JP3983925B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3983925B2
JP3983925B2 JP12667099A JP12667099A JP3983925B2 JP 3983925 B2 JP3983925 B2 JP 3983925B2 JP 12667099 A JP12667099 A JP 12667099A JP 12667099 A JP12667099 A JP 12667099A JP 3983925 B2 JP3983925 B2 JP 3983925B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
voltage
display device
crystal display
grid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12667099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000321578A (ja
Inventor
慎一 寺下
和之 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP12667099A priority Critical patent/JP3983925B2/ja
Publication of JP2000321578A publication Critical patent/JP2000321578A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3983925B2 publication Critical patent/JP3983925B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば大人数で使用する携帯情報端末、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサー、アミューズメント、教育機器、テレビジョン装置等の平面ディスプレイを有する液晶表素子、シャッター効果を利用した表示板、窓、扉、壁等に用いられる広視野角特性を有する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘電率異方性が負である液晶層と、液晶層を挾持する一対の電極基板と、電極基板上に形成された垂直配向電極とを備え、そして、これら両電極の対向部で形成された表示絵素がマトリックス状に配置され、かつ、電圧無印加時に電極基板に対して略垂直に配向してなる液晶表示装置が知られている。そして、液晶層への電圧を印加してねじれ状態を解消することにより明暗を得るTN(Twisted Nematic:ねじれネマチック)方式や、STN(SuperTwisted Nematic)方式、電圧印加により液晶の配向を初期状態から変化させ、入射光に複屈折変化を与えることにより明暗やカラー表示を得る液晶表示装置が多用されているが、視野角が狭いという問題から、視野角を広くする技術開発が行われている。
【0003】
液晶表示装置の広視野角技術の手法としては、液晶分子を基板表面に対して略平行に運動させる方式と、液晶分子の運動は基板表面に対して垂直のままで、一つの絵素内の配向を複数に分割する方式とがある。前者の代表的な方式としてはIPS(In−Plane−Switching)モードが挙げられる。後者の方式の例としては、Np型液晶(Nematic positive type)を軸対称状に水平配向させた広視野角液晶表示モード(特開平7−120728号)、垂直配向したNn型液晶(Nematic negative type)を電圧印加時に軸対称状に水平配向させた広視野角液晶表示モード(特願平8−341590号)、垂直配向したNn型液晶(Nematic negative type)を電界制御によって、動作時分割配向する広視野角液晶表示モード(特開平7−64089号)、及び、AM−LCD’96、P.185(1996)に開示された、Np型液晶(Nematic Positive type)を絵素内で略4分割して水平配向させた広視野角液晶表示モード等が提案されている。
【0004】
上記広視野角液晶表示モードのうち、特開平7−120728号に開示しているNp液晶分子を各絵素ごとに軸対称状に配向した表示モード(AxiallySymmetric Aligned Microcell Mode:Np−ASMモード)は、各絵素ごとに形成された高分子壁で実質的に包囲された液晶領域において、液晶と光硬化樹脂の混合物から相分離を利用して液晶分子を軸対称状に配向させる技術であり、電圧印加により、軸対称状に配向した液晶分子が基板に対して垂直に配向するノーマリーホワイトの表示を行うものである。また、特願平8−341590号に開示しているNn液晶分子を有し、電圧無印加時には液晶分子が基板に対して垂直に配向しており、飽和電圧印加時には液晶分子が高分子壁で実質的に包囲された液晶領域において、絵素領域ごとに軸対称状に配向した表示モード(Nn−ASM)はノーマリーブラックの表示を行うものである。特開平6−301015号には、液晶セルに光硬化性の高分子樹脂と液晶との混合物を注入し、絵素の大きさの少なくとも30%以上の面積に相当する部分で照射光強度を減じて、混合物に光を照射する。すると、混合物の光が強く当たった部分では、高分子樹脂が硬化して両基板に到達する壁となり、その壁で囲まれた部分に液晶領域が形成された状態となる技術が開示されているが、該壁で囲まれた液晶領域は配向がランダムであり、斜め方向から見た時の表示品位が著しく劣っていた。
【0005】
Np−ASMモードの液晶表示装置においては、ノーマリーホワイトモードであるために、電圧OFF時の光り抜けを防止するためにBM(ブラックマトリックス)の遮光部の面積を大きく設定しなければならなかった。また、ASMモードは複雑な温度制御を必要とする相分離工程を使用するので、製造が難しいという問題があった。さらに、Np−ASMモードとNn−ASMモードは共に、▲1▼軸位置がそれぞれの絵素領域において、該絵素領域中心からずれるので、斜め方向から見た時にざらつきの要因となり表示品位に大きな影響を与えていた。▲2▼透明電極が透明の凸部材料の下に形成されていると、電圧降下により凸部上の透過率が低下する。▲3▼液晶分子の配向固定(配向安定層形成)の際、照射される紫外線によって、液晶材料、高分子壁材料や配向膜材料が分解され電圧保持立の低下を招き、表示の信頼性を低下させる(画像の焼き付け現象が起こる)、などの問題が生じていた。
【0006】
一方、配向安定層を形成しなければ、液晶分子のチルト方向が定まっていないので、応答速度が遅くなり、駆動時に安定なASM配向が得られず、ざらついた表示になるなどの問題が生じてしまう。
【0007】
液晶層を複数に分割し、包囲された液晶領域を軸対称上に配向制御する格子状の凸部に透明樹脂を用いることだけでも、遮光性の樹脂を用いる場合に比べて、液晶表示装置の透過率は高くなるが、透明電極が該透明樹脂層に配置されていると、液晶分子が透明電極に配向膜を介して接している場合に比べて、該透明樹脂層の誘電率により液晶分子にかかる電圧は降下してしまい、電圧透過率特性が高電圧化してしまう。また、前記の電極配置では、透明樹脂凸部上において、ランダムに配向してしまい、斜めから見た時の表示品位を低下させてしまう。さらに、信頼性面において、透明樹脂材料成分の液晶層への溶出が懸念され電圧保持率の低下を招いてしまう。したがって、信頼性面においては、透明電極は透明樹脂層を被覆するように形成することが望ましく、斜めから見た時の表示品位を向上させるためには、該透明樹脂凸部上の液晶分子の配向を軸対称上に配向制御するための因子として凸部エッジ傾斜角度が重要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、配向安定層を形成することなく、中心軸を有する軸対称配向を安定化し、十分な応答速度を実現できる液晶表示装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、誘電率異方性が負の液晶材料からなる液晶層と、該液晶層を挾持する1対の電極基板と、1対の透明電極と、を備え、そして、これら両電極の対向部で形成された表示絵素がマトリックス状に配置され、かつ、電圧無印加時に電極基板に対して略垂直に配向してなる液晶表示装置において、前記電極基板の一方は、前記表示絵素に対応する複数の表示絵素領域をそれぞれ取り囲む透明で格子状の凸部を有しており、そして、該格子状の凸部は、高さがセル厚の高さに対して1/3〜1/6、幅が10〜50μm、かつ、テーパー角度は11.9度以上であり、更に、前記格子状の凸部で囲まれた表示絵素領域内及び凸部上における電圧印加時の液晶層の配向状態が、偏光板吸収軸方向及び偏光軸方向に対してそれぞれ平行方向に十字格子状線である消光模様となる液晶表示装置である。
【0011】
そして、本発明は、上記透明電極の一方は格子状の凸部上に形成されている液晶表示装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の発明の実施の形態を説明する。
本発明の液晶表示装置について、その発明の概要等を、図1〜図3を用いて説明する。図1は電圧無印加時の状態の液晶表示装置の説明図であり、(a)は断面説明図、(b)は上面説明図である。図2(a)及び(b)は、電圧印加時の状態の液晶表示装置の断面説明図である。図3は、電圧印加時の状態の液晶表示装置の上面説明図である。
【0015】
本発明の液晶表示装置は、図1に示すように、誘電率異方性が負の液晶材料11からなる液晶層12と、液晶層12を挾持する1対の電極基板13a、13bと、1対の透明電極14a、14bとを備えており、そして、これら両電極14a、14bの対向部で形成された表示絵素がマトリックス状に配置され、かつ、電圧無印加時に電極基板13a、13bに対して略垂直に配向しており、更に、電極基板13a、13bは、透明で格子状の凸部を有しており、そして、格子状の凸部15で囲まれた表示絵素領域21内及び凸部15上に、それぞれ電圧印加時に軸対称となる液晶層12の配向状態の対称軸を有している。なお、電極基板13a、13bは、液晶層12側に垂直配向層16a、16bを有している。
【0016】
本発明の液晶表示装置の基本動作について、説明する。本発明の液晶表示装置においては、電圧無印加時に、図1(a)に示すように、液晶分子11は、垂直配向層16a、16bの配向規制力によって、基板13に垂直な方向に配向している。電圧無印加状態の絵素領域をクロスニコル状態の偏光顕微鏡で観察すると、図1(b)に示すように、暗視野を呈する(ノーマリーブラックモード)。電圧を印加すると、負の誘電率異方性を有する液晶分子11に、液晶分子の長軸を電界の方向に対して垂直に配向させる力(図4参照)が働くので、図2(a)、(b)に示すように、基板13に垂直な方向から傾く(中間調表示状態)。この状態の絵素領域をクロスニコル状態の偏光顕微鏡で観察すると、図3に示すように、偏光板吸収軸方向及び偏光軸方向に対してそれぞれ平行方向に十字格子状線であり、そして、周期的な軸対称中心軸23を有する消光模様24が観察される。この消光模様24a、24bは、表示絵素領域内及び凸部上部分26で、線対称又は面対称の関係にある。このときの液晶分子11の配向ダイレクターの状態は、図5に示すように、ゆるい渦巻状の液晶ダイレクター方向25となっているため、電圧印加時に軸対称配向を呈する領域が格子状の凸部15bに規定される絵素領域21及び凸部上部分26に形成される。図5(a)は片方の電極基板上での液晶ダイレクター分布を示し、図5(b)は他方の電極基板上での液晶ダイレクター分布をしている。渦巻方向は、1/2の確率で、右回り又は左回りとなる。なお、従来の液晶表示装置においては、液晶分子の配向ダイレクターの状態はもっと回転がきつい渦巻状となるため、配向状態は十字格子状とはならない。
【0017】
本発明の液晶表示装置における絵素領域を規定する凸部領域について、説明する。本発明の液晶表示装置は、絵素領域を取り囲むように格子状の凸部15bを有している。この凸部15bがなく、液晶層12の厚さ(セルギャップ)が均一な液晶表示装置では、液晶ドメイン(連続的に配向した領域)は形成される位置または、大きさが規定されないので、ランダム配向状態になってしまい、中間調表示においてざらついた表示となる。
【0018】
本発明の液晶表示装置では、絵素を規定し、その絵素を包囲する格子状の凸部15bを形成することにより、軸対称配向を呈する液晶領域の位置および大きさが規定される。格子状の凸部の幅は10μm〜50μmであることが好ましく、凸部の高さはセル厚の高さに対して、1/3〜1/6し、また、テーパー角度17は11.9度以上であることが好ましい。
【0019】
凸部15bの高さをセル厚に対して1/3よりも大きくすると、42型のような大型パネルにおいて、液晶注入時間が長くなってしまい、また、液晶材料が基板界面との吸脱着を生じるクロマト効果により、液晶材料組成が変化するため、電圧透過率特性が液晶パネル内で不均一となり、表示特性に大きな影響を及ぼす。また、凸部15bの高さは、より小さいほうが飽和電圧印加時の最大透過率をより大きくすることができる。しかし、凸部の高さをセル厚に対して1/6よりも小さくすると、凸部に囲まれる絵素領域において、中心軸を有する軸対称配向の形成が全絵素領域において不均一となり、凸部が中心軸を有する軸対称配向制御因子としての働きが弱まってしまう。つまり、表示のざらつきの要因となる。したがって、凸部の高さはセル厚の高さに対して1/3〜1/6とすることが好ましい。
【0020】
凸部断面のテーパー角度17(単位:度)について、視野角を倒した時のざらつきがなく、そして、中心軸を有する軸対称配向が凸部で規定される各絵素領域ですべて達成されるのは、図6に示すように、11.9度以上である。また、テーパー角の上限については、90度よりも大きい角度、つまり、オーバーハング状態ではテーパー近傍で黒表示時に光漏れの要因となる。また、光感光性材料による所望の凸部のパタン作製でのフォトリソ工程では、テーパー角度は30度程度が上限となる。
【0021】
なお、「絵素」は、一般に、表示を行う最小単位として定義される。本願明細書において用いられる「絵素領域」という用語は、「絵素」に対応する表示素子の一部の領域をさす。ただし、絵素に対応して形成される絵素領域の数は、軸対称配向が安定に形成されうる限り、いくらでもかまわない。
「軸対称配向」とは、放射状、同心円状(タンジェンシヤル状)などの配向をいう。
【0022】
本発明の液晶表示装置における液晶分子の軸対称配向状態の安定化について、説明する。本発明の液晶表示装置の製造方法において、電圧印加時の液晶分子の軸対称配向状態をあらかじめ液晶分子に記憶させておく工程を包含することにより、電圧印加時に、再現性良く絵素領域毎に液晶分子の軸対称配向状態が形成され、また、形成された軸対称配向状態を安定化させることができる。
誘電率異方性が負であるNn液晶材料(△ε=−4.0、△n=0.08、カイラル角6μmで90度に設定)、光硬化性樹脂として、下記(化1)で示す化合物A 0.4wt%、Irgacur651S 化合物Aに対し2.5wt%の混合物を注入した。
【化1】
Figure 0003983925
【0023】
一対の基板の間に、液晶材料と光硬化性材料とを含む前駆体混合物を注入する工程と、該前駆体混合物の相溶化温度以上に前駆体混合物を加熱する工程と、前駆体混合物に軸対称状配向中心軸出し電圧を印加しながら露光することにより、上記液晶表示装置を実現できる。
【0024】
軸対称状配向中心軸出し電圧印加時の液晶分子の軸対称配向状態を安定化させるためには、軸対称配向状態を液晶分子に記憶させる工程において、液晶分子が基板面に対してある角度(チルト角)でチルトしていることが重要である。すなわち、液晶分子が基板面に対して傾き始める電圧(閾値電圧)よりも高い電圧で、かつ、液晶分子が基板面に対して実質的に平行に傾く電圧(飽和電圧)よりも低い電圧で印加することによって、液晶分子の軸対称配向を安定化することができる。この軸対称状配向中心軸出し電圧の印加は表示を行うために液晶層に電圧を印加する電極(図1aにおける14a、14b)を用いて行うことができる。印加軸対称状配向中心軸出し電圧は、電圧値Vth/2以上、周波数1Hz以上の電圧が好ましい。なお、電圧の代わりに磁場を印加しても良く、液晶分子をチルトさせる所定の外場を印加すればよい。さらに、本発明の液晶表示装置の電圧−透過率特性を図5に示す。
【0025】
また、軸対称配向は1つの絵素に対して、電極の無い領域で規定される絵素またはドメイン数を増やし、軸対称配向状態を複数形成することによっても安定化される。つまり、軸対称配向中心軸出し電圧を印加しながら、液晶材料と光硬化性材料とを含む該前駆体混合物を露光すること無しに、動画表示時で軸対称配向状態を安定的に再現できる。その際の絵素領域のサイズは、30μm×30μm〜70μm×70μmであることが好ましい。
【0026】
本発明の液晶表示装置における視野角補償素子について、説明する。本発明の液晶表示装置は、電圧無印加時に黒表示、電圧印加時に白表示するノーマリーブラックモードであるから、液晶表示装置を挟む偏光板と液晶セルとの間の少なくとも一方に視野角補償素子を配設することにより、全方位において、視野角を補償することができる。特に、位相差補償素子面内と法線方向に位相差を有する2軸性の位相差補償素子が好適で、面内のリタデーションは20nm〜90nm、法線方向のリタデーションは130nm〜210nmで、最隣接の偏光板の吸収軸と位相差補償素子の遅相軸とが直交し、さらに、もう一方の位相差補償素子の遅相軸と直交する時、偏光板吸収軸に対して45度方向の視野角が改善され、全方位にわたって良好な視野角特性を得ることができる。
【0027】
以下、本発明の液晶表示装置の実施例を説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。実施例1を説明する。図1(a)に示すように、一方のガラス基板13a上にITOからなる厚み100nmの透明電極14aを形成し、さらに、JALS−204(日本合成ゴム製)をスピンコートし、垂直配向層16aを形成した。他方のガラス基板13b上に、透過率が90%以上の透明の格子状の高さ1μmの第1の凸部15bを形成してから、ITOからなる厚み100nmの透明電極14bを形成し、その凸部15bの上に、セル厚制御部となる高さ5μmの第2の凸部を形成した(不図示)。さらに、その上に、JALS−204(日本合成ゴム)をスピンコートし、80nmの膜厚の垂直配向層16bを形成した。両方の基板13a、13bをシール材を介して貼り合わせて液晶セルを完成させた。この時、セル厚保持材の第2の凸部が第1の凸部15bよりも幅を小さくして配置することで、絵素内にスペーサーが存在せず、配向が乱れることが無くなる。これらの第1及び第2凸部は、光感光性材料(例えば、感光性ポリイミド、感光性アクリル形樹脂材料)を用いて、絵素領域外に所望の位置に、所望の高さのセル厚保持材を形成するができる。
【0028】
作製したセル中に、Nn型液晶材料(△ε:−4.0、△n:0.08、セルギャップ6μmで90度ツイストとなるように液晶材料固有のツイスト角を設定)を注入し、軸対称状配向中心軸出し電圧を3.5V印加した。作製した液晶セルの絵素を偏向顕微鏡(クロスニコル)を用いて透過モードで観察したところ、電極の無いパターンによって、ほぼ完全に図3に示すようになり、そして、電圧印加状態を続けると凸部15bで規定される絵素領域21及び凸部15bに軸対称領域(モノドメイン)が形成されていた。凸部15bをフォトリソ工程により形成する際、マスク露光時のプロキシギャップを56μmから224μmに調整し、凸部15bのテーパー角度を測定し、凸部15bで規定される絵素領域21の154個あたりで、液晶分子11が軸対称状に配向している絵素の割合のテーパー角度依存性とざらつき表示品位(良好:○、やや良好:△、不良:×)を評価した(表1参照)。ざらつき評価で使用上問題ないレベルは、○である。
【表1】
Figure 0003983925
【0029】
また、軸対称配向を記憶させるための前駆体混合物と露光プロセスが必要ないと評価できるのは、動画表示において、十分短い電圧応答時間(τriseとτdecayの和)が得ることができ、問題なく安定な軸対称配向となるためには、少なくとも一方の基板13上に設けられた電極の無い領域によって、規定された複数の絵素領域の大きさが70μm×70μm以下であることが望ましい。
【0030】
さらに、位相差補償素子を偏光板と作製した液晶セルとの間に1枚ずつ配設することにより、全方位において良好な視野角特性が得られた。
【0031】
実施例2を説明する。本実施例2では、プラズマアドレス型の液晶表示装置に適用した場合である。本実施例2に係るプラズマアドレス型の液晶表示装置の具体的構成を図7の断面図に示す。この液晶表示装置は液晶層32を挟んで一方側(図の上側)に透明なガラス33等からなる基板を有し、他方側(図の下側)に誘電体シートとしての薄板ガラス37とプラズマ支持基板42とが対向配設されたプラズマ発生基板を有する。プラズマ支持基板42と薄板ガラス37との間には、ライン状に隔壁38が形成され、隔壁38とプラズマ支持基板42と薄板ガラス37とで囲まれた空間は、プラズマガスが封入されたライン状のチヤネル41を構成する。各チヤネル41内には、プラズマガスをプラズマ化するためのアノード電極A39とカソード電極K40が設けられている。このプラズマアドレス素子基板は公知の技術により作製される。
【0032】
一方、基板33の液晶層側には、カラーフィルター(CF)が設けられており、その上に、データー線としての透明電極34がストライプ状に、かつ、ライン状のプラズマチヤネル41に対して、交差して、例えば垂直方向に配線されている。液晶層32は基板と薄板ガラス37とに挾持されており、CF基板33と薄板ガラス37との間のセル厚は、第1の凸部35によって規定される複数の絵素領域が形成されている。なお、CF基板33及び薄板ガラス37の液晶層の表面には、垂直配向層36が形成されている。また、CF基板33、ITO電極34及び液晶層32からなる部分は液晶セルを構成する。この液晶セルの両側に偏光板及び偏光板と液晶セルの間の少なくとも一方に位相差補償素子を設け、さらに、プラズマアドレス基板側にバックライトが設けられている。
【0033】
このようにして作製された液晶表示装置においては、薄板ガラス37及びCF基板33の各々の液晶層32に接する表面に垂直配向層36が形成されているので、液晶材料に負の誘電率異方性を有する液晶層32を用いる場合には、電圧印加時には液晶分子31を基板に対して略垂直に配向させ、CF基板33上の第1の凸部35に規定される絵素領域ごと及び凸部35上に軸対称配向を形成し、必要であれば、液晶分子31に配向状態を記憶させるために、液晶材料に光重合性材料を混合し、紫外線照射して、配向を記憶させることができる。したがって、動画表示時に安定的に軸対称配向を実現できるので、コントラスト比10のラインが全方位で140度という視野角特性の優れた高コントラストの表示が得られた。プラズマ基板からの紫外線輻射による液晶層の電圧保持率低下を抑えるために、必要であれば、紫外線(250nm〜350nm)をカットする材料を薄板ガラス37に混合させるか、表面にコートすることができる。
【0034】
比較例1を説明する。比較例1では、基板13b上に凸部を設けていないこと以外は、実施例1と同様にして液晶セルを作製した。ガラス基板13上に透明電極14をスパッタし、更にその透明電極14上に垂直配向膜16を形成した1対の基板13a、13bを張り合わせて液晶セルを作製した。この液晶セルに、実施例1と同じ材料を注入し、液晶セルの両側には、偏光板をクロスニコルになるように配置した。比較例1で作製した液晶セルの絵素を電圧を印加しながら、偏光顕微鏡(クロスニコル)で観察したところ、ランダムに配向しているのが観察された。そのため、液晶パネル全体として負均一なざらつきのある表示が見られた。
【0035】
比較例2を説明する。比較例2では、図1(a)における基板13bの代わりに、透明電極14b上に凸部15bを形成し、その後、実施例1と同様に、感光性ポリイミドを用いてセル厚制御部となる凸部15bよりも幅が狭い第2の凸部を形成してから、基板13上に垂直配向層16を形成した。すなわち、図1(a)における凸部15bの上の透明電極14が、凸部15bの下に配置すること以外は実質的に図1(a)の液晶表示装置と同じである液晶セルを作製し、凸部15bをフォトリソ工程により形成する際、マスク露光時のプロキシギャップを56μmから224μmに調整し、凸部15bのテーパー角度を測定し、凸部15bで規定される絵素領域21の154個あたりで、液晶分子が軸対称状に配向している絵素の割合のテーパー角度依存性とざらつき表示品位(良好:○、やや良好:△、不良:×)を評価した(表2参照)。
【表2】
Figure 0003983925
【0036】
この液晶セルに、実施例1、2と同じ材料を注入し、液晶セルの両側には、偏光板をクロスニコルになるように配置した。図9には本比較例2で得られた液晶表示装置の電圧印加時の偏光板クロスニコル下での消光模様を示し、ざらつきの原因となる凸部上での消光模様が現れた。更に、この消光模様に対して、液晶分子のダイレクター分布の解析を行ったところ、図10(a)、(b)に示すようになる。この液晶分子の配向状態は、明らかに実施例1及び2の液晶表示装置の液晶分子の配向状態とは異なっている。
【0037】
電圧を印加すると、凸部15bで包囲された絵素領域は軸対称上に配向するものの、凸部15bの上ではディスクリネーションラインが無秩序に形成されるので、表示がややざらつき、VGAレベルの表示ではやや良好であるが、XGA等の高精細の表示を行うときには大きな問題となり、表示品位は不良となる。更に、液晶飽和電圧では、実施例1の液晶セルよりも、透過率が10%低くなった。これは、電極の上に低誘電体である凸部が形成されることにより、液晶分子に掛かる電圧が降下してしまうことに起因している。
【0038】
以上説明したように、本実施例によれば、液晶材料の誘電率異方性が負のNn液晶分子が電圧無印加時に基板に対し垂直に配向しており、液晶表示装置の一方の基板上に透明の格子状の凸部を設け、さらに、絵素領域及び該凸部上に透明電極を形成すると、電圧印加時に、液晶分子が該凸部上及び絵素領域ごとに軸対称配向する。したがって、ざらつきを押さえ、表示品位が向上する。また、位相差補償素子を液晶セルと偏光板との間の少なくとも一方に配置することにより、視角特性の優れた高コントラストの液晶表示装置が提供される。提供される液晶表示装置は電圧保持率が高く、透過率の改善がなされている。本発明の液晶表示装置はパーソナルコンピューター、ワープロ、アミューズメント機器、テレビジョン装置などの平面ディスプレイやシャッター効果を利用した表示板、窓、扉、壁などに好適に用いられる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、配向安定層を形成することなく、中心軸を有する軸対称配向を安定化し、十分な応答速度を実現できる液晶表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電圧無印加時の液晶表示装置の説明図。
【図2】本発明における電圧印加時の状態の液晶表示装置の断面説明図。
【図3】本発明における電圧印加時の状態の液晶表示装置の上面説明図。
【図4】本発明における液晶分子の電圧印加時の配向方向の説明図。
【図5】本発明における液晶ダイレクターの説明図。
【図6】本発明の凸部のテーパー角度の説明図。
【図7】実施例における液晶セルの説明図。
【図8】実施例における液晶表示装置の電圧−透過率特性の説明図。
【図9】比較例2の液晶表示装置の消光模様の説明図。
【図10】比較例2の液晶ダイレクター分布の説明図。
【符号の説明】
11 液晶材料、 12 液晶層、 13a、13b 電極基板、
14a、14b 透明電極、 15b 凸部、 16 垂直配向層、
17 テーパー角度、
21 絵素領域、 22 黒表示、 23 軸対称配向中心軸、
24a、24b 消光模様、 25 液晶分子ダイレクター方向、
26 凸部上部分、
31 液晶材料、 32 液晶層、 33 CF基板、 34 ITO電極、
35 第1凸部、 36 垂直配向層、 37 薄板ガラス、
38 プラズマ隔壁(リブ)、 39 アノード電極A、
40 カソード電極K、 41 プラズマガスチャネル、
42 プラズマ支持基板。

Claims (2)

  1. 誘電率異方性が負の液晶材料からなる液晶層と、該液晶層を挾持する1対の電極基板と、1対の透明電極と、を備え、そして、これら両電極の対向部で形成された表示絵素がマトリックス状に配置され、かつ、電圧無印加時に電極基板に対して略垂直に配向してなる液晶表示装置において、
    前記電極基板の一方は、前記表示絵素に対応する複数の表示絵素領域をそれぞれ取り囲む透明で格子状の凸部を有しており、そして、該格子状の凸部は、高さがセル厚の高さに対して1/3〜1/6、幅が10〜50μm、かつ、テーパー角度は11.9度以上であり、更に、前記格子状の凸部で囲まれた表示絵素領域内及び凸部上における電圧印加時の液晶層の配向状態が、偏光板吸収軸方向及び偏光軸方向に対してそれぞれ平行方向に十字格子状線である消光模様となることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 上記透明電極の一方は格子状の凸部上に形成されている請求項1記載の液晶表示装置。
JP12667099A 1999-05-07 1999-05-07 液晶表示装置 Expired - Fee Related JP3983925B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12667099A JP3983925B2 (ja) 1999-05-07 1999-05-07 液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12667099A JP3983925B2 (ja) 1999-05-07 1999-05-07 液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000321578A JP2000321578A (ja) 2000-11-24
JP3983925B2 true JP3983925B2 (ja) 2007-09-26

Family

ID=14940968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12667099A Expired - Fee Related JP3983925B2 (ja) 1999-05-07 1999-05-07 液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3983925B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4839696B2 (ja) * 2005-06-30 2011-12-21 大日本印刷株式会社 カラーフィルタの製造方法
KR101437870B1 (ko) 2008-02-15 2014-09-05 삼성디스플레이 주식회사 수직 배향 액정 표시 장치 및 그 제조 방법
JP5436844B2 (ja) * 2008-12-03 2014-03-05 スタンレー電気株式会社 キャラクタ型垂直配向液晶表示装置
US20100134749A1 (en) 2008-12-03 2010-06-03 Stanley Electric Co., Ltd. Character type vertical alignment mode liquid crystal display device with wall layers

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000321578A (ja) 2000-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3771137B2 (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
US6384889B1 (en) Liquid crystal display with sub pixel regions defined by sub electrode regions
US6344883B2 (en) Liquid crystal display device and method for producing the same
US6630975B1 (en) Liquid crystal display device, and method for producing the same
US7586561B2 (en) Liquid crystal display and method of manufacturing the same
US6201592B1 (en) Liquid crystal display device and method for producing the same
JP2002277877A5 (ja)
JPH0822023A (ja) 液晶表示素子とその製造方法
JPH11242211A (ja) 液晶表示装置
JP2005189351A (ja) 液晶表示装置
JPH11271718A (ja) 液晶表示装置、プラズマアドレス型液晶表示装置及びその製造方法
KR100252802B1 (ko) 액정 디스플레이 디바이스
JPH07225389A (ja) 液晶表示素子とその製造方法
JP2005003915A (ja) 液晶表示装置
JP3304057B2 (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
JP2004302260A (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
KR100497449B1 (ko) 액정 표시 소자
JP3983925B2 (ja) 液晶表示装置
JP2006085204A (ja) 液晶表示装置
JP3367901B2 (ja) 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法
JP2000284290A (ja) 液晶表示装置
JP2009294320A (ja) 液晶表示装置
JP2005250431A (ja) 液晶表示装置
JP3327144B2 (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
JPH07234400A (ja) 液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040921

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041105

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20041125

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20041217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070705

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100713

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110713

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110713

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120713

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120713

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130713

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees