JP2005108632A - 鉛バッテリの充放電方法及び車載充放電システム - Google Patents

鉛バッテリの充放電方法及び車載充放電システム Download PDF

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Abstract

【課題】 鉛バッテリの本質的な長寿命化を目的とし、鉛バッテリの利用において総充放電エネルギー量を増加させる鉛バッテリの充放電方法及び車載充放電システムを提供する。
【解決手段】 放電終了を検出し、放電終了時には通常の充電電流より大きな充電電流で比較的短期間のパルス充電を実施する。この場合に、放電終了時に電極近傍の鉛イオン濃度を判定し、鉛イオン濃度が所定値を越えると判定される場合に、鉛イオン濃度が所定値以下になるまでの間、パルス充電が実施される。
【選択図】 図6

Description

本発明は鉛バッテリの充放電方法及び車載充放電システム、特に、鉛バッテリの劣化を極小化して寿命を延ばす鉛バッテリ充放電方法及び鉛バッテリを搭載する車両において該充放電方法を実現する車載充放電システムに関するものである。
従来から、鉛バッテリの寿命や劣化は充放電回数を目安にしており、使用不可の劣化状態に至るまでの充放電回数をいかに増やすかの工夫が様々なされている。一般に、鉛バッテリの劣化の原因としては、過充電による電極の格子腐食や電解液の分解による劣化、過放電によるサルフェーション(硫酸化)によって硫酸鉛(PbSO4)の結晶が電極周りに生成するための劣化、充放電の繰り返しで発生する正極/負極の活物質(PbO2,Pb)の軟化、すなわち電極表面の結晶構造の崩壊による劣化、が考えられている。
これらの原因を極力取り除くために、例えば、数秒周期のパルス充電で活物質の微細化を図る技術が、特許文献1に開示されている。又、充電後に短時間の放電を行って電極格子の腐食を防止することも行われている。
又、バッテリの寿命とは異なるが、車載バッテリのシステムで車両の減速準備状態でバッテリから電力を放電して、減即時に発電機の電力でバッテリを回生充電を行うように制御することによる、回生電力吸収能力を向上させる技術が、特許文献2に開示されている。
特開昭64−81628号 特開平2002−165303
しかしながら、従来の鉛バッテリの長寿命化においては、充放電のエネリギー量や充放電パターンの違いである放電深度などはあまり考慮されていない。本発明者は、充放電回数は見かけ上の寿命であり、総充放電エネルギー量が寿命の本質的な目安となることを、各種バッテリの実験結果から発見した。現在のバッテリでは、その種類によらず劣化までの総充放電エネルギー量は4000から7000(wh・cycle/kg)の範囲に含まれる。従って、よく放電深度を浅くするとサイクル寿命が延びる(充放電回数が増える)と言われているが、これは1回の充放電当りのエネルギー量が少ないために劣化までの充放電回数が増える表面的な現象に過ぎない。
本発明は、鉛バッテリの本質的な長寿命化を目的とし、鉛バッテリの利用において総充放電エネルギー量を増加させる鉛バッテリの充放電方法及び車載充放電システムを提供する。
かかる課題を解決するために、本発明の鉛バッテリの充放電方法は、放電終了を検出し、放電終了時には通常の充電電流より大きな充電電流で比較的短期間のパルス充電を実施することを特徴とする。
ここで、放電終了時に電極近傍の鉛イオン濃度を判定し、前記鉛イオン濃度が所定値を越えると判定される場合に、前記パルス充電を実施する。また、前記鉛イオン濃度は、放電時には、放電電流の放電時間積分値から前記鉛イオンが結晶塩となる結晶化量を減算した値で代替される。また、前記パルス充電は、前記鉛イオン濃度が所定値以下になるまでの間実施される。また、前記鉛イオン濃度は、充電時には、放電終了時の鉛イオン濃度から、充電電流の充電時間積分値と前記鉛イオンが結晶塩となる結晶化量との和を減算した値で代替される。また、前記結晶化量は、結晶塩に変化する鉛イオンと酸基とを含む錯体の濃度から該錯体の溶解度を減算した値の放電又は充電時間積分で代替される。
又、本発明の車載充放電システムは、鉛バッテリの車載充放電システムであって、バッテリが所定レベル以上消耗した時に第1のバッテリ充電をする一方で、放電終了直後に電極近傍の鉛イオンを所定濃度以下とするための第2のバッテリ充電を行う充電制御手段とを備えることを特徴とする。
ここで、前記第1のバッテリ充電はオルタネータの出力により行ない、前記第2のバッテリ充電は蓄電部の放電により行う。また、前記第2のバッテリ充電は前記第1のバッテリ充電よりも充電電流又は電圧が大きく設定される。また、車両のエンジン停止後には、前記第1のバッテリ充電は行わず、前記第2のバッテリ充電を行う。また、前記蓄電部はコンデンサを含み、前記第2のバッテリ充電は、エンジン停止前に充電された前記コンデンサにより行われる。また、車両の走行中は、前記第2のバッテリ充電を実行する。また、鉛バッテリの鉛イオン濃度が大きい時には、前記充電電流を大きく設定する。また、放電終了以前の放電電流が大きい時には、前記充電電流を大きく設定する。
更に、本発明のプログラムは、鉛バッテリの車載充放電システムで実行されるプログラムであって、バッテリが所定レベル以上消耗した時に第1のバッテリ充電を制御する第1充電プログラムモジュールと、放電終了直後に電極近傍の鉛イオンを所定濃度以下とするための第2のバッテリ充電を行う第2充電プログラムモジュールとを含むことを特徴とする。ここで、前記第1充電プログラムモジュールはオルタネータの出力を制御し、前記第2充電プログラムモジュールは蓄電部の放電を制御する。
本発明により、鉛バッテリの利用において総充放電エネルギー量を増加させて本質的な長寿命化を実現する鉛バッテリの充放電方法及び車載充放電システムを提供できる。
以下、添付図面に従って、本発明の車載充放電システムの実施形態を詳細に説明する。尚、本実施形態では、車載充放電システムという特殊な例で鉛バッテリの充放電方法を説明するが、本発明は本質的には汎用の鉛バッテリの充放電方法を提供するものであり、あらゆるシステムに適用可能であることは当業者には明瞭であり、本発明はこれら全てを含むものである。
<本実施形態の車載充放電システムの構成例>
本発明の鉛バッテリの充放電方法を実現する、車両に搭載された鉛バッテリの充放電を制御する車載充放電システムの構成例を示す。
(システム構成例)
図1は、本実施形態の車載充放電システムの構成例を示すブロック図である。尚、図1は充放電システムを中心に本発明に関連する構成要素のみが図示されており、他の制御システムはエンジン制御部30として簡略化され、詳細は図示されていない。
図1で、10は鉛バッテリであり、その構成は以下で示す図3に模式的に示されている。11はオルタネータ、12は整流器であり、オルタネータ11と整流器12とにより鉛バッテリ10及び蓄電部13を充電する発電機を構成する。オルタネータ11は、充電制御部20からの発電信号により発電するか否か(鉛バッテリ10を充電するか否か)が制御される。13はキャパシタからなる蓄電部であり、蓄電部13は鉛バッテリ10及び整流器12との接続を制御するスイッチ部14により、回路への接/断を制御される。スイッチ部14の接/断状態は、充電制御部20からのバッテリ充電信号によって制御される。15は電気負荷であり、種々の車載電気装置類を表わしている。
20は、鉛バッテリ10の状態を検出し、発電信号によるオルタネータ11の制御、バッテリ充電信号によるスイッチ部14の制御のより、本実施形態の充放電制御を行う充電制御部であり、タイマ21aを有している。充電制御部20の構成例については、以下の図2で更に詳細に示す。鉛バッテリ10の状態は、鉛バッテリ10の出力線に接続してバッテリ電圧が検出され、鉛バッテリ10の出力線からバッテリ電流が検出され、、鉛バッテリ10の内部壁から電解液温度が検出されて、充電制御部20に入力される。
尚、鉛バッテリ10からの放電については、電気負荷14のON/OFFに依存しており、本例では積極的に制御されていないが、例えば前述の特許文献2のような放電制御を行う場合は、放電の制御も可能な充放電制御部となることは明らかである。
30は、本実施形態の鉛バッテリ10及び充電制御部20を搭載する車両のエンジンを制御するエンジン制御部である。このエンジン制御部30からは、本実施形態の充放電に関係する発電可否信号のみが示されており、他のエンジン制御については省略されている。
(充電制御部の構成例)
図2は、図1の本実施形態の車載充放電システムを構成する充電制御部20の構成例を示すブロック図である。尚、図2は、1つのコンピュータ・チップで構成されるのが通常であるが、例えばエンジン制御部30と一体となったチップで構成されてもよい。又、図2の構成は一例であってこれに限定されるものではない。
図2で、21は演算制御用のCPUであり、タイマ21aを有している。22は、CPU21が実行するプログラムや使用するデータが格納されているROMであり、充電制御プログラム22a(図4や図5参照)や溶解度テーブル22b(図5の51b及び52b参照)を含む。23はCPU21が充電制御プログラム22aを実行中に使用するデータを一時記憶するRAMである。RAM23には、例えば、検出されたバッテリの出力電圧を記憶するバッテリ電圧記憶部23a、検出されたバッテリの出力電流を記憶するバッテリ電流記憶部23b、検出されたバッテリの溶解液温度を記憶する溶解液温度記憶部23c、算出された電解液濃度を記憶する電解液濃度記憶部23d、ROM22に格納された溶解度テーブル22bに基づいて決定された硫酸塩溶解度を記憶する硫酸塩溶解度記憶部23e、算出された錯体生成量を記憶する錯体生成量記憶部23f、算出された錯体結晶化量を記憶する錯体結晶化量記憶部23g、算出された錯体量を記憶する錯体量記憶部23h、放電後のパルス充電を行うか否かを判断するしきい値となるαを記憶するしきい値α記憶部23iを含む。尚、充電制御プログラム22aや溶解度テーブル22bがRAM23に記憶されても良いし、しきい値αがROM22に記憶されてもよい。
24は外部からの信号を入力する入力インタフェースであり、本例ではエンジン制御部30から出力された発電可否信号、鉛バッテリ10から検出されたバッテリ電圧、バッテリ電流、電解液温度が入力される。25は外部へ信号を出力する出力インタフェースであり、本例ではオルタネータ11を制御する発電信号、スイッチ部14を制御するパルス充電信号が出力される。
<本実施形態の車載充放電システムの動作例>
上記図1及び図2の構成からなる本実施形態の車載充放電システムの動作例を以下に説明する。
(鉛バッテリの劣化原理)
まず、以下の制御動作の理解のために、本発明が鉛バッテリの長寿命化(総充放電エネルギーの増大)が対象とする鉛バッテリの劣化原理を説明する。
図3は上図が放電反応、下図が充電反応を模式的に示した鉛バッテリの反応を示す図である。本実施形態の鉛バッテリは、正極が二酸化鉛(PbO2)、負極が鉛(Pb)、電解液が硫酸(H2SO4)からなる。尚、図3は鉛バッテリの劣化原理を示すために、劣化原理の関連要素を簡略化して示しており、他の要素は省かれている。
上図の放電反応では、正極で、活物質であるPbO2に2電子(2e-)が提供されて、鉛イオン(Pb2+)が生成する。硫酸電解液と可逆的に水素イオン(4H+)と硫酸イオン(SO4 2-)が発生している。PbO2のO2は、4H+と結合して、水(2H2O)が生成される。発生した鉛イオン(Pb2+)と硫酸イオン(SO4 2-)とは、正極付近で錯体を形成し、錯体量が溶解度を越えると硫酸鉛(PbSO4)の結晶として正極表面に析出する。
負極では、活物質であるPbから2電子(2e-)が取られて、鉛イオン(Pb2+)が生成する。同様に、硫酸電解液と可逆的に水素イオン(4H+)と硫酸イオン(SO4 2-)が発生している。従って、負極付近においても、発生した鉛イオン(Pb2+)と硫酸イオン(SO4 2-)とは錯体を形成し、錯体量が溶解度を越えると硫酸鉛(PbSO4)の結晶として負極表面に析出する。
析出した硫酸鉛(PbSO4)は、錯体量が溶解度以下になると再度鉛イオン(Pb2+)と硫酸イオン(SO4 2-)となる可逆反応を有するが、電極表面に析出した硫酸鉛(PbSO4)結晶は電極の反応を妨げ以降の鉛バッテリの充放電を低下させる。又、硫酸鉛(PbSO4)結晶が電極上に析出した場合は、イオン化(錯体に戻す)ことが可能であるが、例えば車両の振動などで電極表面でない場所に析出すると、イオン化(錯体に戻す)ことが難しくなる。
鉛バッテリの充放電エネルギーによる劣化は、特にこの硫酸鉛結晶の析出により発生するものであり、本実施形態の充放電システムは錯体から硫酸鉛結晶になることを如何に防ぐかを工夫し、総充放電エネルギーを増加させて鉛バッテリの長寿命化を実現したものである。
一方、下図の充電反応では、正極で、鉛イオン(Pb2+)と水から2電子(2e-)が取られ、鉛イオン(Pb2+)が水の酸素イオンと結合して、活物質であるPbO2が再生される。同時に、水素イオン(4H+)と硫酸イオン(SO4 2-)が発生し、これは硫酸電解液と平衡状態となるので、結果的に硫酸電解液が再生されることになる。
負極では、鉛イオン(Pb2+)に2電子(2e-)が提供され、活物質である鉛(Pb)が再生され、硫酸イオン(SO4 2-)が発生する。
従って、放電で発生した鉛イオン(Pb2+)と硫酸イオン(SO4 2-)との錯体が、硫酸鉛(PbSO4)結晶として析出しない内に、充電によって活物質の正極のPbO2と負極の鉛(Pb)を再生し、硫酸電解液を再生することによって、鉛バッテリの可逆状態を維持すれば長寿命が達成されることになる。
(充放電システムの動作原理)
上記鉛バッテリの劣化原理を踏まえた、本実施形態の充放電システムの動作原理を説明する。
電気負荷15が動作すると、鉛バッテリ10からの放電が始まり、バッテリ電流から放電が検出される。次に、放電の終了をバッテリ電流から検出すると、終了時の錯体量を減少させるために大電流のパルス充電を行う。
車載システムにおいて、このパルス充電は、オルタネータ11から行ってもよいが、図1のようにキャパシタから成る蓄電部13を設けて、スイッチ部14の制御で行うのが好ましい。この場合に、放電後のパルス充電は無条件に行っても十分な効果があるが、以下の図4のように錯体量が所定量を越えるか否かが判定され、越えていれば硫酸鉛の結晶化が進行するので、所定電流のパルス充電を必要な時間だけ行って、錯体量を所定量以内にする制御を行うのが更に好ましい。尚、キャパシタから成る蓄電部13の蓄電は、オルタネータ11による鉛バッテリの充電時に行えばよい。
(動作手順のフローチャート)
図4は、図2に示す充電制御プログラム22aの処理手順例を示すフローチャートである。尚、図4は、本実施形態の長寿命化の充放電手順にかかる制御を抽出したものであり、この手順が他の制御に含まれても、あるいは他の制御と並行に実行されてもよい。又、図4は上述した如く、充電電流や充電時間を制御できる手順例を示しており、キャパシタから成る蓄電部13からの放電のみで鉛バッテリ10のパルス充電を行う場合は、
まず、ステップS41で放電開始をチェックする。放電開始のチェックは、鉛バッテリ10のバッテリ電流を検出することで判別できる。放電が無ければ、本実施形態の長寿命化手順は行わずに次の処理に進む。
放電があれば、ステップS42で放電時間を測定するためタイマ21aをリセットし、ステップS43で放電電流をバッテリ電流から検出し、電解液温度を検出する。ステップS44では、以下の図5の51に示すロジックで電解液中に生成した錯体量を算出する。ステップS45では放電の終了をバッテリ電流からチェックし、放電が継続していればステップS42に戻ってステップS42〜S45を繰返す。放電が終了すれば、ステップS46に進む。
ステップS46では、ステップS44で算出された最後の錯体量がしきい値α以下か否かが判定される。このしきい値αはゼロであるのが、長寿命化には最も好ましいが、以降の充電処理の時間がそれだけ長くなり、充電時間との関係から設定される。ステップS46で錯体量がしきい値α以下であれば、ステップS51に進んで充電を終了する。充電をしていない場合はステップS51は何もしない。
錯体量がしきい値αを越えていれば、ステップS47に進んで、充電時間を測定するために、タイマ21aをリセットする。ステップS48では通常の充電の数倍の電流(例えば、本例では通常充電は14V,30A、この充電では15V,100Aである)でのパルス充電を行う。ステップS49では、放電電流をバッテリ電流から検出し、電解液温度を検出する。ステップS50では、以下の図5の52に示すロジックで電解液中に生成した錯体量を算出する。
放電が無い場合、あるいは錯体量がしきい値α以下の場合には、ステップS51で充電を終了し(放電が無い場合、あるいは最初から錯体量がしきい値α以下の場合には何もしない)、ステップS52では、充電が可能で通常の充電が必要かを判定する。この判定は、エンジン制御部30からの発電可否信号と、鉛バッテリからのバッテリ電圧とから成される。通常の充電が無ければリターンをし、通常の充電があればステップS53に向かう。尚、ステップS52及びS53はこのルーチンに含まれても含まれなくてもよい。
(錯体量の算出例)
図5に、上記図4で示した、放電時の錯体量演算のロジック51と、充電時の錯体量演算のロジック52との例を示す。尚、この演算は、ソフトウエアで実現しても、あるいはLUT(ルックアップテーブル)などのハードウエアを使用して行ってもよい。又、図5は、全体の演算ロジックを示しており、例えば、図4のフローチャートでは、図5の積分は所定時間毎の錯体生成量、錯体結晶化量、錯体消滅量、を加算することで実現している。
図5の放電時の錯体量演算ロジック51(図4のステップS44に対応)では、放電電流Iを放電時間で積分した錯体生成量51aから、錯体濃度から溶解度を引いた値(析出する量)に所定の析出度K(t)を掛けて、放電時間で積分した錯体結晶化量51cを減算51dした量を、放電時の錯体量とする。ここで、錯体濃度は現在の錯体量から算出でき、溶解液中の硫酸鉛の溶解度は、電解液温度と演算可能な電解液濃度とから溶解度テーブル51b(図2の溶解度テーブル22bに対応)によって定まる。尚、51a及び51cの積分は、実際には被積分値と放電時間との積で代替するのが処理速度の点から望ましい。
一方、図5の充電時の錯体量演算ロジック52(図4のステップS50に対応)では、放電終了時の錯体量52aから、充電電流Iを放電時間で積分した錯体消滅量と、錯体濃度から溶解度を引いた値(析出する量)に所定の析出度K(t)を掛けて、充電時間で積分した錯体結晶化量との和52cを減算52dした量を、充電時の錯体量とする。ここで、放電時の錯体量演算ロジック51と同様に、錯体濃度は現在の錯体量から算出でき、溶解液中の硫酸鉛の溶解度は、電解液温度と演算可能な電解液濃度とから溶解度テーブル52b(図2の溶解度テーブル22bに対応)によって定まる。尚、52a及び52cの積分は、実際には被積分値と放電時間との積で代替するのが処理速度の点から望ましい。
(動作例のタイミングチャート)
図6は、上記本実施形態の充放電制御を行った場合の、錯体量とバッテリ電流との時間変化例を示すタイミングチャートである。
図6の61にように、錯体量は放電時に増加し、放電終了直後の本例のパルス充電でほぼゼロあるいは最低量に減少する。又、図6の62に示すように、バッテリ電流は、放電後のパルス充電では通常充電の数倍であり、短時間での錯体量の減少を実現する。かかるバッテリ電流値は、バッテリ仕様あるいはオルタネータの発電能力などを考慮して定められる。
(車載鉛バッテリにおける制御例)
上記処理手順例では、煩雑さを防ぐために車載であるための特殊な制御については削除したので、以下に車載である場合の本発明をより効果的に実現するための制御例について説明する。
まず、図1のように、第1の充電手段(オルタネータ11)とは別に、第2の充電手段(蓄電部13)を設ける構成も、車載システムにおける特殊な構成であり、一般には充電手段を複数設ける必要はない。
車載の場合には、車両のエンジン停止後には、第1の充電手段によるバッテリ充電は行わず、第2の充電手段によるバッテリ充電を行うことになる。
この第2の充電手段(蓄電部13)はコンデンサで構成され、エンジン停止前に充電される必要が有る。
又、車両の走行中は、硫酸鉛が電極表面以外に析出する可能性が高いので、より大きな充電電流を設定し、又は本例のパルス充電を実行する。
更に、バッテリの鉛イオン濃度が大きい時、あるいは放電終了以前の放電電流が大きい時には、より大きな充電電流を設定する。
尚、実施形態の最初にも述べたが、本実施形態は、本発明の鉛バッテリの充放電方法を車載の鉛バッテリの制御に適用した一例であって、本発明の要旨は、鉛バッテリの長寿命化を新たな劣化メカニズムの観点から実現する技術思想であって、車載に限定されるものでなく、広く鉛バッテリの長寿命化に適応されるものであり、これらも本発明に含まれるのは明らかである。
本実施形態の車載充放電システムの構成例を示すブロック図である。 図1の充電制御部の構成例を示すブロック図である。 鉛バッテリの充放電原理を説明する模式図である。 本実施形態の車載充放電システムの動作手順例を示すフローチャートである。 図4のステップS44、S50の錯体量演算ロジック例を示す図である。 本実施形態の車載充放電システムでの制御タイミング例を示すタイミングチャートである。

Claims (16)

  1. 放電終了を検出し、放電終了時には通常の充電電流より大きな充電電流で比較的短期間のパルス充電を実施することを特徴とする鉛バッテリの充放電方法。
  2. 放電終了時に電極近傍の鉛イオン濃度を判定し、
    前記鉛イオン濃度が所定値を越えると判定される場合に、前記パルス充電を実施することを特徴とする請求項1記載の鉛バッテリの充放電方法。
  3. 前記鉛イオン濃度は、放電時には、放電電流の放電時間積分値から前記鉛イオンが結晶塩となる結晶化量を減算した値で代替されることを特徴とする請求項2記載の鉛バッテリの充放電方法。
  4. 前記パルス充電は、前記鉛イオン濃度が所定値以下になるまでの間実施されることを特徴とする請求項1記載の鉛バッテリの充放電方法。
  5. 前記鉛イオン濃度は、充電時には、放電終了時の鉛イオン濃度から、充電電流の充電時間積分値と前記鉛イオンが結晶塩となる結晶化量との和を減算した値で代替されることを特徴とする請求項4記載の鉛バッテリの充放電方法。
  6. 前記結晶化量は、結晶塩に変化する鉛イオンと酸基とを含む錯体の濃度から該錯体の溶解度を減算した値の放電又は充電時間積分で代替されることを特徴とする請求項3又は5記載の鉛バッテリの充放電方法。
  7. 鉛バッテリの車載充放電システムであって、
    バッテリが所定レベル以上消耗した時に第1のバッテリ充電をする一方で、
    放電終了直後に電極近傍の鉛イオンを所定濃度以下とするための第2のバッテリ充電を行う充電制御手段とを備えることを特徴とする車載充放電システム。
  8. 前記第1のバッテリ充電はオルタネータの出力により行ない、前記第2のバッテリ充電は蓄電部の放電により行うことを特徴とする請求項7記載の車載充放電システム。
  9. 前記第2のバッテリ充電は前記第1のバッテリ充電よりも充電電流又は電圧が大きく設定されることを特徴とする請求項7又は8記載の車載充放電システム。
  10. 車両のエンジン停止後には、前記第1のバッテリ充電は行わず、前記第2のバッテリ充電を行うことを特徴とする請求項8記載の車載充放電システム。
  11. 前記蓄電部はコンデンサを含み、前記第2のバッテリ充電は、エンジン停止前に充電された前記コンデンサにより行われることを特徴とする請求項10記載の車載充放電システム。
  12. 車両の走行中は、前記第2のバッテリ充電を実行することを特徴とする請求項7記載の車載充放電システム。
  13. 鉛バッテリの鉛イオン濃度が大きい時には、前記充電電流を大きく設定することを特徴とする請求項9記載の車載充放電システム。
  14. 放電終了以前の放電電流が大きい時には、前記充電電流を大きく設定することを特徴とする請求項9記載の車載充放電システム。
  15. 鉛バッテリの車載充放電システムで実行されるプログラムであって、
    バッテリが所定レベル以上消耗した時に第1のバッテリ充電を制御する第1充電プログラムモジュールと、
    放電終了直後に電極近傍の鉛イオンを所定濃度以下とするための第2のバッテリ充電を行う第2充電プログラムモジュールとを含むことを特徴とする車載充放電システムのプログラム。
  16. 前記第1充電プログラムモジュールはオルタネータの出力を制御し、前記第2充電プログラムモジュールは蓄電部の放電を制御することを特徴とする請求項15記載の車載充放電システムのプログラム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010104223A (ja) * 2008-09-16 2010-05-06 Commissariat A L'energie Atomique Cea スーパーキャパシタを備えた自律システムにおける電池のパルス充電方法
JP2016518807A (ja) * 2013-05-17 2016-06-23 ハー−テク アーゲー 再充電可能電池に充電するための方法と装置

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