JP4331473B2 - 鉛蓄電池の充放電制御装置及び充放電制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛蓄電池の充放電制御装置及び充放電制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題への関心の高まりから、燃料電池や太陽電池、あるいはガスタービン発電機といった独立型の発電源を用いた電力供給用の電源システムの開発が進んでいる。これらのシステムでは発電源から負荷に電力供給するとともに、併設する蓄電池に余剰電力を充電する。負荷が急激に増加した場合にはこの蓄電池から負荷へ不足電力を供給する。
このような電源システムでは蓄電池を常に満充電でない状態に維持し、発生した余剰電力を蓄電池に充電できるようにしている。
【0003】
特許第3123812号公報に、従来例1のバッテリ充電量の管理装置が開示されている。従来例1のバッテリ充電量の管理装置は、バッテリの最大充電定格の50ないし80%の範囲でバッテリの充電量を管理する。
【0004】
特開平8−331770号公報に、従来例2の二次電池の充放電制御方法及び装置が開示されている。従来例2の二次電池の充放電制御装置は、複数の素電池からなる二次電池を放電下限電気量よりも大きい放電許容電気量の範囲内で充放電制御する。これにより、二次電池の過充電及び過放電を防止できるとしている。
【0005】
【特許文献1】
特許第3123812号公報
【特許文献2】
特開平8−331770号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
フリー液を有する鉛蓄電池の電解液(硫酸)比重は、放電時には硫酸イオンが活物質に消費されるため低下し、充電時には硫酸イオンが放出されるため上昇する。例えば連続した1回の放電量が大きく、その後の充電が不完全だった場合、充電で生成した硫酸が重力により下方に移動するため、電解液の上部と下部で電解液濃度に勾配が生じる。このような電解液の成層化によって鉛蓄電池の充電効率が悪くなり、寿命が短くなることが知られている。成層化が生じている状態で鉛蓄電池を充放電し続けると、鉛蓄電池の寿命が短くなる。
【0007】
フリー液を有する鉛蓄電池を満充電をしない状態で充放電を繰り返す用途に使用する場合、例えば連続した1回の過大な放電により成層化が進行し、これを繰り返すと蓄電池の寿命が急速に低下するという問題があった。蓄電池の寿命に悪影響を与えるような連続した1回の放電量(例えば4%(実施例参照))は、従来例1及び従来例2の蓄電池の放電制御装置における充電を開始するための蓄電池の残容量の下限値(例えば50%)と全くかけ離れた数値である。従来例1及び従来例2の蓄電池の放電制御装置及び放電制御方法によっては、蓄電池(特に鉛蓄電池等の成層化現象が発生し得る蓄電池)の寿命劣化(寿命が短くなること)を防止できなかった。
【0008】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、鉛蓄電池の成層化の進行を防止し、鉛蓄電池(特に、成層化現象が発生し得る鉛蓄電池)の寿命劣化を防止しながら、鉛蓄電池の充放電を制御する充放電制御装置及び充放電制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、鉛蓄電池の寿命劣化を防止しながら、鉛蓄電池の放電と発電機の発電とにより負荷に電力を供給し、且つ発電機により鉛蓄電池を充電する充放電制御装置及び充放電制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。請求項1に記載の発明は、鉛蓄電池の連続する1回の放電時間の放電量において、前記鉛蓄電池の蓄電池容量の0%を超え3%以下の値である第1の閾値を設定し、且つ1時間当たりの総放電量において、前記蓄電池容量の0%を超え30%以下の値である第2の閾値を設定し、発電機を更に有し、前記鉛蓄電池の連続する1回の放電期間における放電量が前記第1の閾値を超えた場合及び前記鉛蓄電池の1時間当たりの総放電量が前記第2の閾値を超えた場合の少なくともいずれか一方の場合、前記発電機が前記鉛蓄電池を充電することを特徴とする鉛蓄電池の充放電制御装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記鉛蓄電池が電解液に浸漬された極板群を有する液式鉛蓄電池、又は少なくとも一部が電解液に浸漬され且つ他の一部が露出した極板を有する制御弁式鉛蓄電池であることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池の充放電制御装置である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、鉛蓄電池の連続する1回の放電期間の放電量と、前記鉛蓄電池の蓄電池容量の0%を超え3%以下の値である第1の閾値とを比較判定するステップと、1時間当たりの総放電量と、前記蓄電池容量の0%を超え30%以下の値である第2の閾値とを比較判定するステップ、とを有し、前記鉛蓄電池の連続する1回の放電期間における放電量が前記第1の閾値を超えた場合及び前記鉛蓄電池の1時間当たりの総放電量が前記第2の閾値を超えた場合の少なくともいずれか一方の場合、前記鉛蓄電池を充電するステップを更に有することを特徴とする鉛蓄電池の充放電制御方法である。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記鉛蓄電池が電解液に浸漬された極板群を有する液式鉛蓄電池、又は少なくとも一部が電解液に浸漬され且つ他の一部が露出した極板を有する制御弁式鉛蓄電池であることを特徴とする請求項3に記載の鉛蓄電池の充放電制御方法である。
【0015】
本発明は、鉛蓄電池の成層化の進行を防止し、鉛蓄電池(特に、成層化現象が発生し得る鉛蓄電池)の寿命劣化を防止しながら、鉛蓄電池の充放電を制御する充放電制御装置及び充放電制御方法を実現できるという作用を有する。
本発明は、鉛蓄電池の寿命劣化を防止しながら、鉛蓄電池の放電と発電機の発電とにより負荷に電力を供給し、且つ発電機により鉛蓄電池を充電する充放電制御装置及び充放電制御方法を提供することを実現できるという作用を有する。
特に、安価なフリー液を有する液式鉛蓄電池の充放電制御装置及び充放電制御方法に本発明を適用した場合に優れた効果が得られる。フリー液を有する制御弁式鉛蓄電池の充放電制御装置及び充放電制御方法に本発明を適用した場合にも、液式鉛蓄電池に準じた効果が得られる。
本発明の鉛蓄電池の充放電制御装置及び充放電制御方法は、例えばガスタービン発電機等の発電機に鉛蓄電池を併設した電源システムにおいて有用である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施例について、図面とともに記載する。
【0017】
《実施例1》
図1〜図4を用いて、本発明の実施例1の鉛蓄電池の充放電制御装置及び充放電制御方法を説明する。実施例1の鉛蓄電池の充放電制御装置及び充放電制御方法は、ガスタービン発電機に鉛蓄電池を併設した電源システムに含まれる液式鉛蓄電池の充放電制御装置である。
【0018】
最初に、本発明の根拠となる実験データを説明する。公称電圧が12V、公称容量が60Ah(20時間率容量)の、極板群が電解液に浸漬された液式鉛蓄電池を用い、周辺温度が40℃の雰囲気で以下の寿命試験を行った。図1は、本発明の実施例1の寿命試験の方法を示すフローチャートである。
【0019】
ステップ101で、寿命試験の総サイクル数Nに初期値0を設定する。液式鉛蓄電池を満充電(ステップ102)した後、60Aで放電終止電圧7.5Vまで放電し、初期の放電容量を測定する(ステップ103)。ステップ104で液式鉛蓄電池を満充電した後、蓄電池容量の所定量、例えば10%を放電し、蓄電池を満充電でない、所定の充電状態とする(ステップ105)。ここでは蓄電池の充電状態を所定の状態とすることが目的であるので、ステップ104とステップ105に替え、所定の充電状態に対応した充電電圧で蓄電池を充電するステップとしてもよい。ステップ106でMに初期値0を設定する。ステップ107でNとMとに1を加算する。その後、60Aで所定時間放電する(ステップ108)。次に、40Aで所定時間充電する(ステップ109)。次に、所定時間休止する(ステップ110)。ステップ107〜ステップ110のサイクルを所定回数(Mが所定値になるまで)実施する。Mの所定値は、ステップ107〜ステップ110の繰り返しの時間が140時間になるように設定した。Mが所定値になった場合(ステップ111)、60Aで放電終止電圧7.5Vまで放電し、放電容量を測定する(ステップ112)。放電容量が初期の放電容量の50%以下か否か判断し(ステップ113)、50%より大きい場合はステップ104に戻り、再び液式鉛蓄電池を満充電し試験を繰り返す。放電容量が初期の放電容量の50%以下になった場合、液式鉛蓄電池が寿命に達したと判定し、ステップ114に進み、液式鉛蓄電池の寿命試験結果(Nの値)を出力する。ステップ115で、寿命試験の総サイクル数Nに基づいて寿命比を計算する。寿命比の計算方法は、後で述べる。寿命試験を終了する。
【0020】
表1に、寿命試験のサイクル条件及び結果の一部を示す。連続した1回当たりの放電量が蓄電池容量の2%、2.5%、3%、3.5%、4%になるように、ステップ108での放電時間を設定した。充電が不十分な状態を作り出すために、1回当たりの放電量と同じ電気量で充電するように、ステップ109での充電時間を設定した。一般に鉛蓄電池の充電効率は100%ではないため、放電量と同じ充電量で充電すると、若干充電不足になる。更に、1時間当たりの総放電量が蓄電池容量の10%、20%、30%、40%、50%になるように、ステップ110での休止時間を設定し、合計25通りの寿命試験を行った。ステップ114で得られた寿命試験の総サイクル数Nを、1回の放電量を3%、1時間当たりの総放電量を30%に設定して行った液式鉛蓄電池の寿命試験でのN0で、正規化した値((N/N0)×100%)を寿命比と定義する。
【0021】
【表1】
【0022】
図2(a)は、1時間当たりの総放電量が蓄電池容量の30%の寿命試験での、連続した1回の放電量と蓄電池の寿命比との関係を示すグラフである。図2(b)は、連続した1回の放電量が蓄電池容量の3%の寿命試験での、1時間当たりの総放電量と蓄電池の寿命比との関係を示すグラフである。曲線201a及び曲線201bは液式鉛蓄電池の寿命試験の結果である。表1、図2(a)及び図2(b)から、連続した1回の放電量を蓄電池容量の3%以下に、且つ1時間当たりの総放電量を蓄電池容量(満充電時容量)の30%以下に設定し、前記鉛蓄電池の連続する1回の放電期間における放電量が3%を超えた場合及び前記鉛蓄電池の1時間当たりの総放電量が30%を超えた場合の少なくともいずれか一方の場合、前記発電機が前記鉛蓄電池を充電する充放電制御により、電解液の成層化を抑制し、液式鉛蓄電池を長寿命化できることがわかる。連続した1回の放電量が蓄電池容量の3%より大きいか、1時間当たりの総放電量が蓄電池容量の30%より大きい場合には、電解液の成層化が発生し、液式鉛蓄電池の寿命比が低下した。
【0023】
図3は、本発明の実施例1の鉛蓄電池の充放電制御装置を含む電源システムの構成を示すブロック図である。本発明の鉛蓄電池の充放電制御装置は、上記の実験データに基づく鉛蓄電池の充電及び放電の制御を行う。図3において、301は発電機、302は負荷、303は液式鉛蓄電池、304は電流センサ、305は電流計測部、306は電圧計測部、307は充放電制御装置である。
【0024】
発電機301はガスタービン機関(図示しない)によって駆動されて発電する。発電された電力は負荷302及び液式鉛蓄電池303に供給される。液式鉛蓄電池303は、殆ど常に発電機301によって定電圧充電されている。負荷302が急激に増加した場合、ガスタービン発電や燃料電池等の発電機では急激な負荷上昇に追随できない。この間、負荷302の消費電力に対して発電量が不足するため、液式鉛蓄電池303から負荷302に不足分の電力が供給される。また、負荷302が急激に減少することによって発電機301の発電量に余剰が生じた場合には、発電機301から液式鉛蓄電池303に余剰電力が充電される。液式鉛蓄電池303の公称電圧は12ボルトであり、6つのセルから構成されている。
【0025】
電流センサ304は液式鉛蓄電池303に流れる充放電電流を検出する。電流センサ304の出力は電流計測部305に入力され、更に充放電制御装置307に電流値として入力される。電圧計測部306は液式鉛蓄電池303の充放電電圧を測定し、電圧値として充放電制御装置部307に入力する。
【0026】
図4は、本発明の実施例1の電源システムの鉛蓄電池の充放電制御方法を示すフローチャートである。実施例1の充放電制御装置307はマイクロコンピュータを有し、マイクロコンピュータが図4の主たる制御を行う。電流計測部305はステップ401で、液式鉛蓄電池303の充放電電流を計測し、充放電制御装置307に出力する。ステップ401は、一定時間おきに実行される。充放電電流を計測する(ステップ401)時間間隔は任意である。充放電制御装置307は、液式鉛蓄電池303の満充電時容量、現在の残容量、及び少なくとも過去1時間分の充放電量の履歴(連続する放電期間の1回毎の放電量の情報を含む。)を記憶している。充放電制御装置307は、現在液式鉛蓄電池303が充電状態か放電状態かを判断する(ステップ402)。放電状態であればステップ403に進み、液式鉛蓄電池303の連続する1回の放電電気量を積算する。
【0027】
充放電制御装置307は、連続する1回の放電電気量が満充電時容量の3%以上か否か判断する(ステップ404)。3%以上の場合、ステップ411に進む。3%未満の場合、ステップ405に進む。充放電制御装置307は、1時間当たりの総放電電気量を算出し(ステップ405)、総放電電気量が満充電時容量の30%以上か否か判断する(ステップ406)。30%以上の場合、ステップ411に進む。30%未満の場合、ステップ407に進む。充放電制御装置307は、充放電電流の積算値に基づいて液式鉛蓄電池303のSOC(充電状態)を算出し(ステップ407)、現在のSOCが満充電時容量の70%未満か否か判断する(ステップ408)。70%以上の場合はステップ411に進む。70%未満の場合、放電を継続し、ステップ401に戻る。
【0028】
ステップ404、406又は408での判断の少なくとも一つに該当し、ステップ411に進んだ場合、充放電制御装置307は、発電機301の出力電圧を増大させて(実施例においては鉛蓄電池の単位セル当たり2.4V、すなわち14.4Vにする。)液式鉛蓄電池303を充電し、ステップ401に戻る。
ステップ402で充電状態であればステップ409に進む。ステップ409で充放電制御装置307は、SOCが満充電時容量の95%以上か否か判断する。95%以上の場合、ステップ410に進み、発電機301の出力を低下させて(実施例においては鉛蓄電池の単位セル当たり2.1V、すなわち12.6Vにする。)液式鉛蓄電池303の充電を終了し、ステップ401に戻る。95%未満の場合、充電を継続し、ステップ401に戻る。充放電制御装置307は発電機からの鉛蓄電池への充電電圧もしくは電流を増減する。
【0029】
実施例1は、安価な液式鉛蓄電池を使用し、液式鉛蓄電池の寿命を実質的に従来より長くできる充放電制御装置及び充放電制御方法を実現した。特に燃料電池、ガスタービン発電機などの発電手段に鉛蓄電池を併設した、電力供給用の電源システムに適した充放電制御装置及び充放電制御方法を実現した。本発明は発電効率に優れた低コストな電源システムを実現できるという効果を有する。
【0030】
《実施例2》
図1〜図4を用いて、本発明の実施例2の鉛蓄電池の充放電制御装置及び充放電制御方法を説明する。実施例2の鉛蓄電池の充放電制御装置及び充放電制御方法は、ガスタービン発電機に鉛蓄電池を併設した電源システムに含まれる鉛蓄電池の充放電制御装置である。実施例2の鉛蓄電池の充放電制御装置及び充放電制御方法は、液式鉛蓄電池303に代えて、僅かなフリー液を有する制御弁式鉛蓄電池を有する。それ以外の点において、実施例2は実施例1と同一である。図3は、本発明の実施例2の鉛蓄電池の充放電制御装置を含む電源システムの構成を示すブロック図である。図4は、本発明の実施例2の電源システムの鉛蓄電池の充放電制御方法を示すフローチャートである。図3及び4は既に説明した。
【0031】
制御弁式鉛蓄電池は、一般に、フェルト状のセパレータを用いることで活物質の脱落などを抑制できるため、液式鉛蓄電池に比べて寿命が長い。従って、コストよりも蓄電池の寿命を優先させる電源システムにおいて、制御弁式鉛蓄電池を有する実施例2の充放電制御装置及び充放電制御方法が有用である。実施例2においても、連続した1回の放電量を蓄電池容量の3%以下に、且つ1時間当たりの総放電量を蓄電池容量の30%以下に制限する充放電制御を行う。これにより、従来の充放電制御装置及び充放電制御方法と比べて、蓄電池を実質的に長寿命化することができる。
【0032】
本発明の根拠となる実験データを説明する。公称電圧が12V、公称容量が60Ah(20時間率容量)の、僅かなフリー液を有する制御弁式鉛蓄電池及びフリー液のない制御弁式鉛蓄電池を用い、周辺温度が40℃の雰囲気で以下の寿命試験を行った。図1は、本発明の実施例1の寿命試験の方法を示すフローチャートである。寿命試験の方法及び条件(図1及び図2)は実施例1と同じであるので説明を省略する。
【0033】
図2(a)は、1時間当たりの総放電量が蓄電池容量の30%の寿命試験での、連続した1回の放電量と蓄電池の寿命比との関係を示すグラフである。図2(b)は、連続した1回の放電量が蓄電池容量の3%の寿命試験での、1時間当たりの総放電量と蓄電池の寿命比との関係を示すグラフである。曲線202a及び曲線202bは僅かなフリー液を有する制御弁式鉛蓄電池の寿命試験の結果である。曲線203a及び曲線203bはフリー液のない制御弁式鉛蓄電池の寿命試験の結果である。
【0034】
僅かなフリー液を有する制御弁式鉛蓄電池は、極板群の一部が電解液に浸漬され、一部が電解液から露出している。図2に示すように、液式鉛蓄電池に比べて程度は低いものの電解液の成層化が起きる。図2(a)及び図2(b)から、フリー液を有する制御弁式鉛蓄電池でも液式鉛蓄電池と同様に、連続した1回の放電量を蓄電池容量の3%以下に、且つ1時間当たりの総放電量が蓄電池容量の30%以下に設定し、前記制御弁式鉛蓄電池の連続する1回の放電期間における放電量が3%を超えた場合及び前記鉛蓄電池の1時間当たりの総放電量が30%を超えた場合の少なくともいずれか一方の場合、前記発電機が前記制御弁式鉛蓄電池を充電する充放電制御により、電解液の成層化を抑制し、長寿命化できることがわかる。
【0035】
図2(a)及び図2(b)から、フリー液のない制御弁式鉛蓄電池の寿命比は、連続した1回の放電量及び1時間当たりの総放電量に依存しないことがわかる。フリー液のない制御弁式鉛蓄電池は成層化が起きないためだと考えられる。図2(a)、(b)に示すように、フリー液が多い鉛蓄電池ほど成層化しやすく、成層化による寿命劣化が顕著に発生する。本発明により、特にフリー液が多い鉛蓄電池を使用する電源システムにおいて、その鉛蓄電池の寿命を従来より相対的に実質的に長くする顕著な効果が得られるが、僅かなフリー液を制御弁式鉛蓄電池を使用する電源システムにおいても、同様の効果が得られる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、鉛蓄電池の成層化の進行を防止し、鉛蓄電池(特に、成層化現象が発生し得る鉛蓄電池)の寿命劣化を防止しながら、鉛蓄電池の充放電を制御する充放電制御装置及び充放電制御方法を実現できるという有利な効果が得られる。
本発明によれば、鉛蓄電池の寿命劣化を防止しながら、鉛蓄電池の放電と発電機の発電とにより負荷に電力を供給し、且つ発電機により鉛蓄電池を充電する充放電制御装置及び充放電制御方法を提供することを実現できるという有利な効果が得られる。
特に、安価なフリー液を有する液式鉛蓄電池又はフリー液を有する制御弁式鉛蓄電池の充放電制御装置及び充放電制御方法に本発明を適用した場合に顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1及び実施例2の寿命試験の方法を示すフローチャート
【図2】図2(a)は、連続した1回の放電量と蓄電池の寿命比との関係を示すグラフ、図2(b)は、1時間当たりの総放電量と蓄電池の寿命比との関係を示すグラフ
【図3】 本発明の実施例1及び実施例2の鉛蓄電池の充放電制御装置を含む電源システムの構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施例1及び実施例2の電源システムにおける鉛蓄電池の充放電制御方法を示すフローチャート
【符号の説明】
301 発電機
302 負荷
303 液式鉛蓄電池
304 電流センサ
305 電流計測部
306 電圧計測部
307 充放電制御装置
Claims (4)
- 鉛蓄電池の連続する1回の放電期間の放電量において、前記鉛蓄電池の蓄電池容量の0%を超え3%以下の値である第1の閾値を設定し、且つ1時間当たりの総放電量において前記蓄電池容量の0%を超え30%以下の値である第2の閾値を設定し、発電機を更に有し、前記鉛蓄電池の連続する1回の放電期間における放電量が前記第1の閾値を超えた場合及び前記鉛蓄電池の1時間当たりの総放電量が前記第2の閾値を超えた場合の少なくともいずれか一方の場合、前記発電機が前記鉛蓄電池を充電することを特徴とする鉛蓄電池の充放電制御装置。
- 前記鉛蓄電池が電解液に浸漬された極板群を有する液式鉛蓄電池、又は少なくとも一部が電解液に浸漬され且つ他の一部が露出した極板を有する制御弁式鉛蓄電池であることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池の充放電制御装置。
- 鉛蓄電池の連続する1回の放電期間における放電量と、前記鉛蓄電池の蓄電池容量の0%を超え3%以下の値である第1の閾値とを比較判断するステップと、1時間当たりの総放電量と、前記蓄電池容量の0%を超え30%以下の値である第2の閾値とを比較判断するステップ、とを有し、前記鉛蓄電池の連続する1回の放電期間における放電量が前記第1の閾値を超えた場合及び前記鉛蓄電池の1時間当たりの総放電量が前記第2の閾値を超えた場合の少なくともいずれか一方の場合、前記鉛蓄電池を充電するステップを更に有することを特徴とする鉛蓄電池の充放電制御方法。
- 前記鉛蓄電池が電解液に浸漬された極板群を有する液式鉛蓄電池、又は少なくとも一部が電解液に浸漬され且つ他の一部が露出した極板を有する制御弁式鉛蓄電池であることを特徴とする請求項3に記載の鉛蓄電池の充放電制御方法。
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