JP2005108387A - 光ヘッド装置、実装用fpc、放熱方法、fpcの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 効果的に光ヘッド装置内部の金属フレームに熱を逃し、放熱効果の向上を図ることを可能にする。
【解決手段】 レーザ光を駆動する駆動IC1を表面に実装するFPCの裏面に、放熱穴9と、その放熱穴9に挿入する放熱手段(放熱部材、金属フレーム7)と、を設けて、放熱手段をFPCのベース3と接触する構成を採用する。駆動ICより発せられる熱は、FPCのベース3に接触した凸状の金属フレーム7に直接的に伝導し、或いはベース3に接触した放熱部材を介して金属フレーム7に間接的に伝導する。
【選択図】 図2
【解決手段】 レーザ光を駆動する駆動IC1を表面に実装するFPCの裏面に、放熱穴9と、その放熱穴9に挿入する放熱手段(放熱部材、金属フレーム7)と、を設けて、放熱手段をFPCのベース3と接触する構成を採用する。駆動ICより発せられる熱は、FPCのベース3に接触した凸状の金属フレーム7に直接的に伝導し、或いはベース3に接触した放熱部材を介して金属フレーム7に間接的に伝導する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、CDやDVD等の光ディスクに対し、レーザ光を利用してデジタル情報の記録・再生を行う光ヘッド装置、実装用FPC、放熱方法、FPCの製造方法に関するものであって、特に、レーザ光を駆動する駆動ICの放熱効果の向上を図るものである。
一般に、レーザ光を利用してデジタル情報の記録・再生を行う光ヘッド装置は、変調されたレーザ光を光ビームとしてCDやDVD等の光ディスクの記録膜上に照射し、熱反応によって記録ピットを形成する情報記録機能や、そのレーザ光より弱い光量のレーザ光を光ビームとして記録膜上に照射し、記録ピットに基づく光ディスクからの反射光を検出し、それを電気信号に変換する情報再生機能を備えている。
そして、かかる光ヘッド装置は、レーザ光の波長変動やノイズに起因して情報記録機能或いは情報再生機能が低下するのを防ぐため、半導体レーザから高調波重畳されたレーザ光を出射させる構成となっている。すなわち、光ヘッド装置に搭載されたレーザ光を駆動する駆動ICには、高調波重畳したレーザパワー制御電流を半導体レーザに流入させる高調波重畳モジュールが実装されている。
ところが、この高調波重畳モジュールを駆動ICに実装した場合には、駆動IC全体の発熱量が大きくなり、駆動ICの誤動作、発光素子の発光効率の低下等、上述した情報記録機能或いは情報再生機能に様々な悪影響を及ぼすおそれがある。また、情報記録時は情報再生時に比べ、半導体レーザの駆動に高電流を消費するため、さらに駆動ICの発熱量が大きくなり、上記の悪影響を及ぼすおそれが大きくなる。
このようなことから、従来より、光ヘッド装置では駆動ICに対する様々な放熱対策が講じられている。例えば、表面実装の駆動ICにおいて放熱板があるタイプでは、基板上の銅箔に半田付けすることによって放熱効果の実効性を確保している。その様子を、図7を用いて具体的に説明する。なお、図7では、両面からなるフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits:以下「FPC」という)の片面上に駆動IC1を実装している。
図7において、駆動IC1が実装されたFPCは、次のような積層構造となっている。すなわち、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムからなるベース3を挟み込むように、銅箔積層状の銅箔パターン4a,4bが接着材(図示せず)を介して形成され、これらの銅箔パターン4a,4bを挟み込むように、導体保護及び絶縁のための合成樹脂等からなるカバーレイ5a,5bによる被覆が施されている。また、カバーレイ5bの下には、FPC全体を補強するための補強板6が設けられている。なお、FPCの下には、このFPCを固定するための金属フレーム7が存在する。
かかる構成態様において、図7に示すFPCの放熱対策は、駆動IC1の上方から駆動IC1で発生した熱を逃すというものである。或いは、放熱用の銅箔パターンを設けて、そこから熱を逃すというものである。
しかしながら、近年の光ヘッド装置の小型化・コンパクト化に伴い、駆動IC1やその周辺回路の実装密度は益々高くなり、放熱するための十分な面積の銅箔パターン4aを用意することができない場合がある。かかる場合には、十分な放熱効果を得ることができず、駆動IC1の誤作動等を引き起こしかねない。
また、図7では、上述のとおりFPCを補強するための熱伝導率の低い補強板6が、駆動IC1と金属フレーム7の間に介在している。このため、従来は、この補強板6が、駆動ICで発生した熱を金属フレーム7に逃すことを妨げている、というのが実情であった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、効果的にFPCに設けられた金属フレームに熱を逃すことで放熱効果の向上を図ることが可能な光ヘッド装置、実装用FPC、放熱方法、FPCの製造方法を提供することにある。
以上のような課題を解決するために、本発明は、光ヘッド装置において、レーザ光を駆動する駆動ICを表面に実装するFPCの裏面に、放熱穴と、その放熱穴に挿入する放熱手段と、を設けて、放熱手段をFPCのベースと接触する構成を採用したことを特徴とする。
より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) レーザ光を駆動する駆動ICと、該駆動ICを表面に実装するFPCと、該FPCを固定するフレームと、を備えた光ヘッド装置において、前記FPCの裏面に、前記駆動ICの熱を放熱する放熱穴と、前記放熱穴に挿入され、前記FPCのベースと接触する放熱手段と、を設けたことを特徴とする光ヘッド装置。
本発明によれば、駆動ICと、FPCと、フレームと、を備えた光ヘッド装置において、駆動ICが実装されている実装面とは反対のFPCの裏面に、駆動ICの熱を放熱する放熱穴と、その放熱穴に挿入され、FPCのベースと接触することで結果として放熱効果を奏する放熱手段と、を設ける、という構成にしたから、駆動ICから発せられる熱がFPCのベースからそのベースに接触する放熱手段に伝わることで、放熱効果の向上を図ることができる。
すなわち、従来の両面FPCにおいては、FPCの裏面に銅箔或いは絶縁体などの固体物質が連続して設けられて放熱用の穴が存在することがなかったことから、駆動ICで発生した熱が熱伝導性を有するフレームに逃れる、という放熱効果はそれほど期待できなかったが、本発明によれば、FPCの裏面に放熱穴が設けられ、さらに、その放熱穴の中に、FPCのベースと接触することで駆動ICの熱を放熱することが可能な放熱手段が設けられているので、その放熱手段を介して駆動ICで発生した熱がフレームに逃れることとなるため、駆動ICの放熱効果の向上を図ることができる。
ここで、「放熱手段」は、放熱穴に挿入されてFPCのベースと接触する放熱材(例えば、水・ゲル状・固形の吸熱物質)のみならず、フレーム自体に放熱手段の機能を付加することができ、如何なるものを採用しても構わない。
また、「放熱穴」を設けるに当たり、その態様は適宜決定し得るものとする。例えば、駆動ICがFPCに占める面積よりも大きな面積となるように放熱穴を設けても構わない。また、放熱穴を複数設けても構わない。例えば、小さな放熱穴を複数設けることで、駆動ICの熱を放熱しつつ、FPC全体の強度低下を回避することが可能となる。かかる「放熱穴」は、例えば両面FPCの場合には、FPCの裏面に位置する銅箔パターンと絶縁パターンとからなる積層構造が連続して設けられている従来の構造において、空隙領域を形成することで、積層構造を離間して形成することができる。
さらに、「FPCを固定するフレーム」は、駆動ICで発生した熱を逃がし得る素材であれば如何なるものでもよく、好ましくは、金属フレーム等の熱伝導性の高いものがよい。このようにすることで、効果的な放熱対策を講ずることができる。
(2) 前記フレームは凸形状を有しており、前記放熱手段は、前記フレームが有する凸部であることを特徴とする(1)記載の光ヘッド装置。
本発明によれば、上述した放熱穴に挿入されるフレームが凸状の形状になるようにして、放熱手段として凸部を採用したことから、FPCのベースとフレームとを直接接触させることで、効果的にフレームに熱を逃し、放熱効果の向上を図ることができる。
また、本発明によれば、FPCの裏面に放熱穴を設け、その放熱穴に、放熱手段として比較的強固なフレームを挿入する、という構成にしたから、放熱穴を設けたことによるFPCの強度低下を免れることができ、ひいては駆動ICのぐらつき等に起因した光ヘッド装置の故障を防ぐこともできる。
(3) 前記放熱手段は、前記フレームと前記FPCのベースとの双方に接触する放熱部材であることを特徴とする(1)記載の光ヘッド装置。
本発明によれば、放熱穴に挿入される放熱手段として、フレームとFPCのベースとの双方に接触する放熱部材を採用したから、レーザ光を駆動する駆動ICで発生した熱が熱伝導性を有する放熱部材を介してフレームに逃れることによって、放熱効果の向上を図ることができる。なお、熱伝導性が既知の放熱部材を用いることで、放熱効果を定量的に調整することが可能となる。
(4) 駆動ICを実装するFPCの裏面に、該駆動ICの熱を放熱する放熱穴と、前記放熱穴に挿入され、前記FPCのベースと接触する放熱手段と、を設けたことを特徴とする実装用FPC。
本発明によれば、FPCの裏面に、駆動ICの熱を放熱する放熱穴と、その放熱穴に挿入され、FPCのベースと接触することで結果として放熱効果を奏する放熱手段と、を設けたことから、かかる放熱手段によってFPCの実装面とは反対の裏面から放熱効果を図ることができる。
(5) レーザ光を駆動する駆動ICと、前記駆動ICを表面に実装するFPCと、前記FPCを固定するフレームと、を備え、前記FPCの裏面に前記フレームを設けて、前記フレームと前記駆動ICとの距離を短くすることによって、前記駆動ICの熱を効果的に放出する放熱方法。
本発明によれば、光ヘッド装置において、駆動ICを表面に実装するFPCの裏面にフレームを設けて、フレームと駆動ICとの距離を短くすることによって、駆動ICの熱を放出することとしたから、FPCの裏面からの放熱を効果的に行うことができる。すなわち、フレームと駆動ICとの距離を従来よりも短くするために、駆動ICが実装されたFPCの裏面に放熱穴を設けて、かかる放熱穴に、FPCのベースと接触する凸状のフレームを挿入することができる。
(6) FPCの両面に導電性材料及び絶縁性材料の積層構造を形成し、この積層構造が形成されたFPCの片面において、前記導電性材料及び絶縁性材料を部分的に除去して、放熱穴を形成し、FPCのベースと接触する放熱手段をこの放熱穴に挿入することを特徴とするFPCの製造方法。
本発明によれば、レーザ光を駆動する駆動ICを実装するFPCの両面に、導電性材料と絶縁性材料の積層構造を設け、このFPCの片面における積層構造を部分的に除去して放熱穴を形成し、この放熱穴の領域面をフレームで覆うこととしたから、駆動ICの放熱効果をより向上できるFPCを製造することが可能となる。
本発明に係る光ヘッド装置は、以上説明したように直接的又は放熱部材を介して間接的に熱伝導性を有するフレームに熱を逃すような構成となっており、駆動ICで発生した熱を効果的に逃すことができ、ひいては駆動ICの誤作動等の防止に資することとなる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、実装用FPCを光ヘッド装置に用いた場合について説明するが、本発明はこれに限らず、電卓、カメラ、磁気ヘッド、時計、電話機、音響機器、OA機器など、様々な精密電子機器に用いることができる。
[外観構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置10の外観構成を示す図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置10の外観構成を示す図である。
図1において、光ヘッド装置10は、レーザ光を駆動する駆動IC1からの制御指令に基づき、発光素子(図示せず)からレーザ光が光ビームとして出射され、対物レンズを介してその光ビームがCDやDVD等の記録媒体に照射されるような構成となっている。
より具体的には、レーザ光を駆動する駆動IC1からの制御指令に基づき、例えば半導体レーザ等の発光素子へ高調波重畳したレーザパワー制御電流が流入されることによって直線偏光のレーザ光が出射される。そして、そのレーザ光は、コリメートレンズ、偏光ビームスプリッタ、反射ミラー等の各種光学部品を介して対物レンズに到達し、そこで集光された光が光ビームとして光ディスクに照射される。
ここで、本実施形態における光ヘッド装置10の駆動IC1には、レーザ光の波長変動等を防ぐために、高調波重畳したレーザパワー制御電流を制御する高調波重畳モジュールが実装されている。そのため、駆動IC1全体から発生する熱量は大きく、放熱対策を講じる必要性が生じることとなる。以下、本実施形態における光ヘッド装置10の駆動IC1の真下に位置するFPCの構造上の特徴を利用した放熱対策について説明する。なお、本発明は、駆動IC1から発生した熱のみならず、例えば受光素子(図示せず)から発生した熱に対する放熱対策にも寄与し得るものである。
[FPCの切断断面]
図2は、本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置に備えられたFPCの横からの切断断面図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置に備えられたFPCの横からの切断断面図である。
図2において、レーザ光を駆動する駆動IC1が表面実装されたFPCは、電解銅箔や圧延銅箔等の銅箔を板状に形成してなる銅箔パターン4a,4bと、これらの銅箔パターン4a,4bの間に介在する絶縁層たるベース3と、これらの銅箔パターン4a,4bを挟み込むように被覆形成された絶縁保護層たるカバーレイ5a,5bと、カバーレイ5bの下に設けられ、FPC全体を補強するための補強板6と、からなる。そして、補強板6の下には、FPC全体を固定するための金属フレーム7が設けられている。なお、この金属フレーム7は、FPC全体を固定するフレームとして機能する一例であり、熱伝導性を有する限り必ずしも金属である必要はない。また、駆動IC1の下方に位置する放熱穴(空隙領域)9は、後述する製造工程を経て形成されたものである。
ベース3は、耐熱性を有するポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム等のプラスチックフィルムがその材料として用いられ、その厚みは、耐屈曲性、強度を考慮して決定される。なお、必要に応じてベース3の表面を研磨する目的でサンドブラスト処理が施される。
銅箔パターン4a,4bは、電気伝導性を有する導電性金属箔からなる回路パターンであり、耐屈曲性が望まれることから電解銅箔よりも圧延銅箔のほうが好ましい。なお、必要に応じて接着剤(図示せず)の濡れ性を向上させる目的でニッケルめっきが施される。ここでいう接着剤は、ベース3と銅箔パターン4a,4b、銅箔パターン4a,4bとカバーレイ5a,5b、のそれぞれの間に介在するものであり、その材料としては、例えば、不飽和2重結合を有するブロック共重合エラストマーが挙げられる。
カバーレイ5a,5bは銅箔パターン4a,4bを絶縁するものであり、絶縁パターンの一例として機能する。なお、絶縁パターンの他の例としては、カバーレイと同等機能を有するカバーコートなどが挙げられる。なお、本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置に備えられたFPCにおいては、ベース−銅箔−カバーレイの3層FPCについて説明をするが、本発明にあっては、3層FPCに限らず、超小型携帯機器、DVD等で寸法安定性、薄さ、耐熱性で3層より高品質な、ベース−銅箔の2層FPCであってもよい。
補強板6は、例えばガラスエポキシ、金属板、紙フェノール等で形成され、FPCが加熱されたときに反りを防止し得る程度の厚さが好ましい。例えば、約0.3mm〜0.8mm程度である。
なお、本実施形態においては、両面実装のFPC(図2参照)に対して本発明を適用しているが、本発明はこれに限られることなく、例えば、図3に示すような片面実装のFPCに対して本発明を適用することもできる。なお図中の符号のうち図2と同じものは、図2における意味と同じ意味をなす。
[製造工程]
図4は、FPCの製造方法を経時的に示すフローチャート、図5は、FPCの製造工程を説明するための工程図である。なお、図2では、カバーレイ5aに穴が設けられ、その穴に半田2a,2b,2cが流し込まれ、これらの半田を介して、銅箔パターン4aと駆動IC1とを電気的に接続することについても図示しているが、従来技術と同様であるので、かかる構成を実現するFPCの製造工程の説明は省略する。
図4は、FPCの製造方法を経時的に示すフローチャート、図5は、FPCの製造工程を説明するための工程図である。なお、図2では、カバーレイ5aに穴が設けられ、その穴に半田2a,2b,2cが流し込まれ、これらの半田を介して、銅箔パターン4aと駆動IC1とを電気的に接続することについても図示しているが、従来技術と同様であるので、かかる構成を実現するFPCの製造工程の説明は省略する。
図4(a)において、まず、接着剤層を介して、銅箔パターン4a,4bの基礎材料となる導電性金属箔がベース3に貼り付けられる(ステップS21)。
次いで、スクリーン印刷法やフォトレジスト法によって回路用のレジストパターンが形成される(ステップS22)。フォトレジスト法についてより具体的に説明すると、感光性塗料がフォトレジストとして被加工材料たる導電性金属箔の表面に均一に塗布され、銅箔パターン4a,4bを形成するためのエッチングパターンがプリントされたマスク(フォトマスク)を用いることによって、このフォトレジスト上に露光、現像、乾燥ベーキングといった処理が順次施される。なお、フォトレジストは、感光した部分が現像液に対して不溶となるネガ型と、現像液に対して可溶となるポジ型とがある。従って、ネガ型レジストに対しては負の像をもったフォトマスク、ポジ型レジストに対しては正の像をもったフォトマスクを用いる。
次いで、銅箔パターン4a,4bを形成するための回路用エッチング処理が行われる(ステップS23)。より具体的には、ステップS22のマスキング工程によって形成されたレジストパターンをエッチング液(エッチャント)に浸漬し、レジストで被覆されていない部分を徐々に溶解除去する。エッチャントとしては、例えば、水酸化カリウムや水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ系の化学物質を挙げることができる。
なお、本発明の実施の形態では、化学溶液中に材料を浸して被加工部分を溶解させるウェットエッチング方式を採用したが、本発明はこれに限られず、例えば反応性ガスプラズマ或いは反応性イオンを用いて被加工部分を気化して取り除くドライエッチング等を採用してもよく、エッチング処理の種類の如何は問わない。
次いで、後処理として不要な回路用レジストが除去される(ステップS24)。これにより、銅箔パターン4a,4bが完成することとなる(図5(a))。
次いで、接着剤層を介してカバーレイ5a,5bが銅箔パターン4a,4bに貼り付けられる(ステップS25、図5(b))。この際、必要に応じてめっきや穴打ち抜き等が施される。なお、本発明の実施の形態では、絶縁パターンとしてカバーレイ5a,5bを採用したが、本発明はこれに限られず、例えばカバーコートを採用することも可能である。かかる場合には、カバーコートインクを予め用意しておき、これを銅箔パターン4a,4b上にスクリーン印刷で塗布することによって、カバーコートを貼り付けることができる。
次いで、放熱効果処理が行われる(ステップS26)。本処理は、銅箔パターン4b及びカバーレイ5bの所定部分(図2では駆動IC1の下方)をエッチングで取り除くことによって放熱穴(空隙領域)9を形成し、駆動IC1で発生した熱を金属フレーム7に逃し放熱効果を向上させることを目的とするものである(図5(c)→(d))。詳細については後述する
次いで、ステップS26におけるエッチング箇所に対応して予め穴があけられた補強板6をカバーレイ5bに貼り付ける(ステップS27、図5(e))。これにより、本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置に備えられたFPCが完成する。
最後に、ステップS26によって銅箔パターン4b及びカバーレイ5bの所定部分に形成された放熱穴(空隙領域)9に、金属フレーム7の凸部を挿着する(ステップS28、図5(f))。なお、この金属フレーム7の凸部は、放熱手段の一例に相当する。
以上説明したように、ステップS27までの製造工程により製造されたFPCと、ステップS28においてFPCに挿着された金属フレーム7と、によれば、駆動ICで発生した熱を積極的に金属フレーム7に逃がすことができ、ひいては放熱効果の向上を図ることができる。
[放熱効果処理]
図4(b)は、FPCの製造工程の一部である放熱効果処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
図4(b)は、FPCの製造工程の一部である放熱効果処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
図4(b)において、まず、ステップS25によって貼り付けられたカバーレイ5bの表面に、スクリーン印刷法或いはフォトレジスト法によって放熱用のレジストパターンが形成される(ステップS261)。より具体的には、まず、感光性塗料がフォトレジストとしてカバーレイ5bの表面に均一に塗布され、駆動IC1の下方に空隙部分を形成するためのエッチングパターンがプリントされたフォトマスクを用いて、このフォトレジスト上に露光、現像、乾燥ベーキングといった処理が順次施される。なお、ここでいうエッチングパターンは、例えば駆動IC1の下方を中心として適当な面積形状を有するものであるが、その面積形状の如何は問わない。例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、駆動IC1と同形同大、など、如何なる面積形状であっても構わない。
次いで、駆動ICの下方に空隙領域9を形成するための放熱用エッチング処理が行われる(ステップS262)。ここでいう放熱用エッチング処理とは、上述したステップS23における回路用エッチング処理と同様の処理である。但し、エッチングする対象材料が複数である点が回路用エッチング処理と異なる。すなわち、放熱用エッチング処理は、ステップS24により完成した銅箔パターン4bと、ステップS25で貼り付けられたカバーレイ5bと、からなる2つの積層構造がそのエッチング対象となる。従って、その点を考慮し、ステップS23において用いたエッチャントよりも溶解性の高いエッチャントを用いて本処理を行うことが好ましい。
次いで、後処理として不要な放熱用レジストが除去される(ステップS263)。これにより、銅箔パターン4b及びカバーレイ5bの所定部分に空隙領域9が形成される。以上の処理を実行した後に、本サブルーチンを終了する
[他の例]
図6は、本発明の他の実施の形態に係る光ヘッド装置に備えられたFPCの横からの切断断面図である。なお図中の符号のうち図2と同じものは、図2における意味と同じ意味をなす。
図6は、本発明の他の実施の形態に係る光ヘッド装置に備えられたFPCの横からの切断断面図である。なお図中の符号のうち図2と同じものは、図2における意味と同じ意味をなす。
図2との差異点として、図6では、銅箔パターン4bとカバーレイ5bとの積層構造が離間することで形成された放熱穴(空隙領域)9に放熱部材8を介装し、この放熱部材8の下面が金属フレーム7と接触するような構成となっている。これにより、駆動IC1で発生した熱は、この放熱部材8を介して金属フレーム7に逃れることとなり、ひいては放熱効果を向上させることができる。なお、放熱部材としては、銅等の放熱効率のより高い部材(Al−SiC複合材料等)を用いることが好ましい。
本発明に係る光ヘッド装置は、駆動ICで発生する熱を積極的に放出することで、駆動ICの誤動作等、様々な悪影響を回避することが可能な装置として有用である。
1 駆動IC
2a,2b,2c 半田
3 ベース
4a,4b 銅箔パターン
5a,5b カバーレイ
6 補強板
7 金属フレーム
8 放熱部材
9 放熱穴(空隙領域)
10 光ヘッド装置
2a,2b,2c 半田
3 ベース
4a,4b 銅箔パターン
5a,5b カバーレイ
6 補強板
7 金属フレーム
8 放熱部材
9 放熱穴(空隙領域)
10 光ヘッド装置
Claims (6)
- レーザ光を駆動する駆動ICと、該駆動ICを表面に実装するFPCと、該FPCを固定するフレームと、を備えた光ヘッド装置において、
前記FPCの裏面に、前記駆動ICの熱を放熱する放熱穴と、前記放熱穴に挿入され、前記FPCのベースと接触する放熱手段と、を設けたことを特徴とする光ヘッド装置。 - 前記フレームは凸形状を有しており、前記放熱手段は、前記フレームが有する凸部であることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド装置。
- 前記放熱手段は、前記フレームと前記FPCのベースとの双方に接触する放熱部材であることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド装置。
- 駆動ICを実装するFPCの裏面に、該駆動ICの熱を放熱する放熱穴と、前記放熱穴に挿入され、前記FPCのベースと接触する放熱手段と、を設けたことを特徴とする実装用FPC。
- レーザ光を駆動する駆動ICと、前記駆動ICを表面に実装するFPCと、前記FPCを固定するフレームと、を備え、
前記FPCの裏面に前記フレームを設けて、前記フレームと前記駆動ICとの距離を短くすることによって、前記駆動ICの熱を効果的に放出する放熱方法。 - FPCの両面に導電性材料及び絶縁性材料の積層構造を形成し、
この積層構造が形成されたFPCの片面において、前記導電性材料及び絶縁性材料を部分的に除去して、放熱穴を形成し、
FPCのベースと接触する放熱手段をこの放熱穴に挿入することを特徴とするFPCの製造方法。
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-
2003
- 2003-10-02 JP JP2003344050A patent/JP2005108387A/ja active Pending
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