JP3328025B2 - 充電装置 - Google Patents

充電装置

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JP3328025B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は補充電機能を有する充電
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電池を電源とする装置では、マン
ガン乾電池に代表される充電不可能な1次電池から、次
第にニッケルカドミウム蓄電池や小型鉛シール蓄電池に
代表される、充電して何度も繰り返し使用できる2次電
池が多く使用されるようになってきている。前記2次電
池は1次電池よりもエネルギー密度が低いために、1次
電池と同じ電池容量を得たいときはより大きな電池を使
う必要があった。そのため2次電池についてはたゆまな
く高容量化が図られてきた。ところが、最近になってニ
ッケルカドミウム蓄電池や小型鉛シール蓄電池よりもは
るかに高容量を得ることができるニッケル水素蓄電池が
開発されてきた。このニッケル水素蓄電池は、陽極にニ
ッケル、陰極に水素吸蔵合金を使用し、従来のニッケル
カドミウム蓄電池よりも50〜100%多い電池容量が
得られる。しかし、ニッケル水素蓄電池は、ニッケルカ
ドミウム蓄電池よりも自己放電が大きく、また過充電を
行うと性能が速く劣化するという問題点がある。
【0003】以下、従来の充電装置を図面を使用して説
明する。図5は従来の充電装置のブロック図であり、1
は電源回路であり、電源は並列関係にある急速充電を行
う急速充電回路2と補充電回路3に与えられ、この急速
充電回路2と補充電回路3の切換を行う切換回路4を介
してニッケル水素高電池6に与えられて充電をするよう
になっている。ニッケル水素蓄電池6部には電池の温度
測定を行う温度センサー5が設けられ、電池電圧と電池
温度はその信号線13、14によって制御回路9に送ら
れるようになっている。そして制御回路9は急速充電回
路2と補充電回路3の動作を制御するようになってい
る。
【0004】図6は従来の充電装置を用いてニッケル水
素蓄電池の充電を行なったときの電池電圧・充電電流の
変化カーブを示し、図中のteは急速充電が終了する時
点、i1 は急速充電時の電流値、i2 は補充電時の電流
値である。
【0005】以下、図5および図6を用いて従来の充電
装置の動作について説明する。この充電装置は電源回路
1に電源が入ると制御回路9が電池6の電圧を信号線1
3を通じて読み込み、また電池温度を温度センサー5、
信号線14を通じて読み込み、急速充電が可能な電圧と
温度であれば切り換え回路4を急速充電回路2の側に切
り換えて電流i1 で急速充電を開始する。電池電圧が一
定値を超えるか、電池温度の上昇率が一定値を超えたと
き(図4でteの時点)に急速充電は終了する。その後
は、制御回路9は切り換え回路4を補充電回路3の側に
切り換えて、電池の自己放電分の容量の減少を補う分の
補充電を電流i2 で行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
充電装置では、補充電を一定の電流値で行っているため
に、ニッケル水素蓄電池では過充電になりやすいという
欠点を有していた。すなわち、ニッケルカドミウム蓄電
池では極板やガス吸収特性の改良により、定電流で充電
を行っても、電流値が適切であれば電池としての性能が
劣化することは少なくなっているが、現状のニッケル水
素蓄電池では電流を増やせば過充電になり、減らせば自
己放電の率の方が多くなってしまい、過放電となってし
まう。また、電流が多いと電池の温度が異常に上昇する
という現象が発生し、不安全事故につながる可能性もあ
る。一方、市場では2次電池の容量アップの要求が根強
く、高容量を得られるニッケル水素蓄電池を安全に補充
電する方法が強く求められている。
【0007】本発明は上記課題を解決し、ニッケル水素
蓄電池を安全かつ確実に補充電する手段を提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに第1の発明は充電装置に電源を供給する電源回路
と、急速充電を行う急速充電回路と、電池電圧に応じて
周期が変わるクロックを発生する電圧制御発振回路(以
後VCO回路と記す)と、VCO回路が発生するクロッ
クの数を計数するカウンタ回路と、カウンタ回路がリセ
ット後に一定数のクロックを計数するまでの時間に補充
電を行う補充電回路と、急速充電・補充電の回路を切り
替える切換回路と、電池温度を計測する温度センサー、
電池電圧・温度を読み込んで急速充電回路、補充電回
路、カウンタ回路、切換回路の動作を制御する制御回路
とを有する構成になっている。
【0009】また第2の発明は充電装置に電源を供給す
る電源回路と、急速充電を行う急速充電回路と、電池電
圧に応じてデューティ比と周期が変わるクロックを発生
するVCO回路と、VCO回路のクロック出力で充電電
流の制御を行う補充電回路と、急速充電・補充電の回路
を切り替える切換回路と、電池温度を計測する温度セン
サーと、電池電圧・温度を読み込んで急速充電回路、切
換回路の動作を制御する制御回路とを有する構成になっ
ている。
【0010】
【作用】本発明は上記した構成により、第1の発明の充
電装置では電池電圧が一定値以下、電池温度が一定の範
囲内にある場合に補充電を開始し、VCOが発生する電
池電圧に応じた周期のクロックが一定数になるまでの時
間に補充電を行い、電池の放電具合に応じた時間の補充
電を行うこととなる。
【0011】また第2の発明の充電装置では、VCOが
発生する電池電圧に応じたデューティ比と周期のクロッ
クによって充電電流がパルス状に制御され、パルスを平
均した電気量が電池の放電具合に応じた補充電を行うこ
ととなる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。図1は本発明の第1の発明の一実施
例の充電装置の構成を示すブロック図である。なお、従
来例として説明したものと同一構成部には、同じ符号を
付して説明する。図中の1は充電装置に電源を供給する
電源回路、2は急速充電を行う急速充電回路、3は補充
電を行う補充電回路、4は急速充電回路2と補充電回路
3の切換を行う切換回路、5は電池の温度測定を行なう
温度センサー、6はニッケル水素蓄電池、9は制御回
路、13は電池電圧検知の信号線、14は電池温度の信
号線であり、これらは従来のものと同じ構成である。本
実施例の特徴とするところは、電池電圧に応じて発生す
る周期を可変する電圧制御発振回路(VCO回路)7
と、VCO回路7のクロックの計数を行うカウンタ回路
8、カウンタ8が計数中に“H”レベル、リセット時・
カウンタのオーバーフロー時に“L”になるカウンタ出
力端子10、カウンタをリセットするリセット端子11
を備えたことにある。図中の12はVCO回路7からカ
ウンタ8に供給されるクロック出力、15は補充電回路
内にあって充電電流のON−OFFを行うFETであ
る。なお、制御回路9はカウンタ8の動作を制御するよ
うになっている。
【0013】図2は第2の発明の一実施例の充電装置の
構成を示すブロック図である。本実施例は特徴として電
池電圧に応じてデューティ比と周期が変わる、すなわち
電池電圧が高いときにはデューティ比が小さく周期が長
いクロックを発生し、逆に電池電圧が低いときにはデュ
ーティ比が大きく周期が短いクロックを発生する電圧制
御発振回路(VCO回路)16、電池6の電圧・温度を
読み込んで急速充電回路2・切換回路4の動作の制御を
行う制御回路17を備えた構成にある。
【0014】図3は図1で示された充電装置でニッケル
水素蓄電池を充電した場合の電池の端子電圧・充電電流
の変化カーブを示したグラフであり、teは急速充電が
終了する時点、i1 は急速充電時の電流値、i2 は補充
電時の電流値、Vsは補充電を開始する電圧である。
【0015】図4は図2で示された充電装置でニッケル
水素蓄電池を充電した場合の電池の端子電圧・充電電流
の変化カーブを示したグラフである。以上のように構成
された充電装置について、以下図面を用いてその動作に
ついて説明する。
【0016】まず第1の発明の充電装置の一実施例につ
いて図1,図3を用いて説明する。充電装置は電源回路
1によって充電電流および各ブロックの電源を得る。制
御回路9は電池電圧の信号線13と温度センサー5から
の信号線14によってニッケル水素蓄電池6の電圧と温
度を検知する。その電圧が充電すべき電圧になってお
り、電池温度が急速充電が可能な範囲内にある場合の
み、急速充電回路2を動作させ、同時に切換回路4を急
速充電回路側に切り替えて急速充電を開始する。この時
点は図3のグラフにおいて左端の時点にあたる。電池電
圧・温度が満充電の条件に合致した場合に、急速充電回
路2は急速充電を終了し、同時に制御回路9にその旨を
伝達する。制御回路9はそれを受けて切換回路4を補充
電回路3の側に切り替える。図3のグラフではteの時
点になる。この時点では電池6の電圧が十分に高いため
に、制御回路9はカウンタ8をリセット状態に設定して
おく。そのため、VCO回路7からクロックが供給され
てもカウンタ8の出力端子は“L”のままであり、補充
電回路3内のFET15はOFFとなって、補充電の電
流は電池6には流れない。その後、時間が経過して電池
6が自己放電して電池の電圧が図3においてVs以下に
なったとき、制御回路9は補充電を開始する。制御回路
9はカウンタ8のリセットを解除しカウンタは計数を開
始する。このとき、VCO回路7は電池電圧に応じてク
ロックの周波数を可変する。すなわち、電池電圧の上昇
が遅く(自己放電量が多いことを示す)電圧が低いとき
には周波数を低くして、カウンタ8がオーバーフローし
て補充電が終了するまでの時間を長くして補充電を十分
に行う。電池電圧の上昇が速く(自己放電量が少ないこ
とを示す)電圧がすぐに高くなるときには、VCO回路
7の発生するクロックの周波数が高くなり、カウンタ8
のオーバーフローまでの時間が短くなることで補充電の
時間が短くなり、過剰な補充電を行わず、電池6が過充
電になることを防ぐ。
【0017】次に第2の発明の充電装置の一実施例につ
いて図2,図4を用いて説明する。急速充電の開始から
終了、切換回路の動作については第1の発明の充電装置
と全く同一の動作を行う。急速充電終了の時点は図4
グラフではteの時点になる。この時点で、補充電回路
3の充電出力はクロック発生VCO回路16により補充
電回路3内のFET15がON−OFFされてパルス状
となっているがこの時点ではクロックのデューティ比が
小さく周期が長い(図4においてパルス列が疎の部分に
該当)ために、補充電回路3のパルス状充電出力を平均
した電気量は極めて少なく、電池6が過充電となること
はない。時間が経過して、自己放電が進み電池6の電圧
が低下してくるとVCO回路16の出力は次第にデュー
ティ比が大きく周期が短くなり(図4においてパルス列
が密の部分に該当)、補充電回路3のパルス状充電出力
を平均した電気量は多くなり、自己放電に見合っただけ
の補充電が行われる。補充電が進み、再び満充電に近づ
くと電池電圧が上昇してくるために、VCO回路16の
クロックは再びデューティ比が小さく周期が長くなっ
て、補充電回路3のパルス状充電出力を平均した電気量
は少なくなって過充電となることはない。このように電
池6の放電量に応じた電気量となるパルス状の補充電を
行うことにより、電池6が過充電になることを防ぐ。
【0018】以上のように、第1の発明の一実施例の充
電装置では補充電を行う時間を、また第2の発明の一実
施例の充電装置ではパルス充電の平均電気量をそれぞれ
電池6の放電量に応じて可変することにより、安全・確
実に補充電を行うことができる。
【0019】
【発明の効果】以上の各実施例の説明より明らかなよう
に、第1の発明の充電装置では、電池電圧が一定値以
下、電池温度が一定の範囲内にある場合に補充電を開始
し、VCO回路が発生する電池電圧に応じた周期のクロ
ックが一定数になるまでの時間に補充電を行い、電池の
放電具合に応じた時間の補充電を行うため、また第2の
発明の充電装置ではVCO回路が発生する電池電圧に応
じたデューティ比と周期のクロックによって充電電流が
パルス状に制御され、パルスを平均した電気量が電池の
放電具合に応じた補充電を行うため、ニッケル水素蓄電
池を安全かつ確実に補充電することが可能になるという
大きな効果があり、実用上有効な充電装置を提供する。
【0020】なお、実施例においては補充電回路の構成
要素としてFETを使用したが、充電電流の制御素子と
してトランジスタ、サイリスタ、電磁式リレーなど種々
の素子が使用できる。また、充電対象としてニッケル水
素蓄電池を取り挙げたが、金属リチウム蓄電池、リチウ
ムイオン蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル
亜鉛蓄電池、鉛蓄電池などの充電に応用できることは勿
論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施例の充電装置の構成を示す
ブロック図
【図2】第2の発明の一実施例の充電装置の構成を示す
ブロック図
【図3】図1で示された充電装置でニッケル水素蓄電池
を充電した場合の電池の端子電圧、充電電流の変化カー
ブを示したグラフ
【図4】図2で示された充電装置でニッケル水素蓄電池
を充電した場合の電池の端子電圧、充電電流の変化カー
ブを示したグラフ
【図5】従来の充電装置の構成を示すブロック図
【図6】図5の充電装置でニッケル水素蓄電池を充電し
た場合の電池の端子電圧、充電電流の変化カーブを示し
たグラフ
【符号の説明】
1 電源回路 2 急速充電回路 3 補充電回路 4 切換回路 5 温度センサー 6 ニッケル水素蓄電池 7 電圧制御発振回路(VCO回路) 8 カウンタ回路 9 制御回路 10 カウンタ出力端子 11 リセット端子 12 クロック出力 13 電池電圧検知の信号線 14 電池温度の信号線 16 電池電圧に応じてデューティ比と周期が変わる電
圧制御発振回路(VCO回路) 17 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−123771(JP,A) 特開 平6−22465(JP,A) 特開 平1−157233(JP,A) 特開 平6−90531(JP,A) 特開 平6−189463(JP,A) 特開 平3−32328(JP,A) 特開 平4−193038(JP,A) 特開 平3−289331(JP,A) 実開 平3−54334(JP,U) 実開 平1−120743(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 7/10 H02J 7/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電池を充電する充電装置であって、 充電装置に電力を供給する電源手段と、前記電源手段に接続され、急速充電を行うための急速充
    電回路と、 前記電源手段に接続され、電池の自己放電による容量減
    少を補う程度の補充電を行う補充電回路と、 充電装置に接続された電池の電圧が高いときにクロック
    の周期を短くし、電池の電圧が低いときにクロックの周
    期を長くする電圧制御発振手段と、 前記電圧制御発振手段のクロック出力の計数を行い、一
    定数のクロックを計数するとオーバーフローを出力する
    カウンタ手段と、 前記カウンタ手段のオーバーフロー出力に接続されて電
    池と電源手段の接続・切断を行うスイッチ手段とを備
    え、前記急速充電回路による急速充電終了後、所定の電圧以
    下になった場合に前記補充電回路による補充電を開始す
    ると共に前記カウンタ手段の計数を開始し、 前記カウン
    タ手段のオーバーフロー出力に従って補充電を制御する
    ようにしたことを特徴とする充電装置。
  2. 【請求項2】電池を充電する充電装置であって、 充電装置に電力を供給する電源手段と、前記電源手段に接続され、急速充電を行うための急速充
    電回路と、 前記電源手段に接続され、電池の自己放電による容量減
    少を補う程度の補充電を行う補充電回路と、 充電装置に接続された電池の電圧が高いとパルス列を疎
    に、電池の電圧が低いとパルス列を密にするように前記
    補充電回路からの補充電のためのパルス列電流を制御す
    電圧制御発振手段と、 前記電圧制御発振手段のクロック出力に接続されて電池
    と電源手段の接続・切断を行うスイッチ手段とを備え、前記急速充電回路による急速充電終了後、所定の電圧以
    下になった場合に補充電 を開始し、 前記電圧制御発振手
    段のクロック出力で補充電を制御するようにしたことを
    特徴とする充電装置。
  3. 【請求項3】電池を充電する充電装置であって、 充電装置に電力を供給する電源手段と、 前記電源手段に接続され、急速充電を行うための急速充
    電回路と、 前記電源手段に接続され、電池の自己放電による容量減
    少を補う程度の補充電を行う補充電回路と、 充電装置に接続された電池の電圧が高いとパルス列の周
    期を長く、電池の電圧が低いとパルス列の周期を短くす
    るように前記補充電回路からの補充電のためのパルス列
    電流を制御する電圧制御発振手段と、 前記電圧制御発振手段のクロック出力に接続されて電池
    と電源手段の接続・切断を行うスイッチ手段とを備え、 前記急速充電回路による急速充電終了後、所定の電圧以
    下になった場合に前記電圧制御発振手段のクロック出力
    で補充電を制御するようにしたことを特徴とする充電装
    置。
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