JP2002277877A5 - - Google Patents

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Description

【発明の名称】液晶表示装置およびその製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】第1基板と、第2基板と、前記第1基板と第2基板の間に設けられた垂直配向型の液晶層と、前記液晶層に電圧を印加するための電圧印加手段と、前記電圧印加手段によって印加される電圧に応じて配向状態が変化する前記液晶層をそれぞれが含む複数の絵素と、を有する液晶表示装置であって、
前記複数の絵素のそれぞれ内の前記液晶層は、少なくとも電圧印加状態において、前記液晶層の厚さ方向の中央付近に位置する液晶分子の配向方向が互いに異なる第1ドメイン、第2ドメイン、第3ドメインおよび第4ドメインがある方向に沿ってこの順に配列された4分割ドメインを含み、
前記4分割ドメインに対応して、前記第1基板は、前記液晶層の液晶分子を第1方向に配向させる規制力を有する2つの第1領域と、前記液晶分子を前記第1方向と反対の第2方向に配向させる規制力を有し、前記2つの第1領域の間に設けられた第2領域とを有し、前記第2基板は、前記液晶分子を前記第1方向と交差する第3方向に配向させる規制力を有する第3領域と、前記液晶分子を前記第3方向と反対の第4方向に配向させる規制力を有する第4領域とを有し、
前記第1ドメインは前記2つの第1領域のうちの一方と前記第3領域との間に形成され、前記第2ドメインは前記第2領域と前記第3領域との間に形成され、前記第3ドメインは前記第2領域と前記第4領域との間に形成されて、前記第4ドメインは前記2つの第1領域のうちの他方と前記第4領域との間に形成されている、液晶表示装置。
【請求項2】前記第1方向と前記第3方向とは互いに直交している、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】前記複数の絵素のそれぞれ内の前記液晶層は、少なくとも電圧印加状態において、前記4分割ドメインと、前記4分割ドメイン含まれる前記第4ドメインに隣接したさらなる第1ドメインを有する、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】前記複数の絵素のそれぞれ内の前記液晶層が有する、前記第1ドメインと前記さらなる第1領域との面積の合計と、前記第2ドメインの面積と、前記第3ドメインの面積と、前記第4ドメインの面積とは、互いに等しい、請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】前記複数の絵素のそれぞれ内の前記液晶層は、少なくとも電圧印加状態において、実質的に1つの前記4分割ドメインによって占有されている、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項6】前記第1、第2、第3および第4ドメインの面積は実質的に互いに等しい、請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】前記第2ドメインの前記ある方向に沿った長さをx、前記第2領域および第4領域の前記ある方向に沿った長さをyとするとき、x=y/n(nは、1以上の正の整数)の関係を満足する請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項8】前記複数の絵素の前記ある方向に沿った長さをP、前記第2ドメインの前記ある方向に沿った長さをx、前記第2領域および第4領域の前記ある方向に沿った長さをyとするとき、P=4nx=2ny(nは、1以上の正の整数)の関係を満足する請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項9】前記複数の絵素は行および列から形成されるマトリクス状に配列されており、前記ある方向は前記列に平行である、請求項1から8のいずれか1つに記載の液晶表示装置。
【請求項10】前記2つの第1領域、前記第2領域、前記第3領域および前記第4領域は、前記行に平行に形成されており、前記複数の絵素の内1つの行を構成する複数の絵素を貫くようにストライプ状に形成されている、請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】前記第2領域の前記列方向に沿った長さと、前記第4領域の前記列方向に沿った長さは互いに等しい、請求項10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】前記第1、第2、第3および第4ドメインの前記列方向の長さは、前記第2領域の前記列方向の長さの半分である、請求項11に記載の液晶表示装置。
【請求項13】ノーマリブラックモードで表示を行う、請求項1から12のいずれか1つに記載の液晶表示装置。
【請求項14】前記第1および第2基板を間に介して互いに対向するように配置された一対の偏光板と、前記一対の偏光板と前記第1基板および前記第2基板との少なくともいずれか一方の間に設けられた位相差補償素子とを有し、
前記位相差補償素子の遅相軸は、前記液晶層の層面内にあり、且つ、前記一対の偏光板の内の近い方の偏光板の吸収軸に平行に配置されている、請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項15】請求項1から14のいずれか1つに記載の液晶表示装置の製造方法であって、
前記第1基板と前記第2基板の間に液晶材料を注入する工程と、
前記注入工程の後に、前記液晶材料を前記液晶材料のTni点以上の温度に一定時間以上保持し、その後、常温まで冷却する工程と、
を包含する液晶表示装置の製造方法。
【請求項16】第1基板と、第2基板と、前記第1基板と第2基板の間に設けられた垂直配向型の液晶層と、前記液晶層に電圧を印加するための電圧印加手段と、前記電圧印加手段によって印加される電圧に応じて配向状態が変化する前記液晶層をそれぞれが含む複数の絵素と、を有する液晶表示装置であって、
前記複数の絵素のそれぞれ内の前記液晶層は、少なくとも電圧印加状態において、前記液晶層の厚さ方向の中央付近に位置する液晶分子の配向方向が互いに異なる第1ドメイン、第2ドメイン、第3ドメインおよび第4ドメインがある方向に沿ってこの順に配列された4分割ドメインを含み、
前記4分割ドメインに対応して、前記第1基板は、前記液晶層の液晶分子を第1方向に配向させる規制力を有する2つの第1領域と、前記液晶分子を前記第1方向と反対の第2方向に配向させる規制力を有し、前記2つの第1領域の間に設けられた第2領域とを有し、前記第2基板は、前記液晶分子を前記第1方向と交差する第3方向に配向させる規制力を有する第3領域と、前記液晶分子を前記第3方向と反対の第4方向に配向させる規制力を有する第4領域とを有し、
前記第1ドメイン、第2ドメイン、第3ドメインおよび第4ドメインの液晶分子は、それぞれツイスト配向され、
前記第1基板および第2基板に設けられた隣接する異なる配向規制領域の間には、分割ラインが形成され、
前記第1基板および第2基板の一方に形成された前記分割ラインは、必ず、他方の基板における1つの配向規制領域に対向するように配置されている、液晶表示装置。
【請求項17】前記第1方向と前記第3方向とは互いに直交している、請求項16に記載の液晶表示装置。
【請求項18】前記複数の絵素のそれぞれ内の前記液晶層は、少なくとも電圧印加状態において、前記4分割ドメインと、前記4分割ドメイン含まれる前記第4ドメインに隣接したさらなる第1ドメインを有する、請求項16または17に記載の液晶表示装置。
【請求項19】前記第2ドメインの前記ある方向に沿った長さをx、前記第2領域および第4領域の前記ある方向に沿った長さをyとするとき、x=y/n(nは、1以上の正の整数)の関係を満足する請求項16に記載の液晶表示装置。
【請求項20】前記複数の絵素の前記ある方向に沿った長さをP、前記第2ドメインの前記ある方向に沿った長さをx、前記第2領域および第4領域の前記ある方向に沿った長さをyとするとき、P=4nx=2ny(nは、1以上の正の整数)の関係を満足する請求項16に記載の液晶表示装置。
【請求項21】前記複数の絵素は行および列から形成されるマトリクス状に配列されており、前記ある方向は前記列に平行である、請求項16から20のいずれか1つに記 載の液晶表示装置。
【請求項22】前記2つの第1領域、前記第2領域、前記第3領域および前記第4領域は、前記行に平行に形成されており、前記複数の絵素の内1つの行を構成する複数の絵素を貫くようにストライプ状に形成されている、請求項21に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶表示装置およびその製造方法に関し、特に、広視野角特性を有する液晶表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置として、液晶層に電圧を印加することによって液晶分子のねじれ配向を解消することによって表示を行うTNモードやSTNモード、あるいは、電圧の印加による液晶層の配向状態の変化に起因する複屈折率の変化を利用して表示を行うECBモードが広く利用されている。しかしながら、これらの液晶表示装置は、視野角特性に劣るという欠点がある。
【0003】
一方、液晶表示装置が普及するに連れて、要求特性が次第に厳しくなっている。例えば、大人数で使用する、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、アミューズメント機器、教育機器、テレビジョン装置のための液晶表示装置として好適に用いられる、広い視野角特性を有する液晶表示装置の開発が強く望まれている。
【0004】
液晶表示装置の視野角特性を改善する方法として、いわゆる画素分割法(マルチドメイン法とも呼ばれる)が知られている。
【0005】
例えば、Katoらは、IDW'97,p.163-p.166,"Four-Domain TN-液晶表示装置 Using New Division Pattern and Special Arrangement"に、正の誘電異方性を有するネマチック(Np)液晶材料と水平配向膜とを用いたTN配向の4分割法を提案している。上記文献の4分割法を用いると、TN配向の画素分割法で問題となっていたドメイン間に発生するディスクリネーションラインは発生しないと記載されている。しかしながら、ノーマリーホワイトモード(NWモード)のTN型液晶表示装置は、一般に、黒表示状態において光漏れが発生しやすく、コントラスト比の高い表示を実現することが難しい。これは、配向膜の近傍の液晶分子(「アンカリング層」と呼ばれることもある。)が電圧印加時にも水平配向状態を維持することに起因する。従って、他のTN型液晶表示装置と同様に、上記文献に開示されている4分割TN型液晶表示装置も、現在要求されている高品位の表示を実現することは難しい。
【0006】
一方、特開平10−301113号公報には、垂直配向型の液晶表示装置において、液晶分子が倒れる方向が互いに180°異なる2つのドメイン間の境界領域に、液晶分子が倒れる方向が上記2つのドメイン中の液晶分子が倒れる方向のいずれにも直交する微小ドメインを形成することによって、液晶表示装置の視野角特性および応答特性が向上することが記載されている。また、この液晶表示装置は垂直配向型なので、上述のTN型液晶表示装置で発生する黒表示の品位の低下もない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本願発明者の検討によると、上記公報に開示されている垂直配向型の液晶表示装置は、電圧のオン/オフによって、ドメイン間にディスクリネーションラインが発生する。その結果、特に、表示面を斜め方向から観察したとき、全ての方位角方向において表示がざらついて観察されるという問題がある。さらに、ディスクリネーションラインの発生の程度がひどいと、表示品位が視野角に依存するという問題も発生する。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、視野角特性に優れ、高品位の表示が可能な液晶表示装置およびその製造方法を提供すること目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による液晶表示装置は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と第2基板の間に設けられた垂直配向型の液晶層と、前記液晶層に電圧を印加するための電圧印加手段と、前記電圧印加手段によって印加される電圧に応じて配向状態が変化する前記液晶層をそれぞれが含む複数の絵素と、を有する液晶表示装置であって、前記複数の絵素のそれぞれ内の前記液晶層は、少なくとも電圧印加状態において、前記液晶層の厚さ方向の中央付近に位置する液晶分子の配向方向が互いに異なる第1ドメイン、第2ドメイン、第3ドメインおよび第4ドメインがある方向に沿ってこの順に配列された4分割ドメインを含み、前記4分割ドメインに対応して、前記第1基板は、前記液晶層の液晶分子を第1方向に配向させる規制力を有する2つの第1領域と、前記液晶分子を前記第1方向と反対の第2方向に配向させる規制力を有し、前記2つの第1領域の間に設けられた第2領域とを有し、前記第2基板は、前記液晶分子を前記第1方向と交差する第3方向に配向させる規制力を有する第3領域と、前記液晶分子を前記第3方向と反対の第4方向に配向させる規制力を有する第4領域とを有し、前記第1ドメインは前記2つの第1領域のうちの一方と前記第3領域との間に形成され、前記第2ドメインは前記第2領域と前記第3領域との間に形成され、前記第3ドメインは前記第2領域と前記第4領域との間に形成されて、前記第4ドメインは前記2つの第1領域のうちの他方と前記第4領域との間に形成されている構成を有し、そのことによて上記目的が達成される。
【0010】
前記第1方向と前記第3方向とは互いに直交していることが好ましい。
【0011】
前記複数の絵素のそれぞれ内の前記液晶層は、少なくとも電圧印加状態において、前記4分割ドメインと、前記4分割ドメイン含まれる前記第4ドメインに隣接したさらなる第1ドメインを有してもよい。このとき、前記複数の絵素のそれぞれ内の前記液晶層が有する、前記第1ドメインと前記さらなる第1領域との面積の合計と、前記第2ドメインの面積と、前記第3ドメインの面積と、前記第4ドメインの面積とは、互いに等しいことが好ましい。少なくとも、第1領域と更なる第1領域との面積の合計と、第3領域の面積とが互いに等しく、且つ、第2領域と第4領域の面積が互いに等しいことが好ましい。
【0012】
前記複数の絵素のそれぞれ内の前記液晶層は、少なくとも電圧印加状態において、実質的に1つの前記4分割ドメインによって占有されている構成としてもよい。このとき、前記第1、第2、第3および第4ドメインの面積は実質的に互いに等しいことが好ましい。
【0013】
前記第2ドメインの前記ある方向に沿った長さをx、前記第2領域および第4領域の前記ある方向に沿った長さをyとするとき、x=y/n(nは、1以上の正の整数)の関係を満足することが好ましい。
【0014】
前記複数の絵素の前記ある方向に沿った長さをP、前記第2ドメインの前記ある方向に沿った長さをx、前記第2領域および第4領域の前記ある方向に沿った長さをyとするとき、P=4nx=2ny(nは、1以上の正の整数)の関係を満足することが更に好ましい。
【0015】
ある実施形態において、前記複数の絵素は行および列から形成されるマトリクス状に配列されており、前記ある方向は前記列に平行である。このとき、前記2つの第1領域、前記第2領域、前記第3領域および前記第4領域は、前記行に平行に形成されており、前記複数の絵素の内1つの行を構成する複数の絵素を貫くようにストライプ状に形成されている構成とすることができる。前記第2領域の前記列方向に沿った長さと、前記第4領域の前記列方向に沿った長さは互いに等しいことが好ましい。さらに、前記第1、第2、第3および第4ドメインの前記列方向の長さは、前記第2領域の前記列方向の長さの半分であることが好ましい。
【0016】
本発明による液晶表示装置は、ノーマリブラックモードで表示を行う構成とすることが好ましい。このとき、前記第1および第2基板を間に介して互いに対向するように配置された一対の偏光板と、前記一対の偏光板と前記第1基板および前記第2基板との少なくともいずれか一方の間に設けられた位相差補償素子とを有し、前記位相差補償素子の遅相軸は、前記液晶層の層面内にあり、且つ、前記一対の偏光板の内の近い方の偏光板の吸収軸に平行に配置されている構成とすることが好ましい。
【0017】
上記の液晶表示装置は、前記第1基板と前記第2基板の間に液晶材料を注入する工程と、前記注入工程の後に、前記液晶材料を前記液晶材料のTni点以上の温度に一定時間以上保持し、その後、常温まで冷却する工程とを包含する製造方法によって、製造されることが好ましい。
【0018】
また、本発明による液晶表示装置は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と第2基板の間に設けられた垂直配向型の液晶層と、前記液晶層に電圧を印加するための電圧印加手段と、前記電圧印加手段によって印加される電圧に応じて配向状態が変化する前記液晶層をそれぞれが含む複数の絵素と、を有する液晶表示装置であって、前記複数の絵素のそれぞれ内の前記液晶層は、少なくとも電圧印加状態において、前記液晶層の厚さ方向の中央付近に位置する液晶分子の配向方向が互いに異なる第1ドメイン、第2ドメイン、第3ドメインおよび第4ドメインがある方向に沿ってこの順に配列された4分割ドメインを含み、前記4分割ドメインに対応して、前記第1基板は、前記液晶層の液晶分子を第1方向に配向させる規制力を有する2つの第1領域と、前記液晶分子を前記第1方向と反対の第2方向に配向させる規制力を有し、前記2つの第1領域の間に設けられた第2領域とを有し、前記第2基板は、前記液晶分子を前記第1方向と交差する第3方向に配向させる規制力を有する第3領域と、前記液晶分子を前記第3方向と反対の第4方向に配向させる規制力を有する第4領域とを有し、前記第1ドメイン、第2ドメイン、第3ドメインおよび第4ドメインの液晶分子は、それぞれツイスト配向され、前記第1基板および第2基板に設けられた隣接する異なる配向規制領域の間には、分割ラインが形成され、前記第1基板および第2基板の一方に形成された前記分割ラインは、必ず、他方の基板における1つの配向規制領域に対向するように配置され、そのことによて上記目的が達成される。
【0019】
前記第1方向と前記第3方向とは互いに直交していることが好ましい。
【0020】
前記複数の絵素のそれぞれ内の前記液晶層は、少なくとも電圧印加状態において、前記4分割ドメインと、前記4分割ドメイン含まれる前記第4ドメインに隣接したさらなる第1ドメインを有してもよい。
【0021】
前記第2ドメインの前記ある方向に沿った長さをx、前記第2領域および第4領域の前記ある方向に沿った長さをyとするとき、x=y/n(nは、1以上の正の整数)の関係を満足することが好ましい。
【0022】
前記複数の絵素の前記ある方向に沿った長さをP、前記第2ドメインの前記ある方向に沿った長さをx、前記第2領域および第4領域の前記ある方向に沿った長さをyとするとき、P=4nx=2ny(nは、1以上の正の整数)の関係を満足することが更に好ましい。
【0023】
ある実施形態において、前記複数の絵素は行および列から形成されるマトリクス状に配列されており、前記ある方向は前記列に平行である。このとき、前記2つの第1領域、前記第2領域、前記第3領域および前記第4領域は、前記行に平行に形成されており、前記複数の絵素の内1つの行を構成する複数の絵素を貫くようにストライプ状に形成されている構成とすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施形態による液晶表示装置100の構成を図1を参照しながら説明する。図1は、液晶表示装置100の1つの絵素を模式的に示している。
【0025】
なお、本願明細書においては、表示の最小単位である「絵素」に対応する液晶セルの領域も、簡単のために「絵素」と呼ぶことにする。絵素は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置(例えばTFT型液晶表示装置)における絵素電極とそれに対向する対向電極によって規定され、単純マトリクス型液晶表示装置においては、ストライプ状の列電極(信号電極)と行電極(走査電極)との交差部によって規定される。プラズマアドレス型液晶表示装置においては、プラズマチャネルによって規定される仮想電極とそれに対向する列電極との交差部によって絵素が規定される。絵素は、典型的には、行および列からなるマトリクス状に配列されており、表示領域を構成する。
【0026】
液晶表示装置100は、第1基板(例えばTFT基板)10と、第2基板(例えばカラーフィルタ基板)20と、第1基板10と第2基板20の間に設けられた垂直配向型の液晶層30とを有している。第1基板10と第2基板20との間には、液晶層30に電圧を印加するための電極印加手段(不図示)が設けられている。本願明細書においては、表示動作のための電圧を液晶層に印加する構成要素を電圧印加手段と称し、アクティブマトリクス型液晶表示装置や単純マトリクス型液晶表示装置における電極対だけでなく、プラズマアドレス型液晶表示装置の仮想電極と列電極との組合せを含むことにする。
【0027】
垂直配向型の液晶層30は、典型的には、誘電異方性が負のネマチック液晶材料を第1基板10および第2基板の液晶層30側に設けれた垂直配向膜(不図示)で配向制御することによって得られる。垂直配向型の液晶層30の液晶分子30aは、電圧が印加されていないときには、垂直配向膜の表面(第1基板10および第2基板20の表面)に対して略垂直(約87°以上)に配向する。液晶層30の層面に垂直な方向の電界を発生する電圧を印加すると、液晶分子30aを電界の方向に直交する方向に傾ける力が液晶分子30aに作用し、液晶分子30aが倒れる。このときに液晶分子30aが倒れる方向は、第1基板10および第2基板20の表面の配向規制力によって決まる。なお、図1中では、液晶分子30aを円柱で示し、その頂面または底面が描かれている方が手前にあることを示している。図1は、液晶層30に中間調を表示するための電圧が印加された状態を模式的に示している。
【0028】
本発明の液晶表示装置100の各絵素のそれぞれ内の液晶層は、少なくとも電圧印加状態において、液晶層30の厚さ方向の中央付近に位置する液晶分子の配向方向が互いに異なる第1ドメインD1、第2ドメインD2、第3ドメインD3および第4ドメインD4がある方向(例えば列方向)に沿ってこの順に配列された4分割ドメインDを含む。典型的には、絵素は、列方向(垂直方向)に長く行方向(水平方向)に短い長方形であり、カラー表示装置においては、その長さの比は約3:1である。すなわち、赤(R)、緑(G)およびB(青)の各列が並んで配置され、縦横比が約1:1の画素(カラー表示画素)を構成する。もちろん、本発明は、このような絵素配列の液晶表示装置に限られず、種々の絵素配列の液晶表示装置にその効果を発揮するし、分割方向も上記の例に限られないが、以下では簡単のために、列方向に縦長の絵素を列方向に沿って分割する例を説明する。
【0029】
なお、本発明の液晶表示装置においては、それぞれの絵素は、ある方向(列方向を例示)に沿ってのみ複数のドメイン(4分割ドメインを含む)に分割されており、他の方向には分割されていない。また、図1には、1つの絵素が1つの4分割ドメインDに占有される場合を示しているが、本発明はこれに限られず、更なるドメインを有してもよく、2つ以上の4分割ドメインを有してもよい。
【0030】
以下に、図1とともに図2(a)〜(c)を参照しながら、電圧印加時に形成される4分割ドメインDの構成を説明する。
【0031】
図2(a)中の矢印は第1基板10上の液晶分子30aの配向方向を示し、図2(a)の矢印は第2基板10上の液晶分子30aの配向方向を示し、図2(c)の矢印は液晶層30の厚さ方向の中央付近の液晶分子30aの配向方向(以下、簡単のために「基準配向方向」と呼ぶことにする。)を示している。基準配向方向は、そのドメインの視野角依存性を決定づける。図2(a)〜(c)に示した矢印は、いずれも基板20側からその法線方向に沿って見たときの配向方向(方位角方向)を示している。
【0032】
第1基板10は、液晶分子30aを第1方向R1に配向させる規制力を有する2つの第1領域A1と、液晶分子30aを第1方向R1と反対の第2方向R2に配向させる規制力を有し、2つの第1領域A1の間に設けられた第2領域A2とを有する。一方、第2基板20は、液晶分子30aを第1方向R1と交差する第3方向R3に配向させる規制力を有する第3領域A3と、液晶分子30aを第3方向R3と反対の第4方向R4に配向させる規制力を有する第4領域A4とを有している。
【0033】
これらの配向規制力を有する領域(「配向規制領域」とも言う)A1〜A4は、例えば、垂直配向膜をラビング処理することによって形成することができる。第1方向R1および第2方向R2は行方向に平行であり、第3方向および第4方向R4は列方向に平行である。すなわち、第1基板10に対して2方向(互いに反平行)にラビング処理を施し、第2基板20に対して2方向(互いに反平行)にラビン処理を施すことによって、配向規制領域A1〜A4を形成することができる。
【0034】
上述したように第1領域A1/第2領域A2/第1領域A1が列方向に沿ってこの順に形成された第1基板10と、第3領域A3/第4領域A4がこの順で列方向に沿って形成された第2基板20とを図1(および図2(C))に示したように配置することによって、4分割ドメインDが形成される。言い換えると、第1ドメインD1が一方の第1領域A1と第3領域A3との間に形成され、第2ドメインD2は第2領域A2と第3領域A3との間に形成され、第3ドメインD3が第2領域A2と第4領域A4との間に形成されて、第4ドメインD4が他方の第1領域A1と第4領域A4との間に形成されるように、第1基板10と第2基板20とを配置する。なお、第1方向R1と第2方向R2とは図示した例と逆でもよく、また、第3方向R3と第4方向R4も図示した例と逆でもよい。また、第1基板10と第2基板20とは、互いに入れ替わってもよい。
【0035】
このようにして形成された4分割ドメインD中の4つのドメインD1からD4の基準配向方向は、図1および図2(c)に示したように、互いに異なる。ツイスト方向の右回り(D1およびD3)と左回り(D2およびD4)の2種類が存在することになる。なお、このツイスト方向は、基板20から基板10に向かって見たときのツイスト方向である。従って、基準配向方向によって代表される各ドメインの視野角依存性は、互いに異なり、液晶表示装置100の視野角依存性は、全ての方位角方向に対して平均化される。特に、例示するように、第1方向R1と第3方向R3とが互いに直交(必然的に、第2方向R2と第4方向R4とも互いに直交)するように構成すると、視野角特性はより均一化されるので好ましい。また、後に説明するように、液晶分子の配向が安定され、電界の変化に対して不安定で移動するディスクリネーションラインがドメイン間に形成されることが抑制または防止される。また、配向安定性の観点から、ドメイン(D1〜D4)間の境界(あるいは、配向規制領域(A1とA2およびA3とA4)間の境界)は、列方向に直交する方向であることが好ましい。
【0036】
また、ドメインD1〜D4の各ドメインの面積比率が表示領域全体の視野角特性に影響するので、例示したように、各絵素に含まれる第1ドメインD1、第2ドメインD2、第3ドメインD3および第4ドメインD4の各ドメイン毎の面積の合計は、互いに等しいことが好ましい。ここでは、1つの絵素が1つの4分割ドメインDに占有されている(実質的に1つの4分割ドメインDだけで構成させれている)場合を例示しており、1つの4分割ドメインD中の第1ドメインD1と、第2ドメインD2と、第3ドメインD3と、第4ドメインD4の各面積は、それぞれ互いに等しい。すなわち、第1基板10は、図2(a)に示したように、第1領域A1/第2領域A2/第1領域A2がこの順で配列され、その面積比を1:2:1であり、第2基板20は、図2(b)に示したように、第3領域A3/第4領域A4がこの順で配列され、その面積比を2:2である。その結果、第1ドメインD1/第2ドメインD2/第3ドメインD3/第4ドメインD4がこの順で配列され、その面積比が1:1:1:1の4分割ドメインDが形成されている。なお、ここでは、ドメインD1〜D4それぞれの面積を単位に面積比を表している。
【0037】
絵素をいくつのドメインに分割するかは、絵素の大きさや、液晶表示装置に求められる表示特性などを考慮して適宜設定され得る。但し、絵素内には、少なくとも1つの4分割ドメインD(D1〜D4からなる)を有することが好ましく、さらにドメインを有する場合には、4つのドメインD1〜D4がD1/D2/D3/D4の順で配置されている方向に沿って、この配列順序(循環的に)に従って、ドメインが形成されることが好ましい。
【0038】
例えば、図3(a)に示すように、第1基板10に、第1領域A1/第2領域A2/第1領域A1を3:4:1の面積比で形成し、第2基板20に第3領域A3/第4領域A4/第3領域A3を2:4:2の面積比で形成すると、第1ドメインD1/第2ドメインD2/第3ドメインD3/第4ドメインD4/第1ドメインD1がこの順に配列され、その面積比が2:1:3:1:1のドメインが形成される。なお、ここでは、第2ドメインD2の面積を単位として面積比を示している。
【0039】
勿論、第4ドメインD4/第1ドメインD1/第2ドメインD2/第3ドメインD3/第4ドメインD4の順に配列されたドメインを形成してもよく、さらなる第2ドメインD2や第3ドメインD3を形成してもよい。さらに、2つ以上の4分割ドメインDをD1〜D4の配列順序が循環的になるように形成してもよい。いずれの場合にも、均一な視野角特性を実現するために、各絵素に含まれる第1ドメインD1、第2ドメインD2、第3ドメインD3および第4ドメインD4の各ドメイン毎の面積の合計は、互いに等しいことが好ましい。
【0040】
ここで、図2および図3を参照しながら、絵素分割の好ましい形態を詳しく説明する。
【0041】
図2および図3に示したように、本発明の液晶表示装置は、絵素に4分割ドメインDを有し、4分割ドメインDは、第1基板10に形成された第1領域A1および第2領域A2と、第2基板20に形成された第3領域A3および第4領域A4との配向規制力によって形成される。
【0042】
図2に示した構成においては、第1基板10の第2領域A2と、第2基板20の第3領域A3および第4領域A4の列方向に沿った長さをそれぞれyとし、第1基板10の第2領域A2の列方向に両側に設けれた2つの第1領域A1のそれぞれの列方向の長さをy/2としたとき、第1基板10の第2領域A2と第2基板20の第4領域A4とが列方向においてy/2だけ重なるように配置されており、その結果、ドメインD1〜D4それぞれの列方向の長さをxとすると、x=y/2の関係を満足する4分割ドメインDが形成されている。また、絵素の列方向の長さをPとすると、1つの絵素の全体に1つの4分割ドメインDが形成されているので、P=4x=2yの関係を満足している。
【0043】
なお、図2では、1つの絵素を示しているので、第1領域A1の列方向の長さをy/2として示しているが、絵素はマトリクス状に規則正しく配列されているので、ある絵素の第1領域A1は列方向に隣接する絵素の第1領域A1と連続して形成することが好ましく、その場合には、列方向の長さが約y(厳密には(y/2)×2+絵素間距離)の第1領域A1が形成され、その一部(y/2相当)がそれぞれの絵素に属するように配置される。このことは、配向規制領域の他の配置の説明についても同様である。また、簡単さのために、絵素間距離を無視し、各配向規制領域A1〜A4の列方向の長さを「y」で表すこともある。
【0044】
上述の関係を満足すると、各ドメインD1〜D4の面積は互いに等しくなるので、均一な視野角特性を実現することができる。勿論、上述のように等分割された4分割ドメインを1つの絵素に複数有する場合も、各絵素内における各ドメインD1〜D4のドメイン毎の合計面積は互いに等しいので、一般に、P=4nx=2ny(nは、1以上の正の整数)の関係を満足すれば、均一な視野角特性を実現することができる。但し、1つのドメインの長さが小さすぎると配向を安定化させる効果が得られないことがあるので、配向規制領域A1〜A4の列方向の長さyは10μm以上であることが好ましく、50μm以上であることが更に好ましい。
【0045】
一般に、絵素に含まれる複数のドメインの面積が互いに等しいことが好ましいが、必ずしも、その必要が無い場合もある。例えば、図3に示した構成においては、第2領域A2および第4領域A4の列方向の長さをyとし、第2領域A2の列方向の両側に形成される2つの第1領域A1の列方向の長さをそれぞれ3y/4およびy/4とし、第4領域A4の列方向の両側に形成される2つの第3領域A3の列方向の長さをいずれもy/2として、第2領域A2と第4領域A4とが列方向において3y/4だけ重なるように配置されており、その結果、第2領域A2と第4領域A4との重なり領域に形成される第2ドメインD2の列方向の長さをxとすると、第1ドメインD1/第2ドメインD2/第3ドメインD3/第4ドメインD4がこの順で、それぞれの列方向の長さが、2x/x/3x/xとなる4分割ドメインDが形成され、更に、D4に続いて、列方向の長さがxの更なる第1ドメインD1が形成されている。
【0046】
このように分割された絵素全体でみると、第1ドメインD1の列方向の長さ(面積に比例する)の合計は3x(=2x+x)で、第3ドメインD3の列方向の長さと等しい。一方、第2ドメインD2の列方向の長さと第4ドメインD3の列方向の長さは、何れもxで互いに等しい。図3(c)から分かるように、第1ドメインD1と第3ドメインD3の基準配向方向は互いに反平行で、且つ、第2ドメインD2と第4ドメインD4の基準配向方向も互いに反平行である。従って、第1ドメインと第3ドメインD3の視野角特性は互いに相補的であり、第2ドメインD2と第4ドメインD4の視野角特性は互いに相補的である。従って、第1ドメインD1〜第4ドメインD4の全てについて、それぞれのドメイン毎の面積の合計が互いに等しくなくても、第1ドメインD1と第3ドメインD3および/または第2ドメインD2と第4ドメインD4の面積が互いに等しければ、充分な視野角特性を得られることもある。
【0047】
次に、図4A〜図4Dを参照しながら、4分割ドメインD内の液晶分子の配向が安定化されるメカニズムを説明する。
【0048】
図4A〜図4Dは、図1および図2に示した液晶表示装置100における電圧印加時の液晶層30の液晶分子30aの配向状態を模式的に表している。それぞれ、基板20側から表示面法線に沿って表示面を観察したときに液晶分子30aの配向方向を示している。図4Aは第1ドメインD1と第2ドメインD2との境界付近を示し、図4Bは第2ドメインD2と第3ドメインD3との境界付近を示し、図4Cは第3ドメインD3と第4ドメインD4との境界付近を示し、図4Dは第4ドメインD4と第1ドメインD1との境界付近を示す。なお、図1および図2に示した例は、1つの絵素が1つの4分割ドメインDに占有されているので、図4Dに示した境界付近は、列方向に互いに隣接する絵素(隣り合う行に属する絵素)間に存在することになる。図3に示した構成においては、絵素内(図中では、絵素の最下部)に存在する。
【0049】
図4A〜図4Dに示したように、隣接する異なる配向規制領域間には分割ラインDLが形成される。本発明の液晶表示装置の絵素内に形成される4分割ドメインにおいては、一方の基板(第1基板10または第2基板20)に形成される分割ラインDLは、必ず、他方の基板(第2基板20または第1基板10)に形成されている1つの配向規制領域に対向するように配置されている。図4Aに示した第1基板10に形成されている第1領域A1と第2領域A2との間の分割ラインDLは、第2基板20に形成されている第3領域A3に対向し、図4Bに示した第2基板20に形成されている第3領域A3と第4領域A4との間の分割ラインDLは、第1基板10に形成されている第2領域A2に対向する。また、図4Cに示した第1基板10に形成されている第2領域A2と第1領域A1との間の分割ラインDLは、第2基板20に形成されている第4領域A4に対向し、図4Dに示した第2基板20に形成されている第4領域A4と第3領域A3との間の分割ラインDLは、第1基板10に形成されている第1領域A1に対向する。
【0050】
上述のように配向規制領域A1〜A4が配置されているので、一方の基板の分割ラインDLに位置する液晶分子30aは、他方の基板の配向規制領域の配向規制力の影響を受けて配向する。第1基板10に形成されている第1領域A1および第2領域A2の配向規制方向と、第2基板20に形成されている第3領域A3と第4領域A4の配向規制方向は、互いに交差(好ましくは互いに直交)する。また、液晶分子30aが連続的な配向をとるためには、液晶の連続体的な性質に依存するある有限な長さの分割ラインDLの幅Wが必要であるが、この幅Wは、非常に小さく、液晶分子30aの分子レベルのサイズになる。従って、分割ラインDLの幅Wは、対向する配向規制領域の列方向の長さ(幅)yに比べて非常に小さい。
【0051】
上述したような関係にあると、分割ラインDLに存在する液晶分子30aは、たとえ液晶層に印加される電圧が高速で切替えられても、対向する配向規制領域から受ける一方向性の配向規制力と液晶のフロー効果との影響を受ける結果、分割ドメインDLの位置が移動することがなく、また、各ドメインD1〜D4内にリバースチルトドメインが発生することも、ドメイン間にディスクリネーションラインが発生することもない。本発明によると、このようにして分割ドメインの配向が安定化される。この安定効果を充分に得るためには、第1領域A1および第2領域A2の配向規制方向(R1およびR2)と、第3領域A3および第4領域A4の配向規制方向(R3およびR4)とがなす角は、約89°〜約91°の範囲内にあることが好ましく、約90°であることがさらに好ましい。
【0052】
本発明の液晶表示装置100は、垂直配向型の液晶層30を備えているので、ノーマリブラックモード(NBモードと略す。)で表示を行うことが好ましい。NBモードで表示すると、従来のTN型のNWモードの液晶表示装置に比べ高いコントラスト比の表示を実現することができる。
【0053】
垂直配向型液晶層を備えたNBモードの液晶表示装置100の視野角特性は、以下のように、偏光板および位相差補償素子を設けることによって、更に改善することができる。
【0054】
第1基板10および第2基板20を間に介して互いに対向するように一対の偏光板(不図示)をクロスニコル状態に配置し、一対の偏光板と第1基板10および第2基板20との少なくともいずれか一方の間に位相差補償素子(不図示)を設ける。この位相差補償素子の遅相軸が、液晶層30の層面(基板10および20に平行)内にあり、且つ、一対の偏光板の内の観察者側に配置された偏光板の吸収軸(偏光軸に直交)に直交するように、位相差補償素子を配置すればよい。特に、位相差補償素子を両方の偏光板と基板との間に設け、それぞれの位相差補償素子の遅相軸を近い方の偏光板の吸収軸と直交するように配置すると、観察者側の偏光板の吸収軸に対して45°方向(方位角方向)の視野角特性(極角(表示面法線からの角度)依存性)が大幅に改善され、全方位に亘って良好な視野角特性を得ることができる。
【0055】
具体的には、例えば液晶層30のリタデーションを340nmとし、一対の偏光板と基板との間に、それぞれ近い方の偏光板の吸収軸と直交するように位相差補償素子の遅相軸を配置する。このとき、位相差補償素子の面内リタデーションRe(=df・(nx−ny))を0〜50nm、法線リタデーションRth(=df・(nx−nz))を0〜150nmの範囲内で変化させ、極角が40°で、方位角が0°、45°、90°および135°のそれぞれの視角方向におけるコントラスト比を測定すると、図5および図6に示し結果が得られる。ここで、dfは位相差補償素子の厚さ、nx、nyは面内の主屈折率、nxは面法線方向の主屈折率を示す。また、nx>ny>nzの関係を有する。
【0056】
図5および図6から明らかなように、偏光板の吸収軸方向に対して、0°および90°の方位角方向におけるコントラスト比は、極角に依存せず一定であるが、45°および135°の方位角方向におけるコントラスト比は、極角に依存し、極大値を示す。面内リタデーションReの値が36nm〜43nmの範囲内にあり、法線リタデーションRthの値が110nm〜130nmの範囲内にあるとき、全方位でほぼ等方的なコントラスト比を実現することができる。さらに、このときの最適値は、面内リタデーションReの値が39nm、法線リタデーションRthの値が122nmである。ここでは、液晶層の両側に位相差補償素子を設けた場合のリタデーションの最適値を説明したが、一方にのみ位相差補償素子を設ける場合は、上記の2倍の値のリタデーションを有する位相差補償素子を用いればよい。なお、液晶層としては、リタデーションが250nm〜400nmの範囲内にあるものを好適に用いることができる。
【0057】
さらに、液晶層30の厚さを4μm以下とすることによってよって、良好な応答速度を実現することができる。具体的には、透過率が0%から90%に変化するのに要する時間(NBモードではTon)と透過率が100%から10%に変化するのに要する時間(NBモードでToff)の和として表される応答時間(Ts)を16.6msec以下とすることができる。液晶層30の厚さは、3μm〜4μmの範囲にあることが好ましい。
【0058】
次に、本発明による液晶表示装置の製造方法を説明する。
【0059】
上述したように、本発明の4分割ドメインは、第1基板10に形成された2種類の配向規制領域A1およびA2と、第2基板20に形成された2種類の配向規制領域A3およびA4との組合せによって形成される。更に、4つの配向規制領域は、列方向に沿って一定の順序で配列される。従って、第1基板10の液晶層30側の表面に、行方向に沿って延びる第1領域A1と第2領域A2とを列方向に沿って交互に設け、第2基板20の液晶層30側の表面に、行方向に延びる第3領域A3と第4領域A4とを列方向に沿って交互に設け、第1基板10と第2基板20とを配向規制領域A1〜A4が各絵素に対応して上記の配置関係を有するように貼り合わせればよい。絵素間距離を無視すると、それぞれの配向規制領域A1〜A4の列方向の長さはyである。すなわち、本発明による4分割ドメインは、配向規制領域A1〜A14を行に平行に形成し、複数の絵素の内1つの行を構成する複数の絵素を貫くようにストライプ状に形成することによって、実現され得る。
【0060】
図7(a)〜(d)を参照しながら、本発明による液晶表示装置の製造方法の実施形態を説明する。
【0061】
まず、第1基板10および第2基板20となる基板(例えばガラス基板)11を用意する。図5(a)に示すように、この基板11上に垂直配向膜12を形成し、一方向にラビングする。ここでは、紙面の手前に向かってラビングする例を示している。
【0062】
この後、図7(b)に示すように、第1回目のラビング処理が施された配向膜12の全面を覆うように感光性樹脂層13を形成する。
【0063】
この感光性樹脂層13を、所定のフォトマスクを用いて露光し、現像することによって、図7(c)に示すように、パターニングする。このとき、典型的には、幅がyの帯状の開口部13a(例えば第2領域A2または第4領域A4に対応する)が、y+dy(dyは絵素間距離)間隔で平行に設けられる。このとき、感光性樹脂層13で覆われている領域が、例えば第1領域A1または第3領域A3となる領域を含む。この状態で、開口部13a内に露出された垂直配向膜12に第2目のラビング処理を施す。このラビング処理の方向は、第1回目のラビング処理方向とは逆(反平行)である。なお、本発明による絵素分割パターンを採用すると、行方向に平行なストライプを形成するだけでよいので、分割する方向(ここでは列方向)以外の方向には、フォトマスクの位置合わせが必要なく、簡単に製造できるという利点も得られる。
【0064】
この後、感光性樹脂層13を剥離することによって、図7(d)に示すように、第基板10または第2基板20を得ることができる。
【0065】
なお、上記の説明の個々の工程は、公知の方法で実行することができる。また、上述した、いわゆる分割ラビングプロセスに代えて、メタルハードマスクを用いたいわゆるマスクラビングプロセスや、UV光を斜め方向から照射することによってプレチルト角を制御するいわゆる光配向処理などの公知の方法を用いても同等の結果を得ることができる。
【0066】
上述のようにして得れた第1基板10および第2基板20を垂直配向膜13が形成された面を内側にして、所定のセルギャプ(液晶層30の厚さに対応)を維持するためのスペーサ(例えば、3.5μm)を介して、互いに貼り合せ、液晶セルを得る。このとき、反平行方向にラビング処理が施された領域が上述したように所定の配置関係で互いに重なるように(例えばy/2幅が重なるように)、分割ラビング処理が施されている。なお、スペーサは、感光性樹脂などを用いて、絵素以外の領域(例えばブラックマトリクが形成される領域)にドット状に設けることが好ましい。
【0067】
得られた液晶セルに液晶材料を注入する。液晶セルのリタデーションは、250nm〜400nmの範囲内にあることが好ましく、液晶層の厚さを4μm以下にするために、複屈折率(Δn)が0.07以上のものを用いることが好ましい。このような液晶層を用いると、前述した位相差補償素子によって、視野角特性が改善されるとともに、応答特性に優れた液晶表示装置を得ることができる。
【0068】
液晶材料の注入工程は、公知の方法で実行できる。但し、液晶材料の注入後、液晶材料のTni点(ネマチック−等方性液体転位温度)以上の温度(好ましくは、Tni点よりも10℃以上高い温度)に液晶セルを一定時間(例えば10分)以上保持し、その後、常温(25℃)まで冷却することが好ましい。こときの降温速度は、10℃/分以下であることが好ましく、10℃/時間以下であることがさらに好ましい。このように、再配向処理を行うことによって、表示領域全体に亘って、均一に、配向状態が安定した分割ドメインを形成することができる。
【0069】
【実施例】
(実施例1)
上述した実施形態で図1および図2を参照しながら説明した分割配向パターンの絵素を有するTFT型液晶表示装置を作製する。分割方向は、列方向で、1つの絵素領域は1つの4分割ドメインで実質的に占有される。基本的な構成は、上述の液晶表示装置100と同じなので、同じ参照符号を用いて、その詳細な説明はここでは省略する。
【0070】
第1基板10となるTFT基板および第2基板20となるカラーフィルタ基板には、それぞれ公知のものを広く用いることができる。まず、図7を参照しながら上述した分割ラビング法を用いる例を説明する。
【0071】
TFT基板およびカラーフィルタ基板上に、例えば、JSR社製のポリイミド系垂直配向膜材料(例えばJALS−682)を用いて60nmの厚さの垂直配向膜12を形成する。この垂直配向膜12を所定の方向に一軸ラビング処理(第1回目)を施し、純水で洗浄した後、例えばシブレー社製ポジ型レジスト(例えばS1805)を用いて膜厚0.5μmの感光性樹脂層13を形成する。
【0072】
この感光性樹脂層13を所定のストライプ状のパターンを有するフォトマスクを介して、例えば大日本科研社製のマスク露光装置を用いて、露光量35mJ(中心波長365nm)で露光する。この後、例えばシブレー社製のMP−DEV無機アルカリ性の現像液を用いて現像することによって、感光性樹脂層13をパターニングし、ストライプ状の開口部13aを形成する。
【0073】
この後、感光性樹脂層13の開口部13a内に露出された垂直配向膜12に、第1回目とは逆方向に第2回目の一軸ラビング処理を行う。その後、剥離液(例NaOHの10%水溶液)を用いて、感光性樹脂層13を剥離する。
【0074】
なお、第1回目および第2回目のラビング処理は、例えば以下の条件で実行することが好ましい。ラビング布として例えば吉川加工社製のYA−18−R(毛足1.8mm)を用い、押し込み量0.4mm、ローラー回転数300mm/分、ステージ速度100mm/秒、回数5回の条件を例示できる。この条件は、ラビング筋が発生しないソフトラビン条件であり、高いラビング密度で行うことが好ましい。
【0075】
光配向処理を用いる場合は、例えば、以下の様にして実行される。
【0076】
まず、TFT基板およびカラーフィルタ基板上に、例えば、日産化学社製の垂直配向膜材料RN−1338を用いて膜厚100nmの垂直配向膜を形成する。
【0077】
この垂直配向膜に、誘電体ミラーを用いて偏光させた偏光UV(中心波長313nm)を1J/cm2の密度で全面に照射する。なお、保持率の観点から、UV照射光量の密度は、1J/cm2以下であることが好ましい。この後、石英フォトマスクを介して所定のパターンに従って、上記の偏光UVを基板の法線に対して例えば45°方向から照射する。但し、偏光UVの照射方向は、45°に限られず、基板の法線に対して傾斜していればよい(0°と90°以外)。この方法を用いると、液晶分子は、偏光UVの偏光方向に直交する方向に配向するので、領域毎に偏光UVの偏光方向を変えることによって、4分割ドメインを形成することができる。
【0078】
この後、TFT基板とカラーフィルタ基板とをセルギャップが3.5μmとなるように貼り合わせ、得られた液晶セルに液晶材料を注入する。液晶材料として、例えばメルク社製のNn液晶であるMJ001025(Δn=0.0916、Δε=−2.4、Tni=80℃)を液晶セルを約60℃に加熱しながら注入し、封止する。この後、再配向処理工程として、液晶セルを約120℃に設定したオーブンの中に約10分間保持した後、10℃/時間の降温速度で、常温(25℃)まで徐冷する。
【0079】
このようにして得られた例示した液晶セルの液晶分子のプレチルト角は、何れも88°であった。種々検討した結果、分割ドメインが安定に形成されるためには、液晶分子のプレチルト角が88°以上(<90°)であることが好ましいことが分かった。尚、これは、配向処理(ラビング処理や光配向処理など)によるプレチルト角の発現(すなわち配向方向を規制する力の発現)および耐純水洗浄性、レジストの耐溶剤性や耐アルカリ現像液性など、配向膜の化学的な性質にも依存していると考えられる。
【0080】
次に、得られた液晶セルに偏光板および位相差補償素子を配置して、NBモードの液晶表示装置を作製する。
【0081】
ここで、位相差補償素子としては、例えばノルボルネン樹脂の2軸延伸フィルムまたは液晶高分子のフィルムから形成された位相差補償フィルム(面内リタデーション39nm、法線リタデーション122nm)を用い、両側の偏光板と基板との間にそれぞれ1枚ずつ配置する。
【0082】
上述のようにして得られた液晶表示装置の視野角特性(等コントラスト・コンター)を図8に示す。図8から明らかなように、360°全ての方位角に亘って、良好な表示が実現されている。図8には示されていないが、全ての方位角方向に対して、極角±80°以上の範囲でコントラスト比(CR)が10以上の表示が実現された。
【0083】
また、この液晶表示装置の電圧−透過率特性は、図9に示したように、急峻で2.5V〜6Vの範囲で、良好なコントラスト比の表示を実行することができる。また、この液晶表示装置の応答時間Tsは13msecであり動画表示特性も優れていることが分かる。なお、中間調表示における応答時間は18msecであった。
【0084】
さらに、この液晶表示装置の階調表示特性を評価した結果を図10および図11に示す。黒側から順に8つの階調表示状態における透過率の極角(法線からの角度)依存性をL1〜L8の曲線で示している。図10は方位角が0°方向における結果を示しており、図11は方位角が45°方向における結果を示している。
【0085】
図10および図11の比較から明らかなように、いずれの方位角方向においてもに、透過率の極角依存性は小さく、且つ、両方位角方向における極角依存性が互いに近いことがわかる。このように、本実施例の液晶表示装置は、中間調表示においても、全ての方位角方向において良好な表示が実現できることが分かる。
【0086】
(実施例2)
本実施例では、本発明をプラズマアドレス型液晶表示装置(PALCと略す)に適用した例を説明する。
【0087】
図12に示すPALC200は、液晶層230と、液晶層230を介して互いに対向するように設けられた、プラズマアドレス基板210とカラーフィルタ基板220とを備えている。
【0088】
プラズマアドレス基板210は、プラズマ支持基板(例えばガラス基板)211と、誘電体シート(例えば薄板ガラス)212と、プラズマ支持基板211と誘電体シート212と間に設けられた隔壁(例えばガラスフリットから形成される)213とを備え、これらによって包囲されるストライプ状の空間にイオン化可能なガスが充填されており、この空間がプラズマチャネル214を構成している。プラズマチャネル214内には、カソード215Cとアノード215Aが形成されており、プラズマチャネル214内のガスに電圧を印加し、プラズマ放電を発生させる。プラズマチャネル214は、例えば走査線として機能する。プラズマ基板210の誘電体シート212は液晶層230側に配置されており、その液晶層230側の表面には垂直配向膜216が設けられている。
【0089】
カラーフィルタ基板220は、カラーフィルタ層(不図示)を備えた透明基板(例えばガラス基板)222と、対向電極224と、対向基板224上に設けられた垂直配向膜226とを有している。対向電極224は、ストライプ状の電極で、プラズマチャネル214と交差するように配置されている。これが互いに交差する領域が絵素を構成する。対向電極224は例えば信号線として機能する。
【0090】
カソード215Cおよびアノード215A間に印加された電圧によってプラズマチャネル214内にプラズマ放電が起こると、放電状態にあるプラズマチャネル214を介して、誘電体シート212のプラズマチャネル214側の面がカソードの電位となる。この誘電体シート212のプラズマチャネル214側の面(下面と称する。)は仮想電極として機能する。すなわち、この誘電体シート212の下面(仮想電極)と対向電極224との間の電圧が、誘電体シート212と液晶層230とに印加され、これらの容量比によって決まる電圧が液晶層230に印加される。従って、誘電体シート212の厚さが薄いほど液晶層230に印加される電圧は高くなる。また、プラズマチャネル214で発生する紫外線(波長:250nm〜350nm)による液晶材料の劣化を防止するために、この紫外線を遮断する材料を誘電体シート212中に混合する、若しくは、誘電体シート212の表面に塗布することが好ましい。
【0091】
PALC200は公知の方法で製造される。また、本発明は、上記以外の公知のPALCに適用することができる。ここでは、厚さが30μm、40μmおよび50μmの誘電体シート212を用いて、実施例1と同様に絵素ごとに4分割ドメインを有する、PALC200を作製した。
【0092】
得られたPALC200の電圧−透過率特性を図13に示す。図13から明らかなように、何れのPALC200も急峻な電圧−透過率特性を有している。また、応答時間Tsは、誘電体シート212の厚さが50μmのもので、16msecであり、30μmのもので10msecであった。何れも動画表示に充分適用できる応答速度を有していることが分かる。また、視野角特性は、全ての方位角方向において、極角が±70°以上の範囲で、コントラスト比が10以上の表示が実現された。
【0093】
また、液晶分子の配向も安定しており、ディスクリネーションラインの発生は殆ど見られなかった。
【0094】
(実施例3)
図3に示したように絵素に複数のドメイン(4分割ドメインDを含む)を形成した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。得れた液晶表示装置の視野角特性(等コントラスト・コンター)を図14に示す。
【0095】
図8に示した実施例1の液晶表示装置の視野角特性と比較すると、コントラスト比の方位角依存性が若干大きいが、ほぼ全ての方位角方向において、良好な表示が実現されてた。また、応答速度は、実施例1の液晶表示装置とほぼ同じであり、液晶分子の配向も安定しており、ディスクリネーションラインの発生は殆ど見られなかった。
【0096】
(比較例1)
図15に示すように絵素に2分割ドメインを形成した以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。この液晶表示装置のそれぞれの絵素は、第1ドメインD1と第3ドメインD3のみを有する。すなわち、実施例1および実施例2の液晶表示装置の4分割ドメインDと異なり、絵素に第2ドメインD2および第4ドメインD4が形成されておらず、第1ドメインD1と第3ドメインD3とが互いに隣接している。
【0097】
得られた液晶表示装置の視野角特性(等コントラスト・コンター)を図16に示す。図16と図8および図14との比較から明らかなように、比較例1の液晶表示装置の視野角特性は、実施例1および実施例2の液晶表示装置に比べ、方位角依存性が大きく、良好な表示を実現できる範囲が視野角が狭い。また、液晶分子の配向の安定性が低く、第1ドメインD1と第3ドメインD3との間にディスクリネーションの発生が観察されることがあった。
【0098】
さらに、実施例1の液晶表示装置と実質的に同じ構成を有し、配向分割を行わない90°ツイストのTN型液晶表示装置を作製し、その表示特性を評価した。但し、配向膜としては、水平配向膜(例えばAL4552)を用い、正の誘電異方性を有するネマッチク液晶材料(例えばMS90847)を用いた。
【0099】
得られた液晶表示装置の応答時間Ts速度は、実施例1の液晶表示装置と同じく16msecであったが、視野角依存性が大きく、特に、カラー表示の色調が視野角に大きく依存し、良好な表示が得られう視野角範囲は非常に狭かった。
【0100】
(比較例2)
比較例2の液晶表示装置は、4分割ドメインを有するECBモードの液晶表示装置であり、図17に示すように4分割ドメインD’を形成したこと以外は、実施例1の液晶表示装置と同じである。
【0101】
比較例2の液晶表示装置の4分割ドメインD’は、図2に示した実施例1の4分割ドメインDと異なり、4つのドメインは、それぞれの基板に形成された4つの配向規制領域によって形成されている。すなわち、4つのドメインD’1、D’2、D’3およびD’4の境界は、両基板に形成された配向規制領域の境界と一致している。その結果、液晶分子の配向が不安定となり、4つのドメインD’1、D’2、D’3およびD’4の間にディスクリネーションラインが発生し、表示品位が低下した。さらに、応答時間Tsも約25msecと、実施例1および実施例2の液晶表示装置の16msecに比べ長く、動画表示には適さないことが分かった。
【0102】
また、4分割ドメインを形成するためのプロセスにおいて、ドメインの形成領域を規定するためのフォトリソグラフィ工程(感光性樹脂層の塗布、露光、現像、剥離)をそれぞれの基板に対して2回行う必要があり、製造プロセスが煩雑化するとともに、垂直配向膜へのダメージが懸念された。
【0103】
【発明の効果】
上述したように、本発明によると、視野角特性に優れ、高品位の表示が可能な液晶表示装置およびその製造方法が提供される。本発明による液晶表示装置は、応答特性にも優れるので、高品位の動画表示を実現することができる。本発明の液晶表示装置は、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、アミューズメント機器、教育機器、テレビジョン装置のための液晶表示装置として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による液晶表示装置100を模式的に示す断面図である。
【図2】(a)、(b)および(c)は、液晶表示装置100の絵素に形成される4分割ドメインDの構造を説明するための模式図である。
【図3】(a)、(b)および(c)は、実施形態による液晶表示装置の絵素に形成される他の分割ドメインの構造を説明するための模式図である。
【図4A】4分割ドメインD内の液晶分子の配向が安定化されるメカニズムを説明するための模式図である。
【図4B】4分割ドメインD内の液晶分子の配向が安定化されるメカニズムを説明するための模式図である。
【図4C】4分割ドメインD内の液晶分子の配向が安定化されるメカニズムを説明するための模式図である。
【図4D】4分割ドメインD内の液晶分子の配向が安定化されるメカニズムを説明するための模式図である。
【図5】本発明の実施形態による液晶表示装置のコントラスト比の位相差補償素子の面内リタデーションRe(=df・(nx−ny))依存性を示すグラフである。
【図6】本発明の実施形態による液晶表示装置のコントラスト比の位相差補償素子の法線リタデーションRth(=df・(nx−nz))依存性を示すグラフである。
【図7】(a)、(b)、(c)および(d)は、本発明による液晶表示装置の製造方法の実施形態を説明するための模式的な断面図である。
【図8】実施例1の液晶表示装置の視野角特性示す等コントラスト・コンターである。
【図9】実施例1の液晶表示装置の電圧−透過率特性しめすグラフである。
【図10】実施例1の液晶表示装置の階調表示特性の極角依存性(方位角0°方向)を示すグラフである。
【図11】実施例1の液晶表示装置の階調表示特性の極角依存性(方位角45°方向)を示すグラフである。
【図12】実施例2のPALC200の構造を示す模式的な断面図である。
【図13】実施例2のPALC200の電圧−透過率特性を示すグラフである。
【図14】実施例3の液晶表示装置の視野角特性を示す等コントラスト・コンターである。
【図15】比較例1の液晶表示装置の分割ドメインの構成を説明するための模式図である。
【図16】比較例1の液晶表示装置の視野角特性を示す等コントラスト・コンターである。
【図17】比較例2の液晶表示装置の分割ドメインの構成を説明するための模式図である。
【符号の説明】
10 第1基板
11 基板(ガラス基板)
12 垂直配向膜
13 感光性樹脂層
13a 開口部
20 第2基板
30 液晶層
30a 液晶分子
100 液晶表示装置
200 PALC
A1 第1領域(配向規制領域)
A2 第2領域(配向規制領域)
A3 第3領域(配向規制領域)
A4 第4領域(配向規制領域)
D 4分割ドメイン
D1 第1ドメイン
D2 第2ドメイン
D3 第3ドメイン
D4 第4ドメイン
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