JP2007285326A - 2ウェイクラッチユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡便な構造によって応答性の向上を図り、駆動モータの始動時に確実に作動させる。
【解決手段】 駆動源により回転駆動される入力外輪と、入力外輪から伝えられたトルクを外部へ取り出すための出力軸と、入力外輪と出力軸との間に軸方向移動可能でかつ相対回転不可能に介在し、出力軸と係合・離脱可能なクラッチリングと、周方向移動でもってクラッチリングを軸方向に移動させることによりクラッチリングと出力軸との係合・離脱を制御するカム機構とを備え、カム機構は、軸方向に対して緩斜面44aからその傾斜角度を漸次大きくして急斜面44aに至る形状をなし、周方向移動量に対するクラッチリングの軸方向移動量を漸増させるカム面44を有する固定カム37を具備する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、例えば自動車のパワーウィンドウ、ワンボックスカーにおける電動スライドドア、電動バックドアや、電動カーテン、電動シャッター等の開閉機構に利用され、駆動源の作動時は入力系から出力系へトルクを伝達し、駆動源の停止時はトルクの伝達を遮断して出力系の手動操作を可能にする2ウェイクラッチユニットに関する。
例えば自動車(ワンボックスカー)の電動スライドドア装置では、駆動モータとスライドドアの連結または非連結を2ウェイクラッチユニットにより行なうものがある。この2ウェイクラッチユニットには、カム機構により入出力間を断接する構造を具備している(例えば、特許文献1参照)。図10は、この特許文献1に開示された2ウェイクラッチユニットの概略構成を示す。
この2ウェイクラッチユニットは、駆動モータによって回転駆動される入力外輪1と、その入力外輪1から伝達される回転トルクを外部に取り出す出力軸2と、入力外輪1と出力軸2との間に介在し、その出力軸2に係合・離脱可能なクラッチリング3と、そのクラッチリング3を軸方向に移動させることによりクラッチリング3と出力軸2との係合・離脱を制御するカム機構4とを備えている。
このカム機構4は、静止系部材5にばね等の弾性部材6により押圧された固定カム7と、その固定カム7との軸方向嵌合によりクラッチリング3を軸方向に移動させる可動カム8とで構成されている。また、このクラッチリング3と出力軸2との対向面間にドグクラッチ9を形成し、そのドグクラッチ9において、出力軸2のドグ10とクラッチリング3のドグ11の噛み合いによりクラッチリング3と出力軸2とを係合させるようにしている。
可動カム8は、入力外輪1に対して軸方向にスライド可能で、かつ、相対回転不可能に装着されている。この可動カム8の固定カム7と対向する端面には、図11(a)(b)に示すようにその端面から凸設された傾斜面12aと平坦面12bからなり、かつ、固定カム7と軸方向で嵌合可能なカム面12が形成されている。
これに対して、固定カム7は、ばね等の弾性部材6を介して静止系部材5に取り付けられている。この固定カム7の可動カム8と対向する端面には、図11(a)(b)に示すようにその端面から凹設された傾斜面13aと平坦面13bからなり、かつ、可動カム8と軸方向で嵌合可能なカム面13が形成されている。
この2ウェイクラッチユニットでは、駆動モータが停止している時、図11(a)に示すように固定カム7と可動カム8は、それぞれの平坦面13b,12bが接する位相にある中立状態であることから、可動カム8は、固定カム7に接する状態にある。この状態では、クラッチリング3のドグ11と出力軸2のドグ10とが噛み合わない状態となっているため、出力軸2はその出力軸側からフリーで回転可能な状態であり、スライドドアを手動にて自由に開閉することができる。
一方、駆動モータが回転すると、可動カム8は入力外輪1と共回りするように規制されていることから、入力外輪1に伴って回転する。これに対して、固定カム7は、回転方向に固定した状態にあるため、可動カム8は、図11(b)に示すように固定カム7と嵌合するカム面13、つまり、傾斜面13aに沿って回転し、その回転により軸方向に沿ってクラッチリング3に近接するように移動する。この可動カム8の軸方向移動により、クラッチリング3が軸方向に移動する。
クラッチリング3は入力外輪1と共回りするように規制されていることから、入力外輪1に伴って回転しながら出力軸2に近接するように移動し、このクラッチリング3の回転および軸方向移動により、クラッチリング3のドグ11と出力軸2のドグ10との噛み合い位相が合致したところでクラッチリング3が出力軸2に噛み合う。これにより、入力外輪1の回転トルクがクラッチリング3を介して出力軸2に伝達され、スライドドアを電動で開閉することができる。
特開2005−172141号公報
ところで、電動スライドドア装置では、手の挟み込み防止のために駆動モータを緊急停止あるいは反転させるようにしている。従って、この駆動モータに付設された2ウェイクラッチユニットでは、駆動モータの緊急停止や反転に対する応答性が要求される。また、この2ウェイクラッチユニットでは、内部部品のガタにより応答性の低下を招くため、そのガタ量を約8deg以下にする必要がある。
一般的に、入力外輪1の一定の周方向回転に対して、カム機構4の可動カム8の軸方向移動量を大きくすることで、2ウェイクラッチユニットの応答性を向上させることができる。その場合、前述した特許文献1に開示された2ウェイクラッチユニットでは、カム機構4における固定カム7のカム面13の傾斜角度を大きくしなければならない。
一方、駆動モータの始動時は起動トルクが弱いことから、その起動トルクの周方向分力は小さい。ここで、前述したようにカム機構4における固定カム7のカム面13の傾斜角度を大きくした場合、駆動モータの起動トルクが小さいと、その駆動モータの始動時に2ウェイクラッチユニットが作動しないおそれがある。以上のことから、2ウェイクラッチユニットでは、カム機構4のカム面13の傾斜角度として40°が使用上の限界であり、応答性の向上を容易に図ることが困難であるという問題があった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、簡便な構造によって応答性の向上を図り、駆動モータの始動時に確実に作動させ得る2ウェイクラッチユニットを提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、静止系部材と、駆動源により回転駆動される入力系回転部材と、入力系回転部材から伝えられたトルクを外部へ取り出すための出力系回転部材と、入力系回転部材と出力系回転部材との間に軸方向移動可能でかつ相対回転不可能に介在し、出力系回転部材と係合・離脱可能なトルク伝達部材と、静止系部材に対する周方向移動でもってトルク伝達部材を軸方向に移動させることによりトルク伝達部材と出力系回転部材との係合・離脱を制御するカム機構とを備え、カム機構は、軸方向に対して緩斜面からその傾斜角度を漸次大きくして急斜面に至る形状をなし、周方向移動量に対するトルク伝達部材の軸方向移動量を漸増させるカム面を有することを特徴とする。
本発明では、静止系部材に対する周方向移動でもってトルク伝達部材を軸方向に移動させることによりトルク伝達部材と出力系回転部材との係合・離脱を制御するカム機構において、軸方向に対して緩斜面からその傾斜角度を漸次大きくして急斜面に至る形状をなし、周方向移動量に対するトルク伝達部材の軸方向移動量を漸増させるカム面を有することにより、起動トルクが弱い駆動モータの始動時においても、2ウェイクラッチユニットを確実に作動させることができると共に、トルク伝達部材の軸方向移動量を大きくすることで2ウェイクラッチユニットの応答性を向上させ、内部部品のガタ量を小さくすることができる。
本発明の構成におけるカム機構は、静止系部材に弾性部材により押圧された固定カムと、その固定カムの軸方向嵌合によりトルク伝達部材を軸方向に移動させる可動カムとからなり、カム面は、固定カムあるいは可動カムのいずれかの対向面に形成された構造が可能である。この構造の場合、固定カムに対する可動カムの周方向移動でもってトルク伝達部材を軸方向に移動させ、軸方向に対して緩斜面からその傾斜角度を漸次大きくして急斜面に至る形状をなし、周方向移動量に対するトルク伝達部材の軸方向移動量を漸増させるカム面でもって、そのトルク伝達部材の軸方向移動量を大きくする。
本発明の構成におけるカム面は、その軸方向断面が円弧状の凹曲面形状とすることが望ましい。このように、軸方向断面が円弧状の凹曲面形状を有するカム面とすれば、トルク伝達部材の軸方向移動量を漸増させるカム面を容易に製作することができる。なお、カム面の凹曲面形状は、真円の一部をなす円弧状に限らず、楕円の一部をなす円弧状とすることも可能であり、さらに、放物線の一部をなす凹曲面形状とすることも可能である。
本発明の2ウェイクラッチユニットは、入力系回転部材が駆動モータに連結され、かつ、出力系回転部材がドアスライド機構に連結されることにより電動スライドドア装置に組み込んで適用することが可能である。この場合、トルク伝達部材と出力系回転部材との係合・離脱を制御することにより、駆動モータとスライドドアの連結時、電動による開閉操作が可能となり、駆動モータとスライドドアの非連結時、手動による開閉操作が可能となる。
本発明によれば、静止系部材に対する周方向移動でもってトルク伝達部材を軸方向に移動させることによりトルク伝達部材と出力系回転部材との係合・離脱を制御するカム機構において、軸方向に対して緩斜面からその傾斜角度を漸次大きくして急斜面に至る形状をなし、周方向移動量に対するトルク伝達部材の軸方向移動量を漸増させるカム面を有することにより、起動トルクが弱い駆動モータの始動時においても、2ウェイクラッチユニットを確実に作動させることができると共に、トルク伝達部材の軸方向移動量を大きくすることで2ウェイクラッチユニットの応答性を向上させ、内部部品のガタ量を小さくすることができる。
このように、駆動モータの始動時での確実な作動、応答性の向上、内部部品のガタの抑制を容易に実現した2ウェイクラッチユニットとすることができ、電動スライドドア装置への適用に際して、最適な2ウェイクラッチユニットを提供することができる。
以下、本発明に係る2ウェイクラッチユニットを、例えば自動車(ワンボックスカー)の電動スライドドア装置に適用した実施形態について詳述する。
図1および図2に示す実施形態のクラッチユニットは、駆動源としての駆動モータによって回転駆動される入力系回転部材としての入力外輪21と、その入力外輪21から伝えられるトルクを外部へ取り出すための出力系回転部材としての出力軸22と、入力外輪21と出力軸22との間に介在し、その出力軸22と係合・離脱可能なトルク伝達部材としてのクラッチリング23と、そのクラッチリング23と出力軸22との係合・離脱を制御するカム機構24とからなる主要部で構成されている。
これら入力外輪21、出力軸22、クラッチリング23およびカム機構24からなる各構成部品は、静止系部材であるハウジング27に収容され、各構成部品を収容したハウジング27を中間側板26を介して取付側板25に装着することにより一体化している。このクラッチユニットを電動スライドドア装置に組み込む場合、入力外輪21は駆動モータに連結され、出力軸22はスライドドアを開閉動作させるスライド機構に連結され、前述の取付側板25をボルト止め等により電動スライドドア装置の固定部位に装着される。
入力外輪21はおおむね中空円筒形を呈し、その外周にウォームホイール28が形成されている。このウォームホイール28は駆動モータ(図示せず)により回転駆動されるウォーム(図示せず)と噛み合ってウォームギヤを構成する。ハウジング27の周方向一部には、切り欠き状の窓穴29が形成されており、この窓穴29で前述のウォームホイール28とウォームが噛み合っている。なお、駆動モータと入力外輪21との間の動力伝達機構としては、図面に例示した歯車のほか巻掛伝動装置などを採用することも可能である。
出力軸22は、入力外輪21に内嵌された大径部、ハウジング27の端部に内嵌された中間径部およびハウジング27から突出して前述のスライド機構に連結される小径部からなり、入力外輪21およびハウジング27に回転自在に支承されている。この出力軸22の大径部のクラッチリング23と対向する端面には、図3に示すようにドグ30が突設されている。なお、この実施形態では、出力軸22に四個のドグ30を円周方向等間隔に配設した場合を例示しているが、そのドグ30の個数については任意である。
一方、クラッチリング23は、入力外輪21に対して軸方向にスライド可能で、かつ、相対回転不可能に装着されている。つまり、図5に示すように入力外輪21の内径には、軸方向に沿う凹溝31が円周方向等間隔に形成されており、これに対応させてクラッチリング23の外径には、凹溝31に嵌合する突条32が軸方向に沿って円周方向等間隔に形成されている。これにより、クラッチリング23は入力外輪21と共回りすることになる。このクラッチリング23の出力軸22と対向する端面には、図4に示すようにドグ33が突設されており、前述の出力軸22のドグ30とでドグクラッチ34が形成される。なお、この実施形態では、クラッチリング23に四個のドグ33を円周方向等間隔に配設した場合を例示しているが、そのドグ33の個数については任意であって出力軸22のドグ30の個数に一致させればよい。
クラッチリング23が軸方向に沿って出力軸22と近接する側へ移動してクラッチリング23のドグ33が出力軸22のドグ30と噛み合うと、両者は回転方向に一体化してトルクが伝達される。また、両者の噛み合い状態から、クラッチリング23が軸方向に沿って出力軸22から離間する側へ移動してクラッチリング23のドグ33が出力軸22のドグ30から離脱すると、両者は分離されてトルクが遮断される。
出力軸22とクラッチリング23との間には圧縮コイルばね35(以下、単に第一ばねと称す)が介在して両者を互いに離間する向きに弾圧している。この第一ばね35の弾性力により、駆動モータが停止している時はクラッチリング23と出力軸22が噛み合わないようになっている。前述の第一ばね35によりクラッチリング23と出力軸22を離間させる付勢力は、入力外輪21の内径の軸方向略中央部位に装着された止め輪36により止められ、クラッチリング23が出力軸22から離間する移動量が規制される。
このクラッチリング23を挟んで出力軸22と反対側に配置されたカム機構24は、固定カム37と可動カム38とで構成されている。なお、この可動カム38と前述のクラッチリング23との間には、それら両者を互いに離間させる向きに弾性力を付勢する圧縮コイルばね39(以下、単に第二ばねと称す)が介設されている。また、クラッチリング23および可動カム38の両者は、前述の出力軸22の中心に植設された支持軸40にスライド自在に同軸配置されている。
可動カム38は、入力外輪21に対して軸方向にスライド可能で、かつ、相対回転不可能に装着されている。つまり、図6に示すように入力外輪21の内径に円周方向等間隔で軸方向に沿って形成された前述の凹溝31に対応させて、可動カム38の外径には、その凹溝31に嵌合する突条41が軸方向に沿って円周方向等間隔に形成されている。これにより、可動カム38は、入力外輪21と共回りすることになる。この可動カム38の固定カム37と対向する端面には、図7および図9(a)(b)に示すように固定カム37と軸方向で嵌合可能なカム面42が凸設されている。このカム面42は、軸方向と平行な起立面42aとその軸方向に直交する平坦面42bとからなる。
これに対して、固定カム37は、その軸方向端部にフランジ部を有し、そのフランジ部と中間側板26の内径端部との間に弾性部材である波ばね43が介設されている(図1参照)。この波ばね43の弾性力により、固定カム37を静止系の取付側板25に押圧し、固定カム37の端面と取付側板25との間に摩擦抵抗が発生するようにしている。この固定カム37の可動カム38と対向する端面には、図8および図9(a)(b)に示すように可動カム38と軸方向で嵌合可能なカム面44が凹設されている。このカム面44は、円弧状の凹曲面形状を有する斜面44a,44aと軸方向に直交する平坦面44bとからなる。
このカム面44は、例えば二つの曲率半径R,rを持つ円弧状の凹曲面形状をなし、固定カム37の平坦面側に曲率半径rを有する緩斜面44a、固定カム37の反平坦面側に曲率半径Rを有する急斜面44aからなる。緩斜面44aの曲率半径rは、急斜面44aの曲率半径Rよりも大きくなるように設定している。二つの円弧状斜面、つまり、緩斜面44aと急斜面44aの接合部分は連続してスムーズに繋がるようにしている。このカム面44は、可動カム38の周方向移動量に対してクラッチリング23の軸方向移動量を漸増させる形状であり、可動カム38の周方向移動の初期時にはその可動カム38の軸方向移動に対して緩斜面44aとなり、その後の可動カム38の周方向移動に対しては急斜面44aとなる。
カム面44の凹曲面形状は、この実施形態では二つの円弧状斜面で、真円の一部をなす円弧状としているが、本発明はこれに限定されることなく、楕円の一部をなす円弧状、あるいは放物線の一部をなす凹曲面形状とすることも可能であり、また、二つ以上の凹曲面を組み合わせた形状とすることも可能である。
前述の可動カム38のカム面42と固定カム37のカム面44とが軸方向に嵌合すると、固定カム37に対して可動カム38が軸方向に沿ってクラッチリング23に近接する側へ移動する。このクラッチリング23の軸方向移動により、可動カム38とクラッチリング23間の第二ばね39に弾性力が蓄積され、クラッチリング23と出力軸22間の第一ばね35の弾性力に打ち勝つと、クラッチリング23が軸方向に沿って出力軸22に近接する側へ移動する。このクラッチリング23の軸方向移動により、クラッチリング23のドグ33と出力軸22のドグ30が噛み合うことになる。
前述の構成からなる実施形態のクラッチユニットの動作例を以下に詳述する。
駆動モータが停止している時、固定カム37と可動カム38は、それぞれの平坦面44b,42bが接する位相にある中立状態であることから〔図9(a)参照〕、可動カム38は、第二ばね39の弾性力により固定カム37に接する状態にある。また、クラッチリング23は、第一ばね35の弾性力により出力軸22から離間する方向に付勢され、ハウジング27の内径に配置された止め輪36により出力軸22のドグ30から離脱した位置で規制されている。このようにして、クラッチリング23のドグ33と出力軸22のドグ30とが噛み合わない状態となっているため、出力軸22はその出力軸側からフリーで回転可能な状態であり、スライドドアを手動にて自由に開閉することができる。
一方、駆動モータが回転すると、ウォームギヤを介して入力外輪21が回転し始め、駆動モータの回転力は、ウォームギヤにより入力外輪21に減速伝達される。可動カム38は、入力外輪21に凹溝31および突条41により凹凸嵌合していることにより回転方向に規制されていることから、入力外輪21に伴って回転する。これに対して、固定カム37は、回転方向に固定した状態にあるため、前述の可動カム38は、回転により固定カム37のカム面44に沿って出力軸側へ移動する。この可動カム38の軸方向移動により、クラッチリング23との間の第二ばね39が軸方向に圧縮させれてその弾性力が蓄積される。その圧縮力がクラッチリング23と出力軸22間の第一ばね35の弾性力に打ち勝つと、クラッチリング23が軸方向に移動して出力軸22に近接する〔図9(b)参照〕。
このクラッチリング23も、可動カム38と同様、入力外輪21に凹溝31および突条32により凹凸嵌合していることにより回転方向に規制されていることから、入力外輪21に伴って回転する。従って、クラッチリング23の回転および軸方向移動により、クラッチリング23のドグ33と出力軸22のドグ30との噛み合い位相が合致したところでクラッチリング23が出力軸22に噛み合う。これにより、入力外輪21の回転トルクがクラッチリング23を介して出力軸22に伝達され、スライドドアを電動で開閉することができる。
この時、前述したように可動カム38は入力外輪21に伴って回転し、固定カム37は可動カム38から回転力を受けて同一回転するが、静止系である取付側板25から波ばね43の押圧による摩擦抵抗を受けるため、その摩擦抵抗により可動カム38に軸力を伝えている。なお、固定カム37と取付側板25との間を含む摩擦摺動部位には、グリース等の潤滑剤が適宜封入されている。
駆動モータの始動時、起動トルクが弱く、その起動トルクの周方向分力が小さくても、図9(a)(b)に示すように可動カム38は固定カム37のカム面44の緩斜面44aを移動することから、可動カム38の回転および軸方向移動が続行されるので、駆動モータの始動時に2ウェイクラッチユニットを確実に作動させることができる。
その駆動モータの始動後、図9(a)(b)に示すように可動カム38は固定カム37のカム面44の急斜面44aを移動することから、その可動カム38の軸方向移動量を大きくとることができ、可動カム38の軸方向移動によりクラッチリング23の軸方向移動量も大きくとることができる。その結果、2ウェイクラッチユニットの応答性を向上させ、内部部品のガタ量を小さくすることができる。
従って、固定カム37のカム面44の傾斜角度θ、つまり、カム面44の始点と終点を結ぶ線分が固定カム37の平坦面44bとなす角度を大きくすることが可能となり(θ=40〜60°)、可動カム38の周方向移動量が従来と同等であれば、前述したようにその軸方向移動量を大きくとることが可能である。また、可動カム38の軸方向移動量を従来と同等にすれば、可動カム38の周方向移動量を小さくすることが可能となる〔図9(b)のmと図11(b)のMを参照(m<M)〕。
なお、駆動モータの回転時、クラッチリング23のドグ33と出力軸22のドグ30が同位相であった場合には、両者のドグ同士が接触し、クラッチリング23と出力軸22が嵌合せずに出力軸22を回転駆動しないことになるが、出力軸22には負荷が加わっているためにその出力軸22は回転しない。しかしながら、駆動モータがそのまま回転を続けると、入力外輪21および可動カム38が出力軸22に対して回転位相が進むので、クラッチリング23のドグ33と出力軸22のドグ30の噛み合い位相が合致したところで、弾性力が蓄積された第二ばね39の弾性力により、クラッチリング23が軸方向に瞬時に移動し、クラッチリング23と出力軸22が噛み合うことになる。
以上のようなクラッチユニットを自動車の電動スライドドアのドア駆動部に設置することで、車内のスイッチにより電動モードが選択されていると、電動でスライドドアを動かす時は駆動モータの回転によって、クラッチユニットを介してスライドドアの開閉が可能であり、手でドアノブを開ければそれを感知することでモータ駆動によるスライドドアの開閉が可能である。
一方、車内のスイッチにより手動モードが選択されていれば、駆動モータを回転させなければクラッチユニットの出力軸22はフリーに回転するため、駆動モータを引き摺ることなく、手動でも楽に開閉することができる。また、出力軸22にポテンショメータを装着すれば、半ドア状態であってもスライドドアの位置を感知でき、電動モードに切り替えれば、駆動モータによる開閉が可能である。
前述の実施形態では、ワンボックスカーにおける電動スライドドア装置にクラッチユニットを組み込んだ場合について説明したが、本発明は、駆動モータから減速機を介して負荷を駆動する装置、例えば自動車のパワーウィンドウ、電動バックドアや、電動カーテン、電動シャッター等の開閉機構において、電動と手動を切り替える仕様の装置に適用可能である。
本発明に係る2ウェイクラッチユニットの実施形態を示す断面図である。 図1の右側面図である。 図1の実施形態の出力軸を示す斜視図である。 図1の実施形態のクラッチリングを示す斜視図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 図1のカム機構を構成する可動カムを示す斜視図である。 図1のカム機構を構成する固定カムを示す斜視図である。 図7の可動カムと図8の固定カムの嵌合状態で、(a)は駆動モータの始動前の状態、(b)は駆動モータの始動後の状態を示す部分拡大断面図である。 2ウェイクラッチユニットの従来例を示す断面図である。 図10のカム機構の可動カムと固定カムの嵌合状態で、(a)は駆動モータの始動前の状態、(b)は駆動モータの始動後の状態を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
21 入力系回転部材(入力外輪)
22 出力系回転部材(出力軸)
23 トルク伝達部材(クラッチリング)
24 カム機構
27 静止系部材(ハウジング)
37 固定カム
38 可動カム
43 弾性部材(波ばね)
44 カム面
44a 緩斜面
44a 急斜面

Claims (4)

  1. 静止系部材と、駆動源により回転駆動される入力系回転部材と、入力系回転部材から伝えられたトルクを外部へ取り出すための出力系回転部材と、入力系回転部材と出力系回転部材との間に軸方向移動可能でかつ相対回転不可能に介在し、前記出力系回転部材と係合・離脱可能なトルク伝達部材と、静止系部材に対する周方向移動でもってトルク伝達部材を軸方向に移動させることによりトルク伝達部材と出力系回転部材との係合・離脱を制御するカム機構とを備え、前記カム機構は、軸方向に対して緩斜面からその傾斜角度を漸次大きくして急斜面に至る形状をなし、周方向移動量に対するトルク伝達部材の軸方向移動量を漸増させるカム面を有することを特徴とする2ウェイクラッチユニット。
  2. 前記カム機構は、静止系部材に弾性部材により押圧された固定カムと、その固定カムとの軸方向嵌合により前記トルク伝達部材を軸方向に移動させる可動カムとからなり、前記カム面は、固定カムあるいは可動カムのいずれかの対向面に形成されている請求項1に記載の2ウェイクラッチユニット。
  3. 前記カム面は、その軸方向断面が円弧状の凹曲面形状とした請求項1又は2に記載の2ウェイクラッチユニット。
  4. 前記入力系回転部材を駆動モータに連結し、かつ、出力系回転部材をドアスライド機構に連結することにより電動スライドドア装置に組み込まれている請求項1〜3のいずれか一項に記載の2ウェイクラッチユニット。
JP2006110084A 2006-04-12 2006-04-12 2ウェイクラッチユニット Withdrawn JP2007285326A (ja)

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