JP3327144B2 - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
り、特に樹脂で囲まれた穴の中に液晶を封入する構造を
用いて視野角の広い表示を実現する液晶表示装置に関す
るものである。
に種々の改善がなされてきた。その技術の一つとして、
樹脂で囲まれた穴の中に液晶を封入する構造を用いるも
の(以下、第1の従来技術と称する)があり、他の一つ
として、一つの表示セル内の垂直配向膜を配向状態の異
なる複数の微小領域に分割する構造を用いるもの(以
下、第2の従来技術と称する)がある。
平7−120728号公報に詳述されているが、その基
本的な構造と製造方法について、図16〜図18を参照
して説明する。
内面に透明電極20,21が配設され、その間隙部に樹
脂層140が形成されている。この樹脂層140の内部
に、表示セルに対応して複数の穴141が形成され、そ
の中に液晶150が封入されている。
剤が添加されたネマチック液晶が用いられ、樹脂として
は光硬化性樹脂が用いられる。このような液晶150を
含む穴141は、次のようにして形成される。
料を基板間に封入し、表示セルに対応する穴の部分を遮
光するホトマスクを用いて紫外線を照射する。この紫外
線照射により、穴の外側の部分で、樹脂が重合反応を起
こして液晶材料と樹脂材料とが相分離する。この重合反
応と相分離とが進むことにより、穴の外側には樹脂が凝
集し、穴の部分には液晶が凝集して固化する。その結
果、図16に示したように、穴141の中に液晶150
が充填された樹脂層140が形成される。
液晶150は、図17〜図18に示すように配向する。
図17は上下方向に関連する液晶分子の配向が変化する
状態を主に示したものであり、図18は上中下三つの面
内での液晶分子の配向状態を主に示したものである。図
17は、(a)電圧無印加の状態を示すものと、(b)
電圧印加の状態を示すものとを並べて示した。一方、図
18は、上記の(a)電圧無印加の状態のみを示すもの
である。図中、151,152,153は、図16の1
51(上層),152(中層),153(下層)に対応
する面の液晶の配向状態を示す斜視平面図である。
(a)および図18に示すように、上層と下層において
液晶分子が渦巻状に配向し、中層において液晶分子が同
心円状に配向している。このような配向は、まず、液晶
150を包み込む樹脂層の穴141の全壁面が水平配向
特性を有することによるものであり、次に、液晶分子
が、カイラル剤の添加により回転方向に配向しやすくな
っていることによるものである。上記の渦巻状または同
心円状の配向は、いずれの場合も、その渦巻または同心
円のほぼ中心となる部分を軸として、軸対称(即ち、回
転対称)に配向するものとなっている。
(b)に示すように、その電圧が高くなると共に液晶分
子は電極に垂直になる方向に立つことになるが、どのよ
うな電圧レベルにおいても、液晶分子は軸対称に配向す
るものとなっている。このように、液晶分子が軸対称
(回転対称)に配向することにより、液晶表示装置は視
野角の広い良好な表示を実現することができる。
平8−43825号公報に詳述されているが、その基本
的な構造と特性について、図19〜図21を参照して説
明する。ここで図19〜図20は、比較のために、一つ
の表示セル内に1種類の配向状態のみを有する垂直配向
LCDを示し、図21が、一つの表示セル内を二つの配
向状態に分割した垂直配向LCD(第2の従来技術)を
示している。そして図19および図21においては、
(a)電圧無印加の状態を示すものと、(b)電圧印加
の状態を示すものとを並べて示した。
配向膜であり、いずれも液晶分子150Mを配向膜の面
に垂直に配向させる垂直配向膜である。通常、これらの
配向膜130,131の背後に電極(図示せず)が配設
され、これらの電極により液晶分子150Mに電圧が印
加される。さらに、このような表示セルを有する液晶表
示パネルの外側に偏光板(図示せず)が配設されてい
る。なお、液晶材料としては、負の誘電率異方性を有す
る液晶にカイラル剤を添加したものを用いている。
態のみを有する垂直配向LCDについて説明する。この
LCDにおいて、電圧を印加しない場合には、図19
(a)に示すように、液晶分子150Mは垂直に配向し
ている。偏光板がクロスニコルに配設されている場合
は、この状態がオフ状態(暗状態)となり、液晶分子1
50Mが垂直に配向しているため、このオフ状態(暗状
態)のレベル(暗さの程度)は非常に良好なものとな
り、広い視野角を有するものとなっている。しかし、オ
ン状態(明状態、中間調も含む)の視角特性は、次に説
明するように悪いものとなる。
電極(図示せず)により、液晶分子150Mに電圧を印
加してオン状態(明状態、中間調も含む)にする場合、
液晶分子150Mは図19(b)に示すように、配向膜
の面に向かって倒れる方向に傾く。この倒れ方は、印加
電圧レベルに依存したものであり、高電圧ほど水平方向
に近いものとなる。このオン状態(明状態、中間調も含
む)は、電圧の印加レベルにより中間調の程度も制御さ
れる。ここで、液晶分子150Mにはカイラル剤が添加
され、しかも配向膜130,131は互いにほぼ直角方
向にラビングされているため、この液晶分子はほぼ90
°ツイストして倒れるように配向するものであるが、図
19〜図20においては、説明を簡便にするためにツイ
ストのない状態で図示してある。
て配向膜131の面内にE(東)W(西)S(南)N
(北)の方向を同図のようにとるものとすると、その視
角特性は、S(南)N(北)方向は良好であるが、E
(東)W(西)方向は悪いものとなる。
が良くないことを、図20を用いて説明する。図20
は、表示セルに中間調レベルの電圧を印加した場合、配
向膜130,131の間の液晶分子150Mに関してそ
の配向状態と、二つの視角方向A1,A2を示した断面
図である。このE(東)W(西)方向と、視角方向A
1,A2とは図19(b)の同一符号の部分と対応する
ものである。この図の特に表示セル内の中央部分の液晶
分子に関しては、A1の視角方向においては液晶分子1
50Mの光学効果が小さいため表示が反転(階調表示の
レベルが逆転)することがあり、A2の視角方向におい
ては液晶分子150Mの光学効果が大きいため黄色がか
った表示になることがある。従って、この視角特性は良
くないものとなる。
平8−43825号公報に詳述された発明は、図21に
示すように一つの表示セルの配向膜をE(東)W(西)
方向に二つの領域130A,130B;131A,13
1Bに分割し、これにより表示セルの内部を二つの領域
A,Bに分割している(この分割は二つに限るものでは
なく、三つ以上の分割であってもよい)。そしてこれら
2種類の配向膜130A,130B;131A,131
Bは、隣同士で互いに逆方向にラビングされている。そ
の結果、二つの領域A,B内の液晶分子150Mは、互
いに逆方向を向くように配向するものとなっている。従
って、E(東)W(西)方向の視角特性は、互いに逆の
視角特性を有する二つの領域A,Bの視角特性が混在し
平均化されたものとなるため、結果的に広視野角化され
たものとなっている。勿論、この場合においてもS
(南)N(北)方向の視角特性は良好であり、E(東)
W(西)S(南)N(北)のいずれの方向においても広
い視野角が実現されるものとなっている。
2の従来技術は、視野角またはコントラストのいずれか
一方の点において問題点を有するものであることを以下
に説明する。
めてどの方向から見てもその視角特性は良好であり、広
い視野角を持つLCDを構成することができる。即ち、
中間調表示での画像の反転現象(階調表示レベルの逆転
現象)や、不所望な着色は発生しないものとなってい
る。しかし、この構造の場合には表示のコントラストが
余り良くないという欠点があった。この原因は、電圧を
印加しない状態で液晶が水平方向に配向しているためで
ある。そこで、電圧を印加した場合には、図17(b)
に図示するように、表示セル内部の液晶分子は垂直方向
に立つにもかかわらず、上下の樹脂壁近傍の液晶分子は
立ち上がることができず水平方向の配向状態のままにな
っている。従って、正面方向の視角でのコントラストが
低下するばかりでなく、斜め方向の視角においても、こ
のように水平配向した液晶分子の存在により光の漏れが
生じてコントラストが低下するという問題を生ずる。こ
の問題の原因は、電圧を印加しない状態で液晶が水平配
向していることにある。
晶分子が垂直配向するように表示セルを構成したものが
第2の従来技術である。この場合には、前述した内容か
ら明らかなようにオフ状態(暗状態)を非常に良好なも
のとすることができるが、逆に、オン状態(明状態)の
表示が十分に良好なものにはならない(視角特性が不十
分な部分がある)という欠点がある。表示セルが配向状
態の異なる複数の領域に分割されているため、視角特性
の悪い部分に良い部分を混在させることにより、オン状
態(明状態)の視角特性をかなり良好なものとすること
はできる。しかし、あくまでも「視角特性の悪い部分と
良い部分とを混在させる」という構成であるため、悪い
部分と良い部分との平均値をとることになり、結局は悪
い部分を内在した状態となっているため、十分に良好な
視角特性を示すものとはならない。
9(b)に対応するものとした場合、図21(b)の領
域Bは図19(b)と180°異なる配向状態を有する
ものとなる。従って、例えば領域Aにおいて図19
(b)に示したA1の方向は、領域Bにおいては同図に
示したA2の方向に対応するものとなるため、前者の方
向から表示セル全体(二つの領域A,Bの両方)を見た
場合の視角特性は、図19(b)におけるA1方向とA
2方向との視角特性が混在したものとなる。この場合、
領域Aでは黄色がかった表示となり領域Bでは反転する
表示となる。これらが混在することにより、双方の欠点
は緩和されることにはなるが、ミクロに見れば表示セル
の半分は黄色がかった表示となり、他の半分は反転する
表示となっているためこれらの欠点は完全には解決され
てはいない。実際に、例えば淡い赤色の花の咲いた木の
絵を表示し、この絵をE(東)W(西)の斜めの方向か
ら観察した場合には、淡い赤色の階調がつぶれて微妙な
花の色合いが不明瞭になるというような問題が生じてい
た。
良好な視角特性を有するものではあるがコントラストが
不十分な所があり、第2の従来技術は、良好なコントラ
ストを有するものではあるが視角特性が不十分な所があ
るものとなっている。いずれの従来技術も、視角特性と
コントラストの双方を十分に良好なものとすることはで
きない所に問題がある。
ける上記の問題を解決し、斜め方向を含むあらゆる方向
からの視角特性が良好で広い視野角を有し、しかも良好
なコントラストを有する液晶表示装置を、樹脂で囲まれ
た穴の中に液晶を封入する構造を用いて実現することを
目的とする。
めに、請求項1記載の液晶表示装置は、対向して配置さ
れた一対の基板の内面上に配設された第1の垂直配向膜
と、一対の基板に挾持された樹脂層を貫通する複数の孔
と、孔の壁面を被覆する第2の垂直配向膜と、孔に充填
される液晶とを備え、液晶は第1の垂直配向膜と第2の
垂直配向膜とに接していることを特徴とする。
おける液晶分子の配向の仕方や、その配向の仕方によっ
て生ずる作用・効果に関して、図1〜図3を参照して説
明する。図1は、この液晶表示装置の断面図である。一
対のガラス基板10,11の内面に電極20,21が配
設され、その電極20,21を配向膜30,31が被覆
している。40は複数の貫通孔を有する樹脂層であり、
その孔の中に液晶50が充填されている。ここで、配向
膜30,31は液晶分子を垂直に配向させる垂直配向膜
であり、液晶50はこの垂直配向膜30,31と孔の壁
面40Wとに接している。この液晶材料としては負の屈
折率異方性を有するものを用いる。(なお、ガラス基板
10,11の外側に配設される偏光板等の図示は省略し
た。)この液晶50の配向状態は、液晶自身の配向特性
と、その液晶の小塊が接触する垂直配向膜30,31お
よび孔の壁面40Wとに規制されて定まるものである。
この配向状態の例を、(a)電圧無印加時と(b)電圧
印加時との状態を区別して、図2に示す。
向膜30,31の内面近傍の液晶分子50Hおよび表示
セル内部の液晶分子50Mの全てが垂直に配向する。次
に、同図(b)の電圧印加時には、配向膜30,31の
内面近傍の液晶分子50Hは垂直に配向したままである
が、表示セル内部の液晶分子50Mは配向膜に向かって
倒れる方向に(水平方向に近づく方向に)傾いて配向す
る。この傾く程度は電圧レベルに依存し、電圧が高いほ
ど水平方向に近づく。そして、液晶にカイラル剤が添加
されている場合には、この液晶分子50Mはツイストし
て倒れるように配向する。このように、液晶分子50M
が傾いて配向する場合、その方向は表示セルの周辺部が
樹脂層の孔の壁面となっているため、この壁面の規制
(壁面の配向特性と表示セルの形状との影響)を受け
て、液晶分子50Mは渦巻状・同心円状・放射状等の形
状に配向するものとなる。液晶分子50Mがこのように
配向することの詳細は、下記〔各種表示セルにおける液
晶分子の配向状態〕の欄で説明する。なお、符号50m
で示した液晶分子の形状は、その分子の傾きとツイスト
の状態とを分かりやすく示すために、液晶分子50Mと
は別の形で図示した模式的形状である。
状は、ほぼその中心部を軸とする「軸対称(即ち、回転
対称)」の形状となっていることが特徴であり、これが
第2の従来技術と基本的に異なる点である。即ち、本発
明の図2(b)と第2の従来技術を示す図21(b)と
の液晶分子の配向状態を比較すると、E(東)W(西)
方向の状態は類似しているが、S(南)N(北)方向の
状態が大きく異なるものとなっていることが分かる。
一つの例を斜視平面図として、図3に示した。図中5
1,52,53は、表示セル内部の上中下の三つの層に
対応する液晶分子の配向状態を示したものであり、図2
(b)に示した三つの層51,52,53に対応するも
のである。なお、この上下の層51,53は、同図
(b)に明示したように、配向膜30,31の内面近傍
の垂直配向した液晶分子50Hの層およびその近くの層
を除く範囲での上下の層(即ち、液晶分子50Hの層よ
りも内部の層)を示すものである。
の液晶分子が垂直配向し、(b)電圧印加時の液晶分子
が、側面を樹脂の孔に囲まれた表示セル内で軸対称(渦
巻状・同心円状・放射状等)に配向することにより、次
のような作用・効果を示すものとなる。
直配向」しているため、そのオフ状態(暗状態)のレベ
ル(暗さの程度)と視野角とを非常に良好なものにで
き、従って、高いコントラストを実現することができ
る。
称(回転対称)配向」(即ち、360°の全ての方向を
向くように配向)しているため、オン状態(明状態、中
間調も含む)の視角特性を極めて良好なものにでき、広
い視野角を実現することができる。即ち、本発明の表示
セルは、液晶分子がオフ状態で「垂直配向」し、オン状
態で「軸対称(回転対称)配向」するものであるため、
広い視野角と高いコントラストとを同時に実現できると
いう特徴を持つものである。
態〕ここで、液晶分子の配向状態について詳細に検討を
行った結果、その配向状態は、主に、樹脂の孔の壁面の
配向特性(垂直配向か水平配向か)と液晶に添加するカ
イラル剤の有無とに依存して定まるものであることを明
らかにした。その検討結果を、電圧無印加時と電圧印加
時の双方に関して、図4〜図11を参照して説明する。
なお、この検討は次のように四つのケースに分けて行っ
た。
する液晶を、垂直配向特性を有する孔の壁面40Wと垂
直配向膜30,31とで囲まれた穴に充填する場合の液
晶分子50H,50W,50Mの配向状態を、(a)電
圧無印加と(b)電圧印加の場合に対して図示した断面
図である。(ここでは、「孔」と「穴」を区別して用い
ている。前者は開口部を有する空隙であり、後者は開口
部のない閉じた形状の空隙を示すものとした。) なお、液晶分子50H,50W,50Mは、次のように
分類して示したものである。50Hは配向膜30,31
に接するかまたはその近傍の液晶分子、50Wは孔の壁
面40Wに接するかまたはその近傍の液晶分子、50M
は、50Hおよび50Wを除く表示セル内部の液晶分子
である。従って、表示セル内部のほとんどの液晶分子は
50Mに分類されるものであり、50H,50Wに対応
する液晶分子はごく少量である。しかし、これら50
H,50Wの液晶分子の影響(50Mの液晶分子の配向
状態への影響)を明確にするために、図4においては、
50Mの液晶分子の量を極めて少なくして模式的に図示
してある。以下の図においても同様である。
ル内の液晶分子のほとんど(即ち、50H,50Mの液
晶分子)は配向膜30,31に垂直に配向する。ただ
し、孔の壁面40W近傍の液晶分子50Wは、その孔の
壁面40Wに垂直に即ち配向膜30,31に平行に配向
するが、このような液晶分子50Wは、孔の壁面40W
に近い数μm以下の範囲のもののみである。表示セルの
大きさは通常数10μm〜数100μmのものであるか
ら、この部分の液晶分子の影響は無視できる程度のもの
である。万一、コントラストの点でこの部分を問題にす
る必要が生じた場合には、この部分を遮光するようなマ
スクを配設する構造にすればよい。(この点は、後述す
る第2のケースにおいても同様である。) 図4(b)の電圧印加の場合としては、電圧を十分に印
加してほとんどの液晶分子がほぼ水平方向に倒れた状態
(中間調のレベルではなく、十分な明状態となるレベ
ル)を示した。ここでは、配向膜30,31近傍の垂直
配向した液晶分子50Hを除く全ての液晶分子50M,
50Wが水平方向に(配向膜30,31に平行に)配向
する。(なお、その中心部には、50Dで示したディス
クリネーションがあり、この点は以下の図においても同
様である。)そして、その平面形状は図5に示すように
なっている。同図(a),(b),(c)は、表示セル
内部の上中下の三つの層51,52,53に対応する液
晶分子の配向状態を示したものである。この液晶は、カ
イラル剤を添加されていないため、同図に示すように上
中下の三つの層51,52,53の全てにおいて放射状
に配向している。ここで、孔の壁面40Wの垂直配向特
性は、この放射状の配向を促進する作用を果たしている
ものと言える。
る液晶を、垂直配向特性を有する孔の壁面40Wと垂直
配向膜30,31とで囲まれた穴に充填する場合の液晶
分子50H,50W,50Mの配向状態を、(a)電圧
無印加と(b)電圧印加の場合に対して図示した断面図
である。
ル内の液晶分子のほとんど(即ち、50H,50Mの液
晶分子)は配向膜30,31に垂直に配向する。この内
容は、上記第1のケースと全く同様である。第1および
第2のケースにおいては液晶へのカイラル剤の添加の有
無の相違はあるが、電圧無印加時には、この相違によっ
て液晶分子の配向状態が異なることはない。しかし、電
圧印加時については、次に示すように全く異なるものと
なる。
の配向状態を示したものであり、表示セル内部の液晶分
子50Mは、電圧の力で水平方向に倒れると共に、カイ
ラル剤の力でツイストするように配向する。そして、孔
の壁面40W近傍の液晶分子50Wは、その壁面40W
に垂直に配向しているものであり、内部の液晶分子50
Mの配向はこの液晶分子50Wの影響を受けたものとな
る。その結果、液晶分子50M,50Wは、図7の平面
図に示すような状態で配向するものとなる。同図
(a),(b),(c)は、表示セル内部の上中下の三
つの層51,52,53に対応する液晶分子の配向状態
を示したものである。このように、液晶分子50M,5
0Wは、上下の層51,53では渦巻状に配向し、中層
52では放射状に配向している。ここで、孔の壁面40
Wの垂直配向特性とカイラル剤のツイスト配向特性と
は、このような渦巻状や放射状の配向を促進する作用を
果たしているものと言える。
する液晶を、水平配向特性を有する孔の壁面40Wと垂
直配向膜30,31とで囲まれた穴に充填する場合の液
晶分子50H,50W,50Mの配向状態を、(a)電
圧無印加と(b)電圧印加の場合に対して図示した断面
図である。
0Wは、壁面40Wに平行に(配向膜30,31に平行
または垂直な方向等に)配向するが、ここでは配向膜3
0,31に平行な方向に配向する場合を示している。
(この配向状態を実現する方法については第4実施形態
で説明する。) 図8(a)の電圧無印加の場合は、表示セル内の液晶分
子のほとんど(即ち、50H,50Mの液晶分子)は配
向膜30,31に垂直に配向する。一方、孔の壁面40
W近傍の液晶分子50Wは、配向膜30,31に平行に
配向しているが、このような液晶分子50Wは、孔の壁
面40Wに近い数μm以下の範囲のもののみであり、第
1のケースの場合と同様にして、この部分の液晶の影響
は無視できる程度のものである。万一、コントラストの
点でこの部分を問題にする必要が生じた場合には、この
部分を遮光するようなマスクを配設する構造にすればよ
い。(この点は、後述する第4のケースにおいても同様
である。) 同図(b)は、十分に電圧を印加した場合を示したもの
であり、表示セル内部の液晶分子50Mは、電圧の力で
水平方向に倒れて配向する。そして、孔の壁面40W近
傍の液晶分子50Wは、その壁面40Wに平行にしかも
配向膜30,31に平行に配向しているものであり、内
部の液晶分子50Mの配向はこの液晶分子50Wの影響
を受けたものとなる。その結果、カイラル剤が添加され
ていない液晶分子50M,50Wは、図9の平面図に示
すように配向する。同図(a),(b),(c)は、表
示セル内部の上中下の三つの層51,52,53に対応
する液晶分子の配向状態を示したものである。この液晶
は、カイラル剤を添加されていないため、同図に示すよ
うに上中下の三つの層51,52,53の全てにおいて
同心円状に配向している。ここで、孔の壁面40Wの水
平配向特性は、この同心円状の配向を促進する作用を果
たしているものと言える。
する液晶を、水平配向特性を有する孔の壁面40Wと垂
直配向膜30,31とで囲まれた穴に充填する場合の液
晶分子50H,50W,50Mの配向状態を、(a)電
圧無印加と(b)電圧印加の場合に対して図示した断面
図である。
0Wは、ここでは第3のケースと同様に、孔の壁面40
Wと配向膜30,31とに平行な方向に配向する場合を
示している。
セル内の液晶分子のほとんど(即ち、50H,50Mの
液晶分子)は配向膜30,31に垂直に配向する。この
内容は、上記第3のケースと全く同様である。第3およ
び第4のケースにおいては液晶へのカイラル剤の添加の
有無の相違はあるが、電圧無印加時には、この相違によ
って液晶分子の配向状態が異なることはない。しかし、
電圧印加時については、次に示すように全く異なるもの
となる。
を示したものであり、表示セル内部の液晶分子50M
は、電圧の力で水平方向に倒れると共に、カイラル剤の
力でツイストするように配向する。そして、孔の壁面4
0W近傍の液晶分子50Wは、その壁面40Wに平行に
しかも配向膜30,31に平行に配向しているものであ
り、内部の液晶分子50Mの配向はこの液晶分子50W
の影響を受けたものとなる。その結果、液晶分子50
M,50Wは、図11の平面図に示すような状態で配向
する。同図(a),(b),(c)は、表示セル内部の
上中下の三つの層51,52,53に対応する液晶分子
の配向状態を示したものである。このように、液晶分子
50M,50Wは、上下の層51,53では渦巻状に配
向し、中層52では同心円状に配向している。ここで、
孔の壁面40Wの水平配向特性とカイラル剤のツイスト
配向特性とは、このような渦巻状や同心円状の配向を促
進する作用を果たしているものと言える。
上のように四つのケースに分けて検討した結果を、次の
ようにまとめることができる。即ち、電圧無印加時に
は、液晶分子は垂直に配向する。電圧印加時には、渦
巻状・同心円状・放射状等の形状のいずれか、または表
示セル内部でそれらの組合せとなるように配向する。即
ち、いずれの場合も表示セルの中心部を軸として軸対称
(即ち、回転対称)に配向するものとなる。
向することは、表示セルの形状が対称性を有しているこ
とによるものでもある。表示セルの形状が非対称なもの
になれば、この軸対称(回転対称)性は不十分なものと
はなるが、液晶分子が渦巻状のような形状、同心円状の
ような形状、放射状のような形状等に配向することにつ
いては上記の説明と同様である。
して十分に高い電圧を印加した場合を説明したが、低い
電圧を印加して中間調表示を行うような場合は、その液
晶分子50Mの傾きは、上記各断面図の(a)と(b)
の中間の傾きとなるものとなる。(他方、液晶分子50
H,50Wの傾きは、上記の各図と同じである。)そし
て、上記各平面図に示した液晶分子50Mの渦巻状・同
心円状・放射状等の配向状態は、上記各平面図と同様で
ある。従って、上記の結論は、中間調表示の場合(低
い電圧を印加する場合)も全く同じである。
なる液晶表示装置を示す第1実施形態を、図1を参照し
て説明する。
る透明電極20,21を配設し、その上に日産科学のR
N722からなる垂直配向膜を形成した。樹脂層40
は、水平配向特性を有する厚さ4μmのアクリル樹脂で
あり、表示セルに対応して、大きさ180μm×180
μmでピッチ200μmの孔が形成されている。この孔
の中に封入される液晶は、メルク社製のZLI4318
(Δε=−2.0、Δn=0.1243)のネマチック
液晶にチッソ社製のCNをカイラル剤として添加したも
のを用いた。このカイラル剤により、表示セル内の液晶
分子が約90°ツイストするように調整している。そし
て、基板10,11の外側にクロスニコルに組み合わせ
た偏光板(図示せず)を配設して液晶表示装置を構成し
た。
した液晶表示装置に対応するものであり、同図に示した
ように液晶分子が配向した。電圧無印加時には表示セル
内の液晶分子は垂直に配向するため、オフレベルの程度
が極めて良好であり、正面方向で200以上という高い
コントラストを実現することができた。電圧印加時には
表示セル内の液晶分子は渦巻状や同心円状に配向してい
るため、オンレベルの視野角が極めて広いものであり、
そして中間調のレベルにおいても、表示の不所望な着色
や表示画像の反転を生じない広い視野角を実現すること
ができた。具体的には、コントラストが10以上となる
視野角が全方位角で40°という結果を得た。これは、
前記第1および第2の従来技術では得られない大きな値
である。
特性を有するポリビニール樹脂(例えば、ポリビニール
シンナメート)を用いた液晶表示装置を試作した。この
液晶表示装置は、図6〜図7に示した液晶表示装置に対
応するものであり、この表示特性も上記と同等の良好な
ものであった。
屈折率異方性Δnと表示セルのギャップ(即ち、樹脂層
40の厚さ)dとの積Δn・dは、100〜650nm
の範囲のものが良好であった。このΔn・dが100n
mより小さくなると表示輝度が低下し、650nmより
大きくなると不所望な着色を生ずるため、不所望な着色
が無くしかも明るい表示のできる液晶表示装置とするた
めには、この範囲のΔn・dとすることが必要である。
は表示セルのギャップ(即ち、配向膜30,31の間の
間隔)と同じものとなっているが、このギャップよりも
小さいものであってもよい。この場合、樹脂層の孔の壁
面40Wで液晶分子の配向状態を規制する作用は低下す
るものとなるが、実用上問題にならない程度であればよ
い。そのように構成できる場合には、樹脂層の孔の内部
に液晶を充填する製造方法が簡便になるという利点があ
る。
り明らかになるが、液晶材料としては、本実施形態のよ
うにカイラル剤を添加したものを用いる場合の方が、カ
イラル剤を添加しないものを用いる場合よりも良好な表
示特性を実現することができる。
形態の2種類の液晶表示装置において、液晶材料にカイ
ラル剤(チッソ社製のCN)を添加しないもの、即ち、
メルク社製のZLI4318のみを液晶材料として用い
た液晶表示装置を試作した。
性を有するアクリル樹脂を用いたものと、垂直配向特性
を有するポリビニール樹脂を用いたものの2種類を試作
した。これらの表示特性は、二つ共ほぼ同等で、正面方
向のコントラストは100以上であり、コントラストが
10以上となる視野角が全視角方位で30°以上という
結果を得た。この結果は、従来の液晶表示装置に比べれ
ばはるかに良好なものであるが、第1実施形態の液晶表
示装置と比較すると、表示輝度およびコントラストにお
いて劣るものとなっている。これは、液晶分子の配向状
態と偏光板の偏光軸の方向との組合せに起因するもので
あり、その理由を図14を参照して説明する。
晶表示装置における液晶分子の配向状態を示す平面図で
ある。図中51〜53は、表示セルの上層〜下層を示す
符号であり、表示セルのほぼ全体にわたって同図に示し
た配向状態と同じ配向状態となることを示している。同
図において、左側が垂直配向特性を有するポリビニール
樹脂を用いた液晶表示装置、右側が水平配向特性を有す
るアクリル樹脂を用いた液晶表示装置における液晶分子
の配向状態を示している。
れた偏光板の偏光軸を示す図で、Pはポラライザ、Aは
アナライザを示す符号である。液晶分子が同図(a)の
いずれか一方の配向をする表示セルを同図(b)の偏光
板と組み合わせた場合、電圧印加時のオンレベルにおい
て、同図(c)の符号90に示すように十字の形状で暗
くなる部分が発生する。これは、直線偏光の方向に水平
または垂直に配向した液晶分子は、その直線偏光に何の
光学効果も及ぼさないことに起因するものである。この
ように、オンレベルの表示セルにおいて、十字の形状で
暗くなる部分が発生することにより、表示輝度が暗くな
り、その分コントラストが低下することになる。
も1/2には達しない程度のものである。従って、コン
トラストの低下の程度も第1実施形態の1/2以下であ
ると言える。他方、電圧無印加の場合の垂直配向による
コントラストの向上は従来の液晶表示装置に比べて非常
に大きなものであるため、本変形例は、第1実施形態の
液晶表示装置には劣るものではあるが、従来の液晶表示
装置に比べればはるかに良好なものであると言える。
具体化した第2実施形態を、図12を参照して説明す
る。本実施形態は、樹脂層40に形成した孔の壁面を
も、垂直配向膜31Aで被覆したものとする所に特徴が
ある。表示セルにおけるその他の構成は、第1実施形態
と同じである。
板10,11上に配設した垂直配向膜30,31と同じ
材料(日産科学のRN722)の配向膜を用いた。この
ような構造にすることにより、液晶を封入する穴を囲む
面は、全て垂直配向膜30,31,31Aで被覆された
ものとなる。
性を有するものとしたい場合において、樹脂層40の材
料を任意に選定できることである。即ち、孔の壁面は必
ず垂直配向膜31Aで被覆される構造であるから、たと
え樹脂層40が水平配向特性を有するものであってもよ
いことになる。この樹脂層40の材料は、良好な垂直配
向特性を有するか否かとは無関係に、加工性の良さ、信
頼性の高さ、コストの安さ、等の条件のみを考慮して選
定することができるため、材料選定の自由度が増すもの
となる。その結果、表示特性や信頼性等が良好で安価な
液晶表示装置とすることが可能になる。
に示す第3実施形態のような工程を用いて、簡便にしか
も適正に形成することができる。 〔第3実施形態〕第2実施形態の液晶表示装置の製造方
法を具体化した第3実施形態を、図13を参照して説明
する。図中の(a)〜(e)は、各工程を示す図であ
る。
成したガラス基板10上に、ポジ型感光性樹脂オプトマ
ーPC302(日本合成ゴム製)401を、500rp
m、30秒の条件でスピンコートし、80°Cのホット
プレート上で1分間プレベークを行う。
四角形のパターンを有する合成石英マスク(HOYA
製)402を用いて、800mJ/cm2 の紫外線によ
り露光を行う。
ゴム製、0.2%TMAHaq)の現像液で3分間現像
を行う。そして、純水で2分間洗浄後、800mJ/c
m2の紫外線によりポスト露光を行う。次に、200°
Cのオーブンの中で1時間放置してポストベークを行
い、孔が形成された樹脂層40を形成する。この樹脂層
40の厚みは4μmである。
えたガラス基板10を被覆するように、垂直配向膜とし
て日産科学のRN722を、2000rpm、30秒の
条件でスピンコートし、180°Cのオーブンに1時間
放置して、配向膜32を形成する。このスピンコートに
より、この配向膜32は、樹脂層の頂面と、孔の側面
と、孔の底面に対応するガラス基板の面(ここでは電極
(図示せず)の表面)とを含む全ての面に形成される。
以上の工程により、垂直配向膜32と、垂直配向特性の
壁面を有する孔のある樹脂層40と、電極とを備えた一
方の基板10ASが完成する。
る他方の基板11の表面に、上記の配向膜32と同様の
方法により、垂直配向膜31を形成して、基板11AS
を完成する。そして、完成した二つの基板10AS,1
1ASを、組み合わせて周辺部(図示せず)を封止す
る。これで、液晶を封入する前の液晶パネルが完成す
る。樹脂層40と、配向膜31,32とにより、閉じた
穴500が形成されたものとなる。
液晶を封入する工程を実施するが、この工程は図示して
いない。なお、この穴500は、閉じた穴であるため液
晶を封入することができないように思われるが、実際は
そうではない。その内容を次に説明する。
つの基板10AS,11ASが反りを有するものであ
り、通常は外側に反っているため、樹脂層40の頂面
と、対向する基板の配向膜とは、わずかなギャップがあ
り、離れた状態にある。従って、この工程では穴は閉じ
たものではなく、そのギャップを通じて連結した状態に
なっている。この状態の液晶パネルに対して、注入口
(図示せず)から液晶を注入し、その後一対のガラス基
板を両側から押圧して余分な液晶を排出して封口する。
その結果、当初外側に反っていた一対のガラス基板は互
いに平行な状態に矯正されて密着し、穴500は閉じた
ものとなり、所望の液晶パネルが完成する。
形態の液晶表示装置を簡便にしかも適正に形成すること
ができる。 〔第4実施形態〕液晶表示装置の表示セル内に液晶を充
填するに際し、その配向状態を制御して封入する製造方
法を、第4実施形態として説明する。
として水平配向特性を有するものを用いているため、そ
の孔の壁面が水平配向特性を有するものとなっている。
このような表示セルの内部に液晶を封入した場合には、
その孔の壁面近傍の液晶分子50Wは、図8〜図11に
示すようには配向しない。この場合は、孔の壁面に平行
ではあるが、配向膜30,31に垂直になるように配向
するものとなる。これは、液晶が電圧無印加の状態で充
填されるため、表示セル内の他の液晶分子50H,50
Mが全て配向膜30,31に垂直に配向し、その影響で
孔の壁面近傍の液晶分子50Wも同様に配向するものと
なることによる。
は、このように配向するよりも、図8〜図11に示すよ
うに配向膜30,31に平行に配向する方が、電圧印加
時の液晶分子50Mの配向にとって好ましいものとな
る。電圧印加時に、液晶分子50H,50M,50Wが
図8〜図11に示すように回転するように配向するに
は、孔の壁面近傍の液晶分子50Wは配向膜30,31
に平行に(即ち、その配向膜が配設された基板の面に平
行に)なるように配向していることが望ましい。
このように配向させるためには、液晶表示装置の電極に
電圧を印加した状態で液晶を封入するようにすればよ
い。この場合には、液晶分子50H,50M,50Wは
図8〜図11の電圧印加時の配向状態になるように配向
されて封入される。そして、一旦このように配向された
孔の壁面近傍の液晶分子50Wは、その壁面に吸着され
た状態になるため、その後はこの状態を維持するものと
なり、上記の望ましい配向状態を実現することができる
ものとなる。
ル樹脂(例えば、日本化薬製のOPL114にチバガイ
ギー製の重合開始剤IR−184を2%添加したもの)
で樹脂層を形成した第1実施形態の液晶表示装置におい
て、片方の基板上の電極を全て共通に接続してE電極と
し、他方の基板上の電極も全て共通に接続してF電極と
し、これらのE電極とF電極との間に20VのAC電圧
を印加して液晶を封入した。この液晶表示装置におい
て、E電極とF電極との間に10V以上の電圧を印加し
た場合に、孔の壁面近傍の液晶を基板に平行な方向に安
定に配向させることができた。
装置に表示光の位相差等を補正する補正フィルムを追加
することにより、視野角を一層広いものとしたものを、
第5実施形態として、図15を参照して説明する。
ラス基板の外側に、負の屈折率異方性を有する位相差フ
ィルム60として、アセテートセルローズを2方向(ま
たはそれ以上)に延伸したフィルムを配設した。次に、
その上に正の屈折率異方性を有する位相差フィルム61
として、ポリカーボネイトの一軸延伸フィルム(日東電
工のNRFフィルム)を配設した。そして、これらの位
相差フィルム61の外側に偏光板62Aを配設し、下側
のガラス基板10の外側に他の偏光板62Pを配設し
た。これら二つの偏光板62A,62Pは、クロスニコ
ルの方向に組み合わせたものとしている。
フィルム60は、電圧無印加時に、垂直に配向した液晶
分子の斜め視角方向に対する複屈折を補正する働きをす
るため、その補正により視野角を一層拡大することがで
きる。一方、正の屈折率異方性を有する位相差フィルム
61は、クロスニコルに組み合わされた偏光板を斜め視
角方向から見た場合に、その視角方向に垂直な面への射
影角度が90°からずれるために生ずるその視角方向へ
の光の漏れを補償することができる。従って、位相差フ
ィルム60に加えてこの位相差フィルム61を用いるこ
とにより、さらに視野角を広げることができる。
を測定したところ、コントラスト10以上の視野角は全
方位で70°以上と極めて広いものとなり、正面方向の
コントラストは200以上という良好な値を得た。
1は、必ずしも本実施形態のように組み合わせて用いる
必要はなく、それぞれの位相差フィルムを単独で用いて
もそれぞれの作用・効果を実現することができる。
のそれぞれを、本実施形態のように液晶表示装置の一方
の側にのみ配設する必要はない。具体的には、位相差フ
ィルム60,61を別々に、液晶表示装置の反対側に配
設してもよい。また、一つの位相差フィルム(60,ま
たは61)を液晶表示装置の両側に分割して配設しても
よい。この場合には、同じ種類の位相差フィルム(6
0,または61)のΔn・d(Δnは位相差フィルムの
屈折率異方性、dはその厚み)を合成したものが同一の
値になるようにすればその補正効果は同一のものとな
る。
1は、フィルムに限定されるものではなく、位相差板を
用いることもできる。
脂で囲まれた穴の中に液晶を封入する構造の液晶表示装
置において、電圧無印加時に液晶を垂直に配向させ、電
圧印加時に液晶を軸対称(渦巻状・同心円状または放射
状)に配向させることができるため、視野角が広くかつ
コントラストの良好な液晶表示装置を実現することがで
きる。
フィルムを用いることで、上記の液晶表示装置の視野角
をさらに広いものとすることができる。請求項6記載の
発明によれば、このような液晶表示装置を、簡便にかつ
適正に製造することができる。
示す斜視図
す斜視平面図
添加しない液晶とを備えた表示セルを示す断面図
図
添加した液晶とを備えた表示セルを示す断面図
図
添加しない液晶とを備えた表示セルを示す断面図
図
を添加した液晶とを備えた表示セルを示す断面図
平面図
斜視図
図
セルを示す斜視図
Claims (6)
- 【請求項1】 対向して配置された一対の基板の内面上
に配設された第1の垂直配向膜と、該一対の基板に挾持
された樹脂層を貫通する複数の孔と、該孔の壁面を被覆
する第2の垂直配向膜と、該孔に充填される液晶とを備
え、 該液晶は、該第1の垂直配向膜と該第2の垂直配向膜と
に接していることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項2】 前記液晶は、カイラル剤が添加されたネ
マチック液晶である請求項1記載の液晶表示装置。 - 【請求項3】 前記液晶は、屈折率異方性Δnと厚みd
との積Δn・dが100〜650nmの範囲のものであ
る請求項1記載の液晶表示装置。 - 【請求項4】 前記一対の基板の少なくとも一方の外側
に負の屈折率異方性を有する部材を備えた請求項1記載
の液晶表示装置。 - 【請求項5】 前記一対の基板の少なくとも一方の外側
に正の屈折率異方性を有する部材を備えた請求項1記載
の液晶表示装置。 - 【請求項6】 複数の孔を有する樹脂層と、垂直配向膜
とを備えた一対の基板の内の一方の基板を形成するに際
し、 基板に樹脂層を形成する工程と、 該樹脂層に複数の孔を形成し、該孔の底部を露出させる
工程と、 該孔の壁面と底部とに垂直配向膜を形成する工程とを含
むことを特徴とする 液晶表示装置の製造方法。
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