JP2005104940A - 芳香族カルボニル化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アルキル置換基を有する芳香族化合物を直接酸素酸化することにより芳香族カルボニル化合物を高収率かつ高選択率で製造する方法を提供する。特に、メチル置換基を有する芳香族化合物を直接酸素酸化して芳香族アルデヒド類を製造する工業的に実施可能な価値ある製法を提供する。
【解決手段】 アルキル置換基を有する芳香族化合物と酸素とを担持型貴金属触媒存在下に非プロトン性極性有機溶媒中にて反応させることを特徴としている。本発明によると、芳香族化合物のアルキル置換基を酸素酸化することによって、芳香族カルボニル化合物を従来になく高い選択率で製造することができる。また、触媒が固体なので液状生成物との分離が極めて容易であり工業的な実施に好適である。
【選択図】 なし
【解決手段】 アルキル置換基を有する芳香族化合物と酸素とを担持型貴金属触媒存在下に非プロトン性極性有機溶媒中にて反応させることを特徴としている。本発明によると、芳香族化合物のアルキル置換基を酸素酸化することによって、芳香族カルボニル化合物を従来になく高い選択率で製造することができる。また、触媒が固体なので液状生成物との分離が極めて容易であり工業的な実施に好適である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、アルキル置換基を有する芳香族化合物と酸素とを担持型貴金属触媒存在下に極性有機溶媒中にて反応させることを特徴とする芳香族カルボニル化合物の製造方法に係わるものである。
芳香族カルボニル化合物を製造する従来の方法、特にアルキル置換基を有する芳香族化合物を酸素酸化して芳香族アルデヒドとする方法は、高収率高選択率で製造することが困難であった。これは生成物であるアルデヒドが逐次酸化を受け易くカルボン酸にまで酸化されることが主な原因と考えられる。従って、従来の製造方法は、芳香族カルボン酸製造時の副生成物として製造されるか、または、別の酸化方法もしくは別の原料からの別反応による製法が一般に用いられている。
例えば、ヒドロキシベンズアルデヒド類の製法としては、従来、フェノールを原料として水酸化ナトリウム/メタノール溶液中クロロホルムと作用させるReimer-Tiemann反応に基づく方法(特許文献1参照)や、塩素によりヒドロキシベンジルジクロライドとし、さらに加水分解する方法(特許文献2参照)が一般的である。これらの方法は反応収率は高いものの、副生成物が多量生成する、精製が煩雑となるなどの問題がある。
クレゾール類の直接酸素酸化によりヒドロキシベンズアルデヒド類を製造する方法の提案として、例えば、銅とコバルトを含む触媒を用いる方法(非特許文献1参照)、金属酸化物触媒を用いて気相酸化する方法(特許文献3参照)などがあるが、工業的に実施するにはまだ十分な性能でないというのが現状である。また、多量の塩基(NaOHなど)を用いてコバルト等の化合物を触媒とする酸素酸化が提案されているが工程上副生塩が多量生成するという問題点を有している(特許文献4及び非特許文献2参照)。
また、金(Au)を含む触媒を用いる関連する酸化反応としてアルコールを酸化してアルデヒドやケトンなどのカルボニル化合物を生成する反応が知られている。例えば、芳香族アルコール類を原料にして酸素酸化にて芳香族アルデヒドを合成する方法に関する報告例もある(非特許文献3参照)。本発明はアルコールでなくアルキル置換基を有する芳香族化合物を原料としアルキル置換基を酸化するという点において汎用性に優れかつこれらの酸化反応とは本質的に異なるものである。
アルキル置換基を有する芳香族化合物を直接酸素酸化することにより芳香族カルボニル化合物を高収率かつ高選択率で製造する方法を提供する。特に、メチル置換基を有する芳香族化合物を直接酸素酸化して芳香族アルデヒド類を製造する工業的に実施可能な価値ある製法を提供する。
本願発明者らは、かかる従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アルキル置換基を有する芳香族化合物と酸素とを担持型貴金属触媒存在下に非プロトン性極性有機溶媒中にて反応させることを特徴とする芳香族カルボニル化合物の製造方法を見出し本発明を完成するに至った。すなわち、
1.アルキル置換基を有する芳香族化合物と酸素とを担持型貴金属触媒存在下に非プロトン性極性有機溶媒中にて反応させることを特徴とする芳香族カルボニル化合物の製造方法
2.担持型貴金属触媒がRu、Rh、Pd、Ir、Ptのいずれか1種以上の元素とAuとを含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法
3.該アルキル置換基を有する芳香族化合物が水酸基を有することを特徴とする1または2に記載の製造方法
4.さらに、反応の際に、水及び/またはポリオールを同時に存在させることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の製造方法
1.アルキル置換基を有する芳香族化合物と酸素とを担持型貴金属触媒存在下に非プロトン性極性有機溶媒中にて反応させることを特徴とする芳香族カルボニル化合物の製造方法
2.担持型貴金属触媒がRu、Rh、Pd、Ir、Ptのいずれか1種以上の元素とAuとを含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法
3.該アルキル置換基を有する芳香族化合物が水酸基を有することを特徴とする1または2に記載の製造方法
4.さらに、反応の際に、水及び/またはポリオールを同時に存在させることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の製造方法
本願発明ではアルキル置換基を有する芳香族化合物と酸素とを担持型貴金属触媒存在下に非プロトン性極性有機溶媒中にて反応させることにより芳香族カルボニル化合物を高効率かつ高選択的に製造することができる。特に、メチル置換基を有する芳香族化合物を直接酸素酸化して芳香族アルデヒド類を高効率かつ高選択的に製造する方法として有効である。
本発明は、芳香族カルボニル化合物の新規な製造方法に関するものであり、その製法は、アルキル置換基を有する芳香族化合物と酸素とを担持型貴金属触媒存在下に非プロトン性極性有機溶媒中にて反応させることを特徴とする。
触媒については、貴金属を担体に担持した触媒である限り特に限定はない。貴金属の種類は、目的とする反応が進行する限り特に限定されるものではない。Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Auのいずれか1種の元素を含んでいればよいが、それら2種以上の元素が含まれていてもよい。さらに、Ru、Rh、Pd、Ir、Ptのいずれか一種以上の元素とAuとを含む触媒が好ましく、またさらにはRh、Pd、PtのいずれかとAuを含む触媒がその性能上最も好ましい。
担体に担持される上記金属の担持量は、担体に対して、0.01〜30重量%、好ましくは、0.1〜10重量%である。0.01重量%未満では触媒性能が十分発揮されず、30重量%より多い場合では貴金属当りの活性の向上が認められず高価な貴金属を使用するためコスト上効果的でない。
本発明の触媒は、Auと他の貴金属とを同時に含有していることが触媒性能上好ましく、その含有形態は特に限定されないが、Auと他の貴金属とが一つの金属粒子内に存在して担体上に担持されていることが通常好ましい。すなわち、Auと他の貴金属とが、合金または金属間化合物からなる金属粒子として担体上に担持されていることが触媒性能上好ましい。また、Auと他の貴金属との組成については、特に限定されないが、原始比で、Auを1として、他の貴金属を0.01〜100の範囲が好ましく、0.1〜10の範囲がさらに好ましい。これら、貴金属の金属粒子には、触媒性能に影響しない範囲で上記貴金属以外の他の元素が含まれていても構わない。例えば、周期律表5〜8族の遷移元素、1B〜5Bの典型元素、ランタノイド及びアクチノイド類などである。
また、これら貴金属が金属粒子として担体に担持されていていることが好ましく、通常、100nm以下の微粒子として担体に担持されていることが高い触媒活性が期待できるという点で望ましい。金属微粒子の平均粒子径がより小さいことが好ましく、具体的には10nm以下が好ましく、6nm以下がさらに好ましく、5nm以下であることが特に好ましい。平均粒子径の下限値は特に制限されないが、物理的安定性の見地より約5nm程度とすればよい。なお、金属微粒子の平均粒子径は、担体上の粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)による観察により任意に選ん300個以上の粒子のうち1)大きい順に上から10%及び2)小さい順に下から10%を除いた残り80%に相当する粒子径の算術平均値を示す。また、金属微粒子の粒子径分布の極大値が1〜10nm、好ましくは1〜6nm、特に1〜5nmの範囲にあることが好ましい。また、粒子径の分布は狭い方が好ましく、上記300個以上の粒子の粒子径の標準偏差(Standard Deviation)が2以下、特に1.5以下であることが好ましい。
本発明に用いられる触媒の担体は、上記貴金属を含む金属粒子を安定的に担持でき、かつ、使用条件下において物理的及び化学的耐久性に優れて長期的な使用に耐えうる限り特に限定されるものではない。それら担体として、例えば、(1)シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシアなどの代表的な金属酸化物、(2)シリカーアルミナ、シリカーチタニア、シリカージルコニア、チタニアージルコニアなどの複合酸化物、(3)シリカ担体に種々の元素(例えば、アルミニウム、チタン、ジルコニム、ランタノイド類またはアクチノド類などから選ばれる1種以上の元素など)が担持されたシリカ系担体、(4)アルミナ担体に種々の元素(例えば、シリコン、チタン、ジルコニウム、ランタノイド類またはアクチノド類などから選ばれる1種以上の元素など)が担持されたアルミナ系担体、(5)ZSM−5やMCM−41など規則性細孔を有するゼオライト及びメソポーラスシリケート系担体、(6)活性炭、フラーレン、カーボンナノチューブ等の炭素材料、などが好適に使用することができる。
これら担体のうち、チタニア、ジルコニア、シリカーチタニア、シリカージルコニア、シリカ担体にチタン及び/またはジルコニアを担持したものなどが特に好ましく使用できる。
本発明の触媒には、本発明の効果を妨げない限り、他の成分が含まれていてもよい。例えば、アルカリ金属(Na、Ka等)、アルカリ土類(Mg、Ca、Ba等)、希土類(La、Ce等)が含まれていてもよい。
触媒の一般的性状として、比表面積が大きく、機械的強度が高く、耐腐食性などの化学的耐久性に優れたものが好ましい。比表面積(BET法)は通常10m2/g以上、特に50m2/g以上であることがより好ましく、100〜800m2/g程度のものが特に好ましい。比表面積が10m2/g未満では金属粒子を担持しにくく担持できても担持量が少ないか粒子径が大きくなり実用的には不適となり易い。
また、触媒自体の形状・大きさは限定的でなく、反応形態に応じて適宜設定すればよい。例えば、反応形態として触媒を固定床型式で用いる際には0.1〜50mm程度の大きさの球状、円柱状、リング状などの形状のものが好適に使用され、また、触媒を流動床型式または懸濁床型式で用いる際には1〜500μm程度の大きさの球状または破砕状などの形状のものが好適に使用される。
触媒の調製方法については、本発明の芳香族カルボニル化合物の製法に適した触媒が調製される限り特に限定されるものでない。8族元素のいずれか1種以上とAgまたはAuのいずれか1種以上とを担体上に担持する方法についても、特に限定的でなく、公知の方法を適用できる。担持方法自体は、例えば共沈法、析出沈殿法、含浸法、気相蒸着法等の公知の方法を利用できる。これらの方法の内で、共沈法、析出沈殿法等が好ましく、特に析出沈殿法が好ましい。
ここでは、本発明に特徴的なRu、Rh、Pd、Ir、Ptのいずれか一種以上の元素とAuとが10nm以下の金属微粒子として担体に担持されている触媒について、その好適な調製方法について、以下説明する。
Ru、Rh、Pd、Ir、Ptのいずれか一種以上の元素とAuとを担体に担持する順序については、特に限定的ではなく、両者を同時に担持させてもよく(同時担持法)、或いは、いずれか一方を担持させた後、他方を担持させてもよい(交互担持法)。特に、両者を同時に担持させる方法が好ましい。
(1)同時担持法
金を含む水溶性化合物と元素を含む水溶性化合物を溶解した水溶液に担体を添加して該担体上にRu、Rh、Pd、Ir、Ptのいずれか一種以上(以下「Pd等」と呼ぶ)の元素含む沈殿物及びAuを含む沈殿物を析出させた後、焼成することによって目的とする触媒を得ることができる。必要に応じて乾燥や還元処理等の操作を行うこともできる。
金を含む水溶性化合物と元素を含む水溶性化合物を溶解した水溶液に担体を添加して該担体上にRu、Rh、Pd、Ir、Ptのいずれか一種以上(以下「Pd等」と呼ぶ)の元素含む沈殿物及びAuを含む沈殿物を析出させた後、焼成することによって目的とする触媒を得ることができる。必要に応じて乾燥や還元処理等の操作を行うこともできる。
金を含む水溶性化合物については、水溶性であれば限定されず、例えば、テトラクロロ金酸HAuCl4、テトラクロロ金酸ナトリウムNaAuCl4、ジシアノ金酸カリウムKAu(CN)2、ジエチルアミン金三塩化物(C2H5)2NH・AuCl3、シアン化金AuCN等が例示できる。これらの化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
Pd等を含む水溶性化合物については、水溶性であれば限定されず、例えば、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物(塩化物、臭化物、沃化物)、カルボン酸塩(酢酸塩、蟻酸塩など)、アセチルアセトナート塩、アンミン錯体、ホスフィン錯体などが挙げられる。これらのうちで、硝酸塩、カルボン酸塩、アンミン錯体などがより好ましく、アンミン錯体が特に好ましく使用できる。
本発明触媒を製造するには、まず、Au化合物とPd等を含む化合物を水に溶解して水溶液を調製する。これらの化合物を溶解する方法については、特に限定はなく、各化合物を同時に溶解させてもよく、或いは、いずれか一方を溶解させた後、他方を溶解させてもよい、この際の温度は、例えば、30〜80℃程度とすればよい。
Au化合物の使用量は、担体の種類や比表面積、形状、使用量等にもよるが、水溶液中の金化合物の濃度が0.001〜10mol/L程度の範囲内となる量が好ましい。上記の濃度範囲であれば、金化合物の沈殿物の析出量が充分となり、また、金化合物粒子の凝集を防止することができるために沈殿物を超微粒子の状態で析出させることができる。従って、金化合物の沈殿物を担体上に担持させた後の水溶液中に残存する化合物の量を極めて少なくすることができる。
Pd等の化合物の使用量についても、担体の種類や比表面積、形状、使用量等にもよるが、水溶液中のPd等の化合物の濃度が0.01〜10mmmol/L程度の範囲内となる量が好ましい。上記の濃度範囲であれば、Pd等の化合物の沈殿物の析出量が充分となり、また、Pd等の化合物粒子の凝集を防止することができるために沈殿物を超微粒子の状態で析出させることができる。従って、Pd等の化合物の沈殿物を担体上に担持させた後の水溶液中に残存する化合物の量を極めて少なくすることができる。
Au化合物とPd等の化合物を含有する水溶液のpHは、特に限定的ではないが、6〜11程度の範囲とすることが好ましい。該水溶液のpHを上記範囲に調整するには、アルカリ性を呈する化合物を適宜添加すればよい。この様な化合物としては、特に限定的ではないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等を用いることができる。これらの化合物は、固体状態として添加してもよく、或いは、水に溶解して添加してもよい。
Au化合物とPd等の化合物を含有する水溶液には、該水溶液中に含まれる成分の分散性を向上させるために、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、例えば、長鎖アルキルスルホン酸及びその塩、長鎖アルキルベンセンスルホン酸及びその塩、長鎖アルキルカルボン酸及びその塩、アリールカルボン酸及びその塩等のアニオン性界面活性剤;長鎖アルキル4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフェノール等のノニオン性界面活性剤;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら界面活性剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
上記例示の界面活性剤のうち、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤がより好ましく、アニオン性界面活性剤が特に好ましい。また、アニオン性界面活性剤のうち、炭素数が8以上の長鎖アルキルスルホン酸及びその塩、炭素数が8以上の長鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、炭素数8以上の長鎖アルキルカルボン酸及びその塩、アリールカルボン酸及びその塩等がより好ましい。界面活性剤の使用量は、該界面活性剤や金化合物、アンカー元素化合物、担体の種類、組み合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではないが、水溶液中の界面活性剤の濃度が0.1〜10mmol/Lの範囲内となる量がより好ましい。
その後、該水溶液中に担体を添加し、攪拌することによって、担体が水溶液中に分散されて懸濁し、該担体上にAu化合物とPd等の化合物の沈殿物が析出する。この際の温度は30〜80℃程度が好ましい。また、析出時間は、通常、10分〜5時間程度である。
次いで、沈殿物が表面に付着した担体を、必要に応じて水洗した後、焼成することによって、目的とする触媒を得ることができる。焼成温度は、150〜800℃程度、好ましくは300〜800℃程度とすればよい。焼成方法は、特に限定されるものではなく、空気中にあってもよく、窒素やヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガス中であってもよい。また、加熱時間は、加熱温度も応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。焼成することにより、金とアンカー元素が担体表面に強固に固定化される。
更に、必要に応じて、還元処理を行うことによって本発明触媒を得ることができる。還元処理としては、(1)水素、一酸化炭素、アルコール(例えば、メタノール)等の還元性ガスを含むガスを100〜800℃程度、好ましくは150〜600℃程度の温度下に接触させる方法、及び(2)ホルマリン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、ギ酸等の還元剤を用いて、水媒体中で0〜100℃程度、好ましくは30〜80℃程度の温度下で還元処理を行い、その後、50〜150℃程度の温度下に乾燥させる方法の、2種類の方法を好ましく利用できる。
(2)交互担持法
Au化合物及びPd等の化合物の何れか一方を担体上に析出させた後、乾燥又は焼成し、その後、他方の化合物を担体上に析出させて、乾燥及び/または焼成し、必要に応じて還元処理することによって、目的とする触媒を得ることができる。
Au化合物及びPd等の化合物の何れか一方を担体上に析出させた後、乾燥又は焼成し、その後、他方の化合物を担体上に析出させて、乾燥及び/または焼成し、必要に応じて還元処理することによって、目的とする触媒を得ることができる。
金化合物を担体上に担持させる方法については、上記した同時担持法と同様の条件で析出沈殿法を適用することができる。
Pd等の化合物を担体上に担持する方法については、特に限定的でなく、従来の方法に従って行うことができる。例えば、含浸法、イオン交換法、気相蒸着法等が挙げられる。このうち、含浸法が好適に使用できる。例えば、Pd等の化合物を溶解した溶液に担体を添加した後、当該溶液から固形分を回収することによって、Pd等の化合物を担体上に担持することができる。
Pd等の化合物が溶解した溶液は、該化合物及びそれが溶解する溶媒の組み合わせを用いることにより調製できる。溶媒としては特に限定はないが、水、有機溶媒等を用いることができる。有機溶媒としては、例えばアルコール、ケトン。芳香族炭化水素、カルボン酸エステル、ニトリル等を挙げることができる。特に、水及びアルコール(特にメタノール及びエタノール)の少なくとも1種を用いることが好ましい。従って、Pd等の化合物としては、水又はアルコールに溶解する化合物を用いることが好ましい。
溶液中のPd等の化合物の濃度は、該化合物の種類、溶媒の種類等に応じて適宜決定できるが、通常は0.01〜10mmol/L程度とすればよい。
Pd等の化合物が溶解した溶液から固形分を回収する方法は限定的ではないが、Pd等の化合物が担体に担持されるようにすればよく、例えばエバポレーター等を用いて溶媒を留去することが好ましい。
上記した方法によって、担体上にAu化合物及びPd等の化合物を順次担持させた後、焼成することによって、Au及びPd等が金属粒子として担持された触媒を得ることができる。焼成条件については、上記した同時担持法と同様でよい。更に、その後、必要に応じて、上記した同時担持法と同様に還元処理を行うことが好ましい。
尚、Au及びPd等の化合物の何れか一方を担体上に析出させた後、他方の化合物を担体上に析出させる前に、担体を乾燥又は焼成するが、この場合の条件については、特に限定的ではなく、空気中で常温又は150℃程度以下の加熱下に乾燥する方法や、上記した焼成と同様の条件で焼成する方法等を適用できる。更に、必要に応じて、上記した還元処理を行うことによって本発明触媒を得ることができる。
本発明の芳香族カルボニル化合物の製造方法は、アルキル置換基を有する芳香族化合物と酸素とを上記触媒の存在下に有機溶媒中にて反応させることを特徴としている。本発明によると、芳香族化合物のアルキル置換基を酸素酸化することによって、芳香族カルボニル化合物を従来になく高い収率及び選択率で製造することが可能となる。
上記のアルキル置換基を有する芳香族化合物としては、アルキル置換基が直接芳香環に結合した芳香族化合物であれば何ら限定されない。例えば、(1)トルエン、キシレン類、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、メチルクメン類、プソイドクメン、メチルナフタレン類などのアルキル置換基を有する芳香族化合物、(2)クレゾール類やメチルナフトール類などのアルキル置換基に加えて水酸基を有する芳香族化合物、(3)アニソール、メチルカテコール類、メチルベンゾキノン、メチルナフトール類、メチルナフトキノン類、ニトロトルエン類、メチルアニリン類などのアルキル置換基に加えて含酸素または含窒素置換基を有する芳香族化合物、などを例示することができる。これらのうちで、(2)のアルキル置換基に加えて水酸基を有する芳香族化合物を好適に用いることができる。すなわち、o―、m―及びp―クレゾールなどのクレゾール類、2―メチル―1―ナフトール、4―メチル―1―ナフトール、7―メチル―1―ナフトール、1―メチル―2―ナフトールなどのメチルナフトール類が好適に用いられる。特に、o―、m―及びp―クレゾールなどのクレゾール類を好適に用いることができる。これらアルキル置換基を有する芳香族化合物は、1種又は2種以上で用いることができる。
本発明の芳香族カルボニル化合物としては、芳香族アルデヒド及び芳香族ケトンの2種に大きく分けられる。また、本発明の製造方法では、目的とする芳香族カルボニル化合物の種類によって使用する原料の上記芳香族化合物を適宜選択すればよい。例えば、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、p―ヒドロキシベンズアルデヒドなどの芳香族アルデヒドを製造する場合には、各々、トルエン、o―クレゾール、p―クレゾールなどのメチル置換基を有する芳香族化合物を原料に用いればよい。また、アセトフェノン、エチルフェニルケトン、ジフェニルケトンなどの芳香族ケトンを製造する場合には、各々、エチルベンゼン、n―プロピルベンゼン、ジフェニルメタンなどの炭素数2以上のアルキル置換基を有する芳香族化合物を原料に用いればよい。
本発明における非プロトン性極性有機溶媒は、非プロトン性かつ極性の有機溶媒を示す。その具体例としては、(1)ジエチルエーテル、ジイソプルピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、(2)1、4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル類、(3)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、(4)酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、イソブタン酸エチル、乳酸メチル、マレイン酸ジメチル等のエステル類、(5)ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン等のハロゲン類、(6)ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の含S及び含N化合物、などを好適に用いることができる。
これらのうちで、(1)〜(3)の各種エーテル類及びケトンが好ましく用いられ、特に(2)の環状エーテル類がより好ましく使用できる。また、これら有機溶媒の使用量は、原料となる芳香族化合物に対するモル比で、1〜100程度の範囲が好適であり、2〜50程度の範囲がさらに好ましい。使用量が少ない場合には反応成績としての選択性が低くなるため望ましくなく、使用量が多いと生産性の低下や溶媒回収コストが向上して望ましくない。
非プロトン性でない溶媒、例えば、酢酸やメタノールなどの極性はあるがプロトン性の溶媒の使用では、芳香族カルボン酸や芳香族カルボン酸エステルまで酸化されてしまうことにより、目的とする芳香族カルボニル化合物の選択率が低くなる傾向がある。この傾向は芳香族アルデヒド製造の場合に特に顕著に認められる。また、極性でない溶媒、例えば、シクロヘキサンやベンゼンなどの非プロトン性だが非極性の溶媒の使用では、上記と同様に目的とする芳香族カルボニル化合物の選択率が低いものとなるだけでなく、活性も低いものとなる傾向がある。
本発明の製造方法においては、上記触媒、アルキル置換基を有する芳香族化合物、非プロトン性極性有機溶媒、及び、酸素を必須成分とするが、これら以外に、反応性能や触媒寿命に対して悪影響を及ぼさない限り他のあらゆる物質を反応の際に同時に存在させることができる。これら反応時に同時に存在させてもよい物質のうちで、反応性能に好ましい影響を与える物質として、水及びポリオールが挙げられる。水及び/またはポリオールを反応の際に上記必須成分と同時に存在させることにより、活性及び選択性の向上をもたらす場合がある。特に、水酸基を有する芳香族化合物を原料に用いる場合に、酸化反応の副生物であるポリマー状重質分の生成が抑制されることにより選択性の向上が見られその効果が顕著に現れる。
本発明の製造法においては、水は酸化反応生成物として生成するため系外に積極的に除去しない限り通常一定量の水の存在が認められる。生成水を含めた水の反応時における存在量は、原料となる芳香族化合物に対するモル比で、0.1〜100程度の範囲が好適であり、1〜50程度の範囲がより好適である。存在量が少ない場合には顕著な効果が現れず、存在量が多いと効率が低くなるためともに好ましくない。
ポリオールとは具体的には水酸基を2個以上有するアルコールを示すが特に限定されない。通常は水酸基数2〜6個程度を有するポリオールが好ましく、水酸基2個のジオールまたは3個のトリオールがより好ましく、ジオールが特に好ましい。ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオールなどが挙げられる。これらジオールの反応時における存在量は、原料となる芳香族化合物に対するモル比で、0.001〜1程度の範囲が好適であり、0.01〜0.5程度の範囲がより好適である。存在量が少ない場合には顕著な効果が現れず、存在量が多いと効率が低くなるためともに好ましくない。
本発明では、アルキル置換基を有する芳香族化合物と酸素との反応を有機溶媒(非プロトン性極性溶媒)と触媒の存在下に行う。上記反応は、通常、気液固3層からなる状態で実施される。すなわち、酸素が気体として反応器に導入され、アルキル置換基を有する芳香族化合物、有機溶媒及び生成物が液相をなし、触媒が固体として使用される。
酸素(酸素ガス)は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガスで希釈されていてもよい。また、酸素は、空気等の酸素含有ガスを用いることもできる。上記反応の形態としては、連続式、回分式、半回分式等の何れであってもよく、特に限定されるものではない。触媒は、反応形態として回分式を採用する場合には、反応装置に原料とともに一括して仕込めばよい。また、反応形式として連続式を採用する場合には、反応装置に予め上記触媒を充填しておくか、或いは反応装置に原料とともに触媒を連続的に仕込めばよい。触媒は、固定床、流動床、懸濁床等の何れの形態であってもよい。
上記触媒の使用量は、芳香族化合物と溶媒との組み合わせ、触媒の種類、反応条件等に応じて適宜決定すればよい。反応時間は特に限定されるものではなく、設定した条件により異なるが、通常は反応時間又は滞留時間(反応器内滞留液量/液供給量)として0.5〜20時間程度とすればよい。反応温度、反応圧力等の諸条件は、芳香族化合物と溶媒との組合せ、触媒の種類に応じて適宜決定すればよい。
反応温度は、通常0〜300℃程度、好ましくは20〜250℃程度、さらに好ましくは50〜200℃程度とすればよい。この範囲内の温度に設定することにより、いっそう効率的に反応を進行させることができる。反応圧力は、減圧、常圧又は加圧の何れであってもよいが、通常は0〜5MPa(ゲージ圧)、特に0〜3MPaの範囲内が好適である。使用する触媒量は特に限定されるものではなく、設定した条件により異なるが、通常、使用する原料であるアルキル置換基を有する芳香族化合物に対して重量比で0.001〜2の範囲、好ましくは0.005〜1の範囲、より好ましくは0.01〜0.5の範囲とすればよい。
上記の反応後は、反応系から触媒を分離した後、生成した芳香族カルボニル化合物を公知の分離精製手段を用いて回収すればよい。蒸留や晶析といった公知の精製法が通常用いられる。触媒の分離方法についても公知の方法に従えばよい。例えば、反応系が触媒(固形分)と反応生成物(液状成分)からなる場合は、ろ過、遠心分離、サイクロン等の公知の固液分離方法を用いて触媒と反応生成物を分離することができる。
本発明で得られる芳香族カルボニル化合物は、従来技術で得られる芳香族カルボニル化合物と同様の用途に使用することができる。例えば、ヒドロキシベンズアルデヒド類は各種医薬中間対や樹脂原料として有用である。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
〔触媒調製〕 Au-Pd/Ti/SiO2の例
まず、市販シリカ担体粉体(富士シリシア化学 キャリアクトQ−6)100gに、チタンイソプロポキシド(和光試薬)17.8gを溶解させた2−プロパノール溶液200mlを加えて、加温下溶媒を留去することによりチタン化合物を含浸担持した後、110℃10時間乾燥し、600℃4時間空気中で焼成した。次に、濃度18mmol/L塩化金酸水溶液500mLを65〜70℃に保持しながら、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10に調節する。この水溶液にテトラアンミンパラジウム水酸塩水溶液(NH3)4Pd(OH)2(Pd含有量20g/L、徳力本店(株)製)25mlを加えた後、上記のチタン含有シリカ担体20gを投入し、温度65〜70℃に保ちながら1時間攪拌を続けた。その後、静置して上澄液を除去して残った固体に、イオン交換水400mLを加えて室温5分間攪拌した後上澄液を除去するという洗浄操作を3回繰返した。ろ過により得られた固体を次に110℃10時間乾燥し、さらに空気中で400℃3時間焼成することにより、チタン含有シリカ担体に金及びパラジウムが担持された触媒(Au-Pd/Ti/シリカ)を得た。該触媒における金及びパラジウムの担持量は蛍光X線分析から各々7.8wt%及び2.5wt%であった。また、透過型電子顕微鏡にて金属粒子径を観察したところ、担体上に金属種がほとんど全て10nm以下の粒径で高分散しており、平均粒子径は明らかに10nm以下であることがわかった。
まず、市販シリカ担体粉体(富士シリシア化学 キャリアクトQ−6)100gに、チタンイソプロポキシド(和光試薬)17.8gを溶解させた2−プロパノール溶液200mlを加えて、加温下溶媒を留去することによりチタン化合物を含浸担持した後、110℃10時間乾燥し、600℃4時間空気中で焼成した。次に、濃度18mmol/L塩化金酸水溶液500mLを65〜70℃に保持しながら、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10に調節する。この水溶液にテトラアンミンパラジウム水酸塩水溶液(NH3)4Pd(OH)2(Pd含有量20g/L、徳力本店(株)製)25mlを加えた後、上記のチタン含有シリカ担体20gを投入し、温度65〜70℃に保ちながら1時間攪拌を続けた。その後、静置して上澄液を除去して残った固体に、イオン交換水400mLを加えて室温5分間攪拌した後上澄液を除去するという洗浄操作を3回繰返した。ろ過により得られた固体を次に110℃10時間乾燥し、さらに空気中で400℃3時間焼成することにより、チタン含有シリカ担体に金及びパラジウムが担持された触媒(Au-Pd/Ti/シリカ)を得た。該触媒における金及びパラジウムの担持量は蛍光X線分析から各々7.8wt%及び2.5wt%であった。また、透過型電子顕微鏡にて金属粒子径を観察したところ、担体上に金属種がほとんど全て10nm以下の粒径で高分散しており、平均粒子径は明らかに10nm以下であることがわかった。
〔芳香族アルデヒド製造〕o―クレゾール原料サリチルアルデヒド製造例
100ml回転攪拌付オートクレーブに、o―クレゾール1.8g、ジオキサン12g、水3g及び触媒として上で得られた金及びパラジウムを担持した触媒Au-Pd/Ti/シリカ1.0gを仕込み、攪拌下100℃まで昇温した後、ゲージ圧で窒素を0.3Mpa及び酸素を0.4Mpaを各々封入して反応を開始した。全圧を0.6〜0.7Mpaに維持すべく酸素を逐次的に追加しながら反応を同温度にて3時間行った。その後、冷却して開封し、ろ過により触媒を分離した後、内容物の分析をガスクロマトグラフィーで行ったところ、原料o―クレゾールの転化率は67%、生成物のサリチルアルデヒドの選択率は65%であった。
100ml回転攪拌付オートクレーブに、o―クレゾール1.8g、ジオキサン12g、水3g及び触媒として上で得られた金及びパラジウムを担持した触媒Au-Pd/Ti/シリカ1.0gを仕込み、攪拌下100℃まで昇温した後、ゲージ圧で窒素を0.3Mpa及び酸素を0.4Mpaを各々封入して反応を開始した。全圧を0.6〜0.7Mpaに維持すべく酸素を逐次的に追加しながら反応を同温度にて3時間行った。その後、冷却して開封し、ろ過により触媒を分離した後、内容物の分析をガスクロマトグラフィーで行ったところ、原料o―クレゾールの転化率は67%、生成物のサリチルアルデヒドの選択率は65%であった。
〔芳香族アルデヒド製造〕o―クレゾール原料サリチルアルデヒド製造例
溶媒をジオキサンからジエトキシエタン12gに変更した以外は実施例1と同様の操作により反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料o―クレゾールの転化率は33%、生成物のサリチルアルデヒドの選択率は89%であった。
溶媒をジオキサンからジエトキシエタン12gに変更した以外は実施例1と同様の操作により反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料o―クレゾールの転化率は33%、生成物のサリチルアルデヒドの選択率は89%であった。
〔芳香族アルデヒド製造〕o―クレゾール原料サリチルアルデヒド製造例
溶媒をジオキサンからアセトン12gに変更した以外は実施例1と同様の操作により反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料o-クレゾールの転化率は 68%、生成物のサリチルアルデヒドの選択率は52%であった。
溶媒をジオキサンからアセトン12gに変更した以外は実施例1と同様の操作により反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料o-クレゾールの転化率は 68%、生成物のサリチルアルデヒドの選択率は52%であった。
実施例1において塩化金酸水溶液を用いずに他は同様の操作を行い、チタン含有シリカ担体にパラジウムが担持された触媒(Pd/Ti/シリカ)を得た。該触媒におけるパラジウムの担持量は蛍光X線分析から2.2wt%であった。また、透過型電子顕微鏡にて金属粒子径を観察したところ、担体上に金属種がほとんど全て10nm以下の粒径で高分散しており、平均粒子径は明らかに10nm以下であることがわかった。この触媒を用いて実施例1と同様の操作によりo―クレゾールの酸化反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料o―クレゾールの転化率は12%、生成物のサリチルアルデヒドの選択率は48%であった。
実施例1においてテトラアンミンパラジウム水酸塩水溶液を用いずに他は同様の操作を行い、チタン含有シリカ担体に金が担持された触媒(Au/Ti/シリカ)を得た。該触媒におけるパラジウムの担持量は蛍光X線分析から6.3wt%であった。また、透過型電子顕微鏡にて金属粒子径を観察したところ、担体上に金属種がほとんど全て10nm以下の粒径で高分散しており、平均粒子径は明らかに10nm以下であることがわかった。この触媒を用いて実施例1と同様の操作によりo―クレゾールの酸化反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料o―クレゾールの転化率は4%、生成物のサリチルアルデヒドの選択率は67%であった。
〔芳香族アルデヒド製造〕o―クレゾール原料サリチルアルデヒド製造例
エチレングリコール0.2gを添加し反応温度90℃とした以外は実施例1と同様の操作により反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料o―クレゾールの転化率は72%、生成物のサリチルアルデヒドの選択率は70%であった。
エチレングリコール0.2gを添加し反応温度90℃とした以外は実施例1と同様の操作により反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料o―クレゾールの転化率は72%、生成物のサリチルアルデヒドの選択率は70%であった。
〔芳香族アルデヒド製造〕o-クレゾール原料サリチルアルデヒド製造例
ジオキサンを24g及び水を6gとした以外は実施例6と同様の操作により反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料o―クレゾールの転化率は69%、生成物のサリチルアルデヒドの選択率は78%であった。
ジオキサンを24g及び水を6gとした以外は実施例6と同様の操作により反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料o―クレゾールの転化率は69%、生成物のサリチルアルデヒドの選択率は78%であった。
〔芳香族アルデヒド製造〕トルエン原料ベンズアルデヒド製造例
o-クレゾールをトルエンに変更した以外は実施例6と同様の操作により反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料トルエンの転化率は43%、生成物のベンズアルデヒドの選択率は22%であった。
o-クレゾールをトルエンに変更した以外は実施例6と同様の操作により反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料トルエンの転化率は43%、生成物のベンズアルデヒドの選択率は22%であった。
〔芳香族アルデヒド製造〕p―クレゾール原料p―ヒドロキシベンズアルデヒド製造例
o―クレゾールをp―クレゾールに変更した以外は実施例4と同様の操作により反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料p-クレゾールの転化率は71%、生成物のp-ヒドロキシベンズアルデヒドの選択率は68%であった。
o―クレゾールをp―クレゾールに変更した以外は実施例4と同様の操作により反応を行った。反応後、反応生成物の分析を同様の操作により行ったところ、原料p-クレゾールの転化率は71%、生成物のp-ヒドロキシベンズアルデヒドの選択率は68%であった。
芳香族カルボニル化合物、特に各種芳香族アルデヒドは医薬、農薬、香料等の中間原料として非常に有用であり、ヒドロキシベンズアルデヒド類は既に広く用いられている。
Claims (4)
- アルキル置換基を有する芳香族化合物と酸素を担持型貴金属触媒存在下に非プロトン性極性有機溶媒中にて反応させることを特徴とする芳香族カルボニル化合物の製造方法。
- 担持型貴金属触媒がRu、Rh、Pd、Ir、Ptのいずれか1種以上の元素とAuとを含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 該アルキル置換基を有する芳香族化合物が水酸基を有することを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
- さらに、反応の際に、水及び/またはポリオールを存在させることを特徴とする請求項1〜3に記載の製造方法。
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JP2003344352A JP2005104940A (ja) | 2003-10-02 | 2003-10-02 | 芳香族カルボニル化合物の製造方法 |
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CN104190470A (zh) * | 2014-08-26 | 2014-12-10 | 福州大学 | 一种三明治结构Zr-MOFs/石墨烯复合光催化剂及其制备和应用 |
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