JP2004119403A - 磁性積層体 - Google Patents

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JP2004119403A JP2002276334A JP2002276334A JP2004119403A JP 2004119403 A JP2004119403 A JP 2004119403A JP 2002276334 A JP2002276334 A JP 2002276334A JP 2002276334 A JP2002276334 A JP 2002276334A JP 2004119403 A JP2004119403 A JP 2004119403A
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Mitsunobu Yoshida
吉田 光伸
Nobuhiro Maruko
丸子 展弘
Hiroshi Watanabe
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Abstract

【課題】電気、電子部品および製品を小型化するための低損失、高透磁率、高磁束密度の磁性材料を提供する。
【解決手段】積層体が0.2Mpa以上5MPa以下のプレス加圧下で300℃〜450℃の範囲の温度で、1時間以上の加圧熱処理をして製造される(1)JISC2550に定める鉄損W10/1000が15W/kg以下(2)最大磁束密度Bsが1.0T以上2.0T以下(3)JISZ2241に定める引張強度が500MPa以上の磁性材料を用いる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性積層体に関する。本発明の磁性積層体の用途は、例えば,磁性材料であり、Feをベース材料とした非晶質金属材料を用いているため、特に1T以上の高い飽和磁束密度Bsと低損失が要求される用途に好適な磁性材料である積層体およびその製造方法に関する。
【0002】
本発明の磁性積層体は主に、電気電子分野のモータ、発電機、インダクタンス、チョークコイル、高周波トランス、低周波トランス、リアクトル、パルストランス、昇圧トランス、ノイズフィルター、変圧器用トランス、磁気インピーダンス素子、磁歪振動子、磁気センサ、磁気ヘッド、電磁気シールド、シールドコネクタ、シールドパッケージ、電波吸収体、アンテナ用コア、磁気ディスク、磁気応用搬送システム、マグネット、電磁ソレノイド、アクチュエータ用コア、プリント配線基板等に使用される。
【0003】
【従来の技術】
近年、磁性材料を使用する多くの電気、電子部品および製品において、さらなる高効率化、高性能化(高透磁率、小型化)が要求されており、構成する磁性材料においても高磁気特性(低損失、高透磁率、高磁束密度)が要求されている。磁性材料の中で、非晶質金属は高磁気特性(高透磁率、低損失)を有しており、なかでもFe系非晶質金属は、飽和磁束密度が大きいのでハイパワーを扱うデバイスや機器への展開が期待される。しかし、非晶質金属薄帯は、高磁気特性を発現するにための300℃〜500℃の熱処理が必要とされるが、また熱処理後に脆化するため自由な形状加工が難しく、用途は巻きコアなどの単純形状に限定されていた。
【0004】
以上のような技術的課題に対して、先願発明の特開昭58−175654(特許文献1)では高耐熱性高分子化合物を主成分とする接着剤を塗布した非晶質合金薄帯を積み重ね、加熱接着、または圧下ロールで圧着した後、ついで加熱接着することにより積層体の作製を容易にする方法が提案されている。しかしながら(1)の課題は解決するものの、薄帯厚みのばらつきが大きく磁気特性も均一の分布を示さず、機械強度も十分なものではなかった。
【0005】
【特許文献1】特開昭58−175654
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、軟磁性材料、特に非晶質金属積層体において、優れた磁気特性(低鉄損、高透磁率μ、高磁束密度)と優れた機械特性(強度、占積率、寸法公差)を両立させ、種々の磁性材料の用途への適用を実現することを主たる目的に、鋭意検討を行った結果、加熱処理時における加圧力を制御することにより磁気的な特性と機械的強度が制御できることを見出し、熱処理時の加圧力を特定することにより、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、磁性基材積層体を以下(1)から(4)に記載する条件を用いた磁性基材積層体とすることで、上記課題を解決できることを見出した。
【0008】
本発明は、複数の軟磁性薄板からなる磁性積層体を提供するものであって、その磁性積層体は、
(1)JIS C2550に定める鉄損W10/1000が15W/kg以下
(2)最大磁束密度Bsが1.0T以上2.0T以下。
【0009】
(3)JIS Z2241に定める引張強度が500MPa以上
である。
【0010】
本発明は、Feを主成分とする非晶質金属薄帯からなり、非晶質金属薄帯の片面もしくは両面に耐熱性樹脂層または耐熱性樹脂の前駆体が全面もしくは一部分に付与されている複数枚の磁性基材からなる積層体であって、前記積層体が0.2Mpa以上5MPa以下のプレス加圧下で300℃〜450℃の範囲の温度で、1時間以上の加圧熱処理を施して得られる請求項1記載の磁性積層体の製造方法を提供する。
【0011】
本発明は、上記記載の加圧熱処理時において使用するプレス用平板と磁性積層体の間に高耐熱樹脂シートを介して得られる磁性積層体の製造方法は本発明の態様の1つである。
【0012】
電動機または発電機の軟磁性材料からなるロータまたはステータの一部もしくは全てに本発明の磁性積層体を用いたことを特徴とする電動機または発電機は本発明の態様の1つである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下,本発明で記した磁性積層体について具体的に説明する。本発明において、非晶質金属薄帯単層に樹脂層を設けたものを磁性基材と定義する。まず磁性基材と磁性基材からなる磁性積層体の製造方法について説明する。本発明の磁性積層体は以下の1〜5の工程を組み合わせ、実際にはパターン1もしくはパターン2などの組合せを用いることにより作製することができる。
【0014】
工程1. 磁性基材作製工程
工程2. 形状加工工程
工程3. 積み重ね工程
工程4. 積層一体化工程
工程5. プレス加圧熱処理工程
パターン1:工程1−工程2−工程3−工程4−工程5(磁性基材打抜き後積層)と
パターン2:工程1−工程2−工程3−工程4−工程2−工程5(積層一体化後打抜き)の2通りのパターンが実用上好適である。
【0015】
すなわち、パターン1では、工程1の磁性基材作製工程で非晶質金属に樹脂を塗工し、次に工程2の形状加工工程で所望の形状に打ちぬいた後、工程3(積み重ね工程)、工程4(積層一体化工程)を経て、工程5のプレス加圧熱処理工程で、磁気特性発現するための熱処理を施す。工程2は、パターン1のように工程1の後に1回のみ行っても良いし、パターン2のように工程4まで実施し積層体を作製した後に工程2の形状加工を行っても良い。
【0016】
工程について以下に説明する。
工程1(磁性基材作製工程)
本発明の磁性基材は非晶質金属薄帯の原反にロールコータなどのコーティング装置を用いて非晶質金属薄帯上に液状樹脂の塗膜を形成し,これを乾燥させて非晶質金属薄帯に耐熱性樹脂層を付与する方法で作製することができる。
工程2(形状加工工程)
本発明でいう形状加工工程とは、単数もしくは複数枚の磁性基材や磁性積層体を幅方向に切断し、矩形板もしくは所望の形状に切断加工することと定義する。このとき形状加工方法としては,シャーリング切断、金型打抜き加工、フォトエッチング加工、打抜き加工、レーザー切断加工、放電ワイヤー切断加工などの方法が選択できる。好ましくは、幅方向の切断においてはシャーリング切断。また所望の任意形状の切断においては金型打ち抜き加工が望ましい。
工程3(積み重ね工程)
つぎに矩形もしくは、所望の形状に加工した磁性基材を複数枚、厚み方向に積み重ねる。
【0017】
工程4(積層一体化工程)
複数枚の磁性基材の積層一体化の方法としては、熱プレス、熱ロールなどにより樹脂層を溶融させ、金属薄間を接着する積層一体化の方法や、プレスによるカシメによる積層一体化の方法、レーザー加熱により積層端面を溶着させて積層一体化する方法等が可能である。層間の電気的導通による渦電流損失を低減し、低磁気損失な材料を実現するという観点では、熱プレスや熱ロールなどによる加熱加圧による積層一体化工程が好ましい。積み重ねた磁性基材は、所望の積層枚数を重ねた磁性基材群を、2枚の金属平板でサンドイッチする。加圧時の温度は、非晶質金属薄帯に付与した耐熱性樹脂層の種類により異なるが,概ね,耐熱樹脂硬化物のガラス転移温度以上で軟化もしくは溶融流動性を有する温度近傍で加圧し、非晶質金属薄帯同士を積層接着することが好ましい。非晶質金属の層間の樹脂を溶融させた後、室温まで冷却することで、非晶質金属薄帯どうしを固着し一体化する。
工程5(加圧熱処理工程)
積層一体化工程を経た磁性基材積層体を,非晶質金属の内部応力を緩和し、優れた磁気特性を発現するために、非晶質金属の磁気特性発現に必要な300℃から500℃の熱処理を施す。
【0018】
さらに本発明の詳しい説明を行う。
まず磁性基材作製工程において使用する非晶質金属と耐熱性樹脂について説明する。
【0019】
(非晶質金属薄帯)
本発明の磁性基材に使用される非晶質金属薄帯に用いられる磁性材料としては、Fe系の非晶質金属薄帯が用いられる。Fe系の非晶質金属は最大磁束密度が大きく、特に大きな電力を取り扱うモータ、変圧器などの用途に好適である。これらの非晶質金属薄帯は、通常溶融金属を急冷ロールを用いて、急冷して得られる。通常は10〜50μmの厚さであり、好ましくは10〜30μmの厚さの薄帯が用いられる。Fe系非晶質金属材料としては、Fe−B―Si系、Fe−B系、Fe−P−C系などのFe−半金属系非晶質金属材料や、Fe−Zr系、Fe−Hf系、Fe−Ti系などのFe−遷移金属系非晶質金属材料を挙げることができる。例えばFe−Si−B系においては、Fe78Si13(at%)、Fe78Si1012(at%)、Fe81Si13.513.5(at%)、Fe81Si13.513.5(at%)、Fe77Si16Cr(at%)、Fe66Co18Si15(at%)、Fe74NiSi17Mo(at%)などが挙げることができる。中でもFe78Si13(at%)、Fe77Si16Cr(at%)が好ましく用いられる。特にFe78Si13(at%)を用いるのが好ましい。しかしながら本発明の非晶質金属はこれに限定されるものではない。
【0020】
(耐熱性樹脂)
本発明に用いられる耐熱性樹脂は、非晶質金属薄帯の磁気特性を向上させるために熱処理する場合があるので、当該熱処理温度で熱分解の少ない材料を選定することが必要になる。
【0021】
本発明に用いられる耐熱性樹脂としては、熱可塑性、非熱可塑性、熱硬化性樹脂を挙げることができる。中でも熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。
【0022】
また耐熱性樹脂は300℃から450℃の熱処理に耐えるものが好ましい。例えば、ガラス転移温度が120℃から300℃。また窒素雰囲気下300℃、2時間の熱履歴を経た際の熱分解による重量減少量が1重量%以下であることが好ましい。
【0023】
熱可塑性の耐熱性樹脂を用いることで、前記非晶質金属薄帯の少なくとも一部に耐熱性樹脂を付与した後、もしくは耐熱性樹脂の前駆体を付与し該耐熱性樹脂を形成した後、この磁性基材を積層し、磁性基材の積層体を得ることができる。この製造方法により、耐熱性樹脂を樹脂化しているため、室温でタック性がなく、また安定であるため、取り扱いが簡便であり、積層時の作業性がよく工程の歩留まりが向上できるメリットがある。
【0024】
本発明に用いられる耐熱性樹脂としては、前処理として120℃で4時間乾燥を施し、その後、窒素雰囲気下、300℃で2時間保持した際の重量減少量を、DTA−TGを用いて測定され、通常1%以下、好ましくは0.3%以下であるものが用いられる。具体的な樹脂としては、ポリイミド系樹脂、ケイ素含有樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマー,ニトリル系樹脂,チオエ−テル系樹脂,ポリエステル系樹脂,アリレ−ト系樹脂,サルホン系樹脂,イミド系樹脂,アミドイミド系樹脂を挙げることができる。これらのうちポリイミド系樹脂,スルホン系樹脂、アミドイミド系樹脂を用いるのが好ましい。
【0025】
本発明に用いられる樹脂は、上記の耐熱性に加えて下記の特性を兼ね備えている樹脂であることがさらに好ましい。
▲1▼窒素雰囲気下300℃、2時間の熱履歴を経た後の引っ張り強度が30MPa以上である。
▲2▼ガラス転移温度が120℃〜250℃である。
▲3▼溶融粘度が10万Pa・sである温度が、250℃以上400℃以下であり、さらに好ましくは300℃以下、さらに好ましくは250℃以下である。
▲4▼400℃から120℃まで0.5℃/分の一定速度で降温した後、樹脂中の結晶物による融解熱が10J/g以下である。
【0026】
本発明に用いられる耐熱性樹脂としては好ましくはポリイミド樹脂、特に芳香族ポリイミド系樹脂が好適に用いられる。
【0027】
次に上記非晶質金属に上記耐熱樹脂を付与する方法を説明する。
【0028】
(樹脂付与工程)
耐熱性樹脂は,非晶質金属薄帯の片面または,両面の全面もしくは少なくとも一部に付与する。この場合,付与する面において均一にむらなく塗膜されることが好ましいが,例えば,短冊状コアの場合、切断部分ではない部分等は加工時に接着強度が十分であればよく、非晶質金属薄帯間の接着が得られるように部分的に耐熱性樹脂が付与されていれば良い。また、積層体を形状加工する場合等で接着強度が必要となる場合には、薄帯の片面または両面の全面に塗布されていることが望ましい。
【0029】
本発明における非晶質金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に耐熱性樹脂を付着する場合、粉末状樹脂、もしくは溶媒に樹脂を溶解させた溶液または、ペースト状の形態がある。樹脂を溶解させた溶液を用いる場合は,ロ−ルコ−タなどを用いて非晶質金属薄帯に付与して行うことが代表的である。この場合,付与工程で用いる溶液の粘度は,0.005Pa・s以下の粘度では,粘性が低くなり過ぎるため非晶質金属薄帯上から流れてしまい磁性基材上に十分な塗膜量が得られず,極めて薄い塗膜になってしまう。また,この場合膜厚を厚くするために,付与速度を極めて遅くすると何度も重ね塗りが必要になるため,生産効率の低下が生じ実用的ではない。一方,粘度が,200Pa・s以上になると,高粘度のため,非晶質金属薄帯上に薄い塗膜を形成するための膜厚の制御が極めて難しくなる。したがって,樹脂を溶媒に溶解させた溶液による付与の場合,付与時の溶液粘度は0.005〜200Pa・sの濃度範囲が好ましい。さらには,0.01〜50Pa・sの濃度範囲が好ましく,より好ましくは,0.05〜5Pa・sの範囲にある方が良い。
【0030】
本発明における樹脂を溶媒に溶解させた溶液の付与方法としては,コ−タを用いた方法,例えば,ロ−ルコ−タ法,グラビアコ−タ法,エアドクタコ−タ法,ブレ−ドコ−タ法,ナイフコ−タ法,ロッドコ−タ法,キスコ−タ法,ビ−ドコ−タ法,キャストコ−タ法,ロ−タリ−スクリ−ン法や,液状樹脂中に非晶質金属薄帯を浸漬しながらコ−テイングする浸漬コ−テング方法,液状樹脂を非晶質金属薄帯にオリフィスから落下させコ−テイングするスロットオリフィスコ−タ法などで行うことができる。その他,バ−コ−ド方法や霧吹きの原理を用いて液状樹脂を霧上に非晶質金属薄帯に吹き付けるスプレ−コ−ティング法や,スピンコ−テング法,電着コ−テング法,あるいはスパッタ法のような物理的な蒸着法,CVD法のような気相法など非晶質金属薄帯上に耐熱性樹脂を付与できる方法なら如何なる方法を用いても良い。
【0031】
また、一部に耐熱性樹脂を付与するには、塗膜パターンの溝を加工したグラビアヘッドを用いて、グラビアコータ法で行うことができる。
【0032】
また,本発明における非晶質金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に付着させる樹脂として,ペ−スト状樹脂を使用する場合は,主として非晶質金属薄帯と非晶質金属薄帯など複数の非晶質金属薄帯を積層する場合に用いることが好ましい。そのため,樹脂は液状樹脂のような流動性よりは仮接着固定や仮止めができる粘度があれば良く,ポッティングや刷毛塗りなどの方法で付与することができる。したがって,樹脂の粘度としては,5Pa・s以上の粘度であることが好ましい。一方,粉末状の樹脂を用いる場合は,例えば,金型を用いて非晶質金属薄帯の積層体を作製する時に粉末状・ペレット状の樹脂を充填または散布して、熱プレス成型などにより、非晶質金属薄帯の積層体を作製する場合に用いることができる。
【0033】
さらに、本発明で使用するポリイミドを用いる方法として、溶媒可溶性のポリイミド若しくはその両末端に反応性の官能基(以下「付加反応基」)を導入したものを用いることもできる。すなわち、可溶性ポリイミドを溶剤に溶かして液状とし、適切な粘度に調整して、非晶質金属薄帯に付与し、加熱して溶剤を揮発して耐熱性樹脂を形成する方法が用いられる。
【0034】
(形状加工工程)
形状加工方法としては,シャーリング切断、金型打抜き加工、フォトエッチング加工、打抜き加工、レーザー切断加工、放電ワイヤー切断加工などの方法により、所望の形状に切断する。特に、本磁性基材は、1枚〜10枚程度の複数枚からなる積層体を金型打ちぬき加工することができる。また数十枚以上の磁性基材からなる直方体形状の積層体においては放電ワイヤーカットにより、所望の形状に切断加工することが好適である。さらに放電ワイヤーカット時には、好ましくは積層体端面に導電性の接着剤を塗布し、積層間の金属材料を電気的に接続し、さらに塗布した導電性接着剤部分を放電ワイヤー加工機のグランド電極に接地することにより、放電電流が安定し、放電スパーク時のエネルギーを精密に制御することが可能となり、積層体の層間の溶着の少ない加工面が得られる。
【0035】
(積み重ね工程)
つぎに形状加工工程した磁性基材を複数枚厚み方向に並べて積層する。このとき、樹脂層と金属層が交互に並ぶように、樹脂を塗工した面を同一方向に向けて積み重ねる。
【0036】
(積層一体化工程)
次に積層一体化工程ではまず、所望の積層枚数を重ねた磁性基材群を、図1の12に示す2枚の平板金型でサンドイッチする。さらに、この磁性基材群をサンドイッチしたブロックを、図1の11に示す積層体のずれ防止用枠型に入れて積層一体化しても良い。またサンドイッチする平板金型としては、熱伝導度の高く、機械的強度の高い金属が好ましい。例えばSUS304、SUS430、ハイス鋼、純鉄、アルミニウム、銅などが好ましい。また非晶質金属に均等に圧力が印加できるよう平板金型の表面粗さは1μm以下で、平板の上下両面が平行になっていることが好ましい。さらに好ましくは平板金型の表面粗さが0.1μm以下の鏡面であることが好ましい。
【0037】
また均等にプレス圧がかかるための工夫として、所望の積層枚数を重ねた磁性基材群とサンドイッチする平板金型との間に、図2の21に示すような積層体の厚み公差以上の厚みを持つ耐熱性弾性シートを挿入することも可能である。このとき、耐熱性弾性シートが平板金型と磁性基材の凹凸を吸収し、磁性基材積層体に均一に圧力を印加することが可能となる。耐熱性弾性シートとしては、材質が樹脂の場合は、ガラス転移温度が、非晶質金属の熱処理温度以上であることが好ましい。耐熱性弾性シートの材質としては、ポリイミド系樹脂、ケイ素含有樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマー,ニトリル系樹脂,チオエ−テル系樹脂,ポリエステル系樹脂,アリレ−ト系樹脂,サルホン系樹脂,イミド系樹脂,アミドイミド系樹脂を挙げることができる。これらのうち好ましくは、ポリイミド系樹脂,スルホン系樹脂、アミドイミド系樹脂等の高耐熱樹脂を用い、さら好ましくは芳香族ポリイミド系樹脂が用いられる。
【0038】
積層一体化は、熱プレスや熱ロール、高周波溶着などにより加熱、加圧することでできる。加圧時の温度は耐熱樹脂の種類により異なるが,概ね,耐熱樹脂硬化物のガラス転移温度以上で軟化もしくは溶融流動性を有する温度近傍で加圧し積層接着することが好ましい。非晶質金属の層間の樹脂を溶融させた後、冷却することで、非晶質金属薄帯どうしを固着し一体化する。
【0039】
(加圧熱処理工程)
本工程は、非晶質金属の内部応力を緩和し、非晶質金属薄帯の磁気特性を向上させるため、非晶質金属の磁気特性発現に必要な300℃から500℃の熱処理を施す。非晶質金属薄帯を構成する組成および目的とする磁気特性により異なるが、通常、不活性ガス雰囲気下もしくは真空中で行われ、良好な磁気特性を向上させる温度は概ね300〜500℃であり、好ましくは350℃から450℃で行われる。さらに好ましくは360℃から380℃が好適である。また本発明では300℃〜500℃の温度範囲で熱プレスにより積層板を加圧熱処理するが、このときのプレス圧力は、0.2MPa以上5MPa以下、さらに好ましくは0.3MPa以上3MPa以下の圧力で加圧熱処理する。本発明では、0.2MPa〜5MPaの加圧力で300℃〜500℃の温度範囲で加圧熱処理することにより、驚くべきことに積層体の磁気特性(透磁率、鉄損)が大幅に向上すると同時に、300℃以下で積層一体化した場合より、機械的強度(引張強度)が大幅に向上した積層体を得ることができる。
【0040】
特にモータや発電機などの回転機としての用途に用いる場合は機械強度向上により、モータ回転数アップ等の性能の向上が可能となり、実用上著しいモータ特性(出力)の向上が見込まれる。
【0041】
発明者らは特定の原理にこだわるものではないが、先の磁気特性向上の理由の1つとして次のことを考えることができる。まず非晶質金属は、通常溶融金属を急冷して作製されるが、このとき金属内部に残留した応力によって特性が劣化する。そこで通常、300℃から500℃の熱処理を施し、内部の応力を緩和する処置を施し、磁気的特性を向上させる。本発明のように、外圧を加えて積層一体化し、300℃から500℃の温度範囲で熱処理をする場合、外から加える加圧力が大きいと、熱処理後、積層体を常温に戻したとき、加圧力による金属内部応力が残留し、磁気的な特性が劣化することが考えられる。そのため、本発明では非晶質金属の特性が劣化しない熱処理時の加圧力を鋭意検討した結果、0.2MPa以上5MPa以下、さらに好ましくは0.3MPa以上3Mpa以下、さらに好ましくは0.3MPa以上1.5Mpa以下の加圧力下で熱処理することにより、占積率を低下させずに大幅な磁気的特性向上が図ることができるものと考える。
【0042】
またプレス加圧時に磁性積層体と積層一体化工程で用いた平板金型との間に、積層体の厚み公差以上の厚みを持つ耐熱性弾性シートを挿入することで、熱処理後の積層体内の磁気的特性のバラツキを大幅に改善することができた。耐熱性弾性シートとしては、材質が樹脂の場合は、ガラス転移温度が非晶質金属の熱処理温度以上であり、かつ磁性基材の非晶質金属薄帯に付与してある樹脂のガラス転移温度より高いことが好ましい。耐熱性弾性シートの材質としては、ポリイミド系樹脂、ケイ素含有樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマー,ニトリル系樹脂,チオエ−テル系樹脂,ポリエステル系樹脂,アリレ−ト系樹脂,サルホン系樹脂,イミド系樹脂,アミドイミド系樹脂を挙げることができる。これらのうちポリイミド系樹脂,スルホン系樹脂、アミドイミド系樹脂を用いるのが好ましい。しかしながら耐熱性弾性シートの材質はこれに限定されるものではなく、金属、セラミックス、ガラス等の弾性のある材料を用いることも可能である。
【0043】
以上の工程を経ることにより、作製された磁性積層体はJIS C2550に定める鉄損W10/1000が15W/kg以下、さらに好ましくはW10/1000が10W/kg以下となり、また最大磁束密度Bsが1.0T以上2.0T以下となり、またJISZ2241に定める引張強度が500MPa以上、さらに好ましくは700MPa以上となり、また比透磁率は1500以上、さらに好ましくは2500以上、さらに好ましくは3000以上となることが明らかとなった。
【0044】
このような、高強度、高磁気性能を有する本発明の磁性積層板は、いままで実現しておらず、特に1T以上の高い飽和磁束密度Bsと低損失、高透磁率が要求される用途に好適であり、具体的にはモータ、発電機、インダクタンス、チョークコイル、高周波トランス、低周波トランス、リアクトル、パルストランス、昇圧トランス、ノイズフィルター、変圧器用トランス、磁気インピーダンス素子、磁歪振動子、磁気センサ、磁気ヘッド、電磁気シールド、シールドコネクタ、シールドパッケージ、電波吸収体、アンテナ用コア、磁気ディスク、磁気応用搬送システム、マグネット、電磁ソレノイド、アクチュエータ用コア、プリント配線基板等に好適に使用され、本発明の磁性積層板は、これらの用途において今まで実現できなかった著しい高性能化(高効率、小型化、高出力化)等に寄与することが明らかになった。特に電動機または発電機に適用した場合はその効果は著しく、電動機の高効率化、高出力化(高速回転化、高トルク化)への効果が著しい。従来の珪素鋼板、先願の非晶質金属の積層体では実現できなかった特性(高効率、高出力)が得られることが明らかになった。本発明の磁性積層体を電動機に適用した場合、適用可能な電動機としては、DCモータ、誘導電動機、IPMモータ、SPMモータ、リラクタンスモータ、ステッピングモータ等に好適に適用可能であり、特に好ましくは、リラクタンスモータ、IPMモータ、SPMモータ、誘導電動機といったモータに適用可能であり、高効率、高出力化の効果が著しいことが明らかになった。
【0045】
以下、本発明の実施例について示す。
【0046】
【実施例1】(加圧熱処理し高磁気特性)
本発明の磁性基材を用いた積層体からなる図4の41に示すトロイダル形状のインダクタを用いて本発明について説明する。
【0047】
本発明のインダクタの構成材料及び作製方法について示す。まず、非晶質金属薄帯として,ハネウェル社製、Metglas:2605S2(商品名)、幅約140mm,厚み約25μmで、Fe7813Si(原子%)の組成を持つ非晶質金属薄帯を使用した。この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定し、約0.3Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液をグラビアコーターにより非晶質金属薄帯の全面に付与し,140℃で溶媒のDMAC(ジメチルアセトアミド)を乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約4ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与したもの(図5の510)である。
ここで、用いたポリアミド酸溶液は、イミド化後に(化学式1)の基本構造単位を有するものを使用した。溶媒には、ジメチルアセトアミドを用いて希釈した。このポリアミド酸は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸ニ無水物を1:0.98の割合でジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものである。
【0048】
【化1】
Figure 2004119403
【0049】
この基材を、金型打ち抜きプレスにより、外径40mm、内径25mmのトロイダル形状に打ち抜き、500枚積み重ね、図4の41のようなトロイダルの積層体を作製した。さらに図3に示す熱プレスで大気中260℃30分、5MPaで積層一体化し、厚み14.5mmの積層体を作製した。さらに磁気特性を発現するため、大気中で温度365℃、圧力1.5MPaで2hr大気中で加圧加熱した。
このトランスの磁気特性を評価するため、透磁率はヒューレットパカード社製、4192を用いてインダクタンス値を測定し、比透磁率を算出した。また岩通電気製BHアアナライザー8127により鉄損を測定した。
【0050】
その結果、鉄損は周波数1kHz、最大磁束密度1Tで8W/kgとなった。また比透磁率は1500となった。
【0051】
またJIS Z2214に準拠した方法で、幅12.5mm、長さ150mmの引張強度試験片を同様のプロセスで作製し、引張り強度を測定した。その結果引張り強度は700MPaとなり、高速回転型のモータ等のロータなどに適用するのに充分な強度が確保できていることを確認した。
【0052】
またJIS C2550で定義される方法で占積率を測定した。その結果、占積率は87%となり、モータ等に適用する上で実用上充分なレベルとなった。
【0053】
【実施例2】(プレス時に平板金型と非晶質金属板の間に耐熱性弾性層を設けた場合)
実施例1と同様の磁性基材を用い、同様のトロイダル形状を500枚積み重ねた。本実施例では、500枚積み重ねた積層板を、耐熱弾性シートとして厚さ100μmのポリイミドフィルム(宇部興産製ユーピレックス)を10枚重ねしたものでサンドイッチし、さらに厚さ1cm、10cm角のSUS304でできた鏡面板にサンドイッチして、図2に示す構成で熱プレスを行い積層一体化した。大気中260℃30分、5MPaで積層一体化し、厚み14.5mmの積層体を作製した。さらに磁気特性を発現するため、大気中で温度365℃、圧力1.5MPaで2hr大気中で加熱加圧した。実施例1と実施例2で耐熱性弾性シートの比較をするため、上記トロイダルコアをN=20個作製した。
【0054】
このトランスの磁気特性を評価するため、比透磁率はヒューレットパカード社製、4192を用いてインダクタンス値を測定し、比透磁率を算出した。また岩通電気製BHアアナライザー8127により鉄損を測定した。その結果、鉄損は周波数1kHz、最大磁束密度1Tで10W/kgとなった。また比透磁率は1500となった。
【0055】
また同様の積層体作製プロセスで、JIS Z2214に準拠した方法で、幅12.5mm、長さ150mmの引張強度試験片を作製し、引張り強度を測定した。その結果引張り強度は700MPaとなり、モータ等のロータなどに適用するのに充分な強度が確保できていることを確認した。また測定値のバラツキを下表3に示す。耐熱性弾性シートをサンドイッチして作製したサンプルは磁気的特性のばらつきが少ないことを確認した。
【0056】
また実施例1と同様に占積率を測定した。その結果、占積率は87%となり、モータ等に適用する上で実用上問題のないレベルとなった。
【0057】
【実施例3】(電動機)
本実施例1と同様の磁性基材を用いて、金型プレス打ち抜きで、ロータ形状、とステータ形状に加工し、実施例1のトロイダルコアと同様の材料及びプロセスで、形状加工した磁性基材を1000枚積層一体化し、365℃で2hr大気中で熱処理した。厚さ30mm、直径100mmの磁性積層体からなる電動機のロータ及びステータを作製し、さらに図6に示す構成のシンクロナスリラクタンスモータとした。本ロータ及びステータの構成は図6に示す。本発明のモータのモータ特性を測定した。結果を下表に示す。
測定の結果、最大回転数、及び出力が先願発明の磁性材料と比較して、2.0倍程度となった。またモータ効率((機械的出力エネルギー/入力電力エネルギー)×100)は2%向上した。
【0058】
【比較例1】(加圧大)
比較例では、実施例1と同様の非晶質金属薄帯と耐熱樹脂を用いた磁性基材を用いた。この基材を、金型打ち抜きプレスにより、外径40mm、内径25mmのトロイダル形状に打ち抜き、500枚、薄帯の方向を揃えて積み重ねてた。熱プレスで大気中260℃30分、5MPaで積層一体化し、厚み14.5mmの積層体を作製した。さらに磁気特性を発現するため、大気中で温度365℃、圧力20MPaと実施例1の4倍の圧力で2hr大気中で加熱加圧した。
【0059】
このトランスの磁気特性と機械強度と占積率を評価するため、まず実施例1と同様に比透磁率、鉄損を測定した。その結果、比透磁率は800と実施例1に比べ50%低下し、また鉄損は周波数1kHz、最大磁束密度1Tで17W/kgとなり、実施例1より約倍程度損失が増加した。次に実施例1と同様に引張強度試験片を作製し、引張り強度を測定した。その結果を下表1に示す。引張り強度は700MPaとなり、実施例1と同等の引張り強度を有することが明らかになった。
【0060】
実施例1と同様に占積率を測定した。その結果、占積率は87%となり、モータ等に適用する上で実用上問題のないレベルとなった。
【0061】
【比較例2】(加圧少)
比較例2では、実施例1と同様の非晶質金属薄帯と耐熱樹脂を用いた磁性基材を用いた。この基材を、金型打ち抜きプレスにより、外径40mm、内径25mmのトロイダル形状に打ち抜き、500枚、薄帯の方向を揃えて積み重ねてた。熱プレスで大気中260℃30分、5MPaで積層一体化し、厚み14.5mmの積層体を作製した。さらに磁気特性を発現するため、大気中で温度365℃、積層体に加圧力を加えず大気圧力下で、2hr大気中で加圧熱処理した。
このトランスの磁気特性と機械強度及び占積率を評価した。
まず実施例1と同様に比透磁率、鉄損を測定した結果、鉄損は周波数1kHz、最大磁束密度1Tで11W/kg、比透磁率は1500となり、実施例1とほぼ同等の値となった。また次に実施例1と同様に引張強度試験片を作製し、引張り強度を測定した。その結果、引張り強度は300MPaと、実施例1の半分程度に低下した。
【0062】
さらに実施例1と同様に占積率を測定した。その結果、占積率は78%と、実施例1に大きく低下した。また層間を目視したところ、層間で膨れ、そり等が生じて、積層体内に空隙ができていた。空隙などの機械的に弱い部分が局所的に生じたため引張り強度が低下したと考えられる。
【0063】
【比較例3】(電動機)
本実施例1と同様の構造の電動機のロータ及びステータに、比較例2に示した同様の磁性積層体を用いて、モータを作製し、実施例1と同様にモータ特性を評価した。実施例3との比較結果を下表3に示す。その結果、機械的強度が低いため回転数が10000rpm時に破損し、本発明に比較して、高出力化が困難であることがわかった。
【0064】
【表1】
Figure 2004119403
【0065】
【表2】
Figure 2004119403
【0066】
【表3】
Figure 2004119403
【0067】
【発明の効果】
本発明は、Feを主成分とする非晶質金属薄帯を用い、非晶質金属薄帯の片面もしくは両面に耐熱性樹脂層または耐熱性樹脂の前駆体が全面もしくは一部分に付与し、複数枚の磁性基材からなる積層体を0.2Mpa以上5MPa以下のプレス加圧下で300℃〜450℃の範囲の温度で、1時間以上の加圧熱処理を施すことにより
(1)鉄損W10/1000が15W/kg以下
(2)最大磁束密度Bsが1.0T以上2.0T以下。
【0068】
(3)JISZ2241に定める引張強度が500MPa以上
の磁気的特性と機械的特性を兼備する磁性積層体を実現した。このことは、各種磁性部品の高効率化、高出力化、小型化に著しく寄与する。
【0069】
さらにプレス加圧時に使用するプレス用平板と磁性積層体の間に高耐熱樹脂シートを挟んで磁性積層体をプレス加圧熱処理作製することにより、磁性積層体の厚みムラに起因するプレス圧力ムラが緩和され、均一に圧力が磁性積層体に印加され、その結果、積層体の磁気的性能のバラツキが低減され、安定した磁気的性能を発現することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層一体化熱処理用治具の構成図
【図2】耐熱性弾性シートを介した積層一体化熱処理用治具の構成図
【図3】磁性積層体の熱プレス機への設置構成図
【図4】トロイダルインダクタコア外観図
【図5】磁性基材構成図
【図6】本実施例3及び比較例3で示した電動機の構成断面図
符号の説明
11  積層体のずれ防止用枠型
12  平板金型
13  磁性積層板
21  耐熱性弾性シート
31  熱プレス機の熱板
41  本発明の磁性基材からなる積層トロイダルコア
510 本発明の磁性基材
511 非晶質金属薄帯
512 熱性樹脂層
611  ロータ
612 ステータ
613 コイル
621  回転軸
622 軸受け
630 ケース

Claims (4)

  1. 以下の特性を満たすことを特徴とする複数の磁性薄板からなる磁性積層体。
    (1)JISC2550に定める鉄損W10/1000が15W/kg以下
    (2)最大磁束密度Bsが1.0T以上2.0T以下。
    (3)JISZ2241に定める引張強度が500MPa以上
  2. Feを主成分とする非晶質金属薄帯からなり、非晶質金属薄帯の片面もしくは両面に耐熱性樹脂層または耐熱性樹脂の前駆体が全面もしくは一部分に付与されている複数枚の磁性基材からなる積層体であって、前記積層体が0.2Mpa以上5MPa以下のプレス加圧下で300℃〜450℃の範囲の温度で、1時間以上の加圧熱処理を施して得られる請求項1記載の磁性積層体の製造方法。
  3. 請求項2記載の加圧熱処理時に、プレス用平板と磁性積層体の間に高耐熱樹脂シートを介したことを特徴とする請求項1記載の磁性積層体の製造方法。
  4. 電動機または発電機の軟磁性材料からなるロータまたはステータの一部もしくは全てに請求項1記載の磁性積層体を用いたことを特徴とする電動機または発電機。
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