JP2005104054A - 繊維積層体の製造方法及び繊維積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 剥離強度、加工付風合い、ポットライフ等の点に優れた繊維積層体の製造方法及び繊維積層体を提供する。
【解決手段】 合成樹脂フィルムと繊維基材とを、水性樹脂組成物を用いてドライラミネート法に於いて、前記水性樹脂組成物が一液硬化型水系ポリウレタン樹脂組成物を含有し、かつ、前記ドライラミネート法が、合成樹脂フィルム又は繊維基材に、前記一液硬化型水系ポリウレタン樹脂組成物を含有する水性樹脂組成物を塗布した後、水分を揮発させ、直ちに合成樹脂フィルムと繊維基材を貼り合わせて接着する繊維積層体の製造方法であって、前記一液硬化型水系ポリウレタン樹脂組成物として、(A)1分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン樹脂と、(B)1分子中に2個以上のヒドラジド基を有する化合物とを含有したものを用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水系ポリウレタン樹脂を用いることにより、高い剥離強度、良好な表面状態、優れた風合い等を発現する繊維積層体の製造方法及びそれにより得られる繊維積層体に関する。
従来より、合成皮革等の繊維積層体は、例えば、有機溶剤系ポリウレタン樹脂を離型紙上に塗布し乾燥させて表皮層を形成した後、その表皮層上にポリウレタン樹脂の有機溶媒溶液に架橋剤を配合した接着剤を塗布して接着剤層を形成して乾燥させた後、繊維基材と貼り合せる所謂ドライラミネート法により製造されている。
近年、地球環境、安全、衛生などの観点から水系ポリウレタン樹脂が注目され、ドライラミネート法に於いても有機溶剤系ポリウレタン樹脂から水系ポリウレタン樹脂への代替が検討されている(特許文献1)。しかし、従来の水系ポリウレタン樹脂を用いたドライラミネート法では、剥離強度、加工布風合い等の点で未だ満足すべき合成皮革は得られていない。また、加工時に、接着剤に架橋剤を配合する二液処方の場合には、作業上の手間やポットライフの問題も指摘されている。
特開2000−108289号公報
本発明は、本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために為されたもであり、本発明の目的は、剥離強度、加工付風合い、ポットライフ等の点に優れた繊維積層体の製造方法及び繊維積層体を提供することである。
本発明の繊維積層体の製造方法は、合成樹脂フィルムと繊維基材とを水性樹脂組成物を用いてドライラミネート法により接着加工する繊維積層体の製造方法であって、前記水性樹脂組成物が一液硬化型水系ポリウレタン樹脂組成物を含有し、かつ、前記ドライラミネート法が、合成樹脂フィルム又は繊維基材に、前記一液硬化型水系ポリウレタン樹脂組成物を含有する水性樹脂組成物を塗布した後、水分を揮発させ、直ちに合成樹脂フィルムと繊維基材とを貼り合わせて接着することを特徴とする。
また、上記繊維積層体の製造方法に於いては、前記一液硬化型水系ポリウレタン樹脂組成物として、(A)1分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン樹脂と、(B)1分子中に2個以上のヒドラジド基を有する化合物とを含有しているも
のを使用することができる。
上記構成に於いては、(A)成分の分子中のケトン性カルボニルが(B)成分であるヒドラジド化合物のヒドラジド基と反応して>C=N−NH−結合を形成することにより、繊維積層体の剥離強度、加工布風合い等を向上させるものと考えられる。
上述のように、本発明の繊維積層体の製造方法では、ドライラミネート法に於いて使用される水系ポリウレタン樹脂組成物を一液性とすることにより、作業上の手間を省くと共にポットライフをも維持することができる。
また、前記一液硬化型水系ポリウレタン樹脂組成物として、(A)1分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン樹脂と、(B)1分子中に2個以上のヒドラジド基を有する化合物とを含有しているものを使用することにより、(A)成分の分子中のケトン性カルボニルと(B)成分であるヒドラジド化合物のヒドラジド基との反応により>C=N−NH−結合が形成され、繊維積層体の剥離強度、加工付風合い等が向上することとなる。
本発明の繊維積層体の製造方法では、一液硬化型水系ポリウレタン樹脂組成物を含有する水性樹脂組成物を合成樹脂フィルム又は繊維基材に塗布した後、水分を揮発させ、直ちに合成樹脂フィルムと繊維基材が貼り合わせて接着される。
ここで、一液硬化型水系ポリウレタン樹脂組成物は、(A)1分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン樹脂と、(B)1分子中に2個以上のヒドラジド基を有する化合物とを含有している。
ここで、(A)の水系ポリウレタン樹脂に於いては、ケトン性カルボニル基は、(A)成分中に於けるカルボニル当量が500〜10,000(g/mol)となるように含まれていることが好ましく、1,000〜5,000(g/mol)となるように含まれていることがより好ましい。このカルボニル当量が上記範囲より小さいと、硬化収縮が大きくなり、また経済的にも不利となる。また、カルボニル当量が上記範囲より大きいと、架橋効果が不十分となる傾向が現れる。
本発明に於ける(A)成分の水系ポリウレタン樹脂は、(a)有機ポリイソシアネートと、(b)NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有する活性水素含有化合物と、(c)ケトン性カルボニル基を含有し、かつ、NCO基との反応性を有する2個以上の活性水素を含有するカルボニル基含有活性水素化合物との反応により得ることができる。
ここで、(a)成分の有機ポリイソシアネートとしては、従来から慣用されている芳香族、脂肪族又は脂環族の有機ポリイソシアネートを使用することができ、具体例として、脂肪族ジイソシアネート(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートなどが例示できる)、脂環族ジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどが例示できる)、芳香族ジイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネートなどが例示できる)、芳香脂肪族ジイソシアネート(例えば、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが例示できる)、トリレンジイソシアネ−ト等を挙げることができる。これらの有機ポリソシアネートは単独でも用いることができ、また2種以上の混合物にして用いることもできる。
また、(b)成分の活性水素含有化合物は、NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するものである。即ち、ヒドロキシル基、アミノ基又はメルカプト基を有するもので、一般に公知のポリエーテル、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリチオエーテル、ポリアセタール、ポリブタジエン、ポリシロキサン等であり、好ましくは、分子末端に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物である。具体的には、2個以上の活性水素基を有するポリヒドロキシ化合物として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールA、ジブロモビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシエチルテレフタレート、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン,ペンタエリスリトール,ソルビトール等の多価アルコール、それらのオキシアルキレン誘導体又はそれらの多価アルコール若しくはオキシアルキレン誘導体と多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、若しくは多価カルボン酸エステルとにより得られるエステル化合物、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、ヒマシ油ポリオール、フッ素ポリオール、シリコンポリオール等のポリオール化合物やその変性体が挙げられる。
(c)成分のカルボニル基含有活性水素化合物は、ケトン性カルボニル基を含有し、かつ、NCO基との反応性を有する活性水素を少なくとも2個以上含有するものであり、具体的には、ダイアセトンアクリルアミドに対してジアルカノールアミンを付加反応させて得られる化合物を例示することができる。
本発明に於ける(B)成分のヒドラジド化合物は、1分子中に2個以上のヒドラジド基を有するものであり、具体例としては、シュウ酸ジヒドラジド,マロン酸ジヒドラジド,アジピン酸ジヒドラジド,アゼライン酸ジヒドラジド,コハク酸ジヒドラジド,セバシン酸ジヒドラジド,マレイン酸ジヒドラジド,フマル酸ジヒドラジド,イタコン酸ジヒドラジド等のジカルボン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、カルボヒドラジド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのうちで、汎用性の点や水への溶解性が良好である点から、アジピン酸ジヒドラジドがより好ましい。また、(B)成分のヒドラジド化合物として、分子末端遊離イソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーに対して1分子中に2個以上のヒドラジド基を有する化合物を反応させて得られる分子末端に−NHNH2基を有するポリウレタンプレポリマーも例示することができ、この場合に於ける1分子中に2個以上のヒドラジド基を有する化合物として、アジピン酸ジヒドラジドを用いることが好ましい。
本発明の繊維積層体は、上記製造方法によって得ることができる。
本発明を実施例に基づいて以下に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中に於ける「%」及び「部」は、特に断らない限り、それぞれ「重量%」、「重量部」を表している。
(カルボニル基含有活性水素化合物X…(c)成分の合成)
(c)成分のカルボニル基含有活性水素化合物として、ダイアセトンアクリルアミドのジエタノールアミン付加物を以下のようにして合成した。
ダイアセトンアクリルアミド169重量部に対してジエタノールアミン94.5重量部を添加し、100℃×3時間加熱を行うことにより、(c)成分であるダイアセトンアクリルアミドのジエタノールアミン付加物を得、これをカルボニル基含有活性水素化合物Xとした。このカルボニル基含有活性水素化合物Xの臭素価は6.1であった。臭素価はJIS−K−3331に準拠して測定した。
(合成例1…(A)成分の合成)
ポリテトラメチレングリコール(BASF(株)製;OHV=56.1)300部と、イソホロンジイソシアネート81.1部と、メチルエチルケトン(MEK)114部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は4.90(%)であった。
次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸18.1部と、先に合成したカルボニル基含有活性水素化合物Xを39.5部と、トリエチルアミン7.3部と、メチルエチルケトン94.5部とを添加し、70〜75℃で180分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は0.10(%)であった。このプレポリマーを撹拌下において水で希釈し、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認した後、MEKを留去し、純分35%の分子側鎖にケトン性カルボニル基を有する(A)成分のアニオン性ポリウレタンプレポリマー水溶液Iを得た(理論カルボニル当量は3230(g/mol))。
(合成例2…(A)成分の合成)
ポリテトラメチレングリコール(BASF(株)製;OHV=56.1)300部と、イソホロンジイソシアネート107.2部と、メチルエチルケトン139部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は6.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸18.1部と、先に合成したカルボニル基含有活性水素化合物Xを39.5部と、トリエチルアミン7.3部と、メチルエチルケトン93.5部とを添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.20(%)であった。このプレポリマーを、撹拌下、アジピン酸ジヒドラジド23.0部を溶解させた希釈水で希釈し、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認した後、MEKを留去し、純分35%の分子側鎖にケトン性カルボニル基を有し、かつ末端ヒドラジド基を有する(A)成分のアニオン性ポリウレタンプレポリマー水溶液IIを得た(理論カルボニル当量は3640(g/mol))。
(合成例3…(A)成分の合成)
1,6−ヘキサンジオールのカーボネート(ラベカーブ102、ミテックス(株)製;OHV=112.0)200部と、ジメチルイソフタレートスルホン酸ソーダ26.7部とを添加し、さらにパラトルエンスルホン酸ソーダを0.45部添加し、減圧下で160℃×8時間加熱した。このときのOHVは51.0であった。
このポリエステルポリオールを127部採取し、さらに3メチル−1,5−ペンタジオールのアジペート(クラポールP−2010、クラレ(株)製;OHV=56.1)240.0部と、先に合成したカルボニル基含有活性水素化合物Xを35.1部と、イソホロンジイソシアネート83.3部と、メチルエチルケトン362部とを添加し、70〜75℃で240分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.30(%)であった。乳化水で希釈した後、ジプロピレントリアミン6.5部を添加し、末端NCO基をアミン伸長後、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認して後、MEKを留去し、純分35%の分子側鎖にケトン性カルボニル基を有する(A)成分のアニオン性ポリウレタンポリマー水溶液IIIを得た(理論カルボニル当量は3430(g/mol))。
(合成例4…(A)成分の合成)
1,6−ヘキサンジオールのカーボネート(ラベカーブ106、ミテックス(株)製;OHV=56.1)300部と、トリメチロールプロパン13.4部と、イソホロンジイソシアネート115.8部と、メチルエチルケトン140部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は4.40(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸20.1部、先に合成したカルボニル基含有活性水素化合物Xを44.2部と、トリエチルアミン7.3部と、メチルエチルケトン125.4部とを添加し、70〜75℃で180分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は0.10(%)であった。このプレポリマーを撹拌下において水で希釈し、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認した後、MEKを留去し、純分35%の分子側鎖にケトン性カルボニル基を有する(A)成分のアニオン性ポリウレタンポリマー水溶液IVを得た(理論カルボニル当量は3270(g/mol))。
(合成例5…(A)成分の合成)
1,6−ヘキサンジオールのカーボネート(ラベカーブ106、ミテックス(株)製;OHV=56.1)300部と、イソホロンジイソシアネート83.3部と、メチルエチルケトン114部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は4.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸20.1部と、トリエチルアミン1.5部と、メチルエチルケトン85.2部とを添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.60(%)であった。このプレポリマーを35℃まで冷却し、アジピン酸ジヒドラジドを26.8部溶解させた希釈水を添加し、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認した後、MEKを留去し、純分35%の分子末端にヒドラジド基を有する(A)成分のアニオン性ポリウレタンプレポリマー水溶液Vを得た。
(比較合成例1)
1,6−ヘキサンジオールのカーボネート(ラベカーブ106、ミテックス(株)製;OHV=56.1)300部と、イソホロンジイソシアネート60.6部と、メチルエチルケトン114部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は2.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸20.1部と、トリエチルアミン1.5部と、メチルエチルケトン85.2部とを添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は0.20(%)であった。このプレポリマーを40℃まで冷却し、希釈水を添加し、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認した後、MEKを留去し、ウレタンプレポリマー水溶液aを得た。
(比較合成例2)
1,6−ヘキサンジオールのカーボネート(ラベカーブ106、ミテックス(株)製;OHV=56.1)300部と、イソホロンジイソシアネート83.3部と、メチルエチルケトン114部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は4.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸20.1部と、トリエチルアミン1.5部と、メチルエチルケトン85.2部とを添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.60(%)であった。このプレポリマーを35℃まで冷却し、希釈水を添加し、さらにジプロピレントリアミン6.7部を溶解した水溶液を添加し、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認した後、MEKを留去し、純分35%のウレタンポリマー水溶液bを得た。
(含浸層(基材)の作成)
目付け100(g/cm2)のポリエステル不織布に、無黄変型エーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョン(スーパーフレックスE−4800、第一工業製薬(株)製)を40部採取し、水60部で希釈した加工液を含浸し、絞り率100%で絞液し、ドライヤーで120℃×3分乾燥処理し、これを基材とした。
(表皮層の作成)
1,6−ヘキサンジオールのカーボネート(ラベカーブ106、ミテックス(株)製;OHV=56.1)300部と、イソホロンジイソシアネート49.5部と、メチルエチルケトン105部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.80(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸12.0部と、トリエチルアミン6.3部と、メチルエチルケトン75.7部とを添加し、70〜75℃で反応させ、遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)が消失するまで反応を継続した。撹拌下において水で希釈したあと、MEKを留去し、純分35%の分子末端に水酸基を有するポリウレタン樹脂水溶液を得た。
このポリウレタン樹脂水溶液を100部採取し、水分散性ポリイソシアネート(アクアネート210、日本ポリウレタン工業(株)製)5部と、ポリエーテル系増粘剤(DKシックナーSCT−275、第一工業製薬(株)製)0.5部とを添加して加工液を調製した。
この加工液を離型紙上に塗布(Wet膜厚200μm)した。続けて80℃×2分間で乾燥処理後、さらに130℃×2分熱処理し、ポリウレタン樹脂フィルム(表皮層)を得た。
(接着剤の調製)
上記合成例及び比較合成例で調製したウレタンポリマー又はウレタンプレポリマーを用い、表1及び表2に示す配合で接着剤1〜7及び比較用接着剤1〜2を調製した。
Figure 2005104054
Figure 2005104054
(繊維積層体の作成)
(実施例1〜7)
表皮層の上に、接着剤1〜7を塗布厚250μm(Wet)でそれぞれ塗布した。ここで、表3に示すように、接着剤1〜7は、架橋剤は配合することなく使用した。続いて乾燥処理70℃×2分を行った後、基材と貼り合わせて120℃×30秒のキュアリング処理を行い、さらに70℃×24時間熟成し、離型紙から剥離することにより、実施例1〜7の繊維積層体を得た。
(比較例1〜2)
表皮層の上に、比較用接着剤1〜2をそれぞれ塗布厚250μm(Wet)で塗布した。ここで、比較例1では実施例と同様に架橋剤を配合せず、比較例2〜4では架橋剤(イソシアネート系架橋剤(アクアネート210、日本ポリウレタン工業(株)製)を表4に示す比率で予め配合しておいて。続いて乾燥処理70℃×2分を行った後、基材と貼り合わせて120℃×30秒のキュアリング処理を行い、さらに70℃×24時間熟成し、離型紙から剥離することにより、比較例1〜の繊維積層体を得た。
Figure 2005104054
Figure 2005104054
〔性能評価〕
各接着剤及び比較用接着剤並びに繊維積層体について下記の評価試験を行い、その結果を表3及び表4に示した。
(接着剤ポットライフ)
各接着剤及び比較用接着剤を50℃×12時間放置した後の状態を肉眼観察することにより評価した。
(剥離試験)
<剥離強度>
2.5cm幅のホットメルトテープを試料表面(表皮面)においてアイロンで加熱し、ホットメルトテープを接着した。テープ幅に沿って試料を切断し、試料の一部を剥離し、基材とテープをチャックではさみ、オートグラフで剥離強度を測定した。
<剥離部分>
剥離強度試験後の剥離部分を観察し、剥離が生じている部分を特定した。
(加工布風合い)
加工布の風合いを触感により評価した。
○:柔らかい
△:少し硬い
×:硬い。
以上の評価の結果、接着剤1〜7のポットライフは安定していたが、比較用接着剤1〜2はゲル化を生じた。
また、実施例1〜7の繊維積層体の剥離強度は、比較例1〜4の繊維積層体の剥離強度と比較して、何れも高い値を示した。また、実施例1〜7の繊維積層体は、接着が良好なため剥離は見られずに、材破を生じた。更に、実施例1〜7の繊維積層体の加工布風合いは何れも柔らかかった。これ対して、比較例1及び2の繊維積層体の加工布風合いは柔らかいものの、比較例3及び4の加工布風合いは実施例と比較して劣っていた。
本発明の製造方法によれば、剥離強度、加工付風合い等の点に優れた繊維積層体が得られるので、繊維積層体の製造方法として利用可能である。また、本発明の繊維積層体も、上記のごとく剥離強度、加工付風合い等の点に優れているので、合成皮革等の分野で利用可能である。

Claims (8)

  1. 合成樹脂フィルムと繊維基材とを水性樹脂組成物を用いてドライラミネート法により接着加工する繊維積層体の製造方法であって、前記水性樹脂組成物が一液硬化型水系ポリウレタン樹脂組成物を含有し、かつ、前記ドライラミネート法が、合成樹脂フィルム又は繊維基材に、前記一液硬化型水系ポリウレタン樹脂組成物を含有する水性樹脂組成物を塗布した後、水分を揮発させ、直ちに合成樹脂フィルムと繊維基材とを貼り合わせて接着することを特徴とする繊維積層体の製造方法。
  2. 前記一液硬化型水系ポリウレタン樹脂組成物は、
    (A)1分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン樹脂と、
    (B)1分子中に2個以上のヒドラジド基を有する化合物と
    を含有していることを特徴とする請求項1記載の繊維積層体の製造方法。
  3. 前記(A)成分である水系ポリウレタン樹脂は、該(A)成分中に於けるカルボニル当量が500〜10,000(g/mol)となるようにケトン性カルボニル基を含有していることを特徴とする請求項2記載の繊維積層体の製造方法。
  4. 前記(A)成分である水系ポリウレタン樹脂が、
    (a)有機ポリイソシアネートと、
    (b)NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有する活性水素含有化合物と、
    (c)ケトン性カルボニル基を含有し、かつ、NCO基と反応性を有する2個以上の活性水素を含有するカルボニル基含有活性水素含有化合物と
    の反応により得られるポリウレタン樹脂水分散体であり、
    (c)成分中に含まれるケトン性カルボニル基1モルに対して、(B)成分に含まれるヒドラジド基が0.1〜3.0モルになるように(B)成分を添加して得られることを特徴とする請求項2又は3記載の繊維積層体の製造方法。
  5. 前記(c)成分であるカルボニル基含有活性水素含有化合物が、ダイアセトンアクリルアミドとジアルカノールアミンとの反応生成物であることを特徴とする請求項4記載の繊維積層体の製造方法。
  6. 前記(B)成分であるヒドラジド化合物が、アジピン酸ジヒドラジドであることを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の繊維積層体の製造方法。
  7. 前記(B)成分であるヒドラジド化合物が、分子末端遊離イソシアネート基に対して分子中に2個以上のヒドラジド基を有する化合物を反応させた、分子末端に−NHNH2基を有するポリウレタンプレポリマーであることを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の繊維積層体の製造方法。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の製造方法により得られる繊維積層体。
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