JP2005119520A - 交流電気鉄道の電源設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気車のパンタグラフ構成の違い、複数パンタグラフ間の接続/非接続の違いにも、別電源の制御モード切替えおよび負荷移行制御を簡単にする。
【解決手段】エアセクションは、電気車が通過するときに、少なくとも1つのパンタグラフが当該エアセクション内に位置する長さにした電源設備構成とする。パンタグラフ間を接続した電気車の前方のパンタグラフが入口側エアセクションに進入したとき(b)から後方のパンタグラフが該エアセクションを抜け出すまで(d)に、M座電源から別電源に負荷移行制御する。
電気車が出口側エアセクションを通過するときは、前方のパンタグラフが進入したときから後方のパンタグラフが抜け出すまでに、別電源から「これから電気車に電力を供給する電源」に負荷移行制御する。パンタグラフ間を非接続とした電気車がエアセクションを通過するときも同様の負荷移行制御を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】エアセクションは、電気車が通過するときに、少なくとも1つのパンタグラフが当該エアセクション内に位置する長さにした電源設備構成とする。パンタグラフ間を接続した電気車の前方のパンタグラフが入口側エアセクションに進入したとき(b)から後方のパンタグラフが該エアセクションを抜け出すまで(d)に、M座電源から別電源に負荷移行制御する。
電気車が出口側エアセクションを通過するときは、前方のパンタグラフが進入したときから後方のパンタグラフが抜け出すまでに、別電源から「これから電気車に電力を供給する電源」に負荷移行制御する。パンタグラフ間を非接続とした電気車がエアセクションを通過するときも同様の負荷移行制御を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、新幹線などの電気車が異電源区間を通過するための電源切替セクションにおいて、中セクションに別電源装置を設けた交流電気鉄道の電源設備に係り、特に複数パンタグラフ構成の電気車が入口側または出口側エアセクションを通過するときの別電源装置の制御方式に関する。
新幹線などの交流電気鉄道では、3相電力系から単相電力を得るのに、3相電圧不平衡を軽減するため、3相−2相変換器としてスコットトランスを用い、二次側に2つの単相(M座とT座)電源を得ている。他の方式として、ウッドブリッジトランスを用い、二次側に2つの単相(A座とB座)電源を得ている。
このようなトランスを設けた電気鉄道変電所からトロリー線に電力供給するのに、変電所直下およびき電区分所には異電源突き合わせの切替セクションが設けられる。
この切替セクション構成と新幹線のパンタグラフの関係を図3に示す。切替セクションは車両の最大パンタグラフ間隔以上になる距離にした中セクション(一般には1000m)の両端にエアセクション部D1,D2(一般には50m)を設け、エアセクション部D1,D2の両端と中セクション間に開閉器(切替遮断器)SW1,SW2を設けた構成である。なお、両エアセクション部D1,D2と中セクションとの突き合わせ部分は互いにオーバーラップした構造にされる。
この構成により、全車両が中セクション範囲内に到達するまでは、開閉器SW1を閉、開閉器SW2を開としておくことで開閉器SW1側の電源から電力を供給し続け、全車両が中セクションを走行中に開閉器SW1を開、開閉器SW2を閉に切り替えることで開閉器SW2側の電源から電力の供給を開始する。これにより、開閉器の切換時に瞬時停電はあるが連続した電力供給を可能にし、新幹線の運転者は、異電源区間の通過を意識することなく、そのままエアセクション部の走行運転ができる。
上記の切替セクション構成において、切替遮断器SW1,SW2は、電気車の通過の度に電流を遮断しながら開閉動作を行うため、寿命が短く、定期的な設備点検及び設備更新が必要であり、コスト的に大きな負担となっている。
また、切替遮断器の開閉サージは、投入位相等の条件によっては過大な電圧が発生することもあり、切替遮断器の極間短絡事故も起きている。
以上のような課題を解決する方式として、図4に基本構成を示すように、従来の切替遮断器SW1,SW2を省略可能とし、中セクションには電圧と位相を制御した電力を供給できる別電源装置PSを設けた電源設備を提案している(例えば、特許文献1参照)。
この電源設備では、別電源装置PSは電気車が中セクションに進入する前および電気車の全車両が中セクションに進入するまでは「それまで電気車に電力を供給していた電源(M座電源)」と同等の電圧と位相に合わせた制御をし、電気車が中セクションを抜け出す前および電気車の全車両が中セクションを抜け出すまでは「これから電気車に電力を供給する電源(T座電源)」と同等の電圧と位相に合わせた制御をする。
上記の別電源装置を設けた場合、電気車のパンタグラフが入口側エアセクション部を通過するときに、それまで電気車に電力を供給していた電源側(例えば、M座電源)の変圧器やき電線路等に蓄えられた電気エネルギーを入口側エアセクションのエアギャップ部で消費することになり、入口側エアセクション部にアークが発生する。同様に、電気車のパンタグラフが出口側エアセクション部を通過するときに、電気車にそれまで電力を供給していた別電源装置PSに出力電流遮断が発生し、その出力変圧器等に蓄えられた電気エネルギーで出口側エアセクション部にアークが発生する。
これらアークを抑制するため、電気車のパンタグラフが入口側エアセクション部を通過するときにM座電源から別電源装置PSに負荷を移行させておき、また、電気車のパンタグラフが出口側エアセクション部を通過するときに別電源装置PSからT座電源に負荷を移行させておくという制御方式を本願出願人等は提案している。
特開2003−205772
前記の別電源装置を設けた切替セクションとする場合、電気車が切替セクションを通過するときは、以下の走行状況を呈する。
・モード1(電気車が切替セクションに進入する前):電気車はM座(A座)電源から電力を供給されて走行する。
・モード2(電気車がエアセクション部D1を走行するとき):M座(A座)電源と別電源装置が電気車のパンダブラフで短絡され、電気車は両方の電源から電力を供給されて走行する。
・モード3(電気車が中セクションを走行するとき):電気車は別電源装置から電力を供給されて走行する。
・モード4(電気車がエアセクション部D2を走行するとき):別電源装置とT座(B座)電源とが電気車のパンダブラフで短絡され、電気車は両方の電源から電力を供給されて走行する。
・モード5(電気車が切替セクションを抜けたとき):電気車はT座(B座)電源から電力を供給されて走行する。
以上のようなモードの切り替わりに対して、電気車をスムーズに切替セクションを通過させるためには、別電源装置はモード1から5の走行状況に応じて、以下の制御が必要となる。
モード1:別電源装置の電圧と位相をM座(A座)電源のそれらに合わせる制御。
モード2:電気車の負荷をM座(A座)電源から別電源装置に移行する制御。
モード3:別電源装置から電気車に電力を供給しながら、T座(B座)電源と同等の電圧と位相に合わせる制御。
モード4:電気車の負荷を別電源装置からT座(B座)電源に移行する制御。
モード5:電気車が切替セクションを抜けたときにモード1に戻す制御。
以上のことから、別電源装置には、モード1からモード5の切り替え機能をもつ制御装置が設けられるが、モード2およびモード4における負荷移行制御には、電気車のパンタグラフの構成と入口側および出口側エアセクションとの関係で複雑な制御が必要になる。この関係を以下に説明する。
まず、電気車のパンタグラフ構成は、1パンタグラフ方式と複数パンタグラフ方式があり、複数パンタグラフ方式の場合は、電気車の内部でパンタグラフ間を電気的に接続しておく接続方式と電気的に接続しない非接続方式がある。
また、国内の一般的なパンタグラフ方式はトロリー線からの集電の信頼性を確保するため、2パンタグラフ方式が多く採用されている。但し、途中から行き先が分かれる場合は、2パンダグラフが二組で編成されて電気車が走行している場合もある。図5に代表的なパンダグラフの種類と構成図を示す。
図5の(a)に示す1パンタグラフ方式の電気車が切替セクションを通過する場合の走行状況は前記のモード1からモード5までが順次発生するため、別電源装置は制御モードの複雑な切り替えをしなくとも、電圧/位相合わせ制御と負荷移行制御を行って電気車を走行させることができる。但し、負荷移行制御にはパンタグラフがエアセクションを通過する時間が短く、別電源装置には負荷移行制御を短時間内に終了できる高速応答性が要求される。
図5の(b)〜(d)に示す複数パンタグラフ方式でパンタグラフ間の長さは、現状ではエアセクションの長さ(30メートル程度)より長いため、電気車のパンタグラフが両エアセクションを通過する場合にそれぞれ複雑な走行モードの組み合わせが必要となる。
なお、図5の(d)に示すパンタグラフ構成は、等価的には(b)の構成の電気車が一体で走行する状況、または(c)の構成の電気車が走行する状況になり、複数パンタグラフ構成では結果的に図5の(b)または(c)に示す2パンタグラフ構成と見なすことができる。
これら複数パンタグラフ構成の電気車がエアセクション部D1を通過するときの走行状況を図6及び図7を用いて2パンタグラフの接続方式と非接続方式の例で説明する。
(1)2パンタグラフ接続方式の場合
・モードA(図6のa)
電気車が切替セクションに入る前の走行状態。中セクションの別電源装置はM座電源と同等の電圧/位相に合わせる電圧位相シフト制御をする。これは1パンダグラフ方式の制御と同じであり問題はない。
・モードA(図6のa)
電気車が切替セクションに入る前の走行状態。中セクションの別電源装置はM座電源と同等の電圧/位相に合わせる電圧位相シフト制御をする。これは1パンダグラフ方式の制御と同じであり問題はない。
・モードB(図6のb)
電気車の前方パンタグラフがエアセクションに入ったときの走行状態。このときはエアセクション直近に設けた変流器CTでエアセクションを通した電気車の負荷電流を検出し、前方パンタグラフがエアセクションを抜ける前にこの電流を中セクションの別電源から供給するよう、別電源装置の電圧と位相を制御する負荷移行制御を行う。
電気車の前方パンタグラフがエアセクションに入ったときの走行状態。このときはエアセクション直近に設けた変流器CTでエアセクションを通した電気車の負荷電流を検出し、前方パンタグラフがエアセクションを抜ける前にこの電流を中セクションの別電源から供給するよう、別電源装置の電圧と位相を制御する負荷移行制御を行う。
この制御で前方パンタグラフがエアセクションを抜けるときまでに、M座電源から電気車に供給する電力が別電源装置に移行され、エアセクションにはアーク等を発生せずに前方パンタグラフが通り抜けることができる。このことは1パンタ方式と同じであり特別な制御モード切替ではないため問題が無い。
・モードC(図6のc)
電気車の前方パンタグラフがエアセクションを抜け、後方パンタグラフがエアセクションに達していない走行状態。この状態はM座電源と別電源装置が、エアセクションと前記CTを介さず、前方パンタグラフ→電気車の内部接続→後方パンタグラフを通して接続している。
電気車の前方パンタグラフがエアセクションを抜け、後方パンタグラフがエアセクションに達していない走行状態。この状態はM座電源と別電源装置が、エアセクションと前記CTを介さず、前方パンタグラフ→電気車の内部接続→後方パンタグラフを通して接続している。
このときは前記CTで電気車電流を検出できない状態になっているため、別電源装置は該CTの出力を利用した負荷移行制御ができない状態にある。このため、別電源装置ではこのような走行状態を何らかの方法で検出して、別電源装置が安定にM座電源と連系運転および負荷移行ができる特別な制御方式が必要になる。この点が1パンタグラフ方式と異なり複雑な制御を必要とする。
・モードD(図6のd)
電気車の後方パンタグラフがエアセクションに入ったときの走行状態。この状態になると前記CTに再びエアセクションの電気車の電流が流れ、M座電源と別電源装置が接続される。このため、別電源装置はモードAと同じ方法でエアセクションに流れる電気車の電流を別電源装置に負荷移行制御ができ、電気車の後方パンタグラフがアーク等を発生させずエアセクションを通り抜けることができる。
電気車の後方パンタグラフがエアセクションに入ったときの走行状態。この状態になると前記CTに再びエアセクションの電気車の電流が流れ、M座電源と別電源装置が接続される。このため、別電源装置はモードAと同じ方法でエアセクションに流れる電気車の電流を別電源装置に負荷移行制御ができ、電気車の後方パンタグラフがアーク等を発生させずエアセクションを通り抜けることができる。
走行モードE(図6のe)
電気車がエアセクションを通り抜け、中セクションに入った走行状態。別電源装置はモードDの負荷移行制御から、進行方向のT座電源と同等の電圧と位相に合わせる電圧位相シフト制御に切り替える。1パンタグラフ方式の制御と同じであり、問題はない。
電気車がエアセクションを通り抜け、中セクションに入った走行状態。別電源装置はモードDの負荷移行制御から、進行方向のT座電源と同等の電圧と位相に合わせる電圧位相シフト制御に切り替える。1パンタグラフ方式の制御と同じであり、問題はない。
(2)2パンタグラフ非接続方式の場合
この方式の場合、走行モードA、走行モードB、走行モードD、走行モードE(図7のa,b,d,e)は前記2パンタグラフ接続方式と同じ状況とそれに対する制御になるが、走行モードCで異なる状況が発生する。
この方式の場合、走行モードA、走行モードB、走行モードD、走行モードE(図7のa,b,d,e)は前記2パンタグラフ接続方式と同じ状況とそれに対する制御になるが、走行モードCで異なる状況が発生する。
このモードC(図7のc)では、電気車の前方パンタグラフがエアセクションを抜け、後方パンタグラフがエアセクションに達していない走行状態である。このときは、M座電源と別電源装置は非接続状態となっている。さらに、この直後には後方パンタグラフがエアセクションに進入してくる。
このため、別電源装置は、この走行モードCを何らかの方法で検出し、前方パンタグラフに電力を供給しながら、M座電源と同等の電圧と位相に合わせる電圧圧位相シフト制御が必要になる。この点が1パンタグラフ方式及び2パンタグラフ接続方式と異なりさらに複雑な制御が必要となる。
以上、パンタグラフ構成別および走行モード別に別電源装置に要求される制御モードを説明したように、2パンタグラフ接続方式の電気車の場合は、電気車がエアセクションを通過する走行モード(図6および図7のb〜d)において、異なる制御モードが3回発生する。このため、電気車のパンタグラフの構成を何らかの方法で検出し、制御モードの複雑な切替えと制御方式が必要になる。同様に、これら現象はエアセクションD2においても同じような対応が必要となる。
本発明の目的は、電気車のパンタグラフ構成の違い、複数パンタグラフ間の接続/非接続の違いにも、別電源の制御モード切替えおよび負荷移行制御を簡単にした交流電気鉄道の電源設備を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、電気車の先頭のパンタグラフがエアセクションに進入したときから最後尾のパンタグラフがエアセクションを抜けるまでに、少なくとも1つのパンタグラフが当該エアセクション内に位置する長さにした電源設備構成とし、電気車がエアセクションを通過するときには電気車のパンタグラフでエアセクションの両端電源を常に接続状態にしておくことで、負荷移行制御のための電流検出を可能とするもので、以下の構成を特徴とする。
(1)異電源の突き合わせ箇所に、電気車の入口側エアセクションと出口側エアセクションの間に中セクションを有する切替セクションを備え、電気車が前記中セクションに進入する前および電気車の全車両が中セクションに進入するまでは、別電源を「それまで電気車に電力を供給していた電源」と同等の電圧と位相に合わせた制御をし、電気車が前記中セクションを抜け出す前および電気車の全車両が中セクションを抜け出すまでは、別電源を「これから電気車に電力を供給する電源」と同等の電圧と位相に合わせた制御をする別電源装置を設けた交流電気鉄道の電源設備において、
前記入口側エアセクションおよび出口側エアセクションは、電気車の先頭のパンタグラフが当該エアセクションに進入したときから最後尾のパンタグラフが当該エアセクションを抜けるまでに、少なくとも1つのパンタグラフが当該エアセクション内に位置する長さを有する構成とし、
前記別電源装置は、
電気車の先頭のパンタグラフが前記入口側エアセクションに進入したときから、最後尾のパンタグラフが当該エアセクションを抜け出すまでに、「それまで電気車に電力を供給していた電源」から別電源に負荷移行制御し、電気車の先頭のパンタグラフが前記出口側エアセクションに進入したときから、最後尾のパンタグラフが当該エアセクションを抜け出すまでに、別電源から「これから電気車に電力を供給する電源」に負荷移行制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
前記入口側エアセクションおよび出口側エアセクションは、電気車の先頭のパンタグラフが当該エアセクションに進入したときから最後尾のパンタグラフが当該エアセクションを抜けるまでに、少なくとも1つのパンタグラフが当該エアセクション内に位置する長さを有する構成とし、
前記別電源装置は、
電気車の先頭のパンタグラフが前記入口側エアセクションに進入したときから、最後尾のパンタグラフが当該エアセクションを抜け出すまでに、「それまで電気車に電力を供給していた電源」から別電源に負荷移行制御し、電気車の先頭のパンタグラフが前記出口側エアセクションに進入したときから、最後尾のパンタグラフが当該エアセクションを抜け出すまでに、別電源から「これから電気車に電力を供給する電源」に負荷移行制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
(2)前記制御手段は、
1つのパンタグラフで集電する電気車のパンタグラフが前記入口側エアセクションに進入したときから当該エアセクションを抜け出すまでに、「それまで電気車に電力を供給していた電源」から別電源に負荷移行制御し、電気車のパンタグラフが前記出口側エアセクションに進入したときから当該エアセクションを抜け出すまでに、別電源から「これから電気車に電力を供給する電源」に負荷移行制御することを特徴とする。
1つのパンタグラフで集電する電気車のパンタグラフが前記入口側エアセクションに進入したときから当該エアセクションを抜け出すまでに、「それまで電気車に電力を供給していた電源」から別電源に負荷移行制御し、電気車のパンタグラフが前記出口側エアセクションに進入したときから当該エアセクションを抜け出すまでに、別電源から「これから電気車に電力を供給する電源」に負荷移行制御することを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、別電源装置を中セクションに設けた切替セクションにおいて、電気車がエアセクションを通過するときには電気車のパンタグラフでエアセクションの両端電源が常に接続状態になるようエアセクションを長くし、電気車がエアセクションを通過する間に別電源の負荷移行制御をするようにしたため、電気車のパンタグラフ構成に拘わらず、電気車がエアセクションを通過する時の別電源装置の制御モードは負荷移行制御の1種類となり、制御回路が簡単になり信頼性が向上し、更に複雑な制御モード切替が発生しないため高速な制御が不必要になる。
また、複数パンタグラフの非接続方式の電気車が走行した場合にも、エアセクションを通過する後方パンタグラフの有無を検出する必要がなくなり、別電源の制御モード切替えが簡単になり経済性が向上する。
前記のように、複数パンタグラフ構成の電気車がエアセクションを抜けるときに、電気車が複数パンタグラフ構成で、複数パンタグラフ間の接続/非接続の違い、複数パンタグラフ間の長さの違いによって、別電源装置に複雑な制御が必要となる。
本実施形態では、電気車の先頭のパンタグラフがエアセクションに進入したときから最後尾のパンタグラフがエアセクションを抜けるまでに、少なくとも1つのパンタグラフが当該エアセクション内に位置する長さにした電源設備構成とすることで、上記の課題を解決する。以下、2パンタグラフの接続構成と非接続構成および1パンタグラフ構成について、入口側エアセクションを通過する場合で詳細に説明する。
(1)2パンタグラフが接続された電気車の場合
図1は、2パンタグラフ間が接続された電気車が入口側エアセクションを通過するときの各走行状態を示す。
図1は、2パンタグラフ間が接続された電気車が入口側エアセクションを通過するときの各走行状態を示す。
同図において、モードAとEの走行状態および別電源装置の制御は図6と同じになり、何ら問題とならないため説明から省き、走行モードBからDへの切り換えについて説明する。
・モードB(図1のb)
電気車の前方パンタグラフがエアセクションに入ったときの走行状態。このときは、図6の(b)と同様に、エアセクション直近に設けた変流器CTでエアセクションを通した電気車の負荷電流が検出でき、別電源装置の負荷移行制御を開始できる。
電気車の前方パンタグラフがエアセクションに入ったときの走行状態。このときは、図6の(b)と同様に、エアセクション直近に設けた変流器CTでエアセクションを通した電気車の負荷電流が検出でき、別電源装置の負荷移行制御を開始できる。
・モードC(図1のc)
電気車の前方バンダグラフがエアセクションを抜ける前に、後方パンタグラフがエアセクションに達している走行状態。この状態はM座電源と別電源装置が、エアセクション及び電気車内部接続で接続されている。
電気車の前方バンダグラフがエアセクションを抜ける前に、後方パンタグラフがエアセクションに達している走行状態。この状態はM座電源と別電源装置が、エアセクション及び電気車内部接続で接続されている。
このときは、エアセクション直近に設けた変流器CTでM座電源から電気車への電流が検出できるため、別電源装置は該CTの出力を利用した負荷移行制御を行うことができ、モードBでの負荷移行制御をそのまま継続することができる。
・モードD(図1のd)
電気車の前方パンタグラフがエアセクションを抜けたときの走行状態。この状態では、後方パンタグラフが依然としてエアセクションと接続されているため、M座電源と別電源装置が接続されており、別電源装置はM座電源の電流を別電源装置に負荷移行制御を継続できる。
電気車の前方パンタグラフがエアセクションを抜けたときの走行状態。この状態では、後方パンタグラフが依然としてエアセクションと接続されているため、M座電源と別電源装置が接続されており、別電源装置はM座電源の電流を別電源装置に負荷移行制御を継続できる。
また、電気車の前方パンタグラフがエアセクションを抜けるとき、後方パンタグラフがエアセクションと接触しているため、アーク発生を抑制できる。
したがって、パンタグラフ間を接続した電気車がエアセクションを抜けるときに、モードB〜Dの間は変流器CTによるM座電源の電流を連続して検出することができ、別電源装置はモードB〜D間で負荷移行制御することで済み、簡単な制御になる。
また、別電源装置は、モードBの走行状態で負荷移行制御を開始し、モードDの走行状態の終了までに負荷移行制御を終了することで済み、負荷移行制御の応答性条件が緩和される。特に、図5の(d)に示すパンタグラフ構成の電気車を等価的に図5の(b)と見なして上記の制御を行う場合、電気車が入口側及び出口側のエアセクションを通過する時間が短いため、従来の方式では負荷移行制御の応答性条件が厳しくなるが、本実施形態の場合は十分に余裕をもって負荷移行制御ができる。
(2)2パンタグラフが非接続にされた電気車の場合
図2は、2パンタグラフ間が非接続にされた電気車が入口側エアセクションを通過するときの各走行状態を示す。
図2は、2パンタグラフ間が非接続にされた電気車が入口側エアセクションを通過するときの各走行状態を示す。
同図において、モードA,B,D,Eの走行状態および別電源装置の制御は図1と同じになる。
・モードB(図2のb)
電気車の前方パンタグラフがエアセクションに入ったときの走行状態。このときは、図1の(b)と同様に、エアセクション直近に設けた変流器CTでエアセクションを通した電気車の負荷電流が検出でき、別電源装置の負荷移行制御を開始できる。
電気車の前方パンタグラフがエアセクションに入ったときの走行状態。このときは、図1の(b)と同様に、エアセクション直近に設けた変流器CTでエアセクションを通した電気車の負荷電流が検出でき、別電源装置の負荷移行制御を開始できる。
・モードC(図2のc)
このモードでは、電気車の前方バンダグラフがエアセクションを抜ける前に、後方パンタグラフがエアセクションに達している走行状態。この状態はM座電源と別電源装置がエアセクションで接続されている。
このモードでは、電気車の前方バンダグラフがエアセクションを抜ける前に、後方パンタグラフがエアセクションに達している走行状態。この状態はM座電源と別電源装置がエアセクションで接続されている。
このときは、エアセクション直近に設けた変流器CTでM座電源から電気車への電流が検出できるため、別電源装置は該CTの出力を利用した負荷移行制御を行うことができ、モードBでの負荷移行制御をそのまま継続することができる。
・モードD(図2のd)
電気車の前方パンタグラフがエアセクションを抜けたときの走行状態。この状態では、後方パンタグラフが依然としてエアセクションと接続されているため、M座電源と別電源装置が後方エアセクションで接続されており、別電源装置はM座電源の電流を別電源装置に負荷移行制御を継続できる。また、電気車の前方パンタグラフがエアセクションを抜けるときもアーク発生を抑制できる。
電気車の前方パンタグラフがエアセクションを抜けたときの走行状態。この状態では、後方パンタグラフが依然としてエアセクションと接続されているため、M座電源と別電源装置が後方エアセクションで接続されており、別電源装置はM座電源の電流を別電源装置に負荷移行制御を継続できる。また、電気車の前方パンタグラフがエアセクションを抜けるときもアーク発生を抑制できる。
したがって、パンタグラフ間が非接続にされた電気車がエアセクションを抜けるときに、モードB〜Dの間は変流器CTによるM座電源の電流を連続して検出することができ、別電源装置はモードB〜D間は負荷移行制御のみで済み、簡単な制御になる。
また、別電源装置は、モードBの走行状態で負荷移行制御を開始し、モードDの走行状態の終了までに負荷移行制御を終了することで済み、負荷移行制御の応答性条件が緩和される。この場合も、図5の(d)に示すパンタグラフ構成の電気車を等価的に図5の(c)と見なして上記の制御を行う場合、電気車では入口側及び出口側のエアセクションを通過する時間が短いため、従来の方式では負荷移行制御の応答性条件が厳しくなるが、本実施形態の場合は十分に余裕をもって負荷移行制御ができる。
(3)1パンタグラフ構成の電気車の場合
この場合は、別電源装置は複数パンタグラフを1つのパンタグラフと見なして同様の負荷移行制御を行うことができる。このときの負荷移行制御において、エアセクションの長さを複数パンタグラフ構成の電気車に合わせて長くしているため、パンタグラフがエアセクションを通過する時間が従来の電源設備構成に比べて長くなり、別電源装置は時間余裕を有して負荷移行制御ができる。
この場合は、別電源装置は複数パンタグラフを1つのパンタグラフと見なして同様の負荷移行制御を行うことができる。このときの負荷移行制御において、エアセクションの長さを複数パンタグラフ構成の電気車に合わせて長くしているため、パンタグラフがエアセクションを通過する時間が従来の電源設備構成に比べて長くなり、別電源装置は時間余裕を有して負荷移行制御ができる。
以上までは、電気車が入口側エアセクションを通過する場合で説明しているが、電気車が出口側エアセクションを通過する場合も同様のモードと制御にして同等の作用効果を得ることができる。
D1、D2 切替セクション用のエアセクション
CT 変流器
PS 別電源装置
CT 変流器
PS 別電源装置
Claims (2)
- 異電源の突き合わせ箇所に、電気車の入口側エアセクションと出口側エアセクションの間に中セクションを有する切替セクションを備え、電気車が前記中セクションに進入する前および電気車の全車両が中セクションに進入するまでは、別電源を「それまで電気車に電力を供給していた電源」と同等の電圧と位相に合わせた制御をし、電気車が前記中セクションを抜け出す前および電気車の全車両が中セクションを抜け出すまでは、別電源を「これから電気車に電力を供給する電源」と同等の電圧と位相に合わせた制御をする別電源装置を設けた交流電気鉄道の電源設備において、
前記入口側エアセクションおよび出口側エアセクションは、電気車の先頭のパンタグラフが当該エアセクションに進入したときから最後尾のパンタグラフが当該エアセクションを抜けるまでに、少なくとも1つのパンタグラフが当該エアセクション内に位置する長さを有する構成とし、
前記別電源装置は、
電気車の先頭のパンタグラフが前記入口側エアセクションに進入したときから、最後尾のパンタグラフが当該エアセクションを抜け出すまでに、「それまで電気車に電力を供給していた電源」から別電源に負荷移行制御し、電気車の先頭のパンタグラフが前記出口側エアセクションに進入したときから、最後尾のパンタグラフが当該エアセクションを抜け出すまでに、別電源から「これから電気車に電力を供給する電源」に負荷移行制御する制御手段を備えたことを特徴とする交流電気鉄道の電源設備。 - 前記制御手段は、
1つのパンタグラフで集電する電気車のパンタグラフが前記入口側エアセクションに進入したときから当該エアセクションを抜け出すまでに、「それまで電気車に電力を供給していた電源」から別電源に負荷移行制御し、電気車のパンタグラフが前記出口側エアセクションに進入したときから当該エアセクションを抜け出すまでに、別電源から「これから電気車に電力を供給する電源」に負荷移行制御することを特徴とする請求項1に記載の交流電気鉄道の電源設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
CN105501079A (zh) * | 2014-09-25 | 2016-04-20 | 中车大连电力牵引研发中心有限公司 | 城际轨道车辆的供电系统 |
JP2017522229A (ja) * | 2014-06-17 | 2017-08-10 | 西南交通大学 | 電気鉄道におけるケーブルによる給電システム |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003291694A (ja) * | 2002-04-08 | 2003-10-15 | Meidensha Corp | 交流電気鉄道の電源設備 |
-
2003
- 2003-10-17 JP JP2003357518A patent/JP2005119520A/ja active Pending
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