JP2005109316A - 高誘電率無機材料及びそれを用いた高誘電率コンポジット材料 - Google Patents

高誘電率無機材料及びそれを用いた高誘電率コンポジット材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂マトリックスと親和性があり、誘電率の高い無機材料及びそれを用いた高誘電率コンポジット材料、キャパシタ内蔵多層プリント基板、キャパシタ内蔵半導体搭載モジュール基板などを提供すること。
【解決手段】 二つの隣接するシアノ基を有するジシアノフェニル基を有する化合物、特に好ましくは一般式(1)の化合物の少なくとも1種を用いて表面処理された高誘電率無機材料。
【化2】
Figure 2005109316

また、本発明は上記無機材料を用いた高誘電率コンポジット材料、多層積層板、半導体搭載モジュール基板等を提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高誘電率有機ポリマー又はオリゴマなどで表面処理された高誘電率無機材料及びそれを含有する高誘電率コンポジット材料ならびに半導体を実装して使用される多層プリント配線板及びインターポーザ用基板等に関するものである。特に、本発明はキャパシタ機能を内蔵することを可能とする高誘電率コンポジット材料とそれを内蔵した多層配線基板等に関する。
集積回路におけるデータエラーの原因の一つとして、電気的ノイズの問題がある。電気的ノイズの影響を抑えるために、プリント配線板に容量の大きなキャパシタを設けて電気的ノイズを取り除く方法が知られている。
プリント配線板にキャパシタを設ける方法として、チップコンデンサ等の外部キャパシタをプリント配線板に取り付ける方法の他、高誘電率材料をプリント配線板の内層に用いてプリント配線板自体にキャパシタ機能を持たせる方法がある。電子部品の小型化、高機能化の観点から、高誘電材料を内層に用いてキャパシタにする後者の方が望ましい。
熱可塑性樹脂と高誘電率粒子とを混合した複合材料を内層キャパシタに用いたプリント配線板、また、熱硬化性樹脂と高誘電率粒子を混合した複合材料を内層キャパシタに用いたプリント配線板が知られている。
しかしながら、これらの方法は、誘電率が23未満で低いという問題があり、高誘電率粒子の充填率を高めるために、平均粒子径が1μm付近のものと、数十から数百ナノメーター領域のものとを用いて、バイモーダルにする検討がなされている。また、チタン酸鉛系のフィラとチタン酸バリウムを高充填化する方法も検討されている。これらの方法によれば、高誘電率粒子の充填率が向上し、前者では80vol%以上で誘電率90〜100の値が得られている(非特許文献1)。後者では70vol%以上で100以上の誘電率が得られている(非特許文献2)。
しかしながら、樹脂と高誘電率粒子から得られる複合材料の信頼性、即ち、ボイドフリーで機械物性の優れた材料を得るためには、高誘電率粒子の充填量は70vol%以下、好ましくは60vol%以下にする必要がある。前者の方法によれば60vol%では誘電率が30程度となる。また、後者の方法は鉛系化合物が必要となり、環境対策上、鉛フリー化の課題が残る。
(特許文献1)には被覆された球形の金属粒子を樹脂中に分散した複合誘電体材料を有する電子部品の記載がある。即ち、高誘電率材料が得られるとの内容である。誘電体として記載されているのは、チタン−バリウム−ネオジウム系、チタン−バリウム−ネオジウム系などのセラミックスが記載されているのみで、どの程度の誘電率のものが得られるか記載が無く、また高誘電率有機物を用いることは、予想していない。
また、(特許文献2)では熱硬化性樹脂と高誘電率粒子とアスペクト比3〜20の範囲にある針状形状の導電性フィラからなる高誘電率複合材料の記載がある。針状形状の導電性フィラを用いる理由は、高誘電率フィラ間を強制的に接触させて、三次元的に連続的な高誘電体成分とし、これにより、等価回路として理想的な並列モデルに近づき、結果として高い誘電率が得られるというものである。しかしながら、十分な量の針状導電性フィラを樹脂中に分散することは、混錬が困難であるため、実際上は難しい。さらには、針状導電性フィラは、配線とそのインターコネクションの微細化が進むと配線間のショートの原因となるため、適用が難しい。
(特許文献3)においてはフタロシアニン又はその高分子を誘電体として有機コンデンサを構成することが記載されているが、これをコンポジット材料のフィラの表面処理剤として使用することは記載されていない。
特開2001−338813号公報
特開2001−68803号公報 特開平5−29177号公報 (S−D.Cho et al, 2002 Electronic Components and Technology Conference) (Y.Rao et al, Journal of Applied Polymer Science, vol.83, p.1084 (2002))
本発明は、樹脂マトリックスと親和性が良く、信頼性の高い高誘電率コンポジット材に適した無機材料及びそれを用いたコンポジット材、キャパシタ内蔵多層プリント板、キャパシタ内蔵半導体搭載モジュール基板などを提供するものである。
本発明は、二つの隣接するシアノ基を有するジシアノフェニル(即ち、フタロニトリル)基を有する化合物、好ましくは、一般式(1)で示される化合物から選ばれた1種以上を用いて表面処理された高誘電率無機材料を提供し、更にその無機材料を樹脂中に分散してなる高誘電率コンポジット材料を提供するものである。ここで無機材料とは、金属酸化物粒子や金属粒子などのフィラや、ガラス繊維や金属箔、金属線等、コンポジット材料に添加し、又は存在するものを含む概念である。
Figure 2005109316
二つの隣接するシアノ基を有するジシアノフェニル基を有する化合物をチタン酸バリウムのような高誘電率フィラの表面にコーテイングした後、熱処理を施すことにより、樹脂マトリックスとの親和性に優れたフィラが得られることが明らかになった。またこれを樹脂に分散したコンポジット材は誘電率が極めて高い材料となることが明らかにされた。
フタロシアニンが形成されるジシアノベンゼンの誘導体としては、そのままでも効果が得られるが、1,2−ジシアノベンゼンジカルボン酸のように極性基を有するジシアノベンゼン誘導体は、無機あるいは金属フィラの金属イオンとフタロシアニン錯体を形成した後、末端基が樹脂と親和性の優れた極性基であるため接着信頼性の高い界面がフィラと樹脂の間に形成される。
ジシアノベンゼン誘導体としては、1,2−ジシアノベンゼン、1,2−ジシアノ−4−ニトロベンゼン、1,2−ジシアノベンゼンジカルボン酸、3,4−ジシアノフェノール、3,4−ジシアノトルエン、α,α’−ジシアノキシレンさらに、一般式(1)で示される1,3,5−トリ(3,4−ジシアノフェノキシベンゼン)等がある。
特に、前記一般式(1)で示される二つの隣接するシアノ基を有するジシアノフェニル基を3個有する化合物及びその誘導体の1種以上を用いて表面処理された無機フィラの場合、金属酸化物のような無機物あるいは金属フィラの金属原子とフタロシアニンが、金属錯体のような錯体を形成してフィラ表面に強固なコーテイング膜を形成する。さらに、残りの2個のジシアノフェニル基により金属錯体を形成しながらハイパーブランチ状にオリゴマとして成長する。
このハイパーブランチポリマー又はオリゴマは、図1の概念図に示すように、一般にデンドリマーユニット、リニアーユニットおよびターミナルユニットから構成される。本発明において用いる一般式(1)の化合物を用いたときに生成すると予想されるハイパーブランチポリマー又はオリゴマは、分子量が約2、000から約10,000で、その構造は図2に示すようなものである。図2は、出発化合物である1,3,5−トリ(3,4−ジシアノフェノキシ)ベンゼンから生成するハイパーブランチポリマー又はオリゴマを示している。
また、オリゴマ状にならない場合でも末端には数多くのシアノ基を有する構造となる。このシアノ基は樹脂との親和性が高く、場合によっては樹脂と反応して強固な接着状態を形成する。また、シアノ基は金属との親和性が優れていることから,プリント配線板のような実装材料に適用した場合、銅のような配線材料とも強固な接着性を示し、信頼性の高い配線板が得られる。
前記一般式(1)で示される化合物及びその誘導体としては、1,3,5−トリ(3,4−ジシアノフェノキシ)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,4−ジシアノベンゾイル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,4−ジシアノフェニルイミノ)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,4−ジシアノフェンチオール)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,4−ジシアノベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,4−ジシアノベンジルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,4−ジシアノベンゾイルイイミノ)ベンゼンなどがある。
本発明により表面処理されたチタン酸バリウムをフィラとしてコンポジット材料を作製した場合、フィラ含有量が60vol%において、80〜100の誘電率(1MHz)が得られることが明らかになった。
このような高誘電率コンポジット材料が得られる理由としては、フィラが均一な有機物で覆われることにより、マトリックス樹脂中への分散性が著しく改善されたことが考えられる。更には、フィラとマトリックス樹脂の親和性向上によりその界面に欠陥のない理想的な接着状態が得られたものと推定される。これによって、例えばプレシャークックテストでも特性が低下しない、信頼性の高い高誘電率コンポジット材料が得られる。更に、本表面処理を施したチタン酸バリウムフィラは、青い色に着色することから、チタニルフタロシアニン構造が界面付近に形成されているものと推定される。金属フタロシアニンは誘電率が高いことが報告されており(特許文献3)、この構造体が形成されることによる効果も関与していると思われる。
上記無機フィラは無機酸化物等及び金属フィラを含む概念である。金属微粒子又はフィラに表面処理を行っても極めて顕著な効果が認められる。例えば、Ni微粒子に上記の表面処理を施すことにより、マトリックス樹脂中に分散させて高い誘電率を示すポリマーコンポジット材料が得られる。さらには、表面処理によりNi微粒子表面が有機絶縁膜により均一に覆われるため絶縁性も十分確保され、金属微粒子を用いることにより懸念される絶縁特性や耐リーク特性も改善される。
二つの隣接するシアノ基を有するジシアノフェニル基を有する少なくとも1種の化合物あるいはその誘導体は、無機フィラあるいは金属フィラに対して1〜40vol%で用いることができる。最も好ましくは5〜30vol%の範囲が良い。これよりも少ないと顕著な効果が認められない。また、多い場合はコンポジット材料の機械物性が低下する。
高誘電率無機フィラとしてはチタン酸バリウム系セラミックス、チタン−バリウム−ネオジウム系セラミックス、チタン−バリウム−スズ系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミックス、チタン酸マグネシウム系セラミックス、二酸化チタン系セラミックスが有り、これらは単独でも良く、2種以上を併用することもできる。また、金属微粒子はニッケルが化学的に安定な酸化被膜を有しマイグレーションの問題もなく、樹脂との親和性が優れている。この他、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、コバルト、カドニウム、鉄、クロム、マンガンの少なくとも1種を用いることができる。
樹脂は熱硬化性樹脂でも熱可塑性樹脂でも良い。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリビニルベンジルエーテル樹脂等が上げられる。
熱可塑性樹脂としては、芳香族ポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等の単独あるいは2種以上を併用して使用できる。
さらに、誘電率をあまり高くせずに、高いQを得るために、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化マグネシウムなどを併用することも可能である。
本発明によれば、高誘電率を有する有機ポリマーを担持した無機材料が得られ、その無機材料を用いた高誘電率コンポジット材は信頼性が高く、キャパシタを内蔵した多層プリント板や半導体実装もモジュール基板を提供することができる。
本発明の発明者等は、二つの隣接するシアノ基を有するジシアノフェニル基を有する化合物及びその誘導体、特に前記一般式(1)で示される少なくとも1種の化合物あるいはその誘導体を用いて表面処理された無機材料を樹脂中に分散又は存在してなるポリマーコンポジット材料は、同じ無機材料含有率で比較した場合、この有機化合物が存在しない場合に比べて、極めて高い誘電率を示すことを明らかになった。
また、表面処理されたフィラはマトリックスを形成する樹脂との親和性が優れるため、分散性に優れ、コンポジット材料として、リーク特性等の絶縁信頼性が優れていることも明らかにした。
以下に、本発明のポリマーコンポジット高誘電率材料を具体的に説明する。実施例1〜6の結果を表1に示す。以下の説明では、無機材料として、金属酸化物粒子、複合酸化物粒子、金属粒子及びそれらの混合物を用いた例を示したが、前述のように、ガラス繊維(織布、不織布、チップなど)あるいは金属箔、金属線などでも、実施可能である。なお、無機フィラ及び金属フィラのいずれもジシアノフェニル基を有する化合物又は式(1)のシアノ基と反応し得る金属原子を含有するのが好ましい。金属箔、金属線の場合も同様である。
(実施例1)
2.3gの1,3,5−トリ(3,4−ジシアノフェノキシ)ベンゼンをジメチルアセトアミド(DMAc)とテトラヒドロフラン(THF)体積比1:1の混合液に溶解させた後、97.7gのBTO微粒子を加え48時間ボールミルで混合した。
なお、1,3,5−トリ(3,4−ジシアノフェノキシ)ベンゼンの合成法の一例は、“Preparation of Hyperbranched Aromatic Polyimides via A+B Approach”、 Jianjun Hao,et al,MACROMOLECULES,pp.5372−5381(2002)に記載されている。
この後、THFをエバポレーターで除去し、さらにDMAcを真空乾燥機で除去した後、乳鉢とボールミルにより微粉末に粉砕した。この微粉末をフラスコに入れ,320℃で1時間加熱した。この加熱により、BTO微粉末の表面はチタニルフタロシアニンの生成と推定される青い色に着色した。この粉末を集めて、乳鉢とボールミルにより再粉砕して微粉末にした。
平均粒径が0.9μmの東邦チタニウム製のチタン酸バリウム(SB50)と0.3μmの東邦チタニウム製のチタン酸バリウム(SB3A)について上記の表面処理を施した。
次に、日本触媒製のアクリルゴム変性エポキシ樹脂(BPA328)100重量部、硬化剤として日立化成製のフェノール樹脂(PN850)46重量部及び硬化促進剤としてジャパンエポキシレジン製のイミダゾール(P−200)0.1重量部をメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶かして固形分70wt%のワニスを得た。
上記の表面処理を施した平均粒径0.9μmのチタン酸バリウム(SB50)70vol%と、平均粒径0.3μmのチタン酸バリウム(SB3A)30vol%とをボールミルで48時間混合して得た混合フィラを、上記のワニスに加えてハイブリッドミキサー(キーエンス社製ハイブリッドミキサー。以下同じ)で10分間、混合してペースト状混合物を作製した。ワニス中の全固形分のフィラ含有量を70vol%に調整した。
予め膜厚約500Åのアルミ導電膜を蒸着により形成したガラス板上に、ドクターブレードにより上記ペースト状混合物を塗布した。この後、130℃で30分間、続いて180℃で90分間の加熱条件において減圧下で硬化して、厚さ約50μmのポリマーコンポジット層を形成した。次に、この上に、アルミニウムの蒸着により厚さ約500Å、1cmの円形の電極を形成して誘電特性の評価用試料とした。
LFインピーダンスアナライザ(ヒューレット パッカード社製4192F型)を用いて、周波数1MHzの誘電率と誘電正接を測定した。誘電率は80、誘電正接は0.03を示した。厚さ0.5μmのアルミニウムを電極として形成したシリコンウエハに厚さ12μmの上記ポリマーコンポジット層を形成した後、上部電極として0.2cmの円状の電極を厚さ0.5μmのアルミニウムスパッタにより設けた試料を用いてリーク電流を測定した。バイアス電圧1MV/mでリーク電流が2×10−10A/cmと極めて小さく、プレッシャークックテスト(PCT)72時間後でもリーク電流は1×10−9A/cmを示しており吸湿信頼性も高いことを確認した。
(実施例2)
3.4gの1,3,5−トリ(3,4−ジシアノフェノキシ)ベンゼンをジメチルアセトアミド(DMAc)とテトラヒドロフラン(THF)体積比1:1の混合液に溶解させた後、96.6gのBTO微粒子を加え48時間ボールミルで混合した。この後、THFをエバポレーターで除去し、さらにDMAcを真空乾燥機で除去した後、乳鉢とボールミルにより粉砕し微粉末にした。この微粉末をフラスコに入れ,320℃で1時間加熱した。この加熱により、BTO微粉末の表面はチタニルフタロシアニンの生成と推定される青い色に着色した。この粉末を集めて、乳鉢とボールミルにより微粉末に再粉砕した。
平均粒径が0.9μmの東邦チタニウム製のチタン酸バリウム(SB50)と0.15μmの東邦チタニウム製のNi微粉末について上記の表面処理を施した。
次に、アクリルゴム変性エポキシ樹脂(BPA328)100重量部、硬化剤としてフェノール樹脂(PN850)46重量部及び硬化促進剤としてイミダゾール(P−200)0.1重量部をメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶かして固形分70wt%のワニスを得た。
上記の表面処理を施した平均粒径0.9μmのチタン酸バリウム(SB50)75vol%と平均粒径0.15μmのNi微粉末25vol%をボールミルで48時間混合した。この混合フィラを、上記のワニスに加えてハイブリッドミキサーで10分間、混合してペースト状混合物を作製した。ワニス中の全固形分のフィラ含有量を65vol%に調整した。
予め膜厚約500Åのアルミ導電膜を蒸着により形成したガラス板上に、ドクターブレードにより上記ペースト状混合物を塗布した。この後、130℃で30分間、続いて180℃で90分間の加熱条件において減圧下で硬化して、厚さ約50μmのポリマーコンポジット層を形成した。次に、この上に、アルミニウムの蒸着により厚さ約500Å、1cmの円形の電極を形成して誘電特性の評価用試料とした。
LFインピーダンスアナライザを用いて周波数1MHzの誘電率と誘電正接を測定した。誘電率は105、誘電正接は0.03を示した。厚さ0.5μmのアルミニウムを電極として形成したシリコンウエハに厚さ12μmの上記ポリマーコンポジット層を形成した後、上部電極として0.2cmの円状の電極を厚さ0.5μmのアルミニウムスパッタにより設けた試料を用いてリーク電流を測定した。バイアス電圧1MV/mでリーク電流が3×10−10A/cmと極めて小さく、プレッシャークックテスト(PCT)72時間後でもリーク電流は2×10−9A/cmを示しており吸湿信頼性も高いことを確認した。
(実施例3)
2.3gの1,3,5−トリ(3,4−ジシアノフェノキシ)ベンゼンをジメチルアセトアミド(DMAc)とテトラヒドロフラン(THF)体積比1:1の混合液に溶解させた後、97.7gのBTO微粒子を加え48時間ボールミルで混合した。この後、THFをエバポレーターで除去し、さらにDMAcを真空乾燥機で除去した後、乳鉢とボールミルにより微粉末に粉砕した。この微粉末をフラスコに入れ,320℃で1時間加熱した。この加熱により、BTO微粉末の表面はチタニルフタロシアニンの生成と推定される青い色に着色した。この粉末を集めて、乳鉢とボールミルにより微粉末に再粉砕した。
平均粒径が0.9μmのチタン酸バリウム(SB50)と0.1μmのチタン酸バリウム(SB1A、東邦チタニウム製)について上記の表面処理を施した。
テレフタル酸0.5モル、イソフタル酸0.5モル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル1モルから得られる重量平均分子量50,000のポリアミドのジメチルアセトアミド溶液(固形分8重量%)を用意した。
上記の表面処理を施した平均粒径が0.9μmのチタン酸バリウム85vol%と平均粒径0.1μmのチタン酸バリウム15vol%をボールミルで48時間混合した。この混合フィラを、上記のワニスに加えてハイブリッドミキサー(キーエンス社製)で10分間混合してペースト状混合物を作製した。ワニス中の全固形分のフィラ含有量は70vol%に調整した。
このペースト状混合物を予め膜厚約500Åのアルミ導電膜を蒸着により形成したガラス板上に、ドクターブレードにより上記ペースト状混合物を塗布した。この後、130℃で30分間、続いて180℃で90分間の加熱条件において、減圧下で硬化して、厚さ約50μmのポリマーコンポジット層を形成した。次に、この上に、アルミニウムの蒸着により厚さ約500Å、1cmの円形の電極を形成して誘電特性の評価用試料とした。
LFインピーダンスアナライザを用いて周波数1MHzの誘電率と誘電正接を測定した。誘電率は115、誘電正接は0.03を示した。厚さ0.5μmのアルミニウムを電極として形成したシリコンウエハに厚さ12μmの上記ポリマーコンポジット層を形成した後、上部電極として0.2cmの円状の電極を厚さ0.5μmのアルミニウムスパッタにより設けた試料を用いてリーク電流を測定した。バイアス電圧1MV/mでリーク電流が1×10−10A/cmと極めて小さく、プレッシャークックテスト(PCT)72時間後でもリーク電流は2×10−9A/cmを示しており吸湿信頼性も高いことを確認した。
(実施例4)
2.3gの1,3,5−トリ(3,4−ジシアノフェノキシ)ベンゼンをジメチルアセトアミド(DMAc)とテトラヒドロフラン(THF)体積比1:1の混合液に溶解させた後、97.7gのBTO微粒子を加え48時間ボールミルで混合した。この後、THFをエバポレーターで除去し、さらにDMAcを真空乾燥機で除去した後、乳鉢とボールミルにより微粉末に粉砕した。この微粉末をフラスコに入れ,320℃で1時間加熱した。この加熱により、BTO微粉末の表面はチタニルフタロシアニンの生成と推定される青い色に着色した。この粉末を集めて、乳鉢とボールミルにより微粉末に再粉砕した。
平均粒径が0.9μmのチタン酸バリウム(SB50)と平均粒径0.15μmのNi微粉末について上記の表面処理を施した。テレフタル酸0.5モル、イソフタル酸0.5モル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル1モルから得られる重量平均分子量8,000のポリアミドのジメチルアセトアミド溶液(固形分8重量%)を用意した。
上記の表面処理を施した平均粒径が0.9μmのチタン酸バリウム80vol%と平均粒径0.15μmのNi微粉末20vol%をボールミルで48時間混合した。この混合フィラを、上記のポリアミドワニスに加えてハイブリッドミキサー(キーエンス社製)で10分間、混合してペースト状混合物を作製した。ワニス中の全固形分のフィラ含有量を70vol%に調整した。
予め膜厚約500Åのアルミ導電膜を蒸着により形成したガラス板上に、ドクターブレードにより上記ペースト状混合物を塗布した。この後、130℃で30分間、続いて180℃で90分間の加熱条件において減圧下で硬化して、厚さ約50μmのポリマーコンポジット層を形成した。次に、この上に、アルミニウムの蒸着により厚さ約500Å、1cmの円形の電極を形成して誘電特性の評価用試料とした。
LFインピーダンスアナライザを用いて周波数1MHzの誘電率と誘電正接を測定した。誘電率は120、誘電正接は0.02を示した。厚さ0.5μmのアルミニウムを電極として形成したシリコンウエハに厚さ12μmの上記ポリマーコンポジット層を形成した後、上部電極として0.2cmの円状の電極を厚さ0.5μmのアルミニウムスパッタにより設けた試料を用いてリーク電流を測定した。バイアス電圧1MV/mでリーク電流が3×10−10A/cmと極めて小さく、プレッシャークックテスト(PCT)72時間後でもリーク電流は2×10−9A/cmを示しており吸湿信頼性も高いことを確認した。
(実施例5)
1,3,5−トリ(3,4−ジシアノフェノキシ)ベンゼンの替わりに1,2−ジシアノベンゼンジカルボン酸を用いた以外は、実施例4と全く同様にしてペースト状混合物を作製した。ただし、微粉末を320℃で1時間加熱する際に、昇華を防ぐためフラスコの替わりに耐圧容器を使用して密閉状態で行った。
予め膜厚約500Åのアルミ導電膜を蒸着により形成したガラス板上に、ドクターブレードにより上記ペースト状混合物を塗布した。この後、130℃で30分間、続いて180℃で90分間の加熱条件において減圧下で硬化して、厚さ約50μmのポリマーコンポジット層を形成した。次に、この上に、アルミニウムの蒸着により厚さ約500Å、1cmの円形の電極を形成して誘電特性の評価用試料とした。
LFインピーダンスアナライザを用いて周波数1MHzの誘電率と誘電正接を測定した。誘電率は110、誘電正接は0.03を示した。厚さ0.5μmのアルミニウムを電極として形成したシリコンウエハに厚さ12μmの上記ポリマーコンポジット層を形成した後、上部電極として0.2cmの円状の電極を厚さ0.5μmのアルミニウムスパッタにより設けた試料を用いてリーク電流を測定した。バイアス電圧1MV/mでリーク電流が4×10−10A/cmと極めて小さく、プレッシャークックテスト(PCT)72時間後でもリーク電流は2×10−9A/cmを示しており吸湿信頼性も高いことを確認した。
(実施例6)
2.3gの1,3,5−トリ(3,4−ジシアノフェノキシ)ベンゼンをジメチルアセトアミド(DMAc)とテトラヒドロフラン(THF)体積比1:1の混合液に溶解させた後、97.7gのBTO微粒子を加え48時間ボールミルで混合した。この後、THFをエバポレーターで除去し、さらにDMAcを真空乾燥機で除去した後、乳鉢とボールミルにより微粉末に粉砕した。この微粉末をフラスコに入れ,320℃で1時間加熱した。この加熱により、BTO微粉末の表面はチタニルフタロシアニンの生成と推定される青い色に着色した。この粉末を集めて、乳鉢とボールミルにより微粉末に再粉砕した。平均粒径が0.9μmのチタン酸バリウム(SB50)と0.1μmのチタン酸バリウム(SB1A)について上記の表面処理を施した。
テレフタル酸0.5モル、イソフタル酸0.5モル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル1モルから得られる重量平均分子量50,000のポリアミドのジメチルアセトアミド溶液(固形分8重量%)を用意した。この溶液に4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド8重量%を溶かし、固形分16重量%の混合ワニスを用意した。
上記の表面処理を施した平均粒径が0.9μmのチタン酸バリウム85vol%と平均粒径0.1μmのチタン酸バリウム15vol%をボールミルで48時間混合した。この混合フィラを、上記のワニスに加えてハイブリッドミキサー(キーエンス社製)で10分間混合してペースト状混合物を作製した。ワニス中の全固形分のフィラ含有量を70vol%に調整した。
予め膜厚約500Åのアルミ導電膜を蒸着により形成したガラス板上に、ドクターブレードにより上記ペースト状混合物を塗布した。この後、130℃で30分間、続いて180℃で60分間と200℃で90分間の加熱条件において減圧下で硬化して、厚さ約50μmのポリマーコンポジット層を形成した。次に、この上に、アルミニウムの蒸着により厚さ約500Å、1cmの円形の電極を形成して誘電特性の評価用試料とした。
LFインピーダンスアナライザを用いて周波数1MHzの誘電率と誘電正接を測定した。誘電率は110、誘電正接は0.03を示した。厚さ0.5μmのアルミニウムを電極として形成したシリコンウエハに厚さ12μmの上記ポリマーコンポジット層を形成した後、上部電極として0.2cmの円状の電極を厚さ0.5μmのアルミニウムスパッタにより設けた試料を用いてリーク電流を測定した。バイアス電圧1MV/mでリーク電流が2×10−10A/cmと極めて小さく、プレッシャークックテスト(PCT)72時間後でもリーク電流は3×10−9A/cmを示しており吸湿信頼性も高いことを確認した。
以下、実施例の結果を表1にまとめて示した。
Figure 2005109316
(比較例1)
平均粒径が0.9μmのチタン酸バリウム(SB50)と0.3μmのチタン酸バリウム(SB3A)をチッソ製のエポキシシラン系のカップリング剤(S−510)で表面処理を施した。
次に、アクリルゴム変性エポキシ樹脂(BPA328)100重量部、硬化剤としてフェノール樹脂(PN850)46重量部、硬化促進剤としてイミダゾール(P−200)0.1重量部をメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶かして固形分70wt%のワニスを得た。
上記の表面処理を施した平均粒径0.9μmのチタン酸バリウム(SB50)70vol%と平均粒径0.3μmのチタン酸バリウム(SB3A)30vol%をボールミルで48時間混合して得た混合フィラを、上記のワニスに加えてハイブリッドミキサー(キーエンス社製)で10分間混合してペースト状混合物を作製した。ワニス中の全固形分のフィラ含有量を70vol%に調整した。
予め膜厚約500Åのアルミ導電膜を蒸着により形成したガラス板上に、ドクターブレードにより上記ペースト状混合物を塗布した。この後、130℃で30分間、続いて180℃で90分間の加熱条件において減圧下で硬化して、厚さ約50μmのポリマーコンポジット層を形成した。次に、この上に、アルミニウムの蒸着により厚さ約500Å、1cmの円形の電極を形成して誘電特性の評価用試料とした。
LFインピーダンスアナライザを用いて、周波数1MHzの誘電率と誘電正接を測定した。誘電率は55、誘電正接は0.03を示した。厚さ0.5μmのアルミニウムを電極として形成したシリコンウエハに厚さ12μmの上記ポリマーコンポジット層を形成した後、上部電極として0.2cmの円状の電極を厚さ0.5μmのアルミニウムスパッタにより設けた試料を用いてリーク電流を測定した。バイアス電圧1MV/mでリーク電流が3×10−10A/cmと問題になる程ではないが実施例1と比べると少し大きく、プレッシャークックテスト(PCT)72時間後でもリーク電流は2×10−9A/cmを示した。
(比較例2)
平均粒径が0.9μmのチタン酸バリウム(SB50)と0.15μmのNi微粉末についてエポキシシラン系のカップリング剤(S−510)で表面処理を施した。
次に、アクリルゴム変性エポキシ樹脂(BPA328)100重量部、硬化剤としてフェノール樹脂(PN850)46重量部、硬化促進剤としてイミダゾール(P−200)0.1重量部をメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶かして固形分70wt%のワニスを得た。
上記の表面処理を施した平均粒径0.9μmのチタン酸バリウム(SB50)75vol%と平均粒径0.15μmのNi微粉末25vol%をボールミルで48時間混合した。この混合フィラを上記のワニスに加えて、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製)で10分間混合してペースト状混合物を作製した。ワニス中の全固形分のフィラ含有量を65vol%に調整した。
予め膜厚約500Åのアルミ導電膜を蒸着により形成したガラス板上に、ドクターブレードにより上記ペースト状混合物を塗布した。この後、130℃、30分続いて180℃、90分の加熱条件において減圧下で硬化して、厚さ約50μmのポリマーコンポジット層を形成した。次に、この上に、アルミニウムの蒸着により厚さ約500Å、1cmの円形の電極を形成して誘電特性の評価用試料とした。
LFインピーダンスアナライザを用いて周波数1MHzの誘電率と誘電正接を測定した。誘電率は85、誘電正接は0.03を示した。厚さ0.5μmのアルミニウムを電極として形成したシリコンウエハに厚さ12μmの上記ポリマーコンポジット層を形成した後、上部電極として0.2cmの円状の電極を厚さ0.5μmのアルミニウムスパッタにより設けた試料を用いてリーク電流を測定した。バイアス電圧1MV/mで問題になる程ではないがリーク電流が5×10−10A/cmと実施例2に比べて大きく、プレッシャークックテスト(PCT)72時間後でもリーク電流は4×10−9A/cmを示した。
(比較例3)
平均粒径が0.9μmのチタン酸バリウム(SB50)と0.1μmのチタン酸バリウム(SB1A)についてチッソ製のアミノシラン系のカップリング剤で表面処理を施した。
テレフタル酸0.5モル、イソフタル酸0.5モル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル1モルから得られる重量平均分子量50,000のポリアミドのジメチルアセトアミド溶液(固形分8重量%)を用意した。
上記の表面処理を施した平均粒径が0.9μmのチタン酸バリウム85vol%と平均粒径0.1μmのチタン酸バリウム15vol%をボールミルで48時間混合した。この混合フィラを、上記のワニスに加えてハイブリッドミキサー(キーエンス社製)で10分間、混合してペースト状混合物を作製した。ワニス中の全固形分のフィラ含有量を70vol%に調整した。
予め膜厚約500Åのアルミ導電膜を蒸着により形成したガラス板上に、ドクターブレードにより上記ペースト状混合物を塗布した。この後、130℃、30分続いて180℃、90分の加熱条件において減圧下で硬化して、厚さ約50μmのポリマーコンポジット層を形成した。次に、この上に、アルミニウムの蒸着により厚さ約500Å、1cmの円形の電極を形成して誘電特性の評価用試料とした。
LFインピーダンスアナライザを用いて周波数1MHzの誘電率と誘電正接を測定した。誘電率は85、誘電正接は0.04を示した。厚さ0.5μmのアルミニウムを電極として形成したシリコンウエハに厚さ12μmの上記ポリマーコンポジット層を形成した後、上部電極として0.2cmの円状の電極を厚さ0.5μmのアルミニウムスパッタにより設けた試料を用いてリーク電流を測定した。バイアス電圧1MV/mでリーク電流が問題になる程では全くないが5×10−10A/cmと実施例2に比べて大きく、プレッシャークックテスト(PCT)72時間後でもリーク電流は4×10−9A/cmを示した。
(比較例4)
テレフタル酸0.5モル、イソフタル酸0.5モル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル1モルから得られる重量平均分子量8,000のポリアミドのジメチルアセトアミド溶液(固形分8重量%)を用意した。
表面処理が施されていない平均粒径が0.9μmのチタン酸バリウム80vol%と平均粒径0.15μmのNi微粉末20vol%をボールミルで48時間混合した。この混合フィラを、上記のポリアミドワニスに加えてハイブリッドミキサー(キーエンス社製)で10分間、混合してペースト状混合物を作製した。ワニス中の全固形分のフィラ含有量は70vol%に調整した。
予め膜厚約500Åのアルミ導電膜を蒸着により形成したガラス板上に、ドクターブレードにより上記ペースト状混合物を塗布した。この後、130℃で30分間、続いて180℃で90分間の加熱条件において減圧下で硬化して、厚さ約50μmのポリマーコンポジット層を形成した。次に、この上に、アルミニウムの蒸着により厚さ約500Å、1cmの円形の電極を形成して誘電特性の評価用試料とした。
LFインピーダンスアナライザを用いて周波数1MHzの誘電率と誘電正接を測定した。誘電率は55、誘電正接は0.06を示した。厚さ0.5μmのアルミニウムを電極として形成したシリコンウエハに厚さ12μmの上記ポリマーコンポジット層を形成した後、上部電極として0.2cmの円状の電極を厚さ0.5μmのアルミニウムスパッタにより設けた試料を用いてリーク電流を測定した。バイアス電圧1MV/mにおいてリーク電流が3×10−8A/cmと極めて小さく、プレッシャークックテスト(PCT)72時間後では試料が白化していたためリーク電流の測定は行わなかった。
以下、参考例の結果をまとめて表2に示した。
Figure 2005109316
(実施例7)
図3を用いて、キャパシタ内蔵の多層プリント板の製造法を説明する。0.2mm厚のガラスクロス強化エポキシプリプレグ1の両面に、ステンレス箔2に予め形成していた銅電極用パターン3を加熱加圧下、転写して両面に電極を有するガラスエポキシ基板4とする。加熱温度170℃、加熱時間90分である。次に、予め厚さ18μmの銅箔に、(実施例2)の条件で作製したポリマーコンポジットのペーストを均一に塗布して溶媒を乾燥除去して厚さ20μmの膜を形成した片面銅箔高誘電体シート5を両面から加熱加圧下、積層接着した。加熱温度170℃で加熱時間90分間である。次に、両面の銅箔をエッチアウトして電極6を形成した。
厚さ0.1mmのプリプレグ7と厚さ18μmの銅箔8を両面から加熱、加圧下張り付けて図1に示す多層構造を形成した。次に、レーザーによる穴あけと無電解銅めっきによりビアホール接続部9とスルーホール接続部10を形成した。最後に、外層の配線パターン11をエッチングにより形成して、容量密度47pF/mmのキャパシタを内蔵する多層プリント配線板を得た。誘電体層と銅箔との接着力は1kN/m以上を有し、260℃のリフローソルダ時にも膨れなどの異常の発生は認められなかった。
(実施例8)
図4に示す製造プロセスでキャパシタを内蔵するLSI搭載用多層配線板を作製した。図では省略するが6層の銅配線を有するガラスセラミック多層板15の表面にポリイミド絶縁層(厚さ10μm)20をカーテンコート法により形成した後、レーザー穴あけと無電解銅めっきにより接続用のスタッドビア30を形成した。さらに、表面にクロム/銅のスパッタリングにより厚さ5μmの配線層40を形成した。ポリイミド表面との接着力確保のためのクロムの厚みは0.5μmである。次に、実施例7のペースト状コンポジットを用いて厚さ10μmのキャパシタ層50を印刷により形成した。
印刷後、減圧下100℃で加熱して溶媒を乾燥除去、レジストを除去後、さらに150℃で加熱して形成した。再び、カーテンコート法によりポリイミド絶縁層16を形成した後、レーザー穴あけと無電解銅めっきによる接続用のスタッドビアとクロム/銅のスパッタリングによる厚さ5μmの表面配線層17を形成した。本実施例のキャパシタを内蔵した多層配線板ははんだボール19により接続されたLSIチップ18を搭載してモジュール基板として使用される。
ハイパーブランチポリマーの構造を説明する概念図。 本発明によるハイパーブランチポリマーの生成と化学構造を説明する図。 本発明による、キャパシタ内蔵多層プリント板の製造法を説明するフローチャート。 本発明によるキャパシタ内蔵半導体搭載用モジュール基板の製造法を説明するフローチャート。
符号の説明
1…エポキシプリプレグ、2…ステンレス箔、3…銅電極用パターン、4…両面銅電極エポキシ基板、5…高誘電体シート、6…クロム/銅スパッタ膜、7…レジスト、8…電極、9…エポキシプリプレグ、10…銅箔、11…ビアホール接続部、12…スルーホール接続部、13…外層パターン、15…ガラスセラミック多層配線板、16…第1ポリイミド絶縁層、17…スタッドビアと表面配線、18…LSIチップ、19…はんだボール、20…第2ポリイミド絶縁層、30…スタッドビア、40…銅配線、50…キャパシタ。

Claims (10)

  1. 二つの隣接するシアノ基を有するジシアノフェニル基を有する化合物及びその誘導体の少なくとも1種を担持することを特徴とする高誘電率無機材料。
  2. 二つの隣接するシアノ基を有するジシアノフェニル基を3個有する一般式(1)で示される化合物及びその誘導体の少なくとも1種を用いて無機材料の表面処理されたことを特徴とする高誘電率無機材料。
    Figure 2005109316
  3. 上記無機材料は無機フィラであって、上記化合物の少なくとも1種を上記無機フィラの表面に塗布した後、加熱して上記無機フィラに担持させたことを特徴とする請求項1又は2記載の高誘電率無機材料。
  4. 上記無機材料が、チタン酸バリウム系セラミックス、チタン−バリウム−ネオジウム系セラミックス、チタン−バリウム−スズ系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミックス、チタン酸マグネシウム系セラミックス及び二酸化チタン系セラミックスの少なくとも1種の粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高誘電率無機材料。
  5. 上記無機材料がニッケル、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、コバルト、カドミウム、鉄、クロム及びマンガンの少なくとも1種の粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高誘電率無機材料。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理された無機材料を、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも1種を必須成分とする高分子材料内に存在させたことを特徴とする高誘電率コンポジット材料。
  7. 上記熱可塑性樹脂がポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテル、ポリエーテルイミド、ポリエステル、ベンゾオキサゾール及びポリスチレンの少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の高誘電率コンポジット材料。
  8. 上記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂、BTレジン、フェノール樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂及びジシクロペンタジエン樹脂の少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の高誘電率コンポジット材料。
  9. 電極間に誘電体層を設けてキャパシタを回路中に形成した多層配線板において、上記キャパシタが、請求項5に記載の高誘電率コンポジット材料であることを特徴とする多層配線板。
  10. 電極間に誘電体層を設けたキャパシタを内蔵し、半導体チップを搭載するためのモジュール基板において、前記キャパシタが、請求項5に記載の高誘電率コンポジット材料であることを特徴とするモジュール基板。
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