JP2005110442A - モータ、モータコアおよび製造方法 - Google Patents

モータ、モータコアおよび製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、占積率に優れ、高速回転型モータのロータやステータなどに用いるのに十分な機械的強度のある積層体を提供する。
【解決手段】磁性金薄板上に高分子化合物を塗布した後乾燥して得られた磁性基材を積み重ねて加熱し積層一体化して得られる磁性基材であって、打ち抜きカシメ工程を有することを特徴とする磁性基材の製造方法および、該製造方法によって得られる磁性基材を用いる。フィルムの代わりにワニスを用いることができ、薄型化に寄与する。

【選択図】

Description

本発明はモータコアおよび製造方法に関する。特に、モータコアに用いられる磁性基材の積層体に関するものである。
従来、磁性金属薄板を積層体にする場合、磁性金属薄板に樹脂などを塗布した後に、複数枚を積層し、さらに打ち抜きカシメ工程によりモータコアを作製する方法が取られていた(特許文献1)。しかしながら、カシメ工程のみでは、現在公知の磁性金属薄板のうち、10μmから200μm程度の極めて薄い磁性金属薄板を、実用的な機械的強度で積層一体化することが難しい。一般にこうした薄板のカシメにより一体化された積層体は、電気的絶縁と機械強度の向上のために、さらに樹脂を含浸、硬化するなどして、積層体としての機械的強度を確保すること等が行われる。また同様な方法により非晶質金属薄帯などの薄板と、比較的加工性の良い電磁鋼板を樹脂フィルムを介して一体化した後に、打ち抜きカシメ工程によりモータコアが作製されている。(特許文献2)。
特開平9−215279 特開2003−259610
しかしながら従来技術では、カシメにより積層一体化したものは、金属薄板間に空隙ができ機械的強度および占積率が低下する。また樹脂を含浸する場合、積層体の金属層間に十分に樹脂が回りこみにくく、接着層に厚みムラや空隙等が発生しやすく、積層体の機械的強度にばらつきがあったりした。
また、樹脂フィルムを張り合わせる場合、電子部品や電気機器などに適用する場合の実用的な強度や耐熱性を有する樹脂フィルムは、薄くても数十μmであり、特に厚さが数十μmから0.3mm程度の磁性金属薄板をこのような樹脂フィルムで貼り合わせると占積率が大きく低下する。
またこのような積層体を高速回転型モータのロータやステータなどに用いる場合は、機械的強度の弱い部分が遠心力により破壊し、さらなる高速回転化の障害となる。
本発明は、占積率に優れ、高速回転型モータのロータやステータなどに用いるのに十分な機械的強度のある積層体を提供することを目的とする。
そこで、本発明では上記の課題に対して、以下の方法により解決できることを見出した。すなわち、磁性金属薄板の表面に、溶剤に高分子化合物を溶かしたワニスを薄く均一に、磁性金属薄板の全面に塗布、乾燥させた後、所望の形状にプレス機などで打ち抜き、カシメにより積層一体化し、さらに樹脂が溶融あるいは硬化する温度で加熱し、塗布した樹脂により、磁性金属薄板同士を接着し、積層一体化する。

本発明では高分子化合物層を磁性金属薄板上に形成する方法として、塗工方法を用いることにより、数ミクロン程度の極めて薄い高分子化合物層を、磁性金属薄板上に形成できるため、積層体の磁性金属薄板の占積率を極めて高くできる。その結果、磁性金属薄板からなる積層体の飽和磁束密度を向上することができる。
含浸と異なり、磁性金属薄板の全面に隙間なく樹脂が塗工されているため、積層一体化したときに、空隙が生じにくく、磁性金属薄板間の密着強度を極めて高くすることが可能となる。
また本方法によって製造された、磁性金属薄板積層体は、均一に樹脂が塗工され、金属薄板積層体を接着するため、積層体の機械的強度のばらつきが小さく、信頼性を高くすることが可能となる。
また高速回転時の大きな応力に耐えうる高強度なモータ用積層体を実現することが可能となる。その結果、本発明の積層体および製造方法は、モータの大幅な小型化を実現する上で極めて有効である。
本発明の最良の形態について説明する。
(磁性金属)
本発明の積層体を構成する磁性金属薄板としては、公知の金属磁性体であれば用いることができる。具体的には、ケイ素の含有量が3%から6.5%の実用化されているケイ素鋼板、パーマロイ、ナノ結晶金属磁性材料、非晶質金属磁性材料を挙げることができる。特に発熱が低く、低損失材料である材料が好ましく、非晶質金属磁性材料、ナノ結晶金属磁性材料、が好適に用いられる。
また、本発明の積層体は、これらの金属磁性薄板のいずれか一種類もしくは、複数種類を組み合わせて、積層一体化することが可能である。
非晶質金属磁性材料としては、Fe系、Co系の非晶質金属薄帯が用いられる。これらの非晶質金属薄帯は、通常溶融金属を急冷ロールを用いて急冷することにより得られる。通常は10 〜50μmの厚さであり、好ましくは10〜30μmの厚さの薄帯が用いられる。
非晶質金属材料としては、一般式(Fe1-xx100-a-b-cSiabM'c(式中、MはCoおよび/またはNiを表わし、M'はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、cは原子%を示し、それぞれ0≦x<1、0≦a≦24、4≦b≦30、0≦c≦10を満たすものとする。)で表わされる組成を有する非晶質金属材料を挙げることができる。特に高透磁率が要求される用途においてはCoを主成分とする非晶質金属を用いることが好ましい。またモータや、磁気シールドなど、高密度の磁束を貫通させて使用する用途においては、飽和磁束密度の高いFeを主成分とする非晶質金属を用いることが好ましい。
Fe系非晶質金属材料としては、Fe−B―Si系、Fe−B系、Fe−P−C系などのFe−半金属系非晶質金属材料や、Fe−Zr系、Fe−Hf系、Fe−Ti系などのFe−遷移金属系非晶質金属材料を挙げることができる。例えば、Fe−Si−B系においては、Fe78Si913(at%)、Fe78Si1012(at%)、Fe81Si13.513.5(at%)、Fe81Si13.513.52(at%)、Fe77Si516Cr2(at%)、Fe66Co18Si115(at%)、Fe74Ni4Si217Mo3(at%)などを挙げることができる。中でもFe78Si913(at%)、Fe77Si516Cr2(at%)が好ましく用いられ、特にFe78Si913(at%)が好ましく用いられる。
Co系非晶質金属材料の組成系としては、Co−Si−B系、Co−B系などが例示できる。これらの中でも、非晶質金属薄帯の組成が、一般式(Co1-cFec100-a-b(式中、XはSi,B,C,Geから選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表わし、YはZr,Nb,Ti,Hf,Ta,W,Cr,Mo,V,Ni,P,Al,Pt,Ph,Ru,Sn,Sb,Cu,Mn,希土類元素から選ばれる少なくとも1種類以上の元素で表される。a,b,cは原子%を示し、それぞれ、10<a≦35、0≦b≦30、0≦c≦0.2を満たすものとする。)で表される組成が好ましい。
上記非晶質金属薄帯のCoのFe置換は非晶質合金の飽和磁化の増加に寄与する傾向にある。このため、置換量cは0≦c≦0.2であることが好ましい。さらに、0≦c≦0.1であることが好ましい。
X元素は本発明に用いる非晶質金属薄帯を製造する上で、非晶質化のために結晶化速度を低減するために有効な元素である。X元素が10原子%より少ないと、非晶質化が低下して一部結晶質が混在し、また、35原子%を超えると、非晶質構造は得られるものの合金薄帯の機械的強度が低下し、連続的な薄帯が得られなくなる。したがって、X元素の量aは、10<a≦35であることが好ましく、さらに好ましくは、12≦a≦30である。
Y元素は、本発明に用いる非晶質金属薄帯の耐食性に効果がある。この中で特に有効な元素は、Zr,Nb,Mn,W,Mo,Cr,V,Ni,P,Al,Pt,Ph,Ru元素である。Y元素の添加量は30%以上になると、耐食性の効果はあるが、薄帯の機械的強度が脆弱になるため、0≦b≦30であることが好ましい。さらに好ましい範囲は、0≦b≦20である。
ナノ結晶性磁性金属材料としては、次のような組成の材料を挙げることができる。
(1)一般式(Fe1-xx100-a-b-c-dSiaAlbcM'd
(式中、MはCoおよび/またはNiを表わし、M'はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Pd、Ru、Ge、C、P、希土類元素から選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、c、dは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.5、0≦a≦24、0.1<b≦20、4≦c≦30、0≦d≦20を満たすものとする。)で表わされる組成。
(2)一般式(Fe1-xx100-a-b-c-dCuaSibcM'd
(式中、MはCoおよび/またはNiを表わし、M'はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Pd,Ru,Ge,C,P、希土類元素から選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、c、dは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.4、0.1≦a≦3、b≦19、5≦c≦25、0<d≦20、15≦b+C≦30を満たすものとする。)で表わされる組成。
(3)一般式(Fe1-xx100-a-baM'b
(式中、MはCoおよび/またはNiを表わし、M’はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Pd、Ru、Ga、Ge、C、希土類元素から選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、bは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.5、0<a≦20、2≦b≦20を満たすものとする。)で表わされる組成。
(4)一般式(Fe1-xx100-a-b-caM'bCuc
(式中、MはCoおよび/またはNiを表わし、M’はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Pd、Ru、Ga、Ge、Al,C、希土類元素から選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、c、dは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.50<a≦20、2≦b≦20、0≦c≦3を満たすものとする。)で表わされる組成。
(5)一般式(Fe1-x100-a-baM'b
(式中、MはCoおよび/またはNiを表わし、M'はTa、Zr,Hf、Ti,Nb、Mo、W、V、Cr、Mn、Pd、Ru、Ga、Ge、Si、Al、P、Cu、希土類元素から選ばれる1種類以上の元素を表わし、M’はC、N、Oから選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、bは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.52<a≦304≦b≦30を満たすものとする。)で表わされる組成。
これらの磁性材料は、公知の方法、たとえば加熱処理によりナノ結晶材料とすることができる。
(樹脂)
本発明で用いられる高分子化合物としては、公知のいわゆる樹脂と呼ばれるものを用いることができるが、金属磁性材料の磁気特性向上のために200℃以上の熱処理が必要な場合には、弾性率の低い耐熱樹脂を複合することが、優れた性能を発揮する上で効果的である。本発明に用いられる磁性金属薄帯の良好な磁気特性を発言させるための熱処理温度は、通常、200〜700℃の範囲にあり、さらに好ましくは300℃〜600℃の範囲である。
本発明において耐熱性樹脂とは、窒素雰囲気下300℃、2時間の熱履歴を経た際の熱分解による重量減少率が5重量%以下のものであり、さらに、以下の特性を1つ以上有していることが好ましい。
(1)窒素雰囲気下350℃、2時間の熱履歴を経た後の引っ張り強度が30MPa以上であること、
(2)ガラス転移温度が120℃〜250℃であること、
(3)融粘度が1000Pa・sである温度が、250℃以上400℃以下であること、
(4)400℃から120℃まで0.5℃/分の一定速度で降温した後、樹脂中の結晶物による融解熱が10J/g以下であること。
本発明で用いることができる耐熱性樹脂としては、前処理として120℃で4時間乾燥を施し、その後、窒素雰囲気下、300℃で2時間保持した際のDTA−TGを用いて測定した重量減少量が、通常1%以下、好ましくは0.3%以下であるものが用いられる。具体的な樹脂としては、ポリイミド系樹脂、ケイ素含有樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマー,ニトリル系樹脂,チオエ−テル系樹脂,ポリエステル系樹脂,アリレ−ト系樹脂,サルホン系樹脂,イミド系樹脂,アミドイミド系樹脂を挙げることができる。これらのうちポリイミド系樹脂,スルホン系樹脂、アミドイミド系樹脂を用いるのが好ましい。
また本発明において200℃以上の耐熱性を必要としない場合、これに限定されないが、本発明で用いることができる具体的な熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ゴム系樹脂(クロロプレンゴム、シリコンゴム)などを挙げることができる。
また本発明の樹脂層の厚みは0.1μm〜1mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5μm〜10μmが良く、さらに好ましくは1μm〜6μmが良い。
(塗工方法)
本発明において磁性基材とは、磁性金属薄板の片面に樹脂を塗工したものをいう。磁性金属薄帯に樹脂を塗工する方法としては、有機溶剤に樹脂を溶解させた樹脂ワニスをロールコーターなどを用いて塗工することが一般的である。
樹脂の粘度は、通常0.005〜200Pa・sの濃度範囲であり、好ましくは0.01〜50Pa・sであり,より好ましくは0.05〜5Pa・sの範囲である。粘度が、0.005Pa・s未満になると、粘性が低くなり過ぎるため非晶質金属薄帯上から流れてしまい薄板上に十分な塗膜量が得られず、極めて薄い塗膜になることがある。粘度が、200Pa・sを超えると、高粘度のため、非晶質金属薄帯上に薄い塗膜を形成するための膜厚の制御が極めて難しくなる。
上記のような液状樹脂を塗布する方法としては、コーターを用いた方法、例えば、ロールコーター法、(マイクロ)グラビアコーター法、エアドクタコーター法、ブレ−ドコーター法、ナイフコーター法、ロッドコーター法、キスコーター法、ビードコーター法、キャストコーター法、ロータリースクリーン法、あるいはインクジェット法、液状樹脂中に非晶質金属薄帯を浸漬しながらコーティングする浸漬コーティング方法、液状樹脂を磁性金属薄帯にオリフィスから落下させコーティングするスロットオリフィスコーター法、バーコード法、霧吹きの原理を用いて液状樹脂を霧上に磁性金属薄帯に吹き付けるスプレーコーティング法、スピンコーティング法、電着コーティング法、スパッタ法のような物理的な蒸着法、CVD法のような気相法などが挙げられる。また塗工する樹脂層の厚みは0.1μm〜1mmであることが好ましく、より好ましくは1μm〜100μmであり、さらに好ましくは1μm〜10μmである。樹脂層が薄いほど積層体としての占積率が高くなり、積層体の飽和磁束密度の向上を図ることが可能となる。
(打ち抜きかしめ工程)
本発明の樹脂を塗工した磁性金属薄板は、打ち抜きかしめ工程によって積層体となる。この工程は、まず公知の磁性金属薄板の形状加工技術であるプレス打ち抜き加工により所望の形状にカットし、次に、材料の一部をつぶして二つ以上の金属薄板を接合する公知のかしめ加工により、複数枚の磁性金属薄板を接合し、積層体とする。しかしながら、打ち抜く磁性金属薄板材料が数十μm〜数100μmと薄い場合はかしめのみでは十分な接合強度を達成することが難しいため、以下の加熱一体化工程により樹脂接着する。
(加熱一体化工程)
本発明の積層一体化方法は、塗工された高分子化合物が、熱硬化性樹脂の場合は 塗工された高分子化合物が、金属薄板同士を接着硬化する温度に加熱した後、放冷した後、常温に戻す。また塗工された高分子化合物が熱可塑性樹脂の場合は熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上の温度で、樹脂が溶融流動性を有した状態にまで加熱した後、放冷し、常温に戻す。このとき、カシメにより積層体として、磁性金属薄板が固定されているため、治具等で、積層体を固定していなくとも、樹脂が溶融流動性を帯びたときに積層体のずれ等がなく、高い寸法安定性の確保が容易となる。また、塗工された高分子化合物が本発明の耐熱樹脂であり、磁性金属薄板が本発明の非晶質金属薄帯や、ナノ結晶金属磁性薄帯などである場合、積層一体化後に、焼鈍処理を行うことにより、積層体の磁気特性の向上を図ることも可能である。
(実施例1)
本発明の実施例について説明する。まず磁性金属薄板として、非晶質金属薄帯(ハネウェル社製、Metglas(登録商標) :2605TCA、幅約213mm 、厚み約25μmFe78Si13(at %)の組成を持つ非晶質金属薄帯)を使用した。この薄帯の両面全面に約0 .3Pa ・s の粘度のポリアミド酸溶液を付与し、150 ℃で溶媒を揮発させた後、250 ℃でポリイミド樹脂とし、磁性金属薄板の片面に厚さ約3ミクロンの耐熱性樹脂(ポリイミド樹脂)を付与した非晶質金属薄帯を作製した。耐熱性樹脂として、ジアミンに3 、3’−ジアミノジフェニルエーテル、テトラカルボン酸二無水物にビス(3 、4−ジカルボキシフェニル)エーテルニ無水物により得られるポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を用い、ジメチルアセトアミドの溶媒に溶解して非晶質金属薄帯上に塗布し、非晶質金属薄帯上で250℃で加熱してことにより、ポリイミド樹脂とした。
この薄帯を、長さ150mm、幅12.5mの短冊形状を10枚を打ち抜きカシメにより150mm×12.5mm×0.3mmの積層体を作製した。さらに270 ℃に加熱し非晶質金属薄帯のポリイミト゛樹脂層を溶融させ、金属薄帯同士を接着させて積層体を作製した。この積層体の占積率は90%であった。さらに積層体を350℃で2時間の熱処理を行った。
なお、占積率は次式で定義する式により計算した。
(占積率(%))=(((非晶質金属薄帯厚さ)×(積層枚数))/(積層後の積層体厚さ))×100
さ らに、さらにJIS Z2241 に従い、さきの積層体と同様のプロセスで作製した磁性積層板の引張強度を測定したところ、800MPa となり、熱処理後でも非常に強い機械強度を有していることが明らかとなった。
(比較例1)まず磁性金属薄板として、非晶質金属薄帯(ハネウェル社製、Metglas(登録商標) :2605TCA、幅約213mm、厚み約25μmのFe78Si13(at %)の組成を持つ非晶質金属薄帯)を使用した。この薄帯で、厚さ20μmの東レデュポン(株)製カプトンフィルム(登録商標):100F099、厚さ25μmをサンドイッチし、押圧して、積層体とした。さらに、この薄帯を、長さ150mm、幅12.5mの短冊形状に打ち抜き、打ち抜いた板を4枚、カシメて150mm×12.5mm×0.3mmの積層体とした。さらに270 ℃に加熱し非晶質金属薄帯のポリイミト゛樹脂層を溶融させ、金属薄帯同士を接着させて積層体を作製した。この積層体の占積率は50%であった。さらに積層体を350℃2 時間の焼鈍熱処理を行った。
なお、占積率は次式で定義する式により計算した。
(占積率(%))=(((非晶質金属薄帯厚さ)×(積層枚数))/(積層後の積層体厚さ))×100
さ らに、さらにJIS Z2241 に従い、さきの積層体と同様のプロセスで作製した磁性積層板の引張強度を測定したところ、500MPa となった。
Figure 2005110442

Claims (2)

  1. 磁性金薄板上に高分子化合物を塗布した後乾燥して得られた磁性基材を積み重ねて加熱し積層一体化して得られる磁性基材であって、打ち抜きカシメ工程を有することを特徴とする磁性基材の製造方法。
  2. 磁性金属薄板上に高分子化合物を塗布した後乾燥し、得られた磁性金属薄板を積み重ねて打ち抜きカシメを行い、これを加熱して積層一体化して得られた磁性基材の積層体。
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