JP5211853B2 - 交流電気鉄道の中セクション電源切替システム - Google Patents

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本発明は、交流電気鉄道、例えば日本の新幹線(登録商標)システムで一般的に使われている異相電源突合せ区間に設けられた中セクションの電源切替システムに関する。
従来、交流電気鉄道において、隣接する2つの変電所から送られるき電電力を切替える区間(異相電源突合せ区間)には、例えば図4に示すような切替セクションが設けられていた。
図4は新幹線システムで使用されている切替セクションを示し、1a,1bは、隣接する2つの変電所の互いに異なる相の交流電源2a,2bに各々接続されたき電線である。
き電線1a,1b間には絶縁をとるためのエアセクション3a,3bを介して中セクション4が設けられている。き電線1aと中セクション4を結ぶ電路には切替スイッチaが介挿され、き電線1bと中セクション4を結ぶ電路には切替スイッチbが介挿されている。
5は列車、6はレール(軌道)であり、該レール6には、列車位置を検知する軌道回路(図示省略)が設けられている。前記軌道回路の列車位置検知信号は図示省略の電源切替システムの制御部に送信され、該制御部は前記検知信号に基づいて切替スイッチa,bの投入、開放を制御する。
上記のように構成された装置において、列車5がき電線1aから1b方向に走行する場合、図示省略の軌道回路によって、列車5が例えばき電線1a下の図示位置に存在していると検知されると、電源切替システムの制御部は切替スイッチaを投入し、切替スイッチbを開放する。このため列車5には交流電源2aから電源が供給される。
次に列車5が中セクション4下に進入しその存在位置が検知されると、前記制御部は切替スイッチaを開放した後切替スイッチbを投入する。これによって中セクション4下の列車5には交流電源2bから切替スイッチbを介して電源が供給される。
次に列車5がき電線1bに進入し、その存在位置が検知されると、前記制御部は切替スイッチbを開放し、切替スイッチaを投入する。
上記のような制御によって列車5は異相電源突合せ区間(中セクション4)を力行したままで通過することができる。
また、列車5が前記とは逆方向に走行する場合は、切替スイッチa,bは前記とは逆に制御される。
尚、従来の交流電気鉄道の異電源切替システムとしては、例えば下記特許文献1、2に記載のものが提案されていた。
特開2000−203316号公報 特開2000−125409号公報
交流電気鉄道のき電設備において、異電源を切り替える切替スイッチを制御するための列車「有」、「無」を検知する列車在線検知システムは、旧態依然としたシステムを踏襲しており、信号システムとしては切替システムだけのためにこの列車在線システムを持つことが必要となっている。信号システムにとって、切替スイッチのための在線検知システムを持つ事は、コスト的に大きな負担となっている。
また、切替スイッチを制御するための列車「有」、「無」情報を、信号機器室〜変電所間でやり取りするための制御線配線が必要となるなど、システム間の調整が必要である。さらに、信頼性やメンテナンス性の面からもこれらの信号を無くすことが求められている。
最近の交流電気鉄道の運行管理システム・信号システムは、ディジタル化が進んできたため従来のような軌道回路を必要としなくなってきつつある。すなわち、近年、列車の運行制御にディジタルATC(自動列車制御システム)を採用するようになり、地上子が様々な情報(運行管理や信号制御に必要な情報)を担うことが出来るようになり、異相電源突合せ区間の中セクションの電源切替システムのためだけに軌道回路が残っている。
このため、電源切替システムにおいて軌道回路不要となれば、沿線上の軌道回路用の制御配線を無くすことができ、メンテナンス性が向上し保守費用の軽減が図れるが、現在は電源切替システムの列車在線検知のために軌道回路が残っており、保守費用の負担が大きい。
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、軌道回路無しで電源を切り替えることができる交流電気鉄道の中セクション電源切替システムを提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の交流電気鉄道の中セクション電源切替システムは、隣接する異相交流電源に各々接続された第1、第2のき電線と、前記第1および第2のき電線間に設けられた切替セクションとを具備し、前記切替セクションは、前記第1、第2のき電線とは第1、第2のエアセクションにより各々絶縁され、且つ第3のエアセクションにより2つに分割された第1、第2の中セクションと、前記第1のき電線と第1の中セクションを結ぶ電路に介挿された第1の切替スイッチと、前記第2のき電線と第2の中セクションを結ぶ電路に介挿された第2の切替スイッチと、前記第1の中セクションと第2の中セクションを結ぶ電路に介挿された第3の切替スイッチと、前記第1の切替スイッチおよび第3の切替スイッチの共通接続点と第1の中セクションを結ぶ電路に介挿された第1の変流器と、前記第2の切替スイッチおよび第3の切替スイッチの共通接続点と第2の中セクションを結ぶ電路に介挿された第2の変流器と、前記第1の変流器および第2の変流器の出力電流の有無に基づいて、前記第1〜第3の切替スイッチの投入、開放を制御する切替制御手段とを備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、第1、第2の変流器の出力電流の有無のみによって、切替セクション通過時の列車の位置を検知することができるため、列車位置検知のための軌道回路が不要となる。
また請求項2に記載の交流電気鉄道の中セクション電源切替システムは、請求項1において、前記切替制御手段は、列車が第1のき電線から第2のき電線方向に走行する走行系において、前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しであるときに、前記第1の切替スイッチを投入するとともに、第2および第3の切替スイッチを開放し、前記第1の変流器の出力電流のみ有るか又は第1および第2の変流器の出力電流がともに有るときに、第1および第3の切替スイッチを投入するとともに第2の切替スイッチを開放し、前記第1の変流器の出力電流が無く且つ第2の変流器の出力電流が有るときに、前記第1〜第3の切替スイッチを全て開放し、該開放から所定時間後に前記第2の切替スイッチのみを投入することを特徴としている。
上記構成において、列車が第1のき電線から第2のき電線方向に走行する走行系において、第1および第2の変流器の出力電流がともに無しの場合、列車は未だ切替セクションに存在しないと判断することができ、この時点で切替制御手段は第1のき電線と第1の中セクションを結ぶ電路に介挿されている第1の切替スイッチのみを投入する。
次に列車が第1の中セクション下に進入すると、該列車には第1の交流電源から第1のき電線および第1の切替スイッチを介して電源が供給され、第1の変流器に電流が流れる。
このため列車は第1の中セクション下に存在すると判断することができ、この時点で切替制御手段は第1および第3の切替スイッチを投入する。
次に列車が第1および第2の中セクション下に進入し、列車の前側と後側のパンタグラフが第3のエアセクションを挟むと、後側のパンタグラフには、第1の交流電源から第1のき電線および第1の切替スイッチを介して電源が供給され、前側のパンタグラフには第1の交流電源から第1のき電線、第1の切替スイッチおよび第3の切替スイッチを介して電源が供給される。
このため第1および第2の変流器の出力電流がともに有りとなり、列車が第1および第2の中セクションに跨った位置に存在すると判断することができ、この時点で切替制御手段は第1および第3の切替スイッチの投入状態を維持する。
次に列車が第2の中セクション下に完全に進入すると、該列車には第1の交流電源から第1のき電線、第1および第3の切替スイッチを介して電源が供給され、第1の変流器には電流が流れず第2の変流器にのみ電流が流れる。
このため列車は第2の中セクション下に存在すると判断することができ、この時点で切替制御手段は第1〜第3の切替スイッチをすべて開放した後、例えば250msec後に第2の切替スイッチを投入する。
これによって第2の中セクション下の列車には、前記第1の交流電源に代えて第2の交流電源から第2の切替スイッチを介して電源が供給される(電源が切り替えられる)。
次に列車が第2のき電線下に進入すると、第1および第2の変流器にはともに電流は流れない。このため列車は切替セクションに存在しないと判断することができ、この時点で切替制御手段は、後続の列車が切替セクションに進入してくることに備えて前記同様に第1の切替スイッチのみを投入する。
上記のように列車は異相電源突合せ区間である切替セクションを力行運転のままで通過することができる。また異相電源切替時の異相短絡事故発生は確実に防止される。
また請求項3に記載の交流電気鉄道の中セクション電源切替システムは、請求項1において、前記切替制御手段は、列車が第1のき電線から第2のき電線方向に走行する下り方向走行系において、前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態のときに、前記第1および第2の切替スイッチを投入するとともに第3の切替スイッチを開放し、前記第1の状態から、前記第1の変流器の出力電流が有り第2の変流器の出力電流が無い第2の状態になったときに、前記第2の切替スイッチを開放し、該開放から所定時間後に前記第3の切替スイッチを投入し、前記第2の状態から、前記第1および第2の変流器の出力電流がともに有る第3の状態になったときに、前記第1および第3の切替スイッチの入状態および第2の切替スイッチの切状態を維持し、前記第3の状態から、前記第1の変流器の出力電流が無く且つ第2の変流器の出力電流が有る第4の状態になったときに、前記第1の切替スイッチを開放し、該開放から所定時間後に前記第2の切替スイッチを投入するとともに第3の切替スイッチを開放し、前記第4の状態から、前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態になったときに、前記第1の切替スイッチを投入する、下り方向運転時切替制御を行い、列車が、第2のき電線から第1のき電線方向に走行する上り方向走行系において、前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態のときに、前記第1および第2の切替スイッチを投入するとともに第3の切替スイッチを開放し、前記第1の状態から、前記第1の変流器の出力電流が無く且つ第2の変流器の出力電流が有る第4の状態になったときに、前記第1の切替スイッチを開放し、該開放から所定時間後に前記第3の切替スイッチを投入し、前記第4の状態から、前記第1および第2の変流器の出力電流がともに有る第3の状態になったときに、前記第2および第3の切替スイッチの入状態および第1の切替スイッチの切状態を維持し、前記第3の状態から、前記第1の変流器の出力電流が有り且つ第2の変流器の出力電流が無い第2の状態になったときに、前記第2の切替スイッチを開放し、該開放から所定時間後に前記第1の切替スイッチを投入するとともに第3の切替スイッチを開放し、前記第2の状態から、前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態になったときに、前記第2の切替スイッチを投入する、上り方向運転時切替制御を行うことを特徴としている。
上記構成において、第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態のとき、列車は未だ切替セクションに存在しないと判断することができ、このとき切替制御手段は、列車が、第1のき電線から第2のき電線方向に走行する下り方向走行系、又は第2のき電線から第1のき電線方向に走行する上り方向走行系のいずれの場合であっても、第1および第2のき電線側の第1および第2の切替スイッチをともに投入する制御を行う。
次に、例えば下り方向に走行する列車が第1の中セクション下に進入すると、該列車には第1の交流電源から第1のき電線および第1の切替スイッチを介して電源が供給され、第1の変流器に電流が流れ、第1の変流器の出力電流が有り、第2の変流器の出力電流が無い第2の状態になる。
前記2つの変流器の出力電流の状態に基づいて、第1の状態から第2の状態になったときは列車が第1の中セクション下に存在すると判断することができ、この時点で切替制御手段は、第2のき電線側の第2の切替スイッチを開放した後、例えば250msec後に第3の切替スイッチを投入する。
次に列車が第1および第2の中セクション下に進入し、列車の前側と後側のパンタグラフが第3のエアセクションを挟むと、後側のパンタグラフには、第1の交流電源から第1のき電線および第1の切替スイッチを介して電源が供給され、前側のパンタグラフには第1の交流電源から第1のき電線、第1の切替スイッチおよび第3の切替スイッチを介して電源が供給される。
このため第1および第2の変流器の出力電流がともに有る第3の状態となる。前記2つの変流器の出力電流の状態に基づいて、第2の状態から第3の状態になったときは列車が第1および第2の中セクションに跨った位置に存在すると判断することができ、この時点で切替制御手段は第1および第3の切替スイッチの投入状態を維持する。
次に列車が第2の中セクション下に完全に進入すると、該列車には第1の交流電源から第1のき電線、第1および第3の切替スイッチを介して電源が供給され、第1の変流器には電流が流れず第2の変流器にのみ電流が流れ、第1の変流器の出力電流が無く且つ第2の変流器の出力電流が有る第4の状態となる。前記2つの変流器の出力電流の状態に基づいて、第3の状態から第4の状態になったときは列車が第2の中セクション下に存在すると判断することができ、この時点で切替制御手段は第1の切替スイッチを開放した後、例えば250msec後に第2の切替スイッチを投入するとともに第3の切替スイッチを開放する。
これによって第2の中セクション下の列車には、前記第1の交流電源に代えて第2の交流電源から第2の切替スイッチを介して電源が供給される(電源が切り替えられる)。
次に列車が第2のき電線下に進入すると、第1および第2の変流器にはともに電流は流れず、第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態となる。前記2つの変流器の出力電流に基づいて、第4の状態から第1の状態になったときは、列車が切替セクションに存在しないと判断することができ、この時点で切替制御手段は、他の列車が切替セクションに進入してくることに備えて第1の切替スイッチを投入し、第1および第2の切替スイッチを入状態にし、第3の切替スイッチを切状態にしておく。
上記のように列車は、下り方向に走行する際に、異相電源突合せ区間である切替セクションを力行運転のままで通過することができる。また異相電源切替時の異相短絡事故発生は確実に防止される。
また前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態のときに、前記とは反対方向、すなわち上り方向に走行する列車が第2の中セクション下に進入すると、該列車には第2の交流電源から第2のき電線および第2の切替スイッチを介して電源が供給され、第2の変流器に電流が流れ、第1の変流器の出力電流が無く且つ第2の変流器の出力電流が有る第4の状態になる。
前記2つの変流器の出力電流の状態に基づいて、第1の状態から第4の状態になったときは列車が第2の中セクション下に存在すると判断することができ、この時点で切替制御手段は、第1のき電線側の第1の切替スイッチを開放した後、例えば250msec後に第3の切替スイッチを投入する。
次に列車が第1および第2の中セクション下に進入し、列車の前側と後側のパンタグラフが第3のエアセクションを挟むと、後側のパンタグラフには、第2の交流電源から第2のき電線および第2の切替スイッチを介して電源が供給され、前側のパンタグラフには第2の交流電源から第2のき電線、第2の切替スイッチおよび第3の切替スイッチを介して電源が供給される。
このため第1および第2の変流器の出力電流がともに有る第3の状態となる。前記2つの変流器の出力電流の状態に基づいて、第4の状態から第3の状態になったときは列車が第1および第2の中セクションに跨った位置に存在すると判断することができ、この時点で切替制御手段は第2および第3の切替スイッチの投入状態を維持する。
次に列車が第1の中セクション下に完全に進入すると、該列車には第2の交流電源から第2のき電線、第2および第3の切替スイッチを介して電源が供給され、第2の変流器には電流が流れず第1の変流器にのみ電流が流れ、第2の変流器の出力電流が無く且つ第1の変流器の出力電流が有る第2の状態となる。前記2つの変流器の出力電流の状態に基づいて、第3の状態から第2の状態になったときは列車が第1の中セクション下に存在すると判断することができ、この時点で切替制御手段は第2の切替スイッチを開放した後、例えば250msec後に第1の切替スイッチを投入するとともに第3の切替スイッチを開放する。
これによって第1の中セクション下の列車には、前記第2の交流電源に代えて第1の交流電源から第1の切替スイッチを介して電源が供給される(電源が切り替えられる)。
次に列車が第1のき電線下に進入すると、第1および第2の変流器にはともに電流は流れず、第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態となる。前記2つの変流器の出力電流に基づいて、第2の状態から第1の状態になったときは、列車が切替セクションに存在しないと判断することができ、この時点で切替制御手段は、他の列車が切替セクションに進入してくることに備えて第2の切替スイッチを投入し、第1および第2の切替スイッチを入状態にし、第3の切替スイッチを切状態にしておく。
上記のように列車は、上り方向に走行する際に、異相電源突合せ区間である切替セクションを力行運転のままで通過することができる。また異相電源切替時の異相短絡事故発生は確実に防止される。
上記のように請求項3に記載の発明においては、第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態のときに、第1および第2のき電線側の第1および第2の切替スイッチをともに投入しておくので、第1および第2の変流器の出力電流が第1の状態から第2の状態になったときは、下り方向に走行する列車が第1のき電線から第1の中セクションへ進入したことを、第1および第2の変流器の出力電流のみによって判別することができる。
また、第1および第2の変流器の出力電流が第1の状態から第4の状態になったときは、上り方向に走行する列車が第2のき電線から第2の中セクションへ進入したことを、第1および第2の変流器の出力電流のみによって判別することができる。
これによって単線区間で双方向に列車が走行するときに、列車位置検知信号無しで異相電源の切り替え(切替セクションの切り替え)を行うことができる。
また請求項4に記載の交流電気鉄道の中セクション電源切替システムは、隣接する異相交流電源に各々接続された第1、第2のき電線と、前記第1および第2のき電線間に設けられた切替セクションとを具備し、前記切替セクションは、前記第1、第2のき電線とは第1、第2のエアセクションにより各々絶縁され、且つ第3のエアセクションにより2つに分割された第1、第2の中セクションと、前記第1のき電線と第1の中セクションを結ぶ電路に介挿された第1の切替スイッチと、前記第2のき電線と第2の中セクションを結ぶ電路に介挿された第2の切替スイッチと、前記第1の切替スイッチと第2の切替スイッチを結ぶ接続線と、前記接続線と第1の中セクションを結ぶ電路に介挿された第1の変流器と、前記接続線と第2の中セクションを結ぶ電路に介挿された第2の変流器と、前記第1の変流器および第2の変流器の出力電流の有無に基づいて、前記第1および第2の切替スイッチの投入、開放を制御する切替制御手段とを備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、第1、第2の変流器の出力電流の有無のみによって、切替セクション通過時の列車の位置を検知することができるため、列車位置検知のための軌道回路が不要となる。
また請求項1〜3に記載の発明の第3の切替スイッチが不要になるため、システムの構成を簡素化することができる。
また請求項5に記載の交流電気鉄道の中セクション電源切替システムは、請求項4において、前記切替制御手段は、列車が第1のき電線から第2のき電線方向に走行する走行系において、前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しであるときに、前記第1の切替スイッチを投入するとともに第2の切替スイッチを開放し、前記第1の変流器の出力電流のみ有るか又は第1および第2の変流器の出力電流がともに有るときに、第1の切替スイッチを投入するとともに第2の切替スイッチを開放し、前記第1の変流器の出力電流が無く且つ第2の変流器の出力電流が有るときに、前記第1および第2の切替スイッチを全て開放し、該開放から所定時間後に前記第2の切替スイッチのみを投入することを特徴としている。
上記構成において、列車が第1のき電線から第2のき電線方向に走行する走行系において、第1および第2の変流器の出力電流がともに無しの場合、列車は未だ切替セクションに存在しないと判断することができ、この時点で切替制御手段は第1のき電線と第1の中セクションを結ぶ電路に介挿されている第1の切替スイッチのみを投入する。
次に列車が第1の中セクション下に進入すると、該列車には第1の交流電源から第1のき電線および第1の切替スイッチを介して電源が供給され、第1の変流器に電流が流れる。
このため列車は第1の中セクション下に存在すると判断することができ、この時点で切替制御手段は第1の切替スイッチの投入状態を維持する。
次に列車が第1および第2の中セクション下に進入し、列車の前側と後側のパンタグラフが第3のエアセクションを挟むと、後側のパンタグラフには、第1の交流電源から第1のき電線および第1の切替スイッチを介して電源が供給され、前側のパンタグラフには第1の交流電源から第1のき電線、第1の切替スイッチおよび接続線を介して電源が供給される。
このため第1および第2の変流器の出力電流がともに有りとなり、列車が第1および第2の中セクションに跨った位置に存在すると判断することができ、この時点で切替制御手段は第1の切替スイッチの投入状態を維持する。
次に列車が第2の中セクション下に完全に進入すると、該列車には第1の交流電源から第1のき電線、第1の切替スイッチおよび接続線を介して電源が供給され、第1の変流器には電流が流れず第2の変流器にのみ電流が流れる。
このため列車は第2の中セクション下に存在すると判断することができ、この時点で切替制御手段は第1および第2の切替スイッチをすべて開放した後、例えば250msec後に第2の切替スイッチを投入する。
これによって第2の中セクション下の列車には、前記第1の交流電源に代えて第2の交流電源から第2の切替スイッチを介して電源が供給される(電源が切り替えられる)。
次に列車が第2のき電線下に進入すると、第1および第2の変流器にはともに電流は流れない。このため列車は切替セクションに存在しないと判断することができ、この時点で切替制御手段は、後続の列車が切替セクションに進入してくることに備えて前記同様に第1の切替スイッチのみを投入する。
上記のように列車は異相電源突合せ区間である切替セクションを力行運転のままで通過することができる。また異相電源切替時の異相短絡事故発生は確実に防止される。
また請求項2、3に記載の発明の第3の切替スイッチの制御が不要になるため、切替制御手段の制御が簡素化される。
また請求項6に記載の交流電気鉄道の中セクション電源切替システムは、請求項2又は3において、前記切替制御手段は、前記第1〜第3の切替スイッチのうち、いずれかの切替スイッチで投入又は開放動作の不応動が発生したときは、前記不応動が発生していない切替スイッチを開放した後、前記第1〜第3の切替スイッチを予備器に切り替えることを特徴としている。
上記構成によれば、例えば請求項3に記載の交流電気鉄道の中セクション電源切替システムにおいて、列車が下り方向に走行する際に、第1の状態から第2の状態になったとき、すなわち第1および第2の変流器の出力電流がともに無しの状態から第1の変流器の出力電流が有り且つ第2の変流器の出力電流が無しの状態になったとき、切替制御手段が第2の切替スイッチの開放制御を行ったものの「開放」不応動が発生したとする。
この場合切替制御手段は、不応動が発生していない第1および第3の切替スイッチを開放した後、第1〜第3の切替スイッチをすべて予備器に切り替える。
従来、切替スイッチの故障時には連絡遮断装置を介してき電停止を行った後予備器への切り替えを行っていたが、請求項6の発明によればそのようなき電停止を行う必要はない。
このため切替セクションを通過中の列車の他、当該回線のき電区間を走行中の全ての列車を停電させてしまう不都合は生じない。
(1)請求項1〜6に記載の発明によれば、第1、第2の変流器の出力電流の有無のみによって、切替セクション通過時の列車の位置を検知することができるため、列車位置検知のための軌道回路が不要となる。
このため沿線上の軌道回路用の制御配線を無くすことができ、メンテナンス性が向上し、保守費用の軽減を図ることができる。
(2)また請求項2、3、5に記載の発明によれば、列車は異相電源突合せ区間である切替セクションを力行運転のままで通過することができるとともに、異相電源切替時の異相短絡事故発生は確実に防止される。
(3)また請求項3に記載の発明によれば、単線区間で双方向に列車が走行するときに、列車位置検知信号無しで異相電源の切り替え(切替セクションの切り替え)を行うことができる。
(4)また請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3に記載の発明の第3の切替スイッチが不要になるため、システムの構成を簡素化することができる。
(5)また請求項5に記載の発明によれば、請求項2、3に記載の発明の第3の切替スイッチの制御が不要になるため、切替制御手段の制御が簡素化される。
(6)また請求項6に記載の発明によれば、切替スイッチの故障が発生した回線のき電停止を行うことなく切替スイッチを予備器に切り替えることができるので、切替セクションを通過中の列車の他、当該回線のき電区間を走行中の全ての列車を停電させてしまう不都合は生じない。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例1は請求項1、2に記載の発明の実施例である。図1において図4と同一部分は同一符号をもって示している。き電線1a,1b間には、エアセクション3a,3bにより各々絶縁され、且つエアセクション3cにより2つに分割された中セクション4a,4b(第1、第2の中セクション)が設けられている。
き電線1aと中セクション4aの間には切替スイッチa(第1の切替スイッチ)が接続され、き電線1bと中セクション4bの間には切替スイッチb(第2の切替スイッチ)が接続され、中セクション4a,4b間には切替スイッチc(第3の切替スイッチ)が接続されている。
切替スイッチaおよびcの共通接続点と中セクション4aを結ぶ電路には変流器A(第1の変流器)が介挿され、切替スイッチbおよびcの共通接続点と中セクション4bを結ぶ電路には変流器B(第2の変流器)が介挿されている。
本実施例のシステムにおいては、前記変流器A,Bの各出力電流の有無に基づいて前記切替スイッチの投入、開放を制御する、図示省略の切替制御部(切替制御手段)を備えており、また、列車5の存在位置を検知する軌道回路は設けていない。
次に、上記のように構成されたシステムにおいて、列車5がき電線1aから1b方向(例えば下り線)に走行する場合を例にとり、その動作を表1とともに述べる。
Figure 0005211853
まず列車5が図示のようにき電線1a下に存在する場合、該列車5には交流電源2aからき電線1aを介して電源が供給される。このとき変流器A,Bの出力電流はともに無しであり、列車5は中セクション4a,4bに存在しないと判断され、この場合切替制御部は切替スイッチaを投入し、切替スイッチb、cを開放する。
尚表1において、「∧」は論理積を意味し、「入」は切替スイッチの投入、「切」は切替スイッチの開放を各々示している。
次に列車5が中セクション4a下に進入すると、該列車5には交流電源2aからき電線1a、切替スイッチaおよび中セクション4aを介して電源が供給され、変流器Aに電流が流れる。
このため列車5は中セクション4a下に存在すると判断され、切替制御部は切替スイッチa,cを投入、切替スイッチbを開放状態とする。
次に列車5が中セクション4a,4bに進入し、前側と後側のパンタグラフ5a,5bがエアセクション3cを挟むと、後側のパンタグラフ5bには交流電源2aからき電線1a、切替スイッチaおよび中セクション4aを介して電源が供給され、前側のパンタグラフ5aには交流電源2aからき電線1a、切替スイッチa,cおよび中セクション4bを介して電源が供給される。
このため変流器A,Bの出力電流がともに有りとなり、列車5が中セクション4a,4bに跨った位置に存在すると判断され、切替制御部は切替スイッチa,cの投入状態および切替スイッチbの開放状態を維持する。
次に列車5が中セクション4bに完全に進入すると、該列車5には交流電源2aからき電線1a、切替スイッチa,cおよび中セクション4bを介して電源が供給され、変流器Aには電流が流れず変流器Bにのみ電流が流れる。
このため列車5は中セクション4bに存在すると判断され、切替制御部は切替スイッチa〜cをすべて開放した後、例えば250msec後に切替スイッチbを投入する。
これによって中セクション4b下の列車5には、前記交流電源2aに代えて交流電源2bからき電線1b、切替スイッチbおよび中セクション4bを介して電源が供給される。
尚、前記切替スイッチa〜cをすべて開放した後切替スイッチbの投入を250msec遅らせているのは、列車5(車両側)が異相電源突合せ区間を通過していることを自動検知して自動でノッチのオン、オフを行うようにするためで、ノッチのオン、オフを自動で行える最小時間以上となる所定時間であれば良い。
次に列車5がき電線1b下に進入すると、変流器A,Bにはともに電流は流れない。このため列車は中セクション4a,4bに存在しないと判断され、切替制御部は、後続の列車が中セクション4a,4bに進入してくることに備えて前記同様に切替スイッチaのみを投入する。
上記のように列車5は異相電源突合せ区間である中セクション4a,4bを力行運転のままで通過することができる。
また、3つの切替スイッチa〜cを配設することによりそれらの開閉が2点切りとなり、従来、切替スイッチの開閉時にしばしば発生していた異相電源切替時の異相短絡事故を確実に無くすことができる。
尚、列車5がき電線1bから1a方向に走行する上り線の場合は、前記動作説明の切替スイッチaをbに、変流器AをBに各々置き変えることで同様に電源の切り替えが行われる。
(実施例2)
本実施例2は請求項3に記載の発明の実施例である。前記実施例1の表1で述べた切替制御部の制御は、図1の列車5が一方向(き電線1aから1b方向へ向かう下り線又はき電線1bから1a方向へ向かう上り線)を走行する場合の制御であったが、本実施例2では単線区間を列車5が双方向に走行する場合の制御を表2、表3に示すように行う。
Figure 0005211853
Figure 0005211853
表2は列車5がき電線1aからき電線1b方向に走行する下り方向走行系の場合を示し、動作は表の左から右へ進行する。
表3は列車5がき電線1bからき電線1a方向に走行する上り方向走行系の場合を示し、動作は表の右から左へ進行する。
尚表2、表3において、「∧」は論理積を意味し、「入」は切替スイッチの投入、「切」は切替スイッチの開放を各々示している。
また、表2、表3におけるCT(変流器)の電流の欄の、「A無∧B無」は第1の状態を示し、「A有∧B無」は第2の状態を示し、「A有∧B有」は第3の状態を示し、「A無∧B有」は第4の状態を示している。
まず列車5が図1に示すようにき電線1a下に存在する場合、該列車5には交流電源2aからき電線1aを介して電源が供給される。このとき変流器A,Bの出力電流はともに無しの第1の状態であり、列車5は未だ中セクション4a,4bに存在しないと判断することができる。
このため切替制御部は、下り方向走行系(表2の場合)又は上り方向走行系(表3の場合)のいずれの場合であっても、き電線1aおよび1b側の切替スイッチaおよびbをともに投入する(切替スイッチcは「切」状態にしておく)。
次に表2において、下り方向に走行する列車5が、第1の中セクション4a下に進入すると、該列車5には交流電源2aからき電線1aおよび切替スイッチaを介して電源が供給され、変流器Aに電流が流れ、変流器Aの出力電流が有り、変流器Bの出力電流が無い第2の状態になる。
前記2つの変流器A,Bの出力電流の状態に基づいて、第1の状態から第2の状態になったときは列車5が中セクション4a下に存在すると判断することができ、この時点で切替制御部は、き電線1b側の切替スイッチbを開放した後、所定時間後となる例えば250msec後に切替スイッチcを投入する。
次に列車5が中セクション4a,4b下に進入し、列車5の前側と後側のパンタグラフ5a,5bがエアセクション3cを挟むと、後側のパンタグラフ5bには、交流電源2aからき電線1aおよび切替スイッチaを介して電源が供給され、前側のパンタグラフ5bには交流電源2aからき電線1a、切替スイッチ1および切替スイッチcを介して電源が供給される。
このため変流器A,Bの出力電流がともに有る第3の状態となる。前記2つの変流器A,Bの出力電流の状態に基づいて、第2の状態から第3の状態になったときは列車5が中セクション4a,4bに跨った位置に存在すると判断することができ、この時点で切替制御部は切替スイッチa,cの投入状態を維持する。
次に列車5が第2の中セクション4b下に完全に進入すると、該列車5には交流電源2aからき電線1a、切替スイッチa,cを介して電源が供給され、変流器Aには電流が流れず変流器Bにのみ電流が流れ、変流器Aの出力電流が無く且つ変流器Bの出力電流が有る第4の状態となる。前記2つの変流器A,Bの出力電流の状態に基づいて、第3の状態から第4の状態になったときは列車5が中セクション4b下に存在すると判断することができ、この時点で切替制御部は切替スイッチaを開放した後、所定時間後となる例えば250msec後に切替スイッチbを投入するとともに切替スイッチcを開放する。
これによって中セクション4b下の列車には、前記交流電源2aに代えて交流電源2bから切替スイッチbを介して電源が供給される(電源が切り替えられる)。
次に列車5がき電線1b下に進入すると、変流器A,Bにはともに電流は流れず、変流器A,Bの出力電流がともに無しである第1の状態となる。前記2つの変流器A,Bの出力電流に基づいて、第4の状態から第1の状態になったときは、列車5が中セクション4a,4bに存在しないと判断することができ、この時点で切替制御部は、他の列車が切替セクションに進入してくることに備えて切替スイッチaを投入し、切替スイッチa,bを入状態にし、切替スイッチcを切状態にしておく。
上記のように列車は、下り方向に走行する際に、異相電源突合せ区間である中セクション4a,4bを力行運転のままで通過することができる。また異相電源切替時の異相短絡事故発生は確実に防止される。
また前記変流器A,Bの出力電流がともに無しである第1の状態のときに、表3において、前記とは反対方向、すなわち上り方向に走行する列車、例えば図1の列車5が中セクション4b下に進入すると、該列車5には交流電源2bからき電線1bおよび切替スイッチbを介して電源が供給され、変流器Bに電流が流れ、変流器Aの出力電流が無く且つ変流器Bの出力電流が有る第4の状態になる。
前記2つの変流器A,Bの出力電流の状態に基づいて、第1の状態から第4の状態になったときは列車5が中セクション4b下に存在すると判断することができ、この時点で切替制御部は、き電線1a側の切替スイッチaを開放した後、所定時間後となる例えば250msec後に切替スイッチcを投入する。
次に列車5が中セクション4b、4a下に進入し、列車5の前側と後側のパンタグラフ5a,5bがエアセクション3cを挟むと、後側のパンタグラフ5aには、交流電源2bからき電線1bおよび切替スイッチbを介して電源が供給され、前側のパンタグラフ5bには交流電源2bからき電線1b、切替スイッチbおよび切替スイッチcを介して電源が供給される。
このため変流器A,Bの出力電流がともに有る第3の状態となる。前記2つの変流器A,Bの出力電流の状態に基づいて、第4の状態から第3の状態になったときは列車5が中セクション4a,4bに跨った位置に存在すると判断することができ、この時点で切替制御部は切替スイッチb、cの投入状態を維持する。
次に列車5が中セクション4a下に完全に進入すると、該列車5には交流電源2bからき電線1b、切替スイッチb,cを介して電源が供給され、変流器Bには電流が流れず変流器Aにのみ電流が流れ、変流器Bの出力電流が無く且つ変流器Aの出力電流が有る第2の状態となる。前記2つの変流器A,Bの出力電流の状態に基づいて、第3の状態から第2の状態になったときは列車5が中セクション4a下に存在すると判断することができ、この時点で切替制御部は切替スイッチbを開放した後、所定時間後となる例えば250msec後に切替スイッチaを投入するとともに切替スイッチcを開放する。
これによって中セクション4a下の列車には、前記交流電源2bに代えて交流電源2aから切替スイッチaを介して電源が供給される(電源が切り替えられる)
次に列車5がき電線1a下に進入すると、変流器A,Bにはともに電流は流れず、変流器A,Bの出力電流がともに無しである第1の状態となる。前記2つの変流器A,Bの出力電流に基づいて、第2の状態から第1の状態になったときは、列車5が中セクション4a,4bに存在しないと判断することができ、この時点で切替制御部は、他の列車が中セクション4a.4bに進入してくることに備えて切替スイッチbを投入し、切替スイッチa,bを入状態にし、切替スイッチcを切状態にしておく。
上記のように列車5は、上り方向に走行する際に、異相電源突合せ区間である中セクション4a,4bを力行運転のままで通過することができる。また異相電源切替時の異相短絡事故発生は確実に防止される。
上記のように本実施例2においては、変流器A,Bの出力電流がともに無しである第1の状態のときに、き電線1a,1b側の切替スイッチa,bをともに投入しておくので、変流器A,Bの出力電流が第1の状態から第2の状態になったとき(表2の「A無∧B無」→「A有∧B無」へ移行したとき)は下り方向に走行する列車5がき電線1aから中セクション4aへ進入したことを、変流器A,Bの出力電流のみによって判別することができる。
また、変流器A,Bの出力電流が第1の状態から第4の状態になったとき(表3の「A無∧B無」→「A無∧B有」へ移行したとき)は上り方向に走行する列車5がき電線1bから中セクション4bへ進入したことを、変流器A,Bの出力電流のみによって判別することができる。
これによって単線区間で双方向に列車5が走行するときに、列車位置検知信号無しで異相電源の切り替え(切替セクションの切り替え)を行うことができる。
(実施例3)
本実施例3は請求項4、5に記載の発明の実施例である。
前記実施例1、2においては、中セクション4a,4bを切り替えるために3個の切替スイッチa〜cを用いていたが、本実施例3では、第3の切替スイッチcを除去して図2に示すように構成した。
図2において図1と同一部分は同一符号をもって示している。図2において図1と異なる部分は、前記切替スイッチcを除去し、切替スイッチaと切替スイッチbの間を接続線11で接続した点にあり、その他の部分は図1と同一に構成されている。
図2のように構成されたシステムにおいて、列車5がき電線1aから1b方向(例えば下り線)に走行する場合を例にとり、その動作を表4とともに説明する。
Figure 0005211853
まず列車5が図示のようにき電線1a下に存在する場合、該列車5には交流電源2aからき電線1aを介して電源が供給される。このとき変流器A,Bの出力電流はともに無しであり、列車5は中セクション4a,4bに存在しないと判断され、この場合切替制御部は切替スイッチaを投入し、切替スイッチbを開放する。
尚表4において、前記表1〜表3と同様に、「∧」は論理積を意味し、「入」は切替スイッチの投入、「切」は切替スイッチの開放を各々示している。
次に列車5が中セクション4a下に進入すると、該列車5には交流電源2aからき電線1a、切替スイッチaおよび中セクション4aを介して電源が供給され、変流器Aに電流が流れる。
このため列車5は中セクション4a下に存在すると判断され、切替制御部は切替スイッチaの投入状態および切替スイッチbの開放状態を各々維持する。
次に列車5が中セクション4a,4bに進入し、前側と後側のパンタグラフ5a,5bがエアセクション3cを挟むと、後側のパンタグラフ5bには交流電源2aからき電線1a、切替スイッチaおよび中セクション4aを介して電源が供給され、前側のパンタグラフ5aには交流電源2aからき電線1a、切替スイッチa、接続線11および中セクション4bを介して電源が供給される。
このため変流器A,Bの出力電流がともに有りとなり、列車5が中セクション4a,4bに跨った位置に存在すると判断され、切替制御部は切替スイッチaの投入状態および切替スイッチbの開放状態を維持する。
次に列車5が中セクション4bに完全に進入すると、該列車5には交流電源2aからき電線1a、切替スイッチa、接続線11および中セクション4bを介して電源が供給され、変流器Aには電流が流れず変流器Bにのみ電流が流れる。
このため列車5は中セクション4bに存在すると判断され、切替制御部は切替スイッチaを開放した後、例えば250msec後に切替スイッチbを投入する。
これによって中セクション4b下の列車5には、前記交流電源2aに代えて交流電源2bからき電線1b、切替スイッチbおよび中セクション4bを介して電源が供給される。
尚、前記切替スイッチa,bをすべて開放した後切替スイッチbの投入を250msec遅らせているのは、列車5(車両側)が異相電源突合せ区間を通過していることを自動検知して自動でノッチのオン、オフを行うようにするためで、ノッチのオン、オフを自動で行える最小時間以上となる所定時間であれば良い。
次に列車5がき電線1b下に進入すると、変流器A,Bにはともに電流は流れない。このため列車は中セクション4a,4bに存在しないと判断され、切替制御部は、後続の列車が中セクション4a,4bに進入してくることに備えて前記同様に切替スイッチaのみを投入する。
上記のように列車5は異相電源突合せ区間である中セクション4a,4bを力行運転のままで通過することができる。
尚、列車5がき電線1bから1a方向に走行する上り線の場合は、前記動作説明の切替スイッチaをbに、変流器AをBに各々置き変えることで同様に電源の切り替えが行われる。
本実施例3によれば、変流器A,Bの出力電流の有無のみによって、切替セクション通過時の列車の位置を検知することができるため、列車位置検知のための軌道回路が不要となる。
また前記実施例1、2の切替スイッチcが不要になるため、システムの構成を簡素化することができる。
また前記実施例1、2の切替スイッチcの制御が不要になるため、切替制御手段の制御を簡素化することができる。
(実施例4)
本実施例4は請求項6に記載の発明の実施例である。
従来の電気鉄道のセクション切替システムは、切替遮断器の故障などにより切り替えができなくなった時には、当該回線のき電用遮断器を開放し、き電をトリップさせることによりセクションオーバーを防止しており、セクションを通過中の当該列車の他、当該回線のき電区間を走行中の全ての列車が停電してしまう不都合があった。
このようにき電区分所で切替故障が発生した時は、変電所のき電用遮断器を開放するため、連絡遮断装置を用いて一定時間内にき電を停止する必要があり、システムの複雑さを招いていた。
本実施例4では、図3に示す構成と、以下に説明する切替制御部の動作によって、セクション切り替え用の切替スイッチの故障時に変電所のき電用遮断器を開放してき電停止させることなく復旧させるものである。
図3において図1と同一部分は同一符号をもって示している。図3において図1と異なる点は、中セクション4aの(すなわち切替スイッチaとcの共通接続点の)電圧を検出する計器用変圧器PTaと、中セクション4bの(すなわち切替スイッチcとbの共通接続点の)電圧を検出する計器用変圧器PTbとを設けた点にあり、その他は図1と同一に構成されている。
次に上記のように構成されたシステムにおいて、列車5が一方向(例えば下り方向)にのみ走行する系の場合(表1の制御を行う場合)における、切替スイッチの故障時の動作を述べる。
<パターン1−1>
(1)変流器A,Bの出力電流がともに無く、切替スイッチa「入」、b「切」、c「切」の状態から列車5がエアセクション3aに進入する。
(2)変流器Aが電流を検知する。
(3)切替スイッチcを開放制御するが、ここで切替スイッチcで「開放」不応動が発生したとする。
(4)「入」状態となっている切替スイッチaを開放制御し、中セクション4aを無電圧区間にし、列車5を中セクション4a〜エアセクション3c間で惰行走行させる。
(5)計器用変圧器PTaの「電圧無」で切替スイッチa〜cを予備器(図示省略)に切り替える。
<パターン1−2>
(1)切替スイッチa,cがともに「入」であり、列車5が中セクション4a,4bに進入しパラグラフ5a,5bがエアセクション3cを挟むと変流器A,Bがともに電流を検出する。
(2)次に列車5がセクション4bに完全に進入すると、変流器Aの出力電流が無し、変流器Bの出力電流が有りとなる。
(3)切替スイッチa,cを開放制御するが、ここで切替スイッチa,cで「開放」不応動が発生したとする。
(4)切替スイッチa〜cを予備器に切り替える。
<パターン1−3>
(1)列車5が中セクション4bに完全に進入し、変流器Aの出力電流無し、変流器Bの出力電流が有りとなっている。
(2)切替スイッチa,cを開放し、その250ms後に切替スイッチbを投入制御するが、ここで切替スイッチbで「投入」不応動が発生する。
(3)列車5は中セクション4b下を惰行走行する。計器用変圧器PTbの「電圧無」で切替スイッチa〜cを予備器に切り替える。
<パターン1−4>
(1)列車5が中セクション4bに進入しており、変流器Aの出力電流が無く、変流器Bの出力電流が有る状態にある。
(2)列車5がき電線1bに進入すると変流器Bの出力電流が無しとなる。
(3)切替スイッチaを投入制御するが、ここで切替スイッチaで「投入」不応動が発生したとする。
(4)切替スイッチ4bを開放させて中セクション4bを無電圧区間にした後切替スイッチa〜cを予備器に切り替える。
<パターン1−5>
(1)列車5が中セクション4bに進入しており、変流器Aの出力電流が無く、変流器Bの出力電流が有る状態にある。
(2)列車5がき電線1bに進入すると変流器Bの出力電流が無しとなる。
(3)切替スイッチbを投入制御するが、ここで切替スイッチbで「投入」不応動が発生したとする。
(4)変流器Aの出力電流無しで切替スイッチa〜cを予備器に切り替える。
尚、前記パターン1−1〜1−5のいずれの場合も切替スイッチa〜cを予備器に切り替えた後は、変流器A,Bの出力電流の有無に応じて表1の制御を続行するものである。
上記のように切替スイッチa〜cのいずれかで投入又は開放操作の不応動が発生したときは、不応動が発生していない切替スイッチを開放した後に予備器に切り替えるので、無電圧区間となったときに列車が惰行走行するだけであり、セクション通過列車への運行阻害が殆どなく、また同一き電区間に存在する他の列車への影響を無くすことができる。
次に列車5が下り、上りの双方向に走行する系の場合(表2、表3の制御を行う場合)における切替スイッチの故障時の動作を述べる。
<パターン2−1>
(1)変流器A,Bの出力電流がともに無く、切替スイッチa「入」、b「入」、c「切」の状態から列車5がエアセクション3aに進入する。
(2)変流器Aが電流を検知する。
(3)切替スイッチbを開放制御するが、ここで切替スイッチbで「開放」不応動が発生したとする。
(4)「入」状態となっている切替スイッチaを開放制御し、中セクション4aを無電圧区間にし、列車5を中セクション4a〜エアセクション3c間で惰行走行させる。
(5)変流器Bの出力電流無しで切替スイッチa〜cを予備器に切り替える。
<パターン2−2>
(1)変流器A,Bの出力電流がともに無く、切替スイッチa「入」、b「入」、c「切」の状態から列車5がエアセクション3aに進入する。
(2)変流器Aが電流を検知する。
(3)切替スイッチbを開放制御し、その250ms後に切替スイッチcを投入制御するが、ここで切替スイッcで「投入」不応動が発生したとする。
(4)列車5のパンタグラフがエアセクション3cに進入し、パンタグラフ5a,5bを介して中セクション4bに電圧が生じこれによって計器用変圧器PTbが「電圧有」を検知する。
(5)切替スイッチaを開放制御し、中セクション4aを無電圧区間とし、中セクション4a〜エアセクション3c〜中セクション4b間を惰行走行させる。
(6)計器用変圧器PTbの「電圧無」で切替スイッチa〜cを予備器に切り替える。
<パターン2−3>
(1)変流器A,Bの出力電流がともに無く、切替スイッチa「入」、b「入」、c「切」の状態から列車5がエアセクション3aに進入する。
(2)変流器Aが電流を検知する。
(3)切替スイッチbを開放制御し、その250ms後にスイッチcを投入制御する。
(4)列車5のパンタグラフ5a,5bがエアセクション3cを通過し列車5が中セクション4b下に進入すると、変流器Aの出力電流が無しとなる。
(5)切替スイッチaを開放制御するが、ここで切替スイッチaで「開放」不応動が発生したとする。
(6)「入」状態となっている切替スイッチcを開放制御し、中セクション4bを無電圧区間にし、列車5を中セクション4b〜エアセクション3b間で惰行走行させる。
(7)計器用変圧器PTbの「電圧無」で切替スイッチa〜cを予備器に切り替える。
<パターン2−4>
(1)変流器A,Bの出力電流がともに無く、切替スイッチa「入」、b「入」、c「切」の状態から列車5がエアセクション3aに進入する。
(2)変流器Aが電流を検知する。
(3)切替スイッチbを開放制御し、その250ms後にスイッチcを投入制御する。
(4)列車5のパンタグラフ5a,5bがエアセクション3cを通過し列車5が中セクション4b下に進入すると、変流器Aの出力電流が無しとなる。
(5)切替スイッチaを開放制御し、その250ms後に切替スイッチbを投入制御するが、ここで切替スイッチbで「投入」不応動が発生したとする。
(6)切替スイッチcを開放制御し、中セクション4bを無電圧区間にし、列車5を中セクション4b〜エアセクション3b間で惰行走行させる。
(7)計器用変圧器PTbの「電圧無」で切替スイッチa〜cを予備器に切り替える。
<パターン2−5>
(1)変流器A,Bの出力電流がともに無く、切替スイッチa「入」、b「入」、c「切」の状態から列車5がエアセクション3aに進入する。
(2)変流器Aが電流を検知する。
(3)切替スイッチbを開放制御し、その250ms後にスイッチcを投入制御する。
(4)列車5のパンタグラフ5a,5bがエアセクション3cを通過し列車5が中セクション4b下に進入すると、変流器Aの出力電流が無しとなる。
(5)切替スイッチaを開放制御し、その250ms後に切替スイッチbを投入制御するとともに、切替スイッチcを開放制御する。
(6)列車5がき電線1bに進入し、変流器Bの出力電流無しで切替スイッチaを投入制御するが、ここで切替スイッチaで「投入」不応動が発生したとする。
(7)計器用変圧器PTbの「電圧無」で切替スイッチa〜cを予備器に切り替える。
尚列車5が上り方向に走行する系の場合(表3の制御を行う場合)は、変流器AとBが反転し、切替スイッチaとbが反転した同様の流れとなる。
上記のように本実施例4によれば、切替故障が発生した時に、セクションオーバーを防止するためのき電停止が不要となり、当該回線を走行している他の列車へは何ら影響を及ぼさない。またき電停止が不要となることから、切替故障時のき電停止のための連遮信号やき電用遮断器を再投入するための信号などが不要となり、連遮装置のチャンネル数が少なくなる他、配電盤システムが非常にシンプル化できる。
本発明の実施例1〜3におけるシステムの構成図。 本発明の実施例4,5におけるシステムの構成図。 本発明の実施例6におけるシステムの構成図。 従来の交流電気鉄道の構成図。
符号の説明
1a,1b…き電線、2a,2b…交流電源、3a〜3c…エアセクション、4a,4b…中セクション、5…列車、a,b,c…切替スイッチ、A,B…変流器、PTa、PTb…計器用変圧器。

Claims (6)

  1. 隣接する異相交流電源に各々接続された第1、第2のき電線と、
    前記第1および第2のき電線間に設けられた切替セクションとを具備し、
    前記切替セクションは、前記第1、第2のき電線とは第1、第2のエアセクションにより各々絶縁され、且つ第3のエアセクションにより2つに分割された第1、第2の中セクションと、
    前記第1のき電線と第1の中セクションを結ぶ電路に介挿された第1の切替スイッチと、
    前記第2のき電線と第2の中セクションを結ぶ電路に介挿された第2の切替スイッチと、
    前記第1の中セクションと第2の中セクションを結ぶ電路に介挿された第3の切替スイッチと、
    前記第1の切替スイッチおよび第3の切替スイッチの共通接続点と第1の中セクションを結ぶ電路に介挿された第1の変流器と、
    前記第2の切替スイッチおよび第3の切替スイッチの共通接続点と第2の中セクションを結ぶ電路に介挿された第2の変流器と、
    前記第1の変流器および第2の変流器の出力電流の有無に基づいて、前記第1〜第3の切替スイッチの投入、開放を制御する切替制御手段と
    を備えたことを特徴とする交流電気鉄道の中セクション電源切替システム。
  2. 前記切替制御手段は、
    列車が第1のき電線から第2のき電線方向に走行する走行系において、
    前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しであるときに、前記第1の切替スイッチを投入するとともに、第2および第3の切替スイッチを開放し、
    前記第1の変流器の出力電流のみ有るか又は第1および第2の変流器の出力電流がともに有るときに、第1および第3の切替スイッチを投入するとともに第2の切替スイッチを開放し、
    前記第1の変流器の出力電流が無く且つ第2の変流器の出力電流が有るときに、前記第1〜第3の切替スイッチを全て開放し、該開放から所定時間後に前記第2の切替スイッチのみを投入することを特徴とする請求項1に記載の交流電気鉄道の中セクション電源切替システム。
  3. 前記切替制御手段は、
    列車が第1のき電線から第2のき電線方向に走行する下り方向走行系において、
    前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態のときに、前記第1および第2の切替スイッチを投入するとともに第3の切替スイッチを開放し、
    前記第1の状態から、前記第1の変流器の出力電流が有り第2の変流器の出力電流が無い第2の状態になったときに、前記第2の切替スイッチを開放し、該開放から所定時間後に前記第3の切替スイッチを投入し、
    前記第2の状態から、前記第1および第2の変流器の出力電流がともに有る第3の状態になったときに、前記第1および第3の切替スイッチの入状態および第2の切替スイッチの切状態を維持し、
    前記第3の状態から、前記第1の変流器の出力電流が無く且つ第2の変流器の出力電流が有る第4の状態になったときに、前記第1の切替スイッチを開放し、該開放から所定時間後に前記第2の切替スイッチを投入するとともに第3の切替スイッチを開放し、
    前記第4の状態から、前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態になったときに、前記第1の切替スイッチを投入する、下り方向運転時切替制御を行い、
    列車が、第2のき電線から第1のき電線方向に走行する上り方向走行系において、
    前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態のときに、前記第1および第2の切替スイッチを投入するとともに第3の切替スイッチを開放し、
    前記第1の状態から、前記第1の変流器の出力電流が無く且つ第2の変流器の出力電流が有る第4の状態になったときに、前記第1の切替スイッチを開放し、該開放から所定時間後に前記第3の切替スイッチを投入し、
    前記第4の状態から、前記第1および第2の変流器の出力電流がともに有る第3の状態になったときに、前記第2および第3の切替スイッチの入状態および第1の切替スイッチの切状態を維持し、
    前記第3の状態から、前記第1の変流器の出力電流が有り且つ第2の変流器の出力電流が無い第2の状態になったときに、前記第2の切替スイッチを開放し、該開放から所定時間後に前記第1の切替スイッチを投入するとともに第3の切替スイッチを開放し、
    前記第2の状態から、前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しである第1の状態になったときに、前記第2の切替スイッチを投入する、上り方向運転時切替制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の交流電気鉄道の中セクション電源切替システム。
  4. 隣接する異相交流電源に各々接続された第1、第2のき電線と、
    前記第1および第2のき電線間に設けられた切替セクションとを具備し、
    前記切替セクションは、前記第1、第2のき電線とは第1、第2のエアセクションにより各々絶縁され、且つ第3のエアセクションにより2つに分割された第1、第2の中セクションと、
    前記第1のき電線と第1の中セクションを結ぶ電路に介挿された第1の切替スイッチと、
    前記第2のき電線と第2の中セクションを結ぶ電路に介挿された第2の切替スイッチと、
    前記第1の切替スイッチと第2の切替スイッチを結ぶ接続線と、
    前記接続線と第1の中セクションを結ぶ電路に介挿された第1の変流器と、
    前記接続線と第2の中セクションを結ぶ電路に介挿された第2の変流器と、
    前記第1の変流器および第2の変流器の出力電流の有無に基づいて、前記第1および第2の切替スイッチの投入、開放を制御する切替制御手段と
    を備えたことを特徴とする交流電気鉄道の中セクション電源切替システム。
  5. 前記切替制御手段は、
    列車が第1のき電線から第2のき電線方向に走行する走行系において、
    前記第1および第2の変流器の出力電流がともに無しであるときに、前記第1の切替スイッチを投入するとともに第2の切替スイッチを開放し、
    前記第1の変流器の出力電流のみ有るか又は第1および第2の変流器の出力電流がともに有るときに、第1の切替スイッチを投入するとともに第2の切替スイッチを開放し、
    前記第1の変流器の出力電流が無く且つ第2の変流器の出力電流が有るときに、前記第1および第2の切替スイッチを全て開放し、該開放から所定時間後に前記第2の切替スイッチのみを投入することを特徴とする請求項4に記載の交流電気鉄道の中セクション電源切替システム。
  6. 前記切替制御手段は、前記第1〜第3の切替スイッチのうち、いずれかの切替スイッチで投入又は開放動作の不応動が発生したときは、前記不応動が発生していない切替スイッチを開放した後、前記第1〜第3の切替スイッチを予備器に切り替えることを特徴とする請求項2又は3に記載の交流電気鉄道の中セクション電源切替システム。
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