JP2005120504A - ワイパー用積層不織布及びその製造方法、並びに湿潤ワイパー - Google Patents

ワイパー用積層不織布及びその製造方法、並びに湿潤ワイパー Download PDF

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Abstract

【課題】 拭き取った後の対象物への液残りが少なく、拭き取り性に優れたワイパー用積層不織布および湿潤ワイパーを提供する。
【解決手段】 第1成分(1)を変性ビニルアルコール樹脂とし、他の樹脂を第2成分(2)とする分割型複合繊維(VA)を含む繊維層の両面に、合成繊維を含む繊維層を積層し、水流交絡することにより、変性ビニルアルコール樹脂を含む極細繊維(VA)を分割発現させるとともに一体化したワイパー用積層不織布を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、拭き取った後の対象物への液残りが少なく、油脂汚れ等の拭き取り性に優れたワイパー用積層不織布に関する。
従来から、拭き取った後の対象物への液残りが少ないワイパーとしては、疎水性繊維層と親水性繊維層とを組み合わせた積層ワイパーや、極細繊維の毛細管現象を利用した極細繊維を有するワイパーなどが提案されている。前記積層ワイパーとして、例えば、実開平5−91550号公報(特許文献1)、および特開平9−276193号公報(特許文献2)では、親水性繊維層の片面または両面に疎水性合成繊維層を積層してなり、疎水性合成繊維層側を拭き取り面とした積層ワイパーが提案されている。
さらに、ウェットタイプの積層ワイパーとして、例えば、特開平9−234167号公報(特許文献3)では、疎水性繊維100〜50重量%と親水性繊維0〜50重量%とからなる上下各層と、疎水性繊維0〜20重量%と親水性繊維100〜80重量%とからなる中間層によって構成されるウェットティッシュ積層体が提案されている。
また、後者の極細繊維を有するワイパーとして、例えば、特開平5−56903号公報(特許文献4)では、機械的に分割し、絡合した極細繊維を含むワイパー用不織布が提案されている。
実開平5−91550号公報 特開平9−276193号公報 特開平9−234167号公報 特開平5−56903号公報
しかしながら、上記ワイパーには、以下のような様々な問題点があった。例えば、実開平5−91550号公報、特開平9−234167号公報、及び特開平9−234167号公報では、不織布の目付が小さくなった場合に、親水性繊維層と疎水性合成繊維層とを水流交絡処理により一体化させると、各層の間で混綿状態となって、拭き取った後の対象物への液残りが多くなる傾向にあった。
さらに、特開平5−56903号公報では、機械的に分割し、絡合した極細繊維を含み、見かけ密度を0.05〜0.13g/cm3とすることにより、汚れ等の拭き取り性には優れるものの、拭き取った後の対象物への液残りにおいては十分ではなかった。本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、拭き取った後の対象物への液残りが少なく、拭き取り性に優れたワイパー用積層不織布および湿潤ワイパーを得ることを目的とする。
本発明のワイパー用積層不織布は、繊度が0.9dtex以下であり、変性ビニルアルコール樹脂を含む極細繊維(va)を含有する繊維層の両面に、合成繊維を含有する繊維層が積層され、水流交絡により一体化されてなることを特徴とする。
本発明のワイパー用積層不織布の製造方法は、変性ビニルアルコール樹脂を少なくとも1成分とする分割型複合繊維(VA)を含む繊維層の両面に、熱収縮性分割型複合繊維を含む繊維層を積層し(以下、積層ウェブという)、水流交絡処理により変性ビニルアルコール樹脂を含む極細繊維(va)を分割発現するとともに積層ウェブを一体化した後、面積収縮率が10%以下となるように熱処理することを特徴とする。
本発明の湿潤ワイパーは、前記積層不織布または前記製造方法により得られた積層不織布100質量部に、湿潤剤を50質量部以上、300質量部以下の範囲内で含有してなることを特徴とする。
本発明のワイパー用積層不織布は、繊度が0.9dtex以下であり、変性ビニルアルコール樹脂を含む極細繊維(va)を含有する繊維層の両面に、合成繊維を含有する繊維層が積層され、水流交絡により一体化した構造を採ることにより、対象面を拭き取ったときの対象面への液残りを少なくすることができるとともに、油脂汚れ等の拭き取り性にも優れたワイパーが得られる。
また、変性ビニルアルコール樹脂を少なくとも1成分とする分割型複合繊維(VA)を含む繊維層の両面に、前記極細繊維(b)が分割型複合繊維(B)を分割発現して得られた繊維であり、前記分割型複合繊維(B)が熱収縮性分割型複合繊維を含有する繊維層を積層し、水流交絡処理により一体化した後、面積収縮率が10%以下となるように熱処理することにより、特に対象面を拭き取ったときの対象面への液残りを少なくすることができるとともに、油脂汚れ等の拭き取り性にも優れたワイパーが得られる。
本発明のワイパー用積層不織布は、対象面を拭き取ったときの対象面への液残りが少なく、油脂汚れ等の拭き取り性に優れているので、ディスプレーなどのOA機器類、眼鏡、自動車など油脂汚れのある対象面を拭き取るワイパーに好適に用いることができる。
本発明のワイパー用積層不織布は、繊度が0.9dtex以下であり、変性ビニルアルコール樹脂を含む極細繊維(va)(以下、極細繊維(va)という)を含有する繊維層の両面に、合成繊維を含有する繊維層を積層し、水流交絡により一体化することにより、極細繊維(va)が不織布の内部だけでなく表面付近でも交絡される。極細繊維(va)は、水などの液体に比較的湿潤し易いため、不織布の表面付近で交絡された極細繊維(va)の毛細管現象を利用して、液体を不織布の内部に吸収することができ、対象物への液残りが少なくなる。また、極細繊維(va)は、油脂成分に対する吸着性に優れているため、不織布の表面付近で交絡された極細繊維(va)が油脂成分を有効に保持することができ、ひいては油脂汚れの拭き取り性に優れる。極細繊維(va)を含有する繊維層の両面に合成繊維を含有する繊維層を積層する形態としては、上記3つの層を積層した三層構造、極細繊維(va)を含有する繊維層と合成繊維を含有する繊維層との間に他のシートを積層した構造などが挙げられ、極細繊維(va)が積層不織布の最外層に露出しないように積層することが好ましい。
一方、本発明のワイパー用積層不織布は、極細繊維(va)を含有する繊維層の両面に、合成繊維として、繊度が0.9dtex以下の極細繊維(b)を含有する繊維層が積層すると、液滴を小さくすることができるとともに、汚れなどの拭き取り性にも優れる。合成繊維を含有する繊維層は、積層不織布の最外層を形成することが好ましい。
前記変性ビニルアルコール樹脂は、ビニルアルコールと他の単量体との共重合体である。他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソプレン、1−ヘキセン等のα−オレフィンなどが挙げられる。なかでも、エチレン含有量が30モル%以上50モル%以下の範囲内にあるエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHという)であることが好ましい。上記EVOHによれば、水などの液体に対して必要以上に濡れず、適度な湿潤性を示すので、積層不織布にしたときの吸液性に優れるからである。また、上記EVOHによれば、油脂成分の吸着性に優れ、油脂汚れの保持性に優れるからである。より好ましいエチレン含有量の下限は、35モル%である。より好ましいエチレン含有量の上限は、45モル%である。
前記極細繊維(va)の繊度は、0.9dtex以下である。好ましい極細繊維(va)の繊度の下限は、0.05dtexである。好ましい極細繊維(va)の繊度の上限は、0.6dtexである。より好ましい極細繊維(va)の繊度の上限は、0.4dtexである。極細繊維(va)の繊度が0.9dtexを超えると、対象物への液残りが多くなる可能性があるからである。
前記極細繊維(va)は、例えば、変性ビニルアルコールを単独で、または他の樹脂と複合して溶融紡糸することにより得られる。繊維の形態としては、単一型、(偏心)鞘芯型、並列型、分割型、海島型などが挙げられる。なかでも、変性ビニルアルコール樹脂を少なくとも1成分とする分割型複合繊維(VA)を分割発現して得られた繊維であることが好ましい。上記分割型複合繊維(VA)によれば、容易に極細繊維(va)を発現することができるだけでなく、極細繊維(va)の含有量を容易に調整することができるからである。また、分割型複合繊維(VA)によれば、極細繊維(va)と同時に他の樹脂で構成される極細繊維を発現させることができ、拭き取り性に有利である。さらに、分割型複合繊維(VA)によれば、分割後の極細繊維の形状が扇状、台形状等の異形断面形状を有するので、拭き取り効果が向上し、好ましい。図1に本発明に用いられる分割型複合繊維の繊維断面の一例を示す。分割型複合繊維(VA)の場合、第1成分(1)を変性ビニルアルコール樹脂成分とし、第2成分を他の樹脂成分として用いることができる。
前記分割型複合繊維(VA)は、変性ビニルアルコール樹脂と、ポリオレフィン樹脂とを少なくとも2成分とする分割型複合繊維であることが好ましい。かかる構成によれば、極細繊維(va)とポリオレフィン極細繊維とを容易に発現させることができるだけでなく、適度な濡れ性を示す極細繊維(va)と疎水性を示すポリオレフィン極細繊維とが混合し交絡されるので、水などの液体に対する湿潤性を調整することができる。上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン等の樹脂、またはその共重合体が挙げられる。なかでも、ポリプロピレン樹脂が取り扱い性に優れ、好ましい。
前記分割型複合繊維(VA)の繊度は、得ようとする極細繊維(va)の繊度に応じて適宜設定すればよいが、0.5dtex以上5dtex以下の範囲内であることが好ましい。より好ましい分割型複合繊維(VA)の繊度の下限は、1dtexである。より好ましい分割型複合繊維(VA)の繊度の上限は、4.4dtexである。分割型複合繊維(VA)の繊度が0.5dtex未満であると、繊維の生産性が低下する可能性がある。分割型複合繊維(VA)の繊度が5dtexを超えると、極細繊維(va)を得るのに分割数を増やす必要があり、分割性が低下する可能性がある。また、分割型複合繊維(VA)の分割数は、4以上32以下の範囲内であることが好ましい。
前記分割型複合繊維(VA)における変性ビニルアルコール樹脂と他の樹脂との容積比(変性ビニルアルコール樹脂/他の樹脂)は、9/1〜1/9の範囲内にあることが好ましい。より好ましい容積比は、6/4〜4/6である。分割型複合繊維(VA)における変性ビニルアルコール樹脂と他の樹脂との容積比が1/9未満であると、変性ビニルアルコール樹脂の含有量が少なくなり、対象物への液残りが多くなる傾向にある。容積比が9/1を超えると、変性ビニルアルコール樹脂の含有量が多くなり、繊維の生産性が低下する可能性がある。
次に、合成繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ナイロン6,ナイロン66などのポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂等から構成される繊維が挙げられる。なかでも、繊度0.9dtex以下の極細繊維(b)を含有することが好ましい。好ましい極細繊維(b)の繊度の下限は、0.05dtexである。好ましい極細繊維(b)の繊度の上限は、0.6dtexである。より好ましい極細繊維(b)の繊度の上限は、0.4dtexである。極細繊維(b)の繊度が0.9dtexを超えると、対象物への液残りが多くなる傾向にあるからである。
前記極細繊維(b)に用いられる樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ナイロン6,ナイロン66などのポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリアミド樹脂は、水などの液体に対して適度な濡れ性を示すとともに、汚れなどの拭き取り性に優れ、好ましい。
前記極細繊維(b)は、例えば、上記樹脂を単独で、または2種類以上の樹脂を複合して溶融紡糸することにより得られる。繊維の形態としては、単一型、(偏心)鞘芯型、並列型、分割型、海島型などが挙げられる。なかでも、極細繊維(b)は、分割型複合繊維(B)を分割発現して得られた繊維であることが好ましい。かかる構成によれば、容易に極細繊維(b)を発現することができる。
前記分割型複合繊維(B)は、ポリアミド樹脂と、ポリエステル樹脂とを少なくとも2成分とする分割型複合繊維であることが好ましい。かかる構成によれば、ポリアミド極細繊維とポリエステル極細繊維とを容易に発現させることができるだけでなく、適度な湿潤性を示すポリアミド極細繊維と疎水性を示すポリエステル極細繊維とが混合し交絡されるので、対象物への液残りが少なく、拭き取り性に優れ、好ましい。前記分割型複合繊維(B)におけるポリアミド樹脂と他の樹脂との容積比(ポリアミド樹脂/他の樹脂)は、9/1〜1/9の範囲内であることが好ましい。より好ましい容積比は、6/4〜4/6である。分割型複合繊維(B)におけるポリアミド樹脂と他の樹脂との容積比が1/9未満であると、ポリアミド樹脂の含有量が少なくなり、対象物への液残りが多くなる傾向にある。容積比が9/1を超えると、ポリアミド樹脂の含有量が多くなり、繊維の生産性が低下する可能性がある。
前記分割型複合繊維(B)の繊度は、得ようとする極細繊維(b)の繊度に応じて適宜設定すればよいが、0.5dtex以上5dtex以下の範囲内であることが好ましい。より好ましい分割型複合繊維(B)の繊度の下限は、1dtexである。より好ましい分割型複合繊維(B)の繊度の上限は、4.4dtexである。分割型複合繊維(B)の繊度が0.5dtex未満であると、繊維の生産性が低下する可能性がある。分割型複合繊維(B)の繊度が5dtexを超えると、極細繊維(b)を得るのに分割数を増やす必要があり、分割性が低下する可能性がある。また、分割型複合繊維(B)の分割数は、4以上32以下の範囲内であることが好ましい。
また、前記分割型複合繊維(B)は、下記の方法により得られるウェブ収縮率を20%以上60%以下の範囲内とする繊維(以下、熱収縮性分割型複合繊維という)であることが好ましい。
[ウェブ収縮率]
分割型複合繊維(B)で目付120g/m2のウェブを形成し、これに水流を噴射して水流交絡処理して分割型複合繊維(B)の分割率が60%以上に調整したウェブを、70℃の温水で25秒間浸漬したときの面積収縮率をいう。
前記ウェブ収縮率を上記範囲内とすることにより、その収縮の作用によって不織布表面をより緻密にすることができ、液滴を小さくして液残りを少なくするだけでなく、拭き取り性を向上させることができるからである。さらに、分割型複合繊維(B)を構成する2種類以上の樹脂成分の収縮率差を設けると、収縮の作用によって分割型複合繊維(B)の分割性を促進することができるので、上記と同様の効果が得られる。上記ウェブ収縮率を満たす熱収縮性分割型複合繊維としては、例えば、ポリアミド樹脂とポリエステル樹脂の組み合わせで、分割型に複合紡糸したフィラメントを2.5倍以下で延伸処理することにより得ることができる。
前記極細繊維(va)を含有する繊維層は、極細繊維(va)を繊維層中に20mass%以上含有することが好ましい。より好ましい極細繊維(va)の含有量の下限は、30mass%である。極細繊維(va)は100mass%であってもよいが、好ましい極細繊維(va)の含有量の上限は、80mass%である。より好ましい極細繊維(va)の含有量の上限は、60mass%である。極細繊維(va)が少なくなると、対象面への液残りが多くなる傾向にある。
前記極細繊維(va)を含有する繊維層には、極細繊維(va)以外の繊維を含有してもよい。極細繊維(va)以外の繊維としては、コットン、パルプ、麻などの天然繊維、ビスコースレーヨン、溶剤紡糸レーヨン、キュプラなどの再生繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネートなどのポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維、アクリル繊維等が挙げられる。ただし、極細繊維(va)以外の繊維の繊度があまり大きくなると、対象面への液残りが多く、拭き取り性が低下する可能性があるため、繊度を2.5dtex以下とすることが好ましい。また、極細繊維(va)が適度な湿潤性を有しており、当該繊維層に過度な湿潤性を付与すると、対象面への液残りが多くなるため、上記天然繊維、再生繊維を含有させる場合は、30mass%以下にするとよい。
前記極細繊維(va)が分割型複合繊維(VA)を分割発現させた繊維である場合、極細繊維(va)の含有量は、分割型複合繊維(VA)の分割率及び質量比(容積比)によって決定される。分割型複合繊維(VA)の分割率は、30%以上であることが好ましい。より好ましい分割率の下限は、60%以上である。分割型複合繊維(VA)の分割率が30%未満であると、極細繊維(va)の含有量が少なくなるだけでなく、未分割の分割型複合繊維(VA)の含有量が多くなるため、対象面への液残りが多くなる傾向にあるからである。上述したように本発明では、分割型複合繊維(VA)の分割率によって繊維層を構成する繊維群が変化する。例えば、分割率が100%であれば、極細繊維(va)及び変性ビニルアルコール樹脂以外の樹脂で構成される極細繊維の2種類で構成され、分割率が100%に満たない場合であれば、極細繊維(va)と変性ビニルアルコール樹脂以外の樹脂で構成される極細繊維以外に、分割途上の分割型複合繊維(VA)及び/または未分割の分割型複合繊維(VA)が混在した繊維層となる。
前記分割型複合繊維(VA)は、繊維層中に60mass%以上含有することが好ましい。より好ましい分割型複合繊維(VA)の含有量の下限は、80mass%である。最も好ましくは、分割型複合繊維(VA)のみで繊維層を構成することである。分割型複合繊維(VA)の含有量が60mass%未満であると、分割型複合繊維(VA)が分割発現しても、極細繊維(va)の含有量が少なくなるからである。
前記極細繊維(va)を含有する繊維層の形態としては、例えば、カードウェブ、エアレイウェブ、湿式抄紙ウェブ、スパンボンドウェブ、メルトブローウェブなどが挙げられる。前記極細繊維(va)を含有する繊維層と、前記極細繊維(b)を含有する繊維層とを水流交絡したときの交絡性を考慮すると、カードウェブであることが好ましい。
前記極細繊維(va)を含有する繊維層の目付は、8g/m2以上50g/m2以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましい目付の下限は、10g/m2である。より好ましい目付の上限は、25g/m2である。極細繊維(va)を含有する繊維層の目付が8g/m2未満であると、対象面への液残りが多くなる傾向にあるからである。極細繊維(va)を含有する繊維層の目付が50g/m2を超えると、ワイパーとしたときに取り扱い性が低下する可能性がある。
次に、前記合成繊維を含有する繊維層は、極細繊維(b)を含有することが好ましく、極細繊維(b)は繊維層中に10mass%以上含有することが好ましい。より好ましい極細繊維(b)の含有量の下限は、15mass%である。極細繊維(b)が少なくなると、対象面への液残りが多くなる傾向にある。
前記極細繊維(b)を含有する繊維層には、極細繊維(b)以外の繊維を含有してもよい。極細繊維(b)以外の繊維としては、コットン、パルプ、麻などの天然繊維、ビスコースレーヨン、溶剤紡糸レーヨン、キュプラなどの再生繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネートなどのポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維、アクリル繊維等が挙げられる。ただし、極細繊維(b)以外の繊維の繊度があまり大きくなると、対象面への液残りが多く、拭き取り性に劣る可能性があるため、繊度を5dtex以下とすることが好ましい。また、当該繊維層に過度な湿潤性を付与すると、対象面への液残りが多くなるため、上記天然繊維、再生繊維を含有させる場合は、30mass%以下にするとよい。
前記極細繊維(b)が分割型複合繊維(B)を分割発現させた繊維である場合、極細繊維(b)の含有量は、分割型複合繊維(B)の分割率及び質量比(容積比)によって決定される。分割型複合繊維(B)の分割率は、10%以上であることが好ましい。より好ましい分割率の下限は、50%である。分割型複合繊維(B)の分割率が10%未満であると、極細繊維(b)の含有量が少なくなるだけでなく、未分割の分割型複合繊維(B)の含有量が多くなるため、対象面への液残りが多くなる可能性があるからである。上述したように本発明では、分割型複合繊維(B)の分割率によって繊維層を構成する繊維群が変化する。例えば、分割率が100%であれば、2種類以上の樹脂で構成される極細繊維(b)で繊維層が構成され、分割率が100%に満たない場合であれば、極細繊維(b)以外に、分割途上の分割型複合繊維(B)及び/または未分割の分割型複合繊維(B)が混在した繊維層となる。
前記分割型複合繊維(B)は、繊維層中に60mass%以上含有することが好ましい。より好ましい分割型複合繊維(B)の含有量の下限は、70mass%である。最も好ましくは、分割型複合繊維(B)のみで繊維層を構成することである。分割型複合繊維(B)の含有量が60mass%未満であると、分割型複合繊維(B)が分割発現しても、極細繊維(b)の含有量が少なくなるからである。
前記合成繊維を含有する繊維層の形態としては、例えば、カードウェブ、エアレイウェブ、湿式抄紙ウェブ、スパンボンドウェブ、メルトブローウェブなどが挙げられる。前記極細繊維(b)を含有する繊維層と、前記極細繊維(va)を含有する繊維層とを水流交絡したときの交絡性を考慮すると、カードウェブであることが好ましい。
前記合成繊維を含有する繊維層の目付は、6g/m2以上40g/m2以下の範囲内であることが好ましい。より好ましい目付の下限は、10g/m2である。より好ましい目付の上限は、30g/m2である。極細繊維(b)を含有する繊維層の目付が6g/m2未満であると、対象面への液残りが多くなる傾向にあるからである。極細繊維(b)を含有する繊維層の目付が40g/m2を超えると、水流交絡しても極細繊維(va)が不織布の表面付近で交絡しない可能性がある。
前記極細繊維(va)を含有する繊維層と、当該繊維層の両面に積層される前記極細繊維(b)を含有する繊維層との積層比率(質量比率)は、積層不織布全質量に対する極細繊維(va)を含有する繊維層を質量で表したとき、25mass%以上80mass%以下の範囲内であることが好ましい。より好ましい質量比率の下限は、30mass%である。より好ましい質量比の上限は、60mass%である。極細繊維(va)を含有する繊維層の質量比率が25mass%未満であると、対象面への液残りが多くなる傾向にある。極細繊維(va)を含有する繊維層の質量比率が80mass%を超えると、ワイパーにしたとき取り扱い性が低下する可能性があるからである。
本発明のワイパー用積層不織布の目付は、20g/m2以上120g/m2以下の範囲内であることが好ましい。より好ましい目付の下限は、30g/m2である。より好ましい目付の上限は、90g/m2である。ワイパー用積層不織布の目付が20g/m2未満であると、不織布の地合いが低下する傾向にある。目付が120g/m2を超えると、ワイパーとして使用したとき取り扱い性が低下する可能性があり、またコスト高となるからである。
次に、本発明のワイパー用積層不織布の製造方法の一例を説明する。まず、前記極細繊維(va)または後に極細繊維(va)を発現する繊維を準備し、前述した形態の繊維ウェブを形成する。一方、前記合成繊維、好ましくは極細繊維(b)または後に極細繊維(b)を発現する繊維を準備し、前述した形態の繊維ウェブを形成する。次いで、前記極細繊維(va)または後に極細繊維(va)を発現する繊維を含有する繊維ウェブの両面に、合成繊維、好ましくは極細繊維(b)または後に極細繊維(b)を発現する繊維を含有する繊維ウェブを積層する(積層ウェブ)。そして、前記積層ウェブをウェブ搬送支持体の上に載置し、積層ウェブの片面または両面に水流を噴射して水流交絡処理が施される。水流交絡処理条件は、得ようとする積層不織布の目付などに応じて適宜設定することができる。例えば、孔径0.05mm以上0.5mm以下のオリフィスが0.5mm以上1.5mm以下の間隔で設けられたノズルから、水圧3MPa以上15MPa以下の水流を、積層ウェブの表裏面側からそれぞれ1〜4回ずつ噴射するとよい。特に、積層ウェブ中に分割型複合繊維を含有する場合には、分割性を考慮して水圧を調整することができ、水圧を6MPa以上12MPa以下とするとよい。
前記水流交絡された積層ウェブは、水分を除去するために乾燥される。積層ウェブには、必要に応じて熱接着性バインダー繊維を混合してもよく、この場合、乾燥後または乾燥と同時に熱接着性バインダー繊維のみを溶融する温度で熱処理を行うとよい。熱接着性バインダー繊維としては、繊度が4dtex以下であることが好ましい。ただし、積層不織布全体として30mass%を超えない範囲であることが好ましい。
前記極細繊維(b)は、分割型複合繊維(B)を分割発現して得られた繊維であり、前記分割型複合繊維(B)が前記熱収縮性分割型複合繊維である場合、変性ビニルアルコール樹脂を少なくとも1成分とする分割型複合繊維(VA)を含む繊維層の両面に、熱収縮性分割型複合繊維を含有する繊維層を積層し(積層ウェブ)、水流交絡処理により変性ビニルアルコールを含む極細繊維(va)を分割発現するとともに積層ウェブを一体化した後、面積収縮率が10%以下となるように熱処理するとよい。より好ましい面積収縮率の上限は、8%である。さらに好ましい面積収縮率の上限は、6%である。面積収縮率が10%を超えると、熱収縮性分割型複合繊維の収縮作用によって、不織布表面に凹凸が発生する傾向にあり、ひいては対象面への液残りが多くなる可能性がある。面積収縮率を10%以下に調整する熱処理の方法としては、例えば、ピンテンター、クリップテンター等で不織布の幅方向の収縮を所望の範囲とするとともに、ロール速度等を調整して不織布の機械方向の収縮を所望の範囲に調整することにより得ることができる。
このようにして得られた本発明のワイパー用積層不織布は、必要に応じて流動パラフィンなどを付着させて乾式ワイパーとして用いることができる。
また、本発明のワイパー用積層不織布は、必要に応じて水、アルコール、界面活性剤、化粧料などの湿潤剤を含浸、噴霧、コーティング等の方法により付着させて湿潤ワイパーとして用いることができる。湿潤ワイパーとして用いる場合、前記積層不織布100質量部に、湿潤剤を50質量部以上300質量部以下の範囲内で含有することが好ましい。
以下、本発明のワイパー用積層不織布について実施例を挙げて詳しく説明する。なお、ウェブ収縮率、厚み、引張強力、破断伸度、分割率、不織布の面積収縮率、拭き取り性、液残り性、および油脂汚れの拭き取り性は、下記のようにして測定した。
[ウェブ収縮率]
分割型複合繊維(B)で目付120g/m2のウェブを形成し、これに水流を噴射して水流交絡処理して分割型複合繊維(B)の分割率が60%以上となるように調整して収縮処理前ウェブとした。具体的には、ウェブを搬送用支持体に載置して4m/分の速度で搬送し、孔径0.08mmのオリフィスが0.6mmの間隔で設けられたノズルから、柱状水流を水圧5MPaで1回、8MPaで2回噴射した後、反対面を水圧8MPaで2回噴射して水流交絡するとともに、分割型複合繊維(B)の分割率が80%となるように調整した。
収縮処理前ウェブを縦15cm×横15cmにカットして、70℃の温水で25秒間浸漬して収縮処理した後のウェブの大きさ(縦TA、横WA)を測定し、下記式より算出した。
ウェブ収縮率(%)={(15×15−TA×WA)/15×15}×100
[厚み]
厚み測定機(商品名:THICKNESS GAUGE モデルCR−60A (株)大栄科学精器製作所製)を用い、試料1cm2あたり2.94cNの荷重を加えた状態で測定した。
[引張強力、破断伸度]
JIS−L−1096に準じ、幅5cm、長さ15cmの試験片をつかみ間隔10cmで把持し、定速伸長型引張試験機(商品名:テンシロン、オリエンテック(株)製)を使用して引張速度20cm/分で伸長し、試験片の切断時の荷重値および伸長率をそれぞれ引張強力、破断伸度とした。
[分割率]
不織布の機械方向が断面となるように束ねて空間の生じないようにし、電子顕微鏡にて300倍に拡大して任意に3箇所撮影し、撮影写真の分割している単繊維の数を、前記単繊維数と一部分割した繊維及び未分割の繊維の数の合計で除して、100を乗じた値を分割率とした。
[不織布の面積収縮率]
後述する積層ウェブを15cm×15cmにカットし、実施例に記載の条件で熱処理した時の収縮率を測定した。
[拭き取り性]
縦方向(不織布の機械方向)に30cm、横方向(不織布の幅方向)に21cmとなるように裁断した積層不織布を試料とし、試料100質量部に対して200質量部の水を含浸させて湿潤ワイパーを作製した。前記湿潤ワイパーを四つ折りにして、予め泥汚れを付着させた30cm×50cmの大きさのガラス面を3往復させた後の拭取り状況を目視で観察し、◎、○、△、×の四段階で評価した。なお評価基準は下記のとおりとした。
◎:汚れが全てきれいに落ちた。
○:汚れが殆ど落ちた。
△:汚れが少し残っている。
×:汚れ残りが多い。
[液残り性]
前記湿潤ワイパーを四つ折りにして、30cm×50cmの大きさのガラス面の上に5ccの水滴をスポイトで垂らし、その水滴の上を湿潤ワイパーで3往復させた後のガラス面に残った水滴の状態を目視で観察し、下記の5段階の等級で評価した。n=2で評価したときの平均等級を液残り性とした。
1級:液残りが多く、水滴がかなり大きく、乾燥すると水垢が目立つ。
2級:液残りしており、水滴が大きく、乾燥すると水垢が確認できる。
3級:液残りが所々にあり、水滴は小さいが、乾燥すると多少水垢が確認できる。
4級:液残りが少しあるが、水滴が小さく、乾燥しても水垢が目立たない。
5級:液残りがなく、乾燥しても水垢が存在しない。
[油脂汚れの拭き取り性]
(1)払拭率
A.前記ワイパー用積層不織布(ドライ)を縦11cm×横7cmにカットし、試料とした。
B.アクリル製プラスチック板(質量a)に油性インキで縦20cm×横7cmの枠を描き、その上に下記に示すモデル皮脂(約0.2g)を幅45mmの工作用ハケで均一に塗布した(質量b)。
C.縦5cm×横7cm、厚み2mmのポリエチレン製スポンジパッド(山崎産業(株)製、ガラス拭きワイパー)に試料を取り付け、500gの荷重をスポンジパッド上に置き、それぞれ方向が一致するように前記枠内にセットした。
D.スポンジパッドを縦方向(20cmの枠内)にゆっくりと引きながら皮脂を拭き取った。
E.拭き取り後のアクリル製プラスチック板の質量(c)を測定し、下記式で払拭率を算出した。
払拭率(%)={1−(c−a)/(b−a)}×100
(2)拭き取り回数
A.前記ワイパー用積層不織布(ドライ)を縦11cm×横7cmにカットし、試料とした。
B.縦30cm×横60cmの大きさの鏡面上に下記に示すモデル皮脂をスポイトで1滴(約0.04ml)滴下した。
C.試料を4つ折りにして、鏡面を2本の指で押さえながら、縦方向に約20cm長さで4つ折りにした試料を移動し往復させて皮脂を拭き取ったとき、鏡面の曇りがなくなるまでの往復回数を拭き取り回数とした。
(3)モデル皮脂
モデル皮脂の組成は、以下の通りである。
A.スクワラン 16.1%
B.トリオレイン 31.5%
C.オレイン酸 46.0%
D.流動パラフィン 6.7%
[実施例1]
変性ビニルアルコール樹脂を含む分割型複合繊維(VA)として、第1成分(変性ビニルアルコール樹脂成分)をエチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン含有量38モル%)とし、第2成分をポリプロピレン樹脂とした、繊度が3.3dtex、繊維長が45mmの図1(b)の繊維断面を有する16分割型複合繊維(大和紡績(株)製、商品名:DF−2)を準備した。
分割型複合繊維(B)として、第1成分をナイロン6樹脂とし、第2成分をポリエチレンテレフタレート樹脂とした、繊度4.4dtex、繊維長45mmの図1(b)の繊維断面を有する16分割型熱収縮性複合繊維(大和紡績(株)製、商品名:DFH−5)を使用した。
次いで、パラレルカード機を用いて目付12.5g/m2の分割型複合繊維(VA)からなるパラレルカードウェブ(VA)を作製した。一方で、パラレルカード機を用いて目付18.75g/m2の分割型複合繊維(B)からなるパラレルカードウェブ(B)を作製した。パラレルカードウェブ(VA)の両面にパラレルカードウェブ(B)が配置されるように積層して、三層構造の積層ウェブとした。
前記積層ウェブを経糸の線径が0.2mm、緯糸の線径が0.2mmでありメッシュの平織の搬送用支持体上に載置し、積層ウェブ上に孔径が0.12mmのオリフィスが1mm間隔で積層ウェブの幅方向に一直線に配列されたノズルから水圧2.5MPaの水流を2回噴射し、積層ウェブを裏返して同じノズルから水圧4MPaの水流を2回噴射して、水流交絡処理を施して、積層ウェブを一体化した。
次いで、前記水流交絡処理した積層ウェブを、積層ウェブの長さ方向の両端を把持し、幅方向の両端を自由にした状態にして、温度140℃に設定された熱風加工機を用いて乾燥と同時に熱処理して、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる極細繊維(va)を含有する繊維層の両面に、ナイロン6およびポリエチレンテレフタレートからなる極細合成繊維(b)を含有する繊維層が積層された本発明のワイパー用積層不織布を得た。
[実施例2]
分割型複合繊維(B)として、第1成分をナイロン6樹脂とし、第2成分をポリエチレンテレフタレート樹脂とした、繊度2.5dtex、繊維長45mmの図1(b)の繊維断面を有する16分割型複合繊維(大和紡績(株)製、商品名:DFF−5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で水流交絡処理した積層ウェブを得た。次いで、前記水流交絡処理した積層ウェブを実施例1と同様の方法で熱処理して、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる極細繊維(va)を含有する繊維層の両面に、ナイロン6およびポリエチレンテレフタレートからなる極細合成繊維(b)を含有する繊維層が積層された本発明のワイパー用積層不織布を得た。
[実施例3]
分割型複合繊維(B)として、第1成分をナイロン6樹脂とし、第2成分をポリエチレンテレフタレート樹脂とした、繊度3.3dtex、繊維長45mmの図1(b)の繊維断面を有する16分割型複合繊維(大和紡績(株)製、商品名:DF−5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で水流交絡処理した積層ウェブを得た。次いで、前記水流交絡処理した積層ウェブを実施例1と同様の方法で熱処理して、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる極細繊維(va)を含有する繊維層の両面に、ナイロン6およびポリエチレンテレフタレートからなる極細合成繊維(b)を含有する繊維層が積層された本発明のワイパー用積層不織布を得た。
[比較例1]
前記分割型複合繊維(VA)の代わりに、繊度1.7dtex、繊維長44mmのレーヨン繊維(ダイワボウレーヨン(株)製、商品名:コロナ)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして積層不織布を作製した。
[比較例2]
前記分割型複合繊維(VA)の代わりに、繊度1.1dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート繊維(PET)(東レ(株)製、商品名:テトロン)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして積層不織布を作製した。
上記実施例1〜3及び比較例1〜2の物性を表1に示す。
Figure 2005120504
実施例1〜3のワイパー用積層不織布は、いずれも対象面への液残りが少なく、かつ拭き取り性に優れるものであった。特に、実施例1の積層不織布は、収縮性を有する分割型複合繊維を用いて、水流交絡処理した後、不織布の長さ方向及び幅方向への収縮を10%以下に調整することにより、対象面への液残り性及び拭き取り性が優れていた。また、実施例1〜3のワイパー用積層不織布は、中間層を構成するエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる極細繊維が水流交絡処理によって不織布の内部だけでなく表面付近にも存在していた。そのためか、油脂汚れに対する拭き取り性および保持性に優れていた。
一方、比較例1の積層不織布は、中間層を構成するレーヨン繊維が水流交絡処理によって不織布の表面付近にも存在していた。レーヨン繊維に水分が残存するためか、対象面への液残りが多く、拭き取り性も十分ではなかった。さらに、比較例2の積層不織布は、中間層を構成するポリエチレンテレフタレート繊維が水流交絡処理によって不織布の表面付近にも存在していた。そのためか、対象面の水分の吸い上げ効果が小さく、対象面への液残りが多く、拭き取り性も十分ではなかった。
本発明のワイパー用積層不織布は、ディスプレーなどのOA機器類、眼鏡、自動車、キッチン、靴などの対物、および対人に付着した汚れおよび油脂汚れのある対象面を拭き取るワイパーに好適に用いることができる。
本発明の分割型複合繊維における繊維断面の一例を示す。
符号の説明
1 第1成分
2 第2成分

Claims (13)

  1. 繊度が0.9dtex以下であり、変性ビニルアルコール樹脂を含む極細繊維(va)を含有する繊維層の両面に、合成繊維を含有する繊維層が積層され、水流交絡により一体化されてなるワイパー用積層不織布。
  2. 前記極細繊維(va)が、変性ビニルアルコール樹脂を少なくとも1成分とする分割型複合繊維(VA)を分割発現して得られる繊維である請求項1に記載のワイパー用積層不織布。
  3. 前記分割型複合繊維(VA)が、変性ビニルアルコール樹脂と、ポリオレフィン樹脂とを少なくとも2成分とする分割型複合繊維である請求項2に記載のワイパー用積層不織布。
  4. 前記変性ビニルアルコール樹脂が、エチレン含有量を30モル%以上50モル%以下の範囲内とするエチレン−ビニルアルコール共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載のワイパー用積層不織布。
  5. 前記合成繊維が、繊度を0.9dtex以下とする極細繊維(b)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のワイパー用積層不織布。
  6. 前記極細繊維(b)が、ポリアミド樹脂を含む繊維である請求項5に記載のワイパー用積層不織布。
  7. 前記極細繊維(b)が、分割型複合繊維(B)を分割発現して得られる繊維である請求項5または6に記載のワイパー用積層不織布。
  8. 前記分割型複合繊維(B)が、ポリアミド樹脂と、ポリエステル樹脂とを少なくとも2成分とする分割型複合繊維である請求項7に記載のワイパー用積層不織布。
  9. 前記分割型複合繊維(B)が、下記の方法により得られるウェブ収縮率を20%以上60%以下の範囲内とする繊維(以下、熱収縮性分割型複合繊維という)である請求項7または8に記載のワイパー用積層不織布。
    [ウェブ収縮率]
    分割型複合繊維(B)で目付120g/m2のウェブを形成し、これに水流を噴射して水流交絡処理して分割型複合繊維(B)の分割率を60%以上に調整したウェブを、70℃の温水で25秒間浸漬したときの面積収縮率をいう。
  10. 前記積層不織布が、極細繊維(va)を20mass%以上含有する繊維層の両面に、極細繊維(b)を10mass%以上含有する繊維層が積層されてなる請求項1〜9のいずれかに記載のワイパー用積層不織布。
  11. 前記積層不織布が、分割型複合繊維(VA)を60mass%以上含有する繊維層の両面に、熱収縮性分割型複合繊維を60mass%以上含有する繊維層が積層されてなる不織布である請求項1〜10のいずれかに記載のワイパー用積層不織布。
  12. 変性ビニルアルコール樹脂を少なくとも1成分とする分割型複合繊維(VA)を含む繊維ウェブの両面に、熱収縮性分割型複合繊維を含む繊維ウェブを積層し(以下、積層ウェブという)、水流交絡処理により変性ビニルアルコール樹脂を含む極細繊維(va)を分割発現するとともに積層ウェブを一体化した後、面積収縮率が10%以下となるように熱処理するワイパー用積層不織布の製造方法。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載のワイパー用積層不織布、または請求項12に記載の製造方法により得られるワイパー用積層不織布100質量部に、湿潤剤を50質量部以上300質量部以下の範囲内で含有してなる湿潤ワイパー。
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