JP2005120312A - 電気接点用グリース組成物 - Google Patents

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涼 佐藤
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喜郎 吉田
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信 大石
Takeshi Sasaki
剛 佐々木
Hiroshi Kimura
浩 木村
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Abstract

【課題】 広温度域作動力特性に優れ、かつ鉛フリーリフローはんだ付け等の高温度にさらされても、その後の接触安定性が良好な電気接点用グリース組成物を提供すること。
【解決手段】 合成炭化水素油を含有する基油と、炭素原子数12〜24の水酸基を有する高級脂肪酸のリチウム塩と、炭素原子数4〜12の二塩基酸のリチウム塩からなるリチウムコンプレックス石鹸を含有する増ちょう剤と、示差熱重量分析による重量減少の補外開始温度が220℃以上であるフェノール系酸化防止剤を含むことを特徴とする電気接点用グリース組成物。

Description

本発明は電子機器におけるスイッチなどの摺動電気接点に用いられる潤滑グリース組成物に関する。特にはんだ付けにおける高温度環境下にさらされ、導通する電流が微小電流から数アンペア程度までの接点に優れた特性を有する電気接点用グリース組成物に関する。
スイッチなどの摺動電気接点には、潤滑を目的としてグリースが使用されることが多い。その中で、シリコーン油を基油としたグリースは、安定した広高温度域作動力特性を示すが、アークが発生する回路定格では、シリコーンの低分子量成分の蒸発・酸化により、絶縁物であるシリカ(SiO2)を生成し、接触障害を生じるという欠点がある。
また、基油に鉱油や合成炭化水素油を使用し、増ちょう剤として金属石鹸を使用したグリースにおいては、アークへの影響はないものの、基油の粘度変化が大きく、広温度域作動力特性を発揮することが困難である。
これらの問題を回避するグリースとしては、基油に鉱油や合成炭化水素油を使用し、増ちょう剤としてウレア化合物を含有する増ちょう剤を含むグリースが報告されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、近年の環境問題に対する鉛フリー化の動きから、電気部品の基板へのはんだ付けには、従来の鉛入りはんだに比べ融点の高い鉛フリーはんだを使用するようになり、特にリフローはんだ付け工程においては、グリースが塗布されている金属接点部の温度が、金属石鹸やウレア化合物を含有する増ちょう剤の融点を超え、安定な電気接点特性が得られない場合があり、更なる検討が必要となってきている。
特開2000−109862
従って、本発明の目的は、広温度域作動力特性に優れ、かつリフローはんだ付け(特に鉛フリーリフローはんだ付け)等の高温度にさらされても、その後の接触安定性が良好な電気接点用グリース組成物を提供することである。
本発明は以下のグリース組成物を提供するものである。
1.合成炭化水素油を含有する基油と、炭素原子数12〜24の水酸基を有する高級脂肪酸のリチウム塩と、炭素原子数4〜12の二塩基酸のリチウム塩からなるリチウムコンプレックス石鹸を含有する増ちょう剤と、示差熱重量分析による重量減少の補外開始温度が220℃以上であるフェノール系酸化防止剤を含むことを特徴とする電気接点用グリース組成物。
2.炭素原子数12〜24の水酸基を有する高級脂肪酸のリチウム塩と、炭素原子数4〜12の二塩基酸のリチウム塩のモル比が、1:1〜8:1である上記1記載の電気接点用グリース組成物。
3.リチウムコンプレックス石鹸の含有量が5〜25質量%である、上記1又は2記載の電気接点用グリース組成物。
4.フェノール系酸化防止剤の含有量が0.1〜5質量%である、上記1〜3のいずれか1項記載の電気接点用グリース組成物。
5.基油の40℃の動粘度が5〜70mm2/s である、上記1〜4のいずれか1項記載の電気接点用グリース組成物。
本発明の電気接点用グリース組成物は、広温度域作動力特性に優れ、かつリフローはんだ付け(特に鉛フリーリフローはんだ付け)等の高温度にさらされても、その後の接触安定性が良好であり、導通する電流が微小電流から数アンペア程度までの電気接点に優れた特性を有する。
本発明の基油に使用する合成炭化水素油としては、分子構造が炭素と水素からなるもので、例えばPAO(ポリαオレフィン)、ポリブテン、ポリエチレン、αオレフィンとエチレンの共重合体など、オレフィンの重合物が挙げられる。基油として合成炭化水素油を使用することにより、樹脂に応力割れを発生させることがない。本発明に使用する基油は、40℃の動粘度が好ましくは5〜70mm2/s 、さらに好ましくは30〜70mm2/sである。動粘度が高すぎると、潤滑油膜が厚くなり電気が通り難くなる、即ち接触安定性に悪影響を与える。
本発明の基油は、合成炭化水素油のみで構成されていてもよいが、鉱油や他の合成油を含むこともできる。本発明の基油中の、合成炭化水素油の含有量は、好ましくは80質量%以上、更に好ましくは85質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。基油の含有量が80質量未満では、グリースの流動性が低下し、電気的な接触が不安定になる傾向がある。
本発明のグリース組成物に使用する増ちょう剤は、炭素原子数12〜24の水酸基を有する高級脂肪酸のリチウム塩と、炭素原子数4〜12の二塩基酸のリチウム塩からなるリチウムコンプレックス石鹸を含有する。炭素原子数12〜24の水酸基を有する高級脂肪酸の具体例としては、ヒドロキシステアリン酸、例えば、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、及び9−、10−位に二重結合をもつリシノレイン酸が挙げられる。特に好ましいものは、12−ヒドロキシステアリン酸である。
炭素原子数4〜12の二塩基酸の具体例としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピリメン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。特に好ましいものは、アゼライン酸である。
炭素原子数12〜24の水酸基を有する高級脂肪酸のリチウム塩と、炭素原子数4〜12の二塩基酸のリチウム塩からなるリチウムコンプレックス石鹸の含有量は、好ましくは5〜25質量%であり、さらに好ましくは10〜20質量%である。5質量%未満では組成物が液体に近くなり、25質量%を超えると組成物が硬くなり過ぎる傾向がある。
高級脂肪酸のリチウム塩と二塩基酸のリチウム塩のモル比は、好ましくは1:1〜1:8、さらに好ましくは1:1〜1:4、最も好ましくは1:2〜1:3である。
本発明のグリース組成物はさらに酸化防止剤を含む。本発明のグリース組成物に添加する酸化防止剤は、はんだリフロー時の増ちょう剤の分解防止を目的とするものである。リフロー条件は、これまでの鉛入りはんだで220〜230℃、鉛フリーはんだで260〜280℃となり、鉛フリーはんだに対応させるためには、電気接点用グリースにおいてもより高い耐熱性能が求められる。
そのため本発明のグリース組成物に使用される酸化防止剤は、示差熱重量分析(大気内にて昇温速度10℃/分)での重量減少の補外開始温度が、220℃以上であり、好ましくは260℃以上、さらに好ましくは280℃以上である。このような酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、例えば、4,4’−メチレンビス−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(補外開始温度225℃)、オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(補外開始温度295℃)、等が挙げられる。
本発明のグリース組成物中の酸化防止剤の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは1.0〜3.0質量%である。酸化防止剤の含有量が5質量%を超えると高温湿放置後の接触安定性が悪くなる傾向があり、また、0.1質量%未満では、本発明の効果が発揮されにくい。
以下実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
(試験グリース)
表1に示す質量比で下記の基油、増ちょう剤、添加剤を含有するグリース組成物を調製し、その特性を以下の方法により評価した。
基油
合成炭化水素油(PAO1): 動粘度(40℃) 30 mm2/s
合成炭化水素油(PAO2): 動粘度(40℃) 60 mm2/s
合成炭化水素油(PAO3): 動粘度(40℃) 70 mm2/s
ポリオールエステル油(PE):動粘度(40℃) 33 mm2/s
増ちょう剤
12−ヒドロキシステアリン酸リチウム(C18Li)
アゼライン酸二リチウム(C9Li)
脂肪族ジウレア(MDI/C8)(MDIとn−オクチルアミンから調製)
酸化防止剤1:オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(補外開始温度295℃)
酸化防止剤2:2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール(補外開始温度145℃)
(試験方法)
樹脂ベンディング試験(グリースによる樹脂の応力割れを評価)
6.35×12.7×127 mmのABS樹脂製試験片の中央部に変位3mmの曲げ応力を与え、この中央凸部に試験グリースを塗布する。これを80℃の温度に4時間放置し、折れ、亀裂、ひび割れなどの発生の有無を確認する。
○:異常なし
△:微細なひび割れ
×:折れ
広温度域作動力特性試験
試験スイッチに、グリースを塗布し、−40℃に2時間放置したあと、その温度で作動荷重を測定する。作動力は、作動荷重を接点数で割り算出する。
○:作動力20gf未満
△:作動力20〜100gf
×:作動力100gf超
高温溶解性試験
銀メッキした試験片にグリースを塗布し、所定の温度に金属板を加温する。塗布したグリースの形状の変化より、グリースの組成変化を判断する。
○:260℃以上で変化なし
△:230〜260℃で流れる
×:230℃以下で流れる
接触安定性試験
高温湿放置
銀メッキした試験片にグリースを塗布し、60℃95%RHの高温湿度槽内に120時間放置した後、槽外に出し、室温にて2時間放置後、先端がR0.5の銀メッキ棒を加重20gfで接触させ、接触抵抗を4端子法で測定する。
○:接触抵抗0.1Ω未満
△:接触抵抗0.1〜10Ω
×:接触抵抗10Ω以上
リフロー後
試験スイッチにグリースを塗布し、Max.260℃のリフロー条件にてはんだ付けを行い、1日室温にて放置後、電気接触の安定度をオシロスコープにより観察する。
○:バウンス発生せず
△:1msec以下のバウンス発生
×:1msec以上のバウンス発生
Figure 2005120312

評価欄中の「−」は試験をしなかったことを意味する。
表1から以下のことがわかる。
高級脂肪酸リチウム塩を含むが二塩基性リチウム塩を含まない増ちょう剤を使用した比較例1のグリース組成物は、高温溶解性が低く230℃以下で溶解した。
脂肪族ジウレアの増ちょう剤を使用した比較例2のグリース組成物は、高温溶解性が低く230℃以下で溶解した。
基油にポリオールエステル油を使用した比較例3のグリース組成物は、樹脂ベンディング試験でABS樹脂製試験片が折れた。
補外開始温度が145℃のフェノール系酸化防止剤を使用した比較例4のグリース組成物は、リフロー後の接触安定性が10Ω以上となり、1msecのバウンスが発生した。
これに対して所定の基油、増ちょう剤及び酸化防止剤を含有する実施例1〜4のグリース組成物は、樹脂ベンディング試験、広温度域作動力特性、高温溶解性、接触安定性のすべてにおいて良好な結果を与えた。
本発明の電気接点用グリース組成物は、広温度域作動力特性に優れ、かつリフローはんだ付け(特に鉛フリーリフローはんだ付け)等の高温度にさらされても、その後の接触安定性が良好であり、導通する電流が微小電流から数アンペア程度までの電気接点に優れた特性を有する。

Claims (5)

  1. 合成炭化水素油を含有する基油と、炭素原子数12〜24の水酸基を有する高級脂肪酸のリチウム塩と、炭素原子数4〜12の二塩基酸のリチウム塩からなるリチウムコンプレックス石鹸を含有する増ちょう剤と、示差熱重量分析による重量減少の補外開始温度が220℃以上であるフェノール系酸化防止剤を含むことを特徴とする電気接点用グリース組成物。
  2. 炭素原子数12〜24の水酸基を有する高級脂肪酸のリチウム塩と、炭素原子数4〜12の二塩基酸のリチウム塩のモル比が、1:1〜8:1である請求項1記載の電気接点用グリース組成物。
  3. リチウムコンプレックス石鹸の含有量が5〜25質量%である、請求項1又は2記載の電気接点用グリース組成物。
  4. フェノール系酸化防止剤の含有量が0.1〜5質量%である、請求項1〜3のいずれか1項記載の電気接点用グリース組成物。
  5. 基油の40℃の動粘度が5〜70mm2/s である、請求項1〜4のいずれか1項記載の電気接点用グリース組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007080764A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Nippon Koyu Ltd 電気接点間のアークによる損傷抑制方法
CN101240214B (zh) * 2008-03-12 2010-07-21 益田润石(北京)化工有限公司 一种电接点润滑防护剂

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