JP2005115203A - 電子写真装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置の小型化、低コスト化の為にクリーニングブレードを前露光装置として併用する。
【解決手段】 クリーニングブレードを有する系に限定されるが、応力発光材料をブレード中に含有させ、ドラム回転時の摩擦力によってブレードを発光させることで、前露光の役割りを果たす。
ドラム停止時は摩擦力が生じない為発光しない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、機械的な外力によりもたらされる変形で発光する化合物を含有するクリーニングブレードによるクリーニング手段を有した電子写真装置及びプロセスカートリッジに関する。
従来の電子写真装置は、帯電装置によって電子写真感光体の表面を均一に帯電させた後に露光装置からの光が電子写真感光体の表面へ照射されて、電子写真感光体表面へ静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置によって現像され、得られたトナー像が転写紙に転写される。トナー像の転写処理が終了すると、電子写真感光体の表面に残留したトナーがクリーニング装置により清掃された後に、除電装置からの光が電子写真感光体表面上へ照射されて、この電子写真感光体の表面電荷が消去され、電子写真感光体の表面電位はほぼ零ボルトに戻り、次の画像形成サイクルに備えるのである。
特許文献1:特開平6‐3921 特許文献2:特許第3273317
しかしながら、近年装置のより一層の小型化、コストダウンを行なう上で除電装置を有さない電子写真装置が登場して来ているが、画像濃度変動や露光の履歴による画像欠陥等の画像品質の点で必ずしも除電装置を有する電子写真装置と比較すると十分では無い場合があった。
そこで本発明の目的は、小型化、コストダウンと画像品質を両立させることである。
クリーニングブレードによるクリーニング手段を有する電子写真装置においてクリーニングブレードが自ら発光して除電装置の役割りを果たすべく、該クリーニングブレードに機械的な外力によりもたらされる変形で発光する化合物を含有させることで課題を達成させるものである。
以上のようにクリーニングブレードによるクリーニング手段を有する電子写真装置においてクリーニングブレードが自ら発光して除電装置の役割りを果たすべく、該クリーニングブレードに機械的な外力によりもたらされる変形で発光する化合物を含有させることで、画像濃度変動や露光の履歴による画像欠陥等の画像品質を損なわずに除電装置を省略することが可能となり、電子写真装置の小型化、コストダウンを画像品質を落さないで行なうことが出来る。
本発明の電子写真装置、並びにプロセスカートリッジについて説明する。本発明の電子写真装置の構成の例を図1に示す。図1において1は本発明の電子写真感光体であり、矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1は回転過程において、帯電手段3(図1ではローラー帯電の例である)によりその表面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、ついで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの像露光手段(不図示)からの像露光4を受け、静電潜像を形成する。形成された静電潜像は、次いで現像手段5によってトナー現像(可視像化)される。更に電子写真感光体1上に形成されたトナー像は不図示の給紙部を通して感光体1と転写手段6の間に供給された紙などの転写材7上に転写手段6によって転写される。トナー像が形成された転写材像定着手段(不図示)に送られてトナー像が定着される。
一方、転写材に転写されずに電子写真感光体1上に残った残トナーは、クリーニングブレード7を有するクリーニング手段8によって回収される。と同時に、本願のクリーニングブレードは電子写真感光体との摩擦力によって応力を受けている為に光を発し、電子写真感光体表面の残留電位を除電し、次の画像形成サイクルに備えるのである。
本願の電子写真装置において、画像露光光4の光源はハロゲン光、蛍光灯、レーザー光、LED光などを必要に応じて用いることができる。
電子写真感光体の帯電方式に関しては、コロナ帯電器による帯電方式、また帯電部材として導電ローラーを用いたローラー帯電方式(図1)、電荷の直接注入による帯電方式(特許文献1参照)等を必要に応じて使うことが出来る。すなわち所定の電位に帯電出来ればどの様な帯電手段も使うことができる。
また必要に応じて他の補助プロセスを加えてもよい。
そして本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5及びクリーニングブレード7などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱可能にした構成もとることが出来る。
図2は電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5及びクリーニングブレード7を一体に結合したプロセスカートリッジの構成例である。図2の9が枠体で10がプロセスカートリッジを挿入する為のガイドレールである。
次に本願におけるクリーニングブレードについて説明する。
クリーニングブレードはウレタンゴム、シリコンゴム、ナイロン樹脂等の弾性体により形成されていて、図3に示すように感光体に対して残留トナーを回収すべく接触配置されていて画像形成と同時、つまり感光体が回転を始めるとクリーニングブレードと感光体の間の摩擦力によってクリーニングブレードが応力を受けて変形する。
この時クリーニングブレードは機械的な外力によりもたらされる変形で発光する化合物を含有している為、感光体の回転開始と同時に発光し、除電の機能を果たす事になる。そして感光体の回転が終了すると同時にクリーニングブレードが力を受けなくなり発光が止まるため、光があたり続けることによるメモリー現象は発生しないのである。
このクリーニングブレードを成形するには、例えば、円筒金型ドラムの内面にウレタンなどの原料を注入し、ドラムを回転させながら反応させて、円筒内面に密着したシート状ゴムを成形する方法(以下遠心成形法)やウレタンなどの原料を直接金型内に注入して成形する方法などが用いられるが、この成形段階で発光する化合物を投入、分散することによって、クリーニングブレード中に含有させることが出来る。
次に本願のクリーニングブレードに含有させる機械的な外力にる変形で発光する化合物について説明する。
これらは特許文献2に開示されている化合物で、特定の金属酸化物又は複合酸化物の母体結晶中に、特定の性質を有する希土類金属イオンや遷移金属イオンを発光中心の中心イオンとして含む物質が、そのような性能を有すること、またメリライト型構造の酸化物からなる母体材料に、機械的エネルギーによって励起された電子が基底状態に戻る場合に発光する希土類または遷移金属の1種類以上からなる発光中心を添加した化合物がより発光効率が高いことが示されている。
具体的な化合物としてはメリライト型構造のCa Al SiO 、Ca(Mg,Fe)Si2 O 、Ca MgSi 、(Ca,Na) (Al,Mg)(Si,Al) 、およびCa (Mg,Al)(Al,Si)SiO の酸化物のうちの1種類以上からなる母体材料に、機械的エネルギーによって励起された電子が基底状態に戻る場合に発光する希土類または遷移金属の1種類以上からなる発光中心を添加した化合物である。
次に本発明の電子写真感光体の典型的な構成について、図4、図5および図6により説明する。電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を設けた構成を基本としていて、例えば、有機光導電体、アモルフアスシリコン、セレンなどの光導電体を必要に応じて結着剤と共に塗料化して塗布形成または真空蒸着によってなされる感光層を用いることができ、本願では何れも使うことができるが、ここでは有機光導電体による電子写真感光体について説明をする。
図4の電子写真感光体は、導電性支持体12上に感光層13が設けられており、この感光層13は結着樹脂中に電荷発生物質14を分散含有した電荷発生層15と電荷輸送層16の積層構造である。この場合電荷輸送層16は、電荷発生層15の上に積層されている。
図5の電子写真感光体は、図4の場合と異なり、電荷輸送層16は電荷発生層15の下に積層されている。この場合、電荷発生層15中には電荷輸送物質が含有されていてもよい。
図6の電子写真感光体は、導電性支持体12上に感光層13が設けられており、この感光層13は結着樹脂中に電荷発生物質14と電荷輸送物質(図示せず)が含有されている。
導電性支持体12としては、アルミニウム、ステンレスなどの金属、紙、プラスチックなどの円筒状シリンダー、シートまたはフィルムなどが用いられる。また、これらの円筒状シリンダー、シートまたはフィルムは、必要に応じて導電性ポリマー層、あるいは酸化スズ、酸化チタン、銀粒子などの導電性粒子を含有する樹脂層を有していてもよい。
また、導電性支持体12と感光層13の間にはバリアー機能と下引き機能を持つ下引き層(接着層)を設けることができる。
下引き層は感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。その膜厚は0.2〜2μm程度である。
電荷発生物質としては、ビリリウム、チオピオリリウム系染料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン顔料、ジベンズビレンキノン顔料、ピラトロン顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン系顔料、非対称キノシアニン、キノシアニンなどを用いることができる。
電荷輸送物質としては、ヒドラゾン系化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリールメタン系化合物、ポリアリールアルカン系化合物などを用いることができる。
電荷発生層15は、上記電荷発生物質を0.5〜4倍量の結着剤樹脂、および溶剤と共に、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどの方法でよく分散し、塗布、乾燥されて形成される。その厚みは5μm以下、特には0.01〜1μmの範囲が好ましい。
電荷輸送層16は、一般的には上記電荷輸送物質と結着剤樹脂を溶剤に溶解し、塗布して形成する。電荷輸送物質と結着剤樹脂との混合割合は2:1〜1:2程度である。溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロルベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などの塩素系炭化水素類、などが用いられる。この溶液を塗布する際には、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法などのコーティング法を用いることができ、乾燥は10℃〜200℃、好ましくは20℃〜150℃の範囲の温度で5分〜5時間、好ましくは10分〜2時間で送風乾燥または静止乾燥下で行うことができる。生成した電荷輸送層の膜厚は5〜30μm、特には10〜25μmの範囲が好ましい。
電荷発生層15および電荷輸送層16を形成するのに用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、および不飽和樹脂等から選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂またはジアリルフタレート樹脂が挙げられる。
また、電荷発生層あるいは電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤など種々の添加剤を含有させることができる。
さらに、必要に応じて電子写真感光体の表面を保護するための保護層等も設けることができる。
以下、具体的実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明の感光体はAlシリンダーを支持体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を支持体上に浸せき法で塗布し140℃、30分熱硬化して15μmの導電層を形成した。
導電性顔料:SnOコート処理硫酸バリウム 10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール、メトキシプロパノール0.2/0.8 20部
次にこの上にNメトキシメチル化ナイロン4.5部および共重合ナイロン1.5部をメタノール65部、nブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸せき法で塗布し0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が7.4°、28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶3.5部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBH−S、積水化学工業社製)1部をシクロヘキサノン120部に添加し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これにメチルエチルケトン120部を加えて希釈して電荷発生層用塗料を調製した。下引き層上に、この電荷発生層用塗料を浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式のアミン化合物9部
Figure 2005115203
下記構造式のアミン化合物1部
Figure 2005115203
バインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ200、三菱ガス化学製)10部をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン50部の混合溶剤に溶解し、電荷輸送層用の塗布液を得た。塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃にて1時間乾燥し、膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
次に上述特許文献2の実施例に開示されている母体材料であるCa Al SiO に、発光中心となる0.05wt%のCe と、フラックスとしての10wt%のほう酸とを添加し、それを還元雰囲気(Ar+H ,5%)中、1300℃で4時間焼成することによって得られた応力発光材料をウレタン製のクリーニングブレードに分散、成形した。
このようにして作成した感光体とクリーニングブレードをキヤノン製カラーレーザープリンターのLBP‐2360のプロセスカートリッジに装着し、本体に装填し、かつこのプリンターLBP‐2360の除電ランプを点灯させないでブラックのモノカラーモードで5000枚の連続プリントを行い、前後の暗部電位、明部電位の変化、およびハーフトーン、ベタ部の画像濃度の変化、および感光体の露光部の履歴の出方を見る為に図7に示すプリントパターンにおいてDとCの濃度差(D−C)の変化を測定した。
なお電位変化の測定はModel-344電位計(トレック社製)、画像濃度の測定は反射濃度計RD914(マクベス社製)を用いて行なった。結果は表1に示す。
ウレタン製のクリーニングブレードに分散させる化合物が特許文献2の実施例に開示されているCa (Mg,Fe)SiにCeイオン0.05モル%を含有させた発光材料である以外は実施例1と同様の感光体を使い、同様の評価を行なった。結果は表1に示す。
ウレタン製のクリーニングブレードに分散させる化合物が特許文献2の実施例に開示されているCaMgSiにCeイオンを、0.05モル%含有させた発光材料である以外は実施例1と同様の感光体を使い、同様の評価を行なった。結果は表1に示す。
ウレタン製のクリーニングブレードに分散させる化合物が特許文献2の実施例に開示されている(Ca,Na)(Al,Mg)(Si,Al)にCeイオンを、0.05モル%含有させた発光材料である以外は実施例1と同様の感光体を使い、同様の評価を行なった。結果は表1に示す。
ウレタン製のクリーニングブレードに分散させる化合物が特許文献2の実施例に開示されているCa(Mg,Al)(Al,Si)SiOにCeイオンを、0.05モル%含有させた発光材料である以外は実施例1と同様の感光体を使い、同様の評価を行なった。結果は表1に示す。
実施例1と同様の組成の感光体、及びクリーニングブレードをキヤノン製複写機GP55に装着し、複写機本体の除電ランプを点灯させないで実施例1と同様の評価を行なった。結果は表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、クリーニングブレードに応力発光材料を分散させなかった以外は実施例1と同様とし、同様な評価を行なった。結果は表1に示す。
(比較例2)
比較例1において、プリンターの除電ランプを点灯させた以外は比較例1と同様とし、同様な評価を行なった。結果は表1に示す。
(比較例3)
実施例6において、クリーニングブレードに応力発光材料を分散させなかった以外は実施例6と同様とし、同様な評価を行なった。結果は表1に示す。
Figure 2005115203
本発明の電子写真装置の概略構成図である。 本発明のプロセスカートリッジの概略構成図である。 本発明のクリーニング装置の概略構成図である。 本発明の電子写真感光体の構成図である。 本発明の電子写真感光体の構成図である。 本発明の電子写真感光体の構成図である。 本発明実施例の画像評価パターンである。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 一次帯電手段
3 像露光
4 現像手段
5 転写手段
6 転写材
7 クリーニングブレード
8 クリーニング手段
9 プロセスカートリッジ枠体
10 プロセスカートリッジを挿入する為のガイドレール
11 クリーニングブレード中の応力発光体
12 導電性支持体
13 感光層
14 電荷発生物質
15 電荷発生層
16 電荷輸送層
A ベタ白部
B ベタ黒部
C ハーフトーン部
D Bの履歴部

Claims (3)

  1. クリーニングブレードによるクリーニング手段を有する電子写真装置において、該クリーニングブレードが機械的な外力によりもたらされる変形で発光する化合物を含有することを特徴とする電子写真装置。
  2. 機械的な外力によりもたらされる変形で発光する化合物がメリライト型構造のCa Al SiO 、Ca(Mg,Fe)Si2 O 、Ca MgSi 、(Ca,Na) (Al,Mg)(Si,Al) 、およびCa (Mg,Al)(Al,Si)SiO の酸化物のうちの1種類以上からなる母体材料に、機械的エネルギーによって励起された電子が基底状態に戻る場合に発光する希土類または遷移金属の1種類以上からなる発光中心を添加した化合物であることを特徴とする請求項1記載の電子写真装置。
  3. 請求項1、及び2に記載のクリーニング手段と、電子写真感光体、帯電手段、現像手段からなる群より選択される少なくともひとつの手段を一体に支持し、電子写真装置本体と着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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