき、シャッターカーテン8,9,10,11,12のいずれかがシャッターカーテンの開放方向に存在する障害物と当接する事象が発生しても、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンが、その後も閉鎖動作を継続することを阻止することができる。
このように、本実施形態では、開閉順位下位開閉体抽出手段33B及び開閉体開閉動作停止手段33Cが備えられているので、閉鎖動作中のシャッターカーテンが障害物に当接するという事象が発生した場合において、これ以後の、障害物に当接したシャッターカーテン及び障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンの制御を有効に行うことができるようになる。
また、本実施形態においては、開閉制御部33Aには、開閉順位下位開閉体抽出手段33Bと開閉体開閉動作停止手段33Cの他に、障害物回避手段33Dが備えられているので、障害物に当接した状態にあるシャッターカーテンを障害物から回避させることができ、火災発生等の非常時等における人に対する安全性も向上させることができる。さらに、本実施形態では、5個の小スパンのシャッターカーテン8,9,10,11,12を、シャッターカーテン8,9,10,11,12の閉鎖順序で、かつ、所定の時間間隔をおいて閉鎖動作させるようにしているので、シャッターカーテンの周辺に大きな風圧を発生させることなく、室内空間3に大スパンの防災区画を形成することができるようになる。
なお、シャッターカーテンが障害物に当接したために、障害物回避手段33Dがシャッターカーテンを開放動作、閉鎖動作させるのは、本実施形態のように1回のみ行うのではなく、所定の回数繰り返すようにするか、又は障害物が除去されるまで何回も繰り返すようにしてもよい。
また、火災発生等の非常時における開閉機のモータを駆動させるのに必要な電源は、商用電源からの供給が可能であれば、可能な限り商用電源からの電源を使用することが好ましい。また、商用電源からの供給が断たれた場合には、供給電源を予め備えられているバッテリ(蓄電池)に切り替えられるようにするのが好ましい。
図13は、本発明の第二の実施形態に係る開閉体の開閉制御装置が備えられている、防火扉装置101と防災用シャッター装置116を併設した防災用開閉装置の全体正面図を示すものである。はじめに、この防災用開閉装置の全体構造を図13によって説明する。
図13に示すように、防火扉装置101は、火災発生等の非常時において、右側の室内空間104に防災区画を形成するために設置されているものであり、同様に、防災用シャッター装置116は、火災発生等の非常時において、左側の室内空間105に防災区画を形成するために設置されているものである。
防火扉装置101の開閉体となっている扉102は、耐火性、耐熱性を有する部材からなっており、平常時において、この扉102は、室内空間104の右側に形成された柱、壁等の建物躯体107に設けられている収納部109に収納されており、扉102における幅方向の右端縁部は、収納部109に設けられている上下2個のヒンジ部材111を介して、収納部109に回動自在に軸支されている。
収納部109の上枠となっている天井部材103付近には、扉102を全開放状態に保持するための図示しない係止部材が設けられており、平常時において、扉102は、この係止部材により全開放状態に保持されたまま、収納部109に格納されている。また、天井部材103で建物内部の室内空間104から仕切られている天井裏空間106内の図示しない建物躯体付近には、扉102を電動により開閉動作させるための図示しないモータとブレーキの組み合わせからなる開閉機110が設けられている。
また、開閉体となっているシャッターカーテン125を有する防災用シャッター装置116は、防火扉装置101の扉102が全閉鎖状態となっているときにおける扉102の幅方向の左端部に隣接して配設されている。シャッターカーテン125を繰り出し、巻き取る巻取軸124は、天井部材103で室内空間104及び室内空間105から仕切られている天井裏空間106内に、水平方向を軸方向として配置されており、巻取軸124の軸方向両端部は、保持部材である左右一対のブラケット121で回転自在に保持されている。ブラケット121は、天井裏空間106内に形成された図示しない建物躯体に、ボルト等の止着具で結合されている。
シャッターカーテン125は、前述した第一の実施形態の場合と同様に、カーテン本体125Aと、このカーテン本体125Aにおけるシャッターカーテン125の閉鎖方向の先端部に設けられている座板125Bと、この座板125Bにおけるシャッターカーテン125の閉鎖方向の先端部に設けられ、シャッターカーテン125の閉鎖方向に障害物が存在した場合に、この障害物を感知するための座板スイッチ125Cから構成されている。
カーテン本体125Aの全部又は大部分は、第一の実施形態の場合と同様に、ガラスクロス又はシリカクロスによる防火性と防煙性を有するスクリーン又はこのスクリーンに耐火塗料等を塗布及び/又は含侵させて形成され、このようにスクリーン式となっているシャッターカーテン125は、上端部が巻取軸124に結合されており、平常時には、図13に示すように、巻取軸124に巻き取られ、天井裏空間106内に収納された状態(全開放状態)となっている。巻取軸124からのシャッターカーテン125の繰り出し、巻き取りは、巻取軸124の正逆回転によってなされる。この巻取軸124を正逆回転させる開閉機123は、巻取軸124と、図示しないチェーン、スプロケット等からなる伝動手段122を介して連結されている。
図示しない開閉機123のブレーキが解除されることにより、シャッターカーテン125は、座板125Bの重量を含む自重で巻取軸124を回転させながら降下する閉鎖動作を行う。一方、図示しない開閉機123のブレーキが解除された後、図示しない開閉機123のモータが逆駆動することによる巻取軸124の逆回転でシャッターカーテン125が巻取軸124に巻き取られ、シャッターカーテン125は開放動作を行う。
シャッターカーテン125の幅方向左側の端部と幅方向右側の端部には、図示しない抜け止め部材がそれぞれ設けられており、シャッターカーテン125の幅方向左側の端部は、固定式ガイドレール117の内部に抜け止め部材によって抜け止めされながら、スライド自在に挿入され、シャッターカーテン125の幅方向右側の端部は、可動式ガイドレール118(構造については後述する)の内部に図示しない抜け止め部材によって抜け止めされながら、スライド自在に挿入される。
火災発生によって図示しない火災検知器が煙あるいは熱等を検出したことにより発生する防災信号が自動閉鎖装置115に送られる。この自動閉鎖装置115には、防火扉装置101の扉102を開閉動作させる制御と、防災用シャッター装置116のシャッターカーテン125を開閉動作させる制御と、防災用シャッター装置の可動式ガイドレール118を揺動させる制御等を実行する制御部115Aが備えられている。
なお、本実施形態においては、開閉体となっている扉102及びシャッターカーテン125の他に、可動式ガイドレール118が、制御部115Aによる制御の対象となっている。以下、これらを総称して、「被制御体」と呼ぶことにする。
防災信号を受信した自動閉鎖装置115の制御部115Aは、図示しないマイクロプロセッサユニット(MPU)や、RAMやROM等のメモリ等を含んで構成されており、このマイクロプロセッサにより各種の制御の実行が行われるようになっている。ROMには、各種の制御を実行するプログラムや、防火扉装置101に配設されている扉の個数と、この扉を案内する可動式ガイドレールの個数と、防災用シャッター装置116に配設されているシャッターカーテンの個数の合計である被制御体数や、扉に対応する開閉機の識別番号と、ガイドレールに対応する駆動装置の識別番号と、シャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号を制御順位の高い順に並べられたもの等の情報があらかじめ書き込まれている。
防災信号を受信した自動閉鎖装置115の制御部115Aは、防火扉装置101の開閉機110のモータを正駆動させる制御を開閉機110に対して実行する。これにより、図示しない係止部材による扉102の係止状態が解除されるので、全開放状態に保持され、収納部109に収納されていた扉102は、開閉機110のモータの正駆動による上下2個のヒンジ部材111を中心とする矢印112方向への回動である閉鎖動作を開始する。
また、天井部材103における室内空間104側には、室内空間104の下方へ延出し、扉102の閉鎖動作を係止するための係止部103Aが設けられている。閉鎖動作を行っている扉102は略90度回動すると、この扉102の上端縁部全長が係止部103Aで係止されるので、扉102は閉鎖動作を停止し、この結果、室内空間104には防災区画が形成されることになる。
さらに、扉102の左下方部には、避難用扉113が設けられているので、扉102が全閉鎖状態となった後でも、避難が遅れた人は、避難用扉113に設けられている把手を操作することにより避難用扉113を開放することができ、これにより、扉102で仕切られた室内空間104における反対側の空間へ移動することができる。
また、図13に示すように、防災用シャッター装置116のシャッターカーテン125の幅方向両側に配設され、このシャッターカーテン125の開閉動作を案内する第1及び第2ガイド部材のうち、扉102と隣接する側に配設された第1ガイド部材となっている可動式ガイドレール118は、上端部がシャッターカーテン125の収納空間となっている天井裏空間106内に存在する図示しない建物躯体に揺動自在に軸支されていて、この可動式ガイドレール118は、軸支端部119を中心とする鉛直方向への揺動により、防災区画を形成する室内空間105の床面108に垂下姿勢で設置されるものとなっている。また、この可動式ガイドレール118は、軸支端部119を中心とする水平方向への揺動により、シャッターカーテン125の収納空間となっている天井裏空間106内に水平姿勢で収納されるようになっている。
そして、可動式ガイドレール118が天井裏空間106内に水平姿勢で収納されたときにおける可動式ガイドレール118の水平位置は、シャッターカーテン125が巻取軸124に巻き取られ、天井裏空間106内に収納されているときにおけるシャッターカーテン125の座板スイッチ125Cの水平位置よりも下方の位置となっている。
なお、可動式ガイドレール118の軸支端部119を中心とする鉛直方向への揺動及び水平方向への揺動は、天井部材103のおける天井裏空間106側に設けられている図示しないモータとブレーキとシリンダ等との組合せからなる駆動装置120のモータの正駆動、逆駆動により行われる。
また、図13に示すように、可動式ガイドレール118が床面108に垂下姿勢で設置されたときに扉102の幅方向の側面部と互いに対向する可動式ガイドレール118の側面部には、扉102の幅方向の端縁部全長を嵌入させる溝部118Bが、可動式ガイドレール118の長手方向の端部全長に亘って形成されている。
本実施形態においては、複数個の開閉体となっている扉102及びシャッターカーテン125の開閉順序のうち、閉鎖順序は、扉102が閉鎖動作を開始した後に、可動式ガイドレール118が鉛直方向へ揺動することにより床面108に垂下姿勢で設置されるとともに、扉102の幅方向の端縁部全長が可動式ガイドレール118の溝部118Bに嵌入した状態となった後に、シャッターカーテン125が閉鎖動作する順序となっている。一方、開放順序は、シャッターカーテン125が開放動作を終了した後に、可動式ガイドレール118の水平方向への揺動が行われるとともに、扉102の幅方向の端縁部全長が可動式ガイドレール118の溝部118Bに嵌入した状態が解除され、可動式ガイドレール118が収納空間である天井裏空間106内に水平姿勢で収納された後に、扉102が開放動作する順序となっている。
以上の開閉順序を言い換えると、可動式ガイドレール118が、軸支端部119を中心とする鉛直方向への揺動により、室内空間105の床面108に垂下姿勢で設置された後でなければ、シャッターカーテン125は、巻取軸124から繰り出されて閉鎖動作を行うことができないようになっており、また、シャッターカーテン125が巻取軸124により巻き取られて開放動作を行い、天井裏空間106内に収納された後でなければ、可動式ガイドレール118は、軸支端部119を中心とする水平方向への揺動を行うことができないようになっている。
図14〜図16は、図13の可動式ガイドレール118のS14−S14線断面図であり、扉102が閉鎖動作を開始した後に、可動式ガイドレール118が、軸支端部119を中心として鉛直方向へ揺動することにより、扉102の幅方向の端縁部全長が、可動式ガイドレール118の長手方向全長に亘って形成されている溝部118Bに次第に嵌入して行く様子を示すものである。
ここで、可動式ガイドレール118及び扉102の構造について、さらに詳しく説明する。図14に示すように、可動式ガイドレール118に形成されている溝部118Bは、扉102の全閉鎖状態における扉102の厚さ方向の外側へ窪んでいる窪み部118Cを有している。また、可動式ガイドレール118の長手方向の端部と対向する扉102の幅方向の端部には、扉102の厚さ方向の外側へ突没自在なラッチ爪部128Aを有するラッチ機構128と、このラッチ機構128を解除するためのラッチ機構解除スイッチ128Bとが設けられている。なお、ラッチ爪部128Aは、バネ128Cを介して扉102と連結している。
次に、扉102が閉鎖動作を終了した後に、可動式ガイドレール118が、軸支端部119を中心として鉛直方向へ揺動することにより、扉102の幅方向の端縁部全長が、可動式ガイドレール118の長手方向全長に亘って形成されている溝部118Bに次第に嵌入して行く様子を図14〜図16を用いて説明する。
図14は、扉102が、2個のヒンジ部材111を中心とする矢印129の方向への回動による閉鎖動作を終了しており、可動式ガイドレール118が、軸支端部119を中心とする鉛直方向(矢印130方向)への揺動を行っている途中であり、そして、扉102の幅方向の端縁部全長が、揺動中の可動式ガイドレール118の長手方向全長に形成されている溝部118Bへの嵌入を開始した状態を示すものである。
図15は、可動式ガイドレール118の軸支端部119を中心とする鉛直方向(矢印130方向)への揺動がさらに進み、扉102の幅方向の端縁部全長が、可動式ガイドレール118の溝部118Bへさらに嵌入するとともに、扉102に設けられているラッチ機構128のラッチ爪部128Aが、溝部118Bの開口端部に当接した状態を示すものである。
図15に示すように、ラッチ機構128のラッチ爪部128Aが、可動式ガイドレール118の溝部118Bの開口端部に当接することにより、ラッチ爪部128Aには矢印131方向への押圧力が働き、この結果、ラッチ爪部128Aは、矢印131方向へ没入するとともに、ラッチ爪部128Aに連結されているバネ128Cが矢印131方向へ縮退するので、バネ128Cには、矢印131とは反対方向へのバネ力が蓄圧される。
図16は、可動式ガイドレール118が、軸支端部119を中心とする鉛直方向への揺動を終了するとともに、扉102の幅方向の端縁部全長が、可動式ガイドレール118の溝部118Bへ完全に嵌入し、可動式ガイドレール118と扉102とが係合している状態を示すものである。
前述したように、扉102の幅方向の端縁部全長が、可動式ガイドレール118の溝部118Bへさらに嵌入すると、溝部118Bの開口端部に当接しているラッチ機構128のラッチ爪部128Aも、さらに没入することになり、その後、溝部118Bの開口端部に当接しなくなったラッチ爪部128Aは、溝部118Bにおいて、一時的に完全に没入した状態となる。
この後、扉102の幅方向の端縁部全長は、可動式ガイドレール118の長手方向の端縁部全長に形成されている溝部118Bへさらに嵌入するが、一時的に完全に没入した状態となっていたラッチ爪部128Aが、溝部118Bの窪み部118Cまで移動すると、ラッチ爪部128Aは、ラッチ爪部128Aに連結されているバネ128Cに蓄圧されていたバネにより、溝部118Bの窪み部118Cへ突出する動作を開始する。
そして、図16に示すように、可動式ガイドレール118の軸支端部119を中心とする鉛直方向への揺動が終了すると、扉102の幅方向の端縁部全長が、可動式ガイドレール118の溝部118Bへ完全に嵌入した状態となるとともに、ラッチ爪部128Aが、溝部118Bの窪み部118Cに完全に突出した状態となる。この結果、可動式ガイドレール118は、扉102と係合した状態となる。この後、シャッターカーテン125は、このシャッターカーテンの幅方向の端部が可動式ガイドレール118のガイド溝118Aに案内されながら、自重降下による閉鎖動作を行うことになる。
また、図17は、図14〜図16と同様に、図13のS14−S14線断面図であるが、可動式ガイドレール118の軸支端部を中心とする鉛直方向への揺動が終了したことにより、扉102の幅方向の端縁部全長が、可動式ガイドレール118の溝部118Bへ完全に嵌入した状態となるとともに、ラッチ爪部128Aが、溝部118Bの窪み部に完全に嵌入した状態となっている場合、すなわち、前述した図16に示す状態となっている場合において、可動式ガイドレール118と扉102とが係合した状態を解除するための操作を示すものである。
図17に示すように、ラッチ機構128に設けられているラッチ機構解除スイッチ128Bを矢印132の方向へ押圧することにより、ラッチ爪部128Aは、矢印131の方向へ没入するとともに、ラッチ爪部128Aに連結されているバネ128Cが矢印131方向へ縮退するので、バネ128Cには、矢印131とは反対方向へのバネ力が蓄圧される。この状態で、可動式ガイドレール118を手動で揺動させるための図示しない駆動スイッチを操作すると、可動式ガイドレール118は、水平方向への揺動を開始するので、可動式ガイドレール118と扉102との係合状態を解除させることができる。なお、可動式ガイドレール118の水平方向への揺動が開始されたら、ラッチ機構解除スイッチ128Bを矢印132の方向へ押圧する操作は中止してよい。これにより、ラッチ爪部128Aは、蓄圧されていたバネ力で、矢印131とは反対方向へ自動的に再度突出するので、元の状態に戻ることになる。
また、図13に示すように、本実施形態の防火扉装置101には、扉102が閉鎖動作中に、扉102の閉鎖方向に図示しない障害物が存在すると、扉102の上端縁部に設けられ、光や超音波等のセンサで障害物を感知する障害物感知装置が取り付けられている。
一方、防災用シャッター装置116には、前述した第一の実施形態の場合と同様に、座板125Bにおけるシャッターカーテン125の開放方向の先端部に設けられている障害物感知信号送信機126と、天井部材103における室内空間105側に設けられている障害物感知信号受信機127とから構成される障害物感知装置が取り付けられている。この障害物感知装置については、第一の実施形態の防災用シャッター装置1に取り付けられている障害物感知装置と基本的に同様の構造、機能を有するものなので、これらの説明は省略する。
前述したように、本実施形態では、自動閉鎖装置115に制御部115Aが備えられているが、この制御部115Aには、複数個の被制御体となっている扉102、シャッターカーテン125、可動式ガイドレール118が動作を行っているときに、少なくとも1個の被制御体の動作方向に障害物が存在し、被制御体が障害物に当接した場合において、障害物に当接した被制御体よりも制御順位が下位となっている少なくとも1個の被制御体を抽出する開閉順位下位開閉体抽出手段である制御順位下位被制御体抽出手段115Bと、障害物に当接した被制御体及び制御順位下位被制御体抽出手段115Bにより抽出された非制御体の動作を停止させる制御を実行する開閉体開閉動作停止手段である被制御体動作停止手段115Cと、さらに、障害物に当接した状態の被制御体に対して、障害物に当接した状態を回避させる制御を実行する障害物回避手段115Dが備えられている。
次に、火災発生等によって発生した防災信号が自動閉鎖装置115に送られたことにより、最初に動作を開始する防火扉装置101の扉102が閉鎖動作を行っているときに、この扉102の閉鎖方向に図示しない障害物が存在した場合の障害物回避動作を図13により以下説明する。
前述したように、火災発生等の非常時においては、図示しない火災検知器が煙あるいは熱等を検出したことにより発生する防災信号が自動閉鎖装置115の制御部115Aへ送られる。防災信号を受信した制御部115Aは、防火扉装置101の開閉機110のモータを正駆動させる制御を開閉機110に対して実行する。これにより、図示しない係止部材による扉102の係止状態が解除され、全開放状態に保持されていた扉102は、開閉機110のモータの正駆動による上下2個のヒンジ部材111を中心とする矢印112方向への回動である閉鎖動作を開始する。
そして、制御部115Aの図示しないタイマー回路により設定された時間が経過すると、制御部115Aは、防災用シャッター装置116の第1ガイド部材となっている可動式ガイドレール118を揺動させるために、駆動装置120を正駆動させる制御を駆動装置120に対して実行する。これにより、可動式ガイドレール118は、軸支端部119を中心とする鉛直方向への揺動を開始する。
この可動式ガイドレール118の揺動を開始させるのは、防火扉装置の扉102の閉鎖動作が終了した後でもよい。しかし、防災用シャッター装置116のシャッターカーテン125の自重降下による閉鎖動作を早く開始することにより、防災区画の形成をより早めることができるので、本実施形態では、制御部115Aは、扉102が閉鎖動作を開始し、一定の時間が経過した後、可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動を開始させるようになっている。なお、制御部115Aのタイマー回路により設定される時間は、扉102の閉鎖動作が終了するよりも前に、可動式ガイドレール118が床面108に垂下姿勢で設置される長さの時間であってはならない。扉102が閉鎖動作を終了した直後に、可動式ガイドレール118が床面108に垂下姿勢で設置されるとともに、可動式ガイドレール118の溝部118Bに扉102の幅方向の端縁部全長が嵌入する長さの時間であることがより好ましい。
扉102が閉鎖動作を行っているときに、扉102の閉鎖方向に図示しない障害物が存在し、この障害物に扉102が当接すると、扉102の上端縁部に設けられ、光や超音波等のセンサで障害物を感知する障害物感知装置により、扉102の閉鎖方向に障害物が存在した旨の感知信号が、自動閉鎖装置115の制御部115Aへ伝達される。
この後、制御部115Aの制御順位下位被制御体抽出手段115Bは、障害物に当接した扉102に対して制御順位が下位となっている被制御体を抽出する。前述したように、本実施形態においては、被制御体は、防火扉装置101に設けられている扉102と、防災用シャッター装置116に設けられているシャッターカーテン125と、さらに、このシャッターカーテン125の幅方向の右側端部を案内する可動式ガイドレール118となっているので、制御順位下位被制御体抽出手段115Bが抽出する被制御体は、可動式ガイドレール118とシャッターカーテン125となる。ただし、本実施形態においては、可動式ガイドレール118が垂下姿勢で床面108に設置されるまで、制御部115Aが、シャッターカーテン125に対応する開閉機を正駆動させないようになっているので、制御順位下位被制御体抽出手段115Bは、シャッターカーテン125を抽出しなくてもよい。
続いて、被制御体動作停止手段115Cは、障害物に当接した扉102及び制御順位下位被制御体抽出手段115Bによって抽出された可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動とシャッターカーテン125の閉鎖動作を停止させる制御を実行する。まず、被制御体動作停止手段115Cは、扉102に対応する開閉機110の正駆動を停止させる制御及び開閉機110のブレーキを復帰させる制御を開閉機110に対して実行する。同様に、可動式ガイドレール118に対応する駆動装置120のモータの正駆動を停止させる制御及び駆動装置120のブレーキを復帰させる制御を駆動装置120に対して実行する。この結果、扉102の閉鎖動作及び可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動が停止することになる。
この後、障害物回避手段115Dが、障害物に当接した状態にある扉102を障害物から回避させる制御を実行する。まず、障害物回避手段115Dは、扉102を障害物から回避させるために、開閉機110のブレーキを解除する制御を開閉機110に対して実行する。続いて、障害物回避手段115Dは、開閉機110のモータを逆駆動させる制御を開閉機110に対して実行する。これにより、開閉機110のモータの逆駆動が開始され、扉102は、開放動作を開始する。
開閉機110のモータの逆駆動は、図示しない制御部115Aのタイマー回路により設定された時間が経過するまで継続する。なお、開閉機110のモータを逆駆動させる時間は、防火扉装置101に取り付けられている障害物感知装置のセンサが障害物を感知しなくなるまでとしてもよい。
制御部115Aのタイマー回路により設定された時間が経過すると、障害物回避手段115Dは、開閉機110のモータの逆駆動を停止させる制御を開閉機110に対して実行し、続いて、開閉機110のブレーキを復帰させる制御を開閉機110に対して実行する。この結果、扉102の開放動作は停止する。障害物回避手段115Dは、この扉102が開放動作を停止している状態を、制御部115Aのタイマー回路により設定された時間が経過するまで継続させる。
制御部115Aのタイマー回路により設定された時間が経過すると、障害物回避手段115Dは、再度、扉102を閉鎖動作させるために、復帰状態となっている開閉機110のブレーキを解除させる制御を開閉機110に対して実行するとともに、開閉機110のモータを正駆動させる制御を開閉機110に対して実行する。この結果、扉102は、閉鎖動作を再開する。
扉102の閉鎖動作が再開されるまでの間に障害物が除去されなかった場合には、扉102は、障害物に再度当接するとともに、障害物感知装置のセンサが、再度、障害物を感知することになるので、本実施形態では、障害物回避手段115Dは、再度開閉機110のモータの逆駆動を停止させる制御を開閉機110に対して実行し、続いて、障害物回避手段115Dは、開閉機110のブレーキを復帰させる制御を開閉機110に対して実行し、この結果、扉102の開放動作は停止する。さらに、障害物回避手段115Dは、扉102が障害物に当接した状態にある旨の情報を外部に報知して、この制御を終了する。
一方、閉鎖動作が再開されるまでの間に障害物が除去されていた場合には、扉102は閉鎖動作をそのまま継続する。この後、制御部115Aにタイマー回路により設定された時間が経過したら、制御部115Aは、可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動を再開させるために、駆動装置120のブレーキを解除させる制御を駆動装置120に対して実行するとともに、駆動装置120のモータを正駆動させる制御を駆動装置120に対して実行する。この結果、可動式ガイドレール118は、鉛直方向への揺動を再開する。
この後、閉鎖動作を行っている扉102の上端部が係止部103Aで係止されると、開閉機110の全閉リミットが作動するので、制御部115Aは、開閉機110のモータの正駆動を停止させる制御を開閉機110に対して実行するとともに、開閉機110のブレーキを復帰させる制御を開閉機110に対して実行する。この結果、扉102の閉鎖動作が終了する。
そして、扉102の閉鎖動作が終了して間もなく、可動式ガイドレール118が垂下姿勢で床面108に設置される。また、このとき、駆動装置120の図示しない鉛直方向へのリミットスイッチが作動するので、制御部115Aは、駆動装置120のモータの正駆動を停止させる制御を駆動装置120に対して実行するとともに、駆動装置120のブレーキを復帰させる制御を駆動装置120に対して実行する。この結果、可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動が終了する。
可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動が終了するとともに、扉102の幅方向の端縁部全長が可動式ガイドレール118の溝部118Bに嵌入することにより、可動式ガイドレール118が扉102に係合した状態になると、制御部115Aは、防災用シャッター装置116の開閉機123のブレーキを復帰させる制御を開閉機123に対して実行する。開閉機123のブレーキが復帰されることにより、シャッターカーテン125は、座板125Bの重量を含む自重で巻取軸124を回転させながら降下する閉鎖動作を開始する。その後、シャッターカーテン125は、全閉鎖状態となるまで、自重による閉鎖動作を継続する。シャッターカーテン125が全閉鎖状態になると、室内空間104及び室内空間105には、1個の扉102と1個のシャッターカーテン125による防災区画が形成されることになる。
なお、前述したように、シャッターカーテン125の座板125Bにおけるシャッターカーテン125の閉鎖方向の先端部には、座板スイッチ125Cが設けられているので、シャッターカーテン125の閉鎖動作中に、床面108に障害物が存在した場合には、座板スイッチ125Cはこの障害物に当接することになる。
前述したように、防災用シャッター装置116に設けられている障害物感知信号送信機126は、座板スイッチ125Cが障害物に当接することにより発生する障害物感知信号を光信号に変換し、この光信号を天井部材103における室内空間105側に設けられている障害物感知信号受信機127へ向けて送信する。障害物感知信号受信機127が光信号を受光することにより、シャッターカーテン125の閉鎖方向に障害物が存在した旨の感知信号が、自動閉鎖装置115の制御部115Aへ送られる。
ところで、障害物に当接したシャッターカーテン125よりも動作が下位となっている被制御体は存在しないため、制御順位下位被制御体抽出手段115Bにより抽出される被制御体は0個となる。この後、被制御体動作停止手段115C及び障害物回避手段115Dは、前述した第一の実施形態の場合と同様に、シャッターカーテン125を障害物から回避させる制御を開閉機123に対して実行する。被制御体動作停止手段115C及び障害物回避手段115Dが行う制御の内容については、前述した図1〜図6の第一の実施形態の場合と同様なので省略する。
図18〜図25は、以上説明した第二の実施形態において、防火扉装置101の扉102の閉鎖動作と、防災用シャッター装置116の可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動と、防災用シャッター装置116のシャッターカーテン125の閉鎖動作が行われる場合において、自動閉鎖装置115の制御部115A(制御順位下位被制御体抽出手段115B、被制御体動作停止手段115C、障害物回避手段115Dを含む)が、防火扉装置101の開閉機110と、可動式ガイドレール118の駆動装置120と、防災用シャッター装置116の開閉機123に対して実行する制御を示すフローチャート図である。以下、図18〜図25のフローチャートにより、制御部115Aによる制御の流れを説明する。なお、以下において、扉102の開閉機110、シャッターカーテン125の開閉機123、可動式ガイドレールの駆動装置120を総称して「駆動機構」と呼ぶことにする。
まず、防火扉装置101の扉102の閉鎖動作と、この閉鎖動作に続いて行われる防災用シャッター装置116の可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動が行われているときにおいて、扉102の閉鎖方向に障害物が存在しなかった場合の制御を説明する。なお、前述したように、本実施形態においては、被制御体となっている扉102及びシャッターカーテン125の他に、可動式ガイドレール118が、制御部115Aによる制御対象となっている。
火災発生等によって図示しない火災検知器が煙あるいは熱等を検出する(ステップS101)、火災検知器から防災信号(定格電圧:DC24(V))が発生し、自動閉鎖装置115がこの防災信号を受信する(ステップS102)。
防災信号を受信した自動閉鎖装置115の制御部115Aは、ROMから被制御体の個数を読み込み、この読み込んだ被制御体の個数をRAM上の変数「被制御体数」へ格納する。この結果、「被制御体数」には、防火扉装置101の扉102の個数と、防災用シャッター装置116のシャッターカーテン125の個数と、防災用シャッター装置116の可動式ガイドレール118の個数との合計である3が設定される(ステップS103)。
次に、制御部115Aは、配列の個数が上記ステップS103で設定された被制御体数となっている配列変数「制御順位テーブル[3]」をRAMに動的に確保した後、ROMから、各被制御体に対応する駆動機構の識別番号、すなわち、扉102及びシャッターカーテン125に対応する開閉機の識別番号と可動式ガイドレールに対応する駆動装置の識別番号を開閉体の制御順位の高い順に並べたものを順番に読み込むと同時に、読み込んだこれらの識別番号を制御順位テーブルへ順番に格納する。
これを具体的に述べると、配列の個数が3個である制御順位テーブルのうち、1番目の配列である制御順位テーブル[1]には、制御順位が1位となっている防災扉装置101の扉102に対応する開閉機110の識別番号となっている1が格納され、2番目の配列である制御順位テーブル[2]には、制御順位が2位となっている防災用シャッター装置116の可動式ガイドレール118に対応する駆動装置120の識別番号となっている2が格納され、3番目の配列である制御順位テーブル[3]には、制御順位が3位となっているシャッターカーテン125に対応する開閉機123の識別番号となっている3が格納される(ステップS104)。
続いて、制御部115Aは、以下の処理において、制御順位テーブルを制御順位が1位となっている扉102の開閉機110の識別番号が格納されている制御順位テーブル[1]から順番に参照するため、制御順位テーブルを参照するための指標であるRAM上の変数「I」に初期値1を設定する(ステップS105)。
次に、制御部115Aは、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構のブレーキを解除させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS106)。このとき、Iの値は、前述のステップS105において設定された1となっているので、制御部115Aは、制御順位が1位となっている扉102に対応する開閉機110の識別番号が格納されている制御順位テーブル[1]を参照することになる。そして、この制御順位テーブル[1]の値には、扉102に対応する開閉機110の識別番号となっている1が格納されているので、制御部115Aは、識別番号が1となっている開閉機110のブレーキを解除させる制御を開閉機110に対して実行することになる。これにより、制御部115Aの図示しないブレーキ解除回路により、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構のブレーキの解除が行われる。
続いて、制御部115Aは、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構のモータを正駆動させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS107)。そして、制御部115Aは、識別番号が1となっている開閉機110のモータを正駆動させる制御を開閉機110に対して実行することになる。これにより、扉102は、この扉102の収納部109に設けられているヒンジ部材111を中心とする回動による閉鎖動作を開始する(ステップS108)。
次に、制御部115Aは、前述のステップS108で動作を開始した被制御体の次に動作を行わせる被制御体に対応する駆動機構の識別番号を参照するために、制御順位テーブルの識別番号を参照するための指標であるIに1を加算する(ステップS109)。この結果、Iの値は2となり、制御部115Aは、制御順位が2位となっている可動式ガイドレール118に対応する駆動装置120の識別番号2が格納されている制御順位テーブル[2]を参照することになる。
そして、本実施形態では、制御順位が扉102の次となっている可動式ガイドレール118が鉛直方向への揺動をするまで、所定の時間間隔をおく必要があるため、制御部115Aの図示しないタイマー回路により設定された制御待ち時間が経過するまでは、制御部115Aによる制御は待ちの状態となる(ステップS110−NO)。なお、本実施形態では、室内空間104,105に防災区画をできるだけ早く形成するために、扉102が閉鎖動作を開始してからすぐに、可動式ガイドレール118の揺動が開始されるように、タイマー回路により設定された可動式ガイドレール118の制御待ち時間は短いものとなっている。
この後、制御部115Aの図示しないタイマー回路により設定された制御待ち時間が経過すると(ステップS110−YES)、制御部115Aは、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構のブレーキを解除させる制御を該当する駆動機構に対して実行する。具体的に述べると、制御部115Aは、制御順位テーブル[2]の識別番号2の駆動装置120のブレーキを解除させる制御を駆動装置120に対して実行する(ステップS111)。
続いて、制御部115Aは、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構のモータを正駆動させる制御を該当する駆動機構に対して実行する。具体的に述べると、制御部115Aは、制御順位テーブル[2]の識別番号2の駆動装置120のモータを正駆動させる制御を駆動装置120に対して実行する(ステップS112)。これにより、可動式ガイドレール118が、軸支端部119を中心とする鉛直方向への揺動を開始する(ステップS113)。
この後、防火扉装置101に取り付けられている障害物感知装置が障害物を感知していない状態である場合(ステップS114−NO)であって、言い換えると、扉102の閉鎖方向に障害物が存在しない場合であって、制御順位テーブル[I−1](扉102に対応する開閉機110の識別番号が格納されている配列)の識別番号の駆動機構のリミットスイッチが作動していない場合(ステップS115−NO)は、扉102の閉鎖動作が継続する(ステップS116)とともに、可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動が継続する(ステップS117)が、この間、制御部115Aは、前述したように、防火扉装置101に取り付けられている障害物感知装置が障害物を感知したかどうかの判定(ステップS114)を繰り返す。
その後、防火扉装置101に取り付けられている障害物感知装置が障害物を感知していない状態である場合(ステップS114−NO)であって、制御順位テーブル[I−1]の識別番号の駆動機構のリミットスイッチが作動した場合(ステップS115−YES)、すなわち、扉102が全閉鎖状態となった場合、制御部115Aは、制御順位テーブル[I−1]の識別番号の駆動機構のモータの正駆動を停止させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS149)。続いて、制御部115Aは、制御順位テーブル[I−1]の識別番号の駆動機構のブレーキを復帰させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS150)。これにより、制御順位テーブル[I−1]の識別番号の駆動機構に対応する被制御体となっている扉102の閉鎖動作が停止する(ステップS151)。
この後は、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構に対応する被制御体となっている可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動が継続する(ステップS152)が、この可動式ガイドレール118の揺動は、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構のリミットスイッチが作動しない間(ステップS153−NO)、継続する。
制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構のリミットスイッチが作動した場合(ステップS153−YES)、可動式ガイドレール118は、床面108に垂下姿勢で設置されるとともに、扉102の幅方向の端縁部全長が、可動式ガイドレール118の溝部118Bに嵌入するので、可動式ガイドレール118と扉102とが係合した状態となる(ステップS154)。
この後、制御部115Aは、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構のモータの正駆動を停止させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS155)。続いて、制御部115Aは、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構のブレーキを復帰させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS156)。これにより、扉102の鉛直方向への揺動は完全に停止する。
次に、制御部115Aは、次の制御順位テーブルの識別番号を参照するために、制御順位テーブルの識別番号を参照するための指標であるIに1を加算する(ステップS157)。この結果、Iの値は3となり、制御部115Aは、制御順位が3位となっているシャッターカーテン125に対応する開閉機123の識別番号3が格納されている制御順位テーブル[3]を参照することになる。
そして、制御部115Aは、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構のブレーキ解除させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS158)。具体的に述べると、制御部115Aは、開閉機123のブレーキを解除させる制御を開閉機123に対して実行する。これにより、シャッターカーテン125は自重降下による閉鎖動作を開始する(ステップS159)。
このシャッターカーテン125が自重降下による閉鎖動作を行っているときに、シャッターカーテン125の座板スイッチ125Cが障害物を感知した場合(ステップS160−YES)、言い換えると、シャッターカーテン125の閉鎖方向に障害物が存在し、シャッターカーテン125がこの障害物に当接した場合、このシャッターカーテン125よりも制御順位が下位となっている被制御体は存在しないので、制御順位下位被制御体抽出手段115Bによる被制御体の抽出は行われず、被制御体動作停止手段115Cによるシャッターカーテン125の閉鎖動作の停止処理、及び障害物回避手段115Dによる障害物回避処理が行われる(ステップS161)。
なお、このステップS161で行われる処理は、前述した第一の実施形態において、障害物に当接したシャッターカーテンに対して行う処理(シャッターカーテンの閉鎖動作の停止、及びシャッターカーテンの開放動作(反転上昇)等)と同様であるので、説明は省略する。
ステップS161の処理が、障害物に当接したシャッターカーテン125に対して行われ、シャッターカーテン125に当接した障害物の除去が行われた場合には、シャッターカーテン125は、制御部115Aの制御により、再度自重降下による閉鎖動作が行われる(ステップS159)。
一方、シャッターカーテン125が自重降下による閉鎖動作を行っているときに、シャッターカーテン125の座板スイッチ125Cが障害物を感知しない場合(ステップS160−NO)であって、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構の全閉リミットスイッチが作動していない場合(ステップS162−NO)、シャッターカーテン125は、自重降下による閉鎖動作を継続する(ステップS159)。
シャッターカーテン125が自重降下による閉鎖動作を行っているときに、シャッターカーテン125の座板スイッチ125Cが障害物を感知しない場合(ステップS160−NO)であって、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構のリミットスイッチが作動した場合(ステップS162−YES)、制御部115Aは、制御順位テーブル[I]の識別番号の駆動機構のブレーキを復帰させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS163)。
これにより、シャッターカーテン125の閉鎖動作は終了し、室内空間104及び室内空間105には、防火扉装置101の扉102及び防災用シャッター装置116のシャッターカーテン125による防災区画が形成される。
次に、防火扉装置101の扉102の閉鎖動作と、この閉鎖動作に続いて行われる防災用シャッター装置116の可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動が行われているときに、扉102の閉鎖方向に障害物が存在したために、制御部115Aにより実行される制御の流れを説明する。
前述のステップS114において、防火扉装置101の障害物感知装置が障害物を感知した場合(ステップS114−YES)、言い換えると、閉鎖動作を行っている扉102が障害物に当接した場合、制御部115Aの制御順位下位被制御体抽出手段115Bは、障害物に当接した扉102の制御順位(Iの値から1を減算したもの)を変数ERR_Iに保存する(ステップS118)。なお、このとき、Iの値は2(可動式ガイドレール118の制御順位)であるので、変数ERR_Iに保存される値は1となる。
続いて、制御部115Aの制御順位下位被制御体抽出手段115Bは、障害物に当接した扉102よりも制御順位が下位となっている被制御体を抽出し、その被制御体に対応する駆動機構の識別番号を格納する制御順位下位被制御体抽出テーブルを初期化する(ステップS119)。
次に、制御順位下位被制御体抽出手段115Bは、障害物に当接した扉102よりも制御順位が下位となっている被制御体の個数を格納するRAM上の変数MAXに初期値0を設定する(ステップS120)。
Iの値が、ステップS102で設定された被制御体数を超えていない場合(ステップS121−NO)、言い換えると、制御順位下位被制御体抽出手段115Bが、障害物に当接した扉102よりも制御順位が下位となっている被制御体に対応する駆動機構の識別番号の全部を制御順位テーブルから参照していない場合、制御順位下位被制御体抽出手段115Bは、変数MAXに1を加算する(ステップS122)。そして、制御順位下位被制御体抽出手段115Bは、現在参照している制御順位テーブル[I]の識別番号を制御順位下位被制御体抽出テーブル[MAX]へ移送する(ステップS123)。
続いて、制御順位下位被制御体抽出手段115Bは、次の制御順位テーブルの識別番号を参照するために、Iに1を加算する(ステップS124)。この後は、再度、Iの値と被制御体数との大小判定が行われる(ステップS121)。
前述したステップS121において、Iの値が被制御体数を超えた場合(ステップS121−YES)、言い換えると、制御順位下位被制御体抽出手段115Bが、扉102よりも制御順位が下位となっている被制御体に対応する識別番号の全部を制御順位下位被制御体抽出テーブルに格納した場合、この後、被制御体動作停止手段115Cは、制御順位テーブル[ERR_I](障害物に当接した扉102に対応する開閉機110の識別番号が格納されている配列)の識別番号の駆動機構のモータの正駆動を停止させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS125)。
続いて、被制御体動作停止手段115Cは、制御順位テーブル「ERR_I」の識別番号の駆動機構のブレーキを復帰させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS126)。この結果、障害物に当接した扉102が制御動作を停止する(ステップS127)、
次に、被制御体動作停止手段115Cは、制御順位下位被制御体抽出テーブル[1](可動式ガイドレール118に対応する駆動装置120の識別番号が格納されている配列)の識別番号の駆動機構のモータの正駆動を停止させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS128)。
続いて、被制御体動作停止手段115Cは、制御順位下位被制御体抽出テーブル[1]の識別番号の駆動機構のブレーキを復帰させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS129)。この結果、可動式ガイドレール118は、鉛直方向への揺動を停止する(ステップS130)。
なお、本実施形態においては、防災用シャッター装置116のシャッターカーテン125の閉鎖動作を開始させるには、まず、可動式ガイドレール118が、床面108に垂下姿勢で設置されることが前提となるので、可動式ガイドレール118が鉛直方向への揺動を行っているときには、シャッターカーテン125は、全開放状態で天井裏空間106内に収納されている状態にある。したがって、被制御体動作停止手段115Cは、このシャッターカーテン125に対応する開閉機123に対する制御は実行しないようになっている。
次に、制御部115Aの障害物回避手段115Dは、制御順位テーブル「ERR_I」の識別番号の駆動機構のブレーキを解除する制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS131)。続いて、障害物回避手段115Dは、制御順位テーブル「ERR_I」の識別番号の駆動機構のモータを逆駆動させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS132)。これにより、障害物に当接した扉102は、開放動作を開始する(ステップS133)。
障害物に当接した扉102が開放動作を継続しているときにおいて(ステップS134)、制御順位テーブル[ERR_I]の識別番号の駆動機構のリミットスイッチが作動していない場合(ステップS135−NO)であって、防火扉装置101の障害物感知装置が障害物を感知している場合(ステップS136−YES)、障害物に当接した扉102は開放動作を継続する(ステップS134)。これを言い換えると、開放動作中の扉102が全開放状態になっていない場合であって、防火扉装置101の障害物感知装置が障害物を感知している間(ステップS136−YES)は、障害物に当接した扉102は開放動作を継続する(ステップS134)。
一方、障害物に当接した扉102が開放動作を継続しているときにおいて(ステップS134)、制御順位テーブル[ERR_I]の識別番号の駆動機構のリミットスイッチが作動していない場合(ステップS135−NO)であって、防火扉装置101の障害物感知装置が障害物を感知していない場合(ステップS136−NO)、又は制御順位テーブル[ERR_I]の識別番号の駆動機構のリミットスイッチが作動した場合(ステップS135−YES)、障害物回避手段115Dは、制御順位テーブル[ERR_I]の識別番号の駆動機構のモータの逆駆動を停止させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS137)。これを言い換えると、障害物に当接した扉102が開放動作を行っているときにおいて(ステップS134)、開放動作中の扉102が全開放状態になっていない場合(ステップS135−NO)であって、防火扉装置101の障害物感知装置が障害物を感知しなくなった場合(ステップS136−NO)、又は開放動作中の扉102が全開放状態になった場合(ステップS135−YES)、障害物回避手段115Dは、制御順位テーブル[ERR_I]の識別番号の駆動機構のモータの逆駆動を停止させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS137)。続いて、障害物回避手段115Dは、制御順位テーブル「ERR_I」の識別番号の駆動機構のブレーキを復帰させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS138)。この結果、障害物に当接した扉102の開放動作は停止する(ステップS139)。
この後、制御部115Aのタイマー回路により設定された制御待ち時間が経過するまで(ステップS140−NO)、扉102が開放動作を停止している状態が継続される。そして、制御部115Aのタイマー回路により設定された制御待ち時間が経過すると(ステップS140−YES)、障害物回避手段115Dは、制御順位テーブル[ERR_I]の識別番号の駆動機構のブレーキを解除させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS141)。続いて、障害物回避手段115Dは、制御順位テーブル[ERR_I]の識別番号の駆動機構のモータを正駆動させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS142)。この結果、障害物に当接した扉102は、ヒンジ部材111を中心とする回動による閉鎖動作を再度開始する(ステップS143)。
扉102が閉鎖動作を再度開始した後、防火扉装置101の障害物感知装置が再度障害物を感知した場合(ステップS144−YES)、言い換えると、前述のステップS134において、扉102が開放動作を行っている間に、この扉102に当接した障害物が除去されなかった場合、障害物回避手段115Dは、制御順位テーブル[ERR_I]の識別番号の駆動機構のモータの正駆動を再度停止させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS145)。続いて、障害物回避手段115Dは、制御順位テーブル[ERR_I]の識別番号の駆動機構のブレーキを再度復帰させる制御を該当する駆動機構に対して実行する(ステップS146)。この結果、扉102の閉鎖動作は中止するが、これと同時に、障害物回避手段115Dは、制御順位テーブル[ERR_I]の識別番号の駆動機構に対応する扉102が障害物感知状態にある旨の情報を外部に報知し(ステップS147)、制御部115Aによる制御は終了する。
一方、前述のステップS144において、扉102が自重降下による閉鎖動作を再度開始した後、防火扉装置101の障害物感知装置が再度障害物を感知しなかった場合(ステップS144−NO)、言い換えると、扉102が開放動作を行っている間に、この扉102に当接した障害物が除去された場合には、この後、扉102が障害物に当接したために、鉛直方向への揺動を停止させていた防火扉装置101の可動式ガイドレール118を再度揺動させるために、制御部115Aは、制御順位テーブルを参照するための指標であるIに、障害物に当接した扉102の制御順位が格納されているERR_Iを設定する(ステップS148)。
この後、制御部115Aにより、ステップS109以降の処理が再度行われ、可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動、続いて、制御順位が可動式ガイドレール118よりも下位となっている防災用シャッター装置116のシャッターカーテン125の自重降下による閉鎖動作が行われることになる。
以上の実施形態によると、防火扉装置101の扉102、防災用シャッター装置116の可動式ガイドレール118が、この順序で、それぞれ閉鎖動作、揺動を行っているときにおいて、扉102の閉鎖方向に障害物が存在し、この扉102が障害物に当接した場合、被制御体動作停止手段115Cにより、障害物に当接した扉102の閉鎖動作及び制御順位下位被制御体抽出手段115Bにより抽出された可動式ガイドレール118の揺動が停止される。これにより、可動式ガイドレール118が扉102よりも先に垂下姿勢で床面108に設置されることを阻止することができる。
このように、本実施形態では、制御順位下位被制御体抽出手段115B及び被制御体動作停止手段115Cが備えられているので、閉鎖動作中の扉102が障害物に当接するという事象が発生した場合において、これ以後の、障害物に当接した扉102及び障害物に当接した扉102よりも制御順位が下位となっている可動式ガイドレール118の制御を有効に行うことができる。
また、本実施形態では、扉102が障害物に当接している状態を回避させる処理を行う障害物回避手段115Dが備えられているので、障害物に当接している扉102を開放動作させることにより、障害物を除去しやすくなり、障害物が除去された場合には、扉102の閉鎖動作及び可動式ガイドレール118の揺動を再開させることができ、さらに、この後、可動式ガイドレール118よりも制御順位が下位となっている防災用シャッター装置のシャッターカーテン125の自重降下による閉鎖動作を行わせることができる。これにより、室内空間104,105には、扉102とシャッターカーテン125による防災区画を形成することができるようになる。
さらに、本実施形態では、扉102が閉鎖動作を終了した後、この扉102の幅方向の幅方向の端縁部全長が、可動式ガイドレール118の溝部118Bへ嵌入することで、扉102と可動式ガイドレール118とが嵌合した状態となるので、扉102及びシャッターカーテン125が全閉鎖状態となったときには、室内空間104,105には、密閉性の高い防災区画が形成されるようになる。
さらに、また、本実施形態では、扉102の幅方向の端部には、扉102の厚さ方向の外側へ突没可能なラッチ爪部128Aを有するラッチ機構128が設けられており、このラッチ機構128は、扉102の幅方向の端縁部全長が可動式ガイドレール118の溝部118Bに嵌入するとともに、ラッチ機構128のラッチ爪部128Aが溝部118Bに没入した後、溝部118Bにおける窪み部118Cで突出することにより、扉102と可動式ガイドレール118とがより強固に係合するものとなるので、扉102及びシャッターカーテン125が全閉鎖状態となったときには、室内空間104,105には、より密閉性の高い防災区画が形成されるようになる。
なお、本実施形態では、扉102が障害物に当接した場合、障害物回避手段115Dは、障害物に当接した扉102を1回開放動作させ、所定の時間が経過した後、この扉102を再度閉鎖動作させるようにしているが、再度閉鎖動作させたときに、なおも障害物が除去されていなかった場合は、障害物回避手段115Dによる制御は、ステップS147で終了するようになっている。
しかし、扉102が障害物に当接したために、障害物回避手段115Dが扉102を開放動作、閉鎖動作させるのは、本実施形態のように1回のみ行うのではなく、所定の回数繰り返すようにするか、又は障害物が除去されるまで何回も繰り返すようにしてもよい。
また、火災発生等の非常時における開閉機及び駆動装置のモータを駆動させるのに必要な電源は、商用電源からの供給が可能であれば、可能な限り商用電源からの電源を使用することが好ましい。また、商用電源からの供給が断たれた場合には、供給電源を予め備えられているバッテリ(蓄電池)に切り替えられるようにするのが好ましい。
なお、本実施形態では、図18〜図23のフローチャートには図示していないが、可動式ガイドレール118が鉛直方向への揺動を行っているときに、この可動式ガイドレール118の揺動方向に障害物が存在し、可動式ガイドレール118がこの障害物と当接した場合、被制御体動作停止手段115C及び障害物回避手段115Dにより、可動式ガイドレール118をこの障害物から回避させる処理が行われるようになっている。
また、前述したように、本実施形態では、室内空間104,105に防災区画をできるだけ早期に形成するために、扉102が閉鎖動作を開始してから直ぐに、可動式ガイドレール118の揺動が開始されるように、可動式ガイドレール118の制御待ち時間は短いものとなっているため、防火扉装置101の障害物感知装置が障害物を感知したか否かの判定処理、言い換えると、扉102が障害物に当接しているか否かの判定処理は、可動式ガイドレール118の揺動が開始された後に行うようになっている(ステップS114)。
したがって、扉102が閉鎖動作を開始してから、可動式ガイドレール118の揺動が開始されるまでの時間が長い場合には、防火扉装置101の障害物感知装置が障害物を感知したか否かの判定処理は、扉102が閉鎖動作を開始した直後(例えば、ステップS108の直後)にも行うことが好ましい。
さらに、本実施形態においては、扉102と可動式ガイドレール118の制御順位は、全閉鎖状態となった扉102の幅方向の端縁部全長が、可動式ガイドレール118の溝部118Bに嵌入できればよいので、扉102の閉鎖動作の開始と可動式ガイドレール118の揺動の開始は同時となってもよい。言い換えると、扉102が閉鎖動作を開始した後、可動式ガイドレール118が揺動を開始するまでの時間、すなわち、制御部115Aのタイマー回路により設定される制御待ち時間は0であってもよい。この場合には、扉102の幅方向の端縁部全長が、可動式ガイドレール118の溝部118Bに嵌入するようにするためには、可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動速度を遅くするように調節すればよい。したがって、可動式ガイドレール118の鉛直方向への揺動速度及び扉102の閉鎖速度を相互に調節すれば、可動式ガイドレール118の揺動の開始と扉102の閉鎖動作の開始は、先後を問わない。
図26と図27は、本発明の第三の実施形態に係る開閉体の開閉制御装置が備えられている、図1〜図12で説明した実施形態の防災用シャッター装置とは異なる構造の防災用シャッター装置の全体正面図を示すものである。はじめに、この防災用シャッター装置201の全体構造を図26によって説明する。
図26に示すように、この防災用シャッター装置201は、複数個の開閉体となっている3個の防災用シャッターカーテン212,213,214が、それぞれシャッターカーテンの幅方向に互いに隣接して配設されており、これらのシャッターカーテン212,213,214の開閉順序のうちの閉鎖順序は、火災が発生した場合、これらの複数個のシャッターカーテン212,213,214のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に設けられているシャッターカーテンから順次閉鎖動作するものとなっている。
また、シャッターカーテン212,213,214の開閉動作をそれぞれ案内するガイド部材となっている左右一対の可動式ガイドレール230,231,232の上端部は、シャッターカーテンの212,213,214の収納空間内に存在する図示しない建物躯体に揺動自在に軸支されているとともに、可動式ガイドレール230,231,232の下端部230B,231B,232Bは、シャッターカーテン212,213,214の閉鎖方向の先端部におけるシャッターカーテン212,213,214の幅方向全長又は略全長に亘って設けられているエンド部材となっている座板212B,213B,214Bに対して、シャッターカーテン212,213,214の幅方向へスライド自在に連結されており、可動式ガイドレール230,231,232は、軸支端部230A,231A,232Aを中心とする揺動により、シャッターカーテン212,213,214の開閉動作を案内するものとなっている。
シャッターカーテン212,213,214が閉鎖動作を行うときにおいては、可動式ガイドレール230,231,232は、軸支端部230A,231A,232Aを中心とする鉛直方向への揺動を行うとともに、下端部230B,231B,232Bが、シャッターカーテン212,213,214の幅方向の外側にスライドしながら、シャッターカーテン212,213,214の表裏面を支持することにより、シャッターカーテン212,213,214の閉鎖動作を案内した後、シャッターカーテン212,213,214は、防災区画を形成する室内空間205の床面208に垂下姿勢で設置される。
また、シャッターカーテン212,213,214が開放動作を行うときにおいては、可動式ガイドレール230,231,232が軸支端部230A,231A,232Aを中心とする水平方向への揺動を行うとともに、下端部230B,231B,232Bが、シャッターカーテン212,213,214の幅方向の内側にスライドしながら、シャッターカーテン212,213,214の表裏面を支持することにより、シャッターカーテン212,213,214の開放動作を案内した後、シャッターカーテン212,213,214は、収納空間である天井裏空間206内に水平姿勢で収納される。
また、左右一対の可動式ガイドレール230,231,232は、天井裏空間206内に形成された図示しない建物躯体に設けられている図示しないモータとブレーキとシリンダ等との組み合わせからなる左右一対の駆動装置233,234,235の正駆動、逆駆動で、可動式ガイドレール230,231,232の軸支端部230A,231A,232Aを中心とする鉛直方向への揺動、水平方向への揺動がそれぞれ行われるようになっている。なお、駆動装置233,234,235のモータとブレーキの制御は、天井裏空間206内に設けられている駆動制御部203によって行われる。
また、図26に示すように、3個のシャッターカーテン212,213,214を繰り出し、巻き取る3個の巻取軸209,210,211は、天井部材204で室内空間205から仕切られている天井裏空間206に、水平方向を軸方向として配置されており、それぞれの巻取軸の軸方向両端部は、保持部材である左右一対のブラケット215,216,217で回転自在に保持されている。これらのブラケットは、天井裏空間206内に形成された図示しない建物躯体に、ボルト等の止着具で結合されている。
3個のシャッターカーテン212,213,214は、それぞれ、カーテン本体212A,213A,214Aと、これらのカーテン本体におけるシャッターカーテンの閉鎖方向の先端部に設けられている座板212B,213B,214Bと、それぞれの座板におけるシャッターカーテンの閉鎖方向の先端部に設けられ、シャッターカーテンの閉鎖方向に障害物が存在した場合に、この障害物を感知するための座板スイッチ212C,213C,214Cから構成されている。
カーテン本体212A,213A,214Aの全部又は大部分は、ガラスクロス又はシリカクロスによる防火性と防煙性を有するスクリーン又はこのスクリーンに耐火塗料等を塗布及び/又は含侵させて形成され、このようにスクリーン式となっているシャッターカーテン212,213,214は、上端部が巻取軸209,210,211に結合されており、平常時には巻取軸209,210,211に巻き取られている。
巻取軸209,210,211からのシャッターカーテン212,213,214の繰り出し、巻き取りは、それぞれ巻取軸209,210,211の正逆回転によってなされる。
左右一対のブラケット215,216,217のうち、一方のブラケットには、図示しないモータとブレーキの組み合わせからなる開閉機218,219,220が取り付けられ、これらの開閉機は、巻取軸209,210,211と、図示しないチェーン、スプロケット等からなる伝動手段221,222,223を介して連結されている。
図示しない開閉機218,219,220のブレーキが解除されることにより、シャッターカーテン212,213,214は、座板212B,213B,214Bの重量を含む自重で巻取軸209,210,211を回転させながら降下する閉鎖動作を行う。一方、図示しない開閉機218,219,220のブレーキが解除された後、図示しない開閉機218,219,220のモータが逆駆動することによる巻取軸209,210,211の逆回転でシャッターカーテン212,213,214が巻取軸209,210,211に巻き取られ、シャッターカーテン212,213,214は開放動作を行う。
なお、シャッターカーテン212,213,214が閉鎖動作を行うとともに、可動式ガイドレール230,231,232は、図示しない駆動装置233,234,235のブレーキの解除及びモータの正駆動により鉛直方向への揺動を行うとともに、シャッターカーテン212,213,214の表裏面を支持しながら、シャッターカーテン212,213,214の閉鎖動作を案内する。一方、シャッターカーテン212,213,214が開放動作を行うとともに、可動式ガイドレール230,231,232は、図示しない駆動装置233,234,235のブレーキの解除及びモータの逆駆動により水平方向への揺動を行うとともに、シャッターカーテン212,213,214の表裏面を支持しながら、シャッターカーテン212,213,214の開放動作を案内する。
また、3個の開閉機218,219,220には、シャッターカーテン212,213,214が全開放状態であるかを検知する図示しない全開リミットスイッチと、シャッターカーテン212,213,214が全閉鎖状態であるかを検知する図示しない全閉リミットスイッチが、それぞれ設けられている。
シャッターカーテン212,213,214の座板スイッチ212C,213C,214Cが室内空間205の床面208へ着地すると、図示しない開閉機218,219,220に設けられている全閉リミットスイッチが作動し、シャッターカーテン212,213,214の閉鎖動作は終了する。これと同時に、可動式ガイドレール230,231,232の軸支端部230A,231A,232Aを中心とする鉛直方向への揺動も終了し、可動式ガイドレール230,231,232は、室内空間205の床面208に垂下姿勢で設置される。
2個のシャッターカーテン212,213が全閉鎖状態にあるときには、床面208に垂下姿勢で設置されるシャッターカーテン212の左右一対の可動式ガイドレール230のうちの右側の可動式ガイドレール230と、これと同様に、床面208に垂下姿勢で設置されるシャッターカーテン213の左右一対の可動式ガイドレール231のうちの左側の可動式ガイドレール231とは、ガイドレールの長手方向全長に亘って互いに密着した状態となる。
これと同様に、2個のシャッターカーテン213,214が全閉鎖状態にあるときには、床面208に垂下姿勢で設置されるシャッターカーテン213の左右一対の可動式ガイドレール231のうちの右側の可動式ガイドレール231と、これと同様に床面208に垂下姿勢で設置されるシャッターカーテン214の左右一対の可動式ガイドレール232のうちの左側の可動式ガイドレール232とは、ガイドレールの長手方向全長に亘って互いに密着した状態となる。
さらに、3個のシャッターカーテン212,213,214の全部が全閉鎖状態にあるときには、床面208に垂下姿勢で設置されるシャッターカーテン212の左右一対の可動式ガイドレール230のうちの左側の可動式ガイドレール230の長手方向全長と、この左側の可動式ガイドレール230の長手方向全長と互いに対向する室内空間205の左側の壁である建物躯体207とは、互いに密着した状態となり、床面208に垂下姿勢で設置されるシャッターカーテン214の左右一対の可動式ガイドレール232のうちの左側の可動式ガイドレール232の長手方向全長と、この左側の可動式ガイドレール232の長手方向全長と互いに対向する室内空間205の右側の壁である建物躯体207とは、互いに密着した状態となる。
したがって、3個のシャッターカーテン212,213,214の全部が全閉鎖状態となったときには、室内空間205には、3個のシャッターカーテン212,213,214及び3個の左右一対の可動式ガイドレール230,231,232による密閉性の高い防災区画が形成されることになる。
なお、この防災用シャッター装置201には、3個のシャッターカーテン212,213,214を個別に開放動作、閉鎖動作させることができる図示しない個別開閉スイッチが備えられている。したがって、3個のシャッターカーテン212,213,214の全部が全閉鎖状態となっている場合において、このスイッチを操作することにより、任意のシャッターカーテン212,213,214の開閉機218,219,220のモータが逆駆動し、これにより、巻取軸209,210,211が逆回転し、シャッターカーテン212,213,214は巻取軸209,210,211に巻き取られ、開放動作を行う。
なお、シャッターカーテン212,213,214が開放動作を行うと同時に、可動式ガイドレール230,231,232の駆動装置233,234,235のモータも逆駆動し、これにより、可動式ガイドレール230,231,232は水平方向への揺動を行うとともに、可動式シャッターカーテン212,213,214の表裏面を支持しながらシャッターカーテン212,213,214の開放動作を案内する。
また、防災用シャッター装置201の動作点検をする場合等の通常時においても、この個別開閉スイッチを操作することにより、3個のシャッターカーテン212,213,214をそれぞれ個別に閉鎖動作、開放動作させることができる。
図26に示すように、室内空間205の右側における図26の紙面奥側には、言い換えると、シャッターカーテン214が全閉鎖状態である場合におけるシャッターカーテン裏側には、非常口237が設けられている。前述したように、この防災用シャッター装置201において、3個のシャッターカーテン212,213,214の開閉順序のうちの閉鎖順序は、火災が発生した場合、3個のシャッターカーテン212,213,214の全部を同時に閉鎖動作させないで、3個のシャッターカーテン212,213,214のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に設けられているシャッターカーテンから順次閉鎖動作させるようになっている。このため、シャッターカーテンが閉鎖動作を行っているときに、シャッターカーテン付近の空間に大きな風圧が発生することはない。
また、図26に示すように、室内空間の左側に火災236が発生した場合、火災236が発生している場所に最も近い空間に配設されているシャッターカーテン212から右側のシャッターカーテン213,214に向かって、順次閉鎖動作することになるので、避難中の人間は、非常口237の方向へ余裕を持って移動することができる。
また、この防災用シャッター装置201には、第一の実施形態における障害物感知装置と同様に、座板212B,213B,214Bにおけるシャッターカーテン212,213,214の閉鎖方向の先端部に設けられている障害物感知信号送信機224,225,226と、天井部材204における室内空間205側に設けられている障害物感知信号受信機227,228,229とから構成される障害物感知装置が取り付けられている。
さらに、図26に示すように、自動閉鎖装置202に備えられている開閉制御部202Aには、室内空間に火災が発生した場合、火災が発生している場所に最も近い空間に配設されているシャッターカーテンから、所定の時間間隔をおいて順次閉鎖動作する3個のシャッターカーテン212,213,214のうち、少なくとも1個のシャッターカーテンの閉鎖方向に障害物が存在し、この障害物にシャッターカーテンが当接したとき、障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっている少なくとも1個のシャッターカーテンを抽出する開閉順位下位開閉体抽出手段202Bと、障害物に当接したシャッターカーテン及び開閉順位下位開閉体抽出手段202Bにより抽出されたシャッターカーテンの閉鎖動作を停止させる制御を実行する開閉体開閉動作停止手段202Cと、さらに、障害物に当接した状態のシャッターカーテンに対して、障害物に当接した状態を回避させる制御を実行する障害物回避手段202Dが備えられている。
次に、火災発生によって発生した防災信号が開閉機218,219,220の制御を実行する自動閉鎖装置202に送られたことによる3個のシャッターカーテン212,213,214の閉鎖動作について説明する。
前述したように、図26に示すように、室内空間205の左側の壁である建物躯体207付近の床面208では、火災236が発生している。この火災236の発生によって図示しない火災検知器が煙あるいは熱等を検出したことにより発生した防災信号が、自動閉鎖装置202に送られる。そして、防災信号を受信した自動閉鎖装置202の開閉制御部202Aは、まず、火災236が発生している場所に最も近い空間に設けられているシャッターカーテン212から閉鎖動作を開始するために、シャッターカーテン212の図示しない開閉機218のブレーキを解除する制御を開閉機218に対して実行する。これにより、シャッターカーテン212は、座板212Bの重量を含む自重で巻取軸209を回転させながら下降する閉鎖動作を開始する。
続いて、開閉制御部202Aは、図示しない開閉制御部202Aのタイマー回路により設定された閉鎖待ち時間が経過した後、シャッターカーテン213の図示しない開閉機219のブレーキを解除する制御を開閉機219に対して実行する。さらに、この後、図示しない開閉制御部202Aのタイマー回路により設定された閉鎖待ち時間が経過した後、シャッターカーテン214の図示しない開閉機220のブレーキを解除する制御を開閉機220に対して行う。したがって、これにより、シャッターカーテン213,214は、座板213B,214Bの重量を含む自重で巻取軸210,211を回転させながら下降する閉鎖動作を順次開始する。
なお、シャッターカーテン212,213,214が、それぞれ閉鎖動作を開始するのと同時に、駆動制御部203は、開閉制御部202Aからの制御により、可動式ガイドレール230,231,232の駆動装置233,234,235のブレーキの解除及びモータの正駆動をさせる制御を駆動装置233,234,235に対して実行する。これにより、可動式ガイドレール230,231,232は鉛直方向への揺動を行うとともに、シャッターカーテン212,213,214の表裏面を支持しながらシャッターカーテン212,213,214の閉鎖動作を案内する。
3個のシャッターカーテン212,213,214の自重による閉鎖動作が順次開始された後、それぞれのシャッターカーテンの座板212B,213B,214Bが、室内空間205の閉鎖面となっている床面208に接地して、3個のシャッターカーテン212,213,214が全閉鎖状態となることにより、室内空間205には防火区画が形成される。
なお、3個のシャッターカーテン212,213,214が、それぞれ全閉鎖状態となることにより、開閉制御部202Aは、開閉機218,219,220のブレーキを復帰させる制御を開閉機218,219,220に対して実行する。これと同時に、駆動制御部203は、開閉制御部202Aからの制御により、駆動装置233,234,235の駆動機のモータの正駆動の停止およびブレーキの復帰をさせる制御を駆動装置233,234,235に対して実行する。
次に、火災発生によって発生した防災信号が開閉機218,219,220の制御を実行する自動閉鎖装置202に送られたことにより、3個のシャッターカーテン212,213,214が閉鎖動作を行っているときに、いずれかのシャッターカーテンの閉鎖方向に障害物が存在した場合の障害物回避動作を、図27により以下説明する。
前述したように、この防災用シャッター装置201は、3個のシャッターカーテン212,213,214の全部を同時に閉鎖動作させずに、火災が発生している場所に最も近い空間に設けられているシャッターカーテンから順次閉鎖動作させるようになっている。
図27に示すように、3個のシャッターカーテン212,213,214のうち、室内空間205の左側に配設されているシャッターカーテン212と、室内空間205の中央に配設されているシャッターカーテン213が閉鎖動作中であり、室内空間205の右側に配設されているシャッターカーテン214のみが、まだ閉鎖動作を開始していない状態である。そして、図27に示すように、室内空間205の左端に配設されているシャッターカーテン212のシャッターカーテンの閉鎖方向に、障害物238が存在しており、シャッターカーテン212の閉鎖方向の先端部に設けられている座板スイッチ212Cが、障害物238と当接している。
このため、座板スイッチ212Cから障害物感知信号送信機224へ障害物感知信号が伝達され、障害物感知信号送信機224は、この障害物感知信号を光信号239へ変換した後、この変換した光信号239を障害物感知信号受信機227へ向けて送信している。障害物感知信号である光信号239を受信した障害物感知信号受信機227は、シャッターカーテン212の閉鎖方向に障害物が存在した旨の感知信号を自動閉鎖装置202の開閉制御部202Aへ伝達する。
前述したように、開閉制御部202Aには、開閉順位下位開閉体抽出手段202Bと、開閉体開閉動作停止手段202Cと、障害物回避手段202Dが備えられているので、まず、開閉順位下位開閉体抽出手段202Bは、障害物238に当接したシャッターカーテン212よりも閉鎖順位が下位となっている2個のシャッターカーテン213,214を抽出する。
続いて、開閉体開閉動作停止手段202Cは、障害物238に当接したシャッターカーテン212、及び開閉順位下位開閉体抽出手段202Bによって抽出された2個のシャッターカーテン213,214のうちの閉鎖動作を行っているシャッターカーテン213を停止させるために、開閉機218,219のブレーキを復帰させる制御を開閉機218,219に対して実行するとともに、駆動制御部203を介して、可動式ガイドレール230,231の鉛直方向への揺動を停止させるために、駆動装置233,234のモータの正駆動の停止及びブレーキの復帰をさせる制御を駆動装置233,234に対して実行する。
なお、図27に示すように、室内空間205の右端に配設されているシャッターカーテン214は全開放状態のままであるので、本実施形態では、開閉体開閉動作停止手段202Cは、閉鎖動作を行っている2個のシャッターカーテン212,213の閉鎖動作を停止させる制御を実行するようになっている。
この後、障害物回避手段202Dは、以下に述べるように、障害物に当接したシャッターカーテン212を障害物238から回避させる制御を開閉機218に対して実行する。
まず、障害物回避手段202Dは、復帰状態となっている開閉機218のブレーキを再び解除させる制御を開閉機218に対して実行するとともに、駆動制御部203を介して、復帰状態となっている駆動装置233のブレーキを再び解除させる制御を駆動装置233に対して実行する。
次に、障害物回避手段202Dは、シャッターカーテン212を障害物238から回避させるために、図示しない開閉機218のモータを逆駆動させる制御を開閉機218に対して実行するとともに、駆動制御部203を介して、駆動装置233のモータを逆駆動させる制御を駆動装置233に対して実行する。
これにより、開閉機218のモータの逆駆動が開始され、巻取軸209の逆回転によるシャッターカーテン212の巻き取りがなされ、シャッターカーテン212の開放動作が開始される。また、これと同時に、可動式ガイドレール230が水平方向への揺動を開始するとともに、シャッターカーテン212の表裏面を支持しながらシャッターカーテン212の開放動作を案内する。
開閉機218及び駆動装置233のモータの逆駆動は、図示しない開閉制御部202Aのタイマー回路により設定された開放時間が経過するまで継続する。なお、ここで、開閉機218及び駆動装置233のモータを逆駆動させる時間は、シャッターカーテン212の座板スイッチ212Cが障害物238を感知しなくなるまでとしてもよい。
図示しない開閉制御部202Aのタイマー回路により設定された開放時間が経過すると、障害物回避手段202Dは、開閉機218のモータの逆駆動の停止及びブレーキの復帰をさせる制御を開閉機218に対して実行するとともに、駆動制御部203を介して、駆動装置233のモータの逆駆動の停止及びブレーキの復帰をさせる制御を駆動装置233に対して実行する。これにより、シャッターカーテン212の開放動作は停止する。
そして、このシャッターカーテン212が開放動作を停止している状態は、開閉制御部202Aのタイマー回路により設定された開放停止時間が経過するまで継続する。タイマー回路により設定された開放停止時間が経過すると、障害物回避手段202Dは、再度、シャッターカーテン212を閉鎖動作させるために、復帰状態にある開閉機218のブレーキを再び解除させる制御を開閉機218に対して実行するとともに、駆動制御部203を介して、駆動装置233のブレーキの再解除及びモータの正駆動をさせる制御を駆動装置233に対して実行する。これにより、シャッターカーテン212は閉鎖動作を再開する。
シャッターカーテン212の閉鎖動作が再開されるまでの間に、障害物238が除去されなかった場合には、シャッターカーテン212の座板スイッチ212Cが再度、障害物238に当接することになる。この後、開閉制御部202Aのタイマー回路により設定された障害物除去待ち時間が経過するまでこの状態が継続され、この設定時間が経過してもなお、障害物238が除去されなかった場合には、障害物回避手段202Dは、シャッターカーテン212の閉鎖動作を停止させるために、開閉機218のブレーキを復帰させる制御を開閉機218に対して実行するとともに、駆動制御部203を介して、駆動装置233のモータの正駆動の停止及びブレーキの復帰をさせる制御を駆動装置233に対して実行する。この後、障害物回避手段202Dは、シャッターカーテン212が障害物に当接している状態である旨の情報を外部に報知して、開閉制御部202Aによる制御は終了する。
一方、シャッターカーテン212の閉鎖動作が再開されるまでの間に、障害物238が除去された場合には、開閉制御部202Aは、開閉制御部202Aのタイマー回路により設定された閉鎖待ち時間が経過した後、閉鎖動作を停止させていたシャッターカーテン213の開閉機219のブレーキを解除させる制御を開閉機219に対して実行するとともに、駆動制御部203を介して、駆動装置234のブレーキの再解除及びモータの正駆動をさせる制御を駆動装置234に対して実行する。
同様に、この後、開閉制御部202Aは、この後、開閉制御部202Aのタイマー回路により設定された閉鎖待ち時間が経過した後、全開放状態となっていたシャッターカーテン214の開閉機220のブレーキを解除させる制御を開閉機220に対して実行するとともに、駆動制御部203を介して、駆動装置235のブレーキの再解除及びモータの正駆動をさせる制御を駆動装置235に対して実行する。
この後、3個のシャッターカーテンの閉鎖方向に新たな障害物が存在しない限り、全開放状態にあったシャッターカーテン212,213,214の全部が、全閉鎖状態となるまで閉鎖動作を継続する。そして、シャッターカーテン212,213,214が順次全閉鎖状態になると、開閉制御部202Aはそれぞれのシャッターカーテンに対応する開閉機218,219,220のブレーキを復帰する制御を開閉機218,219,220に対して実行するとともに、駆動制御部203を介して、駆動装置233,234,235のモータの正駆動の停止及びブレーキの復帰をさせる制御を駆動装置233,234,235に対して実行する。これにより、室内空間205には、3個のシャッターカーテン212,213,214による防災区画が形成されることになる。
図28は、以上説明した第三の実施形態の開閉体の開閉制御装置が備えられている防災用シャッター装置201に配設されている3個のシャッターカーテン212,213,214が、防災信号の発生に基づき、火災が発生した空間に最も近い場所に設けられているシャッターカーテンから順次、かつ所定の時間間隔をおいて自重降下による閉鎖動作を行う場合において、自動閉鎖装置202の開閉制御部202A(開閉順位下位開閉体抽出手段202B、開閉体開閉動作停止手段202C、障害物回避手段202Dを含む)が、開閉機218,219,220に対して実行する制御を示すフローチャート図の最初の一部を示すものである。以下、図28のフローチャートにより制御の流れの一部を説明する。
まず、火災発生等によって、天井部材204におけるシャッターカーテン212,213,214付近にそれぞれ設けられている図示しない火災検知器が、煙あるいは熱等を検出する(ステップS201)、火災検知器から防災信号(定格電圧:DC24(V))が発生し、自動閉鎖装置202がこの防災信号を受信する(ステップS202)。
防災信号を受信した自動閉鎖装置202の開閉制御部202Aは、ROMからシャッターカーテンの個数を読み込み、RAM上の変数「カーテン数」へ読み込んだシャッターカーテンの個数を格納する。この結果、「カーテン数」には、シャッターカーテンの個数である3が設定される(ステップS203)。なお、本実施形態においては、3個のシャッターカーテンの閉鎖順位は、予め定められるものではないため、ROMには、閉鎖順位の情報は書き込まれていない。
次に、開閉制御部202Aは、配列の個数が上記ステップS203で設定されたシャッターカーテンの個数となっている配列変数「閉鎖順位テーブル[3]」をRAMに動的に確保した後、火災が発生した空間に最も近い場所に設けられているシャッターカーテンから、火災が発生した空間に最も遠い場所に設けられているシャッターカーテンまで、順に閉鎖順位を決定して行く。図27に示す場合においては、火災が発生した空間に最も近い場所に設けられているのは、シャッターカーテン212であり、以下、シャッターカーテン213,214の順に火災が発生した空間から遠ざかっていく。
開閉制御部202Aにより、シャッターカーテンの閉鎖順位が決定されたら、開閉制御部202Aは、決定されたシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号をRAM上の閉鎖順位テーブルへ順次格納する。これを具体的に述べると、配列の個数が3個である閉鎖順位テーブルのうち、1番目の配列である閉鎖順位テーブル[1]には、閉鎖順位が1位となっているシャッターカーテン212に対応する開閉機218の識別番号となっている1が格納され、2番目の配列である閉鎖順位テーブル[2]には、閉鎖順位が2位となっているシャッターカーテン213に対応する開閉機219の識別番号となっている2が格納される。同様に、3番目の配列である閉鎖順位テーブル[3]には、閉鎖順位が3位となっているシャッターカーテン214に対応する開閉機220の識別番号となっている3がそれぞれ格納される(ステップS204)。
これ以降は、前述した第一の実施形態と同様に、開閉制御部202Aによる核シャッターカーテンの閉鎖動作処理、及び閉鎖動作中のシャッターカーテンの閉鎖方向に障害物が存在し、このシャッターカーテンが障害物に当接した場合の障害物回避処理が行われることになる(ステップS205)ので、説明は省略する。
以上の実施形態によると、室内空間205に火災236が発生したため、この火災236が発生した場所に最も近い空間に配設されているシャッターカーテン212がまず閉鎖動作を行い、続いて、シャッターカーテン212の幅方向に隣接して配設されているシャッターカーテン213,214がこの閉鎖順序で、所定の時間間隔をおいて、順次閉鎖動作を行っているときに、シャッターカーテン212の閉鎖方向に障害物238が存在し、シャッターカーテン212がこの障害物238に当接した場合において、障害物に当接したシャッターカーテン212及び開閉制御部202Aの開閉順位下位開閉体抽出手段202Bにより抽出されたシャッターカーテン213,214の閉鎖動作が、開閉制御部202Aの開閉体開閉動作停止手段202Cにより停止される。
これにより、後から閉鎖動作を開始したシャッターカーテン213,214が、障害物に当接しているシャッターカーテン212よりも先に閉鎖動作を終了してしまうことを阻止することができ、また、図27に示すように、室内空間205の右側に設けられている非常口237が設けられている空間に最も近いシャッターカーテン214が、最後に閉鎖動作を終了することになるので、火災236から避難中の人間は、非常口237の方向へ余裕を持って避難することができる。
このように、本実施形態では、開閉順位下位開閉体抽出手段202B及び開閉体開閉動作停止手段202Cが備えられているので、閉鎖動作中のシャッターカーテンが障害物に当接するという事象が発生した場合において、これ以後の、障害物に当接したシャッターカーテン及び障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンの制御を有効に行うことができる。
さらに、開閉制御部202Aには、開閉順位下位開閉体抽出手段202B及び開閉体開閉動作停止手段202Cの他に、障害物回避手段202Dが備えられているので、この障害物回避手段202Dにより、シャッターカーテン212に当接している状態にある障害物238をこのシャッターカーテン212から回避させる処理となっている開放動作(反転上昇)が行われる。シャッターカーテン212が開放動作することで、シャッターカーテン212に当接していた障害物238を人間が除去しやすくなる。この障害物238が除去された場合には、開閉体開閉動作停止手段202Cにより閉鎖動作を停止していたシャッターカーテン212,213,214は、この閉鎖順序で閉鎖動作を再開する。これにより、室内空間205には、シャッターカーテン212,213,214による防災区画を形成することができるようになる。
また、本実施形態では、シャッターカーテン212,213,214の開閉動作を案内するガイドレールが、左右一対の可動式ガイドレール230,231,232となっており、平常時においては、これらの可動式ガイドレール230,231,232は、シャッターカーテン212,213,214とともに、天井裏空間206内に収納された状態となる。したがって、平常時の室内空間205は、障害物となるものが何も存在しない大空間となり、平常時において、この空間を有効に活用することができる。
一方、シャッターカーテン212,213,214が全閉鎖状態となっており、可動式ガイドレール230,231,232がそれぞれ床面208に垂下姿勢で設置されているとき、互いに隣接している2個のシャッターカーテンにおける互いに対向する可動式ガイドレールの長手方向の端部同士は密着した状態となるので、室内空間205には、密閉性の高い防災区画が形成される。
なお、火災発生等の非常時における開閉機及び駆動装置のモータを駆動させるのに必要な電源は、商用電源からの供給が可能であれば、可能な限り商用電源からの電源を使用することが好ましい。また、商用電源からの供給が断たれた場合には、供給電源を予め備えられているバッテリ(蓄電池)に切り替えられるようにするのが好ましい。
図29〜図31は、本発明の第四の実施形態に係る開閉体の制御装置が備えられている防災用シャッター装置のシャッターカーテンの閉鎖動作を簡略した斜視図を示したものである。はじめに、この防災用シャッター装置の全体構造を図29によって説明する。
図29に示すように、この防災用シャッター装置は、建物内部の室内空間に防災区画を形成するために設置され、複数個の開閉体となっている2個のシャッターカーテン303,304が、シャッターカーテン303,304の厚さ方向に互いに離間して配設されているものである。
シャッターカーテン303,304をそれぞれ繰り出し、巻き取る図示しない2個の巻取軸は、図示しない天井部材で建物内部の室内空間302から仕切られている天井裏空間301内に、水平方向を軸方向として配置されており、それぞれの巻取軸の軸方向両端部は、図示しない保持部材である左右一対のブラケットで回転自在に保持されている。これらのブラケットは、天井裏空間301内に存在する図示しない建物躯体に、ボルト等の止着具で結合されている。巻取軸からのシャッターカーテン303,304の繰り出し、巻き取りは、巻取軸の正逆回転によってなされる。
シャッターカーテン303,304は、それぞれ、カーテン本体303A,304Aと、これらのカーテン本体303A,304Aにおけるシャッターカーテン303,304の閉鎖方向の先端部にそれぞれ設けられている座板303B,304Bと、これらの座板303B,304Bにおけるシャッターカーテン303,304の閉鎖方向の先端部にそれぞれ設けられ、シャッターカーテン303,304の閉鎖方向に障害物が存在した場合に、この障害物を感知するための座板スイッチ303C,304Cから構成されている。
シャッターカーテン303,304の幅方向左右の端縁部には、図示しない抜け止め部材がそれぞれ設けられており、シャッターカーテン303,304の幅方向左右の端縁部は、図示しない建物躯体に設けられた図示しない左右のガイドレールの内部に抜け止め部材によってそれぞれ抜け止めされながら、スライド自在に挿入されている。
また、図示しない左右一対のブラケットのうち、一方のブラケットには、図示しないモータとブレーキの組み合わせからなる開閉機が取り付けられ、これらの開閉機は、図示しない巻取軸、チェーン、スプロケット等からなる伝動手段を介して連結されている。
図示しない開閉機のブレーキが解除されることにより、シャッターカーテン303,304は、座板303B,304Bの重量を含む自重で図示しないそれぞれの巻取軸を回転させながら降下する閉鎖動作を行う。一方、図示しない開閉機のブレーキが解除された後、図示しない開閉機のモータが逆駆動することによるそれぞれの巻取軸の逆回転でシャッターカーテン303,304がそれぞれの巻取軸に巻き取られ、シャッターカーテン303,304は開放動作を行う。
なお、開閉機には、シャッターカーテン303,304が全開放状態であるかを検知する図示しない全開リミットスイッチと、シャッターカーテン303,304が全閉鎖状態であるかを検知する図示しない全閉リミットスイッチがそれぞれ設けられている。
さらに、この防災用シャッター装置には、前述した第一の実施形態と同様に、座板303B,304Bにおけるシャッターカーテン303,304の開放方向の先端部にそれぞれ設けられている図示しない障害物感知信号送信機と、天井部材における室内空間302側にそれぞれ設けられている図示しない障害物感知信号受信機とから構成される図示しない障害物感知装置が取り付けられている。
図29は、室内空間302の右側の床面で火災305が発生したために、2個のシャッターカーテン303,304が、座板303B,304Bの重量を含む自重で巻取軸を回転させながら降下する閉鎖動作を行った結果、室内空間302に、シャッターカーテン303,304による防災区画が形成されている状態を示すものである。
図30は、火災305の発生によって、2個のシャッターカーテン303,304のうち、火災305が発生している場所に最も近い空間に設けられているシャッターカーテン303が、最初に閉鎖動作を開始したところを示す図である。
図示しない火災検知器が煙あるいは熱等を検出したことにより発生した防災信号が、シャッターカーテン303,304に対応する開閉機の制御を実行する図示しない自動閉鎖装置に送られる。なお、この自動閉鎖装置を構成するものは、前述した第一の実施形態の自動閉鎖装置と同様であるので、説明は省略する。防災信号を図示しない自動閉鎖装置の開閉制御部は、火災305が発生している場所に最も近い空間に設けられているシャッターカーテンであるシャッターカーテン303に対応する開閉機のブレーキを解除する制御を対応する開閉機に対して実行する。この結果、シャッターカーテン303は、座板303Bの重量を含む自重で巻取軸を回転させながら下降する閉鎖動作を開始する。
これに続いて、開閉制御部の図示しないタイマー回路により設定された時間が経過した後、シャッターカーテン304に対応する開閉機のブレーキが解除され、これにより、シャッターカーテン304は、座板304Bの重量を含む自重で巻取軸を回転させながら下降する閉鎖動作を開始する。
2個のシャッターカーテン303,304の自重による閉鎖動作が開始され、それぞれのシャッターカーテンの閉鎖方向に障害物が存在しなかった場合には、2個のシャッターカーテン303,304の座板スイッチ303C,304Cが、室内空間302の閉鎖面となっている床面に着地することにより、開閉機に設けられている図示しない全閉リミットスイッチが作動し、シャッターカーテン303,304の閉鎖動作は終了する。この結果、室内空間302には防火区画が形成される。
図31は、座板303Bの重量を含む自重で巻取軸を回転させながら閉鎖動作を行っているシャッターカーテン303が、室内空間302の床面に着地する寸前の状態にあり、また、シャッターカーテン303とはシャッターカーテン303の厚さ方向に互いに離間して配設されているシャッターカーテン304が、シャッターカーテン303と同様に自重による閉鎖動作中であることを示すものである。
室内空間302にいる人間は、発生した火災305から避難するために、閉鎖動作中のシャッターカーテン303の下を通り抜けた後、続いて、シャッターカーテン304の下を通り抜けることになる。このとき、避難中の人間が、何らかの原因で、閉鎖動作中のシャッターカーテン303の下で転倒し、身動きが取れなくなった等の事態が発生した場合には、その後、シャッターカーテン303の座板スイッチ303Cが、倒れたままの人間に当接することになる。この結果、座板スイッチ303Cが障害物に当接することにより、座板スイッチ303Cから、障害物感知信号が障害物感知信号送信機へ伝達され、障害物感知信号送信機はこの障害物信号を光信号に変換し、この光信号を障害物感知信号受信機へ向けて送信する。
障害物感知信号受信機が光信号を受光することにより、シャッターカーテン303の閉鎖方向に障害物が存在した旨の感知信号が、自動閉鎖装置の開閉制御部へ伝達される。この後は、開閉制御部に備えられている図示しない開閉順位下位開閉体抽出手段、開閉体開閉動作停止手段、障害物回避手段により、シャッターカーテン303よりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテン304が先に閉鎖動作を終了してしまう事態が回避させるとともに、避難中の人間がシャッターカーテン303に当接している状態を回避させる処理が行われることになる。
開閉順位下位開閉体抽出手段、開閉体開閉動作停止手段、障害物回避手段による、障害物の回避処理については、前述した第一の実施形態の場合と同様であるので、説明は省略する。
図32は、以上説明した第四の実施形態の開閉体の開閉制御装置が備えられている防災用シャッター装置に配設されている2個のシャッターカーテン303,304が、防災信号の発生に基づき、火災が発生した場所に最も近い空間に配設されているシャッターカーテンから所定の時間間隔をおいて、自重降下による閉鎖動作を順次行う場合において、図示しない自動閉鎖装置の開閉制御部(開閉順位下位開閉体抽出手段、開閉体開閉動作停止手段、障害物回避手段を含む)が、それぞれの開閉機に対して実行する制御を示すフローチャート図の最初の一部を示すものである。以下、前述の第三の実施形態で説明したのと同様に、図32のフローチャートにより、制御の流れの一部を説明する。
まず、火災発生等によって、図示しない天井部材におけるシャッターカーテン303,304付近にそれぞれ設けられている図示しない火災検知器が、煙あるいは熱等を検出する(ステップS301)、火災検知器から防災信号(定格電圧:DC24(V))が発生し、図示しない自動閉鎖装置がこの防災信号を受信する(ステップS302)。
防災信号を受信した自動閉鎖装置の開閉制御部は、ROMからシャッターカーテンの個数を読み込み、RAM上の変数「カーテン数」へ読み込んだシャッターカーテンの個数を格納する。この結果、「カーテン数」には、シャッターカーテンの個数である2が設定される(ステップS303)。なお、本実施形態においては、2個のシャッターカーテンの閉鎖順位は、予め定められるものではないため、ROMには、閉鎖順位の情報は書き込まれていない。
次に、開閉制御部は、配列の個数が上記ステップS303で設定されたシャッターカーテンの個数となっている配列変数「閉鎖順位テーブル[2]」をRAMに動的に確保した後、火災が発生した空間に最も近い場所に設けられているシャッターカーテンから、火災が発生した空間に最も遠い場所に設けられているシャッターカーテンまで、順に閉鎖順位を決定して行く。図29に示す場合においては、火災が発生した空間に最も近い場所に設けられているのは、シャッターカーテン303であり、続いて、シャッターカーテン304の順に火災が発生した空間から遠ざかっていく。
開閉制御部により、シャッターカーテンの閉鎖順位が決定されたら、開閉制御部は、決定されたシャッターカーテンに対応する開閉機の識別番号をRAM上の閉鎖順位テーブルへ順次格納する。これを具体的に述べると、配列の個数が2個である閉鎖順位テーブルのうち、1番目の配列である閉鎖順位テーブル[1]には、閉鎖順位が1位となっているシャッターカーテン303に対応する開閉機の識別番号となっている1が格納され、2番目の配列である閉鎖順位テーブル[2]には、閉鎖順位が2位となっているシャッターカーテン304に対応する開閉機の識別番号となっている2が格納される(ステップS304)。
これ以降は、前述した第一の実施形態と同様に、図示しない開閉制御部による各シャッターカーテンの閉鎖動作処理、及び閉鎖動作中のシャッターカーテンの閉鎖方向に障害物が存在し、このシャッターカーテンが障害物に当接した場合の障害物回避処理等が行われることになる(ステップS305)ので、説明は省略する。
以上の実施形態によると、室内空間302に火災305が発生したため、この火災305が発生した場所に最も近い空間に配設されているシャッターカーテン303がまず閉鎖動作を行い、続いて、所定の時間間隔をおいて、シャッターカーテン303の厚さ方向に離間して配設されているシャッターカーテン304が閉鎖動作を行う場合において、火災305から避難中の人間が、何らかの原因で、閉鎖動作中のシャッターカーテン303の下で転倒し、身動きが取れなくなった結果、この避難中の人間がシャッターカーテン303に当接した場合においては、この人間に当接しているシャッターカーテン303及び図示しない開閉制御部の開閉順位下位開閉体抽出手段により抽出されたシャッターカーテン304の閉鎖動作が、図示しない開閉制御部の開閉体開閉動作停止手段により停止される。
これにより、シャッターカーテン303に当接している状態にある人間の安全が確保される。また、これにより、後から閉鎖動作を開始したシャッターカーテン304が、人間に当接した状態となっているシャッターカーテン303よりも先に閉鎖動作を終了してしまうことを阻止することができる。これにより、避難中の人間が、シャッターカーテン303に当接している状態から脱出することができれば、シャッターカーテン304の下を通り抜けて、火災305から避難することが可能となる。
このように、本実施形態では、開閉順位下位開閉体抽出手段及び開閉体開閉動作停止手段が備えられているので、閉鎖動作中のシャッターカーテンが障害物に当接するという事象が発生した場合において、これ以後の、障害物に当接したシャッターカーテン及び障害物に当接したシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンの制御を有効に行うことができる。
さらに、図示しない開閉制御部には、開閉順位下位開閉体抽出手段及び開閉体開閉動作停止手段の他に、図示しない障害物回避手段が備えられているので、この障害物回避手段により、シャッターカーテン303に当接している状態にある人間をこのシャッターカーテン303から回避させる処理となっている開放動作(反転上昇)が行われる。シャッターカーテン303が開放動作することで、人間がシャッターカーテン303に当接している状態から脱出しやすくなり、この後、人間はシャッターカーテン303の下を通り抜けた後、シャッターカーテン304の下を通り抜けることができ、火災305が発生した空間から離れた空間へ避難することが可能となる。
なお、火災発生等の非常時における開閉機のモータを駆動させるのに必要な電源は、商用電源からの供給が可能であれば、可能な限り商用電源からの電源を使用することが好ましい。また、商用電源からの供給が断たれた場合には、供給電源を予め備えられているバッテリ(蓄電池)に切り替えられるようにするのが好ましい。
なお、以上の実施形態では、障害物に当接した開閉体(シャッターカーテンや扉)を開放動作させる場合において、障害物に当接した開閉体の開放動作は、開閉制御部のタイマー回路により設定された時間が経過するまで継続するものとなっているが、このとき、開放動作を行っている開閉体は、この開閉体よりも閉鎖順位が下位となっている開閉体を越えた位置まで行かないように(言い換えると、開放動作を行っている開閉体が、この開閉体よりも閉鎖順位が下位となっている開閉体の停止位置の手前で停止するように)制御されるようになっている。
本発明の第一の実施形態に係る開閉体の開閉制御装置が備えられている防災用シャッター装置の全体正面図である。 図1の防災用シャッター装置の互いに隣接する2個のシャッターカーテンにおける互いに対向する座板の幅方向の端部同士のうち、一方の端部に設けられている第1係止部に、他方の端部に設けられている第2係止部が係合する直前の状態を示す部分拡大斜視図である。 図2において、第1係止部に第2係止部が係合した直後の状態を示す部分拡大斜視図である。 図1において、5個のシャッターカーテンのうちの一番左端に配設されているシャッターカーテンから所定の時間間隔をおいて、順次閉鎖動作を行っている状態を示す図である。 図4において、障害物に当接したシャッターカーテン及びこのシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンが閉鎖動作を停止している状態を示す図である。 図5において、障害物に当接したシャッターカーテンが、この障害物との当接状態を回避するために開放動作(反転上昇)を行っている状態を示す図である。 本発明の第一の実施形態に係る開閉体の開閉制御装置に備えられている開閉制御部が実行する制御を示すフローチャート図である。 図7で示した制御の続きを示すフローチャート図である。 図8で示した制御の続きを示すフローチャート図である。 図9で示した制御の続きを示すフローチャート図である。 図10で示した制御の続きを示すフローチャート図である。 図11で示した制御の続きを示すフローチャート図である。 本発明の第二の実施形態に係る開閉体の開閉制御装置が備えられている防災用開閉装置の全体正面図である。 図13のS14−S14線断面図であり、防災用シャッター装置の可動式ガイドレールの溝部に防火扉装置の扉の幅方向の端縁部全長が嵌入していく一連の作用を示す図のうちの最初の図である。 図13のS14−S14線断面図であり、防災用シャッター装置の可動式ガイドレールの溝部に防火扉装置の扉の幅方向の端縁部全長が嵌入していく一連の作用を示す図のうちの次の図である。 図13のS14−S14線断面図であり、防災用シャッター装置の可動式ガイドレールの溝部に防火扉装置の扉の幅方向の端縁部全長が嵌入していく一連の作用を示す図のうちのさらに次の図である。 図16において、防火扉装置の扉の幅方向の端部に設けられ、可動式ガイドレールと扉とを係合させているラッチ機構を解除させる操作を示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る開閉体の開閉制御装置に備えられている制御部が実行する制御を示すフローチャート図である。 図18で示した制御の続きを示すフローチャート図である。 図19で示した制御の続きを示すフローチャート図である。 図20で示した制御の続きを示すフローチャート図である。 図21で示した制御の続きを示すフローチャート図である。 図22で示した制御の続きを示すフローチャート図である。 図19で示した制御の続きを示すフローチャート図である。 図24で示した制御の続きを示すフローチャート図である。 本発明の第三の実施形態に係る開閉体の開閉制御装置が備えられている防災用シャッター装置の全体正面図である。 図26において、障害物に当接したシャッターカーテン及びこのシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっているシャッターカーテンが閉鎖動作を停止している状態を示す図である。 本発明の第三の実施形態に係る開閉体の開閉制御装置に備えられている開閉制御部が実行する制御を示すフローチャート図の一部である。 本発明の第四の実施形態に係る開閉体の開閉制御装置が備えられている防災用シャッター装置を簡略化して示した部分斜視図である。 図29の防災用シャッター装置の2個のシャッターカーテンのうち、手前側に配設されているシャッターカーテンから所定の時間間隔をおいて、順次閉鎖動作を行っている状態を示す図である。 図30において、図示しない障害物に当接した手前側のシャッターカーテン及びこのシャッターカーテンよりも閉鎖順位が下位となっている奥側のシャッターカーテンが閉鎖動作を停止している状態を示す図である。 本発明の第四の実施形態に係る開閉体の開閉制御装置に備えられている開閉制御部が実行する制御を示すフローチャート図の一部である。
符号の説明
1,116,201,301 防災用シャッター装置
101 防火扉装置
8,9,10,11,12,125,212,213,214,303,304 シャッターカーテン
33B,115B,202B 開閉順位下位開閉体抽出手段
33C,115C,202C 開閉体開閉動作停止手段
115B 開閉順位下位開閉体抽出手段である制御順位下位被制御体抽出手段
115C 開閉体開閉動作停止手段である被制御体動作停止手段
8D,9D,10D,11D 第1係止部である段部
9E,10E,11E,12E 第2係止部である段部
8B,9B,10B,11B、12B,125B,212B,213B,214B,303B,304B エンド部材である座板
118 第1ガイド部材である可動式ガイドレール
117 第2ガイド部材である固定式ガイドレール
118B 溝部
118C 窪み部
119,230A,231A,232A 軸支端部
128 ラッチ機構
128A ラッチ爪部
128B ラッチ機構解除スイッチ
231,232,233 ガイド部材
236,305 火災発生場所

Claims (10)

  1. 所定の開閉順序を守って開閉動作する複数個の開閉体のうち、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生したとき、この事象の発生によって停止動作させるべき前記開閉体よりも開閉順位が下位となっている少なくとも1個の開閉体を抽出する開閉順位下位開閉体抽出手段と、前記事象の発生によって停止動作させるべき前記開閉体及び前記開閉順位下位開閉体抽出手段により抽出された前記開閉体の開閉動作を停止させる制御を実行する開閉体開閉動作停止手段とを含んで構成されていることを特徴とする開閉体の開閉制御装置。
  2. 請求項1に記載の開閉体の開閉制御装置において、前記複数個の開閉体は、前記複数個の開閉体の幅方向に互いに隣接して配設されており、前記複数個の開閉体の閉鎖方向の先端部には、前記複数個の開閉体の幅方向全長又は略全長に亘るエンド部材が設けられており、互いに隣接している2個の開閉体における互いに対向する前記エンド部材の幅方向の端部同士のうちの一方の端部には、第1係止部が設けられており、他方の端部には、前記第1係止部とは前記複数個の開閉体の開閉方向にずれている第2係止部が設けられており、前記複数個の開閉体の前記所定の開閉順序は、前記第1係止部と前記第2係止部とが、前記複数個の開閉体の開閉方向に互いに係合する順序となっていることを特徴とする開閉体の開閉制御装置。
  3. 請求項2に記載の開閉体の開閉制御装置において、前記複数個の開閉体は、それぞれ防災用シャッターカーテンであり、前記第1係止部は、前記複数個の防災用シャッターカーテンの開放方向に向かって開放形状となっている段部となっており、前記第2係止部は、前記複数個の防災用シャッターカーテンの閉鎖方向に向かって開放形状となっている段部となっていることを特徴とする開閉体の開閉制御装置。
  4. 請求項1に記載の開閉体の開閉制御装置において、前記複数個の開閉体は、少なくとも1個の防火扉と、少なくとも1個の防災用シャッターカーテンとの組合せであり、これらの防火扉と防災用シャッターカーテンは、これらの幅方向に互いに隣接して配設されており、前記防災用シャッターカーテンの幅方向両側に配設されていて、前記防災用シャッターカーテンの開閉動作を案内する第1及び第2ガイド部材のうち、前記防火扉と隣接する側に配設された第1ガイド部材は、上端部が前記防災用シャッターカーテンの収納空間内に存在する躯体に揺動自在に軸支されていて、前記第1ガイド部材は、前記軸支端部を中心とする鉛直方向への揺動により、防災区画を形成する空間の床面に垂下姿勢で設置されるものとなっているとともに、前記軸支端部を中心とする水平方向への揺動により、前記収納空間内に水平姿勢で収納されるものとなっており、前記第1ガイド部材が前記床面に垂下姿勢で設置されたときに前記防火扉の幅方向の側面部と互いに対向する前記第1ガイド部材の側面部には、前記防火扉の幅方向の端縁部全長を嵌入させる溝部が前記第1ガイド部材の長手方向に亘って形成されており、前記複数個の開閉体の前記所定の開閉順序のうち、閉鎖順序は、前記防火扉が閉鎖動作を開始すると同時に、又は前記防火扉が閉鎖動作を開始した後に、前記第1ガイド部材が鉛直方向へ揺動することにより前記床面に垂下姿勢で設置されるとともに、前記防火扉の幅方向の端縁部全長が前記第1ガイド部材の前記溝部に嵌入した状態となった後に、前記防災用シャッターカーテンが閉鎖動作する順序となっており、開放順序は、前記防災用シャッターカーテンが開放動作を終了した後に、前記第1ガイド部材の水平方向への揺動が行われるとともに、前記防火扉の幅方向の端縁部全長が前記第1ガイド部材の前記溝部に嵌入した状態が解除され、前記第1ガイド部材が前記収納空間内に水平姿勢で収納された後に、前記防火扉が開放動作する順序となっていることを特徴とする開閉体の開閉制御装置。
  5. 請求項4に記載の開閉体の開閉制御装置において、前記溝部には、前記防火扉の全閉鎖状態における前記防火扉の厚さ方向の外側へ窪んでいる窪み部が設けられており、前記第1ガイド部材と隣接する側の前記防火扉の幅方向の端部には、前記防火扉の厚さ方向の外側へ突没自在なラッチ爪部を有するラッチ機構と、このラッチ機構を解除するためのラッチ機構解除スイッチとが設けられており、前記ラッチ機構は、前記防火扉の幅方向の端縁部全長が前記第1ガイド部材の前記溝部に嵌入するとともに、前記ラッチ爪部が前記溝部に没入した後、前記窪み部で突出することにより、前記第1ガイド部材と前記防火扉とが係合するものとなっており、前記ラッチ機構解除スイッチの操作により、前記ラッチ爪部が前記窪み部で没入することにより、前記第1ガイド部材と前記防火扉との係合が解除されるものとなっていることを特徴とする開閉体の開閉制御装置。
  6. 請求項1に記載の開閉体の開閉制御装置において、前記複数個の開閉体は、防災機能を有しており、前記複数個の開閉体の所定の開閉順序のうちの閉鎖順序は、火災が発生した場合、前記複数個の開閉体のうちの火災が発生した場所に最も近い空間に配設されている開閉体から順次閉鎖動作する順序となっていることを特徴とする開閉体の開閉制御装置。
  7. 請求項6に記載の開閉体の開閉制御装置において、前記複数個の開閉体は、前記複数個の開閉体の幅方向に互いに隣接して配設されていることを特徴とする開閉体の開閉制御装置。
  8. 請求項7に記載の開閉体の開閉制御装置において、前記複数個の開閉体は、それぞれ防災用シャッターカーテンであり、これらの防災用シャッターカーテンの開閉動作を案内するガイド部材の上端部は、前記防災用シャッターカーテンの収納空間内に存在する躯体に揺動自在に軸支されているとともに、前記ガイド部材の下端部は、前記防災用シャッターカーテンの閉鎖方向の先端部における前記防災用シャッターカーテンの幅方向全長又は略全長に亘って設けられているエンド部材に対して前記幅方向へスライド自在に連結されており、前記ガイド部材は、前記軸支端部を中心とする揺動を行うことにより、前記防災用シャッターカーテンの開閉動作を案内するものとなっていることを特徴とする開閉体の開閉制御装置。
  9. 請求項6に記載の開閉体の開閉制御装置において、前記複数個の開閉体は、前記複数個の開閉体の厚さ方向に互いに離間して配設されていることを特徴とする開閉体の開閉制御装置。
  10. 複数個の開閉体に対して所定の開閉順序を守って開閉動作させる開閉体の制御方法であって、前記所定の開閉順序を守って開閉動作する前記複数個の開閉体のうち、少なくとも1個の開閉体を停止動作させるべき事象が発生したとき、この事象の発生によって停止動作させるべき前記開閉体よりも開閉順位が下位となっている少なくとも1個の開閉体を抽出するステップと、前記事象の発生によって停止動作させるべき前記開閉体及び前記ステップにより抽出された前記開閉体の開閉動作を停止させるステップとを含んでいることを特徴とする開閉体の開閉制御方法。
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