JP2005106811A - イムノアッセイ - Google Patents

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Abstract

【課題】水に難溶性のタンパク質、或いは難抽出状態にあるタンパク質を、試料からの高い抽出効率を維持したままで、引き続く免疫反応により鋭敏かつ簡便に検出する方法を提供する。
【解決手段】食品試料中の食物アレルゲンタンパク質の存在を検出するための免疫学的測定法であって、該食物アレルゲンタンパク質は、オボムコイド、カゼイン、β−ラクトグロブリン、そばタンパク質、小麦タンパク質及び落花生タンパク質からなる群から選択され、該測定法は、以下の工程:
(1)食物アレルゲンタンパク質の存在が疑われる食品試料を、0.5(W/V)%乃至10(W/V)%のドデシル硫酸ナトリウムおよび1mM乃至2Mの2−メルカプトエタノールを含む水性溶媒で抽出して該試料の抽出液を得、
(2)前記抽出液に対して、或いは該抽出液を20倍以内の希釈倍率で希釈した希釈液に対して前記食物アレルゲンタンパク質に結合する抗体を加えて、食物アレルゲンタンパク質−抗体複合体を形成させ、および
(3)形成された前記食物アレルゲンタンパク質−抗体複合体を検出することからなる、前記方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、水に難溶性のタンパク質、或いは難抽出状態にあるタンパク質を高感度で測定するイムノアッセイに関する。
分子生物学の急速な進歩にともない、イムノアッセイの検出感度向上に対する要求は依然として高まっている。生命科学分野では、膜結合型の各種細胞表面タンパク質が、細胞内、或いは細胞間情報伝達において極めて重要な役割を担っている証拠が、日々、集積している。これらの細胞表面タンパク質は、動物間、或いは組織間で様々なサブタイプとして発現され、また、その時間的、空間的発現パターンは厳格に制御されている。従って、今日の生命科学において、当該細胞表面タンパク質を高感度で検出することは、各種生命現象の理解の上で不可欠の課題となっている。しかしながら、殆どの膜結合型細胞表面タンパク質は、イオン性界面活性剤を含まない水性溶媒に不溶/難溶であるか、難抽出性である。
加えて、公衆衛生の分野でも高感度イムノアッセイに対する要求は、以前にもまして高まりつつある。遺伝子組換植物の使用や、BSE、食物アレルゲン等への消費者の関心の高まりとともに、食品製造業者はこれらの高感度検出を求められている。特に、加工食品中に存在する場合、食物アレルゲン等のタンパク質は、それ自体は水に可溶性であっても、当該加工食品中の他の成分と複雑な複合体を形成し、イオン性界面活性剤を含まない水性溶媒を用いては容易に加工食品から抽出されないことが経験されている。例えば、小麦を使用した加工食品中に含まれるタンパク質は、小麦由来のグルテンと極めて強固に結合しているため、イオン性界面活性剤を含む水性溶媒を用いなければ、当該タンパク質を十分に抽出できない。
しかして、そのような水に難溶性/難抽出性タンパク質の存在を高感度でイムノアッセイにより検出するには、極微量の当該タンパク質の存在をも確認できるように、当該アッセイに用いる抗体の特異性と親和性を向上させることが要求されるが、そのような特異性および親和性の向上には一定の限界がある。
従って、そのような高感度のイムノアッセイでは、抗体の特異性および親和性の向上以外にも、アッセイ全体のプロトコールを変更する必要がある。特に、測定対象である水難溶性/難抽出性タンパク質をより効率的に抽出することは、アッセイ全体の感度を飛躍的に向上させるものと考えられ、当該目的のために、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)に代表されるイオン性界面活性剤を用いて、水難溶性タンパク質等を可溶化/抽出することが極めて有力な手法となり得る。ところが、一方で、そのようなイオン性界面活性剤は、引き続くイムノアッセイにおける抗原−抗体反応も阻害すると信じられており、これまで、高濃度のイオン性界面活性剤の存在下で、抗原−抗体反応を行うことは避けられてきた。
つまり、SDS等のイオン性界面活性剤の比較的高濃度で極めて効率よく抽出したタンパク質を、従来の免疫測定法により測定する場合には、予め該抽出液からイオン性界面活性剤を除去するか、或いは抽出液を十分に希釈して、イオン性界面活性剤の濃度を、免疫反応に悪影響を与えないと信じられていた程度まで低下させる必要があった。具体的には、1)当該抽出液をセロハンチューブ等を用いて透析する、2)遠心濃縮器等を用いて界面活性剤を含まない溶液に置換する、3)ゲル濾過やイオン交換クロマトグラフィーによって界面活性剤を含まない溶液に置換する、4)化学物質を添加して界面活性剤のみを沈殿させる方法等により、抽出液中のイオン性界面活性剤の濃度を減少させるための前処理が行われていた。しかしながら、イオン性界面活性剤は、タンパク質と容易にミセルを形成するため、界面活性剤のみを除くことは非常に困難である場合が多く、上記の除去処理を行うことによって、目的とするタンパク質の回収率が著しく低下する原因となるし、そもそも、当該前処理自体が煩雑なものである。また、別法として、当該イオン性界面活性剤の濃度低下のために抽出液全体を大幅に希釈したのでは、測定すべき抽出タンパク質の濃度も同時に低下してしまい、結局、引き続く免疫反応における検出感度が一向に向上しない。すなわち、一般に、水難溶性/難抽出性タンパク質を効率よく試料から抽出するための、高濃度のイオン性界面活性剤の使用は、引き続く免疫反応を有効に行わせることとは両立しないものと考えられていたのである。
特許文献1は、イオン性界面活性剤であるSDSの存在下での抗原−抗体反応について記載している。該文献は、不安定な構造を有する血漿タンパク質CETP(コレステリルエステル転送タンパク)の安定的且つ交差反応のないイムノアッセイに関しており、当該アッセイにおいては、CETPを0.001〜10%(W/V)のSDSで前処理する。更に、該文献では、CETPとその抗体との間の抗原−抗体反応が、0.001〜0.3%(W/V)のSDS存在下でも行い得るとされるが、実際に、その特に好ましい範囲は0.02〜0.03%(W/V)ともされており、実施例においては、0.25%SDSで前処理したCETPを、更に11倍希釈(20μlの前処理溶液に200μlの抗体溶液を添加)して、SDSの濃度を約0.023%程度に調整し、前記抗原−抗体反応を行っている。
すなわち、当該文献も、SDSに代表されるイオン性界面活性剤は、少なくとも0.03%以上の濃度において、イムノアッセイにおける抗原−抗体反応を阻害するという前提に立っており、抗原−抗体反応の実行時には、高濃度のSDS含有試料を十分に希釈して、SDS濃度を0.03%以下に減少させるべきことを教示しているのである。
特開平9−77798号公報(第5頁、右欄、第0030段落;第6頁、左欄、第0033段落;第10頁、左欄、第0051段落)
従って、本発明は、極めて高感度で検出することが要求されるような、水に難溶性のタンパク質、或いは難抽出状態にあるタンパク質を、試料からの高い抽出効率を維持したままで、引き続く免疫反応により鋭敏かつ簡便に検出する方法を提供するものである。
これまで一般的に考えられていたこととは異なり、多くの場合、抗原抗体反応自体は、高濃度のイオン性界面活性剤の存在下でも検出不能なレベルにまで阻害されないとの驚嘆すべき知見が得られた。更に、見掛け上、抗原抗体反応が高濃度のイオン性界面活性剤で阻害されるような一部のタンパク質においてさえも、該タンパク質をイオン性界面活性剤で変性し、当該変性タンパク質に対して得られた抗体を用いれば、前記抗原抗体反応が満足行くように行われ得ることが見出された。本発明者は、かかる知見に基き、水に難溶性のタンパク質、或いは難抽出状態にあるタンパク質の高感度かつ簡便な免疫学的測定法を完成させた。すなわち、本発明によれば、試料中に含有される水に難溶性のタンパク質、或いは難抽出状態にあるタンパク質を、比較的高濃度のイオン性界面活性剤含有水性溶媒によって抽出/可溶化し、次いで、得られた抽出液の溶媒置換をすることなく、或いは、検出不能なレベルにまで前記タンパク質の濃度を低下させることのないように、該抽出液を実質的に希釈することなく、直接、免疫学的測定法によって抽出液中のタンパク質を検出することを特徴とする、高感度かつ簡便なイムノアッセイが提供される。
しかして、本発明は、
試料中の水難溶性/難抽出性タンパク質の存在を検出するための免疫学的測定法であって、以下の工程、
(I)試料中の水難溶性/難抽出性タンパク質を、イオン性界面活性剤を含む水性溶媒で抽出および/または可溶化する、
(II)工程(I)で用いるイオン性界面活性剤で予め変性させた前記水難溶性/難抽出性タンパク質を免疫原として得られた抗体を、
a)上記工程(I)で得られたタンパク質溶液に対し、該溶液を実質的に希釈することなく添加するか;或いは
b)上記工程(I)で得られたタンパク質溶液を、そのイオン性界面活性剤濃度が0.03%(W/V)以下にならない範囲で希釈した希釈液に対して添加する;
ことにより、前記水難溶性/難抽出性タンパク質と前記抗体との間で抗原−抗体複合体を形成させる、および
(III)形成された前記抗原−抗体複合体を検出する、
工程を含むことを特徴とする、前記測定法を提供する。
前記工程(I)における水性溶媒中のイオン性界面活性剤の濃度が、例えば0.3%(W/V)を超える場合においても、当該水性溶媒で抽出した試料(タンパク質)溶液内での抗原−抗体複合体形成が阻害されないことが知見された。すなわち、前記工程(II)における抗原−抗体複合体は、0.3%(W/V)を超え、好適には1%(W/V)以上のイオン性界面活性剤の存在下においても形成され得る。或いは、定量性の確認等の目的で当該試料溶液を希釈する必要がある場合においても、それは、良好な抗原−抗体反応において必要である従来から信じられてきた0.03%(W/V)以下のイオン性界面活性剤濃度までの希釈を意図する必要はなく、このことは、本発明の方法が、イオン性界面活性剤の持つ高い抽出力を犠牲にすることなく実施できることを意味する。
本発明のイオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリルサルコシンナトリウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルピリジニウム等から選択でき、場合によっては、これらを混合しても差し支えない。特に、当該イオン性界面活性剤として、生化学分野において多用されるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が、その入手の容易性などからも好ましいものとして例示できる。
工程(I)の水性溶媒は、タンパク質を更に変性させ得る、2−メルカプトエタノール、ジチオスレイトール等の還元剤をも含み得ることが明らかとなった。従って、好ましい工程(I)の水性溶媒の非限定的な例として、1%(W/V)のドデシル硫酸ナトリウムおよび1Mの2−メルカプトエタノールを含む水性溶媒をあげることができる。
また、測定の安定性および再現性を確保するために、前記工程(I)において、タンパク質溶液を更に煮沸することが好ましく、当該煮沸が、少なくとも80℃以上で、5分間以上継続されることが好ましい。
本発明の方法は、難抽出状態下にあるオボアルブミン、オボムコイド、カゼイン、β−ラクトグロブリン、そばタンパク質、小麦タンパク質及び落花生タンパク質の高感度測定に特に有利である。オボアルブミン、オボムコイドおよびカゼイン等は、それ自体、水に易溶であるが、それらのタンパク質が加工食品等の複雑なマトリックス中に存在する際、通常の水性溶媒では抽出が困難な場合がある。本発明の方法は、そのような難抽出状態下にあるタンパク質の高感度測定において極めて有効に用いることができる。
このように、イオン性界面活性剤の有する優れたタンパク質可溶化効果と、高濃度のイオン性界面活性剤の存在下における抗原−抗体反応に対する新たな知見に基づく本発明の方法は、水に難溶性のタンパク質、或いは難抽出状態にあるタンパク質を高感度で検出することが要求されるような、今日の生命科学研究や食品の品質保証において、極めて有効に利用できるものである。
本発明が対象とする「水難溶性/難抽出性タンパク質」は、イオン性界面活性剤を含まない純水または一般的に用いられる生理学的緩衝液に対しては、実質的な溶解性を示さないか、或いは単にそれらの緩衝液類では実質的に試料から抽出し得ないタンパク質であり、それらのタンパク質は、本発明のイオン性界面活性剤を含む緩衝液類により、続くイムノアッセイによる検出が可能な濃度にまで可溶化し、または抽出され得る。言い換えれば、本発明における「水難溶性/難抽出性タンパク質」は、イオン性界面活性剤を含まない純水や緩衝液類に対する溶解度・抽出効率に比較した場合、イオン性界面活性剤含有緩衝液等に対して有意に高められた溶解度および/または抽出効率を示す。通常、本発明の対象となる「水難溶性/難抽出性タンパク質」は、イオン性界面活性剤を含まない純水や緩衝液類への溶解度・抽出効率と比較して、5倍以上、好ましくは10倍以上、より好ましくは50倍以上の溶解度・抽出効率を、本発明のイオン性界面活性剤含有緩衝液等に対して示し得る。そのような水難溶性/難抽出性タンパク質の非限定的な例としては、構造タンパク質や膜結合性の細胞表面タンパク質があげられる。特に、細胞表面レセプターや細胞付着因子等の生化学的に重要な機能を担う膜タンパク質が興味深い。その他の水難溶性/難抽出性タンパク質の例として、加工食品等の内部に存在する食物アレルゲンタンパク質をあげることができる。例えば、オボアルブミン、オボムコイド、カゼイン、β−ラクトグロブリン、そばタンパク質、小麦タンパク質及び落花生タンパク質は、食物アレルゲンタンパク質として重要なものと考えられている。これらのタンパク質は、それ自体、水に可溶性のものも含むが、加工食品内において、当該食品中の他の成分と強固に複合体化しそのマトリックスに組み込まれることで、難抽出状態におかれる場合がある。そのような難抽出状態におかれた水可溶性タンパク質も、本発明のイオン性界面活性剤の効果により初めて抽出可能になるのであれば、ここに言う水難溶性/難抽出性タンパク質に含み得る。
なお、本発明にいう「試料」とは、水難溶性/難抽出性のタンパク質を含むと推定される液体、半固体或いは固体のいずれか、またはその混合物であり得るが、有利には水難溶性/難抽出性のタンパク質を組み込む固体マトリックスを包含するものであり得、例えば、細胞や細胞膜、組織、器官の他、食品や材質等を含むものであるがこれらに限定されない。
本発明の方法においては、上記の水難溶性/難抽出性タンパク質を、イオン性界面活性剤を含む「水性溶媒」で可溶化/抽出する。当該「水性溶媒」は、純水;塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび重炭酸ナトリウム等の塩溶液;生化学分野で通常用いられる各種緩衝液、例えばリン酸緩衝液、Tris−塩酸緩衝液およびクエン酸緩衝液;水酸化ナトリウム或いは塩酸等でpHを調節したアルカリ性溶液或いは酸性溶液等を基本とした溶媒を意味する。更に、当該水性溶媒は、タンパク質の溶解度や抽出効率を追加的に向上させる補助成分として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のようなキレート化合物、ホスホリパーゼのような酵素類およびHLB価調節のために非イオン性界面活性剤を含み得る。また、当該水性溶媒には、抽出中或いは保存中の溶液内でのタンパク質の分解を制御するためのプロテアーゼ阻害剤や、微生物の繁殖を防止するアジ化ナトリウムなどの抗菌性物質、アスコルビン酸等の酸化防止剤を添加してもよい。加えて、当該水性溶媒には、引き続くイムノアッセイを実行不能にしない範囲でグリセロールやエタノール等の極性有機溶媒を添加することもできる。
上記の水性溶媒に添加される本発明のイオン性界面活性剤は、水難溶性/難抽出性タンパク質の可溶化や抽出を実質的に向上させ得るものであれば公知のいずれのものを用いてもかまわない。好適には、当該イオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリルサルコシンナトリウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルピリジニウムおよびそれらの混合物から成る群より選択される。特に、入手の容易性や取り扱いの観点からはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が好適なイオン性界面活性剤の例としてあげられる。特に、SDSは、SDS−Pageなどの電気泳動法において用いられる汎用のイオン性界面活性剤であり、当該電気泳動とイムノアッセイとの相関を容易にする目的等においても、好ましいイオン性界面活性剤である。
添加されるイオン性界面活性剤の濃度は、本発明の対象となる水難溶性/難抽出性タンパク質の実質的な可溶化や抽出を達成できる濃度であれば、いかなる濃度でもかまわないが、通常は、0.1%(W/V)以上、好ましくは0.3%(W/V)超え、0.5(W/V)以上であっても一向に差し支えない。より好ましくは、1%(W/V)のイオン性界面活性剤が前記水性溶媒に添加され、10%(W/V)程度の高濃度のイオン性界面活性剤さえも使用できる。本発明の方法では、そのような高濃度のイオン性界面活性剤を含有する水性溶媒により可溶化/抽出されたタンパク質さえも、当該イオン性界面活性剤の濃度を実質的に維持したままの状態で、引き続くイムノアッセイにより検出されるのである。
また、本発明の特に好ましい水性溶媒には、上記の高濃度のイオン性界面活性剤に加えて、2−メルカプトエタノールやジチオスレイトール(DTT)、シアノ水ホウ素化ナトリウム(SCBH)、ジメチルアミンボラン(DMAB)、水ホウ素化ナトリウム(SBH)やシスティンに代表される還元剤を添加することが好ましい。その原理は明らかではないが、当該還元剤の添加により、引き続くイムノアッセイの再現性が向上することがしばしば経験されるからである。好適には、該還元剤が1mM乃至2M程度の濃度、通常1M程度の濃度で、水性溶媒に添加される。
以上により、特に好ましい本発明のイオン性界面活性剤含有水性溶媒は、1%(W/V)のドデシル硫酸ナトリウムおよび1Mの2−メルカプトエタノールを含むリン酸緩衝液等であり得る。
既に明らかなように、本発明の方法の利点は、高いタンパク質可溶化能力を有するイオン性界面活性剤により水難溶性/難抽出性タンパク質を可溶化/抽出し、得られた抽出溶液を実質的に希釈することなく、続くイムノアッセイに供しうるということにある。従来の技術常識では、SDSに代表されるイオン性界面活性剤が、比較的高濃度(例えば0.03%以上)で反応液内に存在すると、所望の抗原−抗体反応が達成し得ないと考えられてきた。従って、水難溶性/難抽出性タンパク質に関する典型的な従来のイムノアッセイでは、高濃度のイオン性界面活性剤を含む試料溶液への抗体の添加に先立って、該試料溶液に対する煩雑な前処理や大幅な希釈が必要とされていたのであり、つまりは、当該前処理や希釈によって、該試料溶液中のイオン性界面活性剤濃度を0.03%程度にまで減少させた後に、抗原−抗体反応を実施していたのである。従って、例えば10%(W/V)のSDSを含む水性溶媒にて抽出した難溶性タンパク質を含む試料溶液は、抗原−抗体反応の実施に先立って、少なくとも300倍希釈(0.03%−SDS)される必要があったのであり、これは同時に、当該タンパク質の検出感度を300分の1に低下させることを意味する。
これに対し、本発明の方法においては、抗原−抗体反応自体がかなり高濃度のイオン性界面活性剤の存在下でも十分に行われ得、そのような抗原−抗体反応の特異性および親和性は、目的のタンパク質を同様のイオン性界面活性剤で変性させた変性タンパク質に対する抗体の使用により、著しく改善されるとの新規な知見に基づいて、例えば1%SDS含有水性溶媒で可溶化したタンパク質の溶液を、実質的に希釈することなく、続く抗原−抗体反応のための試料溶液として使用して、アッセイ全体の感度向上を図るのである。或いは、本発明の方法では、10%(W/V)以上のSDSを含む溶媒で可溶化した難溶性のタンパク質を、当該10%SDS溶液のままで抗原−抗体反応により測定することも可能なのである。また、当然ではあるが、試料溶液中の抗原タンパク質量を正確に定量する際には、測定の直線性を確認すること等を目的に、前記溶液を適当に段階希釈する必要もあり得る。本発明においては、そのような段階希釈においても、試料溶液のSDS濃度を低下させることを目的とする必要はなく、これは、SDS濃度の低下による水難溶性タンパク質の析出の危険性さえも回避し得る。従って、本発明においては、高濃度のイオン性界面活性剤を含む試料溶液を場合により希釈する際においても、そのイオン性界面活性剤濃度を、少なくとも0.03%(W/V)以下にする必要がない。
前記のとおり、本発明の重要な構成の一つは、特定のイオン性界面活性剤により予め変性された水難溶性/難抽出性タンパク質を免疫原として免疫動物等に投与し、当該免疫動物に由来する該タンパク質への特異抗体を用いて、抗原−抗体反応に基づくイムノアッセイを実施することである。
より具体的に、ある水難溶性/難抽出性タンパク質が、SDSを含む水性溶媒にて試料から抽出可能であることが知られていれば、本発明の抗体作製においては、該タンパク質をSDSで変性させ、当該変性タンパク質を免疫原として免疫動物に投与する。ここで、該タンパク質の変性は、簡便には、測定対象の水難溶性/難抽出性タンパク質を、高濃度のイオン性界面活性剤含有溶液に溶解または懸濁し、一晩以上、室温で放置しておくだけで達成できる。また、タンパク質の可溶化/抽出のための水性溶媒が2−メルカプトエタノールのような追加の還元剤をSDSと共に含む本発明の好ましい例では、抗原タンパク質の変性を、当該2−メルカプトエタノールとSDSの存在下で行うことが好ましい。例えば、測定対象の水難溶性/難抽出性タンパク質を、1%SDSと1Mの2−メルカプトエタノールを含む水性溶媒に懸濁/溶解し、これを室温で一晩以上放置して、本発明の抗体作製に用いる変性タンパク質免疫原とすることができる。
上記のようにして得られた変性タンパク質の免疫動物への投与は、当業者にとって周知のいずれのプロトコールをも使用することができ、そのようなプロトコールの最適化も当業者にとって容易であろう。免疫動物としては、マウス、ラット、ヒツジ、ウサギ等を用いてもよい。
特に、本発明の抗体をポリクローナル抗体の形態で用いる場合、当該ポリクローナル抗体は、免疫動物の抗血清より調製する。具体的に、当該免疫動物からの抗血清は、例えば、アジュバントを含む前記免疫原を免疫動物に皮下注射し、当該皮下投与を適当な間隔(例えば1週間)で所定の回数(例えば5回)繰り返し、最終免疫後に全血を採集して、これを分離することで得ることができる。そのような方法は、例えば、「CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY、第2.4章(発行元:John Wiley & Sons,Inc.,New York)」等に記載されている。ついで、前記抗血清からのポリクローナル抗体の精製は、動物の免疫に用いた変性タンパク質をクロマトグラフィー用の樹脂、例えば、CNBr活性化セファロースやHiTrap NHS−activated(Amersham Pharmacia社製)に共有結合で固相化し、該固相化樹脂に上記抗血清を供して当該抗血清中の抗体を特異的に樹脂上に吸着させ、ついで、該樹脂上に吸着した抗体を適切な緩衝液やカオトロピックイオン等を用いて溶出させて回収することでも達成できるが、これに限定されない。
また、本発明の抗体をモノクローナル抗体として得る場合は、当業者に既知の手法を用いて、免疫したマウスの脾細胞とミエローマ細胞株などの細胞融合用のペアレントセルを融合させ、得られたハイブリドーマの中から好適なものを選択してクローン化し、次いで、その融合細胞を生体外または生体内で培養し、この培養混合物より特異性の高いモノクローナル抗体を採取する。
更に、本発明の抗体として、上記のようなポリクローナル/モノクローナル抗体の他、それらの抗体を酵素消化処理して得られるような当該抗体の反応性フラグメントも用いることもできる。当該抗体フラグメントの例には、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、F(v)フラグメント、H鎖モノマー又はダイマー、L鎖モノマー又はダイマー、1個のH鎖及び1個のL鎖からなるダイマー等が含まれる。該フラグメントは、例えばペプシンやパパイン等のプロテアーゼにより完全な抗体を消化するか、消化後、必要に応じて還元剤で処理することにより得ることができる。H鎖及びL鎖モノマーは、完全な抗体をジチオスレイトール等の還元剤で処理した後、精製した鎖状体を分離することにより得ることもできる。
なお、本発明においては、前記イオン性界面活性剤変性タンパク質に対する抗体を用いて測定を実施することが好ましいが、ある種のタンパク質においては、そのような変性タンパク質に対する抗体が必ずしも必要ではなく、天然型(native)のタンパク質に対する抗体を用いても許容可能な検出が行い得ることが明らかになった。しかしながら、一般的に、そのような天然型タンパク質に対する抗体を用いた検出では、イオン性界面活性剤を含む試料溶液の放置時間に比例して検出感度が減少することが観察された。すなわち、特定の水難溶性/難抽出性タンパク質をイオン性界面活性剤含有水性溶媒で抽出した後、これを比較的短時間のうちに続く抗原−抗体反応に供する場合には、比較的安定な抗原―抗体複合体の形成が認められるが、抽出後、時間の経過と共に当該複合体の形成率が減少した。このことは、天然型タンパク質に対する抗体を用いたイムノアッセイでは、時間依存的にアッセイの再現性が損なわれ得ることを意味する。
これに対し、本発明の変性タンパク質に対する抗体を使用する場合、そのような経時的変化は微小であり、特に、予め抽出液を煮沸した場合において、再現性の高いアッセイが行い得ることも見出された。すなわち、本発明の更に好ましい態様としては、水難溶性/難抽出性タンパク質を高濃度のイオン性界面活性剤含有水性溶媒で抽出し、次いで、得られたタンパク質溶液を煮沸、すなわち、少なくとも80℃以上の温度で5分以上加熱し、冷却後、当該溶液に対して、イオン性界面活性剤変性タンパク質に対する抗体を添加して、抗原−抗体複合体を形成させることがあげられる。
かくして、水難溶性/難抽出性タンパク質を効率的に可溶化/抽出し、当該高い抽出率を希釈等により犠牲にすることなく、効果的に抗原−抗体反応を達成し得る高感度イムノアッセイ・プロトコールが提供される。
なお、本発明の免疫学的測定には、上記のようにして形成された抗原−抗体複合体を検出することも含まれるが、当該検出は、当業者に周知のいずれの方法によってもよいことが理解されるであろう。例えば、本発明の免疫学的測定の一例であるサンドウイッチ・イムノアッセイでは、1の本発明のイオン性界面活性剤変性タンパク質に対する抗体が、ウェル底面などの固相のコーティングに用いられてキャプチャー側抗体を提供し得、該変性タンパク質に対するもう一方の抗体(キャプチャー側抗体と同一または異なっていてよい)が放射性物質や着色粒子又は酵素で標識されて検出側抗体を提供し得る。キャプチャー側抗体を有するウェル内に、上記イオン性界面活性剤含有試料溶液が添加され、所定時間インキュベートされた後、該抽出液をウェルから取り除き、好適な緩衝液等によりウェル内を充分に洗浄後、検出側の抗体がウェルに添加される。所定のインキュベーションの後、ウェル内を洗浄し、キャプチャー側抗体−測定対象物−検出側抗体複合体の生成を検出する。検出は、検出側抗体に標識された標識物質の性質に依存し、放射性標識であれば放射線量が、着色粒子標識であれば発色量や吸光度が、また酵素標識(ELISA法)であれば、更に適当な基質をウェルに添加し、所定のインキュベーション後の吸光度が検出される。なお、上記ELISA法で酵素標識に用いる酵素に特に制限はなく、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼやアルカリ性フォスファターゼ等の酵素が有利に使用される。西洋ワサビペルオキシダーゼで標識する場合は、当該酵素の基質として3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジン等がその基質として利用可能である。アルカリ性フォスファターゼを使用する場合は、基質としてp−ニトロフェニル燐酸が基質としてあげられる。上記の免疫学的測定結果に基づき、本発明の対象である水難溶性/難抽出性タンパク質の検出が可能となるのである。
更に説明せずとも、これまでの説明を与えられた当業者は、本発明を充分に活用し得る。以下、説明のみの目的で実施例を与える。なお、以下において、特にことわりのない限り濃度(%)は、重量/容量(W/V)%を示す。
固相サンドイッチ法による、SDSを含む検体中のオボムコイドの測定(天然型オボムコイドに対する抗体の使用)
(1)抗オボムコイド抗体の固相化
ウサギ抗−(天然型)オボムコイド−ポリクローナル抗体を炭酸緩衝液(pH9.6)に1μg/mlになるように溶解した。これをマイクロタイタープレート(Nunc社、マイクロモジュールプレート、Maxsorp−F8)に100μlずつ分注し、常温で2時間放置した。
(2)マイクロタイタープレートのブロッキング
各ウェルから上記抗体溶液を除去後、300μlのブロッキング溶液(150mM NaCl、0.05% Tween20、0.1%ウシ血清アルブミンを含む20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4))を加え常温で2時間放置した。
(3)オボムコイドの測定
各ウェル中のブロッキング溶液を除去後、各ウェルに検体希釈溶液(0.1%ウシ血清アルブミン:150mM NaCl:0.05% Tween20:0%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%または1%のSDS含有20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4))で段階希釈したオボムコイド標準品(商品名:卵製トリプシンインヒビター、ナカライテスク社製)を100μl加え、常温で2時間放置した。(なお、以下に示す種々の検体の測定において、当該検体に含まれるオボムコイド量が上記系での測定範囲以外となる場合には、当該検体を更に検体希釈溶液で希釈して上記系の測定範囲内となるようにしてから測定した。)
次いで、各ウェルを洗浄液300μlで6回洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗オボムコイドポリクローナル抗体を0.1%BSA、150mM NaCl、0.05% Tween20含有20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)で希釈した溶液を100μlずつ加え、常温で30分間放置した。次に、各ウェルを洗浄液300μlで5回洗浄後、TMB溶液(3、3’、5、5’テトラメチルベンジジン)を100μlずつ加え、常温で遮光し10分間反応させた。その後、1規定硫酸を100μlずつ各ウェルに加え反応を停止させた。各ウェルの吸光度をマイクロプレートリーダーを用いて主波長450nm、副波長630nmで測定した。得られた標準曲線を図1に示す。
図1からわかるように、0.01〜1.0%のSDS溶液中の検体による標準曲線は、SDSを添加していない溶液中の検体による曲線とほぼ同等であることから、本測定系においてSDS存在下でもオボムコイドの定量が可能であることが確認された。
なお、実際に種々の検体中のオボムコイド量を測定する場合には、このようにして得られた標準曲線をもとに検体中のオボムコイド量を換算した。
(4)検体の免疫測定
上記の試験法に従って、実際に検体の免疫測定試験を行った。市販品の三種類のマヨネーズを、1%SDSを含む検体希釈液でそれぞれ3倍段階希釈し、同時に測定した標準オボムコイドから得られた標準曲線に基いて、検体のオボムコイド濃度を算出した。図2の結果に示すとおり、原点を通る良好な直線性が得られた。
(5)添加回収試験
上記の試験法に従って抗原の添加回収試験を行った。
市販品の3種類のビスケットを検体として、その1%SDS含有抽出液を調製した。すなわち、当該ビスケットを均一に粉末化し、当該粉末の2gを秤取した。これに38mlの1%SDS含有検体希釈液を加え、ホモジナイザーを用いて30秒X2回の攪拌を行い、得られた混合液を3,000Xgで20分間遠心分離した。得られた上清を5Aの濾紙で濾過し、当該濾液を食品抽出液(1%SDS含有抽出液)として測定に用いた。次いで、該抽出液に標準オボムコイドを添加して免疫測定を実施し、測定値から添加したオボムコイド量の回収率を求めた。回収率は、添加抗原量を100%とし、該添加抗原量に対する測定値から固有の検体含有抗原量を引いた値の割合で示す。
以下の表1に示すとおり、添加回収率は88.7から96.1%と良好な結果が得られ、本発明の方法により食品中のオボムコイドが正確且つ鋭敏に測定し得ることが示された。
Figure 2005106811
固相サンドイッチ法による、各種イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤を含む検体中のオボムコイドおよびオボアルブミンの測定(抗−天然型タンパク質−抗体の使用)
上記実施例と同様の条件で、本発明の陰イオン性界面活性剤の一種であるSDS、ドデシル硫酸リチウム(LDS)およびラウリルサルコシンナトリウム、陽イオン性界面活性剤の一種である臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(HDTMAB)、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(HDTMAC)および塩化ヘキサデキシルピリジニウム(HDPC)、並びに参考として非イオン性界面活性剤であるTween20、ルプロールPXおよびTrionX−100ならびにステロイド骨格を有する界面活性剤であるデオキシコール酸(DOC)の、オボムコイドおよびオボアルブミン(参考例)の免疫測定系に対する影響を検討した。
すなわち、1mlあたり64ngのオボアルブミンおよび64ngのオボムコイドを含む検体について、上記の各種界面活性剤の種々の濃度における免疫測定を行って吸光度を測定し、その結果を以下の表2〜5および図3〜8に示す。
Figure 2005106811
Figure 2005106811
Figure 2005106811
Figure 2005106811
本試験の結果、オボアルブミンの測定系においては比較的高濃度(例えば0.1%以上)のイオン性界面活性剤が測定感度を著しく低下させ、免疫測定を阻害するのに対し、オボムコイドの測定系においては10%程度の極めて高い濃度のイオン性界面活性剤存在下においてもその測定が十分可能なことが明らかとなった。このことから、抗−(天然型)オボアルブミン−抗体を用いる場合を除いては、抗−天然型タンパク質−抗体を用いた場合でも、本発明のイオン性界面活性剤の有する高いタンパク質抽出能力とあわせて、優れた検出感度と正確性を達成する免疫測定系が提供され得ることが実証された。なお、参考とした非イオン性界面活性剤およびデオキシコール酸は、オボアルブミンおよびオボムコイドのいずれの測定系にも影響しなかった。
カゼイン及びβ−ラクトグロブリンの測定(抗−天然型タンパク質−抗体の使用)
抗−(天然型)オボムコイド−抗体の代わりに抗−(天然型)カゼイン−抗体又は抗−(天然型)β−ラクトグロブリン−抗体を使用した他は、実施例1とほぼ同様な手順でカゼイン又はβ−ラクトグロブリンの測定を行った。すなわち、SDS濃度を10%から0.156%まで段階希釈した検体希釈液に、それぞれ1mlあたり牛乳タンパク質量として64ngの牛乳タンパク質を添加して測定用の試料溶液を作製した。当該試料中のカゼイン又はβ−ラクトグロブリンを実施例1と同様のプロトコールで実施される市販のカゼイン用牛乳免疫測定キット又はβ−ラクトグロブリン用牛乳免疫測定キット(ともに、天然型タンパク質に対する抗体を使用。株式会社森永生科学研究所より入手。商品名、モリナガ特定原材料測定キット:牛乳測定キット(カゼイン)及びモリナガ特定原材料測定キット:牛乳測定キット(β−ラクトグロブリン))で測定した。結果を図9および図10に示した。
図9および図10から明らかなように、天然型タンパク質に対する抗体を用いた場合でさえも、カゼインおよびβ−ラクトグロブリンにおいて、SDSに代表されるようなイオン性界面活性剤の高濃度存在下で免疫測定が良好に実施できることが示された。
そばタンパク質、小麦タンパク質及び落花生タンパク質の測定(抗−天然型タンパク質−抗体の使用)
実施例3と同様にして、そばタンパク質、小麦タンパク質(グリアジン)及び落花生タンパク質の測定に対するイオン性界面活性剤の影響を検証した。なお、添加実験に用いたそばタンパク質は、そばの子実を磨砕し、当該磨砕物に塩化ナトリウム等の塩類を含む緩衝液(トリス−塩酸緩衝液等)を加えて成分を抽出することで得られた抽出物を遠心分離してその上清を回収し、次いで、該上清をスーパーデックスG−200やスーパーロース6(ともにAmersham Pharmacia社製)のゲル濾過カラムに供し、分子量70〜500kDの範囲に溶出される画分を回収することにより調製した。
また、小麦タンパク質(グリアジン)は、アサマ化成(株)より入手した市販品を用い、落花生タンパク質は、落花生の子実を磨砕し、当該磨砕物に塩化ナトリウム等の塩類を含む緩衝液(トリス−塩酸緩衝液等)を加えて成分を抽出することで得られた抽出物を遠心分離してその上清を回収し、次いで、該上清をスーパーデックスG−200やスーパーロース6(ともにAmersham Pharmacia社製)のゲル濾過カラムに供し、分子量30〜100kDの範囲に溶出される画分を回収することにより調製した。これらの試料を用いた免疫測定法による試験は、各市販の測定キット(株式会社森永生科学研究所製、モリナガ特定原材料測定キット:そば測定キット、モリナガ特定原材料測定キット:小麦測定キット(グリアジン)及びモリナガ特定原材料測定キット:落花生測定キット、いずれも天然型タンパク質に対する抗体を使用)により実施した。結果を図11乃至13に示した。
図11乃至図13から、そばタンパク質、小麦タンパク質及び落花生タンパク質においても、高濃度のイオン性界面活性剤の存在下で、天然型タンパク質に対する抗体の使用により、免疫測定が良好に実施できることが示された。
抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体の作製
実施例1乃至4から、オボムコイド、、カゼイン、β−ラクトグロブリン、そばタンパク質、小麦タンパク質及び落花生タンパク質においては、それらの天然型タンパク質対して産生された抗体を用いても、高濃度のイオン性界面活性剤存在下で、特異的抗原−抗体反応が達成し得ることが示されたが、オボアルブミンにおいては、そのような抗原−抗体反応が実施し得なかった。そこで、以下のようにして、イオン性界面活性剤で予め変性させたタンパク質に対する抗体を作製し、これを利用する方法を検討した。
(1)タンパク質の変性
以下のタンパク質を0.1〜10mg/mlの濃度で1%SDSおよび1Mの2−メルカプトエタノールを含む溶液に溶解し、一晩、室温で放置した:
1. オボアルブミン(生化学工業株式会社より購入。商品名;「Egg Albumin, 5x Cryst. (Chicken)」)
2. オボムコイド(ナカライテスク社より購入。商品名;「トリプシンインヒビター (from chicken Egg White)」)
3. 落花生タンパク質は、以下のとおり調製した。
1) 落花生の子実を磨砕し、当該磨砕物に塩化ナトリウム等の塩を含
む緩衝液(トリス−塩酸緩衝液)を加えて成分を抽出する。
2) 抽出物を遠心分離して上清を回収する。
3) 上清をスーパーデックスG−200やスーパーロース6(ともにAme
rsham Pharmacia 社製)のゲル濾過カラムに供し、分子
量30〜100kDの範囲に溶出される画分を回収する。
4. そばタンパク質は、以下のとおり調製した。
1) そばの子実を磨砕し、当該磨砕物に塩化ナトリウム等の塩を含む緩衝液
(トリス−塩酸緩衝液)を加えて成分を抽出する。
2) 抽出物を遠心分離して上清を回収する。
3) 上清をスーパーデックスG−200やスーパーロース6(ともにAme
rsham Pharmacia 社製)のゲル濾過カラムに供し、分子
量70〜500kDの範囲に溶出される画分を回収する。
(2)ウサギポリクローナリ抗体の調製
上記のようにして変性したタンパク質について、フロイントのアジュバントを用いてエマルジョンを作製し、当該エマルジョンをウサギの皮下に注射して免疫した。免疫は、一回あたり1mgの上記変性タンパク質が投与されるように行い、一週間おきに5回投与を行った。最終免疫終了の一週間後に、免疫したウサギの全血を採集し、抗血清を調製した。当該抗血清からの本発明の抗体の調製は、以下の手順に従った。すなわち、上記ウサギの免疫に用いた変性タンパク質をHiTrap NHS−activated(Amersham Pharmacia社製)に共有結合で固相化し、該固相化樹脂に上記抗血清を供した。ついで、当該固相化樹脂上のタンパク質画分に結合した抗体を、pH2.7に調製した0.1M Gly−HClで溶出して、本発明の抗体を得た。
抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体の使用による測定
以下のプロトコールに基づいて、本発明のイオン性界面活性剤変性タンパク質に対する抗体の使用による、免疫学的測定(ELISA)法を評価した。
[抗体固相化]
1. 上記のイオン性界面活性剤変性タンパク質に対するウサギポリクローナル抗体を炭酸緩衝液(pH9.6)に1μg/mLで調製。
2. マイクロタイタープレート(Nunc社、マイクロモジュールプレート、Maxsorp−F8)に100μLずつ分注常温で2時間静置。
[ブロッキング]
1. 抗体固相化後、抗体溶液を除去、300μLのブロッキング溶液(150mM NaCl、0.05%Tween20、0.1%ウシ血清アルブミンを含む20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4))を加え2時間静置。
[試料溶液の調製]
1. 標準タンパク質を1%SDS、1Mの2−メルカプトエタノールを含む緩衝液(PBS、pH6.5)に溶解し1〜10分間、100℃湯煎で沸騰加熱する。
2. 加熱後、上記と同じ緩衝液により標準タンパク濃度が1〜64ng/mLの濃度になるように希釈する。
[測定]
1. ブロッキング終了後の抗体固相化プレートに各濃度の標準タンパク溶液を100μLずつ加え、1時間常温で静置反応させた。
2. 反応後各ウェルを洗浄液300μLで6回洗浄を行い、西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体を0.1%BSA、150mM NaCl、0.05%Tween20を含む20mM トリス塩酸緩衝液(pH7.4)で溶解した溶液を100μLずつ加え、常温で30分間静置反応させた。
3. 各ウェルを洗浄液300μLで6回洗浄後、TMB溶液(3、3’、5、5’テトラメチルベンジジン)を100μLずつ加え、常温で遮光し、10分間反応。
4. 1規定硫酸を100μLずつ各ウェルに加え反応を停止させた。各ウェルの吸光度をマイクロプレートリーダーを用いて主波長450nm、副波長630nmで測定した。結果は2重測定の平均値を示した。
(1)オボアルブミンの測定
天然型タンパク質に対する抗体では測定が不能であったオボアルブミン(図3および図4参照)について、本発明による抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体を使用した測定結果を図14に示した。本実施例では、各濃度のオボアルブミンを溶解した、1%SDS、1Mの2−メルカプトエタノールを含む緩衝液(PBS、pH6.5)を5分間、100℃湯煎で加熱して、冷却後、上記のELISA測定を実施した。
図14から、高濃度のイオン性界面活性剤の存在下においては、天然型タンパク質に対する抗体を使用した場合に測定が困難であるタンパク質も、抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体を用いれば、極めて高感度で測定できることがわかる。
(2)試料溶液の煮沸効果
本発明の抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体を用いた方法では、試料溶液を予め煮沸することにより、測定の安定性や感度を著しく向上させ得ることが示された。結果を、図15乃至図18に示す。
実施例では、64ng/mlの濃度で各タンパク質を、1%SDS、1Mの2−メルカプトエタノールを含む緩衝液(PBS、pH6.5)に溶解して試料溶液を調製した後、該試料溶液を5分間、100℃湯煎で加熱して、その後、室温で0乃至6時間放置した場合の、本発明の抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体によるELISAの結果を示す。一方、参考例として、天然型タンパク質に対する抗体を用い、同様の試料溶液を加熱した場合と加熱しない場合の結果を示した。結果は、天然型タンパク質に対する抗体を用いた場合、試料溶液を加熱しなければ、比較的短時間の間は高い検出感度を維持できるが、当該感度は経時的に減少することを示す。更に、天然型タンパク質に対する抗体を用いた場合、試料溶液を加熱すると、当初から検出感度が大幅に低下することを示している。
これに対し、本発明の抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体を用い、予め試料溶液を煮沸した場合には、高い検出感度が長時間維持され、極めて再現性と感度が高いアッセイを実施し得ることが示された。
(3)アッセイの感度
本発明の好ましい態様である、抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体の使用と、試料溶液の煮沸の組み合わせにおけるアッセイの感度を図19乃至22に示した。実施例は、各濃度のタンパク質を、1%SDS、1Mの2−メルカプトエタノールを含む緩衝液(PBS、pH6.5)に溶解して試料溶液とした後、該試料溶液を5分間、100℃湯煎で加熱し、冷却後に測定したELISAの結果を示す。また、図中、参考例は、天然型タンパク質に対する抗体を用い、試料溶液を加熱したときの結果を示す。図から、本願発明の方法が極めて高い再現性と感度を有していることがわかる。
特に、実施例6から明らかなように、本発明の抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体を使用することで、タンパク質のイムノアッセイが、高濃度のイオン性界面活性剤の存在下でも十分に実施し得ることが示された。これにより、イオン性界面活性剤の優れたタンパク質可溶化効果を利用することで可溶化/抽出された難溶性/難抽出性タンパク質を、直接、イムノアッセイで検出することが可能となり、そのような高感度の検出が要求されるような生命科学研究や食品の品質保証において、本発明の方法は、極めて有効に利用できる。
標準オボムコイドを順次段階希釈し、本発明の実施例の方法(EIAの原理に基く固相サンドイッチ法)により測定波長450nm、副波長630nmでの吸光度を測定した結果を示す。 オボムコイドを含む未知濃度検体(検体a乃至c)を測定系に用いて、本発明の実施例の方法(EIAの原理に基く固相サンドイッチ法)により測定波長450nm、副波長630nmでの吸光度を測定した結果を示す。 HDTMAB、HDTMACおよびHDPCの存在下におけるオボアルブミンの測定結果を示す(参考例)。横軸は各界面活性剤の濃度(%)を示し、縦軸は吸光度を示す。 LDS、ラウリルサルコシンナトリウムおよびSDSの存在下におけるオボアルブミンの測定結果を示す(参考例)。横軸は各界面活性剤の濃度(%)を示し、縦軸は吸光度を示す。 HDTMAB、HDTMACおよびHDPCの存在下におけるオボムコイドの測定結果を示す。横軸は各界面活性剤の濃度(%)を示し、縦軸は吸光度を示す。 LDS、ラウリルサルコシンナトリウムおよびSDSの存在下におけるオボムコイドの測定結果を示す。横軸は各界面活性剤の濃度(%)を示し、縦軸は吸光度を示す。 Tween20、ルブロールPX、TritonX−100およびDOCの存在下におけるオボアルブミンの測定結果を示す(参考例)。横軸は各界面活性剤の濃度(%)を示し、縦軸は吸光度を示す。 Tween20、ルブロールPX、TritonX−100およびDOCの存在下におけるオボムコイドの測定結果を示す(参考例)。横軸は各界面活性剤の濃度(%)を示し、縦軸は吸光度を示す。 SDSの存在下におけるカゼインの測定結果を示す。横軸は界面活性剤(SDS)濃度(%)を示し、縦軸は吸光度を示す。(■)は抗原有り、(◆)は抗原なし(対照)。 SDSの存在下におけるβ−ラクトグロブリンの測定結果を示す。横軸は界面活性剤(SDS)濃度(%)を示し、縦軸は吸光度を示す。(■)は抗原有り、(◆)は抗原なし(対照)。 SDSの存在下におけるそばタンパク質の測定結果を示す。横軸は界面活性剤(SDS)濃度(%)を示し、縦軸は吸光度を示す。(■)は抗原有り、(◆)は抗原なし(対照)。 SDSの存在下における小麦タンパク質(グリアジン)の測定結果を示す。横軸は界面活性剤(SDS)濃度(%)を示し、縦軸は吸光度を示す。(■)は抗原有り、(◆)は抗原なし(対照)。 SDSの存在下における落花生タンパク質の測定結果を示す。横軸は界面活性剤(SDS)濃度(%)を示し、縦軸は吸光度を示す。(■)は抗原有り、(◆)は抗原なし(対照)。 本発明による抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体を使用したオボアルブミンの測定結果を示す。 本発明の抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体を用いた方法において、オボアルブミン試料溶液を煮沸した場合の、経時的な検出感度安定性に対する効果を示す。参考例は、天然型タンパク質に対する抗体を用い、同様の試料溶液を加熱した場合と加熱しない場合の結果を示す。 本発明の抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体を用いた方法において、オボムコイド試料溶液を煮沸した場合の、経時的な検出感度安定性に対する効果を示す。参考例は、天然型タンパク質に対する抗体を用い、同様の試料溶液を加熱した場合と加熱しない場合の結果を示す。 本発明の抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体を用いた方法において、落花生タンパク質試料溶液を煮沸した場合の、経時的な検出感度安定性に対する効果を示す。参考例は、天然型タンパク質に対する抗体を用い、同様の試料溶液を加熱した場合と加熱しない場合の結果を示す。 本発明の抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体を用いた方法において、そばタンパク質試料溶液を煮沸した場合の、経時的な検出感度安定性に対する効果を示す。参考例は、天然型タンパク質に対する抗体を用い、同様の試料溶液を加熱した場合と加熱しない場合の結果を示す。 本発明の好ましい態様である、抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体の使用と、試料溶液の煮沸の組み合わせにおけるアッセイの感度を示す。実施例は、各濃度のオボアルブミンを、1%SDS、1Mの2−メルカプトエタノールを含む緩衝液(PBS、pH6.5)に溶解して試料溶液とした後、該試料溶液を5分間、100℃湯煎で加熱し、冷却後に測定したELISAの結果であり、参考例は、天然型オボアルブミンに対する抗体を用い、試料溶液を加熱したときの結果を示す。 本発明の好ましい態様である、抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体の使用と、試料溶液の煮沸の組み合わせにおけるアッセイの感度を示す。実施例は、各濃度のオボムコイドを、1%SDS、1Mの2−メルカプトエタノールを含む緩衝液(PBS、pH6.5)に溶解して試料溶液とした後、該試料溶液を5分間、100℃湯煎で加熱し、冷却後に測定したELISAの結果であり、参考例は、天然型オボムコイドに対する抗体を用い、試料溶液を加熱したときの結果を示す。 本発明の好ましい態様である、抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体の使用と、試料溶液の煮沸の組み合わせにおけるアッセイの感度を示す。実施例は、各濃度の落花生タンパク質を、1%SDS、1Mの2−メルカプトエタノールを含む緩衝液(PBS、pH6.5)に溶解して試料溶液とした後、該試料溶液を5分間、100℃湯煎で加熱し、冷却後に測定したELISAの結果であり、参考例は、天然型落花生タンパク質に対する抗体を用い、試料溶液を加熱したときの結果を示す。 本発明の好ましい態様である、抗−イオン性界面活性剤変性タンパク質−抗体の使用と、試料溶液の煮沸の組み合わせにおけるアッセイの感度を示す。実施例は、各濃度のそばタンパク質を、1%SDS、1Mの2−メルカプトエタノールを含む緩衝液(PBS、pH6.5)に溶解して試料溶液とした後、該試料溶液を5分間、100℃湯煎で加熱し、冷却後に測定したELISAの結果であり、参考例は、天然型そばタンパク質に対する抗体を用い、試料溶液を加熱したときの結果を示す。

Claims (1)

  1. 食品試料中の食物アレルゲンタンパク質の存在を検出するための免疫学的測定法であって、該食物アレルゲンタンパク質は、オボムコイド、カゼイン、β−ラクトグロブリン、そばタンパク質、小麦タンパク質及び落花生タンパク質からなる群から選択され、該測定法は、以下の工程:
    (1)食物アレルゲンタンパク質の存在が疑われる食品試料を、0.5(W/V)%乃至10(W/V)%のドデシル硫酸ナトリウムおよび1mM乃至2Mの2−メルカプトエタノールを含む水性溶媒で抽出して該試料の抽出液を得、
    (2)前記抽出液に対して、或いは該抽出液を20倍以内の希釈倍率で希釈した希釈液に対して前記食物アレルゲンタンパク質に結合する抗体を加えて、食物アレルゲンタンパク質−抗体複合体を形成させ、および
    (3)形成された前記食物アレルゲンタンパク質−抗体複合体を検出することからなる、前記方法。
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