JP4839696B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カラーフィルタと液晶表示装置に係り、特に半透過型カラーフィルタの製造方法と、このようなカラーフィルタを用いた液晶表示装置に関する。
従来の技術
フラットディスプレイとして、液晶表示装置(LCD)は、その薄型、軽量、低消費電力といった特徴により、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、ビデオカメラ等から大画面テレビまで市場が急速に拡大してきた。
また、近年の携帯電話等のモバイル機器の高画質化の要請から、半透過型液晶表示装置の需要が高まっている(特許文献1)。さらに、視野角度によらない高品位画質を達成するために、視野角度改善モードの一つである複数配向分割型垂直配向モード、すなわちMulti-domain Vertical Alignmentモード(MVAモード)を選択するケースが増えている。このMVAモードは、(1)広視野角、(2)高コントラスト、(3)高速応答といった優位性をもっている。
上記の複数配向分割(液晶分子の配向方向を複数方向とする)、いわゆるマルチドメイン化を実現するために、当初はマスクラビングを複数回繰り返す手法が考えられたが、この方法を用いた場合、ラビング工程に起因する静電気発生、発塵等による歩留まり率の低下、プロセスの複雑化による生産性の低下等、多くの問題があった。
そこで、液晶パネル内に突起を設けることにより、ラビングの手法を用いずに液晶分子の傾斜方向を制御する手法が開発されている(特許文献2)。上記の液晶分子の配向を制御する突起は、例えば、屈曲部を有する45°のジグザグストライプ状とすることができ、一画素内における配向方向を4分割とし、かつ、その分割面積が等しくなるように設計されている。また、上記の突起は、カラーフィルタ側とTFT(Thin Film Transistor)基板側の双方に設けることができ、この場合、両基板を対向させてセル化したときに、双方の突起が交互に配列するように構成される。このような突起は、液晶分子にプレチルト角を付与し、かつ、電気力線を歪ませる役割をもち、この二つの効果により、電圧印加時に液晶分子が複数の異なった方向に配向することになる。さらに、最近では、TFT基板側に上記の突起を設ける代わりに、仮想的な配向制御用突起として、透明電極にスリットを設けた構造が開発されている(特許文献3)。
特開2004−86108号公報 特開平11−242225号公報 特開平10−104645号公報
液晶表示装置に用いる従来の半透過型カラーフィルタの製造では、ネガ型の感光性レジストを使用することが一般的であった。一方、MVAモードの液晶表示装置に用いる半透過型カラーフィルタの製造方法では、突起形成工程においてポジ型の感光性樹脂組成物を使用していた。このため、使用する現像液が他の工程と異なり、現像液の交換が必要で作業が煩雑となり製造効率の向上に限界があった。
また、ポジ型の感光性樹脂組成物を使用して形成した突起は赤味を帯びており、可視光領域に吸収をもつため画面の明度低下が避けられないという問題があった。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、複数配向分割型垂直配向モード用の半透過型カラーフィルタを簡便に製造するための方法と、表示品質に優れた複数配向分割型垂直配向モードの液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記のような目的を達成するために、本発明は、複数配向分割型垂直配向モードの液晶表示装置に用いる半透過型カラーフィルタの製造方法において、透明基板の表面に、透光用スルーホールを有する着色層を所定の画素パターンで形成する操作を複数色分繰り返す着色層形成工程と、少なくとも前記透光用スルーホールを覆うように前記着色層上に透明凸層を形成する凸層形成工程と、前記着色層および前記透明凸層を覆うように共通透明電極を形成する電極形成工程と、前記共通透明電極上にネガ型感光性樹脂組成物を塗布し、スペーサ・突起形成用マスクを介して前記ネガ型感光性樹脂組成物塗膜を露光し、現像して、前記透明凸層上にスペーサ、前記着色層上に液晶分子の配向方向を複数方向に制御するための突起であって光透過率が85〜95%の範囲内にある突起、同時に形成するスペーサ・突起形成工程と、を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記スペーサ・突起形成工程では、現像した後、スペーサ・突起に焼成処理を施すような構成とした。
本発明の他の態様として、前記着色層形成工程の前に、前記透明基板の表面にブラックマトリックスを形成するような構成とした。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、ネガ型感光性樹脂組成物を使用して、スペーサと突起を同時に形成するので、カラーフィルタの全工程でネガ型感光性材料を使用することが可能となり、かつ、工程数が減少して製造が簡便なものとなる。
また、本発明の液晶表示装置は、可視光領域に吸収をもつポジ型の感光性樹脂組成物を使用して形成した突起をカラーフィルタに備えていないので、画面の明度低下を極力抑えることができ、視野角が広く、明度が高いとともに、色純度も良好な表示画面が可能である。
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のカラーフィルタ製造方法により製造されるカラーフィルタの一例を示す平面図であり、図2は図1のA−A線における拡大縦断面図であり、図3は図1のB−B線における拡大縦断面図である。図1〜図3において、カラーフィルタ11は、透明基板12と、この透明基板12上に形成されたストライプ状のブラックマトリックス13および着色層14を備えている。
着色層14は、ストライプ形状の赤色パターン14R、緑色パターン14Gおよび青色パターン14Bが配列されたものであり、1画素P(図1において太線で囲んだ部位)毎に、透光用スルーホール15を備えている。この透光用スルーホール15は、ストライプ形状の赤色パターン14R、緑色パターン14Gおよび青色パターン14Bに直交するように配設されたストライプ形状の透明凸層16で埋められ、かつ、被覆されている。尚、透光用スルーホール15は、図示例では1個の円形開口であるが、複数個の開口からなるものであってもよく、また、スリット形状であってもよい。
透明凸層16は、1画素Pの一部を占める(面積率で20〜80%の範囲)ものである。また、この透明凸層16と、ブラックマトリックス13および着色層14を覆うように共通透明電極17が配設されている。そして、着色層14上に位置する共通透明電極17上には、液晶層の液晶分子の配向方向を複数方向に制御するための突起18が配設され、また、透明凸層16上に位置する共通透明電極17上には、スペーサ19が配設されており、これらの突起18、スペーサ19を覆うように配向膜(図示せず)を有している。
突起18は、近傍の液晶分子にプレチルト角度を与える作用、および、電気力線を所望の方向に歪ませる作用をなすことにより、例えば、後述する液晶表示装置において、単独で、または、TFT基板の透明画素電極が有するスリットあるいは突起と協働して液晶層の液晶分子の配向方向を複数方向に制御することを可能とするものである。
このような突起18は、図示例では、スポット形状であり、光透過率は、80%以上、好ましくは85〜95%の範囲内とする。突起18の光透過率が80%未満であると、突起18の存在が原因となる画面の明度低下を来たし好ましくない。尚、本発明において、光透過率とは、波長域400〜700nmの範囲の光の透過率であり、測定は顕微分光光度計(オリンパス(株)製 OSP−SP200)を用いて行う。突起18の大きさは、高さ0.5〜3.0μm、幅(透明基板12に平行な面での断面幅)70〜200μm程度とすることができる。
また、スペーサ19は、カラーフィルタ11とTFT基板との間隙部分に形成される液晶層の厚みを所望の厚みに設定するものである。
[カラーフィルタの製造方法]
次に、上述のカラーフィルタ11を例として、本発明のカラーフィルタの製造方法の一実施形態を説明する。図4〜図6は本発明のカラーフィルタの製造方法を説明するための工程図であり、図4の各工程は図2相当の断面(図1のA−A線断面)を示し、図5および図6の各工程は図3相当の断面(図1のB−B線断面)を示す。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、透明基板12の表面12aにブラックマトリックス13を形成し(図5(A))、さらに、各画素P毎に透光用スルーホール15を有する赤色パターン14Rを所定の画素パターンで形成し、同様の操作を繰り返して、各画素毎に透光用スルーホール15を有する緑色パターン14G、青色パターン14Bを所定の画素パターンで形成して、着色層14を形成する(図4(A)、図5(B))。
透明基板12としては、石英ガラス、パイレックスガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製1737ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに適している。
ブラックマトリックス13の形成は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより行なうことができる。また、カーボン微粒子等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニングしてブラックマトリックス13を形成してもよい。さらに、カーボン微粒子、金属酸化物等の遮光性粒子を含有させた感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層をパターニングしてブラックマトリックス13を形成することもできる。
各画素毎に透光用スルーホール15を有する赤色パターン14R、緑色パターン14Gおよび青色パターン14Bは、例えば、所望の着色材を含有した感光性樹脂を使用した顔料分散法により形成することができ、さらに、印刷法、電着法、転写法等の公知の方法により形成することができる。尚、着色パターン14R,14G,14Bの形成順序は上述の例に限定されるものではない。また、ブラックマトリックス13を形成しないものであってもよい。
透光用スルーホール15の開口面積は、例えば、70〜400μm2程度とすることができ、図示例では、各画素Pに1個の透光用スルーホール15を形成するが、複数個の透光用スルーホール15を形成してもよく、また、透光用スルーホール15としてスリットを形成してもよい。
次に、透光用スルーホール15を少なくとも充填、被覆するように、着色層14の所望部位に透明凸層16を形成する(図4(B)、図5(C))。透明凸層16の形成は、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂組成物を用いてスクリーン印刷法により形成することができる。また、感光性の透明樹脂組成物を全面に塗布し、所望のマスクを介して露光し、現像することにより形成することもできる。この透明凸層16の厚みは、2〜10μmの範囲で設定することができ、後工程で形成するスペーサ19の高さとともに、透明凸層16上の液晶層の厚みが、後述するように、着色層14上の液晶層の厚みの半分となるように設定する。
次に、複数色の着色パターン14R,14G,14Bからなる着色層14と、透明凸層16を覆うように共通透明電極17を形成する(図4(C)、図6(A))。共通透明電極17の形成は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、および、その合金等を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法により行なうことができる。このような共通透明電極17の厚みは、例えば、200〜5000Å程度とすることができる。
次に、共通透明電極17上にネガ型感光性樹脂組成物を塗布し、スペーサ・突起形成用マスクMを介してネガ型感光性樹脂組成物塗膜20を露光する(図4(D)、図6(B))。使用するネガ型感光性樹脂組成物としては、公知のネガ型感光性樹脂組成物を使用することができる。例えば、アクリル系ネガ型感光性樹脂組成物として、少なくとも紫外線照射によりラジカル成分を発生する光重合開始剤と、分子内にC=Cなるアクリル基を有し上記の発生したラジカルにより開裂重合反応を起こして硬化する成分と、その後の現像により未露光部が溶解可能となる官能基(例えば、アルカリ溶液による現像の場合は酸価をもつ成分)、とから構成されるものを用いることができる。上記のアクリル基を有する成分のうち、比較的低分子量の多官能アクリル分子としては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)、テトラメチルペンタトリアクリレート(TMPTA)等が挙げられる。また、高分子量の多官能アクリル分子としては、スチレン−アクリル酸−ベンジルメタクリレート共重合体の一部のカルボン酸基部分にスペーサを介してアクリル基を導入したポリマー等が挙げられる。尚、必要に応じてカーボンブラック、銅−鉄−マンガン複合酸化物、酸化インジウムスズ(ITO)、アルミニウム、銀、酸化鉄等の導電性粉体等の添加物をネガ型感光性樹脂組成物に含有させてもよい。
その後、ネガ型感光性樹脂組成物塗膜20を現像することにより、液晶分子の配向方向を複数方向に制御するための突起18が、複数色の着色パターン14R,14G,14B上に位置する共通透明電極17上に形成され、透明凸層16上に位置する共通透明電極17上には、スペーサ19が形成される(図4(E)、図6(C))。
尚、突起18、スペーサ19を形成するための露光、現像が終了した後、突起18、スペーサ19に対して焼成処理を施してもよい。この焼成処理は、例えば、温度200〜250℃、処理時間30〜60分程度で適宜設定することができる。
また、共通透明電極17、突起18、スペーサ19を覆うように配向膜を形成する場合、例えば、可溶性ポリイミド、ポリアミック酸タイプポリイミド、変性ポリイミド等の有機化合物を、種々の印刷法、公知の塗布方法により塗布し、その後、焼成することにより行なうことができる。配向膜の厚みは500〜1000Å程度とすることができる。尚、この配向膜には配向処理(ラビング)は不要である。
上述のような本発明のカラーフィルタの製造方法では、ネガ型の感光性樹脂組成物を使用して突起18、スペーサ19を同時形成するので、工程数が減少して製造が簡便なものとなる。また、カラーフィルタ製造の全工程をネガ型感光性材料を使用したものとすることが可能となり、既存の製造ラインの使用が可能となる。
尚、上述の製造方法は本発明に一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上述の例では、突起18の形状がスポット状であるが、図7に示すように、屈曲部を有するストライプ形状として、1画素P内における配向方向を複数に分割できるようにしてもよい。
[液晶表示装置]
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。
図8および図9は、本発明の半透過型の液晶表示装置の一実施形態を示す概略部分断面図であり、図8は図2相当の断面(図1のA−A線断面)を示し、図9は図3相当の断面(図1のB−B線断面)を示す。
図8および図9において、液晶表示装置1は、カラーフィルタ11とTFT基板21とを所定の間隔で対向させ、周辺部をシール部材(図示せず)により封止し、間隙部分に液晶層2を備えた半透過型の液晶表示装置である。尚、カラーフィルタ11とTFT基板21の外側には、それぞれ偏光板(図示せず)が配設されている。
本発明の液晶表示装置1を構成するカラーフィルタ11は上述のような本発明のカラーフィルタ製造方法により作製されたものであり、図2および図3に示したものと同様であり、個々の部材についての説明は省略する。
このカラーフィルタ11では、着色層14上の液晶層2の厚みT、透明凸層16上の液晶層2の厚みtは適宜設定することができる。
尚、カラーフィルタ11は、突起18、スペーサ19を覆うように配向膜(図示せず)を有している。
本発明の液晶表示装置1を構成するTFT基板21は、各画素に対応するように透明基板22上に液晶駆動用の薄膜トランジスタ(TFT)23、透明画素電極24、および反射用電極25を備え、透明画素電極24と反射用電極25を覆うように配設された配向膜(図示せず)を備えている。
本発明の液晶表示装置1を構成するTFT基板21には、薄膜トランジスタ(TFT)23を開閉するゲート線群(図示せず)、映像信号を供給する信号線群(図示せず)、および、カラーフィルタ11の共通透明電極17への電圧供給線(図示せず)が配設されている。これらのリード線は、通常、薄膜トランジスタ(TFT)23の製造工程で一括して形成されたアルミニウム等の金属からなるものである。
上記のTFT基板21を構成する透明基板22としては、上述のカラーフィルタ11の透明基板12と同じものを使用することができる。
また、透明画素電極24は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、および、その合金等を用いて、電極形成用のマスクを介したスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法により形成することができる。もしくは、公知のフォトリソグラフィーの手法とエッチングの手法を組み合わせることにより形成することができる。
また、反射用電極25は、1画素Pの中で、カラーフィルタ11の透明凸層16に対向する部位の透明画素電極24上に設けられている。この反射用電極は、電極材料としてアルミニウム等を用いて、電極形成用のマスクを介したスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法により形成することができる。
上述のような本発明の半透過型の液晶表示装置1では、カラーフィルタ11の透明基板12、透明凸層16を透過し、液晶層2を通過した光が、反射用電極25で反射され、同じ光路を戻って、画像表示(観察者に認識)される。また、この反射領域に透光用スルーホール15(内部には透明凸層16の構成樹脂材料が充填されている)が設けられているので、反射光の明度が高いものとなる。一方、TFT基板21の裏面に光源を配設することにより、透明電極24が配設された領域では、透過光による画像表示がなされる。そして、カラーフィルタ11は、可視光領域に吸収をもつポジ型の感光性樹脂組成物を使用して形成した突起を備えていないので、画面の明度低下を極力抑えることができ、視野角が広く、明度が高いとともに、色純度も良好な表示画面が可能である。
上述の液晶表示装置は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、突起18の形状を、図10に示すような屈曲部を有するストライプ形状とし、これに対応して、透明画素電極24にスリット26を形成してもよい。この場合、スリット26は、カラーフィルタ11の突起18の配列ピッチに対して半ピッチずれたピッチで形成する。尚、突起18、スリット26の形状は、屈曲部を有する不連続ストライプ形状であってもよい。
また、上述のスリット26の代わりに、透明画素電極24上に配向制御用の突起が形成されたものであってもよい。
尚、図示例では、1画素Pを構成する透明画素電極24上の所望の部位(カラーフィルタ11の透明凸層16に対向する部位)に反射用電極25が設けられているが、反射用電極25が存在する部位には透明画素電極24が存在せず、かつ、透明画素電極24と反射用電極25が電気的に接続されたものであってもよい。
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例]
カラーフィルタ用の透明基板として、300mm×400mm、厚さ0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。この基板を定法にしたがって洗浄した後、基板の片側全面に下記組成のブラックマトリックス用のネガ型感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布した。プリベーク後、所定のフォトマスクを介して露光し、過剰に現像した後、ポストベークを行って、線幅10μmのブラックマトリックスをピッチ60μmで形成した。
(ブラックマトリックス用のネガ型感光性樹脂組成物)
・カーボンブラック … 61重量部
・感光性樹脂組成物 … 39重量部
・メトキシブチルアセテート … 300重量部
尚、上記の感光性樹脂組成物は、下記組成を有するものである。
(感光性樹脂組成物)
・アクリル樹脂 … 32重量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 42重量部
・エピコート180S70(三菱油化シェル(株)製) … 18重量部
・開始剤 … 8重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
次に、下記組成の赤色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物、緑色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物、青色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物を調製した。
(赤色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物)
・赤顔料 … 4.8重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B)
・黄顔料 … 1.2重量部
(BASF社製 パリオトールイエローD1819)
・分散剤(アビシア社製ソルパース24000 … 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) … 4.0重量部
・ポリマーI … 5.0重量部
・開始剤 … 1.4重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
・開始剤 … 0.6重量部
(2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−
テトラフェニル−1,2′−ビスイミダゾール)
・界面活性剤 … 1.0重量部
(日本油脂(株)製 ノニオンHS−210)
・溶剤 … 79.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(緑色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物)
・緑顔料 … 4.2重量部
(アビシア社製 モナストラルグリーン9Y−C)
・黄顔料 … 1.8重量部
(BASF社製 パリオトールイエローD1819)
・分散剤(アビシア社製ソルパース24000 … 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) … 4.0重量部
・ポリマーI … 5.0重量部
・開始剤 … 1.4重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
・開始剤 … 0.6重量部
(2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−
テトラフェニル−1,2′−ビスイミダゾール)
・溶剤 … 80.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(青色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物)
・青顔料 … 6.0重量部
(BASF社製 ヘリオゲンブルーL6700F)
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース12000)… 0.6重量部
・分散剤(アビシア社製ソルパース24000 … 2.4重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) … 4.0重量部
・ポリマーI … 5.0重量部
・開始剤 … 1.4重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
・開始剤 … 0.6重量部
(2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−
テトラフェニル−1,2′−ビスイミダゾール)
・溶剤 … 80.0重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
尚、上記のポリマーIは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
次いで、ガラス基板上にブラックマトリックスを覆うように赤色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、赤色パターン用のフォトマスクを介して、露光、現像して、赤色パターンを形成した。この赤色パターンは、図1、図3に示されるように、隣り合うブラックマトリックス間に位置するストライプ形状(幅60μm)であり、直径15μmの円形の透光用スルーホールを、長手方向に180μmピッチで備えるものであった。したがって、60μm×180μmの大きさの画素が設定され、各画素に1個の透光用スルーホールが存在するものとなった。
その後、緑色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物、青色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物を用いて、同様の操作により、緑色パターン、青色パターンを形成した。これにより、赤色パターン、緑色パターン、青色パターンが図1〜図3に示されるような画素パターンで配列された着色層を形成した。
次に、ブラックマトリックス、着色層を覆うように、下記組成の透明凸層形成用のネガ型感光性樹脂組成物Aをスピンコート法により塗布し、帯状の開口部(幅60μm)を180μmピッチで備えるマスクを介して露光し、現像した。
(透明凸層形成用のネガ型感光性樹脂組成物A)
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 … 42重量部
・エピコート180S70(三菱油化シェル(株)製) … 18重量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート … 32重量部
・開始剤 … 8重量部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
・溶剤 … 300重量部
(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
これにより、透光用スルーホールを充填、被覆する透明凸層(厚み4.0μm)を、ストライプ形状(幅60μm)の赤色パターン、緑色パターン、青色パターンに直交するように形成した。
次に、ブラックマトリックス、着色層および透明凸層を覆うように酸化インジウムスズ(ITO)からなる共通透明電極(厚み1500Å)をスパッタリング法により形成した。
次に、ネガ型感光性樹脂組成物Bとして、JSR(株)製 NN850を共通透明電極上にスピンコート法により塗布し、スペーサ・突起形成用のマスクを介して露光し、現像した。
その後、230℃、30分間の焼成処理を施して、スペーサと配向制御用の突起を形成した。スペーサは、透明凸層上に位置し、高さ2.5μm、太さ約13μmであった。また、突起は、赤色パターン、緑色パターン、青色パターンの各着色パターンの各画素毎に1個存在し、高さ3.0μm、太さ約13μmであった。さらに、配向制御用の突起の光透過率を、顕微分光光度計(オリンパス(株)製 OSP−SP200)を使用し、波長400〜700nmの範囲で、照明倍率=20倍、ピンホール径=50μm、基準ガラス=コーニング社製1737ガラスを用いて測定した結果、90%であった。
次に、共通透明電極と突起を覆うように、配向膜用塗料(日産化学(株)製 SE−5300)をスピンコート法で塗布し、220℃、60分間の焼成処理を施して、厚み(共通透明電極上の厚み)200Åの配向膜を形成し、カラーフィルタを得た。
一方、TFT基板用の透明基板として、300mm×400mm、厚さ0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。この基板を定法にしたがって洗浄した後、基板の片側全面にスパッタリング法により酸化インジウムスズ(ITO)を1500Åの厚さに成膜して透明電極とした。
次に、この透明電極上にポジ型感光性レジスト(東京応化工業(株)製 OFPR−800)を塗布し、所定のマスクを介して露光、現像してレジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンをマスクとして、透明画素電極をエッチングして透明電極を形成した。
次いで、60μm×60μmの大きさの開口部を、上記の画素のピッチに合せて備えたマスクを介して、透明画素電極上にアルミニウム電極(反射用電極)をスパッタリング法により成膜(厚み1000Å)して形成した。これにより、60μm×180μmの大きさの画素毎に、60μm×120μmの透明画素電極と、各透明画素電極上に60μm×60μmの反射用電極を形成した。その後、上記のカラーフィルタ作製の場合と同様にして、透明画素電極および反射用電極上に厚み200Åの配向膜を形成し、TFT基板を得た。
尚、実際のTFT基板は、液晶駆動用の薄膜トランジスタ(TFT)を備えた基板上に、画素形状にパターニングされた透明電極、反射用電極を備えるが、本実施例では、簡略化のためTFTを省略してTFT基板とした。
次に、カラーフィルタとTFT基板を配向膜形成面側を対向させ、かつ、反射用電極がカラーフィルタの透明凸層と対向するようにして貼り合わせ、次いで、真空注入法を用いて液晶をセル内に注入し、注入口を紫外線硬化樹脂を用いて封止し、その後、アニーリング処理を行って流動配向効果をキャンセルした。これにより、評価用の液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置の液晶層の厚みは、透明凸層が存在する部位で2.5μm、透明凸層が存在しない部位で5.0μmであった。
[比較例]
配向制御用の突起を形成しない他は、スペーサ形成までを実施例と同様に行った。
次に、突起形成用のポジ型感光性樹脂組成物(東京応化工業(株)製 OFPR−800)を共通透明電極上にスピンコート法により塗布し、突起形成用のマスクを介して露光し、現像した。
その後、220℃、60分間の焼成処理を施して、配向制御用の突起を形成した。形成した突起は、赤色パターン、緑色パターン、青色パターンの各着色パターンの各画素毎に1個存在し、高さ2.0μm、太さ約16μmであった。また、配向制御用の突起の透過率を実施例と同様の条件で測定した結果、67%であった。
次に、実施例と同様に配向膜を形成し、カラーフィルタを得た。
次いで、実施例と同様にTFT基板を作製し、評価用の液晶表示装置を作製した。
[評 価]
実施例では、ネガ型感光性樹脂組成物を用いることにより、比較例に比べて簡便な工程で半透過型のカラーフィルタが製造できた。また、実施例で製造したカラーフィルタでは、配向制御用の突起が比較例に比べて微小、かつ高透過率であり、作製した液晶表示装置は、白表示での透過率が向上し、コントラストの高い液晶表示装置であった。
複数配向分割型垂直配向モードの液晶表示装置等に利用することができる。
本発明のカラーフィルタ製造方法により製造されるカラーフィルタの一例を示す平面図である。 図1のA−A線における拡大縦断面図である。 図1のB−B線における拡大縦断面図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法を説明するための工程図であり、各工程は図2相当の断面(図1のA−A線断面)を示す。 本発明のカラーフィルタの製造方法を説明するための工程図であり、各工程は図3相当の断面(図1のB−B線断面)を示す。 本発明のカラーフィルタの製造方法を説明するための工程図であり、各工程は図3相当の断面(図1のB−B線断面)を示す。 本発明のカラーフィルタ製造方法により製造されるカラーフィルタの他の例を示す平面図である。 本発明の半透過型の液晶表示装置の一実施形態を示す概略部分断面図であり、図2相当の断面(図1のA−A線断面)を示す。 本発明の半透過型の液晶表示装置の一実施形態を示す概略部分断面図であり、図3相当の断面(図1のB−B線断面)を示す。 本発明の半透過型の液晶表示装置の他の実施形態を示す平面図である。
符号の説明
1…半透過型の液晶表示装置
11…カラーフィルタ
12…透明基板
13…ブラックマトリックス
14…着色層
14R,14G,14B…着色パターン
15…透光用スルーホール
16…透明凸層
17…共通透明電極
18…突起
19…スペーサ
21…TFT基板
22…透明基板
23…TFT
24…透明画素電極
25…反射用電極
26…スリット

Claims (3)

  1. 複数配向分割型垂直配向モードの液晶表示装置に用いる半透過型カラーフィルタの製造方法において、
    透明基板の表面に、透光用スルーホールを有する着色層を所定の画素パターンで形成する操作を複数色分繰り返す着色層形成工程と、
    少なくとも前記透光用スルーホールを覆うように前記着色層上に透明凸層を形成する凸層形成工程と、
    前記着色層および前記透明凸層を覆うように共通透明電極を形成する電極形成工程と、
    前記共通透明電極上にネガ型感光性樹脂組成物を塗布し、スペーサ・突起形成用マスクを介して前記ネガ型感光性樹脂組成物塗膜を露光し、現像して、前記透明凸層上にスペーサを、前記着色層上に液晶分子の配向方向を複数方向に制御するための突起であって光透過率が85〜95%の範囲内にある突起を、同時に形成するスペーサ・突起形成工程と、を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記スペーサ・突起形成工程では、現像した後、スペーサ・突起に焼成処理を施すことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記着色層形成工程の前に、前記透明基板の表面にブラックマトリックスを形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
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