JP2005112990A5

JP2005112990A5 -

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Publication number: JP2005112990A5
Application number: JP2003348648A
Authority: JP
Filing date: 2003-10-07
Publication date: 2006-05-18

Description

本発明者は、この目的を達成すべく鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂、オレフィン系樹脂、及び特定の相溶化剤を所定の比率で配合することにより得られる熱可塑性樹脂組成物が、気体／液体バリア性、成形加工性、耐熱性に優れ、且つ高い衝撃強度を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、（１）（Ａ）酸変性水添ブロック共重合体０．１〜１５重量％と、（Ｂ）ポリアミド樹脂１〜４０重量％と、（Ｃ）オレフィン系樹脂４５〜８５重量％との３成分よりなり、（Ｂ）が連続相であり、連続相の平均厚みが２０００ｎｍ以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、

（２）（Ａ）が、少なくとも１個のビニル芳香族化合物重合体ブロックＳと共役ジエン化合物部分の不飽和度が２０％をこえない程度にまで水添された少なくとも１個のオレフィン化合物を主体とする重合体ブロックＥとからなり、ビニル芳香族化合物の含有量が１０〜６０重量％であるブロック共重合体に、カルボン酸基またはその誘導体を含有する分子単位が該ブロック共重合体１００重量部あたり０．０５〜１０重量部結合した変性ブロック共重合体である熱可塑性樹脂組成物、
（３）前記（１）または（２）に記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする成形体である。

好ましいものとしては無水マレイン酸変性スチレン共役ジエンブロック共重合水素添加物があげられる。
本発明の組成物中の（Ａ）の割合は０．１〜１５重量％である。０．１重量％未満の場合は（Ｂ）との反応または水素結合等の化学的相互作用に基づく界面の接着が不十分となり得られる組成物成形体の耐衝撃性が低くなる場合があり好ましくない。
一方、２５重量％を越える場合には（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）より成る組成物の（Ｂ）、（Ｃ）の相容化が過度に進行する、または（Ａ）と（Ｂ）の反応または水素結合等の化学的相互作用が進み（Ａ）＋（Ｂ）の溶融粘度が高くなる、等の理由により（Ｂ）が連続相を形成することが困難になり、その結果、組成物成形体の耐ガソリン透過性が劣る場合があり好ましくない。
また、（Ａ）の代わりにグラフト変性タイプのポリオレフィン等、例えばポリオレフィンに無水マレイン酸等を付加させたものを使用すると、組成物成形体の耐衝撃性に劣る場合があり好ましくない。
（Ａ）は、（Ｂ）、（Ｃ）の相、及び（Ｂ）、（Ｃ）の界面相に存在することができる。

これらのポリアミド樹脂の製造方法は、一般に公知に行われている方法で良い。ポリアミドの場合は、溶融重合方法が一般に実施されているが、バッチ式重合でもまた連続式重合でもよい。これらポリアミド系樹脂は末端にアミノ基およびまたはカルボキシル基を有し、これが（Ａ）中のカルボン酸基またはその誘導体より成る官能基と反応する成分である。
また（Ｂ）のポリアミド系樹脂は２種以上を併用しても構わない。
本発明の組成物中の（Ｂ）の量は１〜４０重量％である。１重量部未満であると耐熱性、気体／液体バリア性に劣る場合があり好ましくない。５０重量部を超えると、フィルム、シート、ブロー等の成形性が困難になる場合があり好ましくない。

本発明の組成物中の（Ｃ）の量は４５〜８５重量％である。３０重量部未満であると成形性が困難になる場合があり、９８重量部を超えると、耐熱性、気体／液体バリア性が悪化する。
本発明においては（Ｂ）が連続相でなければならない。（Ｂ）が連続相でなければ、目標とする耐熱性、ガスバリア性が発現されない。
「（Ｂ）が連続相」の連続相とは、例えば２相の相分離を持つ場合、他の相に完全に覆われていない相のことを言う。本発明に関して言えば、（Ａ）、（Ｃ）（および他の重合体）よりなる相（熱可塑性樹脂組成物及びその成形体表面は除く）に完全に覆われていない相が、（Ｂ）よりなる連続相である。
（Ｂ）よりなる連続相の形成は、これらの電子顕微鏡写真（例えば、ＴＥＭ）等により判断することができる。

〈実施例１〜６および比較例１〜６〉
表１の組成の配合物を、２６０℃に設定された同方向回転二軸押出機（４５ｍｍφ、Ｌ／Ｄ＝３０、混練エレメントのピッチ長＝９ミリニーディング部全長＝１８０ミリ回転数＝２００ｒｐｍ）により溶融混練した後、ストランド状に押出し、ペレタイズした。
得られた組成物ペレットを２５０℃に設定された射出成形機に投入し、アイゾット試験片と平板を作成し、各評価を実施した。結果を表１に示す。

Claims

（Ａ）酸変性水添ブロック共重合体０．１〜１５重量％と、（Ｂ）ポリアミド樹脂１〜４０重量％と、（Ｃ）オレフィン系樹脂４５〜８５重量％との３成分よりなり、（Ｂ）が連続相であり、連続相の平均厚みが２０００ｎｍ以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
請求項１に記載の（Ａ）が、少なくとも１個のビニル芳香族化合物重合体ブロックＳと共役ジエン化合物部分の不飽和度が２０％をこえない程度にまで水添された少なくとも１個のオレフィン化合物を主体とする重合体ブロックＥとからなり、ビニル芳香族化合物の含有量が１０〜６０重量％であるブロック共重合体に、カルボン酸基またはその誘導体を含有する分子単位が該ブロック共重合体１００重量部あたり０．０５〜１０重量部結合した変性ブロック共重合体であることを特徴とする請求項１に記載の熱可塑性樹脂組成物
請求項１または２に記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする成形体