JP2005113853A - 内燃機関の吸気構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 気筒間の吸気管長さの等長化を図る。
【解決手段】
吸気導入管3の軸線及びその延長線からなる吸気流の基準流線Sに対して、吸気導入管開口部6に近接する分岐管開口部7ほど大きくオフセットするよう複数の分岐管4が吸気コレクタ2に対して連結されている。これによって、気筒間の吸気管長さの等長化が図られ、吸気音特性が向上する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、内燃機関の吸気構造に関する。
複数気筒を有する内燃機関の場合、各気筒の吸気管の通路は同じ長さに近いほど、気筒間の吸気堆積効率のバラツキが小さく、出力向上や振動低減等を図ることができると共に、各気筒からの吸気によって発せられる音の波形(高さ、位相)が均等になり澄んだ音色にすることができる。
特許文献1には、サージタンクにおける各側面のうち、吸気入口管を接続した側面(一側面)と反対側の側面(他側面)に対して各気筒毎に独立したブランチパイプを接続し、サージタンクの他側面におけるブランチパイプに対する接続部を、各接続部から吸気入口管までの距離が各々について略等しくなる部位に設けた内燃機関の吸気構造が開示されている。すなわち、吸気入口管はサージタンクの長手方向の略中央位置でサージタンクの一側面に接続され、サージタンクの他側面に設けられた各ブランチパイプとの接続部は、サージタンクの一側面から他側面に向かう方向で、中央側の接続部と外側の接続部とがオフセットするように形成されることで、各接続部から吸気入口管までの距離が各々について略等しくなっている。
特開2000−161163号公報(第4図)
しかしながら、上述した特許文献1のような構成においては、サージタンクの他側面に設けられた各ブランチパイプとの接続部は、サージタンクの一側面から他側面に向かう方向で、中央側の接続部と外側の接続部とがオフセットするように形成されるているので、所期のサージタンク容量を確保しようとすると、サージタンクの一側面から他側面に向かう方向、すなわちサージタンクに対するブランチパイプの接続方向に沿ったサージタンクの幅が相対的に大きくなってしまい、搭載性が悪化してしまう虞がある。
そこで、本発明における内燃機関の吸気構造は、吸気導入管が連結された吸気コレクタと、吸気コレクタから各気筒の吸気導入口に吸気を導入する複数の分岐管と、を備えた吸気マニホールドを有し、吸気導入管の軸線及びその延長線からなる吸気流の基準流線に対して、吸気導入管開口部に近接する分岐管開口部ほど大きくオフセットするよう複数の分岐管が吸気コレクタに対して連結されている。これによって、吸気マニホールドの外形寸法を大きくする(変更を加える)ことなく、吸気導入管開口部に近接する分岐管開口部ほど吸気流の基準流線から遠ざけることができる。
本発明によれば、吸気導入管開口部に近接する分岐管開口部ほど吸気流の基準流線から遠ざけることによって、吸気コレクタ内における、各分岐管開口部間の吸気導入管開口部から分岐管開口部までの実質的な距離の差を相対的に小さくすることができるので、各気筒の実質的な吸気通路長さの差を小さくすることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本実施形態が適用される内燃機関は、直列4気筒エンジンである。
図1〜図3に示すように、樹脂等からなる吸気マニホールド1は、エンジン8の気筒列方向に沿って細長い吸気コレクタ2と、吸気コレクタ2に連結された吸気導入管3及び吸気コレクタ2に連結された4つの分岐管4a,4b,4c,4dと、から大略構成されている。分岐管4aは♯1気筒に、分岐管4bは♯2気筒に、分岐管4cは♯3気筒に、分岐管4dは♯4気筒に、それぞれ吸気を供給している。
吸気導入管3は、吸気コレクタ2内に吸気を導入するものであって、吸気コレクタ2の長手方向の一端側(図1における左側)に連結されている。
各分岐管4a,〜,4dは、それぞれ対応する各気筒の吸気導入口(図示せず)に吸気コレクタ2内の吸気を導入するものであって、それぞれその一端部が同一方向から吸気コレクタ2に連結されている。各分岐管4a,〜,4dが連結される吸気コレクタ2の一側面F(図2及び図3を参照)は、エンジン8の上下方向(図3における上下方向)に略沿って延在するよう形成されている。また、各分岐管4a,〜,4dは、エンジン8の側方に開口する吸気導入口からエンジン8上方に向かって全体が略U字形状に湾曲するよう形成され、吸気コレクタ2がエンジン8上方に位置するようになっている。尚、各分岐管4a,〜,4dの他端部は、フランジ5によって互いに連結されている。
ここで、図4を用いて、本実施形態の要部となる吸気コレクタ2と吸気導入管3との連結部分となる吸気導入管開口部6と、各分岐管4a,〜,4dと吸気コレクタ2との連結部分となる各分岐管開口部7a,〜,7dとの関係を説明する。
図4は、吸気導入管3、吸気コレクタ2及び各分岐管4a,〜,4dからなる構成を模式的に示したものであって、図4(A)は、模式的に示した平面図に相当するものであり、図4(B)は、上述した図2を正面とした場合の右側面図に相当するものである。
図4(A)に示すように、各分岐管4a,〜,4dと吸気コレクタ2との連結部分となる各分岐管開口部7a,〜,7dは吸気コレクタ2の長手方向に沿って互いに重ならないよう一列に配置されている。
そして、図4(B)に示すように、各分岐管開口部7a,〜,7dは、吸気コレクタ2と吸気導入管3との連結部分となる吸気導入管開口部6の中心における吸気の流線及びその延長線からなる吸気流の基準流線S、或いは、吸気導入管3の軸線及びその延長線からなる吸気流の基準流線Sに対して、吸気コレクタ2の長手方向に沿った位置で吸気導入管開口部6に近接する分岐管開口部7ほどオフセットするように設定されている。
換言すれば、吸気導入管開口部6が、吸気コレクタ2の一端側(吸気コレクタ長手方向の)で図1〜図4における上下方向の下方側に設けられた吸気マニホールド1において、各分岐管開口部7a,〜,7dは、図1〜図4における上下方向で互いにオフセットしていると共に、吸気導入管開口部3に近接する分岐管開口部7ほど図1〜図4における上方側に位置するよう設定されている。
このような本実施形態においては、各分岐管開口部7a,〜,7dのうち、吸気コレクタ2の長手方向に沿った位置で吸気導入管開口部6に近接する分岐管開口部7ほど吸気流の基準流線Sからオフセットしているので、吸気コレクタ長手方向に沿った位置で吸気導入管開口部6に近接する分岐管開口部7に吸気導入管開口部6から流れ込む吸気ほど、大きく曲がり込むことなり、吸気抵抗が相対的に大きくなる。つまり、吸気コレクタ長手方向の一端側に近い分岐管開口部7ほど吸気導入管開口部6との距離は短いが吸気抵抗が相対的に大きく、吸気コレクタ長手方向の他端側に近い分岐管開口部7ほど吸気導入管開口部6との距離は長いが吸気抵抗は相対的に小さくなる。
これによって、図5に示すように、気筒間の実質的な吸気通路長さの不揃いによって生じる吸気音(音圧)を効果的に低減することができる。また、エンジン回転数の上昇にしたがって、音圧が大きくなっているので、エンジン回転数の増減に伴う吸気音のハンチングを防止することができ、運転者に違和感を与えることもない。尚、図5において、実線は本実施形態の吸気マニホールド1における吸気音測定結果であり、点線は図6に示す比較例の吸気マニホールドA(後述)における吸気音測定結果である。
ここで、吸気マニホールドAは、上述した本実施形態における吸気マニホールド1において、吸気コレクタ2に対する各分岐管4a,〜,4d及び吸気導入管3の連結位置のみが異なるものであって、図6に示すように、各分岐管10a,〜10dが吸気コレクタ11の一側面に、吸気コレクタ11の長手方向と平行となるよう直線的に連結されている一般的な構造、換言すれば各分岐管10の分岐管開口部12a,〜12dが図6(B)の上下方向で互いにオフセットしないように連結されている構造である。尚、図6における13は、吸気コレクタに連結された吸気導入管である。
そのため、この吸気マニホールドAにおいては、上述した本実施形態の吸気マニホールド1に比べ、吸気コレクタ11の一端側(図6(A)におけるの右側)に接続されている分岐管10aの分岐管開口部12aから吸気導入管開口部14までの距離と、吸気コレクタ11の他端側(図6(A)におけるの左側)に接続されている分岐管10dの分岐管開口部12dから吸気導入管開口部14までの距離との差が大きくなっている。すなわち、上述した本実施形態の吸気マニホールド1に比べて、吸気導入管13に近い分岐管10ほど、分岐管開口部12から吸気導入管開口部14までの実質的な距離が短くなり、各気筒の実質的な吸気通路長さの差も大きくなっている。さらに、図5からも明らかなように、吸気マニホールドAでは、エンジン回転数の対して音圧が変動しているのに対して、本実施形態における吸気マニホールド1では、エンジン回転数の上昇にしたがって、音圧が大きくなっているので、運転者に違和感を与えることもない。
また、図7に示す吸気マニホールドBのように、各分岐管20を独立させると、各分岐管開口部から吸気導入管開口部までの実質的な距離は略等しくなり、各気筒の実質的な吸気通路長さを略等しくすることが可能となるが、構造が複雑になり工法が限られ(型成形ができない)、生産性悪化、コストアップ及び重量の増加等の問題が生じると共に、吸気導入管23、吸気コレクタ21及び各分岐管20により構成される吸気マニホールドBが大きくなってしまい車両等への搭載性が悪化してしまう。
これに対して、本実施形態においては、各分岐管4a,〜,4dを吸気コレクタ2の長手方向に一列に配列することが可能であり、吸気マニホールドB(図7を参照)とは異なり、吸気マニホールドA(図6を参照)と同じ工法、すんわち型成形による生産が可能になり、生産性が犠牲になることもない。
また、図8に示す吸気マニホールドCのように、吸気コレクタ31の長手方向の中央付近で吸気導入管33を吸気コレクタ31に連結し、吸気導入管33が連結された面に対向する反対側の面に各分岐管30,…,30を連結する場合には、各気筒の実質的な吸気通路長さの差を小さくすることは可能になるが、吸気導入管33、吸気コレクタ31及び各分岐管30より構成される吸気マニホールドCの幅(図8における上下方向の寸法)が相対的に大きくなってしまい車両等への搭載性が悪化してしまう。
これに対して、本実施形態においては、吸気マニホールドC(図8を参照)のように吸気マニホールド1の幅を大きくとる必要がないので、車両への搭載性が犠牲になることもない。
また、図9に示す吸気マニホールドDのように、吸気コレクタ41の長手方向(図9における左右方向)の長さを小さくすれば各気筒の実質的な吸気通路長さの差は上述した図6に示す吸気マニホールドAに比べ相対的に小さくできるものの、各分岐管40,〜,40の断面積を小さくするか、縦長が形状にする必要があり、各分岐管40での吸気の脈動効果の減少や、通路抵抗の悪化を招いてしまう。尚、図9における43は吸気導入管である。
これに対して、本実施形態においては、吸気マニホールドD(図9を参照)とは異なり、分岐管4の断面積が制約を受けることがないので、狙い通りの脈動を設計することができる。
また、図10に示す吸気マニホールドEのように、吸気コレクタ51に連結され分岐管50,…,50のうち、互いに隣接する分岐管50,50同士の間の距離を小さくしても各気筒の実質的な吸気通路長さの差は上述した図6に示す吸気マニホールドAに比べ相対的に小さくできるが、分岐管開口部の形状に自由度がなくなり、例えば、いわゆるベルマウス形状をとれないことによる通気抵抗の悪化を招いてしまう。尚、図10における53は吸気導入管である。
これに対して、本実施形態においては、吸気マニホールドE(図10を参照)とは異なり、分岐管開口部7の形状が制約を受けることがないので、通気抵抗が悪化することはない。
また、本発明の吸気構造は、上述した実施形態に限定されるものではなく、図11〜図13に示すように、吸気コレクタ2と吸気導入管3との連結部分となる吸気導入管開口部6の中心における吸気の流線及びその延長線からなる吸気流の基準流線Sに対して、吸気コレクタ2の長手方向で吸気導入管開口部6に近接する分岐管開口部7ほど大きくオフセットしていれば、吸気導入管開口部6と各分岐管開口部7の位置関係は、上述した図4に示す位置に限定されるものではない。尚、図11〜図13は、上述した本実施形態における図4(B)に相当する図面である。
すなわち、図11に示すように、吸気導入管3は、図1〜図4における上下方向の上方側で吸気コレクタ2に連結するようにしてもよい。また、図12に示すように、吸気導入管3は、図1における左側(図3における右側)から吸気コレクタ2に連結するようしてもよい。そして、図13に示すように、吸気導入管は、吸気コレクタ2の一端部ではなく、一端部近傍で、図13における紙面垂直方向対して傾くように吸気コレクタ2に連結するようにしてもよい。
また、本発明に係る吸気構造は、4気筒直列エンジンにのみ適用されるものではなく、少なくとも1つ以上の気筒群から構成されたもの内燃機関で、各気筒群毎に吸気マニホールドを有しているものに適用可能である。具体的には、4気筒毎に吸気マニホールドを備えた4の倍数気筒エンジン(8気筒、12気筒、…)や、3筒毎に吸気マニホールドを備えた3の倍数気筒エンジン(3気筒、6気筒、9気筒、…)、5筒毎に吸気マニホールドを備えた5の倍数気筒エンジン(5気筒、10気筒、…)に対しても適用可能である。
この場合、3の倍数気筒エンジン及び5の倍数気筒エンジンは、4の倍数気筒エンジンに比べて、吸気音低減の効果が少ないものの、上述した吸気マニホールドAに比べれば吸気音低減の効果を得ることができる。
上記実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について、その効果とともに列記する。
(1) 内燃機関の吸気構造は、吸気導入管が連結された吸気コレクタと、吸気コレクタから各気筒の吸気導入口に吸気を導入する複数の分岐管と、を備えた吸気マニホールドを有し、各分岐管は同一方向から吸気コレクタに連結され、各分岐管と吸気コレクタとの連結部分となる各分岐管開口部は吸気コレクタの長手方向に沿って配置されているものであって、吸気導入管の軸線及びその延長線からなる吸気流の基準流線に対して、吸気導入管開口部に近接する分岐管開口部ほど大きくオフセットするよう複数の分岐管が吸気コレクタに対して連結されている。これによって、吸気マニホールドの外形寸法を大きくする(変更を加える)ことなく、吸気導入管開口部に近接する分岐管開口部ほど吸気流の基準流線から遠ざけることができ、吸気コレクタ内における、各分岐管開口部間の吸気導入管開口部から分岐管開口部までの実質的な距離の差を相対的に小さくすることができるので、各気筒の実質的な吸気通路長さの差を小さくすることができる。
(2) 上記(1)に記載の内燃機関の吸気構造は、より具体的には、吸気導入管開口部が、吸気コレクタの長手方向の一端側もしくは一端側近傍に形成されている。
(3) 上記(1)または(2)に記載の内燃機関の吸気構造において、内燃機関は複数気筒かならなる少なくとも1つ以上の気筒群から構成されたものであって、各気筒群毎に吸気コレクタ、気筒群内の気筒数に等しい複数の分岐管及び吸気導入管を備えた吸気マニホールドを有している。
(4) 上記(3)に記載の内燃機関の吸気構造は、より具体的には、気筒群が、4つの気筒より構成されている。
(5) 上記(3)に記載の内燃機関の吸気構造は、より具体的には、気筒群は、3つの気筒より構成されている。
本発明に係る内燃機関の吸気構造の正面図。 本発明に係る内燃機関の吸気構造の背面図。 本発明に係る内燃機関の吸気構造の左側面図。 本発明に係る内燃機関の吸気構造を模式的に示した説明図。 本発明に係る内燃機関の吸気構造における吸気音特性と、従来の吸気構造の吸気音特性を比較した説明図。 比較例としての吸気マニホールドAを示す説明図。 比較例としての吸気マニホールドBを示す説明図。 比較例としての吸気マニホールドCを示す説明図。 比較例としての吸気マニホールドDを示す説明図。 比較例としての吸気マニホールドEを示す説明図。 本発明に係る内燃機関の吸気構造の他の実施形態を示す説明図。 本発明に係る内燃機関の吸気構造の他の実施形態を示す説明図。 本発明に係る内燃機関の吸気構造の他の実施形態を示す説明図。
符号の説明
1…吸気マニホールド
2…吸気コレクタ
3…吸気導入管
4…分岐管

Claims (5)

  1. 吸気導入管が連結された吸気コレクタと、吸気コレクタから各気筒の吸気導入口に吸気を導入する複数の分岐管と、を備えた吸気マニホールドを有し、各分岐管は同一方向から吸気コレクタに連結され、各分岐管と吸気コレクタとの連結部分となる各分岐管開口部は吸気コレクタの長手方向に沿って配置されている内燃機関の吸気構造において、
    吸気導入管の軸線及びその延長線からなる吸気流の基準流線に対して、吸気導入管開口部に近接する分岐管開口部ほど大きくオフセットするよう複数の分岐管が吸気コレクタに対して連結されていることを特徴とする内燃機関の吸気構造。
  2. 吸気導入管開口部は、吸気コレクタの長手方向の一端側もしくは一端側近傍に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気構造。
  3. 内燃機関は複数気筒かならなる少なくとも1つ以上の気筒群から構成されたものであって、各気筒群毎に吸気コレクタ、気筒群内の気筒数に等しい複数の分岐管及び吸気導入管を備えた吸気マニホールドを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の吸気構造。
  4. 気筒群は、4つの気筒より構成されていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気構造。
  5. 気筒群は、3つの気筒より構成されていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気構造。
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