JP2005103125A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】 ハマリ状態になっても、遊技者に期待感を持たせ、ゲーム続行への意欲を維持できるようにする。
【解決手段】 ビッグボーナス用の当選フラグ(BBフラグ)を放出するまでに実行するゲーム数を決める抽選のために、天井の値が異なる複数のテーブルを用意する。通常は、放出までのゲーム実行回数が所定値を超える「大ハマリ状態」となる可能性の高いテーブル(大ハマリテーブル)が選択される。ここで実際に大ハマリ状態になった場合には、BBフラグの放出後に抽選テーブルの切替が行われる。この切替では、他のテーブルよりも天井の値が格段に小さい「連チャンテーブル」が高い確率で選択される。また、連チャンテーブルが選択されなかった場合にも、大ハマリ状態に対応するゲーム実行回数より天井の値が低いテーブルが選択される。
【選択図】 図10
【解決手段】 ビッグボーナス用の当選フラグ(BBフラグ)を放出するまでに実行するゲーム数を決める抽選のために、天井の値が異なる複数のテーブルを用意する。通常は、放出までのゲーム実行回数が所定値を超える「大ハマリ状態」となる可能性の高いテーブル(大ハマリテーブル)が選択される。ここで実際に大ハマリ状態になった場合には、BBフラグの放出後に抽選テーブルの切替が行われる。この切替では、他のテーブルよりも天井の値が格段に小さい「連チャンテーブル」が高い確率で選択される。また、連チャンテーブルが選択されなかった場合にも、大ハマリ状態に対応するゲーム実行回数より天井の値が低いテーブルが選択される。
【選択図】 図10
Description
この発明は、複数の図柄配列を移動表示した後に、各図柄配列の移動表示を順次停止させ、各図柄配列を横切る所定の入賞ライン上に入賞図柄の組み合わせが揃うか否かによって、勝敗を決するようにしたスロットマシンに関する。特に、この発明は、特別役への当選状態を示す当選フラグを蓄積するとともに、前記蓄積された当選フラグが放出されないゲームを所定の上限値を超えない範囲で実行するように設定されたスロットマシンに関する。
典型的なスロットマシンには、周面に複数種の図柄が配列された3個のリールや、コンピュータが搭載された制御基板などが組み込まれている。また、機体前面には、前記3個のリール上の図柄を表示するための図柄表示窓が設けられ、その下方に、始動レバーやリール毎に停止スイッチなどが配備される。
スロットマシンでの入賞にかかる図柄の組み合わせは、一般に「役」と呼ばれており、所定数のメダルの払出を伴う小役のほか、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)に移行する特別役(以下、「ボーナス役」という。)などが設定される。前記制御基板上のコンピュータは、周辺回路とともにスロットマシンの制御部として機能するもので、遊技者の始動操作が行われると、各種役を対象とした抽選を実行して図柄表示窓内に整列させる図柄の組み合わせを決定してから各リールを始動する。この抽選処理は、一般に「内部抽選」と呼ばれ、役毎に、内部抽選での当選状態を示す当選フラグが設定される。制御部は、各リールを始動させた後、いずれかの当選フラグがオンであれば、停止操作されたリールに対し、前記オン設定された当選フラグに対応する図柄(以下、「当選図柄」という。)を有効な入賞ラインに引き込んで停止させる制御(引き込み制御)を実行する。
さらに近年のスロットマシンでは、ボーナス役に当選したとき、当選図柄の引き込みを行わない制御を行うことによって、ボーナス用の当選フラグ(以下、「ボーナスフラグ」という。)を多数蓄積するようにしている。そして、所定の条件が成立すると、蓄積されたボーナスフラグを1つ使用して、そのフラグに対応する図柄(ボーナス図柄)を引き込む制御を実行し、入賞を成立させる。このように、蓄積された当選フラグを消費してその当選フラグに対応する図柄の引き込みを行うことを、業界では、「フラグの放出」と呼んでいる。
上記のフラグの蓄積や放出を行うスロットマシンでは、一般に、フラグの放出がなされないゲームの実行回数に所定の上限値を設定し、ゲーム実行回数がこの上限値に達するまでの間に、確実に当選フラグが放出されるようにしている。この上限値は、一般に、「天井」と呼ばれている。
下記の特許文献1では、ボーナスフラグが蓄積されているとき、抽選で定めた数のゲームが実行されたことを条件として、蓄積されたボーナスフラグを放出することが記載されている。
また、ゲーム実行回数を決める抽選に代えて、ゲーム毎にボーナスフラグを放出するかどうかの抽選(以下、「放出抽選」という。)を実行し、この放出抽選に当選したことに応じてボーナスフラグを放出するようにしたスロットマシンもある。このようなスロットマシンでも、所定の値を天井として設定し、ゲーム実行回数が天井に達してもなお放出抽選に当選しない場合には、ボーナスフラグを放出することができる。
一般的なスロットマシンでは、出玉を調整する都合上、前記天井の数値がかなり大きな値に設定される場合が多い。このため、遊技者は、ボーナスフラグが放出されるまでに相当数のゲームを実行しなければならない状態(一般に、「ハマリ状態」と呼ばれる。)に置かれる可能性がある。さらに、ハマリ状態の後にようやくボーナスフラグが放出されても、その放出の後に再度ハマリ状態に入ってしまう可能性もあり、遊技者の遊技意欲がそがれる、という問題がある。
この発明は上記問題に着目してなされたもので、仮にハマリ状態になっても、当選フラグが放出された後に、通常よりも高い利益が得られる遊技状態を設定することにより、遊技者に期待感を持たせ、ゲーム続行への意欲を維持することを目的とする。
この発明にかかるスロットマシンは、複数の図柄配列を移動表示した後に各図柄配列を順に停止させるゲームを実行するものである。前記図柄配列は、たとえば、帯状体の表面に配置されるもので、この帯状体を両端部を繋いだ状態で回転させるようにした回転体により、前記図柄配列の移動表示が行われる。このような回転体の典型例は、帯状体を枠体の周面に装着した構成のリールであるが、これに限らず、たとえば、所定厚みのある帯状体を、枠体を用いずに両端を繋いで回転させてもよい。また、図柄を表示するための構成は上記の回転体に限らず、CRTや液晶パネルなどの表示画面上で各種図柄をスクロール表示してもよい。
また、この発明にかかるスロットマシンは、所定数の遊技媒体を受け付けてゲームを実行し、入賞の成立に応じて報償としての遊技媒体を払い出すのが望ましい。遊技媒体は、メダルのほか、パチンコ球のような小球を用いてもよい。また、有価価値が記憶された記憶媒体(磁気カードやICカードなど)を受け付けて、その記憶媒体に記憶された有価価値を遊技媒体とみなし、ゲーム毎に所定額の有価価値を消費するようにしてもよい。
なお、入賞時の遊技媒体の払出は、実物の遊技媒体を機体外に放出する方法のほか、遊技媒体の貯留数に払出数を加算する処理により行うこともできる。また、前記の記憶媒体を使用する場合には、この記憶媒体の有価価値を加算する方法により払出を行うこともできる。
なお、入賞時の遊技媒体の払出は、実物の遊技媒体を機体外に放出する方法のほか、遊技媒体の貯留数に払出数を加算する処理により行うこともできる。また、前記の記憶媒体を使用する場合には、この記憶媒体の有価価値を加算する方法により払出を行うこともできる。
また、この発明にかかるスロットマシンでは、図柄配列の移動表示を開始する前に前記した内部抽選を実行し、各図柄配列を停止させる際に、それぞれ内部抽選で当選した役を構成する図柄(当選図柄)を停止表示位置に引き込む「引き込み制御」を実行するものである。また、所定の図柄の組み合わせによる特別役について、当選状態を示す当選フラグを蓄積するとともに、蓄積された当選フラグが放出されないゲームを、そのゲーム実行回数が所定の上限値を超えない範囲で実行するように設定される。
前記特別役は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに移行する図柄組み合わせであるのが望ましい。当選フラグの蓄積は、特別役に当選しても、前記当選図柄の引き込みを行わない制御により行うことができ、当選の都度、蓄積数を示すカウンタ値をインクリメントすることができる。また、前記蓄積数を1減算して、当選図柄の引き込みを制御を実行することにより、蓄積された当選フラグを放出することができる。
この発明にかかる第1のスロットマシンは、所定の条件が成立したこと、または前記当選フラグが放出されないゲームの実行回数が前記上限値に達したことに応じて、前記当選フラグが放出されるゲームを実行するゲーム制御手段と、ゲーム実行回数が所定数に達したとき以降に当選フラグが放出されたとき、その放出に応じて、遊技者に特別の利益をもたらす遊技状態を所定の確率で設定する利益付与手段とを具備する。
前記当選フラグの放出にかかる「所定の条件」は、前記した放出抽選に当選したこと、所定の役への入賞が成立したこと、などにすることができる。また、前記特許文献1のように、当選フラグを放出するまでのゲーム実行回数を抽選により決める場合には、この抽選で決定した数のゲームが実行されたときに、「所定の条件」が成立したと見なすことができる。
また、利益付与手段について、「実行されたゲーム回数が所定数に達したとき」の「所定数」は、前記した上限値とすることができるが、これに限らず、上限値より小さい値にすることもできる。ただし、この値は、多くの遊技者がハマリ状態になったと感じるときのゲーム実行回数に基づき設定されるのが望ましい。このようにすれば、ハマリ状態になった後に当選フラグが放出された場合には、特別の利益をもたらす遊技状態を設定することができるから、遊技者は、特別の利益に対する期待感を持つことができる。また、前記特別の利益をもたらす遊技状態が設定される確率を十分に高くすることにより、たとえハマリ状態になっても、特別の利益に対する遊技者の期待感を高め、ゲーム続行への意欲を維持させることができる。
つぎに、この発明にかかる第2のスロットマシンは、当選フラグが放出されないゲームについて、前記上限値が異なる複数の制御状態のいずれかを選択する選択手段と、前記当選フラグが蓄積されている状態下において、前記選択された制御状態により当選フラグが放出されないゲームを実行するとともに、所定の条件が成立したこと、またはゲーム実行回数が選択中の制御状態に設定された上限値に達したことに応じて、前記当選フラグを放出するゲーム制御手段と、所定値以上の上限値が設定された制御状態が選択され、かつゲーム実行回数が所定数に達したとき以降に当選フラグが放出されたとき、その放出に応じて、遊技者に特別の利益をもたらす遊技状態を所定の確率で設定する利益付与手段とを具備する。
上記構成において、複数の制御状態は、前記上限値が異なるほか、当選フラグの放出条件を成立させるための制御の内容が異なるものとするのが望ましい。たとえば、前記放出抽選を行う場合には、放出抽選の当選確率を異なるものにすることができる。また、つぎの放出までのゲーム実行回数を抽選により決める場合にも、その抽選のためのテーブルを異なるものにすることにより、ゲーム実行回数の期待値を制御状態によって変動させることができる。
また、「所定値以上の上限値が設定された制御状態」の「所定値」は、それより低い上限値に対し、明らかな差を持つ値とするのが望ましい。また、「ゲーム実行回数が所定数に達したことに応じて」の「所定数」は、選択中の制御状態の上限値よりも低い上限値に対して大きくなるようにするのが望ましい。このような設定によれば、ハマリ状態になる傾向が高い制御状態が選択され、かつ、他の上限値が低い制御状態では起こりえないほどハマリ状態が長くなった場合に、特別の利益を提供することができる。よって、長期間当選フラグが放出されなくとも、遊技者に期待感を持たせ、ゲーム続行への意欲を維持することができる。
さらに、この第2のスロットマシンにかかる好ましい態様では、前記所定値以上の上限値が設定された制御状態が選択され、かつゲーム実行回数が前記所定数に達したことに応じて当選フラグが放出されたとき、利益付与手段による設定処理が行われなかったことを条件として、選択中の制御状態を上限値がより低い制御状態に切り替える制御状態切替手段が設けられる。この態様によれば、仮に、ハマリ状態の後に特別の利益が得られなくとも、つぎの当選フラグの放出には、上限値がより低い制御状態が選択されるから、極端に長いハマリ状態が連続することがなく、遊技者が失望しないようにすることができる。
さらに、上記第1、第2のスロットマシンには、下記の態様を設定することができる。
まず1の態様では、利益付与手段は、つぎの当選フラグが通常よりも小さい上限値をもって放出される遊技状態を設定する。この遊技状態は、きわめて短い期間(たとえば1〜10ゲーム)をおいてつぎの当選フラグが放出されるような遊技状態とすることができる。このようにすれば、ハマリ状態の後にようやく当選フラグが放出された場合には、早期につぎの当選フラグが放出されるようになるから、遊技者に多数の遊技媒体を還元することができる。なお、この短い期間をおいての放出は、1回に限らず、複数回行うようにしてもよい。
まず1の態様では、利益付与手段は、つぎの当選フラグが通常よりも小さい上限値をもって放出される遊技状態を設定する。この遊技状態は、きわめて短い期間(たとえば1〜10ゲーム)をおいてつぎの当選フラグが放出されるような遊技状態とすることができる。このようにすれば、ハマリ状態の後にようやく当選フラグが放出された場合には、早期につぎの当選フラグが放出されるようになるから、遊技者に多数の遊技媒体を還元することができる。なお、この短い期間をおいての放出は、1回に限らず、複数回行うようにしてもよい。
つぎに他の好ましい態様では、利益付与手段は、当選フラグの放出に伴う特別役への入賞に対し、通常の入賞時よりも高い特典が付与された遊技状態を設定する。たとえば、ビッグボーナス用の役を特別役とする場合には、ビッグボーナスにおける一般ゲームにおいて、当選役を成立させるのに必要な停止順序を報知する遊技状態を設定することができる。また、通常のビッグボーナスを実行した後に、さらに所定数の特別ゲーム(前記した停止順序を報知するゲームなど)を実行したり、ビッグボーナス中の入賞に通常よりも多くの遊技媒体を払い出すようにしてもよい。このような制御によれば、ハマリ状態の後にようやく当選フラグが放出された場合には、遊技者は、通常の放出時よりも多くの利益を得ることができる。
この発明によれば、当選フラグの放出が長期間行われないハマリ状態が生じた場合には、遊技者に特別の利益をもたらす遊技状態を設定することができるから、仮にハマリ状態になっても、遊技者に期待感を持たせて、ゲーム続行意欲を維持することができる。また、この発明によれば、ハマリ状態が連続するのを防止することができるので、ハマリ状態が連続する機種であるというイメージが生じることがなく、魅力のあるスロットマシンを提供することができる。
図1および図2は、この発明が適用されたスロットマシンの外観および内部構造を示す。この実施例のスロットマシンの機体1は、前面開口の筐体2と、この筐体2に、その開口部2Aを覆うように組み付けられた扉部3とにより構成される。筐体2の内部には、底部に、ホッパー6aを備えたメダル払出機6や電源ユニット10などが、さらにその上方に、リールブロック4などが配備される。また、筐体2の後板には、低音出力用のスピーカー14や、ゲーム制御のための制御部30(図4に示す。)が搭載された基板5などが、取り付けられている。
前記扉部3は、金属製の枠体に3枚のパネル11,12,13などが組み付けられている。これらのパネル11,12,13は、透明な合成樹脂板または強化ガラスの表面にシルクスクリーン印刷を施して形成される。
上方の上部パネル12には、各種入賞の内容を示す情報として、図柄の組合せや入賞時のメダルの払出枚数などが印刷され、下方の下部パネル13には、機種名などの情報が印刷される。
上部パネル12の両側には、効果音出力用のスピーカー15,16が設けられる。また下部パネル13の下方には、メダル払出口17,メダル受け皿18などが設けられる。
上部パネル12の両側には、効果音出力用のスピーカー15,16が設けられる。また下部パネル13の下方には、メダル払出口17,メダル受け皿18などが設けられる。
中央の正面パネル11は、ゲームの進行状態を表示するエリアとして使用される。この正面パネル11の中央部には、無着色で透明の図柄表示窓20が形成され、さらにその下方に、貯留枚数表示器21、払出枚数表示器22、ボーナスゲーム用表示器23などが配備される。
正面パネル11と下部パネル13との間には、遊技のためのメダルを受け付けるメダル投入口24、各リール8a,8b,8cを一斉に回転させるための始動レバー25、各リール8a,8b,8cを個別に停止させるための停止スイッチ26a,26b,26c、電子データ形式で貯留されたクレジットメダルからゲームへの賭けメダルを設定するためのベットスイッチ27、前記クレジットメダルを精算するための精算スイッチ28などが配備される。
なお、メダル投入口24より投入されたメダルが3枚までであれば、これらのメダル数に応じた数の入賞ラインが有効化されてゲームを実行可能な状態が設定される。この状態からさらにメダルが投入されると、これらのメダルはクレジットメダルとして貯留される。また、ベットスイッチ27によりクレジットメダルを消費して行われたゲームで入賞が成立した場合には、払出数分のメダルをクレジットメダルに加算する形でメダルの払出処理が行われる。
前記筐体2内のリールブロック4は、樹脂製のフレーム7に3個のリール8a,8b,8cが組み付けられた構成のもので、図柄表示窓20に対応する位置に配備される。各リール8a,8b,8cは、リール枠の外周面に複数の図柄が配列された帯状テープを貼設して成るもので、駆動源となるステッピングモータ9a,9b,9cとともに前記リールブロック4に取り付けられる。
図3は、前記図柄表示窓20を含む正面パネル11の詳細な構成を示す。前記図柄表示窓20は、横方向の長さが3個のリール8a,8b,8cが外部から見えるように、また縦方向の長さがリールの停止時に3駒分の図柄19が表示されるように、横に長い矩形状に形成される。この図柄表示窓20には、各図柄の停止表示位置を結ぶように、水平方向に3本、斜め方向に2本、計5本の入賞ラインL1〜L5が設定される。
なお、貯留枚数表示器21には、クレジットメダルの貯留枚数が、前記払出枚数表示器22には、ゲームにより入賞が成立したときに報賞として払い出されるメダルの枚数が、それぞれ表示される。ボーナスゲーム用表示器23は、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)の際に、期待できる入賞回数やゲームの実行回数などを表示するのに用いられる。なお、これらの表示器21,22,23は、7セグメントのLEDによる数値表示器として構成される。
図4は、前記スロットマシンの電気構成を示す。
図中の30は、前記制御基板5上の制御部である。この制御部30には、制御主体となるCPU31のほか、ROM32、作業用メモリ33、乱数発生器34などが含まれる。
図中の30は、前記制御基板5上の制御部である。この制御部30には、制御主体となるCPU31のほか、ROM32、作業用メモリ33、乱数発生器34などが含まれる。
前記ROM32には、プログラムのほか、各リール8a,8b,8cの図柄配列を示す図柄配列テーブルや、内部抽選をはじめとする各種抽選用の抽選テーブルなどが格納される。作業用メモリ33は、EPROMのような不揮発性メモリであって、前記内部抽選で当選したときの当選フラグなど、ゲームを進行させるのに必要な作業用データの読み書きに用いられる。乱数発生器34は、CPU31が抽選処理を行う際にサンプリングする乱数を生成するためのものである。
前記制御部30には、バス35を介して各種入出力部が接続される。入力部としては、前記した始動レバー25、停止スイッチ26a,26b,26c、ベットスイッチ27、精算スイッチ28のほか、メダル投入口24への投入メダルを検出するためのメダル検知センサ37などが接続される。また、出力部としては、前記リールユニット4の各ステッピングモータ9a,9b,9cを駆動するリール駆動部36a,36b,36c、メダル払出機6、貯留枚数表示器21、払出枚数表示器22、ボーナスゲーム用表示器23などが接続される。
上記構成のスロットマシンには、複数種の小役のほか、ビッグボーナス、レギュラーボーナスに移行するボーナス役(以下、これらの役をBB、RBと略す。)、引き分けの図柄組み合わせ(リプレイ)などが設定される。前記制御部30は、メダルの投入またはベットスイッチ27の操作に応じてゲーム開始可能な状態を設定する。そして、始動レバー25からの操作信号を受け付けると、リプレイを含む各種の役を対象として内部抽選を実行し、各リール8a,8b,8cを回転させる。さらに、停止スイッチ26a,26b,26cが操作される都度、対応するリール8a,8b,8cに、前記内部抽選により当選した役にかかる図柄を引き込む制御を実行して、前記リールを停止させる。
なお、この引き込みのためにリールを滑らせることができる駒数は4駒までに設定されており、この駒数内に当選図柄が含まれていない場合には、ゲーム結果は「はずれ」となる。ただし、引き込み対象の図柄がBBまたはRBを構成する図柄である場合には、入賞が成立するまで、その図柄の引き込み制御を続行する。
つぎに、この実施例のスロットマシンでは、RBに当選したときは、直ちに当選図柄の引き込み制御を行うのに対し、BBに当選した場合には、通常は当選図柄の引き込み制御を行わずに、その当選状態を示すフラグ(以下、「BBフラグ」という。)を蓄積するようにしている。蓄積されたBBフラグは、抽選により定めた回数分のゲームが実行されたことに応じて放出される。
図5〜8は、前記BBフラグの放出までに実行されるゲーム数を決定するための抽選テーブルを示す。いずれの抽選テーブルでも、所定の数値を「天井」として、天井までの範囲にある複数の区間に当選確率を割り当ててある。なお、各区間の当選確率は、いずれも、256を分母として確率を表した場合の分子の値に相当する。
前記天井の数値および当選確率の内訳は、テーブル毎に異なるものに設定されている。具体的には、図5のテーブルTAの天井は「1024」に、図6のテーブルTBの天井は「832」に、図7のテーブルTCの天井は「640」に、図8のテーブルTDの天井は「100」に、それぞれ設定される。
また、テーブルTA,TB,TCによるBBフラグの放出状態を比較すると、128ゲーム以内にBBフラグが放出される確率は、テーブルTAでは約28.1%、テーブルTBでは約26.6%、テーブルTCでは25%となる。また、テーブルTCでは、640ゲーム以内に確実にBBフラグが放出されるのに対し、他のテーブルTA,TBで640ゲーム以内にBBフラグが放出される確率は、テーブルTAでは約68.8%となり、テーブルTBでは約79.7%となる。また、テーブルTAにおいては、テーブルTBの天井である832ゲーム目よりも後の区間(833〜1024ゲーム)においても、約23.4の確率でBBフラグが放出される。
一方、図8のテーブルTDによれば、100ゲーム以内に確実にBBフラグが放出される上、50%の確率で32ゲーム以内にBBフラグが放出される。
上記の設定によれば、テーブルTDを、BBフラグが早期に放出されるテーブルとして位置づけることができる(以下、「連チャンテーブルTD」という。)。これに対し、他のテーブルTA,TB,TCは、いずれも、128ゲーム以内にBBフラグが放出される確率は30%に満たない上、その倍の256ゲームより後の期間にも、高い確率が設定されている。したがって、これらのテーブルTA,TB,TCは、ハマリ状態になる傾向が高いテーブルであると考えることができる。
またテーブルTA,TB,TCにより設定される平均的なゲーム実行回数は、テーブルTAで最も大きくなり、つぎにテーブルTB、そのつぎにテーブルTCとなる。そこで以下では、これらのTA,TB,TCを、それぞれ「大ハマリテーブルTA」、「中ハマリテーブルTB」,「小ハマリテーブルTC」と呼ぶことにする。
この実施例では、通常は、大ハマリテーブルTAを選択してBBフラグが放出されないゲームを実行している。このゲーム制御において、中ハマリテーブルTBの天井に相当する832ゲームを過ぎてもBBフラグが放出されない状態(以下、この状態を「大ハマリ状態」という。)が発生すると、BBフラグの放出後に、50%の確率で大ハマリテーブルTAから連チャンテーブルTDに切り替えるようにしている。また、連チャンテーブルTDへの切替が行われない場合にも、中ハマリテーブルTBまたは小ハマリテーブルTCのいずれかに切り替えるようにしているので、大ハマリ状態が連続発生することはない。また、大ハマリ状態の後は、連チャンテーブルTDへの切替が高い確率で実現するから、仮に大ハマリ状態となっても、遊技者に期待感を持たせることができ、ゲーム続行への意欲を維持することができる。
つぎに、図9を用いて、上記スロットマシンにおけるゲーム制御の一連の流れを説明する。なお、図中のSTは、ステップ(STEP)の略である。以下の説明でも、これに倣い、各ステップをSTとして示す。
図9の手順は、制御部への電源投入により開始される。なお、この実施例では、前記した不揮発性の作業用メモリ33にBBフラグの蓄積数やフラグを放出するまでのゲーム実行回数を書き込むようにしているので、電源切断後もそのデータを維持することができる。最初のST1では、ROM32から各種設定データを読み出すとともに、前記作業メモリ33のデータのうち、前記BBフラグの蓄積数やゲーム実行回数を除くデータをリセットする。したがって、前回の電源切断時にBBフラグが蓄積されている場合には、その蓄積状態を持ち越しすることができる。
つぎのST2では、BBフラグが蓄積されているかどうかを確認する。ここで、BBフラグが蓄積されている場合には、ST3に進み、大ハマリテーブルTAを選択する。
この後は、ST4の通常ゲーム処理に移行する。この通常ゲーム処理については詳細に説明しないが、各リール8a,8b,8cに対し、BBの当選図柄を引き込まない制御を実行する。また、内部抽選によりBBに当選する都度、蓄積数を1つ大きな数に更新する。一方、小役やRBに当選した場合には、対応する当選図柄を引き込み、入賞を成立させる。
通常ゲーム処理によるゲームが抽選により設定された回数分実行されると、ST5が「YES」となってST6の放出時ゲーム処理に進む。このゲーム処理では、蓄積されたBBフラグを用いて、BBの当選図柄を入賞ラインに引き込む制御を実行する。この引き込み制御は、BB入賞が成立するまで実行される。なお、BB入賞の成立により、前記蓄積数は1つ小さな値に更新される。また、ゲーム実行回数はゼロリセットされる。
前記放出時ゲーム制御によりBBに入賞すると、ST7が「YES」となり、ST8のビッグボーナス処理を実行する。このビッグボーナス処理は、小役への当選確率が高められた一般ゲームと、レギュラーボーナスとにより成るもので、30回の一般ゲームが実行されたとき、または3回のレギュラーボーナスを実行した時点で終了する。また、このビッグボーナス処理中のゲーム実行回数は、通常ゲーム処理のゲーム実行回数とは別に計数される。
ビッグボーナスが終了すると、ST9では、つぎのBBフラグを放出するまでのゲーム実行回数を決定し、しかる後に、ST4の通常ゲーム処理に戻る。以下、同様に、設定された回数分のゲームを消化する都度、BBフラグが放出されることになる。
なお、電源投入時にBBフラグが蓄積されていない場合には、ST2が「NO」となり、ST10の非蓄積時ゲーム処理を実行する。この処理では、BBへの初当選が成立するまでは、基本的に通常ゲーム処理と同様の制御によるゲームを実行する。BBに初当選すると、BBの当選図柄を引き込まないゲームを実行した後、大ハマリテーブルを選択して、BBフラグ放出までのゲーム実行回数を決める抽選を実行し、ST4に移行する。このような制御により、BBへの初当選直後からBBフラグの蓄積が開始されることになる。
つぎに図10を用いて、前記ST9の詳細な手順を説明する。なお、この手順では、各ステップを100番台の数字で示す。
まず最初のST101では、選択中の抽選テーブルをチェックする。ここで大ハマリテーブルTAが選択されている場合には、ST102に進み、BBフラグの放出前は大ハマリ状態であったかどうかをチェックする。ここで、放出直前のゲーム実行回数が833以上であれば、ST102が「YES」となってST103に進み、連チャンテーブルTDを選択するかどうかを決める抽選(連チャンテーブル選択抽選)を実行する。この抽選での当選確率は、50%に設定されており、ここで当選すると、ST104からST109に進んで、連チャンテーブルTDを選択する。
一方、連チャンテーブル選択抽選にはずれた場合には、ST105に進み、テーブル切替抽選を実行する。この抽選は、前記中ハマリテーブルTB,小ハマリテーブルTCのいずれかを選択するためのもので、両テーブルには、それぞれ50%ずつの当選確率が設定されている。中ハマリテーブルTBに当選した場合は、ST106からST107に進み、小ハマリテーブルTCに当選した場合は、ST106からST108に進み、それぞれ当選したテーブルを選択する。
なお、ST102において、放出前が大ハマリ状態ではないと判断した場合には、上記の手順はスキップされ、引き続き、大ハマリテーブルTAが選択される。
なお、ST102において、放出前が大ハマリ状態ではないと判断した場合には、上記の手順はスキップされ、引き続き、大ハマリテーブルTAが選択される。
また、ST101において大ハマリテーブルTA以外のテーブルが選択されていると判断した場合には、ST110に進み、大ハマリテーブルTAを選択するか否かの抽選(大ハマリテーブル選択抽選)を実行する。この抽選で大ハマリテーブルTAに当選すると、ST111からST112に進み、大ハマリテーブルTAに選択を切り替える。
なお、ST110での当選確率は80%程度に設定される。
なお、ST110での当選確率は80%程度に設定される。
このようにして、抽選テーブルの選択処理が行われた後は、ST113に進み、選択されたテーブルを用いて抽選を実行する。なお、前記図6〜8に示したように、いずれの抽選テーブルも、区間毎に当選確率を割り当てているので、ST113では、まず、前記当選確率に基づき区間を選択する抽選を実行し、つぎに、選択された区間に含まれる各ゲーム実行回数を対象とした抽選を実行する。この2段階の抽選により、1つのゲーム実行回数が選択されることになる。ST114では、この最終に選択されたゲーム実行回数を作業用メモリ33に保存し、しかる後に処理を終了する。
なお、上記の実施例では、各抽選テーブルTA,TB,TC,TDの天井の値を固定値としたが、これに限らず、所定区間に含まれる数値の中から天井の値を変動設定してもよい。また、上記実施例では、設定された数分のゲームが実行されたことを条件としてBBフラグを放出したが、これに代えて、ゲーム毎または所定数のゲームを実行する毎に放出抽選を実行し、この抽選に当選したことを条件としてBBフラグを放出するようにしてもよい。このような場合にも、放出抽選について、当選確率や天井の値が異なる複数の抽選テーブルを設定することができる。そして、天井が高く設定された抽選テーブルが選択されている場合には、大ハマリ状態後に、放出抽選への当選確率が高いテーブルに切り替えることにより、つぎのBBフラグを早期に放出させることができる。
また、抽選テーブルを切り替える制御を行う代わりに、大ハマリ状態後のBBフラグの放出に応じて、その放出によるビッグボーナスに通常よりも大きな特典を設けてもよい。たとえば、このビッグボーナス中の一般ゲームを、当選図柄を引き込むための停止操作順序を報知するゲームとすれば、遊技者は、報知どおりの停止操作によって、多数のメダルを獲得することができる。または、上記の停止操作を報知するゲームをビッグボーナス終了後に実行することにより、ビッグボーナスによる獲得メダルに加え、さらに多数のメダルを獲得することができる。
8a,8b,8c リール
30 制御部
31 CPU
32 ROM
33 作業用メモリ
TA 大ハマリテーブル
TD 連チャンテーブル
30 制御部
31 CPU
32 ROM
33 作業用メモリ
TA 大ハマリテーブル
TD 連チャンテーブル
Claims (5)
- 特別役への当選状態を示す当選フラグを蓄積するとともに、前記蓄積された当選フラグが放出されないゲームを、そのゲーム実行回数が所定の上限値を超えない範囲で実行するように設定されたスロットマシンにおいて、
所定の条件が成立したこと、または前記当選フラグが放出されないゲームの実行回数が前記上限値に達したことに応じて、前記当選フラグが放出されるゲームを実行するゲーム制御手段と、
ゲーム実行回数が所定数に達したとき以降に当選フラグが放出されたとき、その放出に応じて、遊技者に特別の利益をもたらす遊技状態を所定の確率で設定する利益付与手段とを具備して成るスロットマシン。 - 特別役への当選状態を示す当選フラグを蓄積するとともに、前記蓄積された当選フラグが放出されないゲームを、そのゲーム実行回数が所定の上限値を超えない範囲で実行するように設定されたスロットマシンにおいて、
前記当選フラグが放出されないゲームについて、前記上限値が異なる複数の制御状態のいずれかを選択する選択手段と、
前記当選フラグが蓄積されている状態下において、前記選択された制御状態により当選フラグが放出されないゲームを実行するとともに、所定の条件が成立したこと、またはゲーム実行回数が選択中の制御状態に設定された上限値に達したことに応じて、前記当選フラグを放出するゲーム制御手段と、
所定値以上の上限値が設定された制御状態が選択され、かつゲーム実行回数が所定数に達したとき以降に当選フラグが放出されたとき、その放出に応じて、遊技者に特別の利益をもたらす遊技状態を所定の確率で設定する利益付与手段とを具備して成るスロットマシン。 - 請求項2に記載されたスロットマシンにおいて、
前記所定値以上の上限値が設定された制御状態が選択され、かつゲーム実行回数が前記所定数に達したことに応じて当選フラグが放出されたとき、利益付与手段による設定処理が行われなかったことを条件として、選択中の制御状態を上限値がより低い制御状態に切り替える制御状態切替手段を具備して成るスロットマシン。 - 前記利益付与手段は、つぎの当選フラグが通常よりも小さい上限値をもって放出される遊技状態を設定する請求項1〜3のいずれかに記載されたスロットマシン。
- 前記利益付与手段は、前記当選フラグの放出に伴う特別役への入賞に対し、通常の入賞時よりも高い特典が付与された遊技状態を設定する請求項1〜3のいずれかに記載されたスロットマシン。
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