JP3099262B2 - 配向分割型液晶表示装置 - Google Patents

配向分割型液晶表示装置

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JP3099262B2 JP10947996A JP10947996A JP3099262B2 JP 3099262 B2 JP3099262 B2 JP 3099262B2 JP 10947996 A JP10947996 A JP 10947996A JP 10947996 A JP10947996 A JP 10947996A JP 3099262 B2 JP3099262 B2 JP 3099262B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置、特
に視角特性に優れた配向分割型液晶表示装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、薄型で軽量、かつ低消
費電力を特徴とするディスプレイであり、ワープロやテ
レビの表示画面として広く用いられている。また、この
ような液晶表示装置の中でも、アレイ基板上に多数のス
イッチング素子を配置したアクティブマトリクス型液晶
表示装置は液晶の配向方位がほぼ90°捻れたツイストネ
マチックモード(以下TNモードという)を表示に用いて
おり、高速応答や高精細が可能なディスプレイとして開
発が進んでいる。
【0003】しかしながら、TNモードの液晶表示装置
は、液晶の旋光性を用いて表示しているためにパネルを
見る角度によって色調やコントラストが異なるという大
きな欠点があり、このため、良好な表示が得られる視角
範囲は陰極線管(CRT)に比べてかなり狭く、CRTと
同等以上の表示性能を実現するには至っていない。ま
た、アクティブマトリクス型液晶表示装置では、通常、
電圧無印加の状態で白表示を行うノーマリーホワイトモ
ード(以下NWモードという)が用いられており、このN
Wモードにおいては、パネルの両側に偏光板を直交して
配置するため黒表示が容易に得られコントラストを高く
することができ、更に、このNWモードのアクティブマ
トリクス型液晶表示装置では、パネルギャップが多少違
っても表示色相が大きく変わらないために製作が容易で
ある反面、視角範囲はCRTよりもかなり狭い。
【0004】このようなNWモードのアクティブマトリ
クス型液晶表示装置の視野角を広げる手法として配向分
割法が知られている。配向分割法には、大きく分けて配
向2分割法と配向4分割法が存在する。
【0005】配向2分割法(例えば、Y.Koike et al,Soc
iety of information display 93 digest P.798-801参
照)は、画素内に互いに視角方位が180゜異なる液晶配向
領域(以下液晶ドメインという)を作成することによって
液晶の視角特性を上下視角方向で平均化し、広視角を実
現するものであるが、このとき、液晶ドメインの境界部
には液晶のディスクリネーションラインが発生してお
り、このディスクリネーションラインは、偏光板との位
置関係により、光抜けラインとして観測されるため、画
面のコントラストが低下する原因となる。このようなコ
ントラスト低下を抑制する手法として、例えば特開平7
-199192号公報や特開平7-64092号公報には液晶ドメイ
ンの境界部を垂直配向、ハイブリッド配向、ランダム配
向とする手法が示されており、また、特開平6-347793
号公報には基板上で配向膜を一部形成しないことにより
配向状態を変える手法が示されている。
【0006】一方、配向4分割法(例えば、J.Chen et a
l,Society of information display95 digest P.865-86
8参照)は、画素内に互いに視角方位が90°異なる液晶ド
メインを作成し、液晶の視角特性を上下左右の視角方向
で平均化し、広視角を実現するものである。配向4分割
法は液晶ドメインの境界にディスクリネーションライン
が発生するが、このディスクリネーションラインは光抜
けとして観測されず、従って、コントラストの低下も観
測されなかった。このため、従来の配向4分割型液晶表
示装置では、基板の液晶ドメインの境界には特別な処理
は施されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように配向分割法
は、液晶パネルの視角を拡大できる有効な手法ではある
が、液晶の配向を安定に保つのが難しいという問題点が
あり、特に、配向4分割法はカイラル剤を含まない液晶
を用いて、ラビング方向のみで液晶の配向方位を規定す
る必要があるため、一つの表示画素内に異なる液晶ドメ
インを4個、安定に形成し、かつ保持するのが難しいこ
とに加えて、配向領域が等面積に分割されないと、画素
によって視角の分割比が異なることになり、視角方位に
より表示ムラが発生する。このような表示ムラは表示不
良の一因となり、パネルの歩留まりが低下する大きな要
因となる。
【0008】本発明はこれら問題点を解決するものであ
り、液晶の配向性を向上し、信頼性と高精細表示に優れ
た配向分割型液晶表示装置を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の配向分割型液晶
表示装置は、画素電極を含む1つの表示画素内に液晶の
配向が異なる複数の液晶配向領域が設けられた配向分割
型液晶表示装置における前記複数の液晶配向領域の境界
部の液晶をその境界に沿ったホモジニアス配向にする等
の手段により、これら液晶配向領域の安定性を向上させ
たものである。本発明によれば、液晶の配向性が向上
し、信頼性と高精細表示に優れた配向分割型液晶表示装
置が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態につ
いて図面を参照しつつ説明する。
【0011】(実施の形態1) 図1及び図2は本発明配向分割型液晶表示装置の実施の
形態1における構成を示しており、図1はその1つの表
示画素周辺の概略を示す斜視図、図2はその要部断面図
である。各図において、1はアレイ基板、2はアレイ基
板1に形成された画素電極、3,4は画素電極2上に形
成されたソースライン及びゲートライン、5はソースラ
イン3とゲートライン4で囲まれる矩形領域に形成され
る表示画素、6は液晶、7は前記1つの表示画素5内の
画素電極2に設けられた配向の異なる4つの液晶ドメイ
ン、8aは画素電極2を覆う配向膜である。9はアレイ
基板1に対向する位置に配置された対向基板、10は対向
基板9に形成された透明電極で、配向膜8bで覆われて
いる。このように構成されたアレイ基板1と対向基板9
とは、ガラススペーサー(図示せず)を用いて所定の間隔
を隔てて貼り合わされ、両基板間に液晶6が注入されて
気密封止されている。
【0012】この構成の特徴は、液晶ドメイン7の境界
で液晶分子がホモジニアス配向、即ち、前記の1つの表
示画素5内の4つの液晶ドメイン7の3つの境界11で、
液晶分子が境界に沿ってホモジニアス配向となっている
点にある。この場合、アレイ基板1と対向基板9との間
の液晶6の捻れ角が、ほぼ90°になるように、アレイ基
板1と対向基板9にラビング処理を施しており、この
時、ラビング処理のみで4つの配向領域を作成するた
め、配向領域のラビング方向をアレイ基板1側を矢印
A,B、対向基板9側を矢印C,D、液晶ドメイン7の
境界11を矢印Eでそれぞれ示してある。なお、隣り合う
液晶ドメイン7の液晶6のプレチルト角は4゜以上20゜
以下に設定されている。
【0013】次に、このような配向分割型パネルにおい
て、互いに境界を接している液晶ドメインが安定に存在
するための理論的背景について説明する。
【0014】まず、1つの表示画素内に複数の液晶ドメ
インが互いに境界を接して安定に存在するためには、次
の2つの点が重要となる。
【0015】(a)個々の液晶ドメインが他の液晶ドメイ
ンから加わる力に耐えるだけの自由エネルギーを有する
こと。
【0016】(b)液晶ドメイン境界に配向歪みを緩和す
る領域が存在すること。
【0017】(a)項に示される自由エネルギーを決定す
る要因にプレチルト角があり、特に、液晶層に加わる電
圧が液晶のしきい値程度であれば、液晶ドメインの持つ
エネルギーはプレチルト角に大きく依存し、プレチルト
角が大きいほど他の液晶ドメインから力が加わっても液
晶ドメインが崩れにくく、この角が4゜以上であれば液
晶ドメインを安定に保つ効果が大きい。
【0018】しかしながら、チルト角があまり高すぎる
と表示ムラが発生するので、本実施の形態では、液晶の
プレチルト角を4゜以上20゜以下に設定することで、液
晶ドメインの安定化を図っている。4°という数値は、
自由エネルギーの計算結果から安定性を見積もったもの
であり、20゜という数値は通常のTNパネルでの表示ム
ラの観測結果から設定したものである。
【0019】(b)項に示される液晶ドメイン境界に配向
の歪みを緩和する領域が存在すると、液晶ドメイン境界
部の歪みが緩和されることで、エネルギー状態の高い液
晶ドメインが、低い液晶ドメインに及ぼす力が小さくな
り、液晶ドメインが境界を越えて広がることができない
ため、各液晶ドメインのエネルギーが異なっても液晶ド
メインは比較的安定に存在することができる。この場合
の液晶ドメイン境界の歪みを緩和する程度は、具体的に
は液晶のプレチルト角、ラビング方位、配向規制力、基
板の形状等で決まる。
【0020】例えば、配向膜表面の配向規制力が強い場
合を考えると、液晶分子が他の液晶分子に配向歪みによ
る弾性変形を通して影響を与える時の影響の程度は液晶
分子が弾性変形の進む方向に有する方位ベクトルの2乗
程度に比例する。つまり、液晶ドメイン境界で、自由エ
ネルギーが高い液晶ドメイン側の液晶分子が弾性変形の
進む方向、つまりディスクリネーションラインの進行方
向に対して、分子長軸が垂直の配置ならば最も影響が大
きく、分子長軸が平行ならば、最も影響が小さくなり、
前記のように液晶ドメイン境界の液晶が境界に沿ったホ
モジニアス配向の場合、液晶分子の分子長軸は境界に沿
って配列しており、このため、液晶ドメイン境界を越え
て拡大する力が弱くなり、液晶ドメインが安定化される
ことになる。なお、配向4分割型パネルは基板の配向処
理のみで4個の液晶ドメインを形成するため、液晶は自
発的捻れを持たないものである必要があり、また、液晶
ドメイン間で視角を平均化するため、液晶ドメイン内の
液晶の捻れ角は90°である必要がある。
【0021】本実施の形態においては、個々の液晶ドメ
インの自由エネルギーを決定するプレチルト角が4゜以
上に設定され、また、液晶ドメイン境界の液晶が境界に
沿ったホモジニアス配向になっているので、前記の理論
説明より明らかなように各液晶ドメインは安定に存在す
ることができる。
【0022】(実施の形態2) 図3及び図4は本発明配向分割型液晶表示装置の実施の
形態2における構成を示しており、図3はその1つの表
示画素周辺の概略を示す斜視図、図4はその要部断面図
である。この実施の形態2では、アレイ基板1上に後述
のパシベーション層12と画素電極2及び溝13が形成さ
れ、溝13を境に隣り合う液晶ドメイン7が形成されてい
る点を除いて実施の形態1と同様に構成されているの
で、同一部分には同一の符号を用いるものとする。
【0023】各図において、1はアレイ基板、2はアレ
イ基板1に形成された画素電極、3,4は画素電極2上
に形成されたソースライン及びゲートライン、5はソー
スライン3とゲートライン4で囲まれる矩形領域に形成
される表示画素、6は液晶、7は前記1つの表示画素5
内の画素電極2に設けられた配向の異なる4つの液晶ド
メイン、8aは画素電極2を覆う配向膜である。9はア
レイ基板1に対向する位置に配置された対向基板、10は
対向基板9に形成され、かつ配向膜8bで覆われた透明
電極、12はアレイ基板1上に形成されたパシベーション
層、13は液晶ドメイン7の境界に設けられた溝であり、
このように構成されたアレイ基板1と対向基板9とは、
ガラススペーサー(図示せず)を用いて所定の間隔を隔て
て貼り合わされ、両基板間に液晶6が注入されて気密封
止されている。
【0024】この構成の特徴は、アレイ基板1上にパシ
ベーション層12を設け、更にその上に液晶ドメイン7を
形成し、その境界位置に溝13を設けた点にある。その
他、アレイ基板1と対向基板9との間の液晶6の捻れ角
が、ほぼ90°になるように、アレイ基板1と対向基板9
にラビング処理を施しており、この時、ラビング処理の
みで4つの配向領域を作成するため、配向領域のラビン
グ方向をアレイ基板1側を矢印A,B、対向基板9側を
矢印C,Dでそれぞれ示してある。この場合、隣り合う
液晶ドメイン7の境界位置に対する実施の形態1で行っ
たようなラビング処理は施さない。なお、隣り合う液晶
ドメイン7の液晶6のプレチルト角は4゜以上20゜以下
に設定されている。
【0025】このような配向分割型パネルにおいて、互
いに境界を接している液晶ドメインが安定に存在する理
論的背景は次のようになる。即ち、液晶ドメイン境界に
溝が存在する場合、溝の部分はラビング処理されず、溝
の部分の液晶は溝の形状効果により、形状に沿って配向
する。溝の深さが0.2μm以上であると、溝近辺のラビン
グの効果は極めて小さく、液晶が溝に沿って配向し、溝
の部分は境界に沿ったホモジニアス配向となる。また、
溝の部分はラビングされないため、表面の配向規制力も
弱く、これらのことから、境界部に溝を形成すると液晶
ドメインの安定性が向上する。
【0026】本実施の形態においては、前記プレチルト
角が4゜以上に設定され、また、液晶が溝に沿ったホモ
ジニアス配向となり、更に、溝の部分はラビングされな
いため、表面の配向規制力も弱く、従って、前記の理論
説明より明らかなように各液晶ドメインは比較的安定に
存在することができる。
【0027】
【実施例】次に、本発明の具体例について説明する。
【0028】(実施例1) 実施の形態1に対応する実施例であり、その製造工程を
図1及び図2を参照して説明する。
【0029】(1)アレイ基板1に、真空蒸着とエッチン
グにより画素電極2、ソースライン3、ゲートライン4
等を作成してアクティブマトリクス基板とし、更に、配
向膜8aを印刷法を用いて基板に印刷した後、オーブン
でこの配向膜8aを硬化した。この配向膜8aとしては、
オプトマーAL3046(日本合成ゴム社製)を用いた。
【0030】(2)アレイ基板1の全面にナイロン布を用
いて、ラビング方向Aに沿ってラビング処理を施した。
【0031】(3)ラビング後の配向膜8aにポジ型レジス
トを塗布した。レジストとしてはOFPR5000(東京応
用化学社製)を用いた。
【0032】(4)フォトマスクを用いて画素の上半分の
領域のレジストを感光した後、NMD3溶液(東京応用
化学社製)を用いて現像処理を行った。
【0033】(5)ナイロン布を用いて、レジストのエッ
ジ、即ち、液晶ドメイン7の境界11に沿った方向である
ラビング方向Eに沿ってアレイ基板1の全面にラビング
処理を施した。さらに、ラビング方向Bに沿ってアレイ
基板1の全面にラビング処理を施した。この時、ラビン
グ方向Aとラビング方向Bのなす角度が180゜となるよ
うにした。液晶ドメイン7の境界11には段差があるた
め、この境界11に沿ってはラビング方向Bに対応したラ
ビング処理を受けていない。また、隣り合う液晶ドメイ
ン7の液晶6のプレチルト角が4°以上となるようにし
た。
【0034】(6)アセトンを用いてアレイ基板1上のレ
ジストの剥離処理を行なった。
【0035】(7)対向基板9にもアレイ基板1と同様の
処理を施した。この時、基板貼り合わせ後に、アレイ基
板1と対向基板9の間の液晶の捻れ角が、ほぼ90°とな
るように対向基板にラビング処理を施した。この時のラ
ビング方向をC,Dとした。上記のラビング方向A,
B,C,Dの組み合わせで、一画素に上下左右方向の液
晶の主視角を形成することができる。
【0036】(8)アレイ基板1と対向基板9を、ガラス
スペーサーを用いて5μmの間隔で貼り合わせた。
【0037】(9)液晶6としてフッソ系液晶であるZL
I−4792(メルク社製)を真空注入法を用いてパネルに注
入し、配向4分割型パネルを作成した。このとき、液晶
6は自発的捻れを有しないものを用いた。
【0038】(10)以上のように構成した配向4分割型パ
ネルをオーブンを用いて120℃まで加熱し、オーブン内
で1時間、アニール処理を行った。
【0039】(11)前記構成の配向分割型パネルに、偏光
板の偏光軸をラビング方向に平行にして積層した。
【0040】このようにして完成した配向分割型パネル
において、その上下左右の方向に主視角が配向分割され
ている正常な配向の画素の割合を光学顕微鏡で調べるた
め、パネルの一部を観察した結果、正常な配向は200画
素中、180画素で割合は90%であった。正常な配向の画
素の割合が90%と高い値が得られたため、パネルを斜め
から見たときの主視角方位の混在による画素のざらつき
感が少なく、また配向4分割型液晶パネルの配向が安定
して信頼性が向上し、ざらつき感の少ない良好な表示が
得られた。
【0041】なお、本実施例は、画素の液晶ドメインを
短冊状に4分割するパネル構成としたが、これは任意の
形状に分割しても良い。また、配向を4分割する手法と
しては、上記の他に偏光UV光を光配向制御膜(例えば
ポリビニルシンナメート)に照射して配向方位を分割し
ても良い。プレチルト角は4°以上としたが、これは2
0°以下ならほぼ同等の効果が得られる。更に、本実施
例ではノーマリーホワイトモードでパネルを駆動した
が、ノーマリーブラックモードで駆動しても良い。更に
また、本実施例は配向4分割型パネルであるが、これは
配向2分割型の場合も同等であり、その場合の液晶は自
発的捻れを有するものを用いても良い。
【0042】(実施例2) 実施の形態2に対応する実施例であり、その製造工程を
図3及び図4を参照して説明する。
【0043】(1)アレイ基板1に、真空蒸着とエッチン
グにより画素電極2、ソースライン3、ゲートライン
4、パシベーション層12等を作成し、アクティブマトリ
クス基板とした。さらに、マスクを用いて画素電極2に
エッチング処理を施し、画素電極を4等分する形状に、
3箇所に溝13を形成した。この時、溝13の幅を5μm、
深さを1.0μmとした。さらに配向膜8aを印刷法を用い
てアレイ基板1に印刷した後、オーブンで配向膜8aを
硬化した。この配向膜8aとしては、オプトマーAL304
6(日本合成ゴム社製)を用いた。
【0044】(2)上記アレイ基板1の全面にナイロン布
を用いて、ラビング方向Aに沿ってラビング処理を施し
た。
【0045】(3)ラビング後の配向膜8aにポジ型レジス
トを塗布した。レジストとしてOFPR5000(東京応用
化学社製)を用いた。
【0046】(4)フォトマスクを用いて画素の上半分の
領域のレジストを感光した後、NMD3溶液(東京応用
化学社製)を用いて現像処理を行った。
【0047】(5)ナイロン布を用いて、ラビング方向B
に沿ってアレイ基板1の全面にラビング処理を施した。
このとき、ラビング方向Aとラビング方向Bのなす角度
が180゜となるようにした。また、隣り合う液晶ドメイ
ン7の液晶6のプレチルト角が4°以上となるようにし
た。
【0048】(6)アセトンを用いてアレイ基板1上のレ
ジストの剥離処理を行なった。
【0049】(7)対向基板9にアレイ基板1と同様の処
理を施した。このとき、基板貼り合わせ後に、アレイ基
板1と対向基板9の間の液晶の捻れ角が、ほぼ90°とな
るように対向基板にラビング処理を施した。このときの
ラビング方向をC及びDとした。上記のラビング方向
A,B,C,Dの組み合わせで、一画素に上下左右方向
の液晶の主視角を形成することができる。
【0050】(8)アレイ基板1と対向基板9を、ガラス
スペーサーを用いて5μmの間隔で貼り合わせた。
【0051】(9)液晶6としてフッソ系液晶であるZL
I−4792(メルク社製)を真空注入法を用いてパネルに注
入し、配向4分割型パネルを作成した。この時、液晶6
は自発的捻れを有しないものを用いた。
【0052】(10)上記構成のパネルをオーブンを用いて
120℃まで加熱し、オーブン内で1時間、アニール処理
を行った。
【0053】(11)上記の構成の配向4分割型パネルに、
偏光板の偏光軸をラビング方向に平行にして積層した。
【0054】このようにして完成した配向分割型パネル
において、その上下左右の方向に主視角が配向分割され
ている正常な配向の画素の割合を光学顕微鏡で調べるた
め、パネルの一部を観察した結果、正常な配向は200画
素中、190画素で割合は95%であった。正常な配向の画
素の割合が95%と高い値が得られたため、パネルを斜め
から見たときの主視角方位の混在による画素のざらつき
感が少なく、また配向4分割型液晶パネルの配向が安定
して信頼性が向上し、ざらつき感の少ない良好な表示が
得られた。前記の溝の深さは、例示した値に限らず、深
さが0.2μm以上であれば同様の効果が得られる。また、
幅があまり大きいと、溝の部分の光抜け領域が大きくな
るので、溝の幅は10μm以下が望ましい。その他の点に
ついては、実施例1と同様である。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、配向が異
なる複数の液晶ドメインの境界をホモジニアス配向とし
たり、または境界に溝を形成したりすることによって、
液晶ドメインの配向安定性が高まり、その結果信頼性が
向上して、高精細な画像を実現することができるという
有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配向分割型液晶表示装置の実施の形態
1における表示画素周辺の概略を示す分解斜視図であ
る。
【図2】本発明の配向分割型液晶表示装置の実施の形態
1における表示画素周辺要部の断面図である。
【図3】本発明の配向分割型液晶表示装置の実施の形態
2における表示画素周辺の概略を示す分解斜視図であ
る。
【図4】本発明の配向分割型液晶表示装置の実施の形態
2における表示画素周辺要部の断面図である。
【符号の説明】
1…アレイ基板、 2…画素電極、 3…ソースライ
ン、 4…ゲートライン、 5…表示画素、 6…液
晶、 7…液晶ドメイン、 8a,8b…配向膜、9…対
向基板、 10…透明電極、 11…境界、 12…パシベー
ション層、 13溝、 A,B,C,D,E…液晶配向処
理方向。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素電極を含む1つの表示画素内に液晶
    の配向が異なる複数の液晶配向領域が設けられた配向分
    割型パネルを含む配向分割型液晶表示装置であって、前
    記液晶配向領域の境界部の液晶が境界に沿ったホモジニ
    アス配向であることを特徴とする配向分割型液晶表示装
    置。
  2. 【請求項2】 画素電極を含む1つの表示画素内に液晶
    の配向が異なる複数の液晶配向領域が設けられた配向分
    割型パネルを含む配向分割型液晶表示装置であって、前
    隣り合う液晶配向領域の境界位置に深さ0.2μm以上の
    溝が形成されていることを特徴とする配向分割型液晶表
    示装置。
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