JPH085637A - Hav抗原及びその抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法 - Google Patents

Hav抗原及びその抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法

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JPH085637A
JPH085637A JP6156467A JP15646794A JPH085637A JP H085637 A JPH085637 A JP H085637A JP 6156467 A JP6156467 A JP 6156467A JP 15646794 A JP15646794 A JP 15646794A JP H085637 A JPH085637 A JP H085637A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 HAVに対する抗体を検出するための試験方
法において、その検出感度において優れ、早い時期でH
AV関連抗体を検出したり、A型肝疾患における検出率
を高めたり、さらに確実にHAV感染などを診断・検出
することのできる試薬及び測定法を提供する。 【構成】 イン・ビトロの細胞培養法で得られた細胞ラ
イゼートから得られたHAV抽出物を、少なくとも界面
活性剤、特にアニオン性界面活性剤で処理したものであ
るHAV抗原試薬を用いることにより、予想外にも抗原
活性に悪影響を与えること無く、測定感度を大幅に上昇
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、A型肝炎ウイルス(H
AV)抗原の改良された調製方法に関し、より具体的に
は、界面活性剤、特にアニオン性界面活性剤を用いての
A型肝炎ウイルス抗原の調製方法に関する。こうして試
料中の該抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定法におい
て用いられる、A型肝炎ウイルス抗原を用いたところの
測定感度の改良された測定用試薬が提供される。本発明
は、更に改良されたA型肝炎ウイルス抗原を用いたA型
肝炎感染の免疫学的測定法にも関する。
【0002】
【従来技術及び解決すべき課題】A型肝炎ウイルス(h
epatitis A virus: HAV)は、1
973年フェインストン(Feinstone)等によ
りA型肝炎急性期患者の便材料のうちに発見され、19
77年には実験感染チンパンジー肝組織における増殖の
報告がされてのち、1979年には初代マーモセット肝
細胞及びアカゲザル胎児腎細胞での増殖が報告された。
以来、HAVの増殖は、培養細胞系では初代及び株化ア
フリカミドリザル腎細胞、ヒト二倍体細胞などにおいて
報告されている。
【0003】ところで、現在日本では、A型肝炎ウイル
ス感染の発生は減少してはいるものの、若年層を中心に
抗HAV抗体陰性者が増加するのに対して、一方では高
年齢者にはその陽性者が多く分布するという状況から、
成人ではHAVに汚染された飲食物に接する機会が多く
なることに加えて、大人では一旦感染した場合、肝炎の
発症につながる恐れが高いことから、そのHAV感染を
防ぐ意味でも、正確かつ迅速なHAV感染の有無を検出
することが求められている。また、HAVは糞便などに
よる経口感染をその主な伝播経路とするため、環境衛生
の不備な地域での感染の危険は大きく、最近では海外渡
航の機会も増加し、こうしてHAV感染の検査が、近親
者間、従業員者間などでの感染を防ぐ意味でも重要視さ
れている。
【0004】このHAV感染の検出のためには、HAV
感染に伴って生体内の強い免疫反応により生じる抗HA
V抗体を検出して行われており、この抗HAV抗体と免
疫学的に反応性を有するHAV抗原が試薬として用いら
れている。このHAV抗原は、上記したようなHAVを
感染させた培養細胞から得られているHAVをそのまま
あるいは固定化又は標識して、免疫学的測定法において
試薬として用いている。
【0005】しかしながら、こうしたこれまでのこのH
AVに対する抗体を検出するための試験方法は、依然と
して急性期の診断においてとか、その検出感度、さらに
はその特異性が必ずしも充分なものでなく、そのうえ非
特異的な反応が観察されるなどの問題を有しており、よ
り感度、特異性に優れた測定法の開発が求められてい
る。より早い時期でのHAV関連抗体の検出は、有効な
治療を進める上でも、医療の現場での安全性を確保する
上でも重要であり、またA型肝疾患における検出率を高
めることも求められている。これまで、HAVを感染さ
せた培養細胞は、約2〜10日間、好ましくは7日間培
養され、生育培地を培養物から除いた後、その細胞を溶
菌化し、こうして得られた細胞ライゼートからその核由
来物質、細胞オルガネラ、破砕物などを遠心分離処理し
て除き、こうしてA型肝炎ウイルスが得られている。
【0006】ところでその感染培養細胞の溶菌化処理に
あたり、キレート化剤及び非イオン界面活性剤を緩衝化
された溶液に含む生理的ではない溶液を用いることによ
り、該ウイルスの収量が顕著に増加するとの報告もなさ
れているが、上記のようにしてHAVを感染させた培養
細胞を溶菌化して得られた細胞ライゼートから取得され
たウイルスは、単にそれをそのまま公知のホルマリン処
理、例えば感染細胞から抽出されたウイルスを37℃で
37%ホルマリン溶液の1:4000希釈下にインキュ
ベーション処理し、その感染性を不活性化してHAV抗
原とし、それをそのままHAVに対する抗体などを検出
する免疫学的測定法を行なう場合のHAV抗原として用
いている。ところが、こうしたHAV抗原を用いた場合
には感度の点で問題があり、偽陰性の要因にもなってい
た。上記したようにこれまでは感染細胞を溶菌化する場
合に界面活性剤を用いることは知られているが、溶菌化
して得られた細胞ライゼートから一旦分離されたHAV
は、それをそのまま単に不活性化してHAV抗原として
用いられているだけであった。上記したようにより早い
時期でHAV関連抗体を検出したり、A型肝疾患におけ
る検出率を高めたり、さらに確実にHAV感染などを診
断・検出を行うために従来のHAV抗原を用いた時に生
じる低濃度域での偽陰性を少なくすることが、緊急的か
つ強く求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、HAV抗
原と免疫学的に反応性の抗体(HAV抗体)をイン・ビ
トロの細胞培養法で得られたウイルス抗原を用いてより
特異性に優れ、正確に測定する方法を見いだすべく鋭意
研究を行った結果、簡単な方法により、再現性のあるか
つより感度を高くすることのできる方法及び試薬の開発
に成功した。
【0008】本発明者らは、イン・ビトロの細胞培養法
で得られたウイルス抗原を用いて、試料中の該抗原と免
疫学的に反応性の抗体を測定する場合、感染細胞を溶菌
化して得られた細胞ライゼートから一旦分離されたHA
V抽出物を、さらに界面活性剤で処理したものを、HA
V抗原試薬として用いると、予想外にも抗原活性に悪影
響を与えることが少なく、また抗原の非特異吸着を抑え
ることができた。さらに測定系で用いるHAV抗原試薬
の添加量を増加することも可能となった。こうして測定
感度を大幅に上昇させることができることを見出し、本
発明を完成した。
【0009】本発明は、イン・ビトロの細胞培養法で得
られた細胞ライゼートから得られたHAV抽出物を、少
なくとも界面活性剤、特にアニオン性界活性剤で処理し
たものであるHAV抗原試薬を提供する。さらに本発明
は、HAVと免疫学的に反応性の抗体の測定用試薬にお
いて、イン・ビトロの細胞培養法で得られた細胞ライゼ
ートから得られたHAV抽出物を少なくとも界面活性
剤、特にアニオン性界面活性剤で処理したものをHAV
抗原試薬として用いることを特徴とするHAV抗体測定
試薬及びその試薬を用いた測定方法を提供する。
【0010】本発明で用いられるHAV抽出物は、例え
ばアフリカミドリザル腎培養細胞、ヒト肝臓腫瘍セルラ
インPLC/PRF/5、Hep.G2などのHAV感
染細胞であって培養しうるもので、さらに好ましくは大
量にHAVを産生しうるセルライン細胞を、公知の生育
培地、例えばイーグル最小必須培地(Eagle’s
MEM)、ダルベッコ最小必須培地(Dulbecc
o’s MEM)、PRM1−1640(Gibco
社)、Eagle’s MEM)、N−(2−ヒドロキ
シエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン
酸)(HEPES)緩衝液添加イーグルMEM、リン酸
緩衝化L−15−a培地、ハンクス液(Hanks’
balanced salt solution)など
の生育培地で、必要に応じウシ胎児血清(FCS)、ペ
ンシリン、トレプトマイシンなどの抗生物質、酵母抽出
液、バクトペプトン、ラクトアルブミン加水分解物、そ
の他細胞成長因子などを添加したものの中で培養し、次
にこうして得られた細胞培養物から次のようにして得ら
れる。
【0011】つまり、上記のようにして得られた細胞培
養物から栄養培地を除去し、ついで細胞を生理的食塩
水、燐酸塩などで緩衝化された溶液などで、必要に応じ
EDTAなどのキレート化剤を添加したもので洗浄す
る。こうして単離・収穫された細胞を、代表的にはED
TAなどのキレート化剤及びポリオキシエチレンエーテ
ル(代表的なものは、0.5%のTriton X−1
00などの商品名で入手しうる)などの非イオン界面活
性剤を含む燐酸塩などで緩衝化された溶液、例えば1m
MのEDTA及び0.5%のTriton X−100
を含む燐酸塩緩衝化溶液、あるいはデオキシコール酸塩
を含む燐酸塩などで緩衝化された溶液でもって溶菌処理
し、こうして得られた細胞ライゼートを、必要に応じ、
例えば約10〜15分間インキュベーション処理し、つ
ぎに遠心処理、例えば約1,000〜20,000×
g、好ましくは約2,000〜10,000×gで、約
5〜60分間、好ましくは約10〜30分間遠心処理
し、HAV抽出物を得ることができる。HAV抽出物
は、例えば米国特許明細書第4,721,675号に記
載のようにしても得られる。HAV抽出物は、必要に応
じ、例えばクロロホルム抽出法、酵素処理法、蔗糖濃度
勾配遠心分離法などでさらに精製することもできる。
【0012】こうして得られたHAV抽出物は、つぎに
公知の方法又はそれを修飾した方法によりその感染性を
不活性化するための処理がなされる。不活性化処理は、
例えばホルマリン液で処理する、例えば約37℃で約2
5〜45%ホルマリン溶液の約1:3000〜1:70
00希釈下、例えば、1:4000希釈下にインキュベ
ーション処理することにより行うことができるが、その
他適切な方法を公知のものの中から選んで適用すること
が出来る。この処理は、例えば、2週間行うこともで
き、さらにそれより短い時間あるいは長い時間でもよ
い。この処理の際の処理液においては、必要に応じ、緩
衝剤、希釈液又は希釈剤、キレート化剤、保存剤などを
添加して用いることもできる。
【0013】緩衝剤、希釈液又は希釈剤としては、水、
リン酸緩衝液、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン(Tris)緩衝液、例えば生理食塩水などの塩化ナ
トリウム液、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン
−N’−(2−エタンスルホン酸)(HEPES)液、
ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)
(PIBES)液、3−(シアノヘキシルアミノ)−1
−プロパンスルホン酸(CAPS)液、3−(モルホリ
ノ)プロパンスルホン酸(MOPS)液、アミノ酸液な
どが挙げられる。これらは単独でも、任意に組合わせて
配合しても用いることができる。キレート化剤として
は、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、エチレ
ングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)−
N,N,N’,N’−テトラ酢酸(EGTA)などが挙
げられる。
【0014】本発明によれば、こうして得られた感染性
が不活性化されたHAV抽出物は、つぎに界面活性剤で
処理される。界面活性剤としては、特にアニオン性界面
活性剤が適している。アニオン性界面活性剤としては、
ステアリン酸カリウムなどの炭素数12〜18の高級脂
肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、胆汁酸
のアルカリ金属塩、炭素数12〜18の高級脂肪酸のト
リエタノールアミンなどの有機塩基塩、ラウリル硫酸ナ
トリウム(LDS)、ドデシル硫酸ナトリウム(SD
S)などの炭素数12〜18の高級脂肪酸又は高級アル
コールの硫酸エステル、アルキルスルホン酸塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリー
ルスルホン酸塩などが挙げられ、特にLDS、SDSは
著効を示す。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリ
ウム、リチウムなど、アルカリ土類金属としては、カル
シウム、マグネシウムなどが挙げられる。
【0015】これら界面活性剤は、共存する蛋白質の量
に応じて、その使用量を選ぶことが好ましく、例えば約
0.001%v/v〜約10%v/vの範囲で用いるこ
とができる。特に好ましくはSDSを用い、約0.05
%v/v〜約5%v/v、より好ましくは共存する他の
蛋白質が存在しない場合には約0.5%v/v〜約1.
0%v/vの範囲で用いることができる。
【0016】界面活性剤でHAV抽出物を処理するにあ
たっては、必要に応じHAV抽出物を緩衝剤、希釈液又
は希釈剤などで希釈し、所要濃度を与える界面活性剤溶
液と混合するか、懸濁する。こうして得られた混合物
は、必要に応じ攪拌処理されることができる。また場合
によっては、混合物中にガラスビーズなどを加えて攪拌
処理してもよい。攪拌処理は、測定感度を改善しうるも
のであれば、例えば穏やかな混合のみで済ますこともで
きるし、激しい攪拌混合であることもできる。処理温度
は、室温で行うこともできるし、冷却下行うこともでき
るし、37℃あるいはそれ以上の温度とすることも測定
感度を改善しうるものであれば、採用できる。界面活性
剤で処理されたHAV抽出物は、そのまま次の処理に使
用できるし、あるいは一旦保存したのち次の処理に使用
できるし、また必要に応じ遠心分離などの分離処理を
し、さらに必要に応じ洗浄などの処理をして後次の処理
に使用できる。これらの処理は、測定時の非特異吸着を
抑制し、感度を改善しうるように選ぶことができる。
【0017】本発明の界面活性剤処理の際の処理液にお
いては、緩衝剤、希釈液又は希釈剤、キレート化剤、保
存剤などを添加して用いることができる。緩衝剤、希釈
液又は希釈剤としては、水、リン酸又はリン酸塩緩衝
液、Tris緩衝液、例えば生理食塩水などの塩化ナト
リウム液、HEPES液、PIBES液、CAPS液、
MOPS液、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)
−2−アミノエタンスルホン酸(BES)液、N−トリ
ス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスル
ホン酸(TES)液、N−(2−アセトアミド)−2−
アミノエタンスルホン酸(ACES)液、アミノ酸液な
どが挙げられる。これらは単独でも、任意に組合わせて
配合して用いることができる。キレート化剤としては、
EDTA、EGTAなどが挙げられる。
【0018】本発明によれば、HAV抽出物は、必要に
応じて、その感染性を不活性化する前に上記界面活性剤
で処理し、つぎに得られた界面活性剤で処理されたHA
Vを、公知の方法又はそれを修飾した方法により不活性
化処理してもよい。不活性化処理は、上記と同様にして
よく、例えば約37℃で約37%ホルマリン溶液の1:
4000希釈下にインキュベーション処理することによ
り行うことができる。
【0019】より具体的な態様においては、本発明は、
イン・ビトロの細胞培養法で得られた細胞ライゼートか
ら得られたHAV抽出物を約0.5%v/v〜約1.0
%v/vの範囲の濃度のドデシル硫酸ナトリウム(SD
S)液と混合し、つぎに必要に応じ、例えば室温で3時
間インキュベーション処理し、SDS処理HAV抽出物
を得るものである。本発明では、その得られたSDS処
理HAV抽出物を用いたことを特徴とする試料中のHA
V抗体の免疫測定試薬及びそれを用いた試料中の抗体の
測定法が提供される。
【0020】本発明において試料中の抗原と免疫学的に
反応性の抗体を測定するにあたっては、ラジオイムノア
ッセイ、酵素免疫測定法、螢光免疫測定法、化学発光免
疫測定法、あるいは微粒子を標識剤とする免疫測定法及
び凝集反応免疫測定法などの方法によることができる。
特に、HAV感染の急性期には、IgM型の抗HAV抗
体が患者の血液中に出現することが知られ、このIgM
型の抗HAV抗体を測定することにより急性A型肝炎の
感染を診断できる。このIgM型の抗HAV抗体を特異
的に測定する系では、抗ヒトIgM抗体で被覆した固相
担体を、測定試料と反応させ、次に(1)標識剤で標識
した標識HAV抗原と反応させるか、又は(2)HAV
抗原試薬と反応させ、最後に標識抗HAV抗体と反応さ
せるというように順次反応させることにより行われてい
る。
【0021】したがって、より具体的な態様において
は、本発明は、試料中のHAV抗体を抗ヒトIgM抗体
結合固体担体あるいは粒子状担体などと反応させ、試料
中のHAV抗体を固相抗ヒトIgM抗体と免疫学的に反
応させ、つぎに上記のようにして得られた界面活性剤処
理HAV抽出物、例えばSDS処理HAV抽出物を免疫
学的に反応させ、得られた反応生成物に化学発光標識抗
HAV抗体を免疫学的に反応させることからなることを
特徴とするHAV抗体の測定法及びその測定法に用いる
試薬が提供される。
【0022】本発明において試料中の抗原と免疫学的に
反応性の抗体を測定するにあたっては、抗原抗体反応に
あずかる抗原や抗体は、必要に応じて、例えば、寒天、
アガロース、セルロース、紙、ニトロセルロース、デキ
ストラン、ゼラチン、キチン、コラーゲン、綿などの生
体由来高分子あるいは天然物由来高分子、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ルアミドなどのアクリル樹脂、イオン交換樹脂、光架橋
樹脂、テフロン、ポリアセタールなどの合成高分子、ガ
ラスビーズ、シリカゲル、アルミナ、セラミック、カー
ボン、硫酸マグネシウムなどの無機質材料などからな
る、微粒子、ビーズ、マイクロプレート、マイクロタイ
ターウェル、マイクロチューブ、トリップ、メンブレ
ン、トレイ、ゲルなど、さらには赤血球、ラテックス粒
子、乳剤などの固体担体に固定しておき、この固体担体
を、分析対象としての抗体等を含有する試料と接触さ
せ、こうして固体担体に固定された抗原と、分析試料中
の抗体等とを特異的に結合反応せしめ、この特異的に結
合した分析対象物を検知することによりおこなうことが
できる。もちろん、これらの固体担体はHAV抗原の処
理に用いた界面活性剤との間で好ましくない反応が起き
ないようにして使用することが好ましい。
【0023】好ましい態様において、本発明では試料と
反応せしめられる抗ヒトIgM抗体結合固体担体あるい
は粒子状担体などとしては、ポリスチレン製のビーズ、
ポリスチレン製の微小粒子などを用いることができる。
また、抗体としては、ヒトIgMに対する抗体及びHA
Vに対する抗体など対象抗原に対する抗体であれば特に
限定されることなく用いることができる。抗体は常法に
より得ることができ、例えば村松繁、他編、実験生物学
講座14、免疫生物学、丸善株式会社、昭和60年、日
本生化学会編、続生化学実験講座5、免疫生化学研究
法、東京化学同人、1986年、日本生化学会編、新生
化学実験講座12、分子免疫学III、抗原・抗体・補
体、東京化学同人、1992年などに記載の方法に準じ
て、例えばウマ、ウシ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、ラッ
ト、マウスなどを免疫するなどして得たり、モノクロー
ナル抗体であることもでき、これらは単独でもあるいは
これらを組合せて用いることは任意にできる。これら抗
体は、必要なら、ペプシン、パパインなどの酵素で消化
して、F(ab’)2 、Fab’として使用してもよ
い。抗ヒトIgM抗体としては、好ましくはμ鎖に対し
て特異的に反応する抗体、抗μ鎖−ヒトIgM抗体が挙
げられ、これらはマウスミエローマ細胞を用いて細胞融
合技術を利用して得られたモノクローナル抗体であって
もよいことはいうまでもない。また、抗HAV抗体は、
高力価を有するヒトHAV陽性血清又は血漿から得られ
たものが利用できるが、上記したようにモノクローナル
抗体であってもよいことはいうまでもない。
【0024】ラジオイムノアッセイ、酵素免疫測定法、
螢光免疫測定法、化学発光免疫測定法などでは、
125I、 3Hなどの放射性物質、西洋わさびペルオキシ
ダーゼ、β−D −ガラクトシダーゼ、アルカリフォスフ
ァターゼなどの酵素、フルオレッセインなどの螢光色
素、アクリジニウムエステル類などの化学発光色素、金
コロイド、セレンコロイドあるいは有色ラテックス粒子
などの有色物質などで標識された抗原あるいは二次抗体
が試薬として用いられ、分析試料中の抗体、複合体等と
特異的に結合反応せしめられ、その放射活性、酵素活
性、化学発光あるいは色の有無などを測定して、試料中
の抗体等が存在していたか否かを判別することができ
る。本発明においては、特に化学発光標識法、例えばア
クリジニウムエステル類などで標識された二次抗体試薬
を用いる化学発光免疫測定法あるいは発光ランタニドな
どで標識された二次抗体試薬を用いる螢光免疫測定法は
自動化された測定ができ好ましい方法である。特にアク
リジニウムエステル類で標識された二次抗体試薬を用い
る化学発光免疫測定法は自動化された測定ができ好まし
い。
【0025】アクリジニウムエステル類としては、例え
ば特開昭62−39598号公報、特開昭62−619
69号公報、特開昭63−57572号公報、特開昭6
3−101368号公報、特開昭63−112564号
公報、特開平1−199949号公報、特開平1−26
1461号公報、特開平2−96567号公報、特開平
2−133469号公報、特開平2−503268号公
報、特開平2−501772号公報、欧州特許公開出願
第0082636号、英国特許明細書第1,461,8
77号、米国特許明細書第3,539,574号などに
記載のN−アルキル又はアリールアクリジニウム−9−
カルボン酸エステルなどが挙げられる。
【0026】特に、特開昭63−112564号公報、
米国特許明細書第3,539,574号などに記載の1
0−アルキル・N−アルキル又はアリール−スルホニル
−N−アルキル又はアリールスルホニルアクリジニウム
−9−カルボキサミド、N−メチルアクリジニウム−9
−カルボン酸エステルなどは代表的な化学発光標識とし
て挙げられる。アクリジニウム標識の場合、測定前にト
リガー試薬処理、例えば過酸化水素、例えば約0.01
%〜約0.1%の過酸化水素水溶液、及び水酸化ナトリ
ウム、例えば約0.05N〜約0.5Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液で処理してから、ルミノメーターなどを用い
て測定を行うことができる。
【0027】発光ランタニドとしては、例えば欧州特許
公開出願第0068875号、米国特許明細書第4,3
74,120号、米国特許明細書第4,283,382
号、米国特許明細書第4,259,313号、米国特許
明細書第4,352,751号、米国特許明細書第4,
432,907号、欧州特許公開出願第0103558
号などに記載のアミノカルボン酸基を持つ発光ランタニ
ドをキレート化できるものなどが挙げられる。また測定
前にレーザー光などによる励起処理をして測定を容易に
することもできる。勿論、標識剤は上記のものに限定さ
れること無く、測定に使用される機器、場所などを考慮
し、適宜当該分野で使用することが知られているものの
中から目的に応じ選択して用いることができる。
【0028】凝集反応を利用した測定法では、一般には
可溶性抗原を粒子状担体、例えば、赤血球、ポリスチレ
ン粒子、ラテックス粒子などに結合させたいわゆる感作
粒子抗原などの粒子状抗原と、それに対する抗体とが特
異的に結合反応して、観察できるような凝集塊をつくる
反応を利用することができる。
【0029】固体担体、粒子状担体あるいは標識などと
抗原あるいは抗体などとを結合あるいは吸着させるに
は、当該分野で汎用されている方法を用いることがで
き、例えばイオン相互作用、疎水相互作用、共有結合な
どの物理的吸着や化学的結合により行うことができる。
例えば、架橋剤としては、グルタルアルデヒド、1−エ
チル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド、N,N’−o−フェニレンジマレイミド、N−ス
クシンイミジル 3−(2−ピリジルジチオ)プロピオ
ネート、N−スクシンイミジル S−アセチルメルカプ
トアセテート、N−スクシンイミジル 4−(N−マレ
イミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレー
ト、N−スクシンイミジル 6−マレイミドヘキサノエ
ート、N−スクシンイミジル 4−ヨードアセチルアミ
ノベンゾエート、N−スクシンイミジル3−(p−ヒド
ロキシフェニル)プロピオンネート、N−スクシンイミ
ジルm−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジ
ル 4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル
(p−マレイミドフェニル)アセテート、N−スクシ
ンイミジル 4−(p−マレイミドフェニル)ブチレー
トなどが挙げられる。
【0030】固体担体、粒子状担体などの例としては、
上記したようなものが挙げられ、例えば寒天、アガロー
ス、架橋アガロース、架橋アルギン酸、架橋グアガム、
ニトロセルロースやカルボキシルセルロースなどのセル
ロースエステルあるいは混合セルロースエステル、ゼラ
チン、架橋ゼラチン、ラテックス、ゴム、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
アクリルアミド、ポリメタクリレート、スチレン−メタ
クリレート共重合体、ポリグリシジルメタクリレート、
アクロレイン−エチレングリコールジメタクリレート共
重合体などのポリエステル、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリエポキシ樹脂などの天然あるいは合成の修飾あ
るいは非修飾の重合炭水化物、重合炭化水素など、それ
らの架橋誘導体など、ガラス、例えば活性化ガラス、シ
リカゲル、カオリン、タルク、シリカ−アルミナ、アル
ミナ、硫酸バリウムなどの無機材料などからなる群から
選ばれたものを、多孔性のゲル、微粒子などにしたもの
が挙げられる。
【0031】本発明においては、測定は競合アッセイ、
サンドイッチアッセイ、中和アッセイ、固相アッセイ、
クロマトグラムアッセイなどに適したようにしておこな
うこともできる。本発明で用いられる測定対象試料とし
ては、全血、血清、血漿、唾液、生体粘液などの生体由
来材料をあげることができる。これら測定対象試料は、
必要に応じ濃縮したり、希釈して用いられるが、普通上
記したような希釈剤などで希釈して用いることが好まし
い。また、上記したような緩衝剤、希釈液、キレート化
剤、保存剤などを添加して用いることができる。試料
は、場合によって50〜500倍に希釈してもよい。
【0032】また、試料は、必要に応じ肝炎陰性のヒト
血清、血漿、イムノグロブリン含有フラクションなどの
水溶液で希釈処理することもできる。
【0033】さらにまた、試料は、必要に応じ上記の希
釈に代え、ヒトIgM含有フラクション、精製ヒトIg
Mなどのの水溶液を添加して、試料中のIgM量に影響
されること無く目的抗HAV−IgM抗体を測定できる
ようにすることもできる。約0.1%のヒトIgMを含
有する水溶液の場合、その水溶液で試料を約50〜20
0倍に希釈してもよい。測定試料調製の手間、例えば試
料濃度の調整などの測定範囲設定が簡易に行うことがで
きるようになり、自動化免疫測定系における適用が容易
になる。
【0034】本発明においては、標識用試薬として、4
−ヒドロキシフェニル酢酸、1,2−フェニレンジアミ
ン、テトラメチルベンジジンなどと西洋ワサビ・ペルオ
キシダーゼ、ウンベリフェリルガラクトシド、ニトロフ
ェニルガラクトシドなどとβ−D −ガラクトシダーゼ、
ウンベリフェリルホスフェート、ニトロフェニルホスフ
ェート、NADPなどとアルカリフォスファターゼ、グ
ルコース−6−リン酸・デヒドロゲナーゼなどの酵素試
薬、放射性物質試薬、フルオレッセインイソチオシアネ
ート、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ア
クリジニウムエステル類、発光ランタニドなどを用いて
いる螢光試薬、発光試薬、化学発光試薬、金コロイド、
銀コロイド、セレンコロイドなどのコロイド標識試薬、
磁性体試薬、ビオチン標識抗ビオチン抗体などのハプテ
ン標識抗ハプテン抗体検出系試薬などを用いることがで
きる。上記したように本発明においては、特に化学発光
標識試薬、例えばアクリジニウムエステル類あるいは螢
光標識試薬、例えば発光ランタニドなどで標識された二
次抗体試薬を用いると、測定は自動化され好ましい。こ
のように自動化に適した当該分野で知られた適当な標識
剤から選択して標識して用いることは、その目的に合致
するならばすべて本発明においてなすことができる。
【0035】本発明の測定系においては、さらにHAV
抗原の処理に用いた界面活性剤以外の別の界面活性剤、
緩衝剤、希釈液又は希釈剤、ブロッキング剤、キレート
化剤、保存剤などを含有して用いることができる。好ま
しい該別の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソ
ルビタン(代表的なものは、Tween 20などの商
品名で入手しうる)、ポリオキシエチレンエーテル(代
表的なものは、Triton X−100などの商品名
で入手しうる)、オクチルフェノール・エチレンオキサ
イド縮合物(代表的なものは、Nonidet P−4
0などの商品名で入手しうる)などが挙げられる。
【0036】緩衝剤、希釈液又は希釈剤としては、上記
したような水、リン酸緩衝液、Tris緩衝液、例えば
生理食塩水など、HEPES液、PBES液、CAPS
液、MOPS液、アミノ酸液などが挙げられる。これら
は単独でも、任意に配合しても用いることができる。キ
レート化剤としては、EDTA、EGTAなどが挙げら
れる。保存剤としては、例えばナトリウムアジド、エチ
ルパラベンなどが挙げられる。その他、本発明の測定系
には、各種動物の血清、例えばウシ血清、ウシ血清アル
ブンミン(BSA)、ウシ胎児血清(FCS)、ヤギ血
清、卵白アルブンミン、ゼラチン、各種乳蛋白質、例え
ばスキムミルク、カゼイン、カゼイン分解物、ホエー蛋
白質など、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ンなどからなる群から選ばれたものを添加することがで
きる。
【0037】
【実施例】次に実施例を示して、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこの具体例により限定されるもの
でなく、その思想に従うかぎり各種の形態で実施できる
ことは理解されるべきである。
【0038】実施例1 抗ヒトμ−IgM抗体被覆微粒子の調製 ヤギから得られたヒトIgMのμ鎖に対して特異性をも
ポリクローナル抗体(米国ジャクソン・イムノ・リサー
チ・ラボ社製〔Jackson ImmunoRese
arch Labo.,USA.〕)をカルボキシル化
ポリスチレンラテックス微粒子( 米国セラダイン社製
〔Seradyn,USA.〕;0.2μm)に以下に
記載の方法で結合した。まず、0.015MのMES
(2−〔N−モルホリノ〕エタンスルホン酸)緩衝液
(pH4.7)中の1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド(EDAC;16mg/
ml)を用いてポリクローナル抗体抗ヒトIgM抗体
(160mg/ml)を室温で1.5時間かけて結合し
た。次に1%ツイーン(Tween)20及び0.9%
NaClを含有する0.05Mのリン酸緩衝液(pH
7.2)を用いて洗浄した。最終的には、0.05%ゼ
ラチン、0.1%ツイーン20、0.9%NaCl及び
0.1%アジ化ナトリウムを含有する0.01Mのトリ
ス(Tris)緩衝液(pH7.4)中に貯蔵した。被
覆微粒子の固形分の%が、0.0625%になるように
貯蔵バッファーで希釈し、抗ヒトμ−IgM抗体被覆微
粒子試薬とした。
【0039】アクリジニウム標識抗HAV抗体の調製 β−アラニンアクリジニウム(1mg)を無水ジメチル
ホルムアミド(DMF)(100μl)中に溶解し、N
−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(5.75mg
/ml、50μl)及びEDAC(9.6mg/ml、
50μl)を連続して添加し、暗所、25℃で48時間
攪拌することにより活性化した。プロテインA精製モノ
クローナル抗HAV抗体(1mg/ml)を含有してい
る、0.9%NaCl及び0.5%CHAPSを含む
0.1Mのリン酸緩衝液(pH8.0)に活性化アクリ
ジニウムを加え(抗体の4倍のモル数)、反応混合物を
室温中で10分間攪拌した。緩衝液を0.1%CHAP
S、0.1%アジ化ナトリウム及び0.9%NaClを
含有する0.01Mのリン酸緩衝液(pH6.3)に置
き換えた後、調整物を遠心分離にかけ、上清を置換後の
ものと同じ緩衝液で平衡化したバイオシル SEC 2
50(米国バイオラド社製〔Biolad,USA.〕
のHPLCカラム上のクロマトグラフィーにかけた。そ
れぞれのフラクション(1ml)を369nm及び28
0nmでの紫外分光分析により分析し、アクリジニウム
の結合量を決定した。結合体を濃縮フラクション(約1
00μg/ml)中、約4℃で貯蔵し、使用前に1%カ
ゼインナトリウム、0.1%ツイーン20、0.1%ア
ジ化ナトリウム、5mM EDTA及び0.9%NaC
lを含有する0.05Mのリン酸緩衝液(pH6.3)
で希釈し、アクリジニウム標識抗HAV抗体試薬とし
た。
【0040】SDS処理HAV抗原の調製 HAVは栄養培地中のバース−アレキサンダー細胞(B
arth−Alexander Cells)を用いて
培養した。培養細胞に、0.5%トライトン(Trit
on)X−100を含有しかつ5mM EDTA及び
0.9%NaClを含む0.02Mリン酸緩衝液(pH
7.2)を混合し、36℃で16〜68時間攪拌した
後、遠心分離にかけ、上清を捨てることにより、HAV
抽出物をホルムアルデヒド希釈倍率で1:4000とな
るように添加した後、36℃で3日間攪拌して、HAV
の感染性を不活性化した。不活性化したHAV抽出物に
SDSを添加し、室温で24時間攪拌して、SDS処理
HAV抽出物を得た。SDSは1.2wt%までの各種
濃度となるようにして添加した。SDS処理HAV抽出
物は、0.1%のアジ化ナトリウム、5mM EDTA
及び0.9%NaClを含む0.01Mリン酸緩衝液
(pH7.2)で希釈して、SDS処理HAV抗原試薬
とした。SDS処理HAV抗原試薬は使用時まで4℃で
貯蔵した。
【0041】アッセイ HAVAB−M陽性パネル試料、及びHAVAB−M陰
性パネル試料を生理食塩水で201倍に希釈した。希釈
した試料(25μl)を容器に入れ、これに抗ヒトμ−
IgM抗体被覆微粒子試薬(30μl)を添加し、37
℃で20分間反応させた。反応した微粒子をガラス繊維
フィルターで捕捉し、0.1Mのホウ酸緩衝液(pH
8.5)(300μl)で2回洗浄した。次にSDS処
理HAV抗原試薬(30μl)をフィルター表面に添加
し、37℃で20分間フィルター表面に捕捉されている
微粒子と反応させた。フィルターを0.1Mのホウ酸緩
衝液(pH8.5)(100μl)で1回、そして同緩
衝液(300μl)で1回洗浄した。次にアクリジニウ
ム標識抗HAV抗体試薬(30μl)をフィルター表面
に添加し、37℃で10分間フィルター表面に捕捉され
ている微粒子と反応させた。フィルターを0.1Mのホ
ウ酸緩衝液(pH8.5)(100μl)で1回、そし
て同緩衝液(300μl)で1回洗浄した。このフィル
ターを化学発光読取り機に移し、この中で0.25Nの
NaOH中の0.4%過酸化水素を含むトリガー溶液
(50μl)をフィルターに送り込んだ。微粒子に結合
したアクリジニウムが発光し、生じた光の量を測定し
た。得られた結果を図1及び図2に示す。図1中横軸は
SDS処理抗原試薬中のSDS濃度を示す。図2中には
HAVAB−M陽性パネル試料の発光量をHAVAB−
M陰性パネル試料の発光量で割った比率とSDS濃度の
関係が示されている。図2より適量のSDSでHAVを
処理することにより、ノイズ(陰性パネル試料の発光
量)に対するシグナル(陽性パネル試料の発光量)の比
が大幅に増加し、感度が大幅に向上したことが分かる。
【0042】
【発明の効果】抗原として、界面活性剤、特にアニオン
性界面活性剤で処理されたHAV抗原を用いることで、
試料中の該抗原と免疫学的に反応性の抗体の測定におい
て、感度の高い測定系を組み立てることが可能となる。
より優れたHAV抗原と免疫学的に反応性の抗体測定系
が提供でき、臨床検査においての有用性が高いし、検出
率を高める。
【図面の簡単な説明】
【図1】 SDS処理抗原試薬中のSDS濃度と、試料
の発光量との関係を示す。
【図2】 陽性パネル試料の発光量/陰性パネル試料の
発光量と、SDS処理抗原試薬中のSDS濃度との関係
を示す。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HAV感染培養細胞で産生されたHAV
    抗原を用いたHAV抗体の測定法において、界面活性剤
    で処理したHAV抗原を用いることを特徴とするHAV
    抗体の測定法。
  2. 【請求項2】 HAV感染培養細胞で産生されたHAV
    抗原を用いたHAV抗体の測定法において、HAV感染
    培養細胞から収穫されたHAV抽出物を少なくとも界面
    活性剤で処理した後HAV抗原として用いることを特徴
    とする請求項1記載のHAV抗体の測定法。
  3. 【請求項3】 HAV抗体が、ヒトIgMであることを
    特徴とする請求項1又は2記載のHAV抗体の測定法。
  4. 【請求項4】 界面活性剤が、アニオン性の界面活性剤
    である請求項1〜3のいずれか一記載のHAV抗体の測
    定法。
  5. 【請求項5】 アニオン性界面活性剤が、ドデシル硫酸
    ナトリウム(SDS)又はラウリル硫酸ナトリウム(L
    DS)である請求項4記載のHAV抗体の測定法。
  6. 【請求項6】 HAV抽出物が、HAV感染培養細胞を
    溶菌化し、得られた細胞ライゼートから得られたHAV
    を、HAV感染性について不活性化し得られたものであ
    る請求項1〜5のいずれか一記載のHAV抗体の測定
    法。
  7. 【請求項7】 試料中のHAV抗体を抗ヒトIgM抗体
    結合固体担体と反応させて試料中のHAV抗体を固相抗
    ヒトIgM抗体と免疫学的に反応させ、つぎにHAV感
    染培養細胞から収穫されたHAV抽出物を少なくとも
    (a)アニオン性界面活性剤で処理して得られたHAV
    抗原と免疫学的に反応させ、得られた反応生成物に標識
    抗HAV抗体を免疫学的に反応させるか、又は(b)ア
    ニオン性界面活性剤で処理して得られたHAV抗原を標
    識剤で標識して得られた標識抗原を免疫学的に反応させ
    ることからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    か一記載のHAV抗体の測定法。
  8. 【請求項8】 化学発光標識が、アクリジニウム標識で
    ある請求項1〜7のいずれか一記載のHAV抗体の測定
    法。
  9. 【請求項9】 HAV感染培養細胞から収穫されたHA
    V抽出物を少なくともアニオン性界面活性剤で処理して
    得られたHAV抗原。
  10. 【請求項10】 アニオン性界面活性剤が、ドデシル硫
    酸ナトリウム(SDS)又はラウリル硫酸ナトリウム
    (LDS)である請求項9記載のHAV抗原。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103336119A (zh) * 2013-06-27 2013-10-02 潍坊市康华生物技术有限公司 甲型肝炎病毒抗体胶体金检测盒
JPWO2014122973A1 (ja) * 2013-02-06 2017-01-26 富士レビオ株式会社 標的物質の測定方法
WO2022211084A1 (ja) * 2021-04-01 2022-10-06 富士レビオ株式会社 生物学的サンプルの処理方法

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