JP2005113128A - 粘着剤組成物とその製造方法および粘着性物品 - Google Patents

粘着剤組成物とその製造方法および粘着性物品 Download PDF

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浩介 竹下
Hiroyuki Yoshino
裕之 吉野
Katsuhiro Ishikawa
克廣 石川
Hironobu Shinohara
弘信 篠原
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Abstract

【課題】粘着性と再剥離性のバランス、粘着層の透明性、帯電防止性等に優れ、また粘着層中の構成成分が表面にブリードするおそれもない、特に表面保護材として有用な粘着性物品における粘着層の形成に好適な粘着剤組成物、該粘着剤組成物の製造方法および該粘着剤組成物からなる粘着層を備えた粘着性物品を提供する。
【解決手段】粘着剤組成物は、(A)粘着性樹脂〔好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂〕および(B)スルホン化ポリマー(特に好ましくはスルホン化共役ジエン系ポリマー)を含有することを特徴とする。
粘着剤組成物の製造方法は、(B)成分の存在下に、(A)成分を与えるモノマーを重合することを特徴とする。
粘着性物品は、前記粘着剤組成物からなる粘着層を備えてなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物とその製造方法および粘着性物品に関わり、特にディスプレイ表面、ディスプレイ部材、偏光板等に対する保護材として有用な粘着性物品における粘着層の形成に好適な粘着剤組成物とその製造方法および当該粘着剤組成物からなる粘着層を備えた粘着性物品に関する。
従来から、各種の部材ないし物品の表面を機械的あるいは電気的に保護するため、また精密機器では内部に埃や水分等が侵入したりするのを防止するためにも、保管時、搬送・輸送時や加工時に、保護テープ、保護シートや保護フィルム(以下、これらをまとめて「保護材」という。)等で被覆しておくことが行われている。
保護材には一般に、保護される部材や物品に接着させるために粘着層が設けられているが、その粘着剤には保護される部材や物品を汚染することのないように高い再剥離性を有する必要がある。またディスプレイ、偏光板、電子基板などの保護には、例えば保護フィルムを剥離する際に生じる静電気による損傷ないし機能劣化を防止するために、十分な帯電防止能を有することも求められている。
帯電防止性にも着目した粘着性保護材としては、例えば、保護材の基材に帯電防止性材料を用いた保護材(特許文献1参照。)、保護材の基材の片面に帯電防止剤を塗布した保護材(特許文献2参照。)、粘着剤に界面活性剤等の帯電防止剤を添加した保護材(特許文献3参照。)、表面にイオン性導電性層を設けた粘着性小球を含有する粘着剤を用いた保護材(特許文献4参照。)などが提案されている。
特開平4−292943号公報 特開平7−26223号公報 特開平1−253482号公報 特開平11−349910号公報
これらの粘着性保護材のうち、帯電防止性基材を用いた保護材では、保護される部材や物品に接する粘着層自体に帯電防止能がなければ、保護材を剥離する際の静電気による損傷ないし機能劣化を十分防止することが困難であり、また基材の片面に帯電防止剤を塗布した保護材では、一般に保護材の粘着性が低く、部材や物品を長期にわたり適切に保護することが困難であり、また粘着剤に界面活性剤等の帯電防止剤を添加した保護材では、帯電防止剤が粘着層表面にブリ−ドしたり、保護材の剥離後に保護される部材や物品の表面に汚染(糊残り)が残ったり、帯電防止能が経時的に変化したりする欠点がある。一方、イオン性導電性層を設けた粘着性小球を用いた保護材では、粘着性微小球が1μm程度と比較的大きい場合、粘着層が半透明となり、保護される部材や物品に保護材を貼り付けたまま、部材や物品の表面状態を目視で検査することが難しくなり、作業性が低下するという欠点がある。
本発明の課題は、粘着性と再剥離性のバランス、粘着層の透明性、帯電防止性等に優れ、また粘着層中の構成成分が表面にブリードするおそれもない、特に保護材として有用な粘着性物品における粘着層の形成に好適な粘着剤組成物、当該粘着剤組成物の製造方法および当該粘着剤組成物からなる粘着層を備えた粘着性物品を提供することにある。
本発明は、第一に、(A)粘着性樹脂および(B)スルホン化ポリマーを含有することを特徴とする粘着剤組成物、からなる。
本発明は、第二に、(B)スルホン化ポリマーの存在下に、(A)粘着性樹脂を与えるモノマーを重合することを特徴とする、粘着剤組成物の製造方法、からなる。
本発明は、第三に、前記粘着剤組成物からなる粘着層を備えてなる粘着性物品、からなる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(A)粘着性樹脂
本発明における粘着性樹脂は、粘着剤として作用しうる粘着力を有する樹脂であり、その例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂、エチレン/酢酸ビニル系共重合等を主成分とする樹脂を挙げることができ、これらのうち、特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂が好ましい。
以下、粘着性樹脂について、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂を中心として詳細に説明する。
本発明における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類を主成分とし、粘着性を有する樹脂からなるものである。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、i−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらのうち、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類が好ましく、さらに好ましくはアルキル基の炭素数が6〜12のアクリル酸アルキルエステル類である。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル類は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂においては、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル類と共に、他の重合性モノマー(以下、「他の重合性モノマー(i)」という。)を併用することができる。
他の重合性モノマー(i)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸やその塩類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ポリカルボン酸無水物類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン、2−シアノエチル(メタ)アクリレート等のシアノ基含有モノマー類;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン等の不飽和脂肪族炭化水素類等の単官能性モノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼン等の多官能性モノマー等を挙げることができ、これらのうち、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル等が好ましく、さらに好ましくはアクリル酸、アクリロニトリル等である。
前記他の重合性モノマー(i)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂を製造する際の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類の使用量は、全モノマーに対して、好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%である。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂の重量平均分子量(GPC法によるポリスチレン換算値。以下同様。)は、好ましくは10,000以上、さらに好ましくは30,000以上である。この場合、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂の重量平均分子量が10,000未満では、糊残り等粘着性に問題を生じるおそれがある。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂のガラス転移点(以下、「Tg」という。)は、好ましくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−80〜−30℃である。この場合、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂のTgが−80℃より低いと、凝集力が低下して、高温・高湿雰囲気下における粘着力が低下する傾向があり、一方−10℃より高いと、基材に対する粘着力が低下する傾向がある。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂のTgは、示差熱熱量分析計(DSC)により、公知の方法で測定できる。
本発明において、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂は、市販品を使用しても、また別途合成してもよい。
本発明において、粘着性樹脂は、単独でまたは2種以上混合して使用することができるが、特に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類のみの単独重合体あるいは共重合体、あるいは(メタ)アクリル酸アルキルエステル類と他の重合性モノマー(i)との共重合体からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂を含有する粘着性樹脂が好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂を含有する粘着性樹脂において、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂の含有割合は、粘着性樹脂全体の、好ましくは60〜100重量%、さらに好ましくは80〜100重量%である。
(B)スルホン化ポリマー
本発明におけるスルホン化ポリマーとしては、例えば、共役ジエン系ポリマーのスルホン化物あるいは共役ジエン系ポリマーの水素添加物のスルホン化物等のスルホン化共役ジエン系ポリマー;ポリスチレン等の芳香族ビニル系ポリマーのスルホン化物、スチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマーの単独重合体あるいは共重合体等のスルホン化芳香族ビニル系ポリマー等を挙げることができ、これらのうち、スルホン化共役ジエン系ポリマー、ポリスチレンスルホン酸が好ましく、特にスルホン化共役ジエン系ポリマーが好ましい。
以下、スルホン化ポリマーについて、スルホン化共役ジエン系ポリマーを中心として説明する。
本発明におけるスルホン化共役ジエン系ポリマーは、共役ジエン系モノマーを構成単位として含むポリマーあるいはその水素添加物(以下、このポリマーおよび水素添加物をまとめて「共役ジエン系ベースポリマー」という。)をスルホン化することによって得られるものである。
共役ジエン系ベースポリマーに使用される共役ジエン系モノマーとしては、炭素数4〜10の化合物が好ましく、さらに好ましくは炭素数4〜8、特に好ましくは炭素数4〜6の化合物である。
共役ジエンジエン系モノマーとしては、例えば、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ペンタジエン、イソプレン、1,2−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,2−ヘプタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジエン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタジエン、3,5−ヘプタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン等を挙げることができ、これらのうち、特に、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
前記共役ジエンジエン系モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
共役ジエン系ベースポリマーにおいては、共役ジエン系モノマーと共に、他の重合性モノマー(以下、「他の重合性モノマー(ii) 」という。)を併用することができる。
他の重合性モノマー(ii) としては、例えば、スチレン、α―メチルスチレン、o−メチルスチレン、m―メチルスチレン、p―メチルスチレン、1−ビニルナフタレン等の芳香族ビニル系化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸やその塩類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ポリカルボン酸無水物類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアノ基含有モノマーや、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらのうち芳香族ビニル系化合物が好ましく、特にスチレンが好ましい。
前記他の重合性モノマー(ii) は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
他の重合性モノマー(ii) を併用して共役ジエン系ベースポリマーを製造する際の共役ジエン系モノマーの使用量は、全モノマーに対して、好ましくは0.5〜99重量%、さらに好ましくは1〜95重量%、特に好ましくは5〜90重量%である。この場合、共役ジエンモノマーの使用量が0.5重量%未満では、得られるポリマー中のスルホン酸(塩)基含量が低くなり、得られる粘着剤組成物の帯電防止能が不十分となるおそれがあり、一方99重量%を超えると、スルホン化ポリマーの存在下に粘着性樹脂を与えるモノマーを重合する際、重合安定性が低下するおそれがある。
共役ジエン系ベースポリマーは、共役ジエン系モノマーを、必要に応じて他の重合性モノマー(ii) と共に、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤、あるいはn−ブチルリチウム、ナトリウムナフタレン、金属ナトリウム等のアニオン重合開始剤の存在下、必要に応じて公知の溶剤を使用して、通常、−100〜+150℃、好ましくは0〜130℃で、重合を行うことにより合成することができる。
また、共役ジエン系ベースポリマーとして、共役ジエン系ベースポリマー中に残存する二重結合部分の一部あるいは全部を水素添加した水素添加物を使用することができる。
この水素添加には、公知の水添触媒および方法が使用可能であり、例えば、特許文献5に記載されているような触媒および方法を採用することができる。但し、水素添加したスルホン化共役ジエン系ポリマーを製造する際には、水素添加とスルホン化の何れを先に行ってもよい。
特開平5―222115号公報
本発明における共役ジエン系ベースポリマーは、共重合体の場合、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよく、ブロック共重合体では、AB型、ABA型などを特に制限なく使用することができる。
好ましい共役ジエン系ベースポリマーとしては、例えば、ポリ−1,3−ブタジエン、ポリイソプレン、1,3−ブタジエン/スチレンランダム共重合体、1,3−ブタジエン−スチレン二元ブロック共重合体、スチレン−1,3−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体、1,3−ブタジエン−スチレン−1,3−ブタジエン三元ブロック共重合体、イソプレン/スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレン二元ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、イソプレン−スチレン−イソプレン三元ブロック共重合体や、これらポリマーの水素添加物のほか、エチレン/プロピレン/共役ジエン三元ランダム共重合体等を挙げることができ、これらのうちさらに好ましくは、1,3−ブタジエン−スチレン二元ブロック共重合体、スチレン−1,3−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体、1,3−ブタジエンースチレン−1,3−ブタジエン三元ブロック共重合体、イソプレン−スチレン二元ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、イソプレン−スチレン−イソプレン三元ブロック共重合体やこれらの水素添加物等の共役ジエン系ユニットと芳香族ビニル系ユニットとを有するブロック共重合体およびその水素添加物である。
共役ジエン系ベースポリマーの重量平均分子量は、好ましくは1,000以上、さらに好ましくは5,000以上、特に好ましくは5,000〜400,000である。この場合、共役ジエン系ベースポリマーの重量平均分子量が1,000未満であると、スルホン化共役ジエン系ポリマーが粘着層の表面からブリードして、粘着力が経時的に変化するおそれがあり、一方400,000を超えると、生産性が低下する傾向がある。
本発明におけるスルホン化共役ジエン系ポリマーは、前記共役ジエン系ベースポリマーを、公知の方法、例えば非特許文献1や特許文献6に記載された方法に準じて、該ポリマー中の共役ジエン系ユニットの二重結合部分をスルホン化剤を用いてスルホン化することにより製造することができる。
このスルホン化反応においては、共役ジエン系ユニットの二重結合が開環して単結合になるか、あるいは該二重結合は残ったままで、水素原子がスルホン酸(塩)基で置換されることになる。また、他の重合性モノマー(ii) を使用した場合には、共役ジエン系ユニット以外にも、例えば芳香族ビニル系ユニットがスルホン化されてもよい。
日本科学会編集「新実験化学講座」14巻 III,p.1773-1783 特開平2―227403号公報
前記スルホン化剤としては、例えば、無水硫酸、無水硫酸と電子供与性化合物との錯体のほか、硫酸、クロロスルホン酸、発煙硫酸、亜硫酸水素塩(例えば、Li塩、Na塩、K塩等)等を使用することができ、これらのうち、無水硫酸、無水硫酸と電子供与性化合物との錯体が好ましい。
前記電子供与性化合物としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、ピペラジン等のアミン類;ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド等のスルフィド類;アセトニトリル、エチルニトリル、プロピルニトリル等のニトリル化合物等を挙げることができ、これらのうち、N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサンが好ましい。
スルホン化剤の使用量は、共役ジエン系ベースポリマー中の共役ジエン系ユニットと芳香族ビニル系ユニットとの合計1モルに対して、無水硫酸(SO3)換算で、通常、0.005〜1.5モル、好ましくは0.01〜1.0モルである。この場合、スルホン化剤の使用量が0.005モル未満では、目的とするスルホン化率を達成することが困難となり、得られる粘着剤組成物の帯電防止能が不十分となるおそれがあり、一方1.5モルを超えると、未反応のスルホン化剤が多くなり、アルカリで中和後に例えば硫酸塩が多量に生じて、純度が低下したりして、精製に手間取ることになる。
スルホン化反応は、スルホン化剤に不活性な反応溶媒中で実施することができる。
前記反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;n−プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類や、液体二酸化イオウ等を挙げることができる。
これらの反応溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
スルホン化反応の条件は、反応温度が、通常、−70〜+200℃、好ましくは−30〜+50℃である。この場合、反応温度が−70℃未満では、スルホン化反応が遅くなって生産性が低下し、一方200℃を超えると、副反応を起こして、生成物が変色あるいは不溶化するおそれがある。
本発明におけるスルホン化共役ジエン系ポリマーは、スルホン化物に水を作用させることにより、スルホン酸基を有するポリマーとして得られ、またスルホン化物に塩基性化合物を作用させることにより、スルホン酸塩基を有するポリマーとして得られる。
前記塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウム−t−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、n−アミルリチウム、n−プロピルナトリウム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、n−プロピルマグネシウムアイオダイド、ジエチルマグネシウム、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム等の有機金属化合物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、アニリン、ジメチルエタノールアミン、ピペラジン等のアミン類;アンモニア水や、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛等の金属の他の塩基性化合物等を挙げることができ、これらのうち、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水が好ましく、特に水酸化リチウム、水酸化ナトリウムが好ましい。
前記塩基性化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記塩基性化合物は、適当な溶媒、例えば、水、塩基性化合物に不活性な有機溶媒等に溶解して使用することもできる。
前記有機溶媒としては、例えば、スルホン化反応に使用される前記反応溶媒のほか、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類等を挙げることができる。
これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
塩基性化合物の使用量は、スルホン化剤1モルに対して、通常、2モル以下、好ましくは1.3モル以下である。
また、塩基性化合物を溶媒に溶解して使用する場合、塩基性化合物の濃度は、通常、1〜70重量%、好ましくは10〜50重量%程度である。
スルホン化物に水あるいは塩基性化合物を作用させる反応は、常圧下、減圧下あるいは加圧下の何れでも実施することができる。
また、スルホン化物に水のみを作用させる際の水の使用量は、スルホン化物100重量部に対して、通常、10〜50,000重量部、好ましくは100〜10,000重量部重量部である。
スルホン化物に水あるいは塩基性化合物を作用させる際の反応条件は、反応温度が、通常、−30〜+150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃であり、反応時間が、通常、0.1〜24時間、好ましくは0.5〜5時間である。
スルホン化共役ジエン系ポリマー中のスルホン酸(塩)基含量は、通常、0.1〜6ミリモル/g、好ましくは0.5〜5ミリモル/gである。この場合、スルホン酸(塩)基含量が0.1ミリモル/g未満では、得られる粘着剤組成物の帯電防止能が不十分となるおそれがあり、一方6ミリモル/gを超えると、得られる粘着層の透明性が損なわれるおそれがある。
このようにして得られるスルホン化共役ジエン系ポリマーの構造は、スルホン酸(塩)基含量が赤外線吸収スペクトルによるスルホン基の吸収より確認でき、また組成比が元素分析などにより確認することができる。また、 1H−NMR分析や13C−NMR分析により、その構造を確認することもできる。
また、スルホン化共役ジエン系ポリマーとして、市販品を使用することもできる。
ポリスチレンスルホン酸の重量平均分子量は、好ましくは1,000以上、さらに好ましくは5,000以上、特に好ましくは5,000〜400,000である。この場合、重量平均分子量が1,000未満であると、ポリスチレンスルホン酸が粘着層の表面からブリードして、粘着力が経時的に変化するおそれがあり、一方400,000を超えると、生産性が低下する傾向がある。
本発明において、スルホン化ポリマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
粘着剤組成物
本発明の粘着剤組成物において、(A)粘着性樹脂と(B)スルホン化ポリマーとの合計量に対して、(A)粘着性樹脂の配合比率は、好ましくは40〜99.9重量%、さらに好ましくは50〜99.5重量%であり、(B)スルホン化ポリマーの配合比率は、好ましくは60〜0.1重量%、さらに好ましくは50〜0.5重量%である。この場合、(A)粘着性樹脂の配合比率が40重量%未満であると、十分な帯電防止能を確保することが困難となるおそれがあり、一方99.9重量%を超えると、十分な粘着性を確保することが困難となるおそれがある。
本発明の粘着剤組成物には、架橋剤を配合することが好ましい。
前記架橋剤としては、例えば、イソシアナート化合物、エポキシ化合物等を挙げることができる。
これらの架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
架橋剤の配合量は、(A)粘着性樹脂と(B)スルホン化ポリマーとの合計100重量部に対して、好ましくは0.2〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜2重量部である。
本発明の粘着剤組成物には、所望により、さらに、(A)粘着性樹脂以外の粘着性付与剤、他の水溶性樹脂、他の樹脂エマルジョン、界面活性剤、湿潤剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・防かび剤、着色剤等の種々の添加剤を配合することができる。
本発明の粘着剤組成物は、特に、液晶パネル、偏光板、電子基板等に対する表面保護材として有用な粘着性物品、例えば、粘着テープ、粘着シートまたは粘着フィルムの粘着層の形成に極めて好適に使用することができるほか、一般の粘着剤や接着剤等としても使用することができる。
粘着剤組成物の製造方法
本発明において、粘着剤組成物は、例えば、(イ)(A)粘着性樹脂と(B)スルホン化ポリマーとをブレンドする方法、(ロ)(B)スルホン化ポリマーの存在下に、(A)粘着性樹脂を与えるモノマー(以下、「モノマー(a)」という。)を重合する方法等により製造することができ、好ましくは(ロ)の方法である。
(ロ)の方法によると、(A)成分と(B)成分とが複合化される結果、(A)成分と(B)成分との相溶性が向上し、例えば表面保護用の粘着フィルム等の粘着性物品とした場合に、粘着層の透明性および帯電防止性が高められる。
(ロ)の方法に際して、(B)成分の存在下におけるモノマー(a)の重合は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の適宜の方法で実施することができるが、好ましい方法は、下記(ロ−1)〜(ロ−3)の方法である。
(ロ−1)(B)成分、好ましくはスルホン化共役ジエン系ポリマーと、モノマー(a)とを、水系媒体中に、平均粒径(光動的散乱法による値。以下同様。)が好ましくは20〜500nmとなるように、モノマーエマルジョンとしたのち、ラジカル重合開始剤を用いて重合する方法(以下、「ミニエマルジョン重合法」という。)。
(ロ−2)(B)成分を水系媒体中に分散させたのち、モノマー(a)をインクレメントに添加しつつ、ラジカル重合開始剤を用いて重合するシード重合法。
(ロ−3)予めモノマー(a)の一部を水系媒体中でラジカル重合開始剤を用いて重合したのち、残りのモノマー(a)と(B)成分とを添加して重合する方法。
以下、粘着剤組成物の製造方法について、(B)成分としてスルホン化共役ジエン系ポリマーを用いる(ロ−1)の方法(ミニエマルジョン重合法)を中心として詳細に説明する。
ミニエマルジョン重合法に際して、スルホン化共役ジエン系ポリマーは、予め水系媒体中に分散あるいは溶解して使用することができる。
スルホン化共役ジエン系ポリマーを水系媒体中に分散する際には、スルホン化共役ジエン系ポリマーの有機溶剤溶液、あるいは水や塩基性化合物を作用させる前のスルホン化物の有機溶剤溶液を、水と共に、場合により塩基性化合物の存在下で、攪拌・混合して、エマルジョン化あるいは溶解させ、必要に応じて塩基性化合物を作用させたのち、水を残したまま有機溶剤を除去して、分散体を得る。
このスルホン化共役ジエン系ポリマーの分散には、通常の方法が採用でき、例えば、攪拌しながら各有機溶剤溶液中に水を添加する方法、攪拌しながら水中に各有機溶剤溶液を添加する方法、水と各有機溶剤溶液を同時に添加して攪拌する方法等、特に制限はない。
スルホン化共役ジエン系ポリマーを分散する際に使用する前記有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール等のアルコール系溶剤等を挙げることができる。
これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
なお、スルホン化共役ジエン系ポリマーを水系媒体中に溶解させる場合は、重合に使用した有機溶剤以外に有機溶剤を追加しないことが好ましい。
スルホン化共役ジエン系ポリマーを分散する際の有機溶剤の使用量は、スルホン化共役ジエン系ポリマーあるいは水や塩基性化合物を作用させる前のスルホン化物100重量部に対し、好ましくは20〜5,000重量部、さらに好ましくは50〜2,000重量部である。この場合、有機溶剤の使用量が20重量部未満では、安定なエマルジョンを得ることが困難となる傾向があり、一方5,000重量部を超えると、生産性が低下する。
また、スルホン化共役ジエン系ポリマーを分散する際の水の使用量は、スルホン化共役ジエン系ポリマーあるいは水や塩基性化合物を作用させる前のスルホン化物100重量部に対し、好ましくは50〜10,000重量部、さらに好ましくは100〜5,000重量部である。この場合、水の使用量が50重量部未満では、安定なエマルジョンを得ることが困難となる傾向があり、一方10,000重量部を超えると、生産性が低下する。
スルホン化共役ジエン系ポリマーを分散する際には、別途分散剤を添加しなくてもよいが、必要に応じて、分散剤として界面活性剤を使用することができる。
前記界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル等の非イオン系界面活性剤;オレイン酸塩、ラウリン酸塩、ロジン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤;オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ドデシルピリジジニウムクロライド等のカチオン系界面活性剤等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤は、前記各有機溶剤溶液中に溶解あるいは分散させて使用しても、水中に溶解あるいは分散させて使用してよい。
界面活性剤の使用量は、スルホン化共役ジエン系ポリマーあるいは水や塩基性化合物を作用させる前のスルホン化物100重量部に対し、通常、10重量部以下、好ましくは5重量部以下である。
また、スルホン化共役ジエン系ポリマーの分散体あるいは水溶液のpHを調整するために、さらに、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等の塩基性化合物;塩酸、硫酸等の無機酸を添加することもできる。また場合により、水以外の有機溶剤を少量であれば添加することもできるが、ケトン系溶剤などは臭気の点で使用しないのが好ましい。
このようにして得られるスルホン化共役ジエン系ポリマーの分散体の平均粒径は、通常、1〜500nm、好ましくは5〜200nmである。この場合、該平均粒径がこの範囲を外れると、分散体の分散安定性が低下する傾向がある。
本発明において、スルホン化共役ジエン系ポリマーが水系媒体中で分散するか溶解するかは、共役ジエン系ベースポリマーの重量平均分子量やスルホン酸(塩)基含量によって変わるが、前述した重量平均分子量およびスルホン酸(塩)基含量の範囲内であれば、分散体と水溶液の何れも使用することができる。
ミニエマルジョン重合法における水系媒体の使用量は、スルホン化共役ジエン系ポリマーとモノマー(a)との合計100重量部に対して、通常、50〜2,000重量部、好ましく100〜1,000重量部である。この場合、水系媒体の使用量が50重量部未満では、所望の平均粒径のモノマーエマルジョンを得ることが困難となったり、モノマーエマルジョンの分散安定性が低下したりするおそれがあり、一方2,000重量部を超えると、生産性が低下する。
スルホン化共役ジエン系ポリマーとモノマー(a)とを水系媒体中でモノマーエマルジョンとする際には、各成分の水系媒体への添加順序は特に限定されるものではなく、例えば、スルホン化共役ジエン系ポリマーあるいはその分散体または水溶液とモノマー(a)とを、水系媒体中に添加して、所望の平均粒径となるようモノマーエマルジョンとしても、スルホン化共役ジエン系ポリマーの分散体または水溶液中にモノマー(a)を添加して、所望の平均粒径となるようモノマーエマルジョンとしてもよい。
スルホン化共役ジエン系ポリマーおよびモノマー(a)を水系媒体中でモノマーエマルジョンとする方法は、例えば、ペイントシェーカー、高圧ホモジナイザー、ホモミキサー、超音波分散機等を用いて実施することができる。
このようにして得られるモノマーエマルジョンの平均粒径は、好ましくは20〜500nm、さらに好ましくは25〜300nmである。この場合、モノマーエマルジョンの平均粒径がこの範囲から外れると、得られるポリマーエマルジョンの平均粒径もこの範囲から外れ、粘着剤組成物の粘度が過大となったり、分散安定性が低下したりするおそれがある。
スルホン化共役ジエン系ポリマーは、親水性のスルホン酸(塩)基を有し、それ自体乳化・分散作用を示すものであり、スルホン化共役ジエン系ポリマーの存在下におけるミニエマルジョン重合では、別途界面活性剤を添加しなくてもよいが、場合により、例えば、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等のノニオン系、アニオン系あるいはカチオン系の界面活性剤あるいは重合性基としてアリル基を有する各種の反応性乳化剤を1種以上添加してもよい。
また、ミニエマルジョン重合に際しては、ポリオルガノシロキサン、ポリジメチルシロキサンジオール等の改質剤;t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、i−プロパノール、メタノール、四塩化炭素等の分子量調節剤;パラフィン系溶剤等の種々の溶剤や、pH調整剤、消泡剤、増粘剤等を添加することもできる。
次いで、モノマー(a)をラジカル重合開始剤を用いて重合する。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩や、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、コハク酸パーオキサイド、2,2’−アゾビス(2−N−ベンジルアミジノ)プロパン塩酸塩等の水溶性開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシオクトエート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性開始剤;還元剤として酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸等を用いるレドックス系開始剤等を挙げることができる。
これらのラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマー(a)100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部である。この場合、ラジカル重合開始剤の使用量が0.1重量部未満では、重合反応が途中で失活するおそれがあり、一方20重量部を超えると、反応制御が困難となるおそれがある。
ラジカル重合開始剤は、スルホン化共役ジエン系ポリマーとモノマー(a)とを水系媒体中でモノマーエマルジョンとする前に添加しても、モノマーエマルジョンとしたのちに添加してもよい。
ミニエマルジョン重合の反応条件は、反応温度が、通常、40〜100℃、好ましくは60〜95℃であり、反応時間が、通常、0.5〜15時間、好ましくは1〜8時間である。
重合操作は、バッチ式、半連続式あるいは連続式の何れでも実施することができる。
ミニエマルジョン重合によると、(A)粘着性樹脂と(B)スルホン化ポリマーとが複合化したポリマーエマルジョンが得られる。
ミニエマルジョン重合により得られるポリマーエマルジョンの平均粒径は、好ましくは60〜500nm、さらに好ましくは90〜300nmである。この場合、得られるポリマーエマルジョンの平均粒径が60nm未満であると、得られる粘着剤組成物の粘度が高くなりすぎるおそれがあり、一方500nmを超えると、粘着力が低下する傾向がある。 ミニエマルジョン重合により得られるポリマーエマルジョンの平均粒径は、スルホン化共役ジエン系ポリマーの親水性の程度、スルホン化共役ジエン系ポリマーのMw、スルホン化共役ジエン系ポリマーの使用量、モノマーエマルジョンとする際および重合時に適用される応力と処理時間等により調整することができる。
また、ミニエマルジョン重合により得られるポリマーエマルジョンを含有する粘着剤組成物の固形分(不揮発分)は、通常、10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%である。この固形分は水系媒体を追加するか、一部の水系媒体を除去することにより調整することができる。
(ロ−2)の方法でモノマー(a)をインクレメントに添加する方法、および(ロ−3)の方法で残りのモノマー(a)と(B)成分とを添加する方法としては、一括添加、回分的添加あるいは連続添加やこれらの2つまたは3つの組み合わせなど何れの方法を用いてもよい。ここで、回分的添加とは、複数回に分けて添加する方法を意味する。
また、(ロ−3)の方法で残りのモノマー(a)と(B)成分とを添加する際には、モノマー(a)と(B)成分を別々に添加しても、モノマー(a)と(B)成分とを予め混合して添加してもよい。
これらの場合、(ロ−2)の方法でモノマー(a)を回分的添加、連続添加あるいはこれらの組み合わせにより添加し、また(ロ−3)の方法で残りのモノマー(a)と(B)成分とを回分的添加、連続添加あるいはこれらの組み合わせにより添加することにより、反応が急激に進行して反応熱が多量に発生することによる重合系内温度の急激な上昇を防止することができる。また(ロ−3)の方法で(B)成分を重合の後半(重合率が例えば80%以後)に添加すると、得られるポリマー粒子の表面にスルホン化ポリマーが配置されやすくなり、粘着層表面の導電性および帯電防止性の向上の点で好ましい。
(ロ−2)および(ロ−3)の方法における重合に際しては、前記ラジカル重合開始剤、分子量調節剤、界面活性剤等を使用することができ、またpH調節剤、消泡剤、増粘剤等を適宜添加することができる。
粘着性物品
本発明の粘着性物品における基材としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネ−ト、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコ−ル、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、ポリスチレン、紙、セロハンや、これらの2種以上からなる複合材料(例えば、ブレンド物、積層物等)等を挙げることができ、これらの基材は、必要に応じてフォーム(発泡体)構造(好ましくは独立気泡構造)を有することもできる。
これらの基材には、必要に応じて、粘着層との接着性をさらに改善するために、表面にコロナ処理等の易接着処理を行ってもよい。
また、これらの基材の粘着層側とは反対側に、必要に応じて、例えば防汚染塗工、ハード塗工、帯電防止塗工等を任意の組成で行うこともでき、このような塗工処理は用途によっては好ましい。
基材の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、テ−プ、シ−トまたはフィルムのほか、各種形状の成形物等を採用することができる。
本発明の粘着性物品における粘着層の乾燥後の膜厚は、粘着性物品の用途に応じて適宜調整することができるが、例えば表面保護用の粘着フィルムの場合、通常、5〜50μm、好ましくは10〜30μmである。
本発明の粘着性物品のうち、特に、粘着層の表面固有抵抗値(Ω/□)が1E+12以下、好ましくは1E+11以下であり、かつ粘着層の全光線透過率が70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上である粘着テ−プ、粘着シ−トまたは粘着フィルムは、液晶、プラズマディスプレイ(PDP)、電子管(CRT)、エレクトロルミネッセンス(EL)、タッチパネル等のディスプレイ表面の保護材、これらのディスプレイに用いられる部材、偏光板等の保護材として極めて有用である。
本発明の粘着剤組成物は、粘着性と再剥離性のバランス、粘着層の透明性、帯電防止性等に優れ、また粘着層中の構成成分が表面にブリードするおそれもなく、特に、保護材として有用な粘着性物品における粘着層の形成に極めて好適に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。ここで、部は特記しない限り重量基準である。
実施例および比較例における性能評価は、下記の要領で行った。
ポリマーエマルジョンの平均粒径
動的光散乱法粒径測定器(大塚電子(株)製LPA−3000/3100)を用いて測定した。
粘着力および糊残り
被着体であるTAC(トリアセチルセルロース)の表面に粘着フィルムを接着させたのち、180°剥離試験を行って、粘着力を測定し、また剥離後の被着体表面における糊残りの有無を目視にて観察した。
表面固有抵抗値
粘着フィルムにおける粘着層の表面固有抵抗値を、ヒューレット・パッカード社製
HIGH RESISTANCE METERを用い、25℃×相対湿度55%の雰囲気下で測定した。
剥離後帯電圧
被着体であるTACの表面に粘着フィルムを接着させて剥離したのち、剥離後の粘着層の帯電圧を、春日電機(株)製デジタル静電電位測定器を用い、25℃×相対湿度55%の雰囲気下で測定した。
全光線透過率およびヘイズ
離型フィルムに粘着剤組成物の塗膜を形成したのち剥離して得た粘着層について、日本電飾工業(株)製ヘーズメータを用いて測定した。
〔粘着性樹脂の製造〕
合成例1
容量1リットルの重合容器に、脱イオン水140g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.5g、過硫酸カリウム3.5gを仕込んで、窒素ガス置換を行ったのち、攪拌しつつ80℃に昇温した。
別に、容量1リットルのビーカーに、2−エチルヘキシルアクリレート311g、アクリロニトリル14g、アクリル酸4g、脱イオン水175g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.5g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル4.5gを仕込み、十分攪拌して、モノマーエマルジョンを調製した。
次いで、80℃に保持した重合容器に、攪拌下で、前記モノマーエマルジョンを4時間かけて連続的に滴下しつつ重合し、滴下終了後80℃でさら2時間攪拌して重合を完結させることにより、樹脂エマルジョンを得た。
この樹脂エマルジョンは、固形分が52重量%であり、樹脂のTgが−65℃であった。この樹脂を「粘着性樹脂(A−1) 」とする。
合成例2
2−エチルヘキシルアクリレート311gに換えて、2−エチルヘキシルアクリレート211gおよびn−ブチルアクリレート100gを用いた以外は、合成例1と同様にして、樹脂エマルジョンを得た。
この樹脂エマルジョンは、固形分が52重量%であり、Tgが−60℃であった。この樹脂を「粘着性樹脂(A−2) 」とする。
〔スルホン化ポリマーの合成〕
合成例3
ガラス製反応容器にジオキサン100gを入れ、内温を25℃に保ちながら、無水硫酸15.7gを添加したのち、1時間攪拌して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。
次いで、イソプレン−スチレン二元ブロック共重合体(イソプレン/スチレン重量比=60/40、重量平均分子量=10,000)100gをジオキサンに溶解した濃度15%の溶液に、内温を25℃に保ちながら、前記錯体の全量を添加したのち、1時間攪拌して、ポリマー溶液(3)を調製した。
別に、水1200g、水酸化ナトリウム7.9gをフラスコに入れて、内温を40℃に加温した。その後、ポリマー溶液(3)の全量を、同温度に保ちながら、10分で滴下した。滴下後、同温度に保ちながら2時間攪拌したのち、減圧蒸留により溶剤全量を除去して、イソプレンユニットがスルホン化されたスルホン化ポリマー(B−1)を濃度15重量%の水溶液として得た。
このスルホン化ポリマー(B−1)のスルホン酸塩基含量は1.7ミリモル/gであった。
合成例4
合成例3において、無水硫酸の使用量を30.2gに変えた以外は、合成例3と同様にして、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。
また、合成例3において、イソプレン−スチレン二元ブロック共重合体(イソプレン/スチレン重量比=60/40、重量平均分子量=10,000)100gに代えて、イソプレン/スチレン二元ブロック共重合体(イソプレン/スチレン重量比=80/20、重量平均分子量=10,000)100gを用いた以外は、合成例3と同様にして、ポリマー溶液(4)を調製した。
さらに、合成例3において、水酸化ナトリウムの使用量を15.1gに変え、ポリマー溶液(3)に代えてポリマー溶液(4)を用いた以外は、合成例3と同様にして、イソプレンユニットがスルホン化されたスルホン化ポリマー(B−2)を濃度15重量%の水溶液として得た。
このスルホン化ポリマー(B−2)のスルホン酸塩基含量は2.9ミリモル/gであった。
合成例5
合成例3において、ジオキサン100gに代えて1,2−ジクロルエタン100gを用い、無水硫酸の使用量を56.3gに変えた以外は、合成例3と同様にして、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。
また、合成例3において、イソプレン−スチレン二元ブロック共重合体(イソプレン/スチレン重量比=60/40、重量平均分子量=10,000)100gに代えて、ポリスチレン(重量平均分子量=8,000)100gを用いた以外は、合成例3と同様にして、ポリマー溶液(5)を調製した。
さらに、合成例3において、水酸化ナトリウムの使用量を28.2gに変え、ポリマー溶液(3)に代えてポリマー溶液(5)を用いた以外は、合成例3と同様にして、スチレン部分がスルホン化されたスルホン化ポリマー(B−3)を濃度15重量%の水溶液として得た。
このスルホン化ポリマー(B−3)のスルホン酸塩基含量は4.5ミリモル/gであった。
合成例6
合成例3において、無水硫酸の使用量を11.6gに変えた以外は、合成例3と同様にして、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。
また、合成例3において、イソプレン−スチレン二元ブロック共重合体(イソプレン/スチレン重量比=60/40、重量平均分子量=10,000)100gに代えて、イソプレン/スチレン二元ブロック共重合体(イソプレン/スチレン重量比=80/20、重量平均分子量=10,000)100gを用いた以外は、合成例3と同様にして、ポリマー溶液(6)を調製した。
さらに、合成例3において、水酸化ナトリウムの使用量を5.8gに変え、ポリマー溶液(3)に代えてポリマー溶液(6)を用いた以外は、合成例3と同様にして、イソプレンユニットがスルホン化されたスルホン化ポリマー(B−4)を濃度15重量%の水溶液として得た。
このスルホン化ポリマー(B−4)のスルホン酸塩基含量は1.3ミリモル/gであった。
合成例7
合成例3において、ジオキサン100gに代えて1,2−ジクロルエタン100gを用い、無水硫酸の使用量を13.6gに変えた以外は、合成例3と同様にして、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。
また、合成例3において、イソプレン−スチレン二元ブロック共重合体(イソプレン/スチレン重量比=60/40、重量平均分子量=10,000)100gに代えて、イソプレン−スチレン二元ブロック共重合体(イソプレン/スチレン重量比=60/40、重量平均分子量=10,000)のイソプレンユニットが100%水素添加されたポリマー100gを用いた以外は、合成例3と同様にして、ポリマー溶液(7)を調製した。
さらに、合成例3において、水酸化ナトリウムの使用量を6.8gに変え、ポリマー溶液(3)に代えてポリマー溶液(7)を用いた以外は、合成例3と同様にして、スチレンユニットがスルホン化されたスルホン化ポリマー(B−5)を濃度15重量%の水溶液として得た。
このスルホン化ポリマー(B−5)のスルホン酸塩基含量は1.5ミリモル/gであった。
〔ポリマーエマルジョンの調製〕
調製例1
容量1リットルのビーカーに、2−エチルヘキシルアクリレート263g、アクリロニトリル14g、アクリル酸4g、スルホン化ポリマー(B−1) 70g(固形分)、脱イオン水358gを仕込んで、30分間攪拌したのち、圧力4kgf/cm2 の駆動エアーをかけて高圧ホモジナイザーにより処理して、平均粒径200nmのモノマーエマルジョンを調製した。
次いで、このモノマーエマルジョンを容量1リットルの重合容器に移し、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.5g、過硫酸カリウム3.5gを仕込んで、窒素ガス置換したのち、攪拌しながら80℃に昇温した。その後、同温度で攪拌しながら、3時間重合したのち、200メッシュの金網でろ過することにより、ポリマーエマルジョン(C−1) を得た。
このポリマーエマルジョン(C−1) は、固形分が50重量%であった。
調製例2
スルホン化ポリマー(B−1) の使用量を35g(固形分)に変えた以外は、調製例1と同様にして、ポリマーエマルジョン(C−2) を得た。
このポリマーエマルジョン(C−2) は、固形分が45重量%であった。
調製例3
スルホン化ポリマー(B−1) 70g(固形分)に代えて、スルホン化ポリマー(B−4) 70gを用いた以外は、調製例1と同様にして、ポリマーエマルジョン(C−3) を得た。
このポリマーエマルジョン(C−3) は、固形分が50重量%であった。
調製例4
2−エチルヘキシルアクリレート263gに代えて、2−エチルヘキシルアクリレート178gとn−ブチルアクリレート85gを用いた以外は、調製例1と同様にして、ポリマーエマルジョン(C−4) を得た。
このポリマーエマルジョン(C−4) は、固形分が50重量%であった。
調製例5
スルホン化ポリマー(B−1) 70g(固形分)に代えて、スルホン化ポリマー(B−5) 70g(固形分)を用いた以外は、調製例1と同様にして、ポリマーエマルジョン(C−5) を得た。
このポリマーエマルジョン(C−5) は、固形分が50重量%であった。
調製例6
容量1リットルのビーカーに、2−エチルヘキシルアクリレート285g、アクリル酸14g、脱イオン水200g、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1g、ポリオキシエチレン−1−(アクリオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩〔商品名:アクアロンKH−10、第一工業製薬(株)製〕1g、スルホン化ポリマー(B−1)35g(固形分)を仕込み、十分攪拌して、モノマー混合物を調製した。
別に、容量1リットルの重合容器に、脱イオン水340g、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1g、n−ブチルアクリレート17.5g、アクリル酸0.5g、過硫酸カリウム3.5gを仕込んで、窒素ガス置換したのち、攪拌しながら80℃に昇温して、1時間重合した。
次いで、重合容器に前記モノマー混合物を4時間かけて連続的に滴下しつつ重合し、滴下終了後80℃でさらに2時間攪拌して、重合を完結させることにより、ポリマーエマルジョン(C−6)を得た。
このポリマーエマルジョン(C−6) は、固形分が40重量%であった。
調製例7
スルホン化ポリマー(B−1)の使用量を10g(固形分)に変え、2−エチルヘキシルアクリレート310gに代えて、2−エチルヘキシルアクリレート155gおよびn−ブチルアクリレート155gを用いた以外は、調製例6と同様にして、ポリマーエマルジョン(C−7)を得た。
このポリマーエマルジョン(C−7) は、固形分が37重量%であった。
調製例8
容量1リットルの重合容器に、脱イオン水340g、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1g、n−ブチルアクリレート17.5g、アクリル酸0.5g、過硫酸カリウム3.5gを仕込んで、窒素ガス置換したのち、攪拌しながら80℃に昇温して、1時間重合した。その後、2−エチルヘキシルアクリレート155g、n−ブチルアクリレート53g、アクリル酸10g、脱イオン水100gおよびポリオキシエチレン−1−(アクリオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩〔商品名:アクアロンKH−10、第一工業製薬(株)製〕2gの混合物を3時間かけて連続的に滴下し、滴下終了後、さらに2−エチルヘキシルアクリレート74g、n−ブチルアクリレート28g、アクリル酸5g、脱イオン水100gおよびスルホン化ポリマー(B−1)10g(固形分)の混合物を1時間かけて連続的に滴下しつつ重合し、滴下終了後80℃でさら2時間攪拌して、重合を完結させることにより、ポリマーエマルジョン(C−8)を得た。
このポリマーエマルジョン(C−8) は、固形分が40重量%であった。
実施例1
粘着性樹脂(A−1) 80部(固形分)およびスルホン化ポリマー(B−1)20部(固形分)をステンレス製容器に仕込み、さらに下記する架橋剤(a)1gを添加して、十分攪拌したのち、200メッシュの金網でろ過して、粘着剤組成物を得た。ここでは、粘着性樹脂(A−1) は合成例1で得た樹脂エマルジョンとして用い、またスルホン化ポリマー(B−1)は合成例3で得た水溶液として用いた。
次いで、この粘着剤組成物を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム〔商品名AT−50、ユニチカ(株)製〕に、No.10バーコーターを用いて塗布し、120℃で3分間乾燥して、膜厚15μmの粘着層を有する粘着フィルムを作製して、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例2〜8
表1に示す各粘着性樹脂および各スルホン化ポリマーを用い、実施例3を除き下記する架橋剤(a)1部を配合した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物を調製し、粘着フィルムを作製して、評価した。評価結果を表1に示す。ここでは、各粘着性樹脂は各合成例で得た樹脂エマルジョンとして用い、また各スルホン化ポリマーは各合成例で得た水溶液として用いた。
比較例1〜2
粘着性樹脂(A−1) を表1に示す量で用い、比較例2では下記する界面活性剤(b)5部を配合した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物を調製し、粘着フィルムを作製して、評価した。評価結果を表1に示す。ここでは、粘着性樹脂(A−1) は合成例1で得た樹脂エマルジョンとして用いた。
実施例9〜16
表2に示す各ポリマーエマルジョンを用い、下記する架橋剤(a)1部を配合した以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物を調製し、粘着フィルムを作製して、評価した。評価結果を表2に示す。
表1および表2中の架橋剤(a)および界面活性剤(b)は下記のとおりである。
a:エポキシ系架橋剤(商品名AE291、JSR(株)製)
b:フッ素系界面活性剤(商品名サーフロンS111、セイミケミカル(株)製)
Figure 2005113128
Figure 2005113128

Claims (11)

  1. (A)粘着性樹脂および(B)スルホン化ポリマーを含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  2. (A)粘着性樹脂と(B)スルホン化ポリマーとの合計量に対して、(A)粘着性樹脂の配合比率が40〜99.9重量%であり、(B)スルホン化ポリマーの配合比率が60〜0.1重量%であることを特徴とする、請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. (A)粘着性樹脂が(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂を含有することを特徴とする、請求項1または請求項2記載の粘着剤組成物。
  4. (メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂が、アルキル基の炭素原子が4〜12である(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体および共重合体の群から選ばれる単独または2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の粘着剤組成物。
  5. (メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂の含有割合が、(A)粘着性樹脂全体の60〜100重量%であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の粘着剤組成物。
  6. (B)スルホン化ポリマーが、スルホン化共役ジエン系ポリマーおよびポリスチレンスルホン酸の群から選ばれる単独または2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の粘着剤組成物。
  7. (A)粘着性樹脂と(B)スルホン化ポリマーとが複合化したポリマーエマルジョンを含有することを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載の粘着剤組成物。
  8. (B)スルホン化ポリマーの存在下に、(A)粘着性樹脂を与えるモノマーを重合することを特徴とする、粘着剤組成物の製造方法。
  9. スルホン化共役ジエン系ポリマーと、(A)粘着性樹脂を与えるモノマーとを、水系媒体中に、平均粒径20〜500nmとなるようにエマルジョン化したのち、ラジカル重合開始剤を用いて重合することを特徴とする、粘着剤組成物の製造方法。
  10. 請求項1〜7の何れかに記載の粘着剤組成物からなる粘着層を備えてなる粘着性物品。
  11. 請求項1〜7の何れかに記載の粘着剤組成物からなる粘着層を備え、該粘着層の表面固有抵抗値(Ω/□)が1E+12以下であり、かつ該粘着層の全光線透過率が70%以上であることを特徴とする、粘着テープ、粘着シートまたは粘着フィルム。
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