JP2005106122A - 2ウェイクラッチユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】
温度変化に対して回転抵抗の変化が少なく、安定したクラッチの作動性が得られる2ウェイクラッチユニットを提供する。
【解決手段】
駆動源によって回転駆動される入力外輪2と、この入力外輪2から伝達される回転トルクを外部に取り出す出力軸3と、この出力軸3と入力外輪2との間に介在されたカムクラッチ10とを備え、このカムクラッチ10を入力外輪2に、軸方向移動可能、かつ相対回転不可に嵌挿すると共に、カムクラッチ10と出力軸3との対向面間にリターンスプリング18を介してドグクラッチ16を設け、静止系部材となる側板19に波ばね21を介して支持された固定カム22とカムクラッチ10の対向面間に設けられたカム機構25によりカムクラッチ10を軸方向に移動させてドグクラッチ16を係合・離脱させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転動力伝達経路に介在してトルクの伝達・遮断を行うクラッチユニット、詳しくは、駆動源が作動している時は入力系から出力系へ正逆両方向にトルクを伝達し、駆動源が停止している時はトルクの伝達を遮断して出力系の手動操作を可能にするように構成された2ウェイクラッチユニットに関するものである。
例えば、自動車の電動スライドドアにおいて、高出力を得るために、通常、小型の駆動モータの回転を減速比が大きなウォームギヤで減速し、駆動モータの回転トルクを出力軸に伝達している。この場合、駆動モータが停止している時に手動での操作を可能にするためには、駆動モータと出力軸の間の連結を開放する手段が必要となってくる。したがって、ウォームギヤと出力軸の間に2ウェイクラッチを介在させ、出力軸側からの手動入力、すなわち、手動によるドアの開閉操作を可能にしている。
この種の2ウェイクラッチユニットとして、本出願人は図14に示すような構造のものを既に提案している。この2ウェイクラッチユニットは、静止系部材となるハウジング51に収容され、駆動源(図示せず)によって回転駆動される入力系回転部材となる入力外輪60と、この入力外輪60から伝達される回転トルクを外部に取り出すための出力系回転部材となる出力軸70を備えている。
入力外輪60は、円筒形をなし、その外周にウォームホイール61を有し、駆動モータ(図示せず)で回転駆動されるウォーム62と噛合してウォームギヤを構成している。入力外輪60の軸孔63には第1カム部材80が回転自在に収容されており、センタリングばね64によってこの第1カム部材80と入力外輪60は、所定の相対角度位置に保持されている。
第1カム部材80の中心部には凹部81が形成され、中間軸82が同軸上に回転自在に収容されている。そして、第1カム部材80の凹部81の周壁面と中間軸82の外周面との間にシリコンオイル等の粘性流体83を封入してビスカスカップリングを構成している。また、中間軸82は、一端部に角孔84が形成され、ハウジング51の突起52に係合して静止系の一部を構成している。
また、第1カム部材80と同軸上に第2カム部材90が軸方向移動自在に収容され、対向する端面にはそれぞれV字型のカム面85、91が形成されてカム機構を構成している。第2カム部材90には外周に凸部92と、この凸部92から軸方向に延びる小径軸部93が形成され、凸部92が入力外輪60の軸孔63に形成された軸方向溝65と係合して回り止めされている。また、クラッチリング75は、第2カム部材90の小径軸部93に軸方向移動自在に外嵌され、入力外輪60の軸孔63に形成された軸方向溝65と係合して回り止めされている。
入力外輪60の軸孔63には出力軸70が回転自在に嵌挿され、その大径部71がクラッチリング75に対向し、小径部72がハウジング51を貫通して外方に突出している。クラッチリング75と大径部71の対向面にはそれぞれ突出したドグ76、73が形成され、ドグクラッチを構成している。第2カム部材90とクラッチリング75との間には圧縮コイルばね94が、また、クラッチリング75と出力軸70との間には圧縮コイルばね77がそれぞれ両者を離反する方向に付勢された状態で収容されている。
ここで、駆動モータが回転すると、ウォームギヤ61、62により、その回転が入力外輪60に減速して伝達される。この入力外輪60と第1カム部材80は、センタリングばね64によって所定の相対角度位置に保持された状態で一体となって回転するが、第1カム部材80は粘性流体83によってせん断抵抗を受けているため、このせん断抵抗がセンタリングばね64のばね力を超えた時、はじめて第1カム部材80と入力外輪60とは相対回転、すなわち、第1カム部材80は入力外輪60に対して遅れて回転することになる。この結果、第1カム部材80に対して第2カム部材90は、それぞれのカム面85、91の斜面を滑りながら軸方向に移動する。この第2カム部材90の移動により、圧縮コイルばね93を介してクラッチリング75が出力軸70側に押圧され、クラッチリング75と出力軸70とはドグ76、73を介して連結される。
一方、駆動モータが停止し、入力外輪60と第1カム部材80の回転が止まると、ビスカスカップリングのせん断抵抗がなくなり、センタリングばね64および圧縮コイルばね94、77の復元力によって入力外輪60と第1カム部材80は元の中立位置に戻る。そして、第2カム部材90とクラッチリング75は、元の位置(図中左側)に押し戻され、クラッチリング75と出力軸70との連結が解かれる。この結果、駆動モータの回転が停止されれば出力軸70は手動操作が可能なフリー状態となり、電動スライドドアを手動で開閉することができる。
特開平9−303428号公報
然しながら、このような従来の2ウェイクラッチユニットでは、第1カム部材80と中間軸82との間に封入された粘性流体83のせん断抵抗でトルクの伝達・遮断を制御しているため、温度変化によってクラッチの作動が安定しない。すなわち、温度上昇によって粘性流体83の粘度が低下し、駆動モータが回転しても所定のせん断抵抗(回転抵抗)に達せず、その結果、ドグクラッチの噛み合うための軸力が不足してギヤ鳴り等の噛み合い不良が生じる恐れがあった。また、この噛み合い不良を防止するために粘度が高い粘性流体を使用すると、今度は常温あるいは低温時でのせん断抵抗が過大となって駆動モータの出力が不足し、駆動モータを大型化しなければならないと言ったジレンマが付きまとっていた。
本発明は、このような従来の問題を鑑みてなされたもので、温度変化に対して回転抵抗の変化が少なく、安定したクラッチの作動性が得られる2ウェイクラッチユニットを提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、駆動源によって回転駆動される入力系回転部材と、この入力系回転部材から伝達される回転トルクを外部に取り出す出力系回転部材と、この出力系回転部材と前記入力系回転部材との間に介在されたトルク伝達部材とを備え、このトルク伝達部材を前記入力系回転部材に、軸方向移動可能、かつ相対回転不可に嵌挿すると共に、前記トルク伝達部材と出力系回転部材との対向面間にリターンスプリングを介してドグクラッチを設け、静止系部材に弾性支持された軸方向移動機構によって前記ドグクラッチを係合・離脱させた構成を採用した。
こうした構成により、トルク伝達部材が入力系回転部材および出力系回転部材と係合している時は、正逆いずれの方向にも回転トルクを伝達し、トルク伝達部材が両回転部材から離脱している時のみ、出力系回転部材が自由に回転することができると共に、摩擦による回転抵抗と軸方向移動機構とを組み合わせた構成のため、温度変化に対して回転抵抗の変化が少なく、かつ所望の抵抗力を安定して得ることができ、安定したクラッチの作動性が得られる2ウェイクラッチユニットを提供することができる。
また、請求項2に記載の発明は、前記出力系回転部材が静止系部材に回転自在に支持され、この出力系回転部材と前記トルク伝達部材および軸方向移動機構が同一軸線上に配設されているので、構造を簡素化することができると共に、組立性が向上し低コスト化できる。
また、請求項3に記載の発明は、前記ドグクラッチが、所定の軸方向すきまを介して対向する複数のドグからなるので、ドグの先端部で連結する恐れがなく、歯とび現象や異音発生、あるいはドグクラッチが噛み合わないといった不具合を防止することができる。
また、請求項4に記載の発明は、前記ドグクラッチのドグが下式の関係になっているので、少なくともドグの高さの半分が係合し、ドグクラッチが外れる可能性はなく安定した連結ができる。
C/2<E/D×(B−A)
ただし、A;ドグの歯幅
B;ドグ間のすきま
C;ドグが完全に噛み合う時の歯の高さ
D;前記軸方向移動機構の回転量
E;前記軸方向移動機構の軸方向移動量
また、請求項5に記載の発明は、前記軸方向移動機構が、略V字断面を有するカム機構からなるので、温度変化に対して回転抵抗の変動がなく、安定してドグクラッチを係合・離脱させることができる。
好ましくは、請求項6に記載の発明のように、前記カム機構が、静止系部材に弾性支持された固定カムと前記トルク伝達部材との対向面にそれぞれ設けられたカム面を有していれば、簡単な構造で所定の移動量と軸力を得ることができる。
さらに好ましくは、請求項7に記載の発明のように、前記カム面同士が嵌合している状態で、前記カム機構が所定の回転方向すきまを有していれば、駆動モータが反転した時に、出力系回転部材がトルク伝達部材につられて供回りするのを防止することができる。
また、請求項8に記載の発明は、前記トルク伝達部材および軸方向移動機構のうち少なくとも一方が焼結金属または合成樹脂で成形されているので、低コスト化を図ることができる。
本発明に係る2ウェイクラッチユニットは、駆動源によって回転駆動される入力系回転部材と、この入力系回転部材から伝達される回転トルクを外部に取り出す出力系回転部材と、この出力系回転部材と前記入力系回転部材との間に介在されたトルク伝達部材とを備え、このトルク伝達部材を前記入力系回転部材に、軸方向移動可能、かつ相対回転不可に嵌挿すると共に、前記トルク伝達部材と出力系回転部材との対向面間にリターンスプリングを介してドグクラッチを設け、静止系部材に弾性支持された軸方向移動機構によって前記ドグクラッチを係合・離脱させたので、トルク伝達部材が入力系回転部材および出力系回転部材と係合している時は、正逆いずれの方向にも回転トルクを伝達し、トルク伝達部材が両回転部材から離脱している時のみ、出力系回転部材が自由に回転することができると共に、摩擦による回転抵抗と軸方向移動機構とを組み合わせた構成としたので、温度変化に対して回転抵抗の変化が少なく、かつ所望の抵抗力を安定して得ることができ、安定したクラッチの作動性が得られる2ウェイクラッチユニットを提供することができる。
駆動源によって回転駆動される入力外輪と、この入力外輪から伝達される回転トルクを外部に取り出す出力軸と、この出力軸と前記入力外輪との間に介在されたカムクラッチとを備え、このカムクラッチを前記入力外輪に、軸方向移動可能、かつ相対回転不可に嵌挿すると共に、前記カムクラッチと出力軸との対向面間にリターンスプリングを介してドグクラッチを設け、静止系部材となる側板に波ばねを介して弾性支持された固定カムと、前記カムクラッチの対向面間に設けられたカム機構により前記カムクラッチを軸方向に移動させて前記ドグクラッチを係合・離脱させた。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る2ウェイクラッチユニットの第1の実施形態を示す縦断面図、図2は側面図、図3は、図1のIII−III線に沿った横断面図である。
この2ウェイクラッチユニットは、静止系部材となり、鋼板プレス加工にて成形されたハウジング1に収容され、駆動源(図示せず)によって回転駆動され、入力系回転部材となる入力外輪2と、この入力外輪2から伝達される回転トルクを外部に取り出し、出力系回転部材となる出力軸3とを備えている。
入力外輪2は略円筒形をなし、その外周にウォームホイール4が形成されている。このウォームホイール4は、ハウジング1の周方向一部に開口された窓部5から露出し、駆動モータ(図示せず)で回転駆動されるウォーム6と噛合してウォームギヤ7を構成している。
カムクラッチ10は円板状をなし、入力外輪2に形成された軸孔8に収容されている。図3に示すように、入力外輪2の軸孔8には周方向複数箇所(4箇所)に軸方向溝9が形成され、カムクラッチ10の径方向に突設された凸部11がこの軸方向溝9に係合することにより、カムクラッチ10は、入力外輪2に対して軸方向スライド可能に、かつ相対回転不可に収容支持されている。また、カムクラッチ10は、図4および図5に示すように、中心部にピン孔12が貫通して穿設され、一端面に複数(4枚)のドグ13が円周等配に突設されている。
出力軸3は、大径部3aと矩形状の小径軸部3bとからなり、カムクラッチ10と同軸上に対向配置されると共に、ハウジング1と入力外輪2に回転自在に支持されている。また、出力軸3は、図6に示すように、中心部にピン孔14が穿設され、カムクラッチ10に対向する大径部3aの端面に複数(4枚)のドグ15が円周等配に突設されている。これらカムクラッチ10のドグ13と出力軸3のドグ15によってドグクラッチ16を構成している。
図4において、カムクラッチ10と出力軸3にそれぞれ穿設されたピン孔12、14には連結ピン17が嵌挿され、出力軸3に対してカムクラッチ10が軸方向にスライドするためのガイド手段を構成している。また、カムクラッチ10と出力軸3の対向面にはリターンスプリング18が装着され、両部材が離反する方向に付勢されている。
図1において、静止系部材となる側板19とカバー20に波ばね21を介して押圧挟持された状態で固定クラッチ22が保持されている。この固定クラッチ22は円板状をなし、図7に示すように、カムクラッチ10と同軸上に対向配設され、その一端面には略V字型のカム面23が形成されている。このカム面23は、図8に示すように、平坦部を有する山部23aと谷部23c、およびこれら山部23a、谷部23cを繋ぐ傾斜部23bとで構成されている。一方、図9に示すように、このカム面23に対向するカムクラッチ10の端面にも、平坦部を有する山部24aと谷部24c、およびこれら山部24a、谷部24cを繋ぐ傾斜部24bとからなる略V字型のカム面24が形成され、両者でカム機構25を構成している。
駆動モータの回転時、カムクラッチ10のドグ13と出力軸3のドグ15とが同位相であった場合は、初期にはドグ13とドグ15同士が接触し、ドグクラッチ16が連結されず出力軸3が駆動されないが、出力軸3にはカムクラッチ10によって軸力が加わっているため、そのまま回転が続行されると、入力外輪2およびカムクラッチ10が出力軸3に対して回転位相が進み、凹凸の位相が合ったところでドグクラッチ16が連結される。
この時、図10に示すように、カムクラッチ10のドグ13と、出力軸3のドグ15間の凹部との位相が合致した時から、カムクラッチ10が、カム面の傾斜部に沿って滑りながら回転して軸方向に移動するため、ドグクラッチ16のドグ13、15同士に所定の軸方向すきまが存在しないと、ドグ13、15の先端部で連結してしまう恐れがある。このように、ドグ13、15の先端部で連結した場合、歯とび現象や異音発生、あるいはドグクラッチ16が噛み合わないといった不具合が生じる。
本実施形態において、軸方向すきまδは、カムクラッチ10および出力軸3のドグ13、15の歯幅に対し、相手側のドグ間の凹部、すなわちドグ間寸法を大きく設定している。言い換えれば、ドグクラッチ16が連結してもカムクラッチ10と出力軸3間には所定の回転方向ガタαを設けている。そして、ドグクラッチ16のドグ13、15同士が同位相状態から凹凸部が嵌合する状態に変わった後、固定カム22とカムクラッチ10とのカム機構25により、カムクラッチ10が軸方向に移動してドグ13が出力軸3の凹部に嵌合し始め、少なくともドグ13の高さの半分が連結するように設定されている。これにより、ドグクラッチ16が外れる可能性は実質的になくなり、安定した連結ができる。
図11に示す説明図を用いて、さらにこの関係を詳細に説明する。
カムクラッチ10のドグ13の歯幅をA、出力軸3のドグ15の間のすきまをB、これらのドグ13、15が完全に噛み合う時の歯の高さをC、固定カム22とカムクラッチ10のカム機構25における回転量Dに対する軸方向の移動量をEとすると、C/2<E/D×(B−A)となる。これは、B>CD/2E+Aとなるように設定されている。ここで、A、B、Cは回転方向長さに換算している。
次に、本発明に係る2ウェイクラッチユニットの作動について詳細に説明する。
駆動モータが停止している時、図12(a)の模式図に示すように、固定カム22のカム面23とカムクラッチ10のカム面24は、それぞれ山部23aと谷部24c、および谷部23cと山部24aが嵌合する初期の位相にあり、カムクラッチ10はリターンばね18の復元力によって出力軸3から離反する方向(図中左側)へスライドしている。この時、カムクラッチ10と出力軸3のドグクラッチ16は開放されており、手動操作が可能なフリー状態となり、例えば、電動スライドドアを手動で開閉することができる。
ここで、駆動モータが回転すると、ウォームギヤ6により、その回転が入力外輪2に減速して伝達される。この入力外輪2の回転により、入力外輪2に対して軸方向スライド可能に、かつ相対回転不可に収容支持されているカムクラッチ10は、図12(b)に示すように、リターンスプリング18のばね力に抗して、固定カム22の傾斜部23bに沿って滑りながら出力軸3側へスライドする。そして、カムクラッチ10のドグ13が、出力軸3のドグ15間の凹部に位相が合致したところでドグクラッチ16が連結され、駆動モータの回転トルクは、入力外輪2およびカムクラッチ10を介して出力軸3に伝達される。この時、固定カム22はカムクラッチ10からの回転トルクを受けて同一方向に回転し、側板19等の静止系部材から波ばね21の押圧による摩擦抵抗を受けながらカムクラッチ10に軸力を伝達する。したがって、温度変化に対して回転抵抗の変化が少なく、かつ所望の抵抗力を安定して得ることができるので、安定したクラッチの作動性が得られる。
一方、駆動モータが停止し、入力外輪2とカムクラッチ10の回転が止まると、ドグクラッチ16は連結したままの状態である。このままでは出力軸3はフリーに回転できないため、駆動モータを逆方向に回転させる。この駆動モータの反転は、図13に示すように、ドグクラッチ16が連結状態となる位相(図中破線)から、初期の中立となる位相(図中実線)になるまでの僅かな回転角θで良いため、予め駆動モータの制御部で容易に設定することができる。また、カムクラッチ10と固定カム22の中立状態では、駆動モータの反転角度誤差を許容するため、中立状態でカムクラッチ10を軸方向にスライドさせないように山部23a、24aと谷部23c、24cには平坦面およびガタβが設けられている。なお、この反転時は、ドグクラッチ16に回転方向のガタβがあるため、出力軸3はカムクラッチ10につられて反転することはない。
前述した構成からなる2ウェイクラッチユニットを自動車の電動スライドドアのドア駆動部に装着すれば、車内のスイッチにより電動モードが選択されている場合は、駆動モータの回転を2ウェイクラッチユニットを介して電動でドアの開閉が可能となる。また、手動でドアノブを開ければそれを感知することで駆動モータによるアシストでドアの開閉が可能となる。一方、車内のスイッチにより手動モードが選択されている場合は、駆動モータを回転させなければ出力軸3はフリーに回転することができ、駆動モータを引き摺ることなく楽にドアを開閉させることができる。さらに、出力軸3にポテンションメータを付設すれば、半ドアの状態であってもドアの位置を感知することができ、電動モードに切り替えれば、駆動モータによる開閉が可能となる。
本実施形態では、ドグクラッチ16は軸方向の対向面に形成されているが、これに限らず、例えば、スプライン嵌合のように、出力軸とカムクラッチの嵌合面間に形成されていても良い。また、本実施形態に係る入力外輪2、カムクラッチ10、固定カム22、および出力軸3は、射出成形可能な熱可塑性樹脂あるいは焼結金属で成形するのがコスト面で好ましいが、冷間鍛造と切削加工によって形成しても良い。また、本実施形態に係る固定カム22等の摺動部には適宜グリース等の潤滑剤を塗布し、滑らかな作動と静寂性を実現させ、各部位の耐摩耗性を向上させている。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る2ウェイクラッチユニットは、駆動モータから減速機を介して駆動する装置、例えば、自動車のパワーウィンドやワンボックスカーの電動スライドドア、電動バックドア等の開閉機構において、手動と電動とを切り替える用途に適用することができる。
本発明に係る2ウェイクラッチユニットの実施形態を示す縦断面図である。 図1の側面図である。 図1のIII−III線に沿った横断面図である。 図1のカムクラッチと出力軸を示す要部断面図である。 (a)は、図4のカムクラッチを示す断面図である。 (b)は、同上側面図である。 (a)は、図4の出力軸を示す側面図である。 (b)は、図4の出力軸を示す断面図である。 図1の固定カムとカムクラッチを示す要部断面図である。 (a)は、図7の固定カムを示す正面図である。 (b)は、同上側面図である。 (a)は、図7のカムクラッチを示す側面図である。 (b)は、図9のIX−IX線に沿った断面図である。 本発明に係るカムクラッチと出力軸の関係を示す模式図である。 本発明に係る固定カムとカムクラッチと出力軸の寸法関係を示す説明図である。 (a)は、本発明に係るクラッチの作動の初期状態を示す模式図である。(b)は、同上作動時の状態を示す模式図である。 本発明に係る固定カムとカムクラッチの関係を示す模式図である。 従来の2ウェイクラッチユニットを示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・ハウジング
2・・・・・・・・・入力外輪
3・・・・・・・・・出力軸
3a・・・・・・・・大径部
3b・・・・・・・・小径軸部
4・・・・・・・・・ウォームホイール
5・・・・・・・・・窓部
6・・・・・・・・・ウォーム
7・・・・・・・・・ウォームギヤ
8・・・・・・・・・軸孔
9・・・・・・・・・軸方向溝
10・・・・・・・・カムクラッチ
11・・・・・・・・凸部
12、14・・・・・ピン孔
13、15・・・・・ドグ
16・・・・・・・・ドグクラッチ
17・・・・・・・・連結ピン
18・・・・・・・・リターンスプリング
19・・・・・・・・側板
20・・・・・・・・カバー
21・・・・・・・・波ばね
22・・・・・・・・固定カム
23、24・・・・・カム面
23a、24a・・・山部
23b、24b・・・傾斜部
23c、24c・・・谷部
25・・・・・・・・カム機構
51・・・・・・・・ハウジング
52・・・・・・・・突起
60・・・・・・・・入力外輪
61・・・・・・・・ウォームホイール
62・・・・・・・・ウォーム
63・・・・・・・・軸孔
64・・・・・・・・センタリングばね
65・・・・・・・・軸方向溝
70・・・・・・・・出力軸
71・・・・・・・・大径部
72・・・・・・・・小径部
73、76・・・・・ドグ
75・・・・・・・・クラッチリング
77、94・・・・・圧縮コイルばね
80・・・・・・・・第1カム部材
81・・・・・・・・凹部
82・・・・・・・・中間軸
83・・・・・・・・粘性流体
84・・・・・・・・角孔
85、91・・・・・カム面
90・・・・・・・・第2カム部材
92・・・・・・・・凸部
93・・・・・・・・小径軸部
A、B・・・・・・・ドグの歯幅
C・・・・・・・・・ドグの歯の高さ
D・・・・・・・・・カム機構の回転量
E・・・・・・・・・カム機構の軸方向移動量
α・・・・・・・・・ドグクラッチの回転方向のガタ
β・・・・・・・・・カム機構の回転方向のガタ
δ・・・・・・・・・軸方向すきま
θ・・・・・・・・・カム機構の回転角

Claims (8)

  1. 駆動源によって回転駆動される入力系回転部材と、この入力系回転部材から伝達される回転トルクを外部に取り出す出力系回転部材と、この出力系回転部材と前記入力系回転部材との間に介在されたトルク伝達部材とを備え、このトルク伝達部材を前記入力系回転部材に、軸方向移動可能、かつ相対回転不可に嵌挿すると共に、前記トルク伝達部材と出力系回転部材との対向面間にリターンスプリングを介してドグクラッチを設け、静止系部材に弾性支持された軸方向移動機構によって前記ドグクラッチを係合・離脱させたことを特徴とする2ウェイクラッチユニット。
  2. 前記出力系回転部材が静止系部材に回転自在に支持され、この出力系回転部材と前記トルク伝達部材および軸方向移動機構が同一軸線上に配設されている請求項1に記載の2ウェイクラッチユニット。
  3. 前記ドグクラッチが、所定の軸方向すきまを介して対向する複数のドグからなる請求項1または2に記載の2ウェイクラッチユニット。
  4. 前記ドグクラッチのドグが下式の関係に設定されている請求項1乃至3いずれかに記載の2ウェイクラッチユニット。
    C/2<E/D×(B−A)
    ただし、A;ドグの歯幅
    B;ドグ間のすきま
    C;ドグが完全に噛み合う時の歯の高さ
    D;前記軸方向移動機構の回転量
    E;前記軸方向移動機構の軸方向移動量
  5. 前記軸方向移動機構が、略V字断面を有するカム機構からなる請求項1乃至4いずれかに記載の2ウェイクラッチユニット。
  6. 前記カム機構が、静止系部材に弾性支持された固定カムと前記トルク伝達部材との対向面にそれぞれ設けられたカム面を有している請求項5に記載の2ウェイクラッチユニット。
  7. 前記カム面同士が嵌合している状態で、前記カム機構が所定の回転方向すきまを有している請求項6に記載の2ウェイクラッチユニット。
  8. 前記トルク伝達部材および軸方向移動機構のうち少なくとも一方が焼結金属または合成樹脂で成形されている請求項1乃至7いずれかに記載の2ウェイクラッチユニット。
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WO2009036595A1 (fr) * 2007-09-18 2009-03-26 Tao Hong Mécanisme de maintien de séparation pour embrayage à contrôle automatique axial de type à contrainte par ressort
CN108412914A (zh) * 2018-03-30 2018-08-17 东莞市秦基减速电机有限公司 自动离合器

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