JP2005111301A - 反応物生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所定の反応物が確実に生成されると共に、反応の安定化及び反応生成物の高品質が確保される反応物生成装置を提供する。
【解決手段】 固定体3(2)及び当該固定体3(2)に対し密着しながら移動可能な移動体4を備えると共に、これらの何れか一方の内部若しくはこれらの間に形成され、所定の物質が供給されることで反応物を生成可能な反応室12を備え、従来のバルブ機能を、反応室12の出入口部4a,4bとこれに繋がる相手体3の経路3a〜3m,3sとを移動体4の移動により連通/遮断するシンプルな構成に代えることで、従来のバルブのような故障の虞を無くすと共に、反応室12の出入口部4a,4bで経路3a〜3m,3sとの連通/遮断を行うことで、デッドボリュームを殆ど無くして、反応に望まない物質の混合を防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば医薬品や食品等に用いられる反応物を生成する装置に関し、特に放射性薬剤を生成するのに好適な装置に関する。
例えば医薬品や食品等に用いられる反応物を生成する装置としては、所定の物質を例えばエクステンションチューブ等の配管(以下単に配管と呼ぶ)、例えばピンチバルブ、ソレノイドバルブ等のバルブ(以下単にバルブと呼ぶ)を介して反応器に送り、この反応器で所定の反応をさせて所望の反応物を生成し、この反応生成物を、バルブ、配管を介して回収する装置が知られている。そして、上記反応生成物を放射性薬剤であるFDGとした放射性薬剤生成装置が開示されている。この装置では、反応器に相当するカラムに対して配管が接続され、この配管にさらにバルブが接続され、このバルブが、所定の流体の流出入を制御すると共に、カラムに対する接続先を選択可能とする構成とされている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9―263592号公報
しかしながら、上記装置にあっては、各種有機溶媒、酸、アルカリ、塩を含む溶液、気体等が流れるため、時としてバルブが故障し、反応物の生成に失敗する場合がある。
また、反応器に相当するカラムとバルブとが、配管を介して接続されているため、このカラムとバルブとの間に必ずデッドボリュームが生じ、このデッドボリュームに、反応に望まない物質が残留していると、反応の安定化が図れないと共に反応生成物の品質が確保されないという問題がある。
そこで、本発明は、所定の反応物が確実に生成されると共に、反応の安定化及び反応生成物の高品質が確保される反応物生成装置を提供することを目的とする。
本発明による反応物生成装置は、固定体及び当該固定体に対し密着しながら移動可能な移動体を備えると共に、固定体又は移動体の何れか一方の内部、若しくは、固定体と移動体との間に形成され、所定の物質が供給されることで反応物を生成可能な反応室を備え、移動体の移動により、反応室の出入口部が、当該出入口部に繋がる相手体の経路に対して連通/遮断されることを特徴としている。
このように構成された反応物生成装置によれば、従来のバルブ機能を、反応室の出入口部とこれに繋がる相手体の経路とを移動体の移動により連通/遮断するシンプルな構成に代えているため、従来のバルブのような故障の虞が無くされる。また、反応室の出入口部で経路との連通/遮断が行われるため、デッドボリュームが殆ど無くされ、反応に望まない物質の混合が防止される。
ここで、移動体の移動により、反応室の出入口部が、上記経路とは別の経路に対して連通/遮断される構成であると、反応室に対する接続先が選択可能とされ、多様の処理が可能とされる。
また、経路は、孔経路であると、配管が無くされるため、継手に起因する漏れが無くされると共に人為的な接続ミスが無くされ、且つ、セットアップの時間が大幅に低減される。
ここで、反応物生成装置の好ましい具体的な構成としては、固定体は、表面に溝経路が形成される基板と、この基板の表面に重ねて固定されることで溝経路を第一孔経路とすると共に当該第一孔経路をその表面に連通する第二孔経路を有する中間板と、を備え、移動体は、中間板の表面に重ねて配設され中間板との間に反応室を画成する凹部を備える回転自在な回転板であり、この回転板の回転により、反応室の出入口部が、中間板の第二孔経路に対して連通/遮断される構成が挙げられる。
そして、このように固定体を基板と中間板に分けることで、孔経路の製造が容易とされると共に、回転板の凹部を中間板に重ねて反応室を画成することで、反応室の製造が容易とされる。
また、反応物生成装置の好ましい他の具体的な構成としては、固定体は、内外を連通する孔経路が周壁に複数形成される筒状のシリンダであり、移動体は、反応室を内部に備えシリンダ内をスライド移動可能なプランジャであり、このプランジャのスライド移動により、反応室の出入口部が、シリンダの孔経路に対して連通/遮断される構成が挙げられる。
そして、このような構成を採用し縦型の装置として用いることで、特に気体を扱う場合に有効とされる。
また、その内周面に複数の溝経路を備え、シリンダに外嵌固定されることで溝経路が孔経路とされると共に当該孔経路の各々の一端がシリンダの各孔経路に連通する固定体としての外筒を具備し、この外筒の孔経路の他端が、当該外筒の軸線方向に一列に並列され各々が外部との接続部とされる構成を採用するのが、好ましい。
このような構成を採用した場合、固定体をシリンダと外筒に分けることで孔経路の製造が容易とされる。また、外部との接続部が一列に並列されるため、接続が容易とされると共に、接続が一方向のみとされ専有領域が小さくされる。
ここで、固定体及び移動体は、交換可能なカセットに構成されているのが、好ましい。
このような構成を採用した場合、反応室、バルブに相当する機能、孔経路等がカセットに収容されているため、作業がカセットの単純な取り付け/取り外し作業とされると共に、当該カセットを予め滅菌処理して密閉梱包することで、作業者自らが滅菌処理を行う必要が無くされる。また、カセットが交換可能であることから一回使い捨てとすることで、繰り返し使用する際に必要とされるその都度の滅菌処理や乾燥処理等の所定の処理が不要とされると共に、長期使用による劣化に起因しての突発的なトラブルが未然に防止される。
ここで、反応生成物を放射性薬剤とすると、上記反応物生成装置の機能が十分に発揮されるようになる。
本発明による反応物生成装置によれば、固定体及び当該固定体に対し密着しながら移動する移動体を備えると共に、これらの何れか一方の内部若しくはこれらの間に形成され、所定の物質が供給されることで反応生成物を得る反応室を備え、従来のバルブ機能を、反応室の出入口部とこれに繋がる経路とを移動体の移動により連通/遮断するシンプルな構成に代えているため、従来のバルブのような故障の虞が無くされ、その結果、所定の反応物を確実に生成することが可能となる。また、反応室の出入口部で経路との連通/遮断を行うため、デッドボリュームが殆ど無くされ、反応に望まない物質の混合が防止され、その結果、反応の安定化及び反応生成物の高品質を確保することが可能となる。
以下、本発明による反応物生成装置の好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る反応物生成装置に採用されるカセットを示す分解斜視図、図2は、図1に示すカセットの組立後の縦断面図、図3は、図2に示すカセットが装着される反応物生成装置の平面構成図、図4は、図3に示す反応物生成装置の側面構成図であり、この第一実施形態の反応物生成装置は、例えば病院等のPET検査(陽電子断層撮影検査)に使用される放射性薬剤としての18F−FDG(フルオロデオキシグルコース)を合成反応により生成するFDG合成装置である。
先ず、図3及び図4に示すFDG合成装置100に採用されるFDG合成用のカセット1について、図1及び図2を参照しながら説明する。このカセット1は、FDG合成装置100のカセット収容体101(図3及び図4参照)に着脱可能に装着されてFDGを生成するもので、固定体としての基板2及び中間板3と、移動体としての回転板4との三部品を一体に備える構成とされている。
図1に示すように、基板2は、基材の表面(図示手前側の面)の所定位置に所定深さで所定形状の溝経路を複数成型したものであり、この基板2の表面に、図2に示すように、中間板3を重ねて固定することで、基板2の溝経路と中間板3の裏面との間に複数の孔経路2a〜2jが形成されている。これらの孔経路2a〜2jを第一孔経路と呼ぶ。
第一孔経路2a〜2jは、図1に示すように、図示右上から反時計回りに、一端が基板2の側面で開放端とされ外部との所定の接続部とされると共に他端が基板2の所定位置に位置するように延在する孔経路2a〜2gと、両端が基板2の所定位置に位置する孔経路2h〜2jと、を備えている。孔経路2a〜2c,2gの他端は第一の円2xの周上に各々配置され、孔経路2d〜2fの他端は、第一の円2xと同心で大径を成す第二の円2yの周上に各々配置されている。
孔経路2hは、第二の円2yの周上に配置されて略1/4円弧状を成し、両端が軸心に向かうと共に円弧状の途中の二箇所が分岐されてこれらの分岐端部が軸心に向かい、これら四個の端部が第一の円2xの周上に配置されている。また、孔経路2iは、孔経路2hとは逆方向に小Rで湾曲する半円弧状に構成され、両端が第一の円2xの周上に配置されている。また、孔経路2jは、略中央でY字状に横方向に延在し、全ての端部が第一の円2xの周上に配置されている。これらの孔経路2h〜2jには、基板2の裏面に貫通する孔経路2k〜2mが各々所定位置に連通され、裏面の開放端が外部との所定の接続部とされている。
また、基板2には、第二の円2yの周上に当該基板2の表裏を貫通する孔経路2n,2oが各々開口され、裏面の開放端が外部との所定の接続部とされている。
そして、孔経路2aの一端には水供給配管が、孔経路2bの一端には塩酸又は水酸化ナトリウム溶液供給配管が、孔経路2cの一端にはFDG原料であるトリフレート/アセトニトリル溶液供給配管が、孔経路2dの一端には相間移動触媒(K222)を溶解させたKCO水・アセトニトリル溶液供給配管が、孔経路2gの一端にはSCX等のフィルタ5を備える製品回収配管6が、これら全てが外部配管として各々接続される。
また、孔経路2e,2fの一端同士の間には、Sep-Pak QMA或いはそれに類似する機能を持つ陰イオン交換樹脂7が外部配管8を介して接続される。
また、孔経路2k,2lの裏面の開放端には各排気配管が、孔経路2mの裏面の開放端にはHe供給配管が、孔経路2nの裏面の開放端にはH 18O回収配管が、孔経路2oの裏面の開放端には18/H 18O供給配管が、これら全てが外部配管として各々接続される。
また、基板2には、図2に示すように、加温器9を通過可能とするように表裏を貫通する開口10が設けられている。
図1に示すように、この基板2に重ねて固定される中間板3には、当該中間板3の表裏を貫通する複数の孔経路3a〜3rが形成されている。これらの孔経路3a〜3rを第二孔経路と呼ぶ。
第二孔経路3a〜3rは、図示右上から反時計回りに、基板2の第一の円2xに重なる周上に設けられている孔経路3a〜3mと、基板2の第二の円2yに重なる周上に設けられている孔経路3n〜3rと、を備えている。
また、中間板3には、その表面に、両端が所定位置に位置する所定形状で所定深さの溝経路が成型され、この中間板3の表面に、回転板4を重ねて回転自在に支持することで、中間板3の溝経路と回転板4の裏面との間に孔経路3sが形成されている。この孔経路3sは、第二の円2yに重なる周上に配置されて小円弧状を成すと共に、一端が、軸心に向かい第一の円2xに重なる周上で孔経路3lより多少反時計回りに離間した位置に配置され、他端が、孔経路3nより多少時計回りに離間した位置に配置されている。
そして、中間板3の孔経路3aと基板2の孔経路2m、中間板3の孔経路3b,3c,3e,3gと基板2の孔経路2h、中間板3の孔経路3dと基板2の孔経路2i、中間板3の孔経路3fと基板2の孔経路2l、中間板3の孔経路3hと基板2の孔経路2a、中間板3の孔経路3iと基板2の孔経路2b、中間板3の孔経路3j,3lと基板2の孔経路2j、中間板3の孔経路3kと基板2の孔経路2c、中間板3の孔経路3mと基板2の孔経路2g、中間板3の孔経路3nと基板2の孔経路2f、中間板3の孔経路3oと基板2の孔経路2n、中間板3の孔経路3pと基板2の孔経路2d、中間板3の孔経路3qと基板2の孔経路2e、中間板3の孔経路3rと基板2の孔経路2oが、各々連通されている。
さらに、中間板3には、基板2の開口10と平面視において同形状を成し連続する凹部11が、図2に示すように、裏面から表面近く迄設けられている。この凹部11は、裏面からの加温器9の進入を可能とする。
回転板4は、図1に示すように、円板状に構成されている。この回転板4の裏面には、その中央に、所定径の横断面円形の第一凹部、この第一凹部の外周面の90°離間した位置に各々連設される横断面半長円状の第二凹部、さらに、第一凹部の外側の位置に互いに離間して配置される横断面長円状の第三凹部が成型され、図2に示すように、上記中間板3の表面に回転板4を重ねて回転自在に支持させることで、回転板4の第一〜第三凹部と中間板3の表面との間に空間が画成され、図1に示すように、第一凹部に対応する反応室12、第二凹部に対応する反応室12の出入口部4a,4b、第三凹部に対応する連通部4c,4dが各々形成されている。
反応室12の外径は、第一の円2xの径より多少小さくされ、この反応室12の範囲内の下部に重なる位置に、上記中間板3の凹部11が位置し、この反応室12の出入口部4a、4bは、その外側に突出している先端部が、第一、第二の円2x,2y間に位置するように構成されている。すなわち、回転板4が回転すると、回転板4の出入口部4a,4bと第一の円2xに重なる周上の中間板3の孔経路3a〜3m,3sとが、連通可能とされている。
また、回転板4の連通部4c,4dは、第二の円2yに重なる周上に位置し、回転板4が回転すると、当該連通部4c,4dと第二の円2yに重なる周上の中間板3の孔経路3n〜3sとが、連通可能とされている。
さらに、図1及び図2に示すように、回転板4の表面中央には、カセット収容部101の回転把持部102に着脱可能に把持される突部13が突設されている。
この回転板4には、図2に示すように、裏面の外周縁部に環状凸部4eが、この環状凸部4eの内側に隣接して環状凹部4fが各々形成され、これらの環状凸凹部4e,4fが、これに対応して形成される中間板3表面の環状凹凸部3t,3uに嵌り込むことで、回転板4の中間板3に対する摺動回転が確実且つ円滑に実行される。
このような構成を有するカセット1を着脱可能に装着するカセット収容体101は、図3及び図4に示すように、箱状に構成され、上面に開口104が開口されるカセット収容領域103を備えている。このカセット収容領域103は、側面及び底面が板材で蓋されていて、これらの板材で囲まれる空間に対して、カセット1が開口104を通して装着される。
カセット収容体101は、カセット収容領域103の一方の側板(図3の下側、図4の左側の側板)に対向し、中間板3の上部に対向する位置(回転板4には対向しない位置)に、一対の中間板及び基板押え用エアシリンダ105,105を備えると共に、略中央の回転板4に対向する位置に、回転板回転用モータ106を備えている。この回転板回転用モータ106の回転軸の先端には、回転板4の突部13を把持するための回転把持部102が装着され、この回転板回転用モータ106は、後側に配設される回転板回転用モータ押え用エアシリンダ107により進退可能とされている。そして、カセット収容領域103の一方の側板には、中間板及び基板押え用エアシリンダ105,105のプランジャ及び回転板回転用モータ106の回転把持部102の通過を可能とする開口が形成されている。
また、カセット収容体101は、カセット収容領域103の他方の側板(図3の上側、図4の右側の側板)に対向し、基板2の開口10及び中間板3の凹部11に対向する位置に、加温器9を備えている。この加温器9は、後側に配設される加温器進退用エアシリンダ108により進退可能とされている。そして、カセット収容領域103の他方の側板には、加温器9の通過を可能とする開口が形成されている。また、この他方の側板には、基板2の孔経路2k〜2oの裏面側の接続部に接続可能とされる凹状の接続部109a,109b等が設けられている。
そして、カセット1をカセット収容領域103に収容し、中間板及び基板押え用エアシリンダ105,105を駆動してそのプランジャを押し出すことで、カセット1の中間板3及び基板2が、カセット収容領域103の他方の側板側に押圧されて固定され、基板2の裏面の接続部とカセット収容領域103の他方の側板側の接続部とが接続され、回転板回転用モータ押え用エアシリンダ107を駆動して回転板回転用モータ106を押し出し当該回転板回転用モータ106の回転把持部102を押し出すことで、当該回転把持部102に回転板4の突部13が把持され、さらに、回転板回転用モータ106を駆動することで、回転板4が所定に回転される。また、加温器進退用エアシリンダ108を駆動して加温器9を押し出すことで、加温器9が、基板2の開口10及び中間板3の凹部11の所定位置迄進入し、所定の加温が行われる。
次に、このように構成されたFDG合成装置100の作用について図5〜図14を参照しながら説明する。先ずは、前述したように、図4に示すように、カセット1をカセット収容体101のカセット収容領域103に収容し、中間板及び基板押え用エアシリンダ105,105及び回転板回転用モータ押え用エアシリンダ107を駆動してカセット1をカセット収容領域103にセットする。
この状態にあっては、基板2、中間板3及び回転板4は、図5に示すように、中間板3の孔経路3mが最下位置にあり、回転板4の連通部4cが中間板3の孔経路3n,3oに重なると共に連通部4dが中間板3の孔経路3q,3rに重なるように、セットされる。
この状態で、外部で生成した18/H 18Oを、基板2の裏面側の18/H 18O供給配管に接続される基板2の孔経路2oを通して導入する。18/H 18Oは、基板2の孔経路2o、中間板3の孔経路3r、連通部4d、中間板3の孔経路3q、基板2の孔経路2e(図1参照)を通り、陰イオン交換樹脂7を通過する。この際、陰イオン交換樹脂7に18が吸着される。一方、陰イオン交換樹脂7を通過したH 18Oは、外部配管8、基板2の孔経路2f(図1参照)、中間板3の孔経路3n、連通部4c、中間板3の孔経路3o、基板2の孔経路2n、基板2の裏面側のH 18O回収配管を通して外部に回収される。
次いで、回転板回転用モータ106を駆動し、図6に示すように、回転板4を時計回りに所定角度回転する。すると、回転板4の連通部4cが中間板3の孔経路3s,3nに、連通部4dが中間板3の孔経路3p,3qに、反応室12の出入口部4aが中間板3の孔経路3gに、出入口部4bが中間板3の孔経路3sに各々重なる。すなわち、この回転板4の回転により、反応室12の出入口部4a,4bが、固定体(中間板3及び基板2)側の孔経路に対して連通される。
この状態で、相間移動触媒(K222)を溶解させたKCO水・アセトニトリル溶液を、当該溶液供給配管から基板2の孔経路2d(図1参照)を通して導入する。この溶液は、中間板3の孔経路3p、連通部4d、中間板3の孔経路3q、基板2の孔経路2e(図1参照)を通り、陰イオン交換樹脂7を通過する。この際、陰イオン交換樹脂7から18が脱離する。この18は溶液と共に、外部配管8、基板2の孔経路2f(図1参照)、中間板3の孔経路3n、連通部4c、中間板3の孔経路3sを通り、反応室12の出入口部4bを介して反応室12に導入される。この時、反応室12には、出入口部4a、中間板3の孔経路3g、基板2の孔経路2h,2kを介して、外部の排気配管が接続されている。
次いで、図7に示すように、回転板4を時計回りに所定角度回転する。すると、反応室12の出入口部4aが中間板3の孔経路3fに、出入口部4bが中間板3の孔経路3lに各々重なる。
この状態で、Heを、基板2の裏面側のHe供給配管に接続される基板2の孔経路2m(図1参照)を通して導入する。Heは、基板2の孔経路2m,2j、中間板3の孔経路3lを通り、反応室12の出入口部4bを介して反応室12に導入される。
この際、加温器進退用エアシリンダ108が駆動されて加温器9が反応室12の近傍迄移動し、当該反応室12が加温される。この加温に従って、反応室12のアセトニトリル及び水が蒸発し、蒸発物は、反応室12の出入口部4a、中間板3の孔経路3f、基板2の孔経路2lを介し、外部の排気配管へ排出される。この加温処理により、反応室12には、18/K222錯体が形成され、18Fの固定化及び乾燥が完了する。完了したら、加温器9の加温をオフする。
次いで、図8に示すように、回転板4を時計回りに所定角度回転する。すると、反応室12の出入口部4aが中間板3の孔経路3eに、出入口部4bが中間板3の孔経路3kに各々重なる。
この状態で、FDG原料であるトリフレート/アセトニトリル溶液を当該溶液供給配管から基板2の孔経路2c(図1参照)を通して導入する。この溶液は、中間板3の孔経路3kを通り、反応室12の出入口部4bを介して反応室12に導入される。この時、反応室12には、出入口部4a、中間板3の孔経路3e、基板2の孔経路2h,2kを介して、外部の排気配管が接続されている。
次いで、図9に示すように、回転板4を時計回りに所定角度回転する。すると、反応室12の出入口部4a,4bと中間板3の孔経路との連通が遮断される。すなわち、反応室12は密閉状態に維持される。
この状態で、加温器9を再びオンして反応室12を加温し、18Fとトリフレートとを反応させる。
次いで、図10に示すように、回転板4を時計回りに所定角度回転する。すると、反応室12の出入口部4aが中間板3の孔経路3dに、出入口部4bが中間板3の孔経路3jに各々重なる。
この状態で、Heを、基板2の裏面側のHe供給配管に接続される基板2の孔経路2m(図1参照)を通して導入する。Heは、基板2の孔経路2m,2j、中間板3の孔経路3jを通り、反応室12の出入口部4bを介して反応室12に導入される。このHeの導入にあっては、加温器9により加温が行われ、アセトニトリルが蒸発する。この時、反応室12には、出入口部4a、中間板3の孔経路3d、基板2の孔経路2i,2l(図1参照)を介して、外部の排気配管が接続されている。そして、アセトニトリルの蒸発が完了したら、加温器9の加温をオフする。
次いで、図11に示すように、回転板4を時計回りに所定角度回転する。すると、反応室12の出入口部4aが中間板3の孔経路3cに、出入口部4bが中間板3の孔経路3iに各々重なる。
この状態で、アルカリ加水分解を採用する反応の場合には、水酸化ナトリウム溶液を当該溶液供給配管から基板2の孔経路2b(図1参照)を通して導入する。この溶液は、中間板3の孔経路3iを通り、反応室12の出入口部4bを介して反応室12に導入される。
また、図11の状態で、酸加水分解を採用する反応の場合には、塩酸を塩酸供給配管から基板2の孔経路2b(図1参照)を通して導入する。この塩酸は、中間板3の孔経路3iを通り、反応室12の出入口部4bを介して反応室12に導入される。
何れの場合も、反応室12には、出入口部4a、中間板3の孔経路3c、基板2の孔経路2h,2kを介して、外部の排気配管が接続されている。
次いで、アルカリ加水分解を採用する反応の場合も、酸加水分解を採用する反応の場合も、図12に示すように、回転板4を時計回りに所定角度回転する。すると、反応室12の出入口部4a,4bと中間板3の孔経路との連通が遮断される。すなわち、反応室12は密閉状態に維持される。
ここで、アルカリ加水分解を採用する反応の場合には、この密閉状態を数分間維持し、FDG前躯体を加水分解する。
また、酸加水分解を採用する反応の場合には、この密閉状態を数分間維持し、さらに、加温器9をオンして加温しながら、FDG前躯体を加水分解する。そして、加水分解が終わったら、加温器9をオフする。
次いで、図13に示すように、回転板4を時計回りに所定角度回転する。すると、反応室12の出入口部4aが中間板3の孔経路3mに、出入口部4bが中間板3の孔経路3aに各々重なる。
この状態で、Heを、基板2の裏面側のHe供給配管に接続される基板2の孔経路2m(図1参照)を通して導入する。Heは、基板2の孔経路2m、中間板3の孔経路3aを通り、反応室12の出入口部4bを介して反応室12に導入される。このHeの反応室12への導入により、反応室12に生成されている粗精製のFDGが、反応室12の出入口部4a、中間板3の孔経路3m、図1に示すように、基板2の孔経路2g、フィルタ5を通り、外部の製品回収配管6を通して回収される。
次いで、図14に示すように、回転板4を反時計回りに所定角度回転する。すると、反応室12の出入口部4aが中間板3の孔経路3bに、出入口部4bが中間板3の孔経路3hに各々重なる。
この状態で、水を水供給配管から基板2の孔経路2a(図1参照)を通して導入する。この水は、中間板3の孔経路3hを通り、反応室12の出入口部4bを介して反応室12に導入され、反応室12に付着した残留するFDGを洗浄し、洗い落とす。この時、反応室12には、出入口部4a、中間板3の孔経路3b、基板2の孔経路2h,2kを介して、外部の排気配管が接続されている。
次いで、回転板4を時計回りに所定角度回転し、前述した図13に示す状態とする。
そして、この状態で、Heを、反応室12に導入し、反応室12に残留するFDGを水と共に、外部の製品回収配管6を通して回収し、これにより、1サイクルの工程が終了し、放射性薬剤としてのFDGが得られる。
なお、このカセット1を用いて引き続き二回目の合成反応を行うようにしても、一回使い捨てで新たなカセット1を装着して次の合成反応を行うようにしても良く、何れかにするかは、使用者に適宜選択される。因みに、カセット1を引き続き用いる場合には、その都度、滅菌処理や乾燥処理等の所定の処理が必要とされる。
このように、本実施形態においては、固定体としての基板2、中間板3及び当該固定体に対し密着しながら移動する移動体としての回転板4を備えると共に、中間板3と回転板4との間に形成され、所定の物質が供給されることで反応生成物としてのFDGを得る反応室12を備え、従来のバルブ機能が、反応室12の出入口部4a,4bとこれに繋がる経路(中間板3の経路)とを回転板4の回転移動により連通/遮断するシンプルな構成に代えられているため、従来のバルブのような故障の虞が無くされている。このため、所定の反応物であるFDGを確実に生成することが可能とされている。また、反応室12の出入口部4a,4bで上記経路との連通/遮断が行われるため、デッドボリュームが殆ど無くされ、反応に望まない物質の混合が防止されている。このため、反応の安定化及び反応生成物であるFDGの高品質が確保されている。
また、本実施形態においては、回転板4の回転移動により、反応室12の出入口部4a,4bが、上記経路とは別の経路である種々の経路(経路3a〜3m,3sの何れか)に対して連通/遮断されるため、反応室12に対する接続先が選択可能とされ、多様の処理が可能とされている。このため、所望の反応生成物であるFDGが容易に得られている。
また、カセット1内においては、経路2a〜2o,3a〜3s等が、孔経路とされているため、従来の配管が無くされ、継手に起因する漏れが無くされていると共に人為的な接続ミスが無くされている。このため、所定の反応物であるFDGが確実に生成される。また、このようにカセット1内においては従来の配管が無くされているため、セットアップの時間が大幅に低減されている。このため、製品生成コストが大幅に低減されている。
また、固定体を基板2と中間板3とに分け、基板2に溝経路を設け、この溝経路を基板2と中間板3とを重ねることで孔経路としているため、孔経路の製造が容易とされている。このため、装置製造コストが低減されている。なお、基板2と中間板3を一枚板とすることも可能である。この場合には、この一枚板に孔経路を設ける必要がある。また、回転板4に凹部を設け、この凹部を中間板3に重ねることで反応室12が画成されているため、反応室12の製造が容易とされている。このため、装置製造コストが低減されている。
なお、製造の容易性から、基板2の表面に溝経路を設けているが、中間板3の裏面に溝経路を設けることも可能である。また、製造の容易性から、回転板4に凹部を設け、中間板3を重ねることで反応室12を画成しているが、回転板4の内部に空間を設け、これを反応室とすることも可能である。また、固定体側に反応室を設けるようにしても良い。
また、本実施形態においては、カセット1が、反応室12、バルブに相当する機能、孔経路等を収容し、当該カセット1が交換可能とされているため、作業が、カセット1の単純な取り付け/取り外し作業とされ、製品生成コストが低減されていると共に、当該カセット1を予め滅菌処理して密閉梱包することで、作業者自らが滅菌処理を行う必要が無くされ、作業者の労力が軽減されている。加えて、カセット構成が採用されていることで、装置の小型化が図られている。
また、このようにカセット1が交換可能とされているため、一回使い捨てとすることで、繰り返し使用する際に必要とされるその都度の滅菌処理や乾燥処理等の所定の処理が不要とされ、作業者の労力が一層軽減されていると共に、長期使用による劣化に起因しての突発的なトラブルが未然に防止され、装置の信頼性が向上されている。
加えて、本実施形態においては、以下の効果もある。すなわち、回転角度により、カセット1が密閉されるため、例えば緊急停止等の場合にあっても、外部に放射能を散逸させること無く装置を停止することが可能とされている。
また、例えば径や厚み等を変えることで、反応室12の容積が変更され、目的に応じた容量の反応を行うことが可能とされている。
さらにまた、カセット1に成型する孔経路が共通化されているため、カセット1とカセット収容部101との連結点が少なくされている。そして、さらに少なくすることも可能である。
なお、カセット1に歯車等を成形し、これにより回転板4を回転させるようにしても良い。
ところで、第一実施形態では、特に液状物質を取り扱うのに好適な反応物生成装置について述べているが、次の第二実施形態では、特に気体状物質を取り扱うのに好適な縦型の反応物生成装置について述べる。
図15は、本発明の第二実施形態に係る反応物生成装置に採用されるカセットを示す縦断面図、図16は、図15に示すカセットの右側面図、図17は、図15のXVII−XVII矢視図であり、この第二実施形態の反応物生成装置は、例えば病院等のPET検査に使用される放射性薬剤としての15O水を溶解反応により生成する15O水捕集装置である。
この15O水捕集装置は、図15〜図17に示すカセット51を備えている。このカセット51は、15O水を捕集するためのもので、固定体としての外筒52及びシリンダ53と、移動体としてのプランジャ54との三部品を一体に備える構成とされている。
シリンダ53は円筒状に構成され、その周壁には、図15、図17及び図18に示すように、内外を連通する孔経路53a〜53iが各々開口されている。孔経路53a〜53dは、シリンダ53の周壁の一方向側に上部から下部へこの順で一列に並列され、孔経路53e〜53iは、シリンダ53の周壁の一方向側に対向する他方向側の上部から下部へこの順で一列に並列されている。これらの孔経路のうち、孔経路53bと孔経路53hとが対向し、孔経路53dと孔経路53iとが対向する配置とされている。
プランジャ54は、図15〜図18に示すように、円柱状に構成され、シリンダ53内にスライド移動自在(摺動自在)に配置されている。このプランジャ54の内部には、円柱形状の空間が画成され、この空間が反応室62とされている。
また、プランジャ54の周壁には、図15及び図18に示すように、反応室62とプランジャ54外とを連通する出入口部62a〜62cが開口されている。この反応室62の出入口部62a,62bは、プランジャ54の周壁の一方向側(シリンダ53の一方向側と同じ)の上部と下部にこの順で一列に並列され、反応室62の出入口部62cは、プランジャ54の周壁の一方向側に対向する他方向側(シリンダ53の他方向側と同じ)に設けられている。出入口部62aは、反応室62の上部に位置し、出入口部62bは、反応室62の下端に位置し、出入口部62cは、反応室62の上下方向略中央より上部寄りに位置している。
また、プランジャ54には、図15、図17及び図18に示すように、反応室62より下方の位置を、一方向側から他方向側へ貫く孔経路54aが形成されている。
このプランジャ54は、上下動機構(不図示)の駆動に従って所定の位置にスライド移動する。
外筒52は、図15〜図17に示すように、円筒状に構成されている。この外筒52は、その内周面に、略半円弧状の溝経路が複数成型され、この外筒52を上記シリンダ53に外嵌固定することで、外筒52の溝経路とシリンダ53の外周面との間に半円弧状に延びる複数の孔経路52a〜52iが形成されている。
図15に示すように、半円弧状に延びる孔経路52a〜52dは、図示左奥側の上部から下部に亘ってこの順に設けられ、これら孔経路52a〜52dの一端は、シリンダ53の孔経路53a〜53dの外周面の開放端に各々連通している。
また、半円弧状に延びる孔経路52e〜52iは、図示右奥側の上部から下部に亘ってこの順に設けられ、これら孔経路52e〜52iの一端は、シリンダ53の孔経路53e〜53iの外周面の開放端に各々連通している。
これらの孔経路52a〜52iの他端は、外筒52の軸線方向に一列に並列され、これらの他端の各々が、図15〜図17に示すように、例えばルアーコネクタのように外方に突出する外部との接続部72a〜72iとされている。なお、孔経路52h,52iは、接続部72h,72iが他の接続部と軸線方向に一列に並列するように、図15に示すように、傾斜経路とされている。
そして、図18に模式的に示すように、孔経路53aに接続される接続部72aには、生理食塩液供給配管80aが外部配管として接続され、孔経路53bに接続される接続部72f、孔経路53dに接続される接続部72hには、15O水蒸気供給配管80b,80dが外部配管として各々接続され、孔経路53cに接続される接続部72gには、吸引による製品回収配管80cが外部配管として接続され、孔経路53eに接続される接続部72b、孔経路53fに接続される接続部72c、孔経路53hに接続される接続部72e、孔経路53iに接続される接続部72iには、排出配管80e,80f,80h,80iが外部配管として各々接続され、孔経路53gに接続される接続部72dには、フィルタ(不図示)を通して大気開放配管80gが外部配管として接続されている。
次に、このように構成されたの15O水捕集装置の作用について図18〜図20を参照しながら説明する。なお、図18〜図20では、図が煩雑になるのを避けるために、外筒52は省略されている。
先ず、予め外部で15O水蒸気を合成しておく。この15O水蒸気は次のようにして得られる。すなわち、核反応14N(d,n)15Oによる15O核種を[15O]Oとして回収し、ここに水素を添加しながら例えば白金又はパラジウム等の触媒の作用により、[15O]Oを[15O]HOに変換することで得られる。この15O水蒸気は、目に見えない水蒸気であり、このままで臨床での使用ができないため、本実施形態の15O水捕集装置を用いて以下の処理を実行し15O水を得る。
初期(捕集準備)状態にあっては、図18に示すように、反応室62の上部の出入口部62aとシリンダ53の孔経路53a、反応室62の中部の出入口部62cとシリンダ53の孔経路53e、孔経路53b,53hとプランジャ54の孔経路54aが、各々連通した状態にある。
この状態で、水蒸気を捕集するための生理食塩液を、重力の作用により、生理食塩液供給配管80aから、接続部72a、孔経路52a,53a、反応室62の出入口部62aを通して反応室62へ導入する。
この反応室62への生理食塩液の導入にあって、一定量を越えて反応室62に導入される生理食塩液は、反応室62の他の出入口部62c、孔経路53e,52e、接続部72b、排出配管80eを通して外部へ排出されるため、反応室62には、常に一定量の生理食塩液が導入される。
ここで、前述した15O水蒸気は、15O水蒸気供給配管80bから接続部72f、孔経路52b,53b、プランジャ54の孔経路54a、孔経路53h,52h、接続部72e、排出配管80hを通して、使用されること無く外部へ排出されている。
次いで、プランジャ54が一定量下がり、図19に示すように、反応室62の下部の出入口部62bとシリンダ53の孔経路53b、反応室62の中部の出入口部62cとシリンダ53の孔経路53fが、各々連通する状態とされる。
この状態で、15O水蒸気は、15O水蒸気供給配管80bから接続部72f、孔経路52b,53b、反応室62の出入口部62bを通して、反応室62の生理食塩液が貯まっている部分に導入される。これにより、反応室62は所謂バブリング状態とされ、溶解による捕集が行われている状態とされる。
ここで、水蒸気のキャリアとなっていたガスは、反応室62に導入されてから、反応室62の出入口部62cから排出される。この時、バブリングによる水泡の発生により、放射能を含む水を反応室外へ散逸させないため、図18〜図20に示すような、かえし90の構造を反応室62の出入口部62cの内側下面に備えるのが好ましい。そして、反応室62の出入口部62cからのガスは、孔経路53f,52f、接続部72c、排出配管80fを通して外部へ排出される。
次いで、反応室62に一定量の放射能が貯まり、被験者に投与し得る状態となったら、プランジャ54がさらに一定量下がり、図20に示すように、反応室62の下部の出入口部62bとシリンダ53の孔経路53c、反応室62の中部の出入口部62cとシリンダ53の孔経路53g、孔経路53d,53iとプランジャ54の孔経路54aが、各々連通する状態とされる。
この状態で、反応室62に貯まっていた15O水は、反応室62の中部の出入口部62cが大気開放されると共に、下部の出入口部62bを通して吸引されることで、孔経路53c,52c、接続部72g、製品回収配管80cを通して、被験者へ投与、或いは、回収バイアル等へ回収される。
この時、15O水蒸気は、15O水蒸気供給配管80dから接続部72h、孔経路52d,53d、プランジャ54の孔経路54a、孔経路53i,52i、接続部72i、排出配管80iを通して、使用されること無く外部へ排出されている。
以上、一連の動作が完了する時、1サイクルの工程が終了し、放射性薬剤としての15O水が得られる。
なお、このカセット51を用いて引き続き二回目の溶解反応を行うようにしても、一回使い捨てで新たなカセット51を用いて次の溶解反応を行うようにしても良く、何れかにするかは、使用者に適宜選択される。
このように、第二実施形態においては、固定体としてのシリンダ53及び当該シリンダ53に対し密着しながら移動する移動体としてのプランジャ54を備えると共に、プランジャ54の内部に形成され、所定の物質が供給されることで反応生成物としての15O水を得る反応室62を備え、従来のバルブ機能が、反応室62の出入口部62a〜62cとこれに繋がる経路(シリンダ53の経路)とをプランジャ54のスライド移動により連通/遮断するシンプルな構成に代えられているため、従来のバルブのような故障の虞が無くされている。このため、所定の反応物である15O水を確実に生成することが可能とされている。また、反応室62の出入口部62a〜62cで上記経路との連通/遮断が行われるため、デッドボリュームが殆ど無くされ、反応に望まない物質の混合が防止されている。このため、反応の安定化及び反応生成物である15O水の高品質が確保されている。
また、第二実施形態においては、プランジャ54のスライド移動により、反応室62の出入口部62a〜62cが、上記経路とは別の経路である種々の経路(経路53a〜53c,53e〜53gの何れか)に対して連通/遮断されるため、反応室62に対する接続先が選択可能とされ、多様の処理が可能とされている。このため、所望の反応生成物である15O水が容易に得られている。
また、カセット51内においては、経路52a〜52i,53a〜53i等が、孔経路とされているため、従来の配管が無くされ、継手に起因する漏れが無くされていると共に人為的な接続ミスが無くされている。このため、所定の反応物である15O水が確実に生成される。また、このようにカセット51内においては従来の配管が無くされているため、セットアップの時間が大幅に低減されている。このため、製品生成コストが大幅に低減されている。
また、固定体を外筒52とシリンダ53とに分け、外筒52に溝経路を設け、この溝経路を、外筒52をシリンダ53に外嵌固定することで孔経路としているため、孔経路の製造が容易とされている。このため、装置製造コストが低減されている。
なお、製造の容易性から、外筒52の内周面に溝経路を設けているが、シリンダ53の外周面に溝経路を設けることも可能である。また、プランジャ54の内部に反応室62を設けるようにしているが、プランジャ54の周面に凹部を設け、外筒52をシリンダ53に外嵌固定することで当該凹部を反応室とすることも可能である。また、固定体側に反応室を設けるようにしても良い。
また、第二実施形態においては、外部との接続部72a〜72iが一列に並列されているため、接続が容易とされ、製品生成コストが低減されていると共に、接続が一方向のみとされて、専有領域が小さくされ、装置の小型化が図られている。
また、カセット51が、反応室62、バルブに相当する機能、孔経路等を収容し、当該カセット51が交換可能とされているため、作業が、カセット51の単純な取り付け/取り外し作業とされ、製品生成コストが低減されていると共に、当該カセット51を予め滅菌処理して密閉梱包することで、作業者自らが滅菌処理を行う必要が無くされ、作業者の労力が軽減されている。加えて、カセット構成が採用されていることで、装置の小型化が図られている。
また、このようにカセット51が交換可能とされているため、一回使い捨てとすることで、繰り返し使用する際に必要とされるその都度の所定の処理が不要とされ、作業者の労力が一層軽減されていると共に、長期使用による劣化に起因しての突発的なトラブルが未然に防止され、装置の信頼性が向上されている。
加えて、本実施形態においては、以下の効果もある。すなわち、スライド位置により、カセット51が密閉されるため、例えば緊急停止等の場合にあっても、外部に放射能を散逸させること無く装置を停止することが可能とされている。
また、例えば径等を変えることで、反応室62の容積が変更され、目的に応じた容量の反応を行うことが可能とされている。
さらにまた、カセット51に成型する孔経路が共通化されているため、カセット51の接続部が少なくされている。そして、さらに少なくすることも可能である。
なお、第二実施形態においては、特に気体状物質を取り扱うのに好適であるように縦型にして使用しているが、勿論横型に対する適用も可能である。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、基板2及び中間板3、外筒52及びシリンダ53を固定体とし、回転板4、プランジャ54を移動体としているが、固定体と移動体を逆にすることも可能である。
また、上記実施形態においては、製造の容易性から、溝経路に相手体を重ねることで孔経路としているが、孔経路を直接形成するようにしても良い。
また、平板等をX−Y、X−Y−Z移動させる装置に対しても適用可能である。
さらにまた、上記実施形態においては、特に効果的であるとして、所定の反応により放射性薬剤を生成する装置に対する適用を述べているが、放射性薬剤以外の医薬品を反応物として生成する装置に対しても適用可能であり、さらには、例えば食料品等に用いる反応物を生成する装置に対しても適用可能である。
本発明の第一実施形態に係る反応物生成装置に採用されるカセットを示す分解斜視図である。 図1に示すカセットの組立後の縦断面図である。 図2に示すカセットが装着される反応物生成装置の平面構成図である。 図3に示す反応物生成装置の側面構成図である。 本発明の第一実施形態に係る反応物生成装置の反応プロセスを説明するための模式図である。 図5に続く反応プロセスを説明するための模式図である。 図6に続く反応プロセスを説明するための模式図である。 図7に続く反応プロセスを説明するための模式図である。 図8に続く反応プロセスを説明するための模式図である。 図9に続く反応プロセスを説明するための模式図である。 図10に続く反応プロセスを説明するための模式図である。 図11に続く反応プロセスを説明するための模式図である。 図12に続く反応プロセスを説明するための模式図である。 図13に続く反応プロセスを説明するための模式図である。 本発明の第二実施形態に係る反応物生成装置に採用されるカセットを示す縦断面図である。 図15に示すカセットの右側面図である。 図15のXVII−XVII矢視図である。 本発明の第二実施形態に係る反応物生成装置の反応プロセスを説明するための模式図である。 図18に続く反応プロセスを説明するための模式図である。 図19に続く反応プロセスを説明するための模式図である。
符号の説明
1…カセット、2…基板(固定体)、2a〜2j…第一孔経路、3…中間板(固定体)、3a〜3r…第二孔経路、4…回転板(移動体)、4a,4b,62a,62b,62c…反応室の出入口部、12,62…反応室、51…15O水捕集装置(反応物生成装置;カセット)、52…外筒(固定体)、52a〜52i…外筒の孔経路、53a〜53i…シリンダの孔経路,53…シリンダ(固定体)、54…プランジャ(移動体)、54a…プランジャの孔経路、100…FDG合成装置(反応物生成装置)。

Claims (8)

  1. 固定体及び当該固定体に対し密着しながら移動可能な移動体を備えると共に、
    前記固定体又は前記移動体の何れか一方の内部、若しくは、前記固定体と前記移動体との間に形成され、所定の物質が供給されることで反応物を生成可能な反応室を備え、
    前記移動体の移動により、前記反応室の出入口部が、当該出入口部に繋がる相手体の経路に対して連通/遮断されることを特徴とする反応物生成装置。
  2. 前記移動体の移動により、前記反応室の出入口部が、前記経路とは別の経路に対して連通/遮断されることを特徴とする請求項1記載の反応物生成装置。
  3. 前記経路は、孔経路であることを特徴とする請求項1又は2記載の反応物生成装置。
  4. 前記固定体は、表面に溝経路が形成される基板と、
    この基板の表面に重ねて固定されることで前記溝経路を第一孔経路とすると共に当該第一孔経路をその表面に連通する第二孔経路を有する中間板と、を備え、
    前記移動体は、前記中間板の表面に重ねて配設され前記中間板との間に前記反応室を画成する凹部を備える回転自在な回転板であり、
    この回転板の回転により、前記反応室の出入口部が、前記中間板の第二孔経路に対して連通/遮断されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の反応物生成装置。
  5. 前記固定体は、内外を連通する孔経路が周壁に複数形成される筒状のシリンダであり、
    前記移動体は、前記反応室を内部に備え前記シリンダ内をスライド移動可能なプランジャであり、
    このプランジャのスライド移動により、前記反応室の出入口部が、前記シリンダの孔経路に対して連通/遮断されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の反応物生成装置。
  6. その内周面に複数の溝経路を備え、前記シリンダに外嵌固定されることで前記溝経路が孔経路とされると共に当該孔経路の各々の一端が前記シリンダの各孔経路に連通する前記固定体としての外筒を具備し、
    この外筒の前記孔経路の他端が、当該外筒の軸線方向に一列に並列され各々が外部との接続部とされることを特徴とする請求項5記載の反応物生成装置。
  7. 前記固定体及び前記移動体は、交換可能なカセットとして構成されていることを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の反応物生成装置。
  8. 前記反応生成物が、放射性薬剤であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の反応物生成装置。
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