JP2005105146A - 蛍光体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蛍光体の製造工程中の熱分解時にNOx、塩素等といった有毒・腐食性ガスを発生せず、潮解性の少ない蛍光体原料の乾燥物を得ることができ、加えて優れた生産効率の蛍光体の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 pH7未満の蛍光体原料の水性溶液を調製し、該蛍光体原料の水性溶液をアンモニア雰囲気下に噴霧して液滴を形成し、得られた液滴を乾燥することで乾燥物を得、該乾燥物を熱分解することで蛍光体を得ることを特徴とする蛍光体の製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蛍光体の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、蛍光体原料の水性溶液をアンモニア雰囲気下で液滴化する工程を少なくとも有する蛍光体の製造方法に関する。
蛍光体は、種々の分野で広く使用されている。例えば、蛍光ランプのような照明装置用蛍光体、PDPのような表示装置用蛍光体、X線撮像管用蛍光体として使用されている。
蛍光体の製造方法としては、種々の方法が知られており、例えば、蛍光体原料を混合し、焼成した後、粉砕及び分級する方法、蛍光体原料液を噴霧して液滴を得、液滴を乾燥及び焼成する方法等が挙げられる。
前者の蛍光体の製造方法では、蛍光体の焼成物を粉砕及び分級するため、得られる粒子の形状が不規則であると共に、粒度分布を一定にすることが困難である。一方、後者の蛍光体の製造方法は、噴霧熱分解合成法と称され、前者の方法より、形状及び粒度分布が均一な粒子を得ることができるという利点がある。
従来の噴霧熱分解合成法は、具体的には、蛍光体原料の硝酸、塩酸等の溶液を噴霧して液滴となし、これを乾燥して得られたものを焼成炉で熱分解して蛍光体を形成する方法である(例えば、特開平9−291275号公報:特許文献1)。
上記公報に記載された製造方法における蛍光体原料は、溶液中で、硝酸や塩酸の塩(以下、酸性塩)の形態で存在する。この方法では、蛍光体を構成する元素によっては乾燥工程で塩を分解できず、熱分解合成時に分解することになるが、そのとき硝酸塩はNOx、塩酸塩は塩素等といった有毒・腐食性ガスを発生する。通常、高温の熱分解合成炉はこのようなガスには対応しておらず、炉が汚染や腐食したり、炉から有毒ガスが発生したりするといった問題を生ずる。また、酸性塩は、潮解性をもつものが多く、乾燥工程から熱分解工程の間に大気にさらされると乾燥物が湿気を帯びて凝集してしまう。その結果、形状及び粒度分布の均一な粒子の製造が困難であった。
また、別の方法として、特開平6−287551号公報(特許文献2)中には、蛍光体原料液の液滴を沈殿剤(例:アンモニア)を含む溶液中へ飛散させ沈殿物を得、得られた沈殿物をろ過するという記述がある。この方法では凝集、腐食及び汚染という上記問題は解消されるが、中和反応により生成した水酸化物には溶解度の高いものがあり、濾過の際に流出してしまうという問題があった。
特開平9−291275号公報 特開平6−287551号公報
かくして、pH7未満の蛍光体原料の水性溶液を調製し、該蛍光体原料の水性溶液をアンモニア雰囲気下に噴霧して液滴を形成し、得られた液滴を乾燥することで乾燥物を得、該乾燥物を熱分解することで蛍光体を得ることを特徴とする蛍光体の製造方法が提供される。
本発明によれば、蛍光体の製造工程中の熱分解時にNOx、塩素等といった有毒・腐食性ガスを発生せず、潮解性の少ない蛍光体原料の乾燥物を得ることができ、加えて優れた生産効率の蛍光体の製造方法を提供できる。
以下、本発明を説明する。
まず、本発明の製造方法の概略を説明する。図1(a)に示すように、従来の蛍光体の製造方法では、蛍光体原料の水性溶液を噴霧して液滴化し、液滴を乾燥や沈殿後乾燥させることで、蛍光体の乾燥物を得、乾燥物を熱分解することで蛍光体を得ていた。この方法では、特に液滴及び乾燥物が潮解性を有するという課題あった。これに対して、本発明では、図1(b)に示すように、噴霧をアンモニア雰囲気で行うことで、液滴及び乾燥物の潮解性を低下させることができるので、生産効率を向上できる。
本発明の製造方法で得ることができる蛍光体としては、特に限定されず、公知の蛍光体が挙げられる。この内、真空紫外線の照射により励起し、可視光を発する蛍光体に使用することが好ましい。そのような蛍光体として、例えば、CaMgSi26:Eu、LaMgAl1119:Mn,Tb、BaMgAl1017:Eu、BaMg2Al1627:Eu、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al、Y2SiO5:Ce、Sr227:Eu、Sr3(PO42:Eu、CaWO4、LaPO4:Ce,Tb、CeMgAl1119:Tb、Y2SiO5:Ce,Tb、ZnSiO4:Mn、ZnS:Cu,Al、Y23:Eu、Y23S:Eu等が挙げられる。
本発明では、まず、蛍光体原料がpH7未満の水性溶液にされる。
蛍光体原料としては、特に限定されず、Mg、Al、Si、Ca、Ti、V、Mn、Zn、W、Be、Cd、B、P、Pb、Y、Sn、Eu、Ce、Tb、La、Cu、Ni及びGdから選択される元素の酸化物、水酸化物、無機酸塩等から選択できる。ここで、無機酸塩としては、炭酸塩、硝酸塩、塩酸塩等が挙げられる。
上記蛍光体原料の水性溶液に使用される溶媒には、水又は水と水溶性有機溶媒の混合物が含まれる。水溶性有機溶媒としてはメタノール、エタノール等の低級脂肪酸アルコール、酢酸エチルのような低級脂肪酸エステルが代表的なものとして挙げられる。その他、蛍光体材料の種類によって、水単独より高い溶解性を示しかつ水に溶解する有機溶媒であれば使用することができる。
本発明においては、蛍光体原料が水性溶液とされるが、その際のpHは7未満、すなわち酸性とする必要がある。蛍光体原料それ自体が水溶液としたとき酸性を示す、例えば無機酸塩や脂肪酸塩のものもあるが、通常は、無機酸、例えば塩酸、硝酸、硫酸等の添加によりpH7未満とすると、ほとんどの蛍光体原料は水に溶解する。
このようにして得られた蛍光体原料の水性溶液は、噴霧によって液滴化される。その際、アンモニア雰囲気下で噴霧すると、蛍光体原料の水性溶液は、中和反応により中性化される。また、使用する蛍光体原料によっては、中性化により液滴中に一部蛍光体原料が析出するものもあると考えられる。
なお、蛍光体原料の水性溶液は、蛍光体原料が全て溶解していることが好ましい。しかし、難溶性の蛍光体原料を使用する必要がある場合は、その原料をそのまま又は原料を溶解しうる溶媒に溶解して水性溶媒に混合することで、エマルジョン状態や懸濁状態とし、それを噴霧してもよい。
蛍光体原料の水性溶液の噴霧は、液滴を乾燥及び熱分解に付すことで得られる蛍光体の粒子径や粒度分布が所望の範囲となるように、適宜条件を設定して行うことができる。また、アンモニア雰囲気下のアンモニア濃度は、蛍光体原料の水性溶液中の蛍光体原料濃度以上であることが好ましい。これにより、蛍光体原料の水性溶液中の酸成分を中和することができる。より確実に酸成分を中和する観点から、アンモニア雰囲気下のアンモニア濃度は、蛍光体原料の水性溶液中の蛍光体原料濃度の5倍以上であることがより好ましい。
アンモニア雰囲気の形成方法としては、例えば、大気、水素、窒素等の気流中にアンモニア溶液を噴霧することにより形成する方法が挙げられる。
更に、得られた液滴を乾燥することで乾燥物を得る。この液滴の乾燥は、液滴の形成と別々に行っても、連続して行ってもよい。例えば、スプレードライ法のような方法で、液滴の形成と乾燥とを連続して行うことができる。乾燥条件としては、乾燥物が得られるなら特に限定されないが、300℃以下での加熱を、10秒〜2時間行うことが好ましい。乾燥温度は、100〜600℃の範囲であることがより好ましい。乾燥雰囲気としては、使用する蛍光体材料に応じて適宜、大気、水素、窒素等の雰囲気から選択できる。
上記液滴形成工程で、液滴中には酸成分とアンモニアとの塩が含まれるが、この塩は乾燥工程時の加熱により、分解するので容易に除去することができる。より具体的には、塩の一例である硝酸アンモニウムは、分解温度が210℃であり、乾燥工程時の加熱により分解除去することができる。その結果、熱分解工程における有毒ガス発生等の問題を解消できる。加えて、酸成分とアンモニアとの塩は、乾燥工程で分解除去されるので、蛍光体原料の水性溶液に含まれていた酸塩は、主として蛍光体と構成する元素の水酸化物からなることとなる。つまり、硝酸塩のような酸成分に由来する潮解性の物質の少ない乾燥物を得ることができる。
次いで、乾燥物を熱分解することで蛍光体を得ることができる。熱分解条件としては、蛍光体が得られるなら特に限定されないが、500〜1600℃の加熱を、1〜24時間行うことが好ましい。熱分解雰囲気としては、使用する蛍光体原料に応じて適宜、大気、水素、窒素等の雰囲気から選択できる。
本発明の製造方法によれば、液滴をアンモニア雰囲気下に通さない方法に比べて、粒度分布の狭い蛍光体を得ることができる。これは、アンモニア雰囲気下に通すことで得られた乾燥物の潮解性が、通さないものより少ないことで、乾燥物同士の融着が防止されるためである。例えば、本発明の製造方法によれば、10nm〜1μmの範囲の平均粒子径の粒子状の蛍光体を得ることができる。更に、平均粒子径を中心として、その平均粒子径の前後10%の範囲内の粒子径の粒子を主とし、粒子径の変動の少ない蛍光体を得ることができる。
更に、得られる蛍光体中の組成ずれを少なくしうる条件で熱分解してもよく、熱分解後、前記条件の熱処理を更に行ってもよい。この組成ずれは、蛍光体中の欠陥に由来していると考えられるが、上記熱処理をこの欠陥の生成確率の小さい温度範囲とし、所定時間熱処理に付すことで、欠陥を蛍光体表面に移動させることで蛍光体の組成ずれを小さくすることができる。熱処理温度及び処理時間は、蛍光体の種類、蛍光体の平均粒子径、欠陥の密度等を考慮して適宜設定できる。
例えば、真空紫外線の照射により励起する蛍光体は、多くの場合、数百〜数千Åの吸収長をもち、この吸収長に対応する粒子径で欠陥のない蛍光体を得ることができれば、表面欠陥によるエネルギーの損失は、一般的な数μm〜数十μmの粒子径の蛍光体と同等になる。つまり、欠陥を除去できれば高い変換効率の実現が期待できる。
具体的な平均粒子径としては、100〜10000Åの範囲が挙げられる。より好ましくは、100〜5000Åである。
ここで、蛍光体の大きさの下限は、エネルギー処理能力と内部の欠陥量で決定される。エネルギー処理能力は、蛍光体の母体と発光中心の元素の種類に依存し、これら元素は、優れたエネルギー伝達効率と高い発光中心の振動子強度を有することが好ましい。内部の欠陥量には、ショットキー欠陥や色中心の欠損型欠陥等が関連する。これら欠陥は、蛍光体のエネルギーバンド内に深い準位を形成することで、非発光ロスを大きくしている主要因である。
ショットキー欠陥の発生確率は、exp[−Es/(kBT)]でおおまかに見積もることができる。式中、Esは欠陥生成エネルギー、kBはボルツマン定数、Tはケルビン温度である。Esは、最も単純な場合、原子1個あたりの凝集エネルギーの1/2程度に対応する。イオン性結晶の蛍光体の場合、凝集エネルギーは、マーデルング・ポテンシャルの数分の1とみなすことができる。例えば、MgOの場合、近似的にEsを、マーデルング・ポテンシャルの1/2とすることができる。
この場合、Esは、Es≒(1/4)(Ze)2M/(4πε0R)で与えられる。式中、Zはイオン価で2、eは電気素量で1.60×1019C、ε0は真空の誘電率で8.854×1012F/m、RはMgとOの最隣接距離で2.16Å程度、AMはマーデルング定数で約1.748である。これら数値から上記式により、Es≒11.6eVとなる。
なお、NaClのようにイオン価が±1の物質では、Esが電荷の効果だけで1/4となるため、MgOより欠陥が生成しやすい。実際NaClのEsは1〜2eV程度とMgOより低い。
また、実際には、斥力ポテンシャルの寄与、格子位置の緩和現象によって、Esは少なくなる。この現象を加味して、Es=10eVの場合のショットキー生成確率を計算する。一般的な蛍光体の焼成温度である1500Kや1700Kでは、前記確率は2.7×10-34及び2.4×10-30となる。これらEsは非常に小さいため無視することができる。
つまり、蛍光体の組成ずれは、原料の配合、原料の混合不足等の製造工程上の問題に由来している。よって、原料の配合を正確に行い、かつ混合をミクロン〜ナノレベルで十分均一に行うことが重要である。
更に、上記したように、得られる蛍光体中の組成ずれを少なくしうる条件で熱分解すること、又は熱分解後、前記条件の熱処理を更に行うことが好ましい。
例えば、処理時間をt、欠陥の移動係数をD、蛍光体の平均粒子径をLとすると、√(Dt)≧Lの条件を満たすように、各値を設定することが好ましい。
ここで、Es=10eVで、熱分解温度が800℃の場合、ショットキー欠陥の生成確率は、3.2×10-47と小さく、組成ずれを抑えることが重要な課題であることがわかる。BAM等のスピネル構造の蛍光体にも含まれるMgの自己拡散速度Dは、Geochimica et Cosmochimica Acta,66(2002)p2903によれば、D=1.9×10-5exp(−3.37×10-19/kBT)cm2/sで与えられるので、800℃では2.5×10-15cm2/sとなる。
従って、24時間焼成すると拡散距離√(Dt)は、0.15μmとなる。つまり、蛍光体の平均粒子径が、0.1μmオーダーであるなら、800℃で数日焼成すれば内部の欠陥を表面に移動させて、熱平衡状態とすることができる。
なお、蛍光体の組成ずれは、できるだけ小さいことが好ましく、5%以下であることがより好ましい。なお、組成ずれの測定方法は、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)による元素分析から算出した値を意味する。
本発明の蛍光体は、蛍光ランプのような照明装置、PDP、CRT、蛍光表示管、X線撮像管等の表示装置に用いることができる。以下では、図2のPDPに本発明の蛍光体を適用した例について述べる。
図2のPDPは、3電極AC型面放電PDPである。なお、本発明は、このPDPに限らず、蛍光体を含むPDPであればどのような構成にも適用できる。例えば、AC型に限らずDC型でもよく、反射型及び透過型のいずれのPDPにも使用できる。
図2のPDP100は、前面基板と背面基板とから構成される。
まず、前面基板は、一般的に、基板11上に形成された複数本の表示電極、表示電極を覆うように形成された誘電体層17、誘電体層17上に形成され放電空間に露出する保護層18とからなる。
基板11は、特に限定されず、ガラス基板、石英ガラス基板、シリコン基板等が挙げられる。
表示電極は、ITOのような透明電極41からなる。また、表示電極の抵抗を下げるために、透明電極41上にバス電極(例えば、Cr/Cu/Crの3層構造)42を形成してもよい。
誘電体層17は、PDPに通常使用されている材料から形成される。具体的には、低融点ガラスとバインダとからなるペーストを基板上に塗布し、焼成することにより形成できる。
保護層18は、表示の際の放電により生じるイオンの衝突による損傷から誘電体層17を保護するために設けられる。保護層18は、例えば、MgO、CaO、SrO、BaO等からなる。
次に、背面基板は、一般的に、基板21上に前記表示電極と交差する方向に形成された複数本のアドレス電極A、アドレス電極Aを覆う誘電体層27、隣接するアドレス電極A間で誘電体層27上に形成された複数のストライプ状の隔壁29、隔壁29間に壁面を含めて形成された蛍光体層28とからなる。なお、隔壁29は、マトリックス状、デルタ状等の他の構造を有していてもよい。また、誘電体層27を設けず、基板上に直接隔壁29を形成してもよい。
基板21及び誘電体層27には、前記前面基板を構成する基板11及び誘電体層17と同種類のものを使用できる。
アドレス電極Aは、例えば、Al、Cr、Cu等の金属層や、Cr/Cu/Crの3層構造からなる。
隔壁29は、低融点ガラスとバインダとからなるペーストを誘電体層27上に塗布し、乾燥した後、サンドブラスト法で切削することにより形成できる。また、バインダに感光性の樹脂を使用した場合、所定形状のマスクを使用して露光及び現像した後、焼成することにより形成することも可能である。
図2では、隔壁29間に蛍光体層28が形成されているが、本発明の蛍光体はこの蛍光体層28の原料として使用できる。蛍光体層28の形成方法は、特に限定されず、公知の方法が挙げられる。例えば、溶媒中にバインダが溶解された溶液に蛍光体を分散させたペーストを、隔壁29間に塗布し、空気雰囲気下で焼成することにより蛍光体層28を形成できる。
次に、上記前面基板と背面基板を、表示電極(41、42)とアドレス電極Aが直交するように、両電極を内側にして対向させ、隔壁29により囲まれた空間に放電ガスを充填することによりPDP100を形成できる。
なお、上記PDPでは放電空間を規定する隔壁、誘電体層及び保護膜の内、背面基板側の隔壁と誘電体層上に蛍光体層を形成しているが、同様の方法により前面基板側の保護膜上にも蛍光体層を形成してもよい。
実施例
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
2.94gの粉末状のCaCO3、1.21gの粉末状のMgO及び0.0106gの粉末状のEu23を10mlの硝酸溶液(硝酸濃度60%)に溶解した。得られた溶液に蒸留水を加えて100mlとした。得られた水溶液のpHは5.4であった。
次いで、上記水溶液とは別に、12.5gのSi(C25O)4を100mlのエタノールに溶解した。更に、水溶液とエタノール溶液とを混合した。
上記混合液をアンモニア雰囲気下に噴霧することで、混合液の液滴を得た。アンモニア雰囲気は、3mol/lのアンモニア水を混合液の倍の流量になるように噴霧することで形成した。
得られた液滴を、250℃で1時間加熱することで乾燥物を得た。得られた乾燥物には、潮解性がなかった。
乾燥物を、水素と窒素の混合雰囲気中、1200℃で4時間熱分解することで、CaMgSi26:Euで表される粒子状の青色蛍光体が得られた。
なお、青色蛍光体の平均粒子径は0.5μmであり、0.45〜0.55μmの粒度分布であった。ここで、平均粒子径及び粒度分布は、レーザー回折式粒度分布計により測定した値である。
比較例1
混合液を噴霧する際の雰囲気が大気雰囲気であり、アンモニア雰囲気下でないこと以外は実施例1と同様にして乾燥物を得た。得られた乾燥物は、硝酸塩を含んでおり、潮解性を有していた。乾燥物中の硝酸を除去するには、560℃以上の加熱が必要であった。
なお、実施例1と比較例1の蛍光体の発光特性は同程度であった。
実施例2
1.14gの粉末状のLa23、0.39gの粉末状のMgO、10.78gの粉末状のAl(OH)3、0.06gの粉末状のMnCO3及び0.55gの粉末状のTb23を30mlの硝酸溶液(硝酸濃度60%)に溶解した。得られた溶液に蒸留水を加えて100mlとした。得られた水溶液のpHは5.2であった。
上記水溶液をアンモニア雰囲気下に噴霧することで、水溶液の液滴を得た。アンモニア雰囲気は、3mol/lのアンモニア水を混合液の倍の流量になるように噴霧することで形成した。
得られた液滴を、350℃で1時間加熱することで乾燥物を得た。得られた乾燥物には、潮解性がなかった。
乾燥物を、水素と窒素の雰囲気中、1450℃で4時間熱分解することで、LaMgAl1119:Mn,Tbで表される粒子状の緑色蛍光体が得られた。
なお、緑色蛍光体の平均粒子径は0.5μmであり、0.45〜0.55μmの粒度分布であった。
得られた緑色蛍光体の個々の粒子をEDSにより元素分析に付した。その結果、緑色蛍光体の理想値からの組成ずれは、分析装置の分解能以下(5%以下)であった。
比較例2
実施例1の蛍光体原料をそのまま混合し、混合物を水素と窒素の雰囲気中、1450℃で4時間熱分解することで、LaMgAl1119:Mn,Tbで表される粒子状の緑色蛍光体を得た。得られた蛍光体の組成ずれを実施例2と同様にして測定したところ、10%以上であった。
また、実施例2と比較例2の発光強度を測定したところ、実施例2の蛍光体は、比較例2よりも発光強度が20%向上していた。なお、発光強度は、分光器で分光された重水素ランプ光源からの光(147nm)により励起した蛍光体から得られる発光を光電子倍増管(フォトマルチプライヤー)により測定した。
本発明の蛍光体は、蛍光ランプのようなガス放電装置、PDPのような表示装置用の蛍光体として好適に使用することができる。
本発明と従来の蛍光体の製造方法の概略説明図である。 PDPの概略斜視図である。
符号の説明
11、21 基板
17、27 誘電体層
18 保護層
28 蛍光体層
29 隔壁
41 透明電極
42 バス電極
100 PDP
A アドレス電極

Claims (6)

  1. pH7未満の蛍光体原料の水性溶液を調製し、該蛍光体原料の水性溶液をアンモニア雰囲気下に噴霧して液滴を形成し、得られた液滴を乾燥することで乾燥物を得、該乾燥物を熱分解することで蛍光体を得ることを特徴とする蛍光体の製造方法。
  2. 前記アンモニア雰囲気下のアンモニア濃度が、前記蛍光体原料の水性溶液中の蛍光体原料濃度以上である請求項1に記載の蛍光体の製造方法。
  3. 前記アンモニア雰囲気下のアンモニア濃度が、前記蛍光体原料の水性溶液中の蛍光体原料濃度の5倍以上である請求項2に記載の蛍光体の製造方法。
  4. 前記蛍光体原料が、Mg、Al、Si、Ca、Ti、V、Mn、Zn、W、Be、Cd、B、P、Pb、Y、Sn、Eu、Ce、Tb、La、Cu、Ni及びGdから選択される元素の化合物から選択される請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光体の製造方法。
  5. 前記蛍光体原料の水性溶液が、蛍光体原料の硝酸塩水溶液を含む請求項1に記載の蛍光体の製造方法。
  6. 前記蛍光体原料の水性溶液が、前記元素の酸化物、水酸化物又は無機酸塩を硝酸で溶解することにより得られた水溶液を少なくとも含む請求項1に記載の蛍光体の製造方法。
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