JP4302502B2 - クラッチユニット - Google Patents

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本発明は、例えば自動車のパワーウィンドウ、ワンボックスカーにおける電動スライドドア、電動バックドアや、電動カーテン、電動シャッター等の開閉機構に利用され、駆動源の作動時は入力系から出力系へトルクを伝達し、駆動源の停止時はトルクの伝達を遮断して出力系の手動操作を可能にするクラッチユニットに関する。
例えば自動車(ワンボックスカー)の電動スライドドア装置では、駆動モータとドアの連結または非連結を機械式クラッチにより行なうものがある。駆動モータの回転時には、その駆動モータの回転をウォームギヤで減速し、さらにクラッチを介して伝達することにより、駆動モータとドアを連結して電動によるドアの開閉操作を可能にしている。
また、この電動スライドドア装置では、ウォームギヤの減速比が一般に大きいため、駆動モータの停止状態で手動による開閉操作を可能にするために、ウォームギヤ減速機構と出力軸の間に前記クラッチを介在させ、駆動モータの停止時、駆動モータとドアを非連結とすることにより、出力軸側からの手動入力、つまり、手動によるドアの開閉操作を可能にしている。
この種、電動スライドドア装置に組み込まれた機械式クラッチでは、粘性流体の剪断抵抗を利用したものがある(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1では、粘性流体を有するカム部材を用いてドグクラッチの入り切りを作動させるタイプのクラッチが開示されている。このクラッチは、入力軸(モータ側)の回転数に応じて粘性流体であるシリコンオイルの回転抵抗を増加させ、中立ばねを上回る回転抵抗となった時、その回転抵抗力によってカム部材が軸方向に変位し、ドグクラッチを連結させる。逆に、モータが停止すると前記回転抵抗がなくなるため、内部ばね部材によってドグクラッチの連結が軸方向に解除されるようになっている。
特開平9−303428号公報
ところで、前述した特許文献1に開示されたクラッチユニットでは、粘性流体であるシリコンオイルの剪断抵抗を利用しているために、次のような問題があった。つまり、トルクが出力側部材に伝達されるまでの応答性が悪く、使用環境温度の変化による粘性抵抗変化によって起こる噛合い不良が発生するおそれがあり、粘性流体の漏れなどによる初期機能の劣化が発生するおそれがある。
特に、温度上昇により粘度が低下し、モータが回転しても所定の回転抵抗に達せず、その結果、高温時にはドグクラッチの噛合う軸力が不足し、噛合い不良(ギヤ鳴り)したり、最悪の場合、クラッチがロックしないおそれがあった。また、回転抵抗の不足を防止するため、粘性が大きいシリコンオイルを使用することも考えられるが、常温または低温時での回転抵抗が大きくなり、モータ駆動でのロスが大きく、モータを大型化しなければならないという問題が発生する。さらに、高粘度のシリコンオイルは封入に時間がかかり作業性が悪く、また、圧力変化によるシール性を保つため、シール内空間でのオイル量と空気量の封入量の管理が必要であり、コスト的にも高価となっていた。
そこで、本発明は、粘性流体の剪断抵抗による前記問題点を改善し、簡素な構造により、温度変化に対して安定した特性を発揮し得るクラッチユニットを提供することを目的とする。
前記目的を達成するための技術的手段として、本発明は、静止系部材と、駆動源により回転駆動される入力系回転部材と、入力系回転部材から伝えられたトルクを外部へ取り出すための出力系回転部材と、入力系回転部材と出力系回転部材との間に介在し、これら両回転部材と選択的に係合・離脱可能なトルク伝達部材とを備えたクラッチユニットにおいて、前記静止系部材に対する相対角度変位を通じて、トルク伝達部材を軸方向に移動させることによりトルク伝達部材と出力系回転部材との係合・離脱を制御するカム機構を、前記静止系部材に弾性部材により押圧された固定カムと、その固定カムとの軸方向嵌合により前記トルク伝達部材を軸方向に移動させる可動カムとで構成し、前記固定カムと可動カムは、その軸方向に嵌合可能な傾斜面と、中立状態で相手側に接触する平坦面とが周方向に形成されたカム面を有すると共に、相互に平坦面が接触する中立状態で前記固定カムの平坦面を可動カムの平坦面の周方向寸法よりも大きくした周方向のガタを設けたことを特徴とする。
本発明に係るクラッチユニットでは、トルク伝達部材を軸方向に移動させることによりトルク伝達部材と出力系回転部材との係合・離脱を制御するカム機構を具備するが、そのカム機構を、静止系部材に弾性部材により押圧された固定カムと、その固定カムとの軸方向嵌合により前記トルク伝達部材を軸方向に移動させる可動カムとで構成する。
前述の固定カムは、弾性部材により静止系部材に押圧されることにより、その静止系部材との間に摩擦抵抗を発生させ、その摩擦抵抗を利用して固定カムと嵌合する可動カムを軸方向に変位させ、入力系回転部材を出力系回転部材に係合させて入力系回転部材からのトルクを出力系回転部材に伝達する。
このように固定カムを静止系部材に押圧する弾性部材による摩擦抵抗を利用することにより、従来のような粘性流体の剪断抵抗による問題点を改善することができ、簡素な構造で、トルク伝達部材が出力系回転部材に係合する軸力を確保し、温度変化に対して安定した特性を発揮させることができる。
本発明のクラッチユニットは、前記入力系回転部材が駆動モータに連結され、かつ、出力系回転部材がドアスライド機構に連結されることにより電動スライドドア装置に組み込んで適用することが可能である。この場合、トルク伝達部材と出力系回転部材との係合・離脱を制御することにより、駆動モータとスライドドアの連結時、電動による開閉操作が可能となり、駆動モータとスライドドアの非連結時、手動による開閉操作が可能となる。
前述の構成における弾性部材としては、固定カムを静止系部材に押圧することにより、その固定カムと静止系部材との間で摩擦抵抗を発生させる波ばねが好適である。弾性部材として波ばねを用いることにより、固定カムと静止系部材との間で摩擦抵抗を発生させる手段として簡易な構造のものが実現できる。
前述の構成において、固定カムと可動カムは、その軸方向に嵌合可能な傾斜面と、中立状態で相手側に接触する平坦面とが周方向に形成されたカム面を有し、さらに、相互に平坦面が接触する中立状態で固定カムの平坦面を可動カムの平坦面の周方向寸法よりも大きくした周方向のガタを設けた構造とする。トルク伝達部材と出力系回転部材とを係合状態から離脱させる際、入力系回転部材を反転動作させることにより、固定カムに対して軸方向に移動していた可動カムを中立状態に復帰させる。この中立状態で設けられた周方向のガタにより、入力系回転部材の反転動作を許容することができるので、出力系回転部材が反転駆動することはない。
本発明によれば、トルク伝達部材と出力系回転部材との係合・離脱を制御するカム機構を、前記静止系部材に弾性部材により押圧された固定カムと、その固定カムとの軸方向嵌合により前記トルク伝達部材を軸方向に移動させる可動カムとで構成し、前記固定カムと可動カムは、その軸方向に嵌合可能な傾斜面と、中立状態で相手側に接触する平坦面とが周方向に形成されたカム面を有すると共に、相互に平坦面が接触する中立状態で前記固定カムの平坦面を可動カムの平坦面の周方向寸法よりも大きくした周方向のガタを設けたことにより、固定カムを静止系部材に押圧する弾性部材による摩擦抵抗を利用することで、従来のような粘性流体の剪断抵抗による問題点を改善することができ、簡素な構造のクラッチユニットにより、温度変化に対して安定した特性を発揮させることができ、しかも、入力系回転部材の反転動作を許容することができるので、出力系回転部材が反転駆動することはないことから、確実なクラッチ機能を維持できる。その結果、製品のコスト低減化および信頼性の向上が図れる。
図1(a)(b)に示す実施形態のクラッチユニットは、モータ等の駆動源によって回転駆動される入力系回転部材である入力外輪1と、その入力外輪1から伝えられるトルクを外部へ取り出すための出力系回転部材である出力軸2と、入力外輪1と出力軸2との間に介在し、その出力軸2と選択的に係合・離脱可能なトルク伝達部材であるクラッチリング3と、そのクラッチリング3と出力軸2との係合・離脱を制御するカム機構4とを具備している。
これら入力外輪1、出力軸2、クラッチリング3およびカム機構4からなる各構成部品は、静止系部材であるハウジング7に収容され、各構成部品を収容したハウジング7を中間側板6を介して取付側板5に装着することにより一体化している。このクラッチユニットを電動スライドドア装置に組み込む場合、入力外輪1は駆動源である駆動モータに連結され、出力軸2はスライドドアを開閉動作させるスライド機構に連結され、前述の取付側板5をボルト止め等により電動スライドドア装置の固定部位に装着される。
入力外輪1はおおむね中空円筒形を呈し、その外周にウォームホイール8が形成されている。このウォームホイール8は駆動モータ(図示せず)により回転駆動されるウォーム(図示せず)と噛み合ってウォームギヤを構成する。ハウジング7の周方向一部には、切り欠き状の窓穴9が形成されており、この窓穴9で前述のウォームホイール8とウォームが噛み合っている。なお、駆動モータのような駆動源と入力外輪1との間の動力伝達機構としては、図面に例示した歯車のほか巻掛伝動装置等を採用することも可能である。
出力軸2は、入力外輪1に内嵌された大径部、ハウジング7の端部に内嵌された中間径部およびハウジング7から突出して前述のスライド機構に連結される小径部からなり、入力外輪1およびハウジング7に回転自在に支承されている。この出力軸2の大径部のクラッチリング3と対向する端面には、ドグ10が突設されている(図2参照)。なお、図2では、出力軸2に四個のドグ10を円周方向等間隔に配設した場合を例示している。
一方、クラッチリング3は、入力外輪1に対して軸方向にスライド可能で、かつ、相対回転不可能に装着されている。つまり、図3(a)に示すように外輪1の内径には、軸方向に沿う凹溝11が円周方向等間隔に形成されており、これに対応させてクラッチリング3の外径には、凹溝11に嵌合する突条12が軸方向に沿って円周方向等間隔に形成されている。このクラッチリング3の出力軸2と対向する端面には、ドグ13が突設されており、前述の出力軸2のドグ10とでドグクラッチが形成される(図2参照)。なお、図2では、クラッチリング3に四個のドグ13を円周方向等間隔に配設した場合を例示している。
クラッチリング3が軸方向に沿って出力軸2と近接する側へ移動してクラッチリング3のドグ13が出力軸2のドグ10と噛み合うと、両者は回転方向に一体化してトルクが伝達される。また、両者の噛み合い状態から、クラッチリング3が軸方向に沿って出力軸2から離間する側へ移動してクラッチリング3のドグ13が出力軸2のドグ10から離脱すると、両者は分離されてトルクが遮断される。
出力軸2とクラッチリング3との間には圧縮コイルばね14(以下、単に第1ばねと称す)が介在して両者を互いに離間する向きに弾圧している。この第1ばね14の弾性力により、駆動モータが停止している時はクラッチリング3と出力軸2が噛み合わないようになっている。前述の第1ばね14によりクラッチリング3と出力軸2を離間させる付勢力は、入力外輪1の内径の軸方向略中央部位に装着された止め輪15により止められ、クラッチリング3が出力軸2から離間する移動量が規制される。
このクラッチリング3を挟んで出力軸2と反対側に配置されたカム機構4は、固定カム16と可動カム17とで構成されている。なお、この可動カム17と前述のクラッチリング3との間には、それら両者を互いに離間させる向きに弾性力を付勢する圧縮コイルばね18(以下、単に第2ばねと称す)が介設されている。また、前述の出力軸2、クラッチリング3および可動カム17の三者は、その中心に嵌挿された支持軸19にスライド自在に同軸配置されている。
可動カム17は、入力外輪1に対して軸方向にスライド可能で、かつ、相対回転不可能に装着されている。つまり、図3(b)に示すように入力外輪1の内径に円周方向等間隔で軸方向に沿って形成された前述の凹溝11に対応させて、可動カム17の外径には、その凹溝11に嵌合する突条20が軸方向に沿って円周方向等間隔に形成されている。この可動カム17の固定カム16と対向する端面には、図4(a)(b)および図6に示すようにその端面から凸設された傾斜面21aと平坦面21bからなり、かつ、固定カム16と軸方向で嵌合可能なカム面21が形成されている。
これに対して、固定カム16は、その軸方向端部にフランジ部を有し、そのフランジ部と中間側板6の内径端部との間に弾性部材である波ばね22が介設されている(図1参照)。この波ばね22の弾性力により、固定カム16を静止系の取付側板5に押圧し、固定カム16の端面と取付側板5との間に摩擦抵抗が発生するようにしている。この固定カム16の可動カム17と対向する端面には、図5(a)(b)および図6に示すようにその端面から凹設された傾斜面23aと平坦面23bからなり、かつ、可動カム17と軸方向で嵌合可能なカム面23が形成されている。
前述の可動カム17の傾斜面21aと固定カム16の傾斜面23aとが軸方向に嵌合すると、固定カム16に対して可動カム17が軸方向に沿ってクラッチリング3に近接する側へ移動する。このクラッチリング3の軸方向移動により、可動カム17とクラッチリング3間の第2ばね18に弾性力が蓄積され、クラッチリング3と出力軸2間の第1ばね14の弾性力に打ち勝つと、クラッチリング3が軸方向に沿って出力軸2に近接する側へ移動する。このクラッチリング3の軸方向移動により、クラッチリング3のドグ13と出力軸2のドグ10が噛み合うことになる。
前述の構成からなる実施形態のクラッチユニットの動作例を以下に詳述する。
駆動モータが停止している時、固定カム16と可動カム17は、それぞれの平坦面23b,21bが接する位相にある中立状態であることから(図6参照)、可動カム17は、第2ばね18の弾性力により固定カム16に接する状態にある。また、クラッチリング3は、第1ばね14の弾性力により出力軸2から離間する方向に付勢され、ハウジング7の内径に配置された止め輪15により出力軸2のドグ10から離脱した位置で規制されている。このようにして、クラッチリング3のドグ13と出力軸2のドグ10とが噛み合わない状態となっているため、出力軸2はその出力軸側からフリーで回転可能な状態であり、ドアを手動にて自由に開閉することができる。
一方、駆動モータが回転すると、ウォームギヤを介して入力外輪1が回転し始め、駆動モータの回転力は、ウォームギヤにより入力外輪1に減速伝達される。可動カム17は、入力外輪1に凹溝11および突条20により凹凸嵌合していることにより回転方向に規制されていることから、入力外輪1に伴って回転する。これに対して、固定カム16は、回転方向に固定した状態にあるため、前述の可動カム17は、固定カム16と嵌合するカム面21、つまり、傾斜面21aに沿って回転し、その回転により軸方向に沿って出力軸側へ移動する。この可動カム17の軸方向移動により、クラッチリング3との間の第2ばね18が軸方向に圧縮させれてその弾性力が蓄積される。その圧縮力がクラッチリング3と出力軸2間の第1ばね14の弾性力に打ち勝つと、クラッチリング3が軸方向に移動して出力軸2に近接する(図7参照)。
このクラッチリング3も、可動カム17と同様、入力外輪1に凹溝11および突条12により凹凸嵌合していることにより回転方向に規制されていることから、入力外輪1に伴って回転する。従って、クラッチリング3の回転および軸方向移動により、クラッチリング3のドグ13と出力軸2のドグ10との噛み合い位相が合致したところでクラッチリング3が出力軸2に噛み合う。これにより、入力外輪1の回転トルクがクラッチリング3を介して出力軸2に伝達され、ドアを電動で開閉することができる。
この時、前述したように可動カム17は入力外輪1に伴って回転し、固定カム16は可動カム17から回転力を受けて同一回転するが、静止系である取付側板5から波ばね22の押圧による摩擦抵抗を受けるため、その摩擦抵抗により可動カム17に軸力を伝えている。なお、固定カム16と取付側板5との間を含む摩擦摺動部位には、グリース等の潤滑剤が適宜封入されている。
なお、駆動モータの回転時、クラッチリング3のドグ13と出力軸2のドグ10が同位相であった場合には、両者のドグ同士が接触し、クラッチリング3と出力軸2が嵌合せずに出力軸2を回転駆動しないことになるが、出力軸2には負荷が加わっているためにその出力軸2は回転しない。しかしながら、駆動モータがそのまま回転を続けると、入力外輪1および可動カム17が出力軸2に対して回転位相が進むので、クラッチリング3のドグ13と出力軸2のドグ10の噛み合い位相が合致したところで、弾性力が蓄積された第2ばね18の弾性力により、クラッチリング3が軸方向に瞬時に移動し、クラッチリング3と出力軸2が噛み合うことになる。
次に、駆動モータをその回転状態から停止させた時、クラッチリング3と出力軸2が噛み合った状態にある。この状態では、出力軸2をフリーな状態で回転させることができないので、前述した駆動モータの回転方向と逆向きにその駆動モータを回転させるようにすればよい。つまり、クラッチリング3と出力軸2が噛み合っている状態では、図8の破線で示すように可動カム17と固定カム16の傾斜面21aと23a同士が接合し、可動カム17の平坦面21bが固定カム16の平坦面23bから離間した状態となっている。この状態から駆動モータを反転させると、可動カム17の平坦面21bが固定カム16の平坦面23bに接触する状態(図8の実線参照)に移行させることができる。
この時の駆動モータの反転角度は、可動カム17の平坦面21bが固定カム16から離間した状態での可動カム17の固定カム16に対する位相から、図8の実線で示すように可動カム17の平坦面21bが固定カム16に接触する状態となる位相までの回転角αでよいため、その駆動モータの反転角度は予め設定可能である。なお、この駆動モータの反転時、可動カム17の平坦面21bが接触する固定カム16の平坦面23bを、可動カム17の平坦面21bの周方向寸法よりも大きくすることによりガタβを設けているので、入力外輪1の反転動作を許容することができ、出力軸2が反転駆動することはない。
以上のようなクラッチユニットを自動車の電動スライドドアのドア駆動部に設置することで、車内のスイッチにより電動モードが選択されていると、電動でドアを動かす時は駆動モータの回転によって、クラッチユニットを介してドアの開閉が可能であり、手でドアノブを開ければそれを感知することでモータ駆動によるドアの開閉が可能である。
一方、車内のスイッチにより手動モードが選択されていれば、駆動モータを回転させなければクラッチユニットの出力軸2はフリーに回転するため、駆動モータを引き摺ることなく、手動でも楽に開閉することができる。また、出力軸2にポテンショメータを装着すれば、半ドア状態であってもドアの位置を感知でき、電動モードに切り替えれば、駆動モータによる開閉が可能である。
なお、前述の実施形態では、クラッチリング3と出力軸2の軸方向対向面にドグ13,10をそれぞれ設けてドグクラッチを形成しているが、スプライン嵌合のようにクラッチリング3と出力軸2の内径および外径にギヤを形成したものでもよい。また、カム機構4を構成する固定カム16と可動カム17のそれぞれのカム面23,21は複雑な形状となるため、それら固定カム16および可動カム17は、冷間鍛造、焼結、樹脂などで成形することが望ましい。
前述の実施形態では、ワンボックスカーにおける電動スライドドア装置にクラッチユニットを組み込んだ場合について説明したが、本発明は、駆動モータから減速機を介して負荷を駆動する装置、例えば自動車のパワーウィンドウ、電動バックドアや、電動カーテン、電動シャッター等の開閉機構において、電動と手動を切り替える仕様の装置に適用可能である。
本発明の実施形態で、(a)はクラッチユニットを示す断面図、(b)は(a)の右側面図である。 図1のクラッチリングと出力軸を示す斜視図である。 (a)は図1のA−A線に沿う断面図、(b)は図1のB−B線に沿う断面図である。 (a)は図1のカム機構を構成する可動カムを示す左側面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。 (a)は図1のカム機構を構成する固定カムを示す右側面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図である。 図4の可動カムと図5の固定カムが嵌合した状態を示す断面図である。 クラッチユニットの各構成部品の動作を説明するための断面図である。 固定カムに対する可動カムの嵌合状態を説明するための断面図である。
符号の説明
1 入力系回転部材(入力外輪)
2 出力系回転部材(出力軸)
3 トルク伝達部材(クラッチリング)
4 カム機構
7 静止系部材(ハウジング)
16 固定カム
17 可動カム
21,23 カム面
22 弾性部材(波ばね)

Claims (3)

  1. 静止系部材と、駆動源により回転駆動される入力系回転部材と、入力系回転部材から伝えられたトルクを外部へ取り出すための出力系回転部材と、入力系回転部材と出力系回転部材との間に介在し、これら両回転部材と選択的に係合・離脱可能なトルク伝達部材とを備えたクラッチユニットにおいて、
    前記静止系部材に対する相対角度変位を通じて、トルク伝達部材を軸方向に移動させることによりトルク伝達部材と出力系回転部材との係合・離脱を制御するカム機構を、前記静止系部材に弾性部材により押圧された固定カムと、その固定カムとの軸方向嵌合により前記トルク伝達部材を軸方向に移動させる可動カムとで構成し、前記固定カムと可動カムは、その軸方向に嵌合可能な傾斜面と、中立状態で相手側に接触する平坦面とが周方向に形成されたカム面を有すると共に、相互に平坦面が接触する中立状態で前記固定カムの平坦面を可動カムの平坦面の周方向寸法よりも大きくした周方向のガタを設けたことを特徴とするクラッチユニット。
  2. 前記弾性部材は、固定カムを静止系部材に押圧することにより、その固定カムと静止系部材との間で摩擦抵抗を発生させる波ばねである請求項1に記載のクラッチユニット。
  3. 前記入力系回転部材を駆動モータに連結し、かつ、出力系回転部材をドアスライド機構に連結することにより電動スライドドア装置に組み込まれている請求項1又は2に記載のクラッチユニット。
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