JP2005119148A - ガスバリア基材、表示デバイス用基板および表示デバイス - Google Patents
ガスバリア基材、表示デバイス用基板および表示デバイス Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005119148A JP2005119148A JP2003356978A JP2003356978A JP2005119148A JP 2005119148 A JP2005119148 A JP 2005119148A JP 2003356978 A JP2003356978 A JP 2003356978A JP 2003356978 A JP2003356978 A JP 2003356978A JP 2005119148 A JP2005119148 A JP 2005119148A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas barrier
- layer
- barrier substrate
- substrate according
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【解決手段】 本発明のガスバリア基材10は、樹脂材料で構成される第1の層1と、該第1の層の少なくとも片面側に設けられ無機材料で構成される第2の層2とを有する実質的に透明なガスバリア基材であって、前記第2の層を構成する無機材料の融点は、1,500℃以下であることを特徴とするものである。また、本発明の表示デバイス用基板は、上述のガスバリア基材を有することを特徴とするものである。また、本発明の表示デバイスは、上述の表示デバイス用基板を有することを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
さらに、透明樹脂等のフィルム基板は、上記要求に応えるだけでなく、ロール方式による生産が可能である点でガラス基板よりも生産性が良くコストダウンの点でも有利である。
しかし、近年では、液晶ディスプレイの大型化、高精細ディスプレイ等の開発に伴いフィルム基板についても、より高度なバリア性が要求されるようになってきた。
また、本発明の目的は、表示デバイスにした際に性能に優れる表示デバイス用基板およびそれを用いた表示デバイスを提供することにある。
(1)樹脂材料で構成される第1の層と、該第1の層の少なくとも片面側に設けられ無機材料で構成される第2の層とを有する実質的に透明なガスバリア基材であって、前記第2の層を構成する無機材料の融点は、1,500℃以下であることを特徴とするガスバリア基材。
(2)前記第2の層が、2層以上形成されているものである上記(1)に記載のガスバリア基材。
(3)前記第2の層の少なくとも片面に、さらに有機材料で構成される第3の層が設けられているものである上記(1)または(2)に記載のガスバリア基材。
(4)前記第2の層は、実質的に非晶状態である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(5)前記第1の層のガラス転移温度[Tg]は、200℃以上である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(6)前記樹脂材料は、ポリエーテルスルホン樹脂またはエポキシ系樹脂を含むものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(7)前記無機材料の融点を[Tm]、前記第1の層のガラス転移温度を[Tg]としたとき、0℃≦(Tm−Tg)≦1,125[℃]なる関係を満足するものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(8)前記無機材料は、複数の金属酸化物を含むものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(9)前記金属酸化物は、酸化珪素を含むものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(10)前記金属酸化物は、さらに酸化アルミニウムを含むものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(11)前記第2の層の表面の算術平均粗さは、10nm以下である上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(12)前記第2の層のJIS K7129Bに規定する水蒸気透過度は、0.1[g/m2/day/40℃、90%RH]以下である上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(13)前記第2の層のJIS K7126Bに規定する酸素透過度は、0.1[cm3/m2/day/1atm/23℃]以下である上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(14)前記ガスバリア基材のJIS K7105に規定する光線透過率は、60%以上である上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(15)前記ガスバリア基材のJIS K7129Bに規定する水蒸気透過度は、0.1[g/m2/day/40℃、90%RH]以下である上記(1)ないし(14)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(16)前記ガスバリア基材のJIS K7126Bに規定する酸素透過度は、0.1[cm3/m2/day/1atm/23℃]以下である上記(1)ないし(15)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(17)カルシウム腐食法による評価で温度50℃、湿度95%、12時間処理後の腐食面積率が、1%以下である上記(1)ないし(16)のいずれかに記載のガスバリア基材。
(18)上記(1)ないし(17)に記載のガスバリア基材を有することを特徴とする表示デバイス用基板。
(19)上記(18)に記載の表示デバイス用基板を有することを特徴とする表示デバイス。
また、本発明によれば、表示デバイスにした際に表示品位が優れる表示デバイス用基板およびそれを用いた表示デバイスを得ることができる。
また、前記樹脂材料で構成される層の樹脂として特定の樹脂を用いた場合、ガスバリア基材のフレキシブル性を特に向上することができる。
また、前記無機材料が複数の金属酸化物を含む場合、非晶質で緻密なガラス薄膜の形成が可能となり、ガスバリア性を特に向上することができる。
また、カルシウム腐食法における腐食面積率が特定の値を有するガスバリア基材を用いる場合、特に表示デバイス用基板とした際の長期信頼性に優れる。
また、カルシウム腐食法における腐食箇所が特定の値を有するガスバリア基材を用いる場合、特に表示デバイス用基板とした際の長期信頼性に優れる。
本発明のガスバリア基材は、樹脂材料で構成される第1の層と、該第1の層の少なくとも片面側に設けられ無機材料で構成される第2の層とを有する実質的に透明なガスバリア基材であって、前記第2の層を構成する無機材料の融点は、1,500℃以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の表示デバイス用基板は、上述のガスバリア基材を有することを特徴とするものである。
また、本発明の表示デバイスは、上述の表示デバイス用基板を有することを特徴とするものである。
図1は、本発明のガスバリア基材の一例を模式的に示す断面図である。
ガスバリア基材10は、樹脂材料で構成される第1の層1の上面(図1上側)に、無機材料で構成される第2の層2が設けられている。
第1の層1を構成する樹脂材料としては、透明性を有する樹脂材料であれば特に限定されず、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリエーテルスルホン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂の中から選ばれる1種以上の樹脂が好ましい。これにより、ガスバリア基材10のフレキシブル性を向上することができる。
前記無機材料の融点は、1,200℃以下であることが好ましく、特に400〜1,000℃が好ましい。前記無機材料の融点が前記上限値を超えるとガスバリア性を向上する効果が低下する場合があり、前記下限値未満であると第2の層2を形成する速度が低下する場合がある。
前記融点は、例えば示差熱分析法、熱機械分析等で評価することできる。
これに対して、本発明ではガスバリア層を構成する無機材料の融点が1,500℃以下のものを用いるものである。このような比較的低融点の無機材料で構成されるガスバリア層は、非晶状態になり易く結晶欠陥に起因するガスバリア性の低下を改善することができる。
これら中でも複数の酸化物を含むことが好ましく、特に複数の酸化物を含むガラスが好ましい。これにより、非晶質で緻密なガラス薄膜が形成されるためガスバリア性を向上することができる。また、複数の酸化物を用いることで融点1,500℃以下にすることが容易となる。
また、前記複数の酸化物は、さらに酸化アルミニウムを含むことが好ましい。これにより、第2の層2の非晶性を特に向上することができる。
また、前記複数の酸化物は、さらに酸化マグネシウムまたは酸化ホウ素を含むことが好ましい。これにより、前記無機材料の融点を低下する効果を向上することができる。
前記算術平均粗さは、例えば20μm×20μm角の領域について原子間力顕微鏡を用いて評価できる。
前記最大高さは、例えば20μm×20μm角の領域について原子間力顕微鏡を用いて評価できる。
実際には、前記光線透過率は、60%以上が好ましく、特に80〜99.5%が好ましい。光線透過率が前記範囲内であると、特に表示デバイス用基板(ディスプレイ基板)やその他光学用基板、包装用フィルム等の高度な透明性が要求される用途に好適に用いることができる。
ここで、前記腐食面積率は、下記の式で求めることができる。
腐食面積率(%)=(カルシウムが腐食により変色した部分の面積/カルシウム部分の面積)×100
1.例えば図1に示すガスバリア基材10を構成する第2の層2上に、水分と反応して腐食するカルシウム層を真空プロセスにて形成した後、水蒸気が不透過であるアルミニウム層で、カルシウム層を封止して水蒸気バリア性評価用セルを形成する。ここで、前記カルシウム層の厚さは200nmとし、前記アルミニウム層の厚さは4μmとした。
また、前記アルミニウム層の表面粗さは、算術平均値が4.6nmとし、最大高さと最大深さは、最大高さが70nmおよび最大深さが3nmとした。
従来のJISに規定する水蒸気透過度の測定では、0.1[g/m2/day/40℃、90%RH]が測定限界であった。しかし、近年、有機ELディスプレイや高精彩カラー液晶ディスプレイなどの高バリア性が要求される用途では、水蒸気透過度に関する高度な要求があり、それらの要求に対して水蒸気透過度を評価することができなかった。
これに対して、本発明では水蒸気透過度が従来のガスバリア基材と比較して非常に小さいガスバリア基材10を得ることができたので、従来の方法では評価できなかったような優れた水蒸気バリア性を評価することができたからである。
本発明のガスバリア基材10は、図1に示す以外の構成を有するガスバリア基材にも適用可能である。他の構成を有するガスバリア基材としては、例えば図2および図3に示すようなものがある。図2および図3は、他の構成を有するガスバリア基材10の断面図である。以下、図1に示すガスバリア基材10との相違点を中心に説明する。
第3の層3としては、種々の機能を有するものが、その目的に応じて用いられる。例えば図2に示すように第1の層1を平滑化する平滑化層としての機能が挙げられる。また、第3の層3の機能としては、密着性を向上する接着層としての機能、バリア性をさらに向上させるバリア層としての機能が挙げられる。
また、第3の層3を第2の層2の上側(図1上側)に設けることもできる。この場合、第3の層3の機能は、第2の層2の保護層としての機能を有するもの、光学反射防止層としての機能を有するもの等が挙げられる。
また、第2の層21の厚さと、第2の層22の厚さとの比は、特に限定されないが、100:1〜1:100が好ましく、特に20:3〜3:20が好ましい。比率が前記範囲内であると、曲げ耐久性に優れる。
なお、第2の層21と、第2の層22とは同じ組成の無機材料で構成されている場合、その界面は明確であっても、明確でなくても良い。
具体的には第2の層21は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ホウ素等で構成されていることが好ましい。また、第2の層22は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ホウ素等で構成されていることが好ましい。これにより、ガスバリア性を特に向上することができる。
また、第2の層21と第2の層22との間に、さらに第3の層が設けられていても良い。
有機ELディスプレイ20は、前述したようなガスバリア基材10に隣接して、電極51と、発光層6と、電極52とがこの順に設けられている。
電極51と、発光層6と、電極52とは、それらの周囲を包囲する封止材7で覆われている。封止材7は、接着剤71によって第2の層2と接着される。封止材7は、電極51と、発光層6と、電極52との封止状態を保つ。
ガスバリア基材10は、前述したように第1の層1と、第2の層2とで構成されている。
また、電極52は、特に透明性を要求されない場合、例えばMg、Ag、Alまたはこれらの金属の複合体で構成される電極を用いることもできる。
封止材7としては、例えば金属缶、ガラス等が挙げられる。
接着剤71としては、例えば紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤、2液エポキシ接着剤等が挙げられる。
この有機ELディスプレイ20に、新規なガスバリア基材10を用いているので、十分な水蒸気バリア性を有している。そのため、水分の浸入による発光層や電極層の劣化等が無く、有機ELディスプレイ20とした際の長期信頼性および表示品位に優れる。
図5は、表示デバイスの一例である液晶表示デバイスを示す断面図である。
液晶表示デバイス30は、液晶組成物5の両面(図5中、上下面)に、配向膜12が設けられている。
それぞれの配向膜12に隣接して、透明電極11が設けられ、さらに第2の層2および第1の層1で構成されるガスバリア基材10が設けられている。そして、補償板9と偏光板8および偏光板8と対向基板14とで全体を狭持して液晶表示デバイス30が得られる。
まず、ガスバリア基材について説明する。
1.第1の層の形成
樹脂材料で構成される第1の層として、ポリエーテルスルホン(厚さ200μm、ガラス転移温度Tg=223℃)を用いた。
無機材料で構成される第2の層として、SiOx(50mol%)と、AlOx(16mol%)と、MgOx(13mol%)と、BOx(10mol%)と、NaOx(5mol%)と、CaOx(4mol%)と、KOx(1mol%)と、C(1mol%)で構成される融点1,080℃の無機材料を用いた。
前記無機材料の融点から前記第1の層のTgを引いた値は、857であった。
RFマグネトロンスパッタ装置を用い、この装置内に上述の第1の層をセットし、10-4Pa台まで真空引きし、放電ガスとしてアルゴンを分圧で0.5Pa導入した。前記RFマグネトロンスパッタ装置内の雰囲気圧力が安定したところで放電を開始し、スパッタリングターゲットである前記無機材料上にプラズマを発生させ、スパッタリングプロセスを開始した。プロセスが安定したところでシャッターを開き前記第1の層への第2の層(無機材料で構成される層)の形成を開始した。第2の層を形成する際の第1の層の温度は、177℃であった。50nmの膜が堆積したところでシャッターを閉じて成膜を終了した。第2の層をX線回折で測定した結果、非晶状態であった。
次に、前記RFマグネトロンスパッタ装置の真空槽内に大気を導入し第2の層が形成された第1の層を取り出した。
そして、前記第2の層の上に、2官能のエポキシアクリレート25wt%、ジエチレングリコール48.5wt%、酢酸エチル24wt%、シランカップリング剤1wt%、光開始剤1.5wt%からなる均一な混合溶液をスピンコーターで塗布し、80℃、10分間加熱乾燥後、さらにUV照射で硬化させて2μmの第3の層を形成した。
上述の第3の層の上に、さらに、SiOx(50mol%)と、AlOx(16mol%)と、MgOx(13mol%)と、BOx(10mol%)と、NaOx(5mol%)と、CaOx(4mol%)と、KOx(1mol%)と、C(1mol%)で構成される融点1,080℃の無機材料を用いて厚さ50nmの2層目の第2の層を形成して、実質的に透明なガスバリア基材を得た。なお、2層目の第2の層の形成方法は、前述と同様にRFマグネトロンスパッタ装置を用いた。
第1の層の樹脂材料、第2の層の無機材料として以下のものを用い、第1の層および第2の層の厚さを以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
樹脂材料として、ポリエーテルスルホン(厚さ200μm、Tg=223℃)を用いた。また、無機材料としてSiOx(55mol%)と、AlOx(14mol%)と、MgOx(11mol%)と、BOx(9mol%)と、NaOx(5mol%)と、CaOx(4mol%)と、KOx(1mol%)と、C(1mol%)で構成される融点1,150℃のものを用いた。前記無機材料の融点から前記第1の層のTgを引いた値は、917であった。第2の層の厚さは、1層目および2層目各々100nmとした。
第2の層の無機材料として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
無機材料として、Nb2O5で構成される融点1,485℃のものを用いた。なお、前記無機材料形成には、RFマグネトロンスパッタリングを用いて実施例1と同様に実施したがスパッタリング時に使用するターゲットをNb2O5とし、導入するガスを前記アルゴン0.5Paに加え、酸素0.003Paも導入した。前記無機材料の融点から前記第1の層のTgを引いた値は、1,262であった。
第2の層を1層のみとした以外は、実施例1と同様にした。
第2の層の無機材料として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
無機材料として、SiOx(50mol%)と、AlOx(20mol%)と、MgOx(16mol%)と、BOx(14mol%)で構成される融点1,190℃のものを用いた。前記無機材料の融点から前記第1の層のTgを引いた値は、967であった。
第3の層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にした。
第1の層を構成する樹脂材料として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
樹脂材料として、ポリエーテルイミド(厚さ100μm、ガラス転移温度Tg=216℃)を用いた。前記無機材料の融点から前記第1の層のTgを引いた値は、864であった。
第2の層を形成する際(スパッタリング成膜)に、酸素ガスを導入しなかった以外は、実施例3と同様にした。
第2の層の無機材料として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
無機材料として、融点2,050℃のAl2O3を用いた。前記無機材料の融点から前記第1の層のTgを引いた値は、1,827であった。
第2の層の無機材料として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
無機材料として、融点660℃のAlを用いた。前記無機材料の融点から前記第1の層のTgを引いた値は、437であった。
樹脂材料で構成される第1の層として、ポリエーテルスルホン(厚さ200μm、ガラス転移温度Tg=223℃)を用いた。前記第1の層の上に、2官能のエポキシアクリレート25wt%、ジエチレングリコール48.5wt%、酢酸エチル24wt%、シランカップリング剤1wt%、光開始剤1.5wt%からなる均一な混合溶液をスピンコーターで塗布し、80℃、10分間加熱乾燥後、さらにUV照射で硬化させて2μmの樹脂層を形成した。
1.JIS K 7129Bに規定する水蒸気透過度
水蒸気透過度は、JIS K 7129Bに準じて評価した。
酸素透過度は、JIS K 7126Bに準じて評価した。
前述したカルシウム腐食法により、腐食面積率を評価した。なお、腐食面積率は、各実施例および比較例で得られたガスバリア基材8枚について測定した値の平均値とした。
また、比較例2のガスバリア基材は不透明であったため、腐食面積率の測定が不能であった。
前述したカルシウム腐食法により、腐食箇所を評価した。なお、腐食箇所は、各実施例および比較例で得られたガスバリア基材8枚について測定した値の平均値とした。
光線透過率は、JIS K 7105に準じて評価した。
フレキシブル性は、得られたガスバリア基材を手で約30度以上の角度に曲げた後、目視にてガスバリア基材に割れや、変形、クラックなどの外観異常等の劣化が無いかを評価した。
曲げ耐久性は、得られたガスバリア基材を無機材料で構成される第2の層を外に向けた状態で直径30mmの金属円筒に沿わせて曲げた処理を行った。この処理を1回行った前後でガスバリア性の評価を行いガスバリア性能に劣化が無いかを評価した。
表面平滑性は、原子間力顕微鏡(AFM)にて20μm×20μmの範囲における算術平均粗さについて評価した。
また、実施例1〜8は、腐食面積率が低く、腐食箇所も少なく、水蒸気バリア性が特に優れていることが示された。
また、実施例1〜8は、フレキシブル性および曲げ耐久性にも優れていることが示された。
(実施例1A〜実施例8A)
実施例1〜8で得られたガスバリア基材に、厚さ100nmのITO層で構成される陽極電極を形成し、前記電極の上に厚さ150nmのTPD(N,N'−ビス(3−メチルフェニル)1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン)と、厚さ100nmのAlq3(トリス−(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)で構成される発光層とを形成し、さらに厚さ100nmのMg−Ag供蒸着層で構成される陰極電極を形成した。そして、前述した電極、発光層を覆うように金属缶と接着剤で封止して有機ELディスプレイを得た。
ガスバリア基材として比較例1〜3で得られたものを用いた以外は、実施例1Aと同様にした。
実施例1A〜実施例8Aで得られた有機ELディスプレイは、500時間経っても発光していたが比較例のものは著しく発光が弱いかもしくは24時間以内に発光しなくなった。よって実施例は長期信頼性に優れていることが確認された。
2 無機材料で構成される第2の層
21 無機材料で構成される第2の層
22 無機材料で構成される第2の層
3 有機材料で構成される第3の層
5 液晶組成物
6 発光層
7 封止材
71 接着剤
8 偏光板
9 補償板
10 ガスバリア基材
11 透明電極
12 配向膜
14 対向基板
20 有機ELディスプレイ
30 液晶表示デバイス
51 電極
52 電極
Claims (19)
- 樹脂材料で構成される第1の層と、該第1の層の少なくとも片面側に設けられ無機材料で構成される第2の層とを有する実質的に透明なガスバリア基材であって、
前記第2の層を構成する無機材料の融点は、1,500℃以下であることを特徴とするガスバリア基材。 - 前記第2の層が、2層以上形成されているものである請求項1に記載のガスバリア基材。
- 前記第2の層の少なくとも片面に、さらに有機材料で構成される第3の層が設けられているものである請求項1または2に記載のガスバリア基材。
- 前記第2の層は、実質的に非晶状態である請求項1ないし3のいずれかに記載のガスバリア基材。
- 前記第1の層のガラス転移温度[Tg]は、200℃以上である請求項1ないし4のいずれかに記載のガスバリア基材。
- 前記樹脂材料は、ポリエーテルスルホン樹脂またはエポキシ系樹脂を含むものである請求項1ないし5のいずれかに記載のガスバリア基材。
- 前記無機材料の融点を[Tm]、前記第1の層のガラス転移温度を[Tg]としたとき、
0℃≦(Tm−Tg)≦1,125[℃]なる関係を満足するものである請求項1ないし6のいずれかに記載のガスバリア基材。 - 前記無機材料は、複数の金属酸化物を含むものである請求項1ないし7のいずれかに記載のガスバリア基材。
- 前記金属酸化物は、酸化珪素を含むものである請求項1ないし8のいずれかに記載のガスバリア基材。
- 前記金属酸化物は、さらに酸化アルミニウムを含むものである請求項1ないし9のいずれかに記載のガスバリア基材。
- 前記第2の層の表面の算術平均粗さは、10nm以下である請求項1ないし10のいずれかに記載のガスバリア基材。
- 前記第2の層のJIS K7129Bに規定する水蒸気透過度は、0.1[g/m2/day/40℃、90%RH]以下である請求項1ないし11のいずれかに記載のガスバリア基材。
- 前記第2の層のJIS K7126Bに規定する酸素透過度は、0.1[cm3/m2/day/1atm/23℃]以下である請求項1ないし12のいずれかに記載のガスバリア基材。
- 前記ガスバリア基材のJIS K7105に規定する光線透過率は、60%以上である請求項1ないし13のいずれかに記載のガスバリア基材。
- 前記ガスバリア基材のJIS K7129Bに規定する水蒸気透過度は、0.1[g/m2/day/40℃、90%RH]以下である請求項1ないし14のいずれかに記載のガスバリア基材。
- 前記ガスバリア基材のJIS K7126Bに規定する酸素透過度は、0.1[cm3/m2/day/1atm/23℃]以下である請求項1ないし15のいずれかに記載のガスバリア基材。
- カルシウム腐食法による評価で温度50℃、湿度95%、12時間処理後の腐食面積率が、1%以下である請求項1ないし16のいずれかに記載のガスバリア基材。
- 請求項1ないし17に記載のガスバリア基材を有することを特徴とする表示デバイス用基板。
- 請求項18に記載の表示デバイス用基板を有することを特徴とする表示デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003356978A JP4289116B2 (ja) | 2003-10-16 | 2003-10-16 | ガスバリア基材、表示デバイス用基板および表示デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003356978A JP4289116B2 (ja) | 2003-10-16 | 2003-10-16 | ガスバリア基材、表示デバイス用基板および表示デバイス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005119148A true JP2005119148A (ja) | 2005-05-12 |
JP4289116B2 JP4289116B2 (ja) | 2009-07-01 |
Family
ID=34614038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003356978A Expired - Fee Related JP4289116B2 (ja) | 2003-10-16 | 2003-10-16 | ガスバリア基材、表示デバイス用基板および表示デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4289116B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007023708A1 (ja) * | 2005-08-25 | 2007-03-01 | Asahi Glass Company, Limited | 膜付き基体および膜形成用ガラス |
JP2007115807A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Toppan Printing Co Ltd | トランジスタ |
JP2007115808A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Toppan Printing Co Ltd | トランジスタ |
JP2008049695A (ja) * | 2006-07-26 | 2008-03-06 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 透明積層体 |
JP2008235193A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Fujifilm Corp | 有機電界発光素子 |
US20090202843A1 (en) * | 2008-02-12 | 2009-08-13 | Rohm Co, Ltd. | Flexible substrate and manufacturing method thereof |
JP2011517302A (ja) * | 2008-01-30 | 2011-06-02 | オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | カプセル封入ユニットを有する装置 |
WO2018097153A1 (ja) * | 2016-11-25 | 2018-05-31 | コニカミノルタ株式会社 | 発光性膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機材料組成物及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 |
-
2003
- 2003-10-16 JP JP2003356978A patent/JP4289116B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5136054B2 (ja) * | 2005-08-25 | 2013-02-06 | 旭硝子株式会社 | 膜付き基体および膜形成用ガラス |
KR101296415B1 (ko) * | 2005-08-25 | 2013-08-13 | 아사히 가라스 가부시키가이샤 | 막 부착 기체 및 막 형성용 유리 |
US7923115B2 (en) | 2005-08-25 | 2011-04-12 | Asahi Glass Company, Limited | Substrate with film and glass for formation film |
JPWO2007023708A1 (ja) * | 2005-08-25 | 2009-02-26 | 旭硝子株式会社 | 膜付き基体および膜形成用ガラス |
WO2007023708A1 (ja) * | 2005-08-25 | 2007-03-01 | Asahi Glass Company, Limited | 膜付き基体および膜形成用ガラス |
JP2007115808A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Toppan Printing Co Ltd | トランジスタ |
JP2007115807A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Toppan Printing Co Ltd | トランジスタ |
JP2008049695A (ja) * | 2006-07-26 | 2008-03-06 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 透明積層体 |
JP2008235193A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Fujifilm Corp | 有機電界発光素子 |
JP2011517302A (ja) * | 2008-01-30 | 2011-06-02 | オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | カプセル封入ユニットを有する装置 |
US10297469B2 (en) | 2008-01-30 | 2019-05-21 | Osram Oled Gmbh | Method for producing an electronic component and electronic component |
US8633585B2 (en) | 2008-01-30 | 2014-01-21 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Device comprising an encapsulation unit |
US10026625B2 (en) | 2008-01-30 | 2018-07-17 | Osram Oled Gmbh | Device comprising an encapsulation unit |
US8658442B2 (en) | 2008-01-30 | 2014-02-25 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Method for producing an electronic component and electronic component |
US8916397B2 (en) | 2008-01-30 | 2014-12-23 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Method for producing an electronic component and electronic component |
US9647186B2 (en) | 2008-01-30 | 2017-05-09 | Osram Oled Gmbh | Method for producing an electronic component and electronic component |
US20090202843A1 (en) * | 2008-02-12 | 2009-08-13 | Rohm Co, Ltd. | Flexible substrate and manufacturing method thereof |
JP2009194039A (ja) * | 2008-02-12 | 2009-08-27 | Rohm Co Ltd | フレキシブル基板及びその製造方法 |
WO2018097153A1 (ja) * | 2016-11-25 | 2018-05-31 | コニカミノルタ株式会社 | 発光性膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機材料組成物及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 |
US11910628B2 (en) | 2016-11-25 | 2024-02-20 | Merck Patent Gmbh | Luminescent film, organic electroluminescent element, organic material composition and method for producing organic electroluminescent element |
JPWO2018097153A1 (ja) * | 2016-11-25 | 2019-10-17 | コニカミノルタ株式会社 | 発光性膜、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機材料組成物及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 |
US11302882B2 (en) | 2016-11-25 | 2022-04-12 | Merck Patent Gmbh | Luminescent film, organic electroluminescent element, organic material composition and method for producing organic electroluminescent element |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4289116B2 (ja) | 2009-07-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4295588B2 (ja) | 反射防止ガスバリア性基板 | |
US7229703B2 (en) | Gas barrier substrate | |
TWI389367B (zh) | 具有薄膜障壁層之可彎曲基板 | |
US6896979B2 (en) | Film for organic EL device and an organic EL device using the film | |
JP4677692B2 (ja) | 透明ガスバリア材およびその製造方法 | |
JP5245893B2 (ja) | 多層フィルムおよびその製造方法 | |
TWI587554B (zh) | 機能性膜 | |
JP3859518B2 (ja) | 透明水蒸気バリアフィルム | |
JP2004244606A (ja) | 透明バリアフィルム | |
JP4373270B2 (ja) | ガスバリア性フィルム、ならびにこれを用いて構成された液晶表示素子およびel表示素子 | |
JP4289116B2 (ja) | ガスバリア基材、表示デバイス用基板および表示デバイス | |
CA2505014A1 (en) | Hermetic encapsulation of organic electro-optical elements | |
JP2005288851A (ja) | 透明ガス遮断性フィルム、並びにそれを用いるディスプレイ基板及びディスプレイ。 | |
JP2004009395A (ja) | 透明水蒸気バリアフィルム及びその製造方法 | |
US6689479B2 (en) | Anti-reflection film, and silica layer | |
TW201542381A (zh) | 阻障膜及其製備方法 | |
JP3933894B2 (ja) | 透明水蒸気バリアフィルム | |
JP2007046081A (ja) | 透明ガスバリア膜の製造方法およびそれにより得られる透明ガスバリア膜 | |
JP2003251732A (ja) | 透明ガスバリア薄膜被覆フィルム | |
JPWO2018181181A1 (ja) | 透明導電性ガスバリア積層体及びこれを備えたデバイス | |
KR100941877B1 (ko) | 패시배이션 조성물과 이를 이용한 스퍼터링 타겟과패시배이션막 및 그 제조방법 | |
JP4180414B2 (ja) | 透明バリアフィルム | |
JP3403882B2 (ja) | 透明導電フィルム | |
WO2021017100A1 (zh) | 柔性基板及其制造方法、有机发光显示面板 | |
JP2005059211A (ja) | ガスバリア基材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060601 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081205 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081216 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090213 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090310 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090323 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140410 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |