JP2005107416A - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表示特性に優れたものを低コストの下に製造すること可能なマルチドメイン方式の液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 マルチドメイン方式の液晶表示装置であって、表示用液晶パネルを構成する2枚の基板のうちの一方の基板31の対向面に電極33を形成し、該電極33上に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に沿って配向させると共に絶縁性を有する第1配向膜43を形成し、他方の基板1の対向面に電極7を形成し、該電極7上に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に沿って配向させるシランカップリング剤の第2配向膜9を形成し、該第2配向膜9のうちで画素に対応する個々の領域内に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に対して傾斜して配向させる傾斜配向規制領域を形成したことにより、前記課題を解決した。
【選択図】 図1
















Description

本発明は、液晶表示装置及びその製造方法に関し、特に、マルチドメイン方式の液晶表示装置及びその製造方法に関するものである。
液晶表示装置は、薄型化や低電圧駆動が容易なフラットパネルディスプレイの1つであり、今日では、構造や動作モード等が異なる種々の液晶表示装置が開発されている。
代表的な液晶表示装置としては、ノーマリホワイトモードのTN(ツイステッドネマティック)型液晶表示装置が広く知られている。TN型液晶表示装置の製造技術は格段の進歩を遂げており、アクティブマトリックス駆動タイプのTN型液晶表示装置では、正面視したときのコントラストや色再現性等の点でCRT(ブラウン管)を凌駕するまでに至っている。しかしながら、TN型液晶表示装置には視野角が狭い(視角依存特性が大きい)という大きな欠点がある。
近年では、視角依存特性が小さい液晶表示装置として、IPS(In-Plane-Switching)型液晶表示装置及びマルチドメイン方式の垂直配向型液晶表示装置が開発され、それぞれ、パーソナルコンピュータ用の表示装置や液晶テレビ等として実用化されている。
ただし、IPS型液晶表示装置は応答速度の向上や高精細化を図り難く、また、光学的特性のセル厚依存性が高いことから生産性を高め難い。一方、垂直配向型液晶表示装置は、液晶分子の複屈折性を利用したノーマリーブラックモードの液晶表示装置であり、TN型液晶表示装置に比べて表示のコントラストを高くし易く、黒レベル応答速度も速くし易いといった利点を有していることから、今日ではIPS型液晶表示装置よりも注目されている。
ここで、マルチドメイン方式の液晶表示装置とは、周知のように、個々の画素領域に平面視上含まれている多数の液晶分子が少なくとも中間調表示時に配向分割するように、換言すれば、平面視上の配向方向が互いに異なる複数の領域に分かれるように構成された液晶表示装置のことである。
配向膜にラビング処理を施して配向膜を作製する場合には、配向膜表面のうちで画素に対応する領域それぞれに、ラビング方向が異なる複数の微細領域を形成することによって、マルチドメイン方式の液晶表示装置に適用可能な配向膜を得ることができる。しかしながら、この場合には複数のマスクが必要であり、更には、ラビング処理で生じた塵埃を除去するための洗浄工程が必要となる。
配向膜を作製するにあたってラビング処理が不要なマルチドメイン方式の垂直配向型液晶表示装置として、例えば特許文献1には、対向電極の所定箇所、すなわち画素電極の中央部と向き合う箇所に開口部を設け、これによって、液晶分子を2方向又は4方向に配向分割する液晶表示装置が記載されている。
また、特許文献2には、特定形状の構造物、すなわち、鋸歯状の連続した凹凸構造面を有し、その凹凸構造面が、画素中央部が高く画素端部に向かって低くなるような構造単位からなるか、若しくは、画素端部が高く画素中央部に向かって低くなるような構造単位からなる構造物を配向膜として設けた垂直配向型液晶表示装置が記載されている。この垂直配向型液晶表示装置では、前記構造物の存在によって傾斜方向が異なる複数の傾斜面が各画素領域中の配向膜全体に形成され、傾斜面上の液晶分子の配向方向が当該傾斜面の傾斜方向によって規制されることから、各画素領域において液晶分子が複数方向に配向分割される。
特許文献3には、1画素あたり複数の凸部又は凹部が形成された構造物(膜)を電極上に設け、その上にラビング処理が不要な垂直配向膜を形成した垂直配向型液晶表示装置が記載されている。この垂直配向型液晶表示装置でも、前記特許文献2に記載された垂直配向型液晶表示装置と同様に、構造物の存在によって、傾斜方向が異なる複数の傾斜面が各画素領域中の配向膜全体に形成され、傾斜面上の液晶分子の配向方向が当該傾斜面の傾斜方向によって規制されることから、各画素領域において液晶分子が複数方向に配向分割される。また、特許文献3には、上述の構造物を設けることに加えて、対向電極の所定箇所にスリットを設けて、前述した特許文献1に記載されている垂直配向型液晶表示装置と同様に電圧印加時に電界が傾斜した部分を生じさせてもよい旨も記載されている。
特開平6−301036号公報 特開平7−199193号公報 特開平11−242225号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている垂直配向型液晶表示装置には、応答速度が比較的遅いという問題があり、特に、各液晶分子の配向が電圧を印加していない状態から印加した状態に変化するときの応答速度が遅いという問題がある。
特許文献2に記載されている垂直配向型液晶表示装置では、個々の画素に形成されている前述の傾斜面が当該画素の全体に亘っており、電圧を印加しないときには傾斜面上の液晶が全て当該傾斜面に沿って配向することから、完全な黒表示を得ることができずにコントラストが低下するという問題がある。
また、特許文献2に記載されている垂直配向型液晶表示装置において液晶分子の配向方向を十分に規制するためには、前述の傾斜面を急峻にすることが必要であり、そのためには前述した構造物を厚肉にすることが必要となることから、他の問題も生じる。すなわち、特許文献2では前記構造物の材料としてレジストが挙げられているが、レジストは誘電体であるため、誘電体製の構造物を厚肉にすると液晶表示装置の動作中に当該構造物中に電荷が蓄積され、その結果として、構造物に蓄積された電荷のために電極間に電圧を印加しても液晶分子の配向方向が変化しないという現象、いわゆる焼き付きといわれる現象が生じ易くなる。
更に、特許文献2に記載されている上述の構造物を形成するためには、レジスト塗布、プレベーク、露光、現像、ポストベークという工程を付加しなければならず、製造コストを上昇させる要因になる。
これら焼き付き現象の発生及び製造コストの上昇は、前述した構造物(膜)を使用する特許文献3記載の垂直配向型液晶表示装置においても問題となる。特許文献3には、前述の構造物に微細な孔を多数形成することによって焼き付き現象の発生を抑制し得ることが記載されているが、このような微細孔の形成は製造コストの更なる上昇をまねく。
本発明の第1の目的は、表示特性に優れたものを低コストの下に製造すること可能なマルチドメイン方式の液晶表示装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、表示特性に優れた液晶表示装置を低コストの下に製造することを可能にする液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
基板界面の濡れ性(表面エネルギー)と液晶分子の配向状態については、式Δγ=γS−γLで表される関係が見出されている(L.T.Creagh and A.R.Kmetz:SID1972、 International Symposium. Digest、 P.90(1972))。ここで、式中のγS は固体の臨界表面エネルギーを、γL は液体の表面自由エネルギーをそれぞれ表し、液晶分子はΔγ>0のとき垂直配向となり、Δγ<0のとき水平配向となる。したがって、例えばネガ型液晶は、配向膜表面が疎水性である場合には垂直配向し、親水性である場合には水平配向する。
本件発明者らは、この知見に基づいて、配向膜表面に疎水性領域と親水性領域とを形成することによってマルチドメイン方式の液晶表示装置を作製するという着想を得、本発明を完成するに至った。
前記第1の目的を達成する本発明の液晶表示装置は、マルチドメイン方式の液晶表示装置であって、表示用液晶パネルを構成する2枚の基板のうちの一方の基板の対向面に電極を形成し、該電極上に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に沿って配向させると共に絶縁性を有する第1配向膜を形成し、他方の基板の対向面に電極を形成し、該電極上に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に沿って配向させるシランカップリング剤の第2配向膜を形成し、該第2配向膜のうちで画素に対応する個々の領域内に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に対して傾斜して配向させる傾斜配向規制領域を形成したことを特徴とする。
この発明によれば、第2配向膜のうちで画素に対応する個々の領域内に傾斜配向規制領域を形成したので、電源をオンしたとき(電圧を印加したとき)、傾斜配向規制領域上の液晶分子が第2配向膜上の液晶分子より先に傾斜する。このとき、傾斜配向規制領域上の液晶分子は、第2配向膜と傾斜配向規制領域との境界に沿って傾斜し、この傾斜配向規制領域上の液晶分子を起点として第2配向膜上の液晶分子が傾斜する。そのため、電圧オン時における応答を速くすることができる。しかし、基板との密着や撥水性が高く、入手が容易な材料であるシランカップリング剤の配向膜は、単層膜に近いため、2つの配向膜の両方がシランカップリング剤の配向膜であると、液晶パネル内に異物などが混入した場合、2枚の基板がショートし、正常に電圧が印加されず、表示不良を起こすことが考えられるが、本発明では、第1配向膜が絶縁性を有するので、液晶セル内に異物などが混入したとしても2枚の基板がショートすることがない。また、傾斜配向規制領域が形成された第2配向膜は、シランカップリング剤の配向膜の表面に親水化処理を施すことによって得ることができるので、低コストの下に比較的容易に製造することができる。また、配向膜を特段厚くする必要もないので、焼き付き現象の発生を容易に抑制することができる。
本発明の液晶表示装置において、(a)前記シランカップリング剤が、非フッ素系シランカップリング剤であること、(b)前記第2配向膜が、表面にアルキル側鎖を有するシリコーン膜であること、(c)前記アルキル側鎖が、CH(CH)m(mは7、9、11又は17を表す)で表されるものであること、(d)前記第1配向膜が、ポリイミド高分子膜であること、(e)前記配向膜が疎水性領域であり、前記傾斜配向規制領域が親水性領域であること、が好ましい。
前記第2の目的を達成する本発明の液晶表示装置の製造方法は、表示用液晶パネルを構成する2枚の基板のうちの一方の基板の対向面に電極を形成し、該電極上に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に沿って配向させると共に絶縁性を有する第1配向膜を形成し、他方の基板の対向面に電極を形成し、該電極上に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に沿って配向させるシランカップリング剤の第2配向膜を形成し、該第2配向膜のうちで画素に対応する個々の領域内に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に対して傾斜して配向させる傾斜配向規制領域を形成した液晶表示装置の製造方法であって、前記他方の基板の対向面に、親水化処理可能なシランカップリング剤の第2配向膜を形成する工程、及び、該第2配向膜の一部を親水化処理して傾斜配向規制領域を形成する工程を含むことを特徴とする。
この発明によれば、他方の基板の対向面にシランカップリング剤の第2配向膜を形成し、かつ、この第2配向膜の表面に選択的に親水化処理を施すという比較的容易な方法によって本発明の液晶表示装置を得ることができる。その結果、液晶表示装置を効率的に製造することができ、歩留まりの低下を防止することができると共に、コストダウンに寄与することができる。
本発明の液晶表示装置の製造方法において、前記親水化処理が光触媒層を有するマスクを用いた露光処理により行われること、前記配向膜に光触媒を含有させること、が好ましい。
以上説明したように、本発明の液晶表示装置によれば、シランカップリング剤の配向膜は、単層膜に近いため、2つの配向膜の両方がシランカップリング剤の配向膜であると、液晶パネル内に異物などが混入した場合、2枚の基板がショートし、正常に電圧が印加されず、表示不良を起こすことが考えられるが、本発明では、第1配向膜が絶縁性を有するので、液晶パネル内に異物などが混入したとしても2枚の基板がショートすることがない。また、傾斜配向規制領域が形成された第2配向膜は、シランカップリング剤によって形成された配向膜の表面に親水化処理を施すことによって得ることができるので、低コストの下に比較的容易に製造することができる。また、配向膜を特段厚くする必要もないので、焼き付き現象の発生を容易に抑制することができる。
本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、露光処理によって前記の傾斜配向規制領域を形成することができるので、製造コストを抑え易くなる。
最初に、本発明の特徴についてさらに詳しく説明する。
本発明の特徴は、シランカップリング剤の配向膜が形成され、この配向膜の表面のうちで画素に対応する個々の領域内の一部に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に対して傾斜して配向させる傾斜配向規制領域が形成されていることにある。本発明をこのように構成した理由は、VA方式の液晶表示装置の配向膜の材料として、垂直配向用ポリイミド゛が使われるのが一般的であるが、シランカップリング剤、界面活性剤、なども用いることができる。中でも、シランカップリング剤は、基板との密着や撥水性が高い材料が多く入手できる材料系であるからである。すなわち、シランカップリング剤の配向膜は、シランカップリング剤の側鎖が基板法線方向に無数に配置されることで、各液晶分子が、その縦方向の溝に刺さるように配列されるので、垂直配向をとる。
シランカップリング剤の配向膜は、絶縁膜としての機能を有せず単層膜に近いため、2つの配向膜の両方がシランカップリング剤の配向膜であると、液晶セル内に異物などが混入した場合、2枚の基板がショートし、正常に電圧が印加されず、表示不良を起こすことが推察される。
すなわち、シランカップリング剤、特にフッ素系シランカップリング剤は、表面エネルギーが低く(通常、15〜200mN/m)、したがって、疎水性が極めて強い。このため、液晶の垂直配向能は極めて高く、フッ素の強い電気陰性度から、極性が強い膜であることが推察される。一般に液晶用の配向膜は、プラスもしくはマイナスの固有の表面極性を持っているといわれている(J.Dijion, Ferroelectrics, 85, 47(1988))。これによると、ポリイミド樹脂の配向膜は、基板表面がややマイナスになる膜であるが、フッ素含む基があった場合、表面のマイナス帯電が増長されると考えられる。このため、配向膜として用いた場合、対向電極との極性の均衡が取れない場合、イオン性不純物による電荷の偏りが発生し、表示不良の一因になってしまうことが懸念される。また、シランカップリング剤の配向膜は、単層膜に近いため、2つの配向膜の両方がシランカップリング剤の配向膜であると、液晶セル内に異物などが混入した場合、2枚の基板がショートし、正常に電圧が印加されず、表示不良を起こすことが推察される。
本発明では、一方の基板の配向膜に絶縁性を有する第1配向膜を用いると共に、他方の配向膜にシランカップリング剤の第2配向膜を用いることにより、液晶セル内に異物などが混入したとしても2枚の基板がショートすることがない。
また、垂直配向膜は、通常、アルキル側鎖を有するポリイミド膜が用いられ、特にプレチルト角制御に有効に作用することがしばしば報告されている(D.S.Soe et al,. Mol. Cryst.Liq. Crystl. 231, 95(1993))。また、アルキル側鎖部位は、ほぼ無極性のため、イオン性不純物などを吸着しにくい特徴を持っている。このため、電気的偏りを液晶層内に起こしにくいため、VAモード液晶に用いられる。しかし、ポリイミド骨格にあるアルキル側鎖は、結合が強く、細かい親疎水パターニング処理が難しく、再現性がとり難い。
本発明では、シランカップリング剤の第2配向膜に傾斜配向規制領域を形成することにより、容易に親水疎水のパターンを形成することができる。
したがって、一方の基板の配向膜に絶縁性を有する第1配向膜を用いると共に、他方の基板の配向膜に親水疎水のパターンを有するシランカップリング剤の第2配向膜を用いることによって、簡単な工程で、ショートや液晶層内に電荷の偏りを生じさせない、配向分割型液晶表示装置を得ることができる。
なお、本発明の液晶表示装置において、ネガ型液晶を用いて縦電界型の表示用液晶表示パネルを製造した場合、上下(2枚)の基板間に電圧が印加されていない状態下では、個々の画素領域における第2配向膜の疎水性領域上の液晶分子(表示用液晶パネルを平面視したときに疎水性領域と完全に重なる液晶分子を意味する。以下同じ。)は垂直配向しようとし、第2配向膜の傾斜配向規制領域である親水性領域上の液晶分子(表示用液晶パネルを平面視したときに親水性領域と完全に重なる液晶分子を意味する。以下同じ。)は傾斜配向又は水平配向しようとする。しかしながら、液晶は弾性体であり、局所的な配向歪みは内部エネルギーを増大させる要因となる。このため、局所的に配向歪みが生じた場合には、歪みを是正して安定を保とうとする。その結果として、前記の疎水性領域及び傾斜配向規制領域である親水性領域のいずれか一方が他方に比べて十分に小さければ、大きい方の領域の作用が支配的になって、液晶分子は略一様に配向する。すなわち、個々の画素領域において疎水性領域を親水性領域(傾斜配向規制領域のこと。以下同じ。)に比べて十分に大きくすることにより、電圧を印加しないときには液晶分子が略一様に垂直配向した、換言すれば黒表示が良好で表示のコントラストが高い垂直配向型表示用液晶パネルを得ることができる。
また、この表示用液晶パネルでは、傾斜配向規制領域上の液晶分子が傾斜配向又は水平配向し易い状態にあるので、上下の基板間に電圧が印加されたときには傾斜配向規制領域上の液晶分子が先ず傾斜配向する。そして、当該傾斜配向に伴う液晶の変形が疎水性領域上の液晶にも伝播するので、電圧印加と相俟って、全ての液晶分子を比較的短時間で、疎水性領域内の液晶分子のダイレクタを、傾斜配向規制領域に沿って傾斜配向させることが可能である。
次に、本発明の液晶表示装置について、図面を参照しつつ説明する。
1.液晶表示装置
(第1形態)
図1は、本発明に係る第1形態の液晶表示装置の断面構造を概略的に示す部分断面図である。図1に示すように、液晶表示装置300は、表示用液晶パネル200と、この表示用液晶パネル200の背面側に設置されたバックライト部250とを備えたマルチドメイン方式の垂直配向型液晶表示装置である。
表示用液晶パネル200は、第1液晶配向用基板50と第2液晶配向用基板10とを有するものである。
第1液晶配向用基板50と第2液晶配向用基板10とは、互いに間隔をあけた状態でシール材(熱硬化性樹脂)205によって貼り合わされている。これらの液晶配向用基板10、50同士の間隔(セルギャップ)は、第1液晶配向用基板50の配向膜43上に予め散布された球状スペーサー210によって一定に保たれており、両者の間の空隙には負の誘電率異方性を有する液晶(ネガ型液晶;例えばメルク社製のMLC−6608、MLC−2037、MLC−2038等)215が充填されている。
また、第2液晶配向用基板10の外側面上には、板状又はフィルム状の第1の偏光素子220が設けられ、第2液晶配向用基板50の外側面上には、板状又はフィルム状の第2の偏光素子225が設けられている。これらの偏光素子220、225は、互いに直交ニコルの関係にある。
背面側基板となる第1液晶配向用基板50は、例えば、図2に示すように、透光性基板31、透明電極パターン33、走査線35、信号線37、スイッチング回路部39及び第1配向膜43を有している。
透光性基板31の片面に透明電極パターン33、走査線35、信号線37、及びスイッチング回路部39が形成され、これらを覆うようにして保護膜(パッシベーション膜)41が、また、当該保護膜41(及び画素電極33a)を覆うようにして第1配向膜43が、それぞれ形成されている。走査線35と信号線37とは、層間絶縁膜32によって電気的に分離されている。透明電極パターン33は、層間絶縁膜32上に形成されている。なお、図2(a)においては、透明電極パターン33、走査線35、信号線37及びスイッチング回路部39の配置を判り易くするために、層間絶縁膜32、保護膜41及び第1配向膜43の図示を省略している。
透光性基板31は、例えばガラスや石英等によって形成され、層間絶縁膜32は、例えばシリコン酸化物等の電気絶縁性物質によって形成される。
透明電極パターン33は、マトリックス状に配置された多数の画素電極33aによって構成されており、個々の画素電極33aの平面視上の形状は、例えば四角形や五角形等の多角形である。画素電極33aは、それぞれ、長方形を呈している。
走査線35は、マトリックス状に配置された多数の画素電極33aの1つの列に1本ずつ対応するようにして配置されて前記列の長手方向に延び、信号線37は、マトリックス状に配置された多数の画素電極33aの1つの行に1本ずつ対応するようにして配置されて前記行の長手方向に延びている。これらの走査線35及び信号線37は、例えばタンタル(Ta)、チタン(Ti)等の金属によって形成される。なお、各走査線35は、透光性基板31の表面上に形成され、層間絶縁膜32によって覆われている。
スイッチング回路部39は、1つの画素電極33aに1つずつ対応して配置されており、当該スイッチング回路部39が対応している画素電極33a並びに当該画素電極33aに対応している走査線35及び信号線37と電気的に接続されている。そして、走査線35から信号の供給を受けて、信号線37と画素電極33aとの導通を制御する。各スイッチング回路部39は、例えば1個のアクティブ素子を用いて構成される。前記アクティブ素子としては、例えば薄膜トランジスタ等の3端子型素子やMIM(Metal Insulator Metal)ダイオード等の2端子型素子が用いられる。
保護膜41は、例えばシリコン窒化物等によって形成されて、その下の部材を保護する。
第1配向膜43は、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に沿って配向させると共に絶縁性を有するものであり、臨界表面エネルギーが34mN/m以下であることが好ましい。
第1配向膜43の材料としては、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に沿って配向させると共に絶縁性を有するものであればどのようなものでもよく、例えば、垂直配向膜形成用のポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリル、ナイロン6、6等が挙げられ、好ましくは垂直配向膜形成用のポリイミド樹脂である。垂直配向膜形成用のポリイミド樹脂としては、垂直配向用のポリイミド樹脂である日産化学製のSE−1211、SE−7511L等の市販の感光性樹脂等が挙げられる。
第1配向膜43の厚さについては特に限定されないが、例えば10nm〜100nmであることが好ましい。第1配向膜43は、配向膜形成用の材料を基板の全面にスピンコート等の塗布手段や各種の印刷手段で塗布されて形成される。
表示面側基板となる第2液晶配向用基板10は、例えば、図3に示すように、透光性基板1、カラーフィルターアレイ3、遮光層(ブラックマトリクス)5、透明電極パターン7、第2配向膜9を有している。
透光性基板1の片面にカラーフィルターアレイ3と遮光層5とが形成され、これらを覆うようにして透明電極パターン7が、また、当該透明電極パターン7を覆うようにして第2配向膜9が、それぞれ形成されている。なお、図3(a)においては、カラーフィルターアレイ3及び遮光層5の配置を判り易くするために、透明電極パターン7及び第2配向膜9の図示を省略している。
透光性基板1は、例えばガラスや透明プラスチック等によって形成されている。カラーフィルターアレイ3は、所望色のカラーフィルターを一定のパターンの下に多数配置することによって形成される。個々のカラーフィルターは、例えば染料又は顔料を含有若しくは分散させた樹脂(カラーレジン)によって形成することができる。
第2液晶配向用基板10では、赤色のカラーレジンによって形成された赤色カラーフィルター3Rと、緑色のカラーレジンによって形成された緑色カラーフィルター3Gと、青色のカラーレジンによって形成された青色カラーフィルター3Bとをストライプ状に配置することによって、カラーフィルターアレイ3が形成されている。個々のカラーフィルター3R、3G、3Bが、それぞれ、1つの画素に対応する。1つの赤色カラーフィルター3Rと、その隣の緑色カラーフィルター3Gと、その隣の青色カラーフィルター3Bとが、1つの絵素を構成する。
遮光層5は、表示用液晶パネルにおける画素間からの光の漏れ(漏れ光)や、アクティブマトリックス駆動方式の表示用液晶パネルにおけるアクティブ素子の光劣化等を防止するために、カラーフィルターアレイ3を構成している各カラーフィルター3R、3G、3Bの周囲に配置される。この遮光層5は、例えば、金属クロム薄膜やタングステン薄膜等、遮光性又は光吸収性を有する金属薄膜によって形成することができる。有機材料によって遮光層5を形成することも可能である。図示の遮光層5は、アクティブ素子の光劣化等を防止するための領域5aを多数有している。
透明電極パターン7は、表示用液晶パネルにおいて縦電界を形成するための電極であり、例えば酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の透明電極材料によって形成される。図示の透明電極パターン7は、表示用液晶パネルにおいて共通電極(コモン電極)として使用されるものであり、その平面視上の形状は四角形である。
第2配向膜9は、表示用液晶パネルにおいて液晶分子の配向方向を制御するためのものであり、表面にアルキル側鎖を有するシリコーン膜であることが好ましい。アルキル側鎖としては、CH(CH)m(mは7以上の整数、好ましくは7、9、11又は17を表す)であることが好ましい。
第2配向膜9の材料としては、シランカップリング剤が使用され、図3に示すように、表面を親水化処理することが可能なものであり、特に長い側鎖を有するシランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤としては、非フッ素系シランカップリング剤が好ましく、例えば、アルキルシランCH(CHSi(OCH)、CH(CHSi(OCH)、CH(CH11Si(OCH)、CH(CH17Si(OCH)等が挙げられる。これらシランカップリング剤を用いて、電極7上に電極7を覆うようにスピンコート等の塗布手段や各種の印刷手段により第2配向膜9が形成される。
第2配向膜9の膜厚は、特に限定されないが、例えば1nm〜5nmであることが好ましい。
必要に応じて、平均粒径が5〜20μm程度の酸化チタン(アナターゼ型)粒子や酸化亜鉛粒子等の光触媒を、第2配向膜9中に20〜40重量%の割合で含有させることができる。
本形態の第2液晶配向用基板10の特徴は、第2配向膜9の表面のうちで画素に対応する個々の領域内に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に対して傾斜して配向させる傾斜配向規制領域が形成されていることにある。以下、この点について図4及び図10を参照しつつ詳述する。なお、ダイレクタとは、液晶分子の平均的配向方向を表す単位ベクトルのことである。
図4及び図10には、上述した第2配向膜の表面に形成されている傾斜配向規制領域のうち、1つの絵素を構成しているカラーフィルター3R、3G、3B及びその周囲の遮光層5それぞれの上方において、特定形状の傾斜配向規制領域52、55が示されている。
第2配向膜9の表面のうちで画素に対応する個々の領域内に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に対して傾斜して配向させる、傾斜配向規制領域52、55が形成されている。すなわち、第2配向膜9の一部に傾斜配向規制領域52、55を形成すると共に、その傾斜配向規制領域52、55を形成しなかった第2配向膜9(配向膜の残り)を疎水性領域53、56として形成した。
傾斜配向規制領域52、55は、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に対して傾斜して配向させることができるものならばどのように構成してもよく、例えば疎水性の配向膜を親水化処理することによって得られた図6に示すような側鎖を有する親水性領域等である。このとき、傾斜配向規制領域52、55である親水性領域の臨界表面自由エネルギーは、概ね40mN/m以上である。
このように、傾斜配向規制領域52、55を形成することにより、傾斜配向規制領域52、55上の液晶分子は基板法線方向に対して傾斜して配向されるため、電源オン時(基板間に電圧が印加された時)に、傾斜配向規制領域52、55上の液晶分子が疎水性領域53、56上の液晶分子よりさきにさらに傾斜することとなる。また、傾斜配向規制領域52、55上の液晶分子は、疎水性領域53、56の液晶分子と密接しているため、基板法線方向に対して傾斜せずに平行に配向していることもある。この場合、電源オン時(基板間に電圧が印加された時)、傾斜配向規制領域52、55上の液晶分子が疎水性領域53、56上の液晶分子よりさきに傾斜することとなる。特に電源オン時においては、傾斜配向規制領域52、55である親水性領域の上の液晶分子は速やかに傾斜して倒れる。その結果、傾斜配向規制領域52、55上の液晶分子を起点として疎水性領域53、56上の他の液晶分子も一斉に傾斜するので、液晶の応答時間の短縮化を図れる。
傾斜配向規制領域52、55の形状は、特に限定されず、例えば、図4に示すように、ジグザグ状等に形成してもよいし、また、図10に示すように、平面視略二等辺三角形状に形成するようにしてもよい。傾斜配向規制領域52、55と疎水性領域53、56との境界(境界線)は、直線状に形成することが好ましい。
傾斜配向規制領域52を図4に示すように、ジグザグ状に形成する場合には、そのジグザグ形状は、特に限定されず、周期や屈曲角度が一定しない無秩序に屈曲するジグザグ形状でもよいが
、好ましくは、一定の周期で屈曲角度が略同じジグザグ形状であることがよい。
傾斜配向規制領域52のジグザグ状の屈曲部の角度θ(図7参照)は、液晶分子の種類や配向パターン、偏光板等に応じて任意に決められるが、例えば、90°であることが好ましい。
傾斜配向規制領域52のジグザグ状の屈曲部間の長さ(隣接する屈曲部の間隔)W3(図7参照)は、通常、200μm〜400μmであることが好ましく、特に好ましくは、290μm〜310μmである。傾斜配向規制領域52のジグザグ状の屈曲単位の長さW4(図7参照)は、通常、50μm〜150μmであることが好ましく、特に好ましくは、90μm〜110μmである。
傾斜配向規制領域52は、所定の間隔を隔てて複数形成されていることが好ましい。すなわち、傾斜配向規制領域52と疎水性領域53とが交互に配置されることが好ましい。
傾斜配向規制領域52の幅W1(図7参照)は、通常、液晶分子の種類や配向パターン、偏光板等に応じて任意に決められるが、例えば、配向のし易さの観点から10μm〜30μmであることが好ましい。傾斜配向規制領域52の間隔(疎水性領域53の幅)W2(図7参照)は、通常、液晶分子の種類や配向パターン、偏光板等に応じて任意に決められるが、例えば、配向のし易さの観点から20μm〜90μmであることが好ましい。このような範囲が好ましいのは、傾斜配向規制領域52が狭すぎる場合には液晶分子の配向のし易さが乏しくなる傾向となり、広すぎる場合には液晶分子が基板に垂直に配向しなくなる傾向となるからである。
このように、傾斜配向規制領域52をジグザグ状に形成することにより、電源オン時において傾斜配向規制領域52上の液晶分子が疎水性領域53上の液晶分子より先に傾斜する。このとき、傾斜配向規制領域52上の液晶分子は、疎水性領域53と傾斜配向規制領域52との境界に沿って傾斜し、この傾斜配向規制領域52上の液晶分子を起点として疎水性領域53上の疎水性領域53における液晶分子が傾斜するので、ジグザグを形成する2つの辺に沿った少なくとも2方向に配向制御されると考えられる(図8を参照)。
傾斜配向規制領域52は、例えば、画素毎に屈曲部が1つ又は2つ以上位置されるように位置決めされることが好ましい。特に好ましくは、傾斜配向規制領域52によって疎水性領域53上の液晶分子を配向制御する2つの傾斜領域が1つの画素領域内で略同じ割合になるように配置することが好ましい。
このように画素領域毎に対応して、傾斜配向規制領域52の屈曲部が1つ又は2つ以上位置されることにより、電源オン時において各画素領域は液晶分子のダイレクタを少なくとも2方向に配向制御することになる。さらに、この配向状態は、互いに連続であるので、配向膜との間(境界)にディスクリネーションが形成されることがなく、表示品位の低下が起こらない。
傾斜配向規制領域55を図10に示すように平面視略二等辺三角形状に形成する場合には、その略二等辺三角形状は、特に限定されないが、二等辺三角形の頂角に相当する部分は、底角に相当する部分よりも尖鋭である。この部分が、本発明でいう尖鋭部に相当する。
傾斜配向規制領域55は、個々のカラーフィルター3R、3G、3B上において規則性をもって形成されている。例えばカラーフィルター3R上においては、4本の仮想線L1、L2、L3、L4それぞれの両側に複数の傾斜配向規制領域55が一定のピッチで、かつ、二等辺三角形の底辺に相当する部分を仮想線側にして形成されており、1本の仮想線に対応する各傾斜配向規制領域55は、当該仮想線を対称軸として略線対称に配置されている。仮想線L2は仮想線L1に平行であり、仮想線L4は仮想線L3に平行である。また、仮想線L2と仮想線L3とは互いに垂直である。そして、仮想線L1、L2と仮想線L3、L4とは、全体として1つの対称軸、すなわち、カラーフィルター3Rの中心を通って当該カラーフィルター3Rを横断する対称軸Axを有している。この規則性は、カラーフィルター3R上のみならず、全てのカラーフィルター上での傾斜配向規制領域55の配置に当てはまる。
各傾斜配向規制領域55は、本形態の第2液晶配向用基板10を用いて作製された垂直配向型液晶表示装置によって中間調表示を行う際に、液晶分子の傾斜方向を決定するトリガの役割を果たすものである。個々の傾斜配向規制領域55の大きさが余りに小さいと上記トリガとしての役割を果たすことができなくなってしまう。
トリガとしての役割を果たすことができる傾斜配向規制領域55の大きさは、当該傾斜配向規制領域55の形状や疎水性領域56の材料等によって異なる。傾斜配向規制領域55の形状を略二等辺三角形とする場合、二等辺三角形の頂角に相当する部分を尖鋭部とし、かつ、二等辺三角形の底辺に相当する部分の幅を20μmとすることにより、上記トリガとしての役割を十分に果たすことが確認できている。上記の幅は概ね5〜20μmの範囲内で選択可能であると考えられる。
上記の垂直配向型液晶表示装置の各画素に電圧が印加されていないとき、傾斜配向規制領域55上の液晶分子は水平配向しようとし、疎水性領域56(親水性領域55周辺の配向膜表面を意味する。以下同じ。)上の液晶分子は垂直配向しようとする。しかしながら、液晶は弾性体であり、局所的に配向歪みが生じた場合には歪みを是正して安定を保とうとする。
この点を考慮すると、表示品位に優れた液晶表示装置を得るうえからは、仮想線L1、L2、L3又はL4に沿った方向での親水性領域55の配設ピッチを、上記幅の概ね100〜300%とすることが好ましく、概ね100〜250%とすることが更に好ましい。また、疎水性領域56の表面(配向面)に占める親水性領域55の総面積の割合を、少なくとも各カラーフィルター3R、3G、3B上においては、概ね50%以下にすることが好ましい。
前述したように、各傾斜配向規制領域55は、本形態の第2液晶配向用基板10を用いて作製された垂直配向型液晶表示装置によって中間調表示を行う際に、液晶分子の傾斜方向を決定するトリガの役割を果たすので、上記の垂直配向型液晶表示装置はマルチドメイン方式の液晶表示装置となる。この理由を、図11及び図12を用いて説明する。
図11は、上記の垂直配向型液晶表示装置の各画素に飽和電圧Vsat を印加したときの液晶分子の配向方状態を概略的に示す。図11に示すように、傾斜配向規制領域55上の液晶分子M1は、概ね、傾斜配向規制領域55の尖鋭部(二等辺三角形の頂角に相当する部分)Sから幅広部(二等辺三角形の底辺に相当する部分)へ向かう方向に配向する。また、傾斜配向規制領域55上の液晶分子M1は、もともと水平配向しようとしているので、電圧印加に伴って疎水性領域56上の液晶分子M2よりも先に傾斜配向し始め、傾斜配向規制領域55上の液晶分子M1の傾斜配向に伴う液晶の変形が疎水性領域56上の液晶にも伝播する。このため、疎水性領域56上の液晶分子M2も、傾斜配向規制領域55上の液晶分子M1の傾斜配向の方向と概ね同じ方向に配向する。
したがって、例えば図10に示した仮想線L1に対応する各傾斜配向規制領域55上の液晶分子M1と、仮想線L2に対応する各傾斜配向規制領域55上の液晶分子M1とは、中間調表示時には図12(a)に模式的に示すように傾斜配向することになる。また、図10に示した仮想線L1に対応する各傾斜配向規制領域55上の液晶分子M1と、仮想線L2に対応する各傾斜配向規制領域55上の液晶分子M1とは、中間調表示に図12(b)に模式的に示すように傾斜配向することになる。
これらの結果として、例えば図10に示したカラーフィルター3Rを含む画素においては、中間調表示時に液晶が4つのドメインに配向分割される。同様に、カラーフィルター3Gを含む画素及びカラーフィルター3Bを含む画素においても、中間調表示時には液晶が4つのドメインに配向分割される。本形態の第2液晶配向用基板10を用いて作製された垂直配向型液晶表示装置は、マルチドメイン方式の液晶表示装置となり、その視野角は広い。
このように本形態の第2液晶配向用基板10は、シランカップリング剤によって形成された膜の表面に複数の傾斜配向規制領域52、55を形成するという比較的簡単な手法によって第2配向膜9を形成するものであるので、製造コストを抑え易い。また、傾斜配向規制領域52、55の形状、大きさ、及び配置を適宜選定することによって、当該液晶配向用基板10を用いて作製された液晶表示装置での表示のコントラスト、応答速度及び視角特性を制御することができる。したがって、表示特性に優れたマルチドメイン方式の垂直配向型液晶表示装置を低コストの下に製造することが可能である。
したがって、上述した構成を有する本形態の液晶表示装置300は、既に説明した第1液晶配向用基板50と第2液晶配向用基板10を用いて作製された表示用液晶パネル200を備えているので、表示特性及び応答特性に優れたものを低コストの下に製造することが容易な液晶表示装置である。
(第2形態)
図13は、本発明に係る第2形態の液晶表示装置の断面構造を概略的に示す部分断面図である。図13に示すように、液晶表示装置500は、表示用液晶パネル400と、この表示用液晶パネル200の背面側に設置されたバックライト部250とを備えたマルチドメイン方式の垂直配向型液晶表示装置である。
表示用液晶パネル400は、表示面側の液晶配向用基板として、第3液晶配向用基板20が用いられているという点で、第1形態の液晶表示装置300と異なる。他の構成は液晶表示装置300と同様であるので、図13に示した部材のうちで既に説明したものについては、図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
第3液晶配向用基板20は、図14に示すように、透明電極パターン7上に第2配向膜9の他に複数の柱状スペーサー12が形成され、これらの柱状スペーサー12それぞれの表面が制御膜15によって覆われているという点で、第2液晶配向用基板10と構造上異なる。
第3液晶配向用基板20における他の構成は第2液晶配向用基板10の構成と同様であるので、図14に示した部材のうちで図3に示した部材と機能上共通するものには図3で用いた参照符号と同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
第3液晶配向用基板20に設けられている柱状スペーサー12の各々は、例えば感光性樹脂等の有機材料によって形成されたものであり、平面視したときに遮光層5と重なるようにして配置されている。これらのスペーサー12は、第3液晶配向用基板20と第1液晶配向用基板50とを用いて表示用液晶セルを作製したときに、セルギャップを一定に保つ役割を果たす。柱状スペーサー12の総数は、表示用液晶セル全体に亘ってセルギャップを一定に保つことができる範囲内で適宜選定可能であり、隣り合うカラーフィルター同士の間に必ず設けなければならないというものではない。
制御膜15は、液晶分子をスペーサー12の表面に沿って配列させるための膜であり、例えば親水性材料によって形成される。
このような構成を有する第3液晶配向用基板20は、ネガ型液晶を用いたアクティブマトリックス駆動方式の垂直配向型液晶表示装置において表示用液晶パネルの表示面側の基板として用いられるものである。そして、当該第3液晶配向用基板20は、既に説明した第2配向膜9を備えていることから、第2液晶配向用基板10と同様の技術的効果を奏する。
したがって、上述した構成を有する第2形態の液晶表示装置500は、既に説明した第1液晶配向用基板50、第3液晶配向用基板20を用いて作製された表示用液晶パネル400を備えているので、表示特性及び応答特性に優れたものを低コストの下に製造することが容易な液晶表示装置である。
なお、本形態の液晶表示装置300、500において、第1配向膜を背面側基板(第1液晶配向用基板)の配向膜として用いると共に、第2配向膜を表示面側基板(第2液晶配向用基板、第3液晶配向用基板)の配向膜として用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第1配向膜を表示面側基板の配向膜として用いると共に、第2配向膜を背面側基板の配向膜として用いるようにしてもよい。
また、本発明の液晶表示装置は、液晶分子を配向させる2つの配向膜の一方が第1配向膜であると共に他方が第2配向膜であればよく、他の構成は、液晶表示装置の駆動方式や表示形態(白黒表示、モノカラー表示、マルチカラー表示及びフルカラー表示のいずれであるか)等に応じて、適宜変更可能である。
また、配向膜における親水性領域の配置パターンも、得ようとする液晶表示装置における1画素あたりのドメイン数や、画素の平面視上の形状等に応じて適宜選定可能である。
例えば、図9に示すように、傾斜配向規制領域52を、ジグザグ形状と三角形状の2つを組合わせて形成するようにしてもよい。すなわち、傾斜配向規制領域52をジグザグ形状に形成すると共に、このジグザグ状の屈曲箇所を、三角形状の先端(尖鋭部)58、58で互いに連結するように形成するようにしてもよい。この屈曲部(尖鋭部で互いに連結するように形成した屈曲部)は、全ての屈曲部に形成するようにしてもよいし、1つおきの屈曲部に形成するようにしてもよい。1つおきの屈曲部に形成する場合には、隣接する傾斜配向規制領域52の屈曲部とは異なる位置に形成するようにすることが好ましい。このように、屈曲箇所を、尖鋭部58、58で互いに連結するように形成することで、電圧オン時に尖鋭部58を起点として傾斜配向するので、電圧に対して速やかに応答することになる。
また、得ようとする液晶表示装置における各画素の平面視上の形状が正方形又は正方形に近い形状である場合には、個々の画素毎に、図10に示した傾斜配向規制領域55と同様の形状を有する4つ又は8つの傾斜配向規制領域を放射状に配置することもできる。
この場合、放射状に配置する傾斜配向規制領域の数を多くすれば、更に多くのドメインを形成することが可能であるが、ドメインの数は多ければ多いほどよいというものではない。偏光板の偏光方向との関係で、液晶分子の傾斜配向の方位が偏光板の透過軸及び吸収軸それぞれの方位と重なると光の利用効率が低くなるという問題が生じる。
光の利用効率を高めるためには、傾斜配向規制領域の配置パターンをどのようなパターンにするかに拘わらず、偏光板の透過軸及び吸収軸と重ならないようにして、液晶分子の傾斜配向の主たる方位を1画素内で4方位以下にすることが好ましく、4方位の場合には、これらの方位が90°ずつ異なるようにすることが好ましい。
配向膜に形成する個々の傾斜配向規制領域の平面視上の形状は、尖鋭部を少なくとも1つ有する形状であればよく、例えば1対の尖鋭部を有する菱形状にすることもできるし、1つの尖鋭部を有する扇状とすることもできる。1つの傾斜配向規制領域にあまりの多くの尖鋭部があると、液晶分子の配向方向を当該傾斜配向規制領域によって規定することが困難になるので、1つの傾斜配向規制領域における尖鋭部の数は、1つ又は2つとすることが好ましい。
2.液晶表示装置の製造方法
本発明の液晶表示装置の製造方法は、上述した構成からなる液晶表示装置の製造方法であって、その特徴は、(i)例えば、表示面側基板となる第2液晶配向用基板の透光性基板上に、親水化処理可能なシランカップリング剤の第2配向膜を形成する工程(配向膜形成工程)、(ii)その第2配向膜の一部を親水化処理して、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に対して傾斜して配向させる傾斜配向規制領域を形成する工程(親水化処理工程)、を有することにある。なお、液晶表示装置を製造するためのその他の製造工程については従来公知の方法と同様である。
(配向膜形成工程)
シランカップリング剤としては、非フッ素系シランカップリング剤が好ましく、例えば、アルキルシランCH(CHSi(OCH)、CH(CHSi(OCH)、CH(CH11Si(OCH)、CH(CH17Si(OCH)等が挙げられる。このシランカップリング剤を用いて、透光性基板の電極上に電極を覆うようにスピンコート等の塗布手段や各種の印刷手段により第2配向膜が形成される。
ただし、第2配向膜は、表面を親水化処理することが可能なものでなければならず、シランカップリング剤としては、前述した第2液晶配向用基板10(図3(a)及び図3(b)参照)でのシランカップリング剤と同じものが例示される。また、その膜厚は、第2配向膜9の膜厚と同じ基準の下に選定される。
(親水化処理工程)
シランカップリング剤の配向膜の表面に選択的に親水化処理を施す方法としては、例えば次の3つの方法を挙げることができる。
<方法I>
前記の配向膜が光触媒を含有していないものである場合には、図15(a)に示すように、透光性基板100と、透光性基板100の片面に形成されたマスクパターン102と、マスクパターン102を覆う光触媒層104とを有するフォトマスク(紫外線マスク)110を用い、光触媒層104と前記の配向膜140との間隔を概ね5〜20μmに保ちつつ、波長380nm以下の紫外光UV1によって配向膜140を露光する。
<方法II>
前記の配向膜が光触媒を含有しているものである場合には、図15(b)に示すように、透光性基板120と、透光性基板120の片面に形成されたマスクパターン122とを有するフォトマスク(紫外線マスク)130を用い、当該フォトマスク130と前記光触媒を含有している配向膜145との間隔を概ね5〜20μmに保ちつつ、波長380nm以下の紫外光UV1によって配向膜145を露光する。
<方法III>
図15(c)に示すように、前記のフォトマスク130と同じ構造のフォトマスク(紫外線マスク)135を用い、当該フォトマスク135と前記の配向膜140との間隔を概ね5〜20μmに保ちつつ、波長200nm以下の紫外光UV2によって配向膜140を露光する。
これらの方法I〜方法IIIのいずれにおいても、マスクパターン102、122としては、配向膜140、145の表面に形成しようとする親水性領域の形状及び配置パターンに対応して複数の開口部が形成されているものを用いる。
例えば、図4又は図10に示した配置パターンで親水性領域52、55が形成されている第2配向膜9を得ようとする場合には、図16又は図17に示すフォトマスク150、160のように、親水性領域52、55と形状及び大きさ(線幅W1、ピッチL1)が同じである開口部152、162が、親水性領域52、55の配置パターンと同じパターンの下に形成されているマスクパターンを用いる。マスクパターン102、122は、例えばクロム薄膜を所定形状にパターニングすることによって作製することができる。
なお、方法Iで使用される光触媒層104としては、例えば、平均粒径が5〜20μm程度の酸化チタン(アナターゼ型)粒子や酸化亜鉛粒子等の光触媒をバインダー樹脂(例えばシリコーン樹脂)中に20〜40重量%の割合で含有させたものが用いられる。光触媒層104の膜厚は、概ね0.05〜0.5μmの範囲内とすることが好ましい。
いずれの方法によっても、配向膜140、145の表面のうちで露光された領域が酸化還元されて、当該領域が親水性領域に変化する。前記の酸化還元は、次のメカニズムで起こると考えられる。なお、メカニズムについての以下の説明は、露光対象物が配向膜140であり、かつ、この配向膜140がシリコーン系樹脂である場合を例にとり、行う。
配向膜140の表面が紫外光UV1によって選択的に露光されると、フォトマスク110と配向膜140との間に活性酸素種等(活性酸素O や活性水酸基−OH)が生じ、この活性酸素種等が、図18(a)に示すように、配向膜140の表面の側鎖(例えばアルキル側鎖)にアタックして当該側鎖の結合を切断する。そして、図18(b)に示すように、側鎖が切断された部分に活性酸素種等が入れ替わって結合し、ここが親水性領域に変化する。
方法I及び方法IIでは、光触媒の存在によって、長波長の紫外光の照射によっても活性酸素種等を生じさせることができる。
親水化処理工程での露光条件は、光触媒の有無や疎水性配向膜の材質等に応じて、臨界表面自由エネルギーが概ね40mN/m以上の親水性領域が得られるにように選定することが好ましい。
以上説明したように、露光処理によって前記の傾斜配向規制領域を形成することができるので、製造コストを抑え易くなる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
<第2液晶配向用基板の製造>
先ず、片面にカラーフィルタアレイ、遮光層及び透明電極パターンが形成された透明基板を準備する。この透明ガラス基板に形成されているカラーフィルタアレイ、遮光層及び透明電極パターンの形状は、図3(a)及び図3(b)に示した第2液晶配向用基板10におけるカラーフィルタアレイ3、遮光層5及び透明電極パターン7の形状と同様である。
次に、アルキルシラン(CH(CHSi(OCH)0.73g、テトラメトキシシラン(Si(OCH)5.0g、HCl((0.005規定)26.6wt%)2.08gを室温で約20時間撹拌して反応させた(溶液A)。
この溶液Aを前記の前記の透明電極パターン上に、厚さ0.01〜1μmスピンコートし、180℃で1時間乾燥して、第2配向膜を形成した。
次いで、前述した方法Iによって前記第2配向膜の表面に選択的に親水化処理を施して、当該表面に、前述した第2液晶配向用基板10の第2配向膜9に形成されている親水性領域52の配置パターンと同じパターンで親水性領域を形成する。個々の親水性領域は、平面視上、図4に示す親水領域を形成するための幅W1を20μmとし、屈曲部までの長さL1を60mmとし、屈曲部の角度を130°とする。
親水化処理を行うにあたっては、平均粒径5〜20μmの酸化チタン(アナターゼ型)粒子が20〜40重量%の割合で分散されたシリコーン樹脂を用いて光触媒層を形成し、その厚さ(マスクパターンの開口部での厚さ)は0.05〜0.5μmとする。また、フォトマスクと前記疎水性配向膜との間隔を約20μmに保ちつつ、10mW/cm の紫外光(波長200〜370nm)を60〜180秒間照射する。
このようにして前記第2配向膜(疎水性配向膜)の表面に選択的に親水化処理を施すことにより、前述と同様の構成の第2液晶配向用基板10を得た。
<液晶表示装置の製造>
先ず、前記第2液晶配向用基板とは別に、アクティブマトリックス駆動方式の表示用液晶パネルにおける背面側基板(アクティブ素子が形成されている基板)として用いることができる第1液晶配向用基板を用意する。
当該第1液晶配向用基板は、前記第2液晶配向用基板と共に垂直配向型表示用液晶パネルを構成することができるものであり、第1液晶配向用基板の配向膜として水平配向膜用のポリイミド樹脂の配向膜を用いた点を除けば、第1液晶配向用基板は図2(a)及び図2(b)に示した第1液晶配向用基板50と同様の構成を有している。すなわち、第1配向膜は、水平配向膜用のポリイミド(日産化学社製のSE−7492)を電極上にフレキソ印刷で塗布し、ホットプレートを用いて180℃で1時間乾燥して、厚さ60nmに形成されたものである。
次に、第1液晶配向用基板の第1配向膜上に、スペーサードライ散布装置(株式会社アイエヌジー社製のSDI−12)を用いて、積水ファインケミカル社製の球状スペーサー(同社のSPシリーズ)を20〜50個/mmの密度となるように散布する。
次いで、第1液晶配向用基板の縁部(配向膜上)に三井化学製のシール材(XN−5A)をシールディスペンサ装置により塗布し、当該第1液晶配向用基板と上述の第2液晶配向用基板とを、配向膜が内側となるようにして貼り合わせる。
貼り合わせた2枚の液晶配向用基板にプレス冶具を用いて20kPa前後の圧力をかけて、当該2枚の液晶配向用基板同士を密着させ、この状態で、温度180℃、時間60分、冷却放置時間約30分の条件の下に熱処理して、基板間のギャップが約4.5μmの空セルを得る。
この空セルに真空注入装置を用いてメルク社製のネガ型液晶(MLC−6608)を注入し、注入口を封止して、表示用液晶パネルを得る。
この後、第1液晶配向用基板の背面側にバックライト部を設置して、マルチドメイン方式の垂直配向型液晶表示装置を得る。この液晶表示装置は、第1の液晶配向用基板の配向膜に親水性領域が形成されていない以外は、図1に示した液晶表示装置300と同様の構成を有する。
この液晶表示装置では、黒表示、中間調表示及び白表示のいずれもが良好な画像表示を行うことができる。また、視野角は全方位に亘って十分に広く、かつ、均質である。
(実施例2)
<液晶配向用基板の製造>
先ず、実施例1での第2液晶配向用基板と同様の構成を有し、下記溶液Bを用いて配向膜を形成した以外は同じ要領で、第2液晶配向用基板前述した第2液晶配向用基板10と同様の構成の液晶配向用基板(以下、「第5液晶配向用基板」という。)を製造した。
溶液B
アルキルシラン(CH(CHSi(OCH)0.693g、テトラメトキシシラン(Si(OCH)5.0g、HCl((0.005規定)26.6wt%)2.06gを室温で約20時間撹拌して反応させて溶液Bを得た。
<液晶表示装置の製造>
表示用液晶パネルを構成する液晶配向用基板として、前記第5液晶配向用基板を用いる以外は実施例1と同様にして、マルチドメイン方式の垂直配向型液晶表示装置を得る。この液晶表示装置は、図1に示した液晶表示装置300と同様の構成を有する。
この液晶表示装置では、黒表示、中間調表示及び白表示のいずれもが良好な画像表示を行うことができる。また、視野角は全方位に亘って十分に広く、かつ、均質である。
(実施例3)
<液晶配向用基板の製造>
先ず、実施例1での第2液晶配向用基板と同様の構成を有し、下記溶液Cを用いて配向膜を形成した以外は同じ要領で、前述した第2液晶配向用基板10と同様の構成の液晶配向用基板(以下、「第6液晶配向用基板」という。)を製造した。
溶液C
アルキルシラン(CH(CH11Si(OCH)0.879g、テトラメトキシシラン(Si(OCH)5.0g、HCl((0.005規定)26.6wt%)2.13gを室温で約20時間撹拌して反応させて溶液Cを得た。
<液晶表示装置の製造>
表示用液晶パネルを構成する液晶配向用基板として、前記第6液晶配向用基板を用いる以外は実施例1と同様にして、マルチドメイン方式の垂直配向型液晶表示装置を得る。この液晶表示装置は、図1に示した液晶表示装置300と同様の構成を有する。
この液晶表示装置では、黒表示、中間調表示及び白表示のいずれもが良好な画像表示を行うことができる。また、視野角は全方位に亘って十分に広く、かつ、均質である。
本発明に係る第1形態の液晶表示装置を概略的に示す部分断面図である。 (a)は本発明に係る第3形態の液晶配向用基板における構成部材の平面配置を示す概略図であり、(b)は(a)に示したXI−XI 線断面の概略図である。 (a)は本発明に係る第1形態の液晶配向用基板における構成部材の平面配置の概略図であり、(b)は(a)に示したI−I線断面の概略図である。 本発明の液晶配向基板に形成された配向膜の第1の形状を示す平面図である。 本発明の疎水性の配向膜表面の一例を示す図である。 本発明の親水性の配向膜表面の一例を示す図である。 本発明の傾斜配向規制領域の一例を示す図である。 電圧が印加された際における本発明の液晶配向基板上の液晶分子の様子を示す説明図である。 本発明の液晶配向基板に形成された配向膜の第1の形状の変形例を示す図であって、電圧が印加された際における液晶分子の様子を示す説明図である。 本発明の液晶配向基板に形成された配向膜の第2の形状を示す平面図である。 電圧が印加された際における図8に示した本発明の液晶配向基板上の液晶分子の様子を示す要部説明図である。 (a)は中間調表示を行った際における図8に示した本発明の液晶配向基板上の液晶分子の様子をある方向からみたときの図、(b)は(a)における液晶分子の様子を他の方向からみたときの図である。 本発明に係る第2形態の液晶表示装置を概略的に示す部分断面図である。 本発明に係る第2形態の液晶配向用基板を概略的に示す断面図である。 (a)は本発明の液晶配向用基板の製造方法によって液晶配向用基板を製造する際に行われる露光処理の一例を概略的に示す断面図であり、(b)は前記露光処理の他の例を概略的に示す断面図であり、(c)は前記露光処理の更に他の例を概略的に示す断面図である。 基板の露光マスクパターンの平面図である。 基板の露光マスクパターンの平面図である。 (a)は本発明の液晶配向用基板の製造方法によって液晶配向用基板を製造する際に行われる露光処理時に活性酸素種が配向膜表面の側鎖を切断する様子を示す模式図であり、(b)は前記露光処理によって配向膜表面が選択的に親水性領域に変化した様子を示す模式図である。
符号の説明
1 透明基板
7 透明電極パターン
9 配向膜
10 第2液晶配向用基板
20 第2液晶配向用基板
31 透明基板
33 透明電極パターン
43 第1配向膜
50 第1液晶配向用基板
52 傾斜配向規制領域
53 垂直配向規制領域
55 傾斜配向規制領域
56 垂直配向規制領域
104 光触媒層
110 フォトマスク
130 フォトマスク
135 フォトマスク
140 配向膜
200 表示用液晶パネル
300 液晶表示装置
400 表示用液晶パネル
500 液晶表示装置

Claims (9)

  1. マルチドメイン方式の液晶表示装置であって、
    表示用液晶パネルを構成する2枚の基板のうちの一方の基板の対向面に電極を形成し、該電極上に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に沿って配向させると共に絶縁性を有する第1配向膜を形成し、他方の基板の対向面に電極を形成し、該電極上に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に沿って配向させるシランカップリング剤の第2配向膜を形成し、該第2配向膜のうちで画素に対応する個々の領域内に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に対して傾斜して配向させる傾斜配向規制領域を形成したことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記シランカップリング剤が、非フッ素系シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記第2配向膜が、表面にアルキル側鎖を有するシリコーン膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記アルキル側鎖が、式CH(CH)m(mは7、9、11又は17を表す)で表されるものであることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記第1配向膜が、ポリイミド高分子膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記配向膜が疎水性領域であり、前記傾斜配向規制領域が親水性領域であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  7. 表示用液晶パネルを構成する2枚の基板のうちの一方の基板の対向面に電極を形成し、該電極上に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に沿って配向させると共に絶縁性を有する第1配向膜を形成し、他方の基板の対向面に電極を形成し、該電極上に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に沿って配向させるシランカップリング剤の第2配向膜を形成し、該第2配向膜のうちで画素に対応する個々の領域内に、液晶分子のダイレクタを基板法線方向に対して傾斜して配向させる傾斜配向規制領域を形成した液晶表示装置の製造方法であって、
    前記他方の基板の対向面に、親水化処理可能なシランカップリング剤の第2配向膜を形成する工程、及び、該第2配向膜の一部を親水化処理して傾斜配向規制領域を形成する工程を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  8. 前記親水化処理が、光触媒層を有するマスクを用いた露光処理により行われることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置の製造方法。
  9. 前記第2配向膜に光触媒を含有させることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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