[スロットマシンの構成例]
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施形態に基づいて以下に説明する。図1は、本実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
スロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「ブランク」(例えば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「リプ」(例えば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「JAC3」(例えば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「ベルa」(例えば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「白7」(例えば、左リール2Lの領域番号17の図柄)、「JAC1」(例えば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「ベルb」(例えば、左リール2Lの領域番号11の図柄)、「ベルc」(例えば、左リール2Lの領域番号4の図柄)、「イチゴ」(例えば、中リール2Cの領域番号21の図柄)、「JAC2」(例えば、中リール2Cの領域番号18の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12個のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長の長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始(ゲーム結果を導出するためのリール回転開始)から一定期間経過していないためにゲーム結果を導出するためのリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定条件成立時(例えば後述するRT3終了時など、遊技者にとって有利な状態終了後)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定条件成立時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側の何れか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。後述するCB(チャレンジボーナス)時ではない非CB時においては、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ライン(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として非CB時では遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわちリールの中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1と、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2と、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3と、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち谷型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4と、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5とが形成されている。
また、本実施の形態においては、CB時では規定数の賭数としてメダル1枚が定められ、非CB時では規定数の賭数としてメダル3枚が定められており、規定数の賭数が設定されると、各入賞ラインが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。
本実施の形態においては、有効化されるライン(以下、有効化ラインともいう)として、入賞ラインL1が有効化される中段ラインと、入賞ラインL2が有効化される右上がりラインと、入賞ラインL3が有効化される右下がりラインと、入賞ラインL4が有効化される小谷ラインと、入賞ラインL5が有効化される小山ラインとが設定される。なお、本実施の形態のように複数ラインを有効化するものに限らず、1ラインのみを有効化するものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態で何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払出されるようになっている。
また、有効ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。本実施の形態では、図11を用いて後述するように、昇格リプ、突入リプ、および転落リプの何れかが入賞、あるいは、取りこぼし出目が導出されると、リプレイ確率が異なるRT1〜3のうち対応する遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのリールのみを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでもよいし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよいし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は非CB時においては190ms(ミリ秒)に設定されている。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの何れかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうち何れかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を有効ライン上に表示させることができる。
なお、本実施の形態においては、後述するCB時に限って、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は75ms(ミリ秒)に設定されている。75msの間では最大で1コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから1コマ先までにある図柄、合計2コマ分の図柄となる。このため、CB時においては、遊技者の目押しの技量に大きく依存して入賞が可能となる。
[スロットマシンの機能構成例]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインとが一系統のケーブルおよびコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、およびリールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、および設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、およびリールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施形態では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、例えば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、例えば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。また、液晶表示器51は、演出画面が表示される領域とは別の領域(例えば、液晶表示器51の全表示領域の右上隅の領域)に表示ゲーム数を表示する。以下では、ゲーム消化に応じて更新表示されるゲーム数を「表示ゲーム数」という。また、後述するように、表示ゲーム数の更新には、通常更新と特別更新とがある。通常更新とは、1ゲーム消化すると表示ゲーム数を1増加させる更新であるが、特別更新とは、1ゲームしか消化していないにもかかわらず表示ゲーム数を2以上増加させる更新である。なお、本実施形態では、表示される表示ゲーム数の最小値(初期値)を「1」とし、最大値を「1000」とする。また、表示ゲーム数が、後述する到達ゲーム数に到達すると表示ゲーム数は1に戻る(初期化される)。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限らず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90は、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成される。演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路などが搭載されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
また、本実施形態では、サブCPU91aは、現在の表示ゲーム数データをRAM91cに記憶させる制御を行うとともに、表示制御回路92は、RAM91cに記憶されている表示ゲーム数データに基づいて、当該表示ゲーム数データから特定される表示ゲーム数を液晶表示器51に表示させる。そして、表示ゲーム数が通常更新制御または特別更新制御が行われる度に、サブCPU91aは、RAM91cに記憶されている表示ゲーム数データに対して、行われた更新制御を反映させつつ、表示制御回路92は、当該更新制御が反映された表示ゲーム数データから特定される表示ゲーム数を液晶表示器51に表示させる。表示ゲーム数データは、RAM91cに格納される。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、CBの当選確率については、設定値に依存することなく何れの遊技状態においても一定の当選確率となっている。なお、CBについても他の小役などと同様に設定値に応じた当選確率を用いてもよい。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタをメイン制御部41のRAM41cのスタックに退避し、RAM41cに何れかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施の形態では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施の形態では、メイン制御部41のRAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、初期化すると不都合があるデータに加え、遊技状態がRT0〜3のうち何れに制御されているかを特定するためのRTフラグが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、所定遊技状態(例えば後述するRT3など、遊技者にとって有利な状態)中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグなど、所定遊技状態終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、所定遊技状態終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
次に、本実施形態におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[起動処理(メイン)]
メイン制御部41は、リセット回路49からシステムリセット信号が入力されると、図5のフローチャートに示す起動処理(メイン)を行う。
図5に示すように、メイン制御部41は、まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa2)、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化する(Sa3)。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa4)、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算する(Sa5)。
Sa6のステップでは、Sa5のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa6のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではなく、この場合には、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、重要ワークを除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa19)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa20)、設定キースイッチ37がonであれば、設定変更中コマンドを生成し(Sa16)、生成した設定変更中コマンドをコマンドバッファに格納し(Sa17)、図7〜図8において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa18)、当選役の当選確率の変更などを行う設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。そして、設定変更処理が終了すると、図6に示すゲーム処理に移行する。
Sa20のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa21)、RAM異常を示すエラーコマンドを生成し(Sa22)、生成したエラーコマンドをコマンドバッファに格納し(Sa23)、図7〜図8において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa24)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。そして、例えば、遊技店員によってリセット/設定スイッチ38が操作されるなどして、RAM異常エラー状態が解除されると、図6に示すゲーム処理に移行する。
Sa6のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa7)。正常に電断処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa7のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、Sa19のステップに移行して初期化1を実行し、その後、Sa20のステップにおいて設定キースイッチ37がonであれば、前述したSa16〜Sa18の処理を行い、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。また、Sa20のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、前述したSa21〜Sa24の処理を行い、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。そして、RAM異常エラー状態が解除されると、図6に示すゲーム処理に移行する。
Sa7のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa8)、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa9)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa10)、設定キースイッチ37がonであれば、前述したSa16〜Sa18の処理を行い、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。そして、設定変更処理が終了すると、図6に示すゲーム処理に移行する。
Sa10のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa11)、復帰コマンドを生成して(Sa12)、コマンドバッファに格納し(Sa13)、図7〜図8において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa14)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。電断前に図8に示すゲーム処理中のいずれかの処理が行われていた場合には、Sa11で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値に基づいて、ゲーム処理のS1〜S6の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。また、例えば、電断前に図7〜図8に示すタイマ割込処理中のいずれかの処理が行われていた場合には、Sa11で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値に基づいて、タイマ割込処理のSk1〜Sk26の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。
[ゲーム処理]
図6は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態(CB、非CB)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。より具体的には、遊技状態に応じた規定数(例えば非CB時では3)の賭数が設定された時点で、入賞ラインが有効化され、ゲームを開始させることが可能となる。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された有効ライン上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、CB入賞可能なCB役とを含む。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、メイン制御部41のRAM41cに当選フラグが設定される。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAM41cに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。
内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、メイン制御部41のRAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態およびCBであるか否かに応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、RTを特定するためのRTフラグの値、CBであるか否かを特定するためのCBフラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値、CBフラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、何れかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、例えば2バイトの格納領域にて構成されている。一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、何れの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークをクリアする。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
ここで、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、メイン制御部41のROMに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、何れかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、何れか1つのリールが停止したとき、または何れか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、非CB時において滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、何れかの役に当選している場合には、当選役を有効ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が有効ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、何れの役にも当選していない場合には、何れの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、有効ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、何れかの役が当選している場合でも何れの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施の形態のスロットマシン1では、メイン制御部41側において、遊技者の停止操作通りにリールの回転を停止させる制御を行う。サブ制御部91側において、AT中ではない、つまり非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させなかった場合には、左リール2Lを第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行われる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて左第1停止するようにさせるためである。つまり、本実施の形態のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて左第1停止させるように設計されている。
以下では、左第1停止させる押し順を「推奨押し順」ともいい、「推奨押し順」でストップスイッチ8L、8C、8Rを押すことを「順押し」ともいう。また、推奨押し順以外の押し順(つまり、右第1停止または中第1停止させる押し順)を「変則押し順」ともいい、「変則押し順」でストップスイッチ8L、8C、8Rを押すことを「変則押し」ともいう。つまり、非AT中に遊技者が変則押しを実行すると、ペナルティが付与される。
本実施の形態において、非AT中のゲームで左第1停止させなかった場合には以下のペナルティが科される。また、後述する通常演出が実行されているゲームで左第1停止させなかった場合に、当該ペナルティが科されるようにしてもよい。当該ペナルティとしては、6ゲームの期間中、後述するAT抽選が実行されないようになっている。これにより、ペナルティが科されてしまうと、後述する昇格リプや突入リプに入賞させることが難しくなり、遊技者にとって有利なRT2やRT3に移行しにくくなってしまう。そのため、遊技者は、ペナルティが科されないように、非AT中に左第1停止をするようになる。なお、ペナルティとしては、上記に限らない。例えば、AT抽選において後述するナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものであってもよい。さらには、すでに所有するナビストックを取り消すものであってもよい。また、遊技者にとって有利度合いが向上することを示唆するフリーズなどの演出を実行させないものであってもよい。
なお、ATとは、サブ制御部91によって制御される演出状態であって、内部抽選結果に応じた情報(操作手順など)を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムをいう。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。Sd4においては、遊技状態の移行を伴う表示結果が停止されたときに、RTフラグおよびCBフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出しなどの処理を行う。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払出しにより遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をメイン制御部41のRAM41cに設定する。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定変更中コマンド、設定確認コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらのコマンドは、メイン制御部41のRAM41cの特別ワークに設けられたコマンド送信用バッファに一時的に格納され、図7〜図8に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるコマンド送信処理(Sk16)においてサブ制御部91に送信される。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。また、サブ制御部91は、例えば内部当選コマンドを受信すると、スタートスイッチ7が操作された当該ゲームの1ゲーム前のゲームが終了したとして、表示ゲーム数を更新する。前述のように、当該更新には、後述する通常更新と特別更新とがある。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。リールは賭数設定後に行われたスタートスイッチ7の操作に応答して回転開始するので、リール回転開始コマンドによりスタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたことも検出可能である。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れかであるか、停止するリールが何番目の停止であるか(すなわち、第1停止、第2停止、第3停止のいずれであるか)、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、有効ラインに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出しが開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出しが終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RTの種類、CBの有無など)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、所定遊技状態終了後、打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定変更中コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定変更中コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定変更中コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴なってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定変更中コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのかおよび他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類の何れかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、何れかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(何れかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、サブ制御部91に送信される。
本実施の形態のスロットマシン1においては、何れかの有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類としては、前述したように、大きく分けて、小役と、再遊技役と、CB役とがある。また、入賞となる役には、遊技状態の移行を伴う移行役が含まれる。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。
[タイマ割込処理(メイン)]
図7および図8は、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
図7および図8に示すように、タイマ割込処理(メイン)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sk1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sk2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sk2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sk3)、電断フラグが設定されていなければ、Sk4に進み、電断フラグが設定されていた場合には、後述する電断処理(メイン)に移行する。
Sk4のステップでは、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sk5)。この実施形態では、タイマ割込1とは、モータを制御してリールの開始制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するリール始動処理など、Sk9〜Sk11の処理が行われる。また、タイマ割込2とは、LED表示制御や、時間カウンタの更新、ドア開閉状態の監視、制御信号等の出力制御、コマンドおよび外部出力信号の更新を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するLEDダイナミック表示処理など、Sk12〜Sk17の処理が行われる。また、タイマ割込3とは、リールの原点通過を検出したり、スイッチ入力を監視したり、乱数値の読み出しを行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する原点通過時処理など、Sk20〜Sk22の処理が行われる。また、タイマ割込4とは、停止スイッチの入力を検出してリールの停止制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する停止スイッチ処理など、Sk23〜Sk25の処理が行われる。Sk5のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sk6)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSk10のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSk24の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sk7)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sk8)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sk9)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sk10)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sk11)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk8のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sk12)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sk13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sk14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求などを行うドア監視処理(Sk15)、コマンドバッファに設定された設定変更中コマンドや復帰コマンド、エラーコマンド等の各種コマンドをサブ制御部91に送信するコマンド送信処理(Sk16)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sk17)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk6のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sk18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sk20)、スイッチ類の検出状態に変化があったか否かの判定、操作検出コマンドの送信要求等を行うスイッチ入力判定処理(Sk21)、乱数値レジスタR1Dから数値データを読み出して乱数値格納ワークに格納する乱数値読出処理(Sk22)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
また、Sk18のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Sk23)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sk24)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sk25)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
Sk26のステップでは、Sk1においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し、割込前の処理に戻る。
[入賞役、取りこぼし出目]
図9は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、払出枚数/作動、および、入賞役の関連情報について説明するための図である。また、図10は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ有効ライン上に停止される取りこぼし出目を説明するための図である。
本実施の形態においては、複数種類の入賞役として、CB役であるCBと、再遊技役であるリプ1〜12と、小役であるJAC、AT1〜18、イチゴ、およびチャンス1、2とが設けられている。
CBは、有効ラインに「JAC3−JAC2−JAC3」の組合せが揃ったときに入賞となる。なお、本実施の形態における図柄組合せの説明における「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。
CBを構成する図柄のうち、左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「JAC3」は、それぞれ5コマ以内に配置されていない。しかしながら、図1に示すように、有効ラインは、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてCBに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているCBを入賞させることができる。つまり、CBは取りこぼしのない役である。CBに入賞したときには、CB入賞前後で後述するRT状態が変わらずに、CBが作動される。なお、CBに入賞したときには、メダルは払出されない。
再遊技役のうちリプ1を構成する左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ1に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ1を入賞させることができる。つまり、リプ1は取りこぼしのない役である。リプ1に入賞したときには、RT状態が移行せずに維持されるため、リプ1は、維持リプともいう。
また、リプ2を構成する左リール2Lおよび中リール2Cの図柄は、5コマ以内に配置されている一方、右リール2Rの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ2に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ2を入賞させることができる。つまり、リプ2は取りこぼしのない役である。リプ2に入賞したときには、RT状態がRT1からRT2へ移行するため、リプ2は、昇格リプともいう。
リプ3〜リプ5各々を構成する左リール2Lおよび中リール2Cの図柄は、それぞれ5コマ以内に配置されている一方、右リール2Rの図柄は、5コマ以内に配置されておらず、かつ、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ3〜リプ5のいずれかに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプに入賞させることができない。つまり、リプ3〜リプ5は取りこぼしのある役である。リプ3〜リプ5のいずれかに入賞したときには、RT状態がRT2またはRT3からRT1へ移行するため、リプ3〜リプ5は、転落リプともいう。
リプ6を構成する左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、右リール2Rの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「白7」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ6に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ6を入賞させることができる。つまり、リプ6は取りこぼしのない役である。リプ6に入賞したときには、RT状態がRT2からRT3へ移行するため、リプ6は、突入リプともいう。
リプ7を構成する左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。また、右リール2Rの図柄である「JAC1」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC1」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ7に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ7を入賞させることができる。つまり、リプ7は取りこぼしのない役である。リプ7に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ7は、チャンスリプともいう。本実施の形態においては、リプ7に入賞しても単に再遊技が行われるだけであるが、リプ7に入賞したときには後述するAT抽選が行われるなど、何らかの特典が付与されるものであってもよい。
リプ8を構成する左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、中リール2Cの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「白7」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ8に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Cを操作しなければ、当選しているリプ8に入賞させることができない。つまり、リプ8は取りこぼしのある役である。リプ8に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ8に入賞したときには、有効ライン上に「リプ−白7−リプ」の組合せが揃うとともに、他の有効ライン上には「白7」が3つ揃うか、あるいは「白7」が2つ揃うテンパイ状態となる。そのため、リプ8は、7揃い用リプともいう。
リプ9を構成する左リール2Lの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「白7」を停止可能である。中リール2Cの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「白7」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である「リプ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ9に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Cを操作しなければ、当選しているリプ9に入賞させることができない。つまり、リプ9は取りこぼしのある役である。リプ9に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ9に入賞したときには、有効ライン上に「白7−白7−リプ」の組合せが揃うとともに、他の有効ライン上には「白7」が3つ揃うか、あるいは「白7」が2つ揃うテンパイ状態となる。そのため、リプ9は、7揃い用リプともいう。
リプ10〜リプ12各々を構成する左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていないが、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。また、右リール2Rの図柄は、5コマ以内に配置されておらず、かつ、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ10〜リプ12のいずれかに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプに入賞させることができない。つまり、リプ10〜リプ12は取りこぼしのある役である。リプ10〜リプ12のいずれかに入賞したときには、RT状態がRT2からRT3へ移行するため、リプ10は、突入リプともいう。
小役のうちJACを構成する左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「JAC1」は、それぞれ5コマ以内に配置されていないが、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC1」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてJACに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているJACを入賞させることができる。つまり、JACは取りこぼしのない役である。JACに入賞したときには、14枚のメダルが払出される。
小役のうちAT役には、AT1〜18の18種類のAT役が含まれる。AT1を構成する左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT1に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT1に入賞させることができない。また、AT1と同様に、AT2〜AT18各々を構成する左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄は、5コマ以内に配置されておらず、操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT2〜AT18のいずれかに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているATに入賞させることができない。つまり、AT1〜AT18は取りこぼしのある役である。AT1〜AT18のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
小役のうちイチゴは、有効ラインに「ANY−イチゴ−リプ」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもイチゴを入賞させることが可能である。また、中リール2Cの図柄である「イチゴ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。さらに、右リール2Rの図柄である「リプ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてイチゴに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているイチゴを入賞させることができる。つまり、イチゴは取りこぼしのない役である。イチゴに入賞したときには、14枚のメダルが払出される。
小役のうちチャンス役には、チャンス1およびチャンス2の2種類のチャンス役が含まれる。チャンス1は、有効ラインに「ブランク−ベルa−ANY」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ブランク」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「ブランク」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもチャンス1を入賞させることが可能である。したがって、内部抽選においてチャンス1に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8Cを操作しなければ、当選しているチャンス1に入賞させることができない。つまり、チャンス1は取りこぼしのある役である。チャンス1に入賞したときには、7枚のメダルが払出される。
チャンス2は、有効ラインに「ブランク−ベルb−ANY」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ブランク」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「ブランク」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。右リール2Rの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもチャンス2を入賞させることが可能である。したがって、内部抽選においてチャンス2に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8Cを操作しなければ、当選しているチャンス2に入賞させることができない。つまり、チャンス2は取りこぼしのある役である。チャンス2に入賞したときには、7枚のメダルが払出される。
次に、図10を用いて取りこぼし出目を説明する。取りこぼし出目は、小役のうち後述する左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかに当選しているゲームにおいて、当選役に含まれる入賞役の何れにも入賞させることができない場合(取りこぼす場合)において、有効ライン上に必ず引込まれて停止する特定のはずれの図柄組合せである。
取りこぼし出目は、こぼし目1〜18を含む。こぼし目1〜こぼし目18は、各々、有効ラインに、図10においてこぼし目に対応して示される図柄組合せをいう。
小役のうち左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3に当選しているゲームにおいて、当選役に含まれる入賞役のうち何れも発生させることができない場合にはこぼし目1〜18の何れかが有効ラインに導出され、RT状態がRT1に移行される。
[遊技状態の遷移]
図11は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、図11に示すように、メイン制御部41により、RT0〜3の4種類の遊技状態(RT状態ともいう)のうち何れかに制御される。
RT0は、内部抽選の当選確率の設定変更後に制御される遊技状態である。RT1は、通常、最も制御される時間が長い遊技状態である。RT1には、RT0におけるゲームで取りこぼし出目が導出されたときに移行される。また、RT2は、RT1よりも再遊技の確率が高くなる遊技状態である。RT2には、RT1におけるゲームで昇格リプに入賞したときに移行される。一方、RT2におけるゲームで転落リプに入賞、または取りこぼし出目が導出されたときには、RT1に移行される。また、RT3は、RT2よりも再遊技役に当選する確率が高くなる遊技状態である。RT3には、RT2におけるゲームで突入リプに入賞したときに移行される。一方、RT3におけるゲームで転落リプに入賞、または取りこぼし出目が導出されたときには、RT1に移行される。さらに、本実施の形態においては、RT0〜3の何れにおいても、CBに入賞することで、RT状態を維持したままでCB中のゲームが実行される。CBとは、チャレンジボーナスとも称し、JAC、AT1〜18、イチゴ、およびチャンス1、2の小役全てが当選するゲームが行われる。そのため、CB中のゲームでは、遊技者の目押しにより小役の入賞が毎ゲーム可能となる。
[非CB時の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図12、10を参照して、非CB時の内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3の何れであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図12、10においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の名称を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
また、抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、無印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「1600」が設定されている抽選対象役の当選確率は、1600/65536となる。なお、内部抽選において、何れの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
図12に示すように、内部抽選において、抽選対象役のうちJACが読み出されたときには、JACに対応する入賞役であるJACについての当否抽選が行われる。
抽選対象役のうち左ベル1が読み出されたときには、左ベル1に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT1、AT2、AT3、AT4、AT5、およびAT6すべてを一括した当否抽選が行われる。抽選対象役のうち左ベル2〜右ベル3が読み出されたときも、同様に、それぞれの抽選対象役に対応して図12に示される入賞役の組合せすべてを一括した当否抽選が行われる。また、抽選対象役のうちイチゴが読み出されたときには、イチゴについての当否抽選が行われる。抽選対象役のうちチャンス1が読み出されたときには、チャンス1についての当否抽選が行われる。抽選対象役のうちチャンス2が読み出されたときには、チャンス2についての当否抽選が行われる。抽選対象役のうちCBが読み出されたときには、CBについての当否抽選が行われる。
また、RT0〜3の何れの遊技状態においても、JAC、左ベル1〜3、中ベル1〜3、右ベル1〜3、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBが内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、RT0〜RT3の何れの遊技状態においても、遊技状態にかかわらずそれぞれの抽選対象役に共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
次に、右欄に記載されているリール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止リール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れであるかに応じて、JACあるいは当選しているAT役のうちの何れかを有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
例えば、左ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル1〜3の何れかが当選し、中第1停止または右第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。前述したように、AT役は、取りこぼしのある役である。よって、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図10で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
中ベル1〜3の何れかが当選し、中第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。一方、中ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止または右第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図10で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
右ベル1〜3の何れかが当選し、右第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。一方、右ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止または中第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図10で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、左ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、左第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行われ、左第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、中ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、中第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行われ、中第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、右ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、右第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行われ、右第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行われる。
以上のように本実施の形態では、左ベル1〜3の何れが当選したか、中ベル1〜3の何れが当選したか、および右ベル1〜3の何れが当選したかによって、JACを確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ取りこぼし出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。つまり、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3についてはそれぞれ、押し順(以下、「特定押し順」ともいう。)が対応付けられている。図12の例では、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3それぞれの特定押し順は、左第1停止、中第1停止、右第1停止である。
上記のようなリール制御が行われる理由は、遊技者がストップスイッチを操作したときに、払出枚数が多い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に有効ライン上に引き込んでリールを停止させるか、あるいは、入賞の可能性が高い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に有効ライン上に引き込んでリールを停止させるかが、一義的に決められているからである。
例えば、左ベル1に当選したときに遊技者が行った第1停止が左第1停止であった場合には、左ベル1に含まれる入賞役のうち払出枚数が多いJACを入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。一方、左ベル1に当選したときに遊技者が行った第1停止が中第1停止や右第1停止であった場合には、左ベル1に含まれる入賞役のうち入賞の可能性が高いAT役を入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。
入賞の可能性が高いAT役を入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させる具体例を以下に説明する。例えば、左ベル1に当選したときに遊技者が行った第1停止が中第1停止であった場合には、図9に示すように、左ベル1に含まれる何れかの役を入賞させるためには、「JAC2」、「ベルa」、「ベルb」の何れかを有効ライン上に引き込んでリールを停止させる必要がある。ここで、「JAC2」を有効ライン上に引き込むよりも、「ベルa」または「ベルb」を有効ライン上に引き込んだ方が入賞役の選択肢が多い(例えば、「JAC2」を停止させると入賞役の選択肢は「JAC]の1種類のみだが、「ベルa」を停止させると入賞役の選択肢は「AT1」、「AT2」、「AT3」の3種類ある)。そのため、第1停止が中第1停止であった場合には、入賞の可能性の高いAT役の何れかを入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。
そして、RT2またはRT3で、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選したときに特定押し順で操作された場合には、JACが入賞してRT状態が維持されるとともに14枚のメダルが払出される。一方、RT2またはRT3で、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選したときに特定押し順以外の押し順で操作された場合には、取りこぼし出目が導出される可能性があり、この場合にはRT状態がRT1に転落する。RT1は、RT2やRT3と比較して再遊技役の当選確率が低い不利なRT状態であるため、RT2またはRT3で左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選した場合には、特定押し順で操作されたときよりも特定押し順以外の手順で操作されたときの方が遊技者は不利になる割合が高い。よって、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3は、押し順によってRT状態が変わって大きく有利度を異ならせることが可能な役であるといえる。
一方、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBについては、押し順にかかわらず取りこぼさなければそれぞれに対応する役に入賞する。さらに、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBについては、入賞前後でRT状態は変化しない。よって、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBは、押し順にかかわらず有利度が同一である役だといえる。
なお、本実施の形態においては、前述したような押し順によって有利度が異なる当選役を第1当選役といい、押し順にかかわらず有利度が同一である当選役を第2当選役ともいう。図12に示す例では、非CB時における第1当選役には、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3が含まれる。また、非CB時における第2当選役には、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBが含まれる。
なお、図12に示すように、中ベル1〜3や右ベル1〜3よりも、左ベル1〜3の当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止しなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左第1停止させるように設計されている。このため、左ベル1〜3よりも中ベル1〜3や右ベル1〜3の方が当選確率が高いにもかかわらず、非AT中のときには中ベル1〜3や右ベル1〜3に当選した場合にJACを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときに仮にRT2に制御された場合であっても、高い確率で取りこぼし出目が導出されるため、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、JACを確実に入賞させることができ、RT1に転落することを回避させることができる。
次に、図13に示すように、抽選対象役のうち通常リプ1が読み出されたときには、通常リプ1に対応する入賞役であるリプ1についての当否抽選が行われる。なお、図13に示すテーブル表は、非CB時テーブル表ともいう。
抽選対象役のうち通常リプ2が読み出されたときには、通常リプ2に対応する入賞役の組合せであるリプ1およびリプ7についての当否抽選が行われる。抽選対象役のうち、図13の左欄に示す通常リプ3から7はずれリプのうちいずれかが読み出されたときも、同様に、それぞれの抽選対象役に対応して図13に示される入賞役の組合せすべてを一括した当否抽選が行われる。
また、RT0の遊技状態においては、通常リプ1が内部抽選の対象役として読み出される。RT1の遊技状態においては、通常リプ1および通+昇リプ1〜4が内部抽選の対象役として順に読み出される。RT2の遊技状態においては、通常リプ1、通+転リプ1〜3、および通+突リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。RT3の遊技状態においては、通常リプ2、通常リプ3、通+転リプ1〜3、チャンリプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
ここで、通常リプ2、通常リプ3、チャンリプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプは、RT3の遊技状態であるときのみ抽選対象役に設定されている。そのため、RT3は、他の遊技状態に比べて再遊技となる確率が高くなっている。また、後述するように、通常リプ2および通常リプ3は、CB中においては唯一14枚払出しが可能な役である。そのため、RT3のときのみCB中のゲームで14枚払出しがされる可能性がある。さらに、後述するように、7揃いリプに当選したときには、AT抽選が実行される。そのため、RT3は、他の遊技状態に比べてAT抽選が実行される可能性が高くなっている。
次に、リール制御の内容について説明する。通+昇リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ1が当選し、中第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ1が当選し、中第1停止させその後に右第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+昇リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ2が当選し、中第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ2が当選し、中第1停止させその後に右第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+昇リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ3が当選し、右第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ3が当選し、右第1停止させその後に中第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+昇リプ4が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ4が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ4が当選し、右第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ4が当選し、右第1停止させその後に中第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、通+昇リプ1〜4の何れかが当選したときには、左第1停止する限りは、常に維持リプが入賞するようになっており、昇格リプを入賞することができなくなっている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+昇リプ1〜4の何れかが当選した場合には、昇格リプを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときにRT1に制御されているときは、昇格リプを入賞させてRT2に昇格させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+昇リプ1〜4に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、昇格リプを確実に入賞させることができ、RT2に昇格することができる。
通+転リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+転リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+転リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、通+転リプ2または通+転リプ3に当選したときには、左第1停止する限りは、常に転落リプが入賞するようになっている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+転リプ2または通+転リプ3に当選した場合には、転落リプに入賞する可能性が高くなっている。よって、非AT中のときにRT2に制御されていても、転落リプに入賞することでRT1に転落する可能性が高くなる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+昇リプ2または通+昇リプ3に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、転落リプの入賞を回避させることができ、RT2を維持することができる。
通+突リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+突リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+突リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、通+突リプ2または通+突リプ3に当選したときには、左第1停止する限りは、常に維持リプが入賞するようになっており、突入リプを入賞することができなくなっている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+突リプ2または通+突3に当選した場合には、突入リプを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときにRT2に制御されていても、突入リプを入賞させてRT3に昇格させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+突リプ2または通+転リプ3に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、突入リプを確実に入賞させることができ、RT3に昇格することができる。
チャンリプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
チャンリプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
チャンリプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
7揃いリプが当選した場合には、第2停止まで行ったときに有効ライン上に「白7」が2つ揃うテンパイ状態となり、その後、第3停止のタイミングに応じて有効ライン上に「白7」が3つ揃って停止する7揃い出目を導出させる制御を行う。
7はずれリプが当選した場合には、第2停止まで行ったときに有効ライン上に「白7」が2つ揃うテンパイ状態となり、その後、第3停止のタイミングにかかわらず有効ライン上に「白7」が3つ揃わずに停止する7揃いはずれ出目を導出させる制御を行う。
以上のように、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3については、それぞれ特定押し順が対応付けられている。そして、図13に示すように、押し順に応じて異なる種類の再遊技役(維持リプ、転落リプ、昇格リプ、突入リプ)が入賞して、RT状態が変化する。よって、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3は、押し順によってRT状態が変わって大きく有利度を異ならせることが可能な役であるといえる。
一方、通常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプについては、押し順にかかわらず所定の役に入賞する。つまり、通常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプは、押し順にかかわらず有利度が同一である役だといえる。
よって、図13に示す例では、非CB時における第1当選役には、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3が含まれる。また、非CB時における第2当選役には、常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプが含まれる。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて、リール制御を行い、表示結果にしたがってメダル払出しや遊技状態移行を行う。また、メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信する。なお、CB時における当選役などについては、非CB時のものと同一となる。
[ゲームの流れ]
ここで、図11を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、図11に示されるように、設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0では、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときに、高い確率でJACおよびAT役を取りこぼして、有効ラインに取りこぼし出目が停止され、いつまでも取りこぼし出目が停止されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、前述したように、RT0〜RT3において非AT中のときに、左第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、非AT中のときには、左第1停止するように停止操作を行う。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT1では、昇格リプに入賞することにより、RT2に移行する。昇格リプに入賞するためには、図13で示したように、通+昇リプ1〜4の何れかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、通+昇リプ1〜4の何れかに当選しても左第1停止する限りは昇格リプに入賞しない。よって、左第1停止させる限り、RT2に移行する可能性はない。
また、RT1においてペナルティを科されながらも左第1停止させて昇格リプに入賞してRT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、RT2では、通+転リプ2、3に当選する可能性があり、このときに、左第1停止すると転落リプが入賞してRT1に転落してしまう。さらに、RT2で中ベル1〜3や右ベル1〜3のうち何れかに当選したときには、左第1停止すると第2停止と第3停止のタイミングによっては取りこぼし出目が導出されてRT1に転落してしまう。このため、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、通+昇リプ1〜4の何れかに当選したときに、昇格リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプ入賞によりRT2に移行させることができる。
また、RT2では、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに、維持リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、維持リプ入賞によりRT2を維持することができる。
さらに、RT2では、通+突リプ1〜3の何れかに当選したときに、突入リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、突入リプ入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときに、JACを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、JAC入賞により取りこぼし出目の導出を回避させてRT3を維持させることができる。ここで、本実施の形態においては、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときにJACを取りこぼした場合は押し順に応じてAT1〜18に入賞するしかメダルは払出されない。しかも、運よくAT1〜18に入賞したとしても、メダルの払出枚数はJACの14枚よりもはるかに少ない1枚のメダルしか払出されない。そのため、ATに制御されているときには、制御されていないときよりも、遊技者が得られるメダルの払出枚数を多くすることができ、AT制御の有無によって有利度を大きく異ならせることができる。なお、RT3では、チャンリプ1〜3の何れかに当選したときに、チャンスリプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。
[サブ制御部の演出制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。なお、当該演出については、前述の所定演出が含まれている。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてROM91bに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、ROM91bに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンから何れかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてROM91bに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91では、非AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、左第1停止されているか否かを判定し、当該判定結果に応じて所定のペナルティを科す制御を行う。ペナルティとしては、前述したように、6ゲームの期間中、AT抽選が実行されなかったり、AT抽選においてナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものなどがある。
なお、単なる操作ミスにより左第1停止することができない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に左第1停止以外を操作している蓋然性が高いことを推認できる所定のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行うようにしてもよい。
所定のペナルティ条件は、例えば、所定ゲーム数(例えば100ゲーム)消化するまでに左第1停止以外の操作がされた回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、非AT中のゲームにおいて、受信した内部当選コマンド、入賞判定コマンド、および遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて左第1停止している限り入賞しない入賞役に入賞したと判定されたときや、このように判定された回数が所定ゲーム数(例えば100ゲーム)消化するまでに所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよい。なお、遊技状態に応じて左第1停止している限り入賞しない入賞役とは、例えば、中ベル1〜3や右ベル1〜3の何れかに当選したときのJACが該当する。
また、サブ制御部91は、AT中にナビ演出を実行したゲームにおいて、当該ナビ演出から特定される操作手順と異なる手順で操作されたか否かを判定し、異なる手順で操作されたと判定されたときには遊技者にとって不利なAT中のペナルティを科す制御を行う。AT中のペナルティとしては、6ゲームの期間中、AT抽選が実行されなかったり、AT抽選においてナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものなどがある。また、例えば、すでに付与されているナビストックを所定数減算すること、AT抽選条件が成立してもAT抽選を行わないことなどがある。
なお、AT中においても、単なる操作ミスによりナビ演出から特定される操作手順で操作できない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的にナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作している蓋然性が高いことを推認できるAT中のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行うようにしてもよい。
AT中のペナルティ条件は、例えば、所定ゲーム数(例えば100ゲーム)消化するまでにナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作された回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、所定回数(2回)連続してナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作されたことにより成立するものなどであってもよい。
また、AT中において、ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作した場合において、取りこぼし出目の導出や転落リプ入賞した場合には、RT1に制御されてしまう。このようにAT中でありながら、操作ミスによってRT1に制御されてしまった場合には、制裁措置としてその時点でATを終了(ナビストックを消去)させるようにしてもよく、これとは逆に、救済措置としてATを継続して再びRT3へ制御させるようにナビ演出を実行するようにしてもよい。
次に、本実施の形態におけるサブ制御部91が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[起動処理(サブ)]
まず、本実施の形態におけるサブ制御部91が実行する起動処理(サブ)の制御内容を図14に基づいて説明する。
図14に示すように、サブ制御部91は、リセット回路95からシステムリセット信号が入力されると起動処理(サブ)を行う。
まず、サブ制御部91は、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sn1)、RAM91cへのアクセスを許可する(Sn2)。次いで、図7の起動処理(メイン)のSa12で生成された復帰コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(Sn3)。復帰コマンドを受信していない場合には、図7の起動処理(メイン)のSa16で生成された設定変更中コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(Sn4)。設定変更中コマンドを受信した場合には、設定変更中コマンドを受信したことを示す設定受信コマンドフラグをRAM91cの所定領域に格納する(Sn5)。
復帰コマンドを受信した場合および設定変更中コマンドを受信した場合には、RAM91cにバックアップデータがあるか否かが判定される。RAM91cにバックアップデータがあるか否かは、例えば、後述する電断処理においてRAM91cに設定されるバックアップフラグがあるか否かによって確認される(Sn6)。Sn6のステップにおいてバックアップフラグが設定されていなければRAM91cの初期化を実行する(Sn13)。他方、Sn6において、バックアップフラグが設定されていることが判定された場合には、RAMのデータは正常であるので、バックアップフラグがクリアされる(Sn7)。
Sn7のステップにおいてバックアップフラグがクリアされた場合には、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算する(Sn8)。Sn9のステップでは、Sn8のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する。Sn9のステップにおいてRAMパリティが0でなければRAM91cの初期化を実行する(Sn13)。
Sn9のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、設定変更中コマンド受信フラグがRAM91cに格納されているか否かが判定される(Sn10)。
設定変更中コマンド受信フラグがRAM91cに格納されている場合には、RAM91cの初期化を実行する(Sn13)。設定変更中コマンド受信フラグがRAM91cに格納されていない場合には、バックアップされたデータに基づいて復帰処理が実行される(Sn11)。また、ステップSn4において、設定変更中コマンドを受信していないことが判定された場合には、図7の起動処理(メイン)のSa22で生成されたエラーコマンドをメイン制御部41から受信したか否かが判定される(Sn14)。エラーコマンドを受信していることが判定された場合には、Sn15のステップに移行してRAM91cの初期化を実行し、エラー処理が行われる(Sn16)。エラー処理では、エラー報知がなされ、例えば、遊技店員によってリセット/設定スイッチ38が操作されるなどしてエラー状態が解除されると、エラー報知が終了して元の状態に復帰する。エラーコマンドを受信していないことが判定された場合、すなわち、設定変更中コマンドおよび復帰コマンドおよびエラーコマンドを受信していない場合にはRAM91cの初期化を実行する(Sn13)。
[タイマ割込処理(サブ)]
次に、サブ制御部91(CPU91c)が内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)について説明する。
図15に示すように、タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sp1)。次いで、停電判定処理を行う(Sp2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sp2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sp3)、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、図14で示す起動処理(サブ)のSn6の判定で用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、図14で示す起動処理(サブ)のSn9の判定で用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する(Sp4)。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
本実施形態では、液晶表示器51に送信される表示ゲーム数データ(後述するゲーム数カウンタのカウント値)から特定されるゲーム数(つまり、液晶表示器51に表示される表示ゲーム数)が、当該決定された到達ゲーム数に到達すると、所定の特典が付与される。所定の特典とは、図23の第5AT抽選条件および第6AT抽選条件に示すように、必ずAT当選されることである。
そして、Sp5のステップでは、到達ゲーム数を決定する到達ゲーム数決定処理を実行する(Sp5)。
Sp6のステップでは、表示ゲーム数として表示可能にするゲーム数をカウントするゲーム数カウンタの値を1ゲーム消化につき1ゲーム更新する通常更新制御や、ゲーム数カウンタの値を1ゲーム消化したにもかかわらず、2ゲーム以上更新する特別更新制御など、表示ゲーム数を更新するための更新制御関連処理を実行する(Sp6)。
ここで、表示ゲーム数の更新制御に含まれる特別更新制御について説明する。前述のように、特別更新制御は、1ゲーム消化したにもかかわらず、2ゲーム以上更新する更新制御である。以下では、当該特別更新制御により、ゲーム数が2以上更新されることを「特別更新する」ともいう。また、前述のように、通常更新制御または特別更新制御により更新された表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達することにより、所定の特典(AT当選)が付与される。
また、表示ゲーム数は、特別更新制御が行われた場合でも、到達ゲーム数を超えるゲーム数には更新されない。このように、現在の表示ゲーム数が、到達ゲーム数を超えないようにすることにより、現在の表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達しないという不合理を解消することができる。
本実施形態では、特別更新制御が行われたときに、更新後のゲーム数カウンタの値に対応する表示ゲーム数が表示されるまで、表示ゲーム数の更新を行う更新演出を実行する。
そして、Sp7のステップでは、更新演出を実行するにあたって、その前段階で更新演出の準備のための処理を行う更新演出準備処理を実行する(Sp7)。
Sp8のステップでは、更新演出を行うための更新演出実行処理を実行する(Sp8)。
Sp9のステップでは、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達する可能性があることを示唆する前兆演出を更新演出の実行中に行う前兆演出実行処理を実行する(Sp9)。
前兆演出は、例えば、更新演出の実行中に所定のキャラクタを一定時間表示する。そして、更新演出の実行中にこのキャラクタの表示回数が多くなるほど、到達ゲーム数に到達する可能性が高くなる。このように、前兆演出を実行することにより、到達ゲーム数に到達することへの期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
[到達ゲーム数決定処理]
次に、図15のタイマ割込処理(サブ)内で実行される到達ゲーム数決定処理について説明する。
図16に示すように、サブ制御部91は、到達ゲーム数決定条件が成立したか否かを判定する(Sf1)。到達ゲーム数決定条件は、ATゲームが終了したことにより成立する条件である。到達ゲーム数決定条件が成立しなかった場合(Sf1でN)には処理を終了する。到達ゲーム数決定条件が成立した場合(Sf1でY)には図17に示すゲーム数テーブルを参照して到達ゲーム数を抽選により決定する(Sf2)。
[ゲーム数テーブル]
ここで、Sf2で用いる到達ゲーム数決定用のゲーム数テーブルについて説明する。
図17に示すように、到達ゲーム数決定用のゲーム数テーブルでは、到達ゲーム数として決定される候補となる候補到達ゲーム数として10〜1000までの10の倍数のゲーム数各々に振分率が、設定値毎に定められている。ゲーム数テーブルは、予めROM91bに記憶されている。図17は、ゲーム数テーブルを説明するに際して便宜上、到達ゲーム数の候補をさらに100ゲーム毎に区分けした場合を示した図である。図17に示すように、本実施形態では、100ゲーム毎に区分けされたうちの各区分を「ゾーン」という。「ゾーン」は、所定範囲の連続するゲーム数を複数に区分された範囲である。本実施形態では、所定範囲とは、1〜1000ゲームとし、複数とは、10個であるとする。つまり、本実施形態では、1〜1000ゲームを10個のゾーンに分類し、それぞれのゾーンの範囲は1〜100、101〜200、・・・901〜1000となる。また、当該それぞれのゾーンの言及については、ゾーン番号を用いる。例えば、範囲が1〜100のゾーンの番号は「1」であり、以下では、このようなゾーンを「ゾーン1」という。なお、当該所定範囲とは、前述したように、液晶表示器51に表示ゲーム数として表示される最小値(=1)から最大値(=1000)までの範囲である。
具体的に説明すると、1〜100ゲームの範囲のゾーン1については、候補到達ゲーム数は、10、20、30、・・・、100となる。例えば、候補到達ゲーム数「10」については、振分率は2.9%となる。つまり、到達ゲーム数決定処理において、2.9%の確率で、到達ゲーム数として「10」が決定される。本実施形態では、一のゾーンに属する候補到達ゲーム数の振分率は全て同じに設定されている。また、振分合計率は、1ゾーンに属する全ての候補到達ゲーム数の合計値である。例えば、1〜100の範囲のゾーンの振分合計率は、2.9%×10=29%となる。また、全てのゾーンの振分合計率を合計すると100%となる。
また、振分合計率が所定値(ここでは、10%)以上であるゾーンを「高ゾーン」とし、所定値未満であるゾーンを「低ゾーン」とする。また、図17のゲーム数テーブルにおいては、「低ゾーン」および「高ゾーン」が交互になるように、候補到達ゲーム数の振分率が設定されている。「低ゾーン」および「高ゾーン」が交互に設定されている理由については後述する。
また、本実施形態のゲーム数テーブルについては、各ゾーンの振分率が設定値ごとに異なるように設定されている。このように、各設定値ごとに、到達ゲーム数の決定確率が異なることから、遊技の興趣を向上させることができる。なお、前述の通り、図17は、便宜上記載したものであり、ROM91bに実際に記憶されているゲーム数テーブルは、候補到達ゲーム数、および、当該候補到達ゲーム数に定められた振分率である。
次に、図17のゲーム数テーブルが、高ゾーンおよび低ゾーンが交互に繰り返されるように設定されている理由を説明する。ゲーム数テーブルがこのように設定されていることにより、表示ゲーム数が低ゾーンのゲーム数の範囲の最大値まで表示した後は、高ゾーンのゲーム数の範囲を表示することから、到達ゲーム数に近づくような期待感を遊技者に抱かせることができるためである。
次に、図17の設定値4〜6のゾーン5の振分値および振分合計値が0%になっている理由について説明する。表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達するまで、遊技者は到達ゲーム数を把握できないのであるが、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達するとAT当選した旨が報知されることから、遊技者は、到達ゲーム数を把握することができる。図17の例においては、ゾーン5に属する到達ゲーム数(例えば、420)に決定されたときに、表示ゲーム数が当該到達ゲーム数に到達した場合には、遊技者は到達ゲーム数が420ゲームであると把握できると共に、現在の設定値が1〜3であることを間接的に把握できる。このように、特定の設定値において、振分値および振分合計値が0%になるゾーンを設けることにより、遊技者は、当該設定値を間接的に把握することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[更新制御関連処理]
次に、図15のタイマ割込処理(サブ)内で実行される更新制御関連処理について説明する。
図18に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41から内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(Sb1)。内部当選コマンドを受信していない場合(Sb1でN)には処理を終了する。内部当選コマンドを受信した場合(Sb1でY)には、イチゴに当選したか否かを判定する(Sb2)。
イチゴに当選にしなかった場合(Sb2でN)には、通常更新制御を実行する(Sb6)。具体的には、内部抽選は賭数設定後にスタートスイッチ7が操作されたときに1回行われるので、内部当選コマンドを受信したときは1ゲームを消化したときである。よって、通常更新制御では、内部当選コマンドを受信したときに表示ゲーム数データとなるゲーム数カウンタのカウント値を1加算(図中「+1」)する。これにより、通常更新制御では1ゲーム消化につき表示ゲーム数が1ゲーム更新されることとなる。なお、サブ制御部91は、通常更新制御を行ったときは表示ゲーム数に1加算されるように表示ゲーム数を更新する。
イチゴに当選した場合(Sb2でY)には、特別更新先ゲーム数決定処理を実行する(Sb3)。特別更新先ゲーム数決定処理では、特別更新先決定用テーブルを参照して特別更新先ゲーム数を抽選により決定する。特別更新先決定用テーブルでは、特別更新先ゲーム数として決定される候補となる候補特別更新先ゲーム数として10〜1000までの10の倍数のゲーム数各々に振分率が、設定値毎に定められている。
特別更新先決定用テーブルについては、設定値、到達ゲーム数、および現在の表示ゲーム数が属するゾーンに応じた複数の特別更新先決定用テーブルが予めROM91bに記憶されている。サブ制御部91は、当該複数の特別更新先決定用テーブルから、設定値、到達ゲーム数、および現在の表示ゲーム数が属するゾーンに応じた特別更新先決定用テーブルを読み込み、当該読み込んだ特別更新先決定用テーブルを参照して特別更新先ゲーム数を決定する。
次いで、特別更新制御を実行する(Sb4)。具体的には、ゲーム数カウンタのカウント値を特別更新先ゲーム数決定処理で決定されたゲーム数に更新する。これにより、1ゲーム消化したにもかかわらず、表示ゲーム数が2ゲーム以上更新されることとなる。そして、更新演出を開始することを示す更新演出開始フラグをRAM91cの所定領域にセットして処理を終了する(Sb5)。なお、更新演出の実行中の場合(すなわち、更新演出実行フラグがセットされている状態の場合)にはSb5の処理は省略され、Sb4の特別更新制御のみが実行される。
[更新演出準備処理]
次に、図15のタイマ割込処理(サブ)内で実行される更新演出準備処理について説明する。
図19に示すように、サブ制御部91は、図18のSb5の処理によって更新演出開始フラグがセットされたか否かを判定する(Sc1)。更新演出開始フラグがセットされていない場合(Sc1でN)には処理を終了する。
更新演出開始フラグがセットされている場合(Sc1でY)には、メイン制御部41からのリール停止コマンドにもとづいて第3停止が行われたか否かを判定する(Sc2)。第3停止が行われていない場合(Sc2でN)には処理を終了する。第3停止が行われた場合には、液晶表示器51から、更新演出が開始されることを示す演出開始表示を行う(Sc3)。また、液晶表示器51から、演出用スイッチ56の操作を促す操作指示表示を行う(Sc4)。そして、更新演出開始フラグをクリアし(Sc5)、更新演出を実行することを示す更新演出実行フラグをRAM91cの所定領域にセットして処理を終了する(Sc6)。
[更新演出実行処理]
次に、図15のタイマ割込処理(サブ)内で実行される更新演出実行処理について説明する。
図20に示すように、サブ制御部91は、演出用スイッチ56が操作されたか否かを判定する(Se1)。演出用スイッチ56が操作されていない場合(Se1でN)には処理を終了する。
演出用スイッチ56が操作された場合(Se1でY)には、前兆演出を実行することを示す前兆演出実行フラグがセットされているか否かを判定する(Se2)。前兆演出実行フラグがセットされている場合(Se2でY)には処理を終了する。
前兆演出実行フラグがセットされていない場合(Se2でN)には、図19のSc6の処理によって更新演出実行フラグがセットされたか否かを判定する(Se3)。更新演出実行フラグがセットされていない場合(Se3でN)には処理を終了する。
更新演出実行フラグがセットされている場合(Se3でY)、前兆演出を実行するか否かを決定する前兆演出実行抽選を実行する(Se4)。前兆演出実行抽選に当選した場合(Se5でY)には、前兆演出実行フラグをRAM91cの所定領域にセットして処理を終了する(Se15)。
前兆演出実行抽選に当選しなかった場合(Se5でN)には表示ゲーム数が属するゾーンが高ゾーンか否かを判定する(Se6)。高ゾーンである場合(Se6でY)には、更新演出Aを実行する(Se7)。更新演出Aが実行されると表示ゲーム数が1加算されるように更新される。すなわち、演出用スイッチ56の1回の操作に対し表示ゲーム数が1加算されるように更新される。
一方、高ゾーンでない場合(Se6でN)、換言すると低ゾーンの場合には、更新演出Bを実行する(Se8)。更新演出Bが実行されると表示ゲーム数が5加算されるように更新される。すなわち、演出用スイッチ56の1回の操作に対し表示ゲーム数が5加算されるように更新される。
更新演出の実行後は、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達したか否かを判定する(Se9)。表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達した場合(Se9でY)には、更新演出実行フラグをクリアし(Se10)、ATである旨を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納して(Se11)、AT当選したことを示すAT確定報知を行う(Se12)。AT確定報知は、例えば、液晶表示器51からその旨を示すメッセージや画像を表示することにより行われる。AT確定報知は次ゲームが開始されたときに終了し、次ゲームの開始とともにATを開始する。
一方、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達していない場合(Se9でN)には、表示ゲーム数と特別更新先ゲーム数とが同一になったか否かを判定する(Se13)。表示ゲーム数と特別更新先ゲーム数とが同一でない場合(Se13でN)には処理を終了する。表示ゲーム数と特別更新先ゲーム数とが同一の場合(Se13でY)には更新演出実行フラグをクリアして処理を終了する(Se14)。
なお、更新演出Bが実行されて表示ゲーム数が5ゲーム更新されることになっているが、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達するまでのゲーム数が5ゲーム未満であるときは、到達ゲーム数までのゲーム数分表示ゲーム数が更新される。
また、表示ゲーム数が特別更新先ゲーム数と同一になる前、すなわち更新演出実行フラグがクリアされる前に次ゲームの開始のために賭数が設定されたときは、サブ制御部91は、演出用スイッチ56の操作が行われていなくても、表示ゲーム数を特別更新先ゲーム数に更新し、更新演出実行フラグをクリアする。このとき、特別更新先ゲーム数が到達ゲーム数になっているときは、サブ制御部91はAT確定報知を実行する。
また、通常更新制御が行われたときは演出用スイッチ56の操作は有効化されず、図18のSb6の処理に併せて表示ゲーム数に1加算されるように表示ゲーム数が更新される。
このように、特別更新制御が行われたときは表示ゲーム数が高ゾーンに属するときと低ゾーンに属するときとで更新演出の態様を異ならせるので、高ゾーンに属するときの到達ゲーム数に到達することへの期待感を高めることが可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、高ゾーンでは更新する表示ゲーム数が低ゾーンよりも少なくなるので、遊技者の期待感が高まる高ゾーンで更新演出の実行時間が長くなる。よって、遊技者が期待感を抱く時間を長くすることが可能になり、遊技への興趣を向上させることができる。
また、高ゾーンでは演出用スイッチ56の操作に対して更新される表示ゲーム数が低ゾーンよりも少なくなるので、高ゾーンでは演出用スイッチ56の操作回数が増加する。よって、遊技者の遊技への介入度が高くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
[前兆演出実行抽選で用いる抽選テーブルについて]
次に、前兆演出実行抽選(図20のSe4)で用いる抽選テーブルについて説明する。
図21に示すように、前兆演出実行抽選で用いる抽選テーブルでは、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達するまでのゲーム数が15ゲーム以内の場合には、表示ゲーム数が高ゾーンに属するときは前兆演出を実行する確率が50%、表示ゲーム数が低ゾーンに属するときは前兆演出を実行する確率が30%になるように判定値が割り振られている。
また、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達するまでのゲーム数が15ゲーム以上の場合には、表示ゲーム数が高ゾーンに属するときは前兆演出を実行する確率が5%、表示ゲーム数が低ゾーンに属するときは前兆演出を実行する確率が2%になるように判定値が割り振られている。
このように、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達するまでのゲーム数が15ゲーム以内の場合には15ゲーム以上の場合よりも前兆演出が実行される確率が高くなるので、前兆演出が実行されると到達ゲーム数に到達することへの期待感が高まる。また、高ゾーンでは低ゾーンよりも前兆演出が実行される確率が高くなるので、高ゾーンにおいて到達ゲーム数に到達することへの期待感を高めることが可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
[前兆演出実行処理]
次に、図15のタイマ割込処理(サブ)内で実行される更新演出実行処理について説明する。
図22に示すように、サブ制御部91は、図20のSe15で前兆演出実行フラグがセットされたか否かを判定する(Sg1)。前兆演出実行フラグがセットされていない場合(Sg1でN)には処理を終了する。前兆演出実行フラグがセットされている場合(Sg1でY)には前兆演出を実行する(Sg2)。そして、前兆演出を終了させずに継続して実行する場合(Sg3でN)には、そのまま処理を終了する。前兆演出を終了させる場合(Sg3でY)には前兆演出実行フラグをクリアして処理を終了する(Sg4)。
なお、サブ制御部91は、前兆演出の実行中は演出用スイッチ56の操作を無効化し、演出用スイッチ56の操作を不能にする。そして、前兆演出の実行を終了するときに再度演出用スイッチ56の操作を有効化する。これにより、前兆演出の終了後に演出用スイッチ56の操作が行われると図20の処理が行われる。
[AT関連処理]
次に、図15のタイマ割込処理(サブ)内で実行されるAT関連処理について説明する。サブ制御部91は、遊技状態に応じて、演出状態をATに制御するとともに、ナビ演出を実行するためのAT関連処理を行う。
サブ制御部91は、AT関連処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行う。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選を実行する。AT抽選は、ナビストック数を付与するか否かを決定するナビ付与抽選と、付与するナビストック数を決定するナビストック数抽選とを含む。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定期間に亘りゲームを消化するまで(例えば、ATに制御されてから10ゲーム)、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図23は、AT抽選に用いるAT抽選用テーブルを説明するための図である。AT抽選条件は、RT状態、AT状態、および、当選状況やゲーム進行状況などのその他の条件の組合せにより成立する。サブ制御部91は、成立したAT抽選条件に定められた当選確率に従ってAT当選し、AT当選した場合には振分率に従ってナビストックを付与する。
なお、サブ制御部91は、例えばメイン制御部41からの遊技状態コマンド、内部当選コマンド、入賞判定コマンドに基づき、制御されているRT状態および当選状況を判定するとともに、AT中にセットされるATフラグに基づきAT中か否かを判定する。
第1AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、チャンス1またはチャンス2に当選したときに成立する。第1AT抽選条件が成立したときには、30%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、50%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」に決定される。なお、AT抽選は、例えば乱数などを用いて、設定されている確率あるいは振分率にしたがってランダムに行われる。よって、第1AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.5+2×0.3+3×0.2)×0.03=0.051となる。
第2AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT3であるときに、7揃いリプに当選したときに成立する。第2AT抽選条件が成立したときには、10%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、30%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第2AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.3+2×0.3+3×0.2+4×0.1+5×0.1)×0.1=0.24となる。
第3AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT3であるときに、チャンスリプに入賞したときに成立する。第3AT抽選条件が成立したときには、3%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、20%の確率で「1」に、20%の確率で「2」に、30%の確率で「3」、20%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第3AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.2+2×0.2+3×0.3+4×0.2+5×0.1)×0.3=0.84となる。
また、第1〜第3AT抽選条件は、各々、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、当選確率および振分率が同じである例について説明したが、これに限らず、AT中であるか否かに応じて当選確率および振分率を異ならせてもよい。例えば、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも高い当選確率でナビ付与抽選を行い、また、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも期待ナビストック数が大きくなるようにナビストック数抽選を行うようにしてもよい。
なお、第1、第2AT抽選条件は、所定の入賞役に当選することにより成立する例について説明したが、これに限らず、所定の入賞役に入賞することにより成立するものであってもよい。例えば、第1AT抽選条件は、チャンス1またはチャンス2に入賞することにより成立するようにしてもよい。
第4AT抽選条件は、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、また非CB中であるかCB中であるかにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときにイチゴが当選したときに成立する。第4AT抽選条件が成立したときには、30%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、40%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」になる。よって、第3AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.4+2×0.3+3×0.2+4×0.1)×0.5=1.0となる。
第5AT抽選条件は、非AT中であって、前述の図13などで説明したように、表示ゲーム数が高ゾーンに属する到達ゲーム数に到達したときに成立する。第5AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、40%の確率で「3」に、30%の確率で「4」に、30%の確率で「5」に決定される。よって、第5AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(3×0.4+4×0.3+5×0.3)×1.0=3.9となる。
第6AT抽選条件は、非AT中であって、前述の図13などで説明したように、表示ゲーム数が低ゾーンに属する到達ゲーム数に到達したときに成立する。第6AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、50%の確率で「1」に、50%の確率で「2」に決定される。よって、第5AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.5+2×0.5)×1.0=1.5となる。
このように、高ゾーンで到達ゲーム数に到達したときは低ゾーンで到達ゲーム数に到達したときよりも付与されるナビストック数が多くなり、ATの付与に関して有利なATが付与されることになる。そして、特別更新制御が行われたときは表示ゲーム数が高ゾーンに属するときと低ゾーンに属するときとで更新演出の態様を異ならせるので、高ゾーンに属するときの到達ゲーム数に到達することへの期待感を高めることが可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、メイン制御部41からのコマンドに基づきサブ制御部91によってAT制御のためのナビストックを付与するか否かが決定されて、当該決定に応じてナビストックが付与されるため、遊技者に対して、サブ制御部91の処理に注目させることができる。
また、イチゴが当選することにより第4抽選条件が成立した場合であっても、AT当選しない場合がある。AT当選しない場合であっても、図18のSb2の特別更新演出実行条件が成立することから、特別更新制御が実行される。そして、当該特別更新制御された後に、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達することにより、100%の確率でAT当選する。したがって、イチゴ当選した後のAT抽選でAT当選しなかった場合でも、敗者復活的にAT当選するので、遊技の興趣を向上させることができる。また、イチゴ当選した場合には、イチゴ当選→AT当選というルートと、イチゴ当選→特別更新制御→前兆演出→バトル演出→AT当選というルートという複数のルートが存在する。したがって、イチゴ当選したときの期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[AT制御処理]
次に、図15のタイマ割込処理(サブ)内で実行されるAT制御処理について説明する。サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。ナビストック数が残っているときに、さらにAT抽選によってナビストック数を獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。本実施の形態においては、AT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。
非AT中であるときにおいてナビストックを獲得した場合、サブ制御部91は、所定のAT開始条件が成立したときにATに制御する。所定のAT開始条件は、特定の当選状況となったときに成立する。特定の当選状況となったときの一例としては、例えば、非AT中でかつRT2中であるときに突入リプに入賞したときに成立する。
サブ制御部91は、非AT中かつナビストックが1以上付与されているときにおいて、AT開始条件が成立したときに、ATである旨を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納してATに制御する。
なお、AT開始条件は、当選状況に応じて成立するものに限らず、ナビストックを獲得したことを契機として複数ゲームに亘り所定の連続演出を実行した後、当該連続演出の演出結果によってナビストックを獲得した旨が報知されたときに成立するようにしてもよい。この場合、連続演出は、ナビストックを獲得していないときにも所定確率にしたがって実行される。これにより、連続演出が実行されることによりナビストックを獲得したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
サブ制御部91は、RT1またはRT2においてATフラグからATである旨が特定されたときに、ATへの制御を開始する。これにより、ナビ演出が実行される。このため、図13に示すように、RT1においては、通+昇リプ1〜4の何れかに当選したときに昇格リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT2へ制御されやすくなる。また、RT2においては、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに維持リプに入賞する可能性が高くなるとともに、転落リプに入賞することを回避することができる。さらに、通+突リプ1〜3の何れかに当選したときに突入リプに入賞する可能性が高くなり、その結果、RT3へ移行する可能が高くなる。
また、RT2またはRT3においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4の何れかに当選したときに取りこぼし出目の導出を回避させ、その結果、RT1への転落を回避することができる。
RT1またはRT2においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。AT中におけるRT1において昇格リプ入賞によりRT2に制御されたときにも当該ATへの制御が継続される。
RT3に制御されたときには、ナビストックを1消費(減算)して、所定回数(例えば10)ゲームを消化する間、RT3かつATであるARTに制御可能となる。なお、ナビストックを1消費したときには、RAM91cに記憶されているナビストック数を1減算させた値に更新される。
サブ制御部91は、ARTに制御すると、ATに制御されることが確定しているATゲーム数を報知するとともに、ゲーム消化に応じてATゲーム数を更新させる。具体的に、例えば、ATに制御されたときに、液晶表示器51において「AT残り10ゲーム」といったメッセージを表示し、ゲーム消化に応じて残りゲーム数を更新表示する有利演出が実行される。これにより、少なくともナビストック1に対応してATに制御されている旨が報知される。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が0であれば、「AT終了!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ATでない旨を示すATフラグに更新させて一連のATを終了させる。これにより、ナビ演出が実行されなくなるため、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかに当選したときに取りこぼし出目が導出されやすく、かつ、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに転落リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT3からRT1へ制御される可能性が高まる。
ここで、本実施の形態においては、ATに制御される状態およびATに制御されない状態(非AT)の他に、潜伏時ATにも制御される。潜伏時ATとは、ナビストックが消費されないが、第1当選役に当選したときに限ってはナビ演出が実行される期間である。さらに、潜伏時ATにおいては、前述した有利演出が実行されないようになっているため、遊技者がAT中であることを演出上では認識できないようになっているとともに、再びATに制御されることに対して期待することができる。なお、潜伏時ATである期間を潜伏期間ともいう。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0になれば一旦ATでない旨を示すATフラグに更新する。そして、残りのナビストック数が1以上であれば、先ず潜伏抽選を実行する。潜伏抽選とは、例えば、乱数抽選によって潜伏時ATに制御するか否かを決定する抽選である。サブ制御部91は、潜伏抽選に当選したときには、潜伏時ATである旨を示す潜伏フラグをRAM91cの所定領域に格納する。これにより、潜伏時ATに制御される。そして、潜伏時ATは、所定期間(例えば、32ゲーム)経過するまで制御される。サブ制御部91は、潜伏時ATが終了すると、AT復帰報知を実行するとともに、ナビストックを1消費してATである旨を示すATフラグに更新してATに制御する。AT復帰報知とは、潜伏時ATからATへと復帰する際に行われる報知であり、例えば、「まだまだー!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。また、AT残りゲーム数が0になったときにおいて、残りのナビストック数が0である場合には、潜伏抽選を実行せずに非ATに移行される。
なお、本実施の形態においては、潜伏時ATにおいて1回でもナビ演出が実行されたときには、その時点でAT復帰報知が行われる。その理由は、潜伏時ATは、有利演出が実行されないことによって、ナビストックが残っているか否かを遊技者に判別されない状態であり、再びATに制御されることに対して期待をもたせる状態であるにもかかわらず、ナビ演出が実行されることによって、遊技者にまだナビストックが残っていることがばれてしまうからである。この場合でも、AT復帰報知後に、所定期間経過するまでは潜伏時ATに制御され、その後、ナビストックを1消費してATである旨を示すATフラグに更新して、ATに再び制御される。この場合のAT復帰報知としては、「もうすぐATに戻るよ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示されることにより、所定ゲーム数消化すると、ATへ復帰する旨が報知される。なお、潜伏時ATにおいて1回でもナビ演出が実行されたときには、AT復帰報知が行われるとともにその時点でナビストックを1消費してATに制御するものであってもよい。
一方、サブ制御部91は、潜伏抽選に当選しなかったときには、前回のATが終了した後すぐにAT復帰報知が行われるとともに、ナビストックを1消費してATへの制御を継続させる。
このように、潜伏時ATに制御されることにより、ATが終了して、非ATに制御された場合でも、再び、ATに制御されるかもしれないという期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技への興趣を向上させることができる。
以上のように、RT3であるときには、ナビストック数を1消費することにより、所定回数ゲームを消化する間ARTに制御される。また、ARTにおいて所定回数ゲームを消化して1ナビストックに対応するATが終了したときであっても、未だナビストック数が1以上であるときには所定確率で潜伏期間を経た後、さらにナビストックを1消費させてARTへの制御が継続される。これにより、AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた回数だけ、ATに繰り返し制御可能となる。
サブ制御部91は、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では上記実施形態において操作関連演出処理を実行するものである。操作関連演出処理では、演出に対して特定操作が行われたときに実行される抽選に当選するとATのゲーム数が付与される。そして、操作関連演出の操作要求演出実行条件を、上記実施形態の更新演出が行われることとすることも可能である。この場合は、更新演出時の演出用スイッチ56の操作に対して本処理が実行される。
[操作関連演出処理]
次に、操作関連演出処理について説明する。操作関連演出とは、サブ制御部91が液晶表示器51に所定の画像(キャラクタやメッセージなど)を表示させる演出である。また、操作関連演出は、連打操作や長押し操作を遊技者に対して要求する操作要求演出や、当該操作要求演出と同時に実行される演出であって当該操作要求演出に対応する操作対応演出などを含む演出である。連打操作とは、演出用スイッチ56を複数回押圧させる操作であり、長押し操作とは、演出用スイッチ56を所定期間押圧したままの状態を継続させる操作である。また、操作要求演出は、遊技者に対して連打操作を要求する演出(以下、「連打要求演出」という。)と、遊技者に対して長押し操作を要求する演出(以下、「長押し要求演出」という。)とを含む。また、操作要求演出の実行途中に演出途中終了条件が成立すると、操作要求演出は操作対応演出と共に終了する。演出途中終了条件とは、例えば、遊技者により、次のゲームが開始される操作(例えば、MAXBETスイッチ6の操作)がされることにより成立する条件である。以下では、遊技者により、次のゲームが開始される操作を「キャンセル操作」という。
図24を用いて、サブ制御部91が1ゲーム消化に関連するタイミング(例えば、1ゲーム開始時や1ゲーム終了時など)に実行する操作関連演出処理を説明する。図24は、操作関連演出処理を実行するためのフローチャートである。
図24に示すように、先ず、S510において、操作要求演出実行条件が成立したか否かが判定される。ここで、本実施の形態においては、操作要求演出実行条件は、所定の抽選役に当選することにより成立する条件である。操作要求演出実行条件が成立しないと判定されると(S510のNO)、操作関連演出処理は終了する。一方、操作要求演出実行条件が成立すると判定されると(S510のYES)、S520に移行する。
S520においては、演出抽選用テーブルを用いて操作要求演出抽選が実行される。操作要求演出抽選では、連打要求演出を実行するか、長押し要求演出を実行するか等が決定される。図25は、演出抽選用テーブルの一例を示した図である。なお、演出抽選用テーブルは、ROM91bに予め格納されている。図25を用いて、演出抽選用テーブルについて説明する。
図25に示す演出抽選用テーブルでは、連打要求演出(通常)と、連打要求演出(有利)と、長押し要求演出(通常)と、長押し要求演出(有利)との振分率(決定確率)が規定されており、それぞれの振分率は、40%、10%、40%、10%となる。S520においては、これらの振分率に基づいて、操作要求演出抽選が実行される。また、括弧内の「通常」および「有利」は、連打要求演出または長押し要求演出の演出態様を示しており、以下では、それぞれ通常態様、有利態様という。有利態様は通常態様よりも、操作要求演出が実行されたときに付与され得るATゲーム数(本変形例では、ATのゲーム数が、0ゲーム、10ゲーム、30ゲーム、50ゲーム、100ゲーム、150ゲームのうちから選択される)の期待値が多くなる割合が高くなるように設定されている。このように、操作要求演出抽選において通常であるか有利であるかが決定されることから、遊技者に対して緊張感を与えることが出来る。
S530において、連打要求演出(連打要求演出(通常)または連打要求演出(有利))が実行されると判定された場合には(S530のYES)、S540に移行され、長押し要求演出(通常)または長押し要求演出(有利)が実行される旨が決定された場合には(S530のNO)、S740に移行される。
S540においては、操作対応演出の実行、および、第1演出態様で連打要求演出の実行が開始される。図26は操作対応演出、および、連打要求演出の一例を示した図である。図15を用いて、操作対応演出および連打要求演出について説明する。図26(A)は、操作対応演出および第1演出態様での連打要求演出を示し、図26(B)は、操作対応演出および第2演出態様での連打要求演出を示した図である。また、図26(A)および図26(B)に示す操作対応演出および連打要求演出は、液晶表示器51に所定の画像(キャラクタやメッセージ)を表示させることにより実行される演出である。
図26(A)に示すように、操作対応演出として、所定のキャラクタを模倣した人物画像514およびゲージ画像516が表示され、第1演出態様での操作要求演出として、「PUSH!」と示されたボタンを模倣したボタン画像512、および、「連打!」というメッセージ(以下、「連打メッセージ」という。)513が表示される。
ここで、操作対応演出および第1演出態様での操作要求演出においては、人物画像514が、ボタン画像512の背景となるように、人物画像514およびボタン画像512は表示される。換言すれば、ボタン画像512は、人物画像514に重畳されて表示される。さらに、ボタン画像512は、後述する第2演出態様でのボタン画像512’よりも大きく表示される。これにより、ボタン画像512を目立たせることができることからボタン画像512を遊技者に目視させ易くすることができ、演出用スイッチ56を連打操作させることを当該遊技者に対して分かりやすく認識させることができる。換言すれば、ボタン画像512が人物画像514に重畳されていることから、遊技者は、ボタン画像512を注視することができる。なお、図26(B)については後述する。
また、ボタン画像512の色は、通常態様または有利態様に応じて異なるように定められている。本実施形態では、有利態様のときにはボタン画像512に赤色(図26ではハッチング)が付加され、通常態様のときにはボタン画像512に白色(特に図示せず)が付加される。これにより、遊技者は、ボタン画像512の色を認識することにより、操作要求演出の演出態様(通常態様または有利態様)を認識することができる。
S540の処理が終了すると、S550の処理に移行する。S550においては、連打用の所定操作が検出されたか否かが判定される。図27は、連打操作および長押し操作の詳細を説明するための図である。図27(A)は連打操作の詳細を示した図であり、(ア)は「演出用スイッチ56からの検出信号」を示し、(イ)は「サブ制御部91により特定される操作」を示す。「(ア)演出用スイッチ56からの検出信号」について「ON」は、演出用スイッチ56から検出信号が出力された旨を示し、「OFF」は、演出用スイッチ56から検出信号が出力されていない旨を示す。また、「(イ)サブ制御部により特定される操作」について「ON」は、サブ制御部91により操作が特定された旨を示し、「OFF」は、サブ制御部91により操作が特定されていない旨を示す。
本実施の形態においては、(イ)に示すように、連打操作(複数回の操作)のうち、サブ制御部91は、1回目(初回)の操作を、「連打用の所定操作」として特定し、2回目以降の操作を、「連打用の特定操作」として特定する。なお、サブ制御部91が、連続して検出した検出信号の個数が後述する所定個(10個)未満である場合には、当該検出信号を出力させた操作を連打操作のうちの1回の操作であると特定する。
S550の処理において、連打用の所定操作が検出されるまで(S550のNO)、処理を継続させる。なお、S550の処理において、連打用の所定操作が検出されずに、遊技者によりキャンセル操作がされると、操作関連演出は終了し、次のゲームに移行される。S550において、連打用の所定操作が検出されると(S550のYES)、S560の処理に移行される。S560においては、連打要求演出の演出態様が、第1演出態様から、第2演出態様に変更される。図26(B)に、第2演出態様の連打要求演出などを示す。図26(B)の例では、人物画像514は、ボタン画像512の背景として表示されるものの、第2演出態様の連打要求演出として、ボタン画像512は、人物画像514に重畳されない位置に表示されると共に、ボタン画像512は第1演出態様のときと比較して小さく表示される。第2演出態様でのボタン画像512をボタン画像512’という。さらに、第2演出態様では、連打メッセージ513は表示されなくなる。一方、操作対応演出としての人物画像514の大きさおよび位置は変更されない。
連打要求演出の演出態様が、第1演出態様から、第2演出態様に変更されることにより、ボタン画像512の大きさおよび位置が変更される理由について説明する。前述のように、第1演出態様においては、ボタン画像512を大きく、かつ、ボタン画像512を人物画像514に重畳させて表示することにより、遊技者に対してボタン画像512を認識させることで、遊技者に操作内容を明確に把握させる。
また、第1演出態様から第2演出態様に変更されたということは、遊技者により所定操作(図27の例では連打操作の1回目の操作)がされたということである。遊技者が所定操作を行ったということは、遊技者は連打操作を行う旨を認識していると擬制できる。遊技者が連打操作を行う旨を認識している場合にまで、第1演出態様のように、ボタン画像512を大きく、かつ、ボタン画像512を人物画像514に重畳させて表示させると、人物画像514を遊技者に対して見せることができず、かつ、遊技者にとってあまり必要でない情報であるボタン画像512がただ大きく表示されることになり、遊技の興趣の低下を招く場合がある。
そこで、第2演出態様では、「連打用の所定操作を行った遊技者は連打操作を行う旨を認識しており、当該遊技者にとってボタン画像512の表示はあまり必要ない」と擬制して、ボタン画像512を人物画像514に重畳させず、かつ、第1演出態様時よりもボタン画像512を小さく表示する。これにより、遊技者に対して、人物画像514を適切に見せることができ、かつ、ボタン画像512に対して煩雑性を招くことはなく、遊技の興趣を向上させることが出来る。また、第2演出態様において、ボタン画像512を表示しないとすると、遊技者は、「連打操作をする必要がないのか」という疑念を抱く場合があるが、本実施の形態の第2演出態様では、ボタン画像512は小さく表示される。したがって、遊技者に、連打操作の必要性を認識させることができ、このような疑念を抱かせないようにすることができる。
また、図26(A)においては、ボタン画像512が赤色(ハッチング)が付加されていることにより、第1演出態様でありかつ有利態様で操作要求演出が実行されているが、図26(B)においても、ボタン画像512は赤色(ハッチング)が付加されていることから、第2演出態様でありかつ有利態様で操作要求演出が実行されている。このように、第1演出態様から第2演出態様に変更されても、有利態様は変更されない。したがって、第1演出態様から第2演出態様に変更されたとしても、「操作要求演出が実行されたときに付与され得るATゲーム数の期待値が多くなる割合が高い」旨の示唆を継続させることができ、遊技者に、当該示唆を見逃させないようにすることが出来る。
説明を図13に戻す。S560の処理が終了すると、S570に移行される。S570においては、連打用の特定操作が検出されたか否かが判断される。連打用の特定操作とは、図27(イ)に示すように、連打用の所定操作(1回目の操作)後にされる操作である。つまり、図27(イ)の例では、連打操作のうち、2打目以降の操作である。S570において、連打用の特定操作が検出されれば(S570のYES)、S580に移行される。
S580においては、付与ATゲーム数抽選テーブルを用いて、付与ATゲーム数抽選し、当該抽選により決定されたゲーム数が付与される。
このように、S580の処理を実行することにより、遊技者により、特定操作が行われる毎に、操作対応演出が更新されると共に、付与ATゲーム数抽選が実行されATゲーム数が付与される。したがって、遊技者操作要求演出で要求された操作を遊技者が積極的に行うように促すことができ、操作要求演出についての興趣を向上させることができる。
S580の処理が終了すると、S590の処理に移行する。S590においては、付与ATゲーム数演出が実行され、操作対応演出が更新される。本実施の形態の付与ATゲーム数演出については、S580において決定・付与されたゲーム数を液晶表示器51に表示させる演出である(特に図示せず)。これにより、遊技者は1回の特定操作により、付与されるATゲーム数を把握することができる。また、本実施の形態の操作対応演出の演出態様の更新については、図26(B)の人物画像514を取り巻く炎の色が変化すると共に、ゲージ画像516の左端の色が変化するものである。なお、本実施の形態の操作対応演出の演出態様の更新とは、1回の特定操作毎に操作対応演出の演出態様が更新され、当該更新後の操作対応演出が所定時間(例えば、1秒)実行され、元の演出態様に戻る更新である。例えば、特定操作がされる前の炎の色が黄色である場合には、特定操作がされると、炎の色が例えば「黄色→赤色→黄色」のようになることである。
このように、操作対応演出を更新させることにより、遊技者が特定操作を行ったことを当該遊技者自身に把握させることが出来る。また、6回目以降の付与ATゲーム数抽選において、付与されるATゲーム数として「0」が決定されると、「0G」と表示するすると共に、「残念」というメッセージを表示させる。
S590の処理終了後、S600の処理に移行する。S600においては、S580での付与ATゲーム数抽選の結果が外れである(付与ATゲーム数が0である)か否かが判定される。付与ATゲーム数抽選の結果が外れであると判定された場合には(S600のYES)、S610に移行され、付与ATゲーム数抽選の結果が外れでないと判定された場合には(S600のNO)、S570に戻る。
つまり、連打要求演出開始時から付与ATゲーム数抽選処理の結果が外れになるまでのS570、S580、S590、S600におけるループにより、遊技者が連打をする毎に、人物画像514を取り巻く炎の色およびゲージ画像516の左端518の色が変化すると共に、付与ATゲーム数抽選により決定されたATゲーム数の表示および付加が行われることになる。したがって、遊技者に対して連打要求演出に対する操作の介入度合を高めることができる。
S610においては、合計付与ゲーム数演出が実行される。合計付与ゲーム数演出とは、S580の付与ATゲーム数抽選により、決定・付与されたATゲーム数の合計値を報知する演出である。例えば、付与されたATゲーム数の合計値が200ゲームである場合には、「おめでとう!200ゲームGET!!」といったメッセージが表示されることになる。
次に、S520での操作要求演出抽選により、長押し要求演出(通常)または長押し要求演出(有利)が決定された場合について説明する。また、連打要求演出と同一の箇所については、説明を省略する。S530の処理において、長押し要求演出が実行されたと判定された場合には、S740に移行する。
S740においては、操作対応演出の実行、および、第1演出態様で長押し要求演出の実行が開始される。第1演出態様での長押し要求演出は、図26(A)記載の連打メッセージ513が、「長押し!!」という長押しメッセージに代替された態様の演出である。また、操作対応演出は図26(A)と同様であり、第2演出態様での長押し要求演出は図15(B)と同様である。
S740の処理が終了すると、S750の処理に移行する。S750においては、長押し用の所定操作が検出されたか否かが判定される。図27(B)は長押し操作の詳細を示した図であり、(ウ)は「演出用スイッチ56からの検出信号」を示し、(エ)は「サブ制御部91により特定される操作」を示す。「(ウ)演出用スイッチ56からの検出信号」について「ON」は、演出用スイッチ56から検出信号が出力された旨を示し、「OFF」は、演出用スイッチ56から検出信号が出力されていない旨を示す。また、「(エ)サブ制御部により特定される操作」について「ON」は、サブ制御部91により操作が特定された旨を示し、「OFF」は、サブ制御部91により操作が特定されていない旨を示す。
本実施の形態においては、(エ)に示すように、長押し操作されている期間において所定時間(例えば、0.1秒)ごとに、サブ制御部91は、演出用スイッチ56からの検出信号を検出する。当該所定時間については、一般的な遊技者が連打操作する際の、操作間隔よりも短い時間であれば、如何なる値でもよい。本実施の形態においては、(エ)に示すように、長押し操作のうち、サブ制御部91は、連続して所定個(10個)(図27では省略して図示)の検出信号を検出するまでの、遊技者による操作を「長押し用の所定操作」として特定し、11回目以降の検出信号を検出する毎の、遊技者による操作を「長押し用の特定操作」として特定する。つまり、長押し用の所定操作は、遊技者から長押し操作された時から、所定期間t(この例では、1秒(=10×0.1))経過する時までの操作であり、長押し用の特定操作は、長押し用の所定操作以降に検出信号を検出する毎の、遊技者による操作である。当該所定期間tは1秒に限られるものではなく、他の値であってもよい。なお、前述のように、サブ制御部91が、連続して検出した検出信号の個数が所定個(10個)未満である場合には、サブ制御部91は、当該検出信号を出力させた操作を連打操作のうちの1回の操作であると特定する。
S750の処理において、長押し用の所定操作が検出されるまで(S750のNO)、処理を継続させる。S750において、長押し用の所定操作が検出されると(S750のYES)、S760の処理に移行される。S760においては、長押し要求演出の演出態様が、第1演出態様から、第2演出態様に変更される(図26(A)および図26(B)の説明参照)。
S760の処理が終了すると、S770に移行される。S770においては、長押し用の特定操作が検出されたか否かが判断される。S770において、長押し用の特定操作が検出されれば(S770のYES)、つまり、長押し用の所定操作以後も、遊技者により演出用スイッチ56が継続して操作されていればS780に移行される。
S780においては、付与ATゲーム数抽選し、当該抽選により決定されたゲーム数が付与される。
S780の処理が終了すると、S790の処理に移行する。S790においては、付与ATゲーム数演出が実行され、操作対応演出が更新される。S800においては、S780での付与ATゲーム数抽選の結果が外れである(付与ATゲーム数が0である)か否かが判定される。付与ATゲーム数抽選の結果が外れであると判定された場合には(S600のYES)、S610に移行され、付与ATゲーム数抽選の結果が外れでないと判定された場合には(S600のNO)、S770に戻る。
つまり、長押し要求演出開始時から付与ATゲーム数抽選処理の結果が外れになるまでのS770、S780、S790、S800におけるループにより、遊技者が長押しを継続している間、人物画像514を取り巻く炎の色およびゲージ画像516の左端518の色が変化すると共に、付与ATゲーム数抽選により決定されたATゲーム数の表示および付加が行われることになる。したがって、遊技者に対して長押し要求演出に対する操作の介入度合を高めることができる。
このように、連打操作や長押し操作を遊技者に対して要求する操作要求演出を実行する際に、操作内容を遊技者に対して適切に把握させるために、第1演出態様として、ボタン画像512を人物画像514に重畳させ、かつ、ボタン画像512を大きく表示する。一方、遊技者が連打操作や長押し操作を開始し始めると、「遊技者は連打操作または長押し操作を行う旨を認識しており、当該遊技者にとってボタン画像512の表示はあまり必要ない」と擬制できる。したがって、第2演出態様として、ボタン画像512を人物画像514に重畳させず、かつ、第1演出態様時よりもボタン画像512を小さく表示する。これにより、遊技者に対して、操作対応演出としての人物画像514の視認性を高めることができ遊技の興趣を向上させることが出来る。
また、操作要求演出として、液晶表示器51に、ボタン画像512および連打メッセージ513(長押し要求演出の場合には、長押しメッセージ)を表示させ、操作対応演出として、液晶表示器51に、人物画像514およびゲージ画像516を表示させる。したがって、遊技者に対して直接的に、操作内容を認識させることが出来る。
[本実施形態の効果]
本実施形態では、表示ゲーム数が高ゾーンに属するときと低ゾーンに属するときとで更新演出の態様を異ならせる(本例では、図20のSe7,Se8の処理を行う部分)。
よって、特別更新制御が行われたときは表示ゲーム数が更新演出の態様を異ならせるので、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、高ゾーンでは低ゾーンよりも実行時間の長い更新演出を実行する(本例では、図20のSe7ではSe8よりも更新される表示ゲーム数が少ない部分)。
よって、遊技者が期待感を抱く時間を長くすることが可能になり、遊技への興趣を向上させることができる。
本実施形態では、高ゾーンでは低ゾーンよりも演出用スイッチ56を操作したときに更新されるゲーム数が少なくなるように表示ゲーム数を更新する(本例では、図20のSe7ではSe8よりも更新される表示ゲーム数が少ない部分)。
よって、高ゾーンでは演出用スイッチ56の操作回数が増加するので、遊技者の遊技への介入度が高くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、高ゾーンでは低ゾーンよりも前兆演出を実行しやすくなる(本例では、図21において高ゾーンのほうが低ゾーンよりも前兆演出の実行する確率が高くなる部分)。
よって、高ゾーンにおいて到達ゲーム数に到達することへの期待感を高めることが可能になり、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、第1演出態様として、ボタン画像512を人物画像514に重畳させ、かつ、ボタン画像512を大きく表示する。一方、遊技者が連打操作や長押し操作を開始し始めると、第2演出態様として、ボタン画像512を人物画像514に重畳させず、かつ、第1演出態様時よりもボタン画像512を小さく表示する(本例では、図24のS560,S760の処理を行う部分、図26に示す部分)。
よって、連打操作や長押し操作を遊技者に対して要求する操作要求演出を実行する際に、操作内容を遊技者に対して適切に把握させることができる。また、遊技者に対して、操作対応演出としての人物画像514の視認性を高めることができ遊技の興趣を向上させることができる。
[変形例について]
本発明は、上記の実施形態に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[更新演出について]
(1) 上記実施形態では、更新演出を演出用スイッチ56が操作されたときに表示ゲーム数が更新される態様にしたが、これに限らず、例えば、演出用スイッチ56の操作によらず表示ゲーム数が更新される態様、キャラクタや背景、色などにより表示ゲーム数を表示する態様など、上記実施形態と異なる態様の更新演出を実行してもよい。
(2) 上記実施形態では、更新演出において、高ゾーンでは演出用スイッチ56が操作されたときに表示ゲーム数を1加算し、低ゾーンでは演出用スイッチ56が操作されたときに表示ゲーム数を5加算することにより、高ゾーンと低ゾーンとで更新演出の態様を異ならせたが、これに限らず、例えば、高ゾーンと低ゾーンとで異なるキャラクタを出現させる、高ゾーンと低ゾーンとで異なる音楽や音声を出力する、高ゾーンと低ゾーンとで異なる背景画面にするなど、上記実施形態と異なる態様の更新演出を実行して高ゾーンと低ゾーンとで更新演出の態様を異ならせてもよい。
(3) 上記実施形態では、高ゾーンと低ゾーンとで更新される表示ゲーム数を異ならせることにより更新演出の実行時間を長くしたが、これに限らず、例えば、演出用スイッチ56の操作によらない更新演出を実行したときの演出そのものの実行時間を長くする、演出用スイッチ56が操作されたときに更新される表示ゲーム数は同一であるが操作時に表示ゲーム数に反映されるまで時間が長くなるなど、上記実施形態と異なる方法で高ゾーンにおいて低ゾーンよりも更新演出の実行時間を長くしてもよい。
[特典の価値について]
上記実施形態では、高ゾーンで到達ゲーム数に到達したときと低ゾーンで到達ゲーム数に到達したときとで付与されるナビストック数を異ならせることにより、高ゾーンでは有利な特典が付与されるようにしたが、これに限らず、例えば、高ゾーンで到達ゲーム数に到達したときには低ゾーンで到達ゲーム数に到達したときよりもATでのゲーム数が長くなる、ATにおいて払出枚数の多い小役のナビ演出が実行されるなど、上記実施形態と異なる方法で特典の価値を異ならせてもよい。
[前兆演出について]
上記実施形態では、前兆演出を演出用スイッチ56の操作によらない画像の表示が行われる態様にしたが、これに限らず、例えば、演出用スイッチ56の操作に応じて画像が変化する態様など、上記実施形態と異なる前兆演出を実行してもよい。
[特別更新制御について]
上記実施形態では、イチゴに当選したときに特別更新制御を行ったが、これに限らず、例えば、所定条件が満たされたときに、複数ゲームにわたって特別更新制御が行われる特別期間を設け、特別期間中は毎ゲームの抽選により更新するゲーム数を決定するなど、上記実施形態と異なる契機に特別更新制御を行ってもよい。なお、特別期間を設けた場合には、特別期間中に更新可能なゲーム数を決定しておき、特別期間の経過後に更新演出を実行して、特別期間中に決定したゲーム数を表示ゲーム数に反映して表示ゲーム数を更新していくことが可能である。これにより、特別期間の経過後に表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達するか否かについて遊技者の緊張感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[各種演出について]
(1) 上記実施形態では、各種演出や報知を液晶表示器51によって実行する例を挙げたが、これに限らず、例えば、スピーカ53,54、演出効果LED52、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(例えば、リールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED(例えば、演出効果LED52)、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記実施形態と異なる手段で各種演出や報知を行ってもよい。
(2) また、各種演出や報知は他の機能を有する装置の一部を利用して行ってもよいし(例えば、リールLED55を用いて演出を行う場合にリールLED55はリールを背面側から照明する機能を有する)、演出のみを行う装置を設けて行ってもよい。
(3) また、上記実施形態では、画面表示のみで各種演出や報知を行う例を挙げたが、この実施の形態に限らず、複数の手段の演出を組み合わせて各種演出や報知を行ってもよい。
[ゲーム数テーブルについて]
以下に、図17記載のゲーム数テーブルの変形例について説明する。
(1) 到達ゲーム数を決定するための振分率は、図17に示したものに限られるものではなく、他の値としてもよく、その結果、ゾーン毎の振分合計率についても図17に示したものに限られるものではない。また、全てのゾーンを構成する範囲、およびゾーン数についても図17に示したものに限られるものではない。また、図17の例では、高ゾーンおよび低ゾーンが交互に設定されているとして説明したが、これに限られるものではなく、高ゾーンおよび低ゾーンは如何なる順番で設定するようにしてもよい。また、各ゾーンに含まれている候補到達ゲーム数については、10の倍数に限られるものではなく、他のゲーム数としてもよい。また、各ゾーンを構成するゲーム数全てを、候補到達ゲーム数としてもよい。例えば、ゾーン4であれば、301〜400ゲーム全てが候補到達ゲーム数となる。また、各ゾーンの候補到達ゲーム数全ての振分値は等しいとして説明したがこれに限られるものではなく、各ゾーンの候補到達ゲーム数それぞれで振分値を異ならせるようにしてもよい。
(2) 高ゾーンおよび低ゾーンについては、所定値(10%)を基準値として合計振分値の「高」および「低」を区別しているが、当該所定値は10%に限られるものではなく、当該所定値を他の値としてもよい。また、基準値は所定値に限られるものではない。例えば、予め定められた基準となるゾーンの合計振分値を基準値(例えば、ゾーン5)として、高ゾーンおよび低ゾーンを区別してもよく、平均値(=100%/全ゾーン数)を基準値として、高ゾーンおよび低ゾーンを区別してもよい。
(3) 図17の例では、ゾーン5において、設定値4〜6の振分合計値が0%に設定されていることにより、ゾーン5に属する到達ゲーム数に表示ゲーム数が到達すると遊技者は、設定値1〜3のいずれかであると把握できる、として説明した。しかしながら、複数の設定値のうち一部の設定値であればこれに限られるものではない。例えば、遊技者が把握できる設定値の範囲を他の範囲(例えば、2〜5など)としてもよい。また、本実施形態のように遊技者が把握できる対象を、設定値の範囲ではなく、特定の設定値としてもよい。例えば、ゾーン5において、設定値6のみに合計振分値が振分けられ、他の設定値1〜5については合計振分値を0%とする。このようにすることにより、ゾーン5に属する到達ゲーム数に表示ゲーム数が到達すると、遊技者は現在の設定値は設定値6であると把握できる。このような構成により、遊技者は、より明確に設定値を把握することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 本実施形態では、到達ゲーム数の決定処理において、直接、到達ゲーム数を決定するとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、以下のように段階的に、到達ゲーム数を決定するようにしてもよい。例えば、第1段階として複数のゾーンから、到達ゲーム数が属するゾーンを決定し、第2段階として当該決定されたゾーンを構成するゲーム数から到達ゲーム数を決定するようにしてもよい。
(5) 本実施形態では、ゲーム数テーブルとして、候補到達ゲーム数および振分率のみを記憶すると説明したが、これに限られるものではなく、これと同等の情報であれば、如何なるテーブルでもよい。また、図17に示すような構造のゲーム数テーブルを記憶するようにしてもよい。
[表示ゲーム数について]
(1) 上記実施形態では、表示ゲーム数の初期値を「0」とし、通常更新制御または特別更新制御が実行される毎に、表示ゲーム数を増加させるとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、初期値を「1000」として、ゲーム消化毎に、表示ゲーム数を減少させる更新制御を実行してものであってもよい。この場合においても、1ゲーム消化毎の更新制御として、表示ゲーム数を1減算させる通常更新制御か、2以上減算させる特別更新制御が実行される。
このような構成にした場合の詳細について、到達ゲーム数決定処理について説明する。まず、到達ゲーム数決定処理で参照されるゲーム数テーブルについては、図17で示すように、高ゾーンおよび低ゾーンが設けられるように設計される。そして、到達ゲーム数決定処理においては、表示ゲーム数よりも小さいゲーム数が到達ゲーム数として決定される。
(2) 上記実施形態では、通常更新制御を実行したときには、サブCPU91aは、RAM91cに記憶されているゲーム数カウンタのカウント値を1ゲーム分加算された表示ゲーム数データに更新し、表示制御回路94は、当該更新されたゲーム数カウンタのカウント値に基づいて表示ゲーム数を表示する。また、特別更新制御を実行したときには、サブCPU91aは、RAM91cに記憶されているゲーム数カウンタのカウント値を2ゲーム分以上加算されたゲーム数カウンタのカウント値に更新し、表示制御回路94は、当該更新されたゲーム数カウンタのカウント値に基づいて表示ゲーム数を表示するとして説明した。しかしながら、これに限られるものではない。例えば、特別更新制御を実行するときには、サブCPU91aは、ゲーム数カウンタのカウント値を2ゲーム以上分更新して表示ゲーム数を2ゲーム以上更新するが、RAM91cにおいて格納するデータであって、到達ゲーム数に到達したか否かの判定に用いる実際に消化したゲーム数を特定するための消化ゲーム数データを1ゲーム分加算更新し、通常更新制御を実行するときには、サブCPU91aは、RAM91cに記憶されているゲーム数カウンタのカウント値を1ゲーム分加算されたゲーム数カウンタのカウント値に更新して表示ゲーム数を1更新し、RAM91cにおいて格納する消化ゲーム数データを1ゲーム分加算更新するようにしてもよい。つまり、サブCPU91aは、表示ゲーム数を表示するためのゲーム数カウンタのカウント値以外に、実質的に消化したゲーム数を特定するための消化ゲーム数データをRAM91cの所定領域に格納する。このような構成の場合において、RAM91cに記憶されている消化ゲーム数データから特定される実際の消化ゲーム数が到達ゲーム数に到達すると、所定の特典(実施形態では、AT当選)が付与されるようにしてもよい。
(3) 上記実施形態では、表示ゲーム数が到達ゲーム数に近づくように更新制御が行われる例について説明したが、これに限らず、遊技者にとって有利になる条件(例えば、ボーナス当選やAT当選)が成立しているときには、表示ゲーム数が到達ゲーム数から遠のくように更新制御が行われるようにしてもよい。そして、このような更新制御が行われることにより、遊技者にとって有利になる旨を示唆するようにしてもよい。このように、表示ゲーム数が到達ゲーム数から遠のくような更新制御を行うことにより、遊技者に意外性を持たせつつ、遊技者にとって有利になる旨を示唆することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 上記実施形態においては、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達したときに、特典が付与されるとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、実施形態で説明した「表示ゲーム数」を「所定条件が成立した回数」としてもよい。所定条件とは、例えば、所定役(例えば、イチゴ)が所定回数、当選したまたは入賞したことにより成立する条件である。そして、「所定条件が成立した回数」が到達回数に到達したとき、いわゆる課題を提示するミッション演出中において当該課題をクリアしたときに、特典が付与されるとしてもよい。
このような構成の場合には、所定条件の成立に応じてRAM91cに記憶されている条件成立回数特定用データを更新させ、当該条件成立回数特定用データに基づいて所定条件が成立した回数(以下、表示成立回数という。)を液晶表示器51に表示させる。また、到達回数決定処理(図16の到達ゲーム数決定処理に対応)においては、表示成立回数が到達することにより所定の特典が付与されることとなる到達回数が決定される。当該到達回数決定処理においては、到達回数テーブルが参照される。到達回数テーブルは、図17に示す候補到達ゲーム数が、候補到達回数に代替されたものである。
また、所定条件を1回成立させると、通常更新制御が行われる。通常更新制御とは、RAM91cに記憶される条件成立回数特定用データを1回加算された条件成立回数特定用データに更新する制御である。また、特別更新演出実行条件が成立すると特別更新制御が実行される。特別更新制御とは、到達回数テーブルにおいて比較高ゾーンに属する回数のうち、現在の表示成立回数よりも小さい到達回数が特別更新先所定条件成立回数として決定されるか、または、到達回数テーブルにおいて比較低ゾーンに属する回数よりも比較高ゾーンに属する回数が高い確率で特別更新先所定条件成立回数として決定されるようにしてもよい。
[通常更新制御について]
上記実施形態では、通常更新制御が実行された場合には、サブCPU91aは、ゲーム数カウンタのカウント値を、1ゲーム分更新されたゲーム数データに更新させ、表示制御回路92は、当該増加された表示ゲーム数を1加算更新表示させる、として説明したがこれに限られるものではない。通常更新制御が実行された場合には、サブCPU91aはゲーム数カウンタのカウント値を、N(Nは2以上の整数であって予め定められた一の数)ゲーム分更新されたゲーム数データに更新させ、表示制御回路92は、当該増加された表示ゲーム数をN加算更新表示させる、ようにしてもよい。このような構成であっても、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
[到達ゲーム数決定条件について]
上記実施形態では、到達ゲーム数決定条件とは、ATが終了することにより成立する条件であるとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、到達ゲーム数決定条件は、ボーナス状態が終了することにより成立する条件であってもよいし、所定役が当選したことにより成立する条件や、所定役が入賞したことにより成立する条件であってもよい。また、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達した後に、再び到達ゲーム数を決定するようにしてもよいし、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達する前に到達ゲーム数を決定するようにしてもよい。
また、この場合には、また、到達ゲーム数を決定する際には、現在の表示ゲーム数(つまり、RAM91cに記憶されている表示ゲーム数)が属するゾーン(以下では、「現在のゾーン」という。)の範囲よりも小さい範囲のゾーン(つまり現在のゾーンよりもゾーン番号が小さいゾーン)に属する候補到達ゲーム数が、到達ゲーム数として決定されないように設定されている。この場合の到達ゲーム数決定処理の具体的手法としては、例えば、図17のゲーム数テーブルが参照して、仮の到達ゲーム数が決定され、当該仮の到達ゲーム数に対して、表示ゲーム数を加算することにより、真の到達ゲーム数が決定される。
[ナビストックの期待値について]
(1) 本実施形態では、図23に示すように、特別更新制御が実行されたか否かに関わらず、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達することにより、必ずAT当選するとし、付与されるナビストック数の期待値は同一であるとして説明した。しかしながら、これに限らず、特別更新制御が実行されて表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達したときと、特別更新制御が実行されずに表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達したときで、AT当選確率、または/および、付与されるナビストックの期待値を異ならせるようにしてもよい。以下では、付与されるナビストック数について説明するが、AT当選確率についても同様の思想である。
例えば、特別更新制御により表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達したときには、特別更新制御が実行されずに通常更新制御のみが実行されることにより表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達したときよりも付与されるナビストックの期待値を多くなるようにしてもよい。この場合には、特別更新制御が実行されることにより、付与されるナビストック数の期待値が大きい旨を示唆することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、特別更新制御により表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達したときよりも、特別更新制御が実行されずに通常更新制御のみが実行されることにより表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達したときの方が付与されるナビストックの期待値が大きくなるようにしてもよい。この場合には、到達ゲーム数に到達するまでに、実質的に消化する必要のあるゲーム数が多くなることでメダルを多く消費するが、付与されるナビストック数の期待値が大きいことから、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) また、上記実施形態においては、到達ゲーム数のゾーンに関わらず、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達することにより付与されるナビストック数の期待値は、同一であるとして説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、到達ゲーム数のゾーンに応じて、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達することにより付与されるナビストック数の期待値を異ならせるようにしてもよい。
例えば、到達ゲーム数の振分合計値が大きいほど付与されるナビストック数の期待値を多くするようにしてもよい。この場合には、振分合計値が異なる各ゾーンについて、遊技者にとっての有利度のメリハリをつけることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。これとは逆に、振分合計値が小さいほど付与されるナビストック数の期待値を多くするようにしてもよい。この場合には、振分合計値が異なる各ゾーンについての有利度の差を平坦化することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、このような構成の場合には、現在のゾーンのナビストック数の期待値よりも高いゾーンのゲーム数を特定ゲーム数として決定するようにしてもよい。また、現在のゾーンのナビストック数の期待値よりも低いゾーンのゲーム数よりも、現在のゾーンのナビストック数の期待値よりも高いゾーンのゲーム数を、高い確率で特定ゲーム数として決定するようにしてもよい。
[特典について]
上記実施形態では、特典としてメダルの払出率に直接影響を及ぼす価値であるナビストックが付与される例について説明した。しかし、付与される特典は、メダルの払出率に直接影響を及ぼす価値に限らず、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。特典としては、例えば、前述したナビストックの付与や、遊技者にとって有利な状態(ボーナス、RTなど)への移行、液晶表示器51に音声とともに特典演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別ボーナス中演出実行ど)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能なQRコード(登録商標)を液晶表示器51において表示などであってもよい。
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定する
ものに相当する。
さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等などの意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。