JP2005160231A - リラクタンス回転機の磁性部材 - Google Patents

リラクタンス回転機の磁性部材 Download PDF

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光伸 吉田
Nobuhiro Maruko
展弘 丸子
Hiroshi Watanabe
洋 渡辺
Akira Chiba
明 千葉
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Abstract


【課題】 スイッチトリラクタンスモータ610の鉄損を低減し、機械的強度の向上を図り、これによってモータ効率および回転数を向上して出力を上昇する。
【解決手段】 回転子611および固定子612は、非晶質金属磁性材料から成る板状体618の片面に耐熱性熱可塑性樹脂から成る被膜619が塗布されて構成される磁性基材617を積層して構成された積層体13から成る。非晶質金属磁性材料は、一般式
(Fe(1−α)Coα100−a−b
式中のXは、Si,B,CおよびGeから成るグループから選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表し、
Yは、Zr,Nb,Ti,Hf,Ta,W,Cr,Mo,V,Ni,P,Al,Pt,Rh,Ru,Sn,Sb,Cu,Mnおよび希土類元素から成るグループから選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表し、
a,bは、原子%を表し、
0≦α≦0.3、
10<a≦35、
0≦b≦30
である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リラクタンス回転機の回転子および固定子などを含む磁気回路に設けられる磁性部材に関し、たとえばスイッチトリラクタンスモータおよびスイッチトリラクタンスジェネレータなどのリラクタンス回転機の構成に関する。
国内の全消費電力のうち約半分は、モータによる消費電力である。モータの高効率化は、電力消費量低減、発電に伴う、二酸化炭素等の地球温暖化ガスの排出量低減に繋がり、社会的に意義が大きい。また、モータは種々の機器に組み込まれ、特に、機器の小型化、高出力化に伴い、モータも小型化、高出力化が要求されている。このような用途においては、モータを高速回転化させることにより、小型化、高出力化が図られている。高速回転型のモータとしては、マイクロガスタービン技術に代表されるようなタービンに直結したモータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)や、移動体(自動車、2輪自動車、自転車)の駆動用モータ、アトマイザ用モータ、空気調和機ファン用モータ、コンプレッサ用モータ、産業用ロボットなどの制御用モータなどの駆動用モータ、モバイル機器用のハードディスクドライブ用スピンドルモータ、CD−ROMドライブ用モータ、DVD−ROM用モータ、歯科技工用マイクロモータ等がある。このような高速回転型モータとして、具体的には、回転子が鉄心のみで構成でき、頑強な構造が実現できるスイッチトリラクタンスモータなどが適しており、電磁鋼板材料として珪素鋼板などが使用されている。このようなモータもしくはジェネレータの回転数は、概ね5000rpm〜10rpm程度の高速回転での仕様が求められ、印加磁界の励磁周波数は、500Hzから5kHz程度、出力は数W〜数百kW程度である。
小型化、高速回転化すると、回転数の増大とともに、印加磁界の励振周波数の2乗に比例する渦電流損失が増大し、損失エネルギの密度が上がり、モータの温度上昇が大きくなり、かつ、体積あたりの放熱面積が少なくなり、放熱が難しくなるため、損失の少ない材料が必要である。このようなスイッチトリラクタンスモータを含む高速回転型モータ、ジェネレータ用磁性材料としては、珪素鋼板では、高速回転時に、引張強さ以上の強い応力が回転子に印加されると、変形や破壊などが生じ、さらなる高強度化が求められている。
このような磁性材料の課題を解決するために、スイッチトリラクタンスモータなどの高速回転型モータに、珪素鋼板に比べて、損失が極めて少なく、機械的強度に優れた非晶質金属材料を用いて高速回転時の鉄損を減少させることができるスピンドル装置は、特許文献1において開示されているが、非晶質金属の積層、熱処理などの具体的構成は、言及されていない。
また、特許文献2においては、非晶質金属から成るストリップを積み重ねてアニール処理を施し、その後にエポキシ樹脂を含浸して高温度120℃で約4.5時間にわたって硬化させ、積層体を作製している。この従来技術では、アニール後にエポキシ樹脂を含浸硬化させると、硬化時の収縮応力により、磁気特性が著しく劣化し、損失が増大する場合がある。そのため、スイッチトリラクタンスモータ等の高速回転モータの鉄損の低減、回転子、固定子等のモータの効率、出力向上において不充分であるといった問題がある。
特開平8−149775 特表2002−530042
本発明は、鉄損を低減し、機械的強度の向上を図るリラクタンス回転機の磁性部材、その磁性部材を備えるリラクタンス回転機、その磁性部材の製造方法および積層体を提供することである。
このような課題を解決するために、従来からの耐熱性樹脂の物性を見直し、さらに積層接着、熱処理のプロセスを見なおし、そして、鋭意研究の結果、用いる耐熱性樹脂の物性値およびその値が本発明の範囲の耐熱性熱可塑性樹脂を選ぶことにより、非晶質金属薄帯製板状体を、前記耐熱性熱可塑性樹脂を介在して積層接着した後、熱処理が可能となり、磁気特性が著しく向上し、かつ極めて強い、機械的強度のリラクタンス機械の磁性部材および積層体を提供することができる。さらに、本発明の磁性部材を用いるリラクタンスモータまたはリラクタンスジェネレータでは、回転子および固定子構造を本発明の寸法比とすることで、電動機または発電機としての電気的特性をさらに向上し、高効率化できる。
本発明は、非晶質金属磁性材料から成る板状体の間に、耐熱性熱可塑性樹脂が介在されて積層されることを特徴とするリラクタンス回転機の磁性部材である。
また本発明は、非晶質金属磁性材料から成る板状体の片面または両面に、耐熱性熱可塑性樹脂から成る被膜を形成して基材を得、
前記基材を、複数枚積層し、
この積層した状態で、1〜500MPaで加圧しつつ、200〜500℃で加熱することを特徴とするリラクタンス回転機の磁性部材の製造方法である。
本発明は、リラクタンス回転機、たとえばスイッチトリラクタンスモータ、スイッチトリラクタンスジェネレータ、シンクロナスリラクタンスモータ、シンクロナスリラクタンスジェネレータなどのような電動機および発電機に好適に実施され、回転子および固定子などを含む磁気回路の少なくとも一部に、アモルファス金属磁性材料を用いる。この材料は、従来からモータ、ジェネレータなどに用いられている珪素鋼板に比べて、モータ、ジェネレータの薄形、小型化を図ることができる。本発明の実施の形態では、従来の珪素鋼板よりも遥かに薄い非晶質金属磁性材料である磁性金属薄帯製である板状体を含む。このような磁性特性を高度に発現するには、アニーリング、すなわち焼鈍を行う必要があり、このアニーリングを行うと、非晶質金属磁性材料は脆くなり、力学的強度が低下する。この問題を解決するために本発明では、耐熱性熱可塑性樹脂を接着剤として用いる。耐熱性熱可塑性樹脂は、接着剤として優れており、この樹脂を前記板状体の片面または両面に、たとえば塗工して磁性基材を構成し、この基材を複数枚重ねて積層体とし、この積層体をリラクタンス回転機の磁性部材として用いる。
また本発明は、前記非晶質金属磁性材料は、一般式
(Fe(1−α)Coα100−a−b
式中のXは、Si,B,CおよびGeから成るグループから選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表し、
Yは、Zr,Nb,Ti,Hf,Ta,W,Cr,Mo,V,Ni,P,Al,Pt,Rh,Ru,Sn,Sb,Cu,Mnおよび希土類元素から成るグループから選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表し、
a,bは、原子%を表し、
0≦α≦0.3、
10<a≦35、
0≦b≦30
であることを特徴とする。
また本発明は、前記耐熱性熱可塑性樹脂は、120℃で4時間乾燥を施し、その後、窒素雰囲気下、300℃で1時間保持した際の重量減少率が1重量%以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記耐熱性熱可塑性樹脂は、窒素雰囲気下、300℃、2時間の熱履歴を経た後の引張強度が30MPa以上であることを特徴とする。
また本発明は、前記耐熱性熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が120〜250℃であり、
溶融粘度が10Pa・sである温度が、250℃以上、400℃以下であり、
400℃から120℃まで0.5℃/分の一定速度で降温した後、樹脂中の結晶物による融解熱が10J/g以下であることを特徴とする。
また本発明は、回転子および固定子の少なくとも一方は、前述の磁性部材から成ることを特徴とするリラクタンス回転機である。
また本発明は、回転子および固定子を含む磁気回路は、前述の磁性部材から成り、
固定子の外径Eに対する回転子の突極および固定子の突極間の空隙gの比は、1/1000以上、1/300以下であることを特徴とするリラクタンス回転機である。
また本発明は、回転子の突極幅Fに対する回転子の突極長さの比は、0.4以上、0.55以下であり、
固定子の突極長さに対する固定子の突極幅Cの比は、0.2以上、0.6以下であり、
回転子の突極幅Fに対する固定子の突極幅Cの比は、0.6以上、1以下であり、
固定子の外輪幅Cに対する固定子の突極幅の比は、0.6以上、0.9以下であることを特徴とする。
前述の耐熱性熱可塑性樹脂の代りに、耐熱性非熱可塑性樹脂または耐熱性熱硬化性樹脂を用いることもできる。
また本発明は、非晶質金属磁性材料から成る板状体の間に、耐熱性熱可塑性樹脂が介在されて積層されることを特徴とする積層体である。
本発明によれば、リラクタンス回転機の磁性部材を用い、さらに本発明の寸法比を有する構造とすることにより、モータおよびジェネレータの磁性積層体の損失低減による大幅なエネルギ変換効率の向上、機械的強度向上によって回転数を上昇することができるようになり、これによって出力向上を実現することが可能となる。
本発明は、リラクタンス回転機の磁気回路に関連して実施されるだけでなく、そのほかの多くの技術分野で磁性材料として、本発明の積層体を実施することができる。
図1は、本発明の実施の一形態のスイッチトリラクタンスモータ610の回転子611と固定子612とを示す正面から見た断面図である。図2は、図1に示されるスイッチトリラクタンスモータ610の軸線614に沿う縦断面図である。
スイッチトリラクタンスモータ610は、突極型の回転子611を有し、この回転子611の周囲に、周期的な磁界を発生させる突極型の固定子612を有している。この実施の形態では固定子612が6極の突部616、回転子611が4極の突部615をもつ突極構造であるが、その倍数である12極8極、18極12極など、あるいは、8極6極、16極12極など数々の突極数の組合せが可能である。回転子611、固定子612ともに、後述の磁性基材617または624から成る積層体13から構成されている。回転子611が固定された回転軸621は、軸線614を有し、この回転軸621は、軸受622を介してケース630に支持される。固定子612には、コイル613が後述のように設けられる。固定子612の突極616には短節の集中巻線が施されるが、あるいは、長節の分布巻線が施され、相互インダクタンスの変化を利用する方式であってもよい。回転子611、固定子612の突極615,616の数は奇数であってもよく、また、極数が等しい値であってもよい。図1および図2に示されるモータ610の回転子611および固定子612を構成する磁性積層体13について、以下に説明する。
図3は、本発明の実施の一形態の回転子611および固定子612の製造方法を示すフローチャートである。先ずステップs1では、図4および図5に示される板状体618を準備する。この板状体618は、非晶質金属薄帯製板状体618から成る。
図4は、磁性積層体13を構成する単一枚の磁性基材617の一部の断面図である。図3のステップs1において、この基材617を構成する非晶質金属磁性材料から成る板状体618を準備し、ステップs2で板状体618の片面に耐熱性熱可塑性樹脂から成る被膜619が形成される。この基材617が図4の上下に積重ねられて積層され、こうして各板状体618の相互の間に、前述の耐熱性熱可塑性樹脂から成る被膜619が介在されて、積層体13が構成される。
図5は、本発明の実施の他の形態の磁性基材624の断面図である。図5に示される基材624は、図4に示される基材617と同様に板状体618の一方の表面に被膜619が形成され、他方の表面に被膜625が形成される。こうして板状体618の両面に同一蘇生を有する被膜619,625が形成されて、単一枚の基材624が構成される。積層体13は、複数枚の基材624が積み重ねられて構成される。以下の説明では、主として図4の磁性基材617に関連して述べるが、このことは図5の磁性基材624に関しても同様である。
(磁性基材617の磁性金属材料)
本発明の磁性基材617を構成する板状体618に使用される非晶質金属薄帯製板状体618としては、Fe系、Co系の非晶質金属薄帯製板状体618が用いられる。Fe系非晶質金属材料としては、Fe−Si−B系、Fe−B系、Fe−P−C系などのFe−半金属系非晶質金属材料や、Fe−Zr系、Fe−Hf系、Fe−Ti系などのFe−遷移金属系非晶質金属材料を挙げることができる。Co系非晶質金属材料としてはCo−Si−B系、Co−B系などの非晶質金属材料が例示できる。これらの中でも特にFe系アモルファス金属は、最大磁束密度が比較的大きく、モータ610のトルクが大きくできるため、好ましい。次の一般式で示されるものが好適に用いられる。
(Fe(1−α)Coα100−a−b …(1)
式中のXは、Si,B,CおよびGeから成るグループから選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表し、
Yは、Zr,Nb,Ti,Hf,Ta,W,Cr,Mo,V,Ni,P,Al,Pt,Rh,Ru,Sn,Sb,Cu,Mnおよび希土類元素から成るグループから選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表し、
a,bは、原子%を表し、
0≦α≦0.3、
10<a≦35、
0≦b≦30
である。
前述の一般式1におけるα=b=0である非晶質金属磁性材料Fe78Si13(原子%)は、飽和磁束密度が1.56Tであって、好適に用いられる。またFe66Co1815Si(原子%)は、飽和磁束密度が1.8Tであり、好適に用いられる。飽和磁束密度が大きいと、モータのより一層の小型化、高出力化が可能となり、好ましい。
非晶質金属薄帯製板状体618は、非晶質金属材料を液体急冷方法などによりシート状である板状体618に作製することができる。または粉末状の非晶質金属材料をプレス成形などによりシート状にしたものを使用することができる。また、非晶質金属薄帯製板状体618は、単一非晶質金属薄帯製板状体618を用いてもよいし、複数および多種類の非晶質金属薄帯製板状体618を重ねたものを用いることができる。
(磁性基材617の樹脂)
ステップs2では、前述のように、板状体618の図4に示される片面に、または図5に示される両面に、被膜619,625を形成して付与する。本発明に用いられる被膜619を形成する樹脂は、非晶質金属薄帯製板状体618と交互に積層され一体化することのできる樹脂を用いることができる、熱可塑性、非熱可塑性、熱硬化性樹脂を挙げることができるが、中でも熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。
前記非晶質金属薄帯製板状体618の少なくとも一部に熱可塑性樹脂から成る被膜619を付与した後、もしくは熱可塑性樹脂の前駆体を付与し該樹脂を形成した後、この基材617を積層し、非晶質金属薄帯製板状体618に被膜619が形成された磁性基材617から成る積層体13を得ることができる。被膜619の材料として熱可塑性樹脂を用いた場合には、樹脂化して基材を使用できるため、室温でタック性がなく、また安定であるため、取り扱いが簡便であり、積層時の作業性がよく工程の歩留まりが向上できるメリットがある。
非晶質金属薄帯製板状体618は200〜500℃、好ましくは300〜500℃で熱処理することで、磁気特性が大きく向上する特性がある。しかしながら、熱処理後は薄帯製板状体618が脆弱化する問題があるため、熱処理した薄帯製板状体618のみを取り扱うことは工業的に問題がある。そこで、非晶質金属薄帯製板状体618を積層する際、用いられる樹脂を上記熱処理に耐え得る耐熱性を有する樹脂を用いることで、積層体13のままで、非晶質金属薄帯製板状体618の磁気特性を向上させる熱処理を実施することが可能となる。
熱可塑性の耐熱性樹脂としては、前処理として120℃で4時間乾燥を施し、その後、窒素雰囲気下、300℃で1時間保持した際の重量減少量を、DTA−TG(示差熱・熱重量同時測定装置)を用いて測定し、重量減少率が1%以下、好ましくは0.3%以下であるものが用いられる。重量減少率は、前処理を含めた加熱前の重量をW1とし、加熱後の重量をW2とするとき、(W1−W2)/W1で表わされる。具体的な樹脂としては、ポリイミド系樹脂、ケイ素含有樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマ、ニトリル系樹脂、チオエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アリレート系樹脂、サルホン系樹脂、イミド系樹脂、アミドイミド系樹脂を挙げることができる。これらのうちポリイミド系樹脂、スルホン系樹脂、アミドイミド系樹脂を用いるのがさらに好ましい。
前記樹脂は、上記の耐熱性に加えて下記の特性(a)〜(d)を兼ね備えている樹脂であることがさらに好ましい。
(a)窒素雰囲気下300℃、2時間の熱履歴を経た後の引張強度が30MPa以上である。
(b)ガラス転移温度が120℃〜250℃である。
(c)溶融粘度が10Pa・sである温度が、250℃以上、400℃以下であり、さらに好ましくは350℃以下、さらに好ましくは300℃以下である。
(d)400℃から120℃まで0.5℃/分の一定速度で降温した後、樹脂中の結晶物による融解熱が10J/g以下、1J/g以上である。
窒素雰囲気下300℃、2時間の熱履歴を経た本発明の耐熱性樹脂は、引張強度試験をJIS K7127またはASTM D−638に従って行なわれる。引張強度は、30MPa以上、好ましくは50MPa以上であり、150MPa以下である。引張強度がこの範囲外にあると、積層体としての機械強度を充分に得ることができない。耐熱性樹脂のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量計DSC(島津DSC60)により測定される。Tgは120℃以上であり、好ましくは400℃以下で、さらに好ましくは250℃以下、さらに好ましくは220℃以下である。Tgが高い場合には、磁気特性が劣化する等の問題がある。
耐熱性樹脂が熱可塑性の場合には、加熱により溶融させることができる。そして、高化式フローテスタ(島津CFT−500)を用いて溶融粘度を測定し、溶融粘度が10Pa・s以下となる温度は、250℃以上であり、通常400℃以下、好ましくは350℃以下、さらに好ましくは300℃以下である。溶融粘度が10Pa・s以上となる温度がこのような範囲にある場合に本発明の熱プレス接着が低温で可能であり、かつ接着特性に優れる効果を得ることができる。溶融粘度が低下する温度が高い場合には、接着不良等が発生する。用いる耐熱性樹脂の分子量および分子量分布は、特に限定されるものではないが、上記溶融粘度を満たすだけの分子量および分子量分布を有していることが好ましい。また、分子量が極めて小さい場合には塗工基材の樹脂被膜の強度および接着強度に影響を及ぼす恐れがあるので、樹脂を0.5g/100ミリリットルの濃度で溶解可能な溶剤に溶解した後の35℃で測定した対数粘度の値が、0.2デシリットル/g以上であることが好ましい。溶融粘度が10Pa・s以上となる温度がこのような範囲にある場合に本発明の熱プレス接着が低温で可能であり、かつ接着特性に優れた効果を得ることができる。溶融粘度が低下する温度が高い場合には、接着不良等が発生する。
本発明の耐熱性樹脂を400℃から120℃まで0.5℃/分の一定速度で降温した後、樹脂中の結晶物による融解熱が10J/g以下であり、好ましくは5J/g以下、さらに好ましくは1J/g以下である。このような範囲にある場合に本発明の接着性に優れた効果を得ることができる。
(樹脂のワニスとしての使用)
前記樹脂は、非晶質金属薄帯製板状体618の図4に示される片面または図5に示される両面の全面もしくは少なくとも一部に付与する。この場合、付与する面において均一にむらなく塗膜されることが好ましいが、たとえば、短冊状コアの場合、切断部分ではない部分等は加工時に接着強度が充分であればよく、非晶質金属薄帯製板状体618間の接着が得られるように部分的に耐熱性樹脂が付与されていればよい。また、積層体13を形状加工する場合等で接着強度が必要となる場合には、薄帯製板状体618の片面または両面の全面に塗布されていることが望ましい。
粘度が、200Pa・s以上になると、高粘度のため、非晶質金属薄帯製板状体618上に薄い塗膜を形成するための膜厚の制御が極めて難しくなる。したがって、樹脂を溶媒に溶解させた溶液による付与の場合、付与時の溶液粘度は0.005〜200Pa・sの濃度範囲が好ましい。さらには、0.01〜50Pa・sの濃度範囲が好ましく、より好ましくは、0.05〜5Pa・sの範囲にある方がよい。
(塗工方法)
前記樹脂を溶媒に溶解させた溶液の付与方法としては、コータを用いた方法、たとえば、ロールコータ法、グラビアコータ法、エアドクタコータ法、ブレードコータ法、ナイフコータ法、ロッドコータ法、キスコータ法、ビードコータ法、キャストコータ法、回転子リースクリーン法や、液状樹脂中に非晶質金属薄帯製板状体618を浸漬しながらコーティングする浸漬コーティング方法、液状樹脂を非晶質金属薄帯製板状体618にオリフィスから落下させコーティングするスロットオリフィスコータ法などで行うことができる。その他、バーコード方法や霧吹きの原理を用いて液状樹脂を霧上に非晶質金属薄帯製板状体618に吹き付けるスプレコーティング法や、スピンコーティング法、電着コーティング法、あるいはスパッタ法のような物理的な蒸着法、CVD(化学的気相成長)法のような気相法など非晶質金属薄帯製板状体618上に被膜619,625として耐熱性樹脂を付与できる方法なら如何なる方法を用いてもよい。
付与した樹脂層から成る被膜619,625の厚さは、所望の厚みにすることができるが、モータ用途としては、より薄い樹脂被膜619,625にすることにより、磁性基材617,624の積層体13の占積率を高くできるため好ましい。具体的には1μmから10μm程度が好ましく、より好ましくは1μm〜3μmの範囲内であることが、高接着力と高占積率(85%〜93%)を両立でき好ましい。
(形状加工方法)
ステップs3では、磁性基材617,624の形状加工を行う。形状加工方法としては,シャーリング切断、金型プレス打抜き加工、フォトエッチング加工、打抜き加工、レーザ切断加工、放電ワイヤ切断加工、ウォータジェット加工などの方法により、所望の形状に切断する。特に、本磁性基材は、1枚〜10枚程度の複数枚からなる積層体を金型打ちぬきにより加工することができる。また数十枚以上の磁性基材からなる直方体形状の積層体においては放電ワイヤカットやレーザ加工などの方法が、所望の形状に切断加工する上で好適に用いられる。さらに放電ワイヤカット時には、好ましくは積層体端面に導電性の接着剤を塗布し、積層間の金属材料を電気的に接続し、さらに塗布した導電性接着剤部分を放電ワイヤ加工機のグランド電極に接地することにより、放電電流が安定し、放電スパーク時のエネルギを精密に制御することが可能となり、積層体の層間の溶着の少ない加工面が得られ、かつ寸法精度の高い加工形状が得られる。
(磁性基材617,624から成る積層体13の積層方法)
ステップs4では、基材617,624を積み重ねる。磁性基材617,624の積層体13は、磁性基材617,624を複数枚積層し、たとえば熱プレスや熱ロールなどにより加圧しながら積層一体化することができる。
加圧時の温度は、被膜619,625を構成する耐熱樹脂の種類により異なるが、概ね、硬化物のガラス転移温度以上で軟化もしくは溶融する温度近傍で積層接着することが好ましい。
図6は、積層体13を一体化する工程を説明するための構成を示す分解斜視図である。ステップs5では、積み重ねられた複数枚の基材617または624を積層して一体化する。この積層一体化工程では先ず、所望の積層枚数を重ねた複数枚の磁性基材617,624の群を、図6に示す2枚の平板金型12a,12b(総括的に参照符12で示す)でサンドイッチする。さらに、この磁性基材617,624の群をサンドイッチしたブロックを、図6の積層体13のずれを防止する枠型11に入れて積層一体化してもよい。
サンドイッチする平板金型12としては、熱伝導度の高く、機械的強度の高い金属が好ましい。たとえばSUS304、SUS430、ハイス鋼、純鉄、アルミニウム、銅などが好ましい。非晶質金属製板状体618を含む基材617,624に均等に圧力が印加できるよう平板金型12の表面粗さは1μm以下で、平板の上下両面が平行になっていることが好ましい。さらに好ましくは平板金型12の表面粗さが0.1μm以下の鏡面であることが好ましい。
(熱処理方法)
ステップs6では、積層一体化と、板状体618の磁気特性の発現のために、加圧、加熱を行う。非晶質金属薄帯製板状体618を含む基材617,624の積層体13に用いる樹脂から成る被膜619,625に耐熱性の熱可塑性樹脂を使用することにより、非晶質金属薄帯製板状体618の磁気特性を向上させる熱処理を行うことができ、モータ特性を向上することができる。具体的には、モータ用回転子611および/または固定子612となる積層体13を作製した後、固定ジグにセットして所望の熱処理を行う、または、曲げ加工した後、熱処理条件は所望する磁気特性により設定される。
図7は、積層体13を加圧、熱処理するための熱プレス機の一部の構成を簡略化して示す断面図である。一対の熱板31間には、平板金型12を介して、さらに耐熱性弾性シートを介して、積層体13がサンドイッチされる。積層体13、耐熱性弾性シート21は、枠型11内に配置され、さらに一対の平板金型12のうち、下の平板金型12aは、枠型11内に配置され、上の平板金型12bは、枠型11内に厚み方向の一部分だけが配置され、こうして積層体13には、圧縮力が作用される。一対の熱板31による熱処理温度は200〜500℃の範囲で、好ましくは300〜500℃で行われ、大気中、窒素、アルゴン等の不活性ガス中もしくは真空中で行われる。板状体618が酸化による特性劣化が少ない金属材料であるときは、大気中での熱処理が好ましい。
磁性材料の熱処理温度は、少なくとも300℃〜500℃の高温であるため、耐熱性樹脂は、非晶質金属薄帯製板状体618の最適な磁気特性を発現させるために必要な熱処理温度に充分耐える耐熱性の高い樹脂を選択する必要がある。たとえば、比較例として、ポリエチレンなどの樹脂では300℃以上の熱処理温度では分解が著しい。したがって、室温からの重量減少率が1%となる温度が空気中において350℃以上を持つ耐熱性樹脂を被膜619,625として磁性薄板から成る板状体618に付与した磁性基材617,624の積層体13は300℃〜500℃の熱処理後も非晶質金属薄帯製板状体618との接着強度が保たれるとともに、磁性薄板から成る板状体618の最適熱処理温度で熱処理することができるため優れた磁気特性を供することができる。また、電動機用磁性コアのような積層構造にする場合、高い機械強度が要求され、磁性薄板から成る板状体618間の高い密着性を実現する点から、被膜619,625を構成する耐熱性樹脂は、熱硬化性樹脂よりも非熱硬化性樹脂、たとえば熱可塑性の耐熱性樹脂を用いることが好ましい。この加熱処理時の熱プレス機による積層体13に作用する圧力は、1〜500MPaであり、好ましくは1〜50MPaであり、たとえば5MPaであってもよい。
再び図1を参照して、スイッチトリラクタンスモータ610において、この磁性積層体13を用いたモータ610の個々の構成要素である回転子611および固定子612に関連する構成について、本件発明者の実験によれば、次の式2〜11に示される範囲の寸法比であることが、小型、高出力、高効率を実現する上で好ましいことが明らかになった。
固定子612の突極616の半径方向内方の遊端部の内周面は、軸線614を中心とする直円筒面の一部であり、その直径をAとする。回転子611の突極615の半径方向外方の遊端部の外周面は、軸線614を中心とする直円柱面の一部分であり、その外径をBとする。これらの突極615,616はいずれも、軸線614を含む仮想平面626に平行な側面627,628;631,632を有し、その仮想平面626に関して左右対称に構成される。突極616の図1の状態で前記仮想平面626に垂直な幅は、図1では、参照符Cで示される。固定子612の突極616の基端部を連ねる直円筒状の外輪である筒部619は、内径Dを有し、外径Eを有する。筒部619は、前記軸線614を有する。突極615の図1の状態で前記仮想平面626に垂直な幅は、参照符Fで示される。回転子611の突極615の基端部が連なる直円柱状の回転子本体633は、外径Gを有する。この回転子本体633は、軸線614を有し、回転軸621に固定される。これらの各寸法A〜Gは、本件発明者によって、たとえば表1のように定められた。
Figure 2005160231
(1)(回転子611の突極615、固定子612の突極616間の空隙g)
/(固定子612の外径寸法)
=((A−B)/2)/E …(2)
1/1000≦((A−B)/2)/E≦1/300 …(3)
(2) 回転子の突極長さ/回転子の突極幅
=((B−G)/2)/F …(4)
0.4≦((B−G)/2)/F)≦0.55 …(5)
(3) 固定子の突極幅/固定子の突極長さ
=C/((D−A)/2) …(6)
0.2≦(C/((D−A)/2))≦0.6 …(7)
(4) 固定子の突極幅/回転子の突極幅
=C/F …(8)
0.6≦(C/F)≦1 …(9)
(5) 固定子の外輪幅/固定子の突極幅
=(((E−D)/2)/C) …(10)
0.6≦(((E−D)/2)/C)≦0.9 …(11)
本条件(1)〜(5)のうち、条件(1)を少なくとも満たすことが必要であり、さらに条件(1)〜(5)の全てを兼ね備えることが最も好ましい。
巻線は断面が角型のものを使用すると巻線の占積率が向上し、小型化、高出力化につながり好ましい。巻線後、巻線をウレタン系接着剤や、エポキシ系接着剤を含浸硬化させることで、巻線を固定できる。
本件発明者の実験結果を述べる。
(実施例1)
(高速回転型スイッチトリラクタンスモータSRM)
本件発明者は先ず、前述の図4に示される磁性基材617から成る積層体13から成るトロイダル形状のインダクタ634(図8参照)を用いて本発明の磁性基材617の積層体13の磁気特性を検討した。この図8は、インダクタ634の斜視図である。インダクタ634は、直円筒状に形成され、固定子612の前記筒体619(前述の図1参照)と類似する。
インダクタ634の構成材料および作製方法について示す。非晶質金属薄帯製板状体618として、Fe7813Si(原子%)の組成を持つハネウェル社製非晶質金属薄帯製板状体618、Metglas:2605TCA(商品名)(幅約213mm、厚み約25μm)を使用した。
この薄帯から成る板状体618の片面全面に、E型粘度計で測定した。約0.3Pa・sの粘度を有するポリアミド酸溶液をグラビアコータにより、付与し、140℃で溶媒のDMAC(ジメチルアセトアミド)を乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯製板状体618の片面に約4ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与したものである。
ここで、用いたポリアミド酸溶液は、イミド化後に化1の基本構造単位を有するものを使用した。
Figure 2005160231
このポリアミド酸は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合でジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものである。溶媒には、DMACを用いて希釈した。
この基材を、金型打抜きプレスにより、外径40mm、内径25mmのトロイダル形状に打抜き、500枚積み重ね、図8のようなトロイダル632の積層体を作製した。さらに図7に示す熱プレス機32で大気中260℃30分、5MPaで積層一体化し、厚み14.5mmの積層体13を作製した。
さらに磁気特性を発現するため、大気中で温度365℃、圧力1.5MPaで2hr大気中で加圧、加熱した。このトランスの磁気特性を評価するため、透磁率は、インダクタンス測定器(ヒューレットパッカード社製、商品名4192)を用いてインダクタンス値を測定し、比透磁率を算出した。またBHアナライザー(岩通電気社製、商品名8127)により鉄損を測定した。その結果、鉄損は周波数1kHz、最大磁束密度1Tで8W/kgとなった。また比透磁率は1500となった。
またJIS Z2214に準拠した方法で、幅12.5mm、長さ150mmの引張強さ試験片を同様のプロセスで作製し、引張強さを測定した。その結果、引張強さは900MPaとなり、高速回転型のモータ等の回転子などに適用するのに充分な強度が確保できていることを確認した。
またJIS C2550で定義される方法で占積率を測定した。その結果、占積率は87%となり、モータ等に適用する上で実用上充分なレベルとなった。
次に前述のスイッチトリラクタンスモータと同様の磁性基材617を用いて、磁性基材617の積層体13を作製した。実施例1のトロイダルコア632と同様の材料およびプロセスで、シャーリング切断加工した213mm×213mmの矩形の磁性基材617を2650枚積層一体化し、365℃で2hr大気中で熱処理し、室温に戻した。その結果、磁性基材617の積層体13の寸法は213mm角、厚さ70mmとなった。次に、図1および図2に示す形状の回転子611および固定子612を、放電ワイヤ加工機により、切断することによって作製した。その結果、回転子611の外径Bは64.98mm、固定子612の外径Eは139.3mmとなった。また回転子611と固定子612の空隙g(=(A−B)/2)は、326μmとなり、回転子611と固定子612の外径寸法139.3mmとの比は0.00234(=0.326/139.3)であり、前述の式3で示される本発明の範囲とした。加工した固定子612に、直径0.8mm銅線を8並列、49ターン、集中巻とし、また対向する同相のコイルは、直列に巻線を施した。さらに巻線後、ウレタン系接着剤をコイルに滴下後、硬化し、コイルを固定した。
本発明のモータのモータ特性を測定した。結果を表2および表3に示す。
(実施例2)
実施例1と同じプロセスで、回転子611と固定子612の前記空隙gを500μmとしたモータを作製し、評価した。結果を表2および表3に示す。
(比較例1)
実施例1のプロセスにおいて、被膜619の樹脂コーティングをせず、実施例1と同様の熱処理後、1液性エポキシ接着材(スリーボンド社製、商品名2287)を真空含浸した後、150℃、2hrで硬化接着剤を硬化して作製した。結果を表2および表3に示す。
(比較例2)
実施例1の磁性材料から成る板状体618が、0.1mm厚の珪素鋼板であり、実施例1と同様のプロセスで、同様の形状のモータを作製し、評価した。結果を表2および表3に示す。
Figure 2005160231
Figure 2005160231
本発明の実施の一形態のスイッチトリラクタンスモータ610の回転子611と固定子612とを示す正面から見た断面図である。 図1に示されるスイッチトリラクタンスモータ610の軸線614に沿う縦断面図である。 本発明の実施の一形態の回転子611および固定子612の製造方法を示すフローチャートである。 磁性積層体13を構成する単一枚の磁性基材617の一部の断面図である。 本発明の実施の他の形態の磁性基材624の断面図である。 積層体13を一体化する工程を説明するための構成を示す分解斜視図である。 積層体13を加圧、熱処理するための熱プレス機の一部の構成を簡略化して示す断面図である。 インダクタ634の斜視図である。
符号の説明
11 積層体のずれ防止用枠型
12,12a,12b 平板金型
13 積層体
32 熱プレス機
610 スイッチトリラクタンスモータ
611 回転子
612 固定子
613 コイル
614 軸線
615,616 突極
617,624 磁気基材
618 板状体
619,625 被膜
621 回転軸
622 軸受
630 ケース
633 回転子本体

Claims (10)

  1. 非晶質金属磁性材料から成る板状体の間に、耐熱性熱可塑性樹脂が介在されて積層されることを特徴とするリラクタンス回転機の磁性部材。
  2. 前記非晶質金属磁性材料は、一般式
    (Fe(1−α)Coα100−a−b
    式中のXは、Si,B,CおよびGeから成るグループから選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表し、
    Yは、Zr,Nb,Ti,Hf,Ta,W,Cr,Mo,V,Ni,P,Al,Pt,Rh,Ru,Sn,Sb,Cu,Mnおよび希土類元素から成るグループから選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表し、
    a,bは、原子%を表し、
    0≦α≦0.3、
    10<a≦35、
    0≦b≦30
    であることを特徴とする請求項1記載のリラクタンス回転機の磁性部材。
  3. 前記耐熱性熱可塑性樹脂は、120℃で4時間乾燥を施し、その後、窒素雰囲気下、300℃で1時間保持した際の重量減少率が1重量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載のリラクタンス回転機の磁性部材。
  4. 前記耐熱性熱可塑性樹脂は、窒素雰囲気下、300℃、2時間の熱履歴を経た後の引張強度が30MPa以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちの1つに記載のリラクタンス回転機の磁性部材。
  5. 前記耐熱性熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が120〜250℃であり、
    溶融粘度が10Pa・sである温度が、250℃以上、400℃以下であり、
    400℃から120℃まで0.5℃/分の一定速度で降温した後、樹脂中の結晶物による融解熱が10J/g以下であることを特徴とする請求項4記載のリラクタンス回転機の磁性部材。
  6. 回転子および固定子の少なくとも一方は、請求項1〜5のうちの1つに記載の磁性部材から成ることを特徴とするリラクタンス回転機。
  7. 回転子および固定子を含む磁気回路は、請求項1〜5のうちの1つに記載の磁性部材から成り、
    固定子の外径Eに対する回転子の突極および固定子の突極間の空隙gの比は、1/1000以上、1/300以下であることを特徴とするリラクタンス回転機。
  8. 回転子の突極幅Fに対する回転子の突極長さの比は、0.4以上、0.55以下であり、
    固定子の突極長さに対する固定子の突極幅Cの比は、0.2以上、0.6以下であり、
    回転子の突極幅Fに対する固定子の突極幅Cの比は、0.6以上、1以下であり、
    固定子の外輪幅Cに対する固定子の突極幅の比は、0.6以上、0.9以下であることを特徴とする請求項7記載のリラクタンス回転機。
  9. 非晶質金属磁性材料から成る板状体の片面または両面に、耐熱性熱可塑性樹脂から成る被膜を形成して基材を得、
    前記基材を、複数枚積層し、
    この積層した状態で、1〜500MPaで加圧しつつ、200〜500℃で加熱することを特徴とするリラクタンス回転機の磁性部材の製造方法。
  10. 非晶質金属磁性材料から成る板状体の間に、耐熱性熱可塑性樹脂が介在されて積層されることを特徴とする積層体。
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