本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。図1は、本実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
スロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「ブランク」(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「リプ」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「JAC3」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「ベルa」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「白7」(たとえば、左リール2Lの領域番号17の図柄)、「JAC1」(たとえば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「ベルb」(たとえば、左リール2Lの領域番号11の図柄)、「ベルc」(たとえば、左リール2Lの領域番号4の図柄)、「イチゴ」(たとえば、中リール2Cの領域番号21の図柄)、「JAC2」(たとえば、中リール2Cの領域番号18の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12個のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長の長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始(ゲーム結果を導出するためのリール回転開始)から一定期間経過していないためにゲーム結果を導出するためのリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定条件成立時(たとえば後述するRT3終了時など、遊技者にとって有利な状態終了後)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定条件成立時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側の何れか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。後述するCB(チャレンジボーナス)時ではない非CB時においては、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ライン(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として非CB時では遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわちリールの中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1と、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2と、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3と、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち谷型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4と、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5とが形成されている。
また、本実施の形態においては、CB時では規定数の賭数としてメダル1枚が定められ、非CB時では規定数の賭数としてメダル3枚が定められており、規定数の賭数が設定されると、各入賞ラインが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。
本実施の形態においては、有効化されるライン(以下、有効化ラインともいう)として、入賞ラインL1が有効化される中段ラインと、入賞ラインL2が有効化される右上がりラインと、入賞ラインL3が有効化される右下がりラインと、入賞ラインL4が有効化される小谷ラインと、入賞ラインL5が有効化される小山ラインとが設定される。なお、本実施の形態のように複数ラインを有効化するものに限らず、1ラインのみを有効化するものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態で何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払出されるようになっている。
また、有効ライン上に、遊技状態の移行を伴なう図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。本実施の形態では、図12を用いて後述するように、昇格リプ、突入リプ、および転落リプの何れかが入賞、あるいは、取りこぼし出目が導出されると、リプレイ確率が異なるRT1〜3のうち対応する遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのリールのみを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでもよいし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよいし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は非CB時においては190ms(ミリ秒)に設定されている。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの何れかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうち何れかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を有効ライン上に表示させることができる。
なお、本実施の形態においては、後述するCB時に限って、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は75ms(ミリ秒)に設定されている。75msの間では最大で1コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから1コマ先までにある図柄、合計2コマ分の図柄となる。このため、CB時においては、遊技者の目押しの技量に大きく依存して入賞が可能となる。
[スロットマシンの構成]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインとが一系統のケーブルおよびコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、およびリールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、および設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、およびリールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行なわれる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行なわれる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行なう出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行なう構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限らず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90は、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成される。演出制御基板90には、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路などが搭載されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行なうこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、CBの当選確率については、設定値に依存することなく何れの遊技状態においても一定の当選確率となっている。なお、CBについても他の小役などと同様に設定値に応じた当選確率を用いてもよい。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行ない、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタをメイン制御部41のRAM41cのスタックに退避し、RAM41cに何れかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行なうようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施の形態では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施の形態では、メイン制御部41のRAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、たとえば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、初期化すると不都合があるデータに加え、遊技状態がRT0〜3のうち何れに制御されているかを特定するためのRTフラグが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、所定遊技状態(たとえば後述するRT3など、遊技者にとって有利な状態)中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグなど、所定遊技状態終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、所定遊技状態終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行なう。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、重要ワークおよび使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)、すなわち非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化1が実行された後は、遊技状態として後述するRT0に制御される。初期化2は、所定遊技状態終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域、すなわち一般ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行なっているが、設定変更状態の終了時に行なったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行なうようにしてもよい。
このように本実施の形態では、電源投入時などにRAM異常エラーが発生した場合には、初期化1が実行され、それ以前の制御状態が初期化されることとなる。
[起動処理(メイン)]
メイン制御部41は、リセット回路49からシステムリセット信号が入力されると、図5のフローチャートに示す起動処理(メイン)を行う。
図5に示すように、メイン制御部41は、まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa2)、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化する(Sa3)。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa4)、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算する(Sa5)。
Sa6のステップでは、Sa5のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa6のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではなく、この場合には、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、重要ワークを除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa19)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa20)、設定キースイッチ37がonであれば、設定変更中であることを示す設定変更中コマンドを生成し(Sa16)、生成した設定変更中コマンドをコマンドバッファに格納し(Sa17)、図8〜図9において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa18)、当選役の当選確率の変更などを行う設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。そして、設定変更処理が終了すると、図6に示すゲーム処理に移行する。
Sa20のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa21)、RAM異常を示すエラーコマンドを生成し(Sa22)、生成したエラーコマンドをコマンドバッファに格納し(Sa23)、図8〜図9において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa24)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。そして、例えば、遊技店員によってリセット/設定スイッチ38が操作されるなどして、RAM異常エラー状態が解除されると、図6に示すゲーム処理に移行する。
Sa6のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa7)。正常に電断処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa7のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、Sa19のステップに移行して初期化1を実行し、その後、Sa20のステップにおいて設定キースイッチ37がonであれば、前述したSa16〜Sa18の処理を行い、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。また、Sa20のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、前述したSa21〜Sa24の処理を行い、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。そして、RAM異常エラー状態が解除されると、図6に示すゲーム処理に移行する。
Sa7のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa8)、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa9)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa10)、設定キースイッチ37がonであれば、前述したSa16〜Sa18の処理を行い、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。そして、設定変更処理が終了すると、図6に示すゲーム処理に移行する。
Sa10のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa11)、復帰コマンドを生成して(Sa12)、コマンドバッファに格納し(Sa13)、図8〜図9において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa14)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。電断前に図6に示すゲーム処理中のいずれかの処理が行われていた場合には、Sa11で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値に基づいて、ゲーム処理のS1〜S6の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。また、例えば、電断前に図8〜図9に示すタイマ割込処理中のいずれかの処理が行われていた場合には、Sa11で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値に基づいて、タイマ割込処理のSk1〜Sk26の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。
[ゲーム処理]
図6は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(S1)、内部抽選処理(S2)、リール回転処理(S3)、入賞判定処理(S4)、払出処理(S5)、ゲーム終了時処理(S6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
S1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態(CB、非CB)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。より具体的には、遊技状態に応じた規定数(たとえば非CB時では3)の賭数が設定された時点で、入賞ラインが有効化され、ゲームを開始させることが可能となる。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された有効ライン上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払出しを伴なう小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、CB入賞可能なCB役とを含む。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
S2のステップにおける内部抽選処理では、S1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行なう。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、メイン制御部41のRAM41cに当選フラグが設定される。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAM41cに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。
内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、メイン制御部41のRAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態およびCBであるか否かに応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、RTを特定するためのRTフラグの値、CBであるか否かを特定するためのCBフラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値、CBフラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、何れかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、たとえば2バイトの格納領域にて構成されている。一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、何れの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークをクリアする。
S3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
ここで、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、メイン制御部41のROMに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、何れかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、何れか1つのリールが停止したとき、または何れか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、非CB時において滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、何れかの役に当選している場合には、当選役を有効ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が有効ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、何れの役にも当選していない場合には、何れの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、有効ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行なうようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、何れかの役が当選している場合でも何れの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施の形態のスロットマシン1では、メイン制御部41側において、遊技者の停止操作通りにリールの回転を停止させる制御を行なう。サブ制御部91側において、AT中ではない、つまり非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させなかった場合には、左リール2Lを第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行なわれる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて左第1停止するようにさせるためである。つまり、本実施の形態のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて左第1停止させるように設計されている。
以下では、左第1停止させる押し順を「推奨押し順」ともいい、「推奨押し順」でストップスイッチ8L、8C、8Rを押すことを「順押し」ともいう。また、推奨押し順以外の押し順(つまり、右第1停止または中第1停止させる押し順)を「変則押し順」ともいい、「変則押し順」でストップスイッチ8L、8C、8Rを押すことを「変則押し」ともいう。つまり、非AT中に遊技者が変則押しを実行すると、ペナルティが付与される。
本実施の形態において、非AT中のゲームで左第1停止させなかった場合には以下のペナルティが科される。また、後述する通常演出が実行されているゲームで左第1停止させなかった場合に、当該ペナルティが科されるようにしてもよい。当該ペナルティとしては、6ゲームの期間中、後述するAT抽選が実行されないようになっている。これにより、ペナルティが科されてしまうと、後述する昇格リプや突入リプに入賞させることが難しくなり、遊技者にとって有利なRT2やRT3に移行しにくくなってしまう。そのため、遊技者は、ペナルティが科されないように、非AT中に左第1停止をするようになる。なお、ペナルティとしては、上記に限らない。たとえば、AT抽選において後述するナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものであってもよい。さらには、すでに所有するナビストックを取り消すものであってもよい。また、遊技者にとって有利度合いが向上することを示唆するフリーズなどの演出を実行させないものであってもよい。
なお、ATとは、サブ制御部91によって制御される演出状態であって、内部抽選結果に応じた情報(操作手順など)を報知する通常ナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムをいう。また、本実施の形態においては、通常ナビ演出の他に防止ナビ演出も実行する。以下では、通常ナビ演出および防止ナビ演出をまとめてナビ演出という場合もあり、防止ナビ演出については後述する。
S4のステップにおける入賞判定処理では、S3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。S4においては、遊技状態の移行を伴なう表示結果が停止されたときに、RTフラグおよびCBフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。
S5のステップにおける払出処理では、S4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出しなどの処理を行なう。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払出しにより遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をメイン制御部41のRAM41cに設定する。
S6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定変更中コマンド、設定確認コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴なう停止制御が行なわれるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、有効ラインに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出しが開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出しが終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RTの種類、CBの有無など)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、所定遊技状態終了後、打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定変更中コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定変更中コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定変更中コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴なってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定変更中コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのかおよび他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類の何れかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、図8〜図9に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるコマンド送信処理(Sk16)においてサブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、何れかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(何れかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、サブ制御部91に送信される。
本実施の形態のスロットマシン1においては、何れかの有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類としては、前述したように、大きく分けて、小役と、再遊技役と、CB役とがある。また、入賞となる役には、遊技状態の移行を伴なう移行役が含まれる。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。
[リール回転処理]
図6のS3のリール回転処理について図7を用いて詳しく説明する。
図7に示すように、メイン制御部41は、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(例えば、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Se1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムの計時を新たに開始する(Se2)。
次に、リールモータの回転開始時のワーク初期化コードをレジスタに設定し、リールの回転を開始させる(Se3)。ここで、リール2L、2C、2Rが回転開始したことを示すリール回転コマンドを生成し、生成したリール回転開始コマンドをコマンドバッファに格納する(Se4)。なお、コマンドバッファに格納されたリール回転開始コマンドは、図8および図9に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるコマンド送信処理(Sk16)においてサブ制御部91に送信される。
次いで、前述したCB中か否かを判定する(Se5)。CB中でないと場合には、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、内部抽選の結果に応じた停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成する(Se7a)。なお、停止制御テーブルは当該ゲームの遊技状態や他のリールの停止状況にも対応するように作成される。
また、CB中の場合には、内部抽選で7揃いリプまたはSB(シングルボーナス)に当選したか否かを判定する(Se6)。7揃いリプとは再遊技役である。SBとは入賞により1ゲームのみ非SBのときよりも小役の当選確率が高いゲームを行うことが可能になる当選役である。
後述するように、7揃いリプに当選した場合には100%の割合でAT抽選に当選し、特典としてATが付与される(図20の第2AT抽選条件参照)。また、SBに当選した場合にも、非CB中はAT抽選に50%の割合で当選し、CB中はAT抽選に100%の割合で当選し、特典としてATが付与される(図20の第6AT抽選条件および第7AT抽選条件参照)。
そして、非CB中は、7揃いリプの当選時(すなわちリプ8またはリプ9の当選時)には入賞ラインに「リプ−白7−リプ」または「白7−白7−リプ」の組み合わせが導出可能になり、SBの当選時には入賞ラインL1以外の入賞ラインに「ANY−白7−ブランク」の組み合わせが導出可能になる(図10参照)。
また、CB中には全ての小役が当選した状態になり、目押しにより毎ゲーム小役を入賞させることが可能になるが(本実施形態では「イチゴ」がメイン)、CB中に7揃いリプやSBに当選したときには、小役を構成する図柄の組み合わせであるが、7揃いリプまたはSB以外の抽選結果となったときには導出されない図柄の組み合わせ(特殊表示結果)である「JAC1/JAC3−白7−リプ」が導出可能になる。なお、「JAC1/JAC3」とは、左リール2Lにおいては、JAC1またはJAC3のいずれでもよい旨を示す。
本実施の形態では、CB中に7揃いリプやSBに当選したときに入賞可能となる小役として14枚のメダルが払い出される「特殊役」を設けており、特殊役はCB中に7揃いリプやSBに当選したときにのみ入賞可能となる。
このため、Se6で7揃いリプまたはSBに当選したことが判定された場合には、特殊表示結果(図17参照)である「JAC1/JAC3−白7−リプ」が導出可能になるように停止制御テーブルを回転中のリール別に作成する(Se7b)。なお、メイン制御部41は、停止制御テーブルの作成にあたってテーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて停止制御テーブルを作成する。
また、Se6で7揃いリプまたはSBに当選していないことが判定された場合には、通常リプ2または通常リプ3に当選したか否かを判定する(Se7c)。
通常リプ2または通常リプ3に当選した場合には、押し順に応じてイチゴが1ラインあるいは2ラインの入賞ラインで入賞する(図16(a)(b)参照)。よって、押し順に応じた数の有効ラインでイチゴを構成する図柄の組み合わせである「ANY−イチゴ−リプ」が導出可能となってイチゴが入賞可能になるように停止制御テーブルを回転中のリール別に作成する(Se7d)。
また、通常リプ2または通常リプ3に当選していない場合には、押し順にかかわらずイチゴが2ラインの入賞ラインで入賞する(図16(c)参照)。よって、2本の有効ラインでイチゴを構成する図柄の組み合わせである「ANY−イチゴ−リプ」が導出可能となるように停止制御テーブルを回転中のリール別に作成する(Se7e)。
Se7a、Se7b、Se7d、Se7eのいずれかで停止制御テーブルを作成した後には、停止準備完了時のワーク初期化コード(停止準備完了コード)をレジスタに設定する(Se8)。これにより、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる。
次に、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかの有効な操作が検出されたか否かを判定する(Se9)。Se9においてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合には、操作されたストップスイッチに対応するリールモータ(3ML、3MC、3MRのいずれか)における、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定する(Se10)。ここで、停止されるリールの種類および該リールについて停止される図柄を示すリール停止コマンドを生成し、生成したリール停止コマンドをコマンドバッファに格納する(Se9)。なお、コマンドバッファに格納されたリール停止コマンドは、図8および図9に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるコマンド送信処理(Sk16)においてサブ制御部91に送信される。その後、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止するまで待機する(Se12)。
そして、操作されたストップスイッチに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止すると、リール2L、2C、2Rの全てが停止したか否かを判定し(Se13)、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していなければ、Se5に戻る。全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール回転処理を終了する。
[タイマ割込処理(メイン)]
図8及び図9は、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
図8および図9に示すように、タイマ割込処理(メイン)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sk1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sk2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sk2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sk3)、電断フラグが設定されていなければ、Sk4に進み、電断フラグが設定されていた場合には、後述する電断処理(メイン)に移行する。
Sk4のステップでは、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sk5)。この実施形態では、タイマ割込1とは、モータを制御してリールの開始制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するリール始動処理など、Sk9〜Sk11の処理が行われる。また、タイマ割込2とは、LED表示制御や、時間カウンタの更新、ドア開閉状態の監視、制御信号等の出力制御、コマンドおよび外部出力信号の更新を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するLEDダイナミック表示処理など、Sk12〜Sk17の処理が行われる。また、タイマ割込3とは、リールの原点通過を検出したり、スイッチ入力を監視したり、乱数値の読み出しを行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する原点通過時処理など、Sk20〜Sk22の処理が行われる。また、タイマ割込4とは、停止スイッチの入力を検出してリールの停止制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する停止スイッチ処理など、Sk23〜Sk25の処理が行われる。Sk5のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sk6)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSk10のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSk24の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sk7)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sk8)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sk9)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sk10)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sk11)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk8のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sk12)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sk13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sk14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求などを行うドア監視処理(Sk15)、コマンドバッファに設定された設定変更中コマンドや復帰コマンド、エラーコマンド等の各種コマンドをサブ制御部91に送信するコマンド送信処理(Sk16)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sk17)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk6のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sk18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sk20)、スイッチ類の検出状態に変化があったか否かの判定、操作検出コマンドの送信要求等を行うスイッチ入力判定処理(Sk21)、乱数値レジスタR1Dから数値データを読み出して乱数値格納ワークに格納する乱数値読出処理(Sk22)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
また、Sk18のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Sk23)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sk24)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sk25)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
Sk26のステップでは、Sk1においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し、割込前の処理に戻る。
このように本実施の形態では、一定間隔毎に基本処理に割り込んでタイマ割込処理(メイン)を実行するとともに、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に処理カウンタを更新し、処理カウンタ値に応じて定められた処理を行うようになっており、一度のタイマ割込処理(メイン)に要する負荷を分散できるうえに、処理カウンタ値に関わらず、電圧低下信号に基づいて電断の条件が成立しているか否かを判定する停電判定処理を行い、電断の条件が成立していれば、電断処理を行うようになっており、電断が検知された場合には速やかに電断処理を行うことが可能となる。
また、タイマ割込処理(メイン)内で、電断の条件が成立しているか否かの判定を行い、電断の条件が成立していれば、そのまま電断処理に移行することとなり、タイマ割込処理(メイン)の実行中に電断に伴う割込が発生することもないため、タイマ割込処理(メイン)の実行中に電断処理を割り込ませたり、タイマ割込処理(メイン)の終了を待って電断に伴う割込処理を行う必要がないため、電断条件の成立に伴う処理が複雑化してしまうことがない。
[入賞役、取りこぼし出目]
図10は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、払出枚数/作動、および、入賞役の関連情報について説明するための図である。また、図11は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ有効ライン上に停止される取りこぼし出目を説明するための図である。
本実施の形態においては、複数種類の入賞役として、CB役であるCBと、SB役であるSBと、再遊技役であるリプ1〜12と、小役であるJAC、AT1〜18、イチゴ、およびチャンス1、2とが設けられている。
CBは、有効ラインに「JAC3−JAC2−JAC3」の組合せが揃ったときに入賞となる。なお、本実施の形態における図柄組合せの説明における「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。
CBを構成する図柄のうち、左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「JAC3」は、それぞれ5コマ以内に配置されていない。しかしながら、図1に示すように、有効ラインは、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてCBに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているCBを入賞させることができる。つまり、CBは取りこぼしのない役である。CBに入賞したときには、CB入賞前後で後述するRT状態が変わらずに、CBが作動される。なお、CBに入賞したときには、メダルは払出されない。
SBは、有効ラインに「ANY−白7−ブランク」の組合せが揃ったときに入賞となる。中リール2Cの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。また、右リール2Rの図柄である「ブランク」は、それぞれ5コマ以内に配置されていない。しかしながら、図1に示すように、有効ラインは、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、上段または下段の有効ライン(L1以外の入賞ライン)に「ブランク」を停止可能である。したがって、内部抽選においてSBに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Cを操作しなければ、当選しているSBを入賞させることができない。つまり、SBは取りこぼしのある役である。SBに入賞したときには、SB入賞前後で後述するRT状態が変わらずに、SBが作動される。なお、SBに入賞したときには、メダルは払出されない。
再遊技役のうちリプ1は、有効ラインに「リプ−リプ−リプ」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ1に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ1を入賞させることができる。つまり、リプ1は取りこぼしのない役である。リプ1に入賞したときには、RT状態が移行せずに維持されるため、リプ1は、維持リプともいう。
リプ2は、有効ラインに「リプ−JAC2−JAC3」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「リプ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、右リール2Rの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ2に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ2を入賞させることができる。つまり、リプ2は取りこぼしのない役である。リプ2に入賞したときには、RT状態がRT1からRT2へ移行するため、リプ2は、昇格リプともいう。
リプ3は、有効ラインに「リプ−リプ−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび中リール2Cの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、右リール2Rの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ3に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプ3に入賞させることができない。つまり、リプ3は取りこぼしのある役である。リプ3に入賞したときには、RT状態がRT2またはRT3からRT1へ移行するため、リプ3は、転落リプともいう。
リプ4は、有効ラインに「リプ−リプ−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび中リール2Cの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、右リール2Rの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ4に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプ4に入賞させることができない。つまり、リプ4は取りこぼしのある役である。リプ4に入賞したときには、RT状態がRT2またはRT3からRT1へ移行するため、リプ4は、転落リプともいう。
リプ5は、有効ラインに「リプ−リプ−ベルc」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび中リール2Cの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、右リール2Rの図柄である「ベルc」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルc」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ5に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプ5に入賞させることができない。つまり、リプ5は取りこぼしのある役である。リプ5に入賞したときには、RT状態がRT2またはRT3からRT1へ移行するため、リプ5は、転落リプともいう。
リプ6は、有効ラインに「JAC3−JAC2−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、右リール2Rの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「白7」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ6に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ6を入賞させることができる。つまり、リプ6は取りこぼしのない役である。リプ6に入賞したときには、RT状態がRT2からRT3へ移行するため、リプ6は、突入リプともいう。
リプ7は、有効ラインに「JAC3−JAC2−JAC1」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。また、右リール2Rの図柄である「JAC1」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC1」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ7に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ7を入賞させることができる。つまり、リプ7は取りこぼしのない役である。リプ7に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ7は、チャンスリプともいう。本実施の形態においては、リプ7に入賞しても単に再遊技が行なわれるだけであるが、リプ7に入賞したときには後述するAT抽選が行なわれるなど、
何らかの特典が付与されるものであってもよい。
リプ8は、有効ラインに「リプ−白7−リプ」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、中リール2Cの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「白7」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ8に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Cを操作しなければ、当選しているリプ8に入賞させることができない。つまり、リプ8は取りこぼしのある役である。リプ8に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ8に入賞したときには、有効ライン上に「リプ−白7−リプ」の組合せが揃うとともに、他の有効ライン上には「白7」が3つ揃うか、あるいは「白7」が2つ揃うテンパイ状態となる。そのため、リプ8は、7揃いリプともいう。
リプ9は、有効ラインに「白7−白7−リプ」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「白7」を停止可能である。中リール2Cの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「白7」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である「リプ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ9に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Cを操作しなければ、当選しているリプ9に入賞させることができない。つまり、リプ9は取りこぼしのある役である。リプ9に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ9に入賞したときには、有効ライン上に「白7−白7−リプ」の組合せが揃うとともに、他の有効ライン上には「白7」が3つ揃うか、あるいは「白7」が2つ揃うテンパイ状態となる。そのため、リプ9は、7揃いリプともいう。
リプ10は、有効ラインに「JAC3−JAC2−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。また、右リール2Rの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、右リール2Rの図柄である「ベルa」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ10に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプ10に入賞させることができない。つまり、リプ10は取りこぼしのある役である。リプ10に入賞したときには、RT状態がRT2からRT3へ移行するため、リプ10は、突入リプともいう。
リプ11は、有効ラインに「JAC3−JAC2−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。右リール2Rの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ11に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプ11に入賞させることができない。つまり、リプ11は取りこぼしのある役である。リプ11に入賞したときには、RT状態がRT2からRT3へ移行するため、リプ11は、突入リプともいう。
リプ12は、有効ラインに「JAC3−JAC2−ベルc」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。右リール2Rの図柄である「ベルc」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルc」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ12に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプ12に入賞させることができない。つまり、リプ12は取りこぼしのある役である。リプ12に入賞したときには、RT状態がRT2からRT3へ移行するため、リプ12は、突入リプともいう。
小役のうちJACは、有効ラインに「JAC1−JAC2−JAC1」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「JAC1」は、それぞれ5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC1」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてJACに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているJACを入賞させることができる。つまり、JACは取りこぼしのない役である。JACに入賞したときには、14枚のメダルが払出される。
小役のうちAT役には、AT1〜18の18種類のAT役が含まれる。AT1は、有効ラインに「ベルa−ベルa−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT1に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT1に入賞させることができない。つまり、AT1は取りこぼしのある役である。AT1に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT2は、有効ラインに「ベルa−ベルa−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび中リール2Cの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8L、8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT2に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT2に入賞させることができない。つまり、AT2は取りこぼしのある役である。AT2に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT3は、有効ラインに「ベルa−ベルa−ベルc」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび中リール2Cの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8L、8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である「ベルc」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルc」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT3に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT3に入賞させることができない。つまり、AT3は取りこぼしのある役である。AT3に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT4は、有効ラインに「ベルa−ベルb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、中リール2Cの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT4に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT4に入賞させることができない。つまり、AT4は取りこぼしのある役である。AT4に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT5は、有効ラインに「ベルa−ベルb−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Lの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、中リール2Cおよび右リール2Rの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8C、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT5に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT5に入賞させることができない。つまり、AT5は取りこぼしのある役である。AT5に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT6は、有効ラインに「ベルa−ベルb−ベルc」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Lの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、中リール2Cの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である
「ベルc」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルc」は、ストップスイッ
チ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。した
がって、内部抽選においてAT6に当選しているときには、適正なタイミングでストップ
スイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT6に入賞させることができない。つまり、AT6は取りこぼしのある役である。AT6に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT7は、有効ラインに「ベルb−ベルa−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Lの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、中リール2Cおよび右リール2Rの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8C、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT7に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT7に入賞させることができない。つまり、AT7は取りこぼしのある役である。AT7に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT8は、有効ラインに「ベルb−ベルa−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、中リール2Cの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT8に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT8に入賞させることができない。つまり、AT8は取りこぼしのある役である。AT8に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT9は、有効ラインに「ベルb−ベルa−ベルc」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Lの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、中リール2Cの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である「ベルc」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルc」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT9に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT9に入賞させることができない。つまり、AT9は取りこぼしのある役である。AT9に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT10は、有効ラインに「ベルb−ベルb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび中リール2Cの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8L、8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT10に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT10に入賞させることができない。つまり、AT10は取りこぼしのある役である。AT10に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT11は、有効ラインに「ベルb−ベルb−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT11に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT11に入賞させることができない。つまり、AT11は取りこぼしのある役である。AT11に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT12は、有効ラインに「ベルb−ベルb−ベルc」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび中リール2Cの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8L、8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である「ベルc」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルc」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT12に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT12に入賞させることができない。つまり、AT12は取りこぼしのある役である。AT12に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT13は、有効ラインに「ベルc−ベルa−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ベルc」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルc」は、ストップスイッチ8Lの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、中リール2Cおよび右リール2Rの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8C、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT13に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT13に入賞させることができない。つまり、AT13は取りこぼしのある役である。AT13に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT14は、有効ラインに「ベルc−ベルa−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ベルc」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルc」は、ストップスイッチ8Lの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、中リール2Cの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT14に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT14に入賞させることができない。つまり、AT14は取りこぼしのある役である。AT14に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT15は、有効ラインに「ベルc−ベルa−ベルc」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「ベルc」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルc」は、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、中リール2Cの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT15に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT15に入賞させることができない。つまり、AT15は取りこぼしのある役である。AT15に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT16は、有効ラインに「ベルc−ベルb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ベルc」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルc」は、ストップスイッチ8Lの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、中リール2Cの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT16に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT16に入賞させることができない。つまり、AT16は取りこぼしのある役である。AT16に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT17は、有効ラインに「ベルc−ベルb−ベルb」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ベルc」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルc」は、ストップスイッチ8Lの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、中リール2Cおよび右リール2Rの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8C、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT17に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT17に入賞させることができない。つまり、AT17は取りこぼしのある役である。AT17に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
AT18は、有効ラインに「ベルc−ベルb−ベルc」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「ベルc」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルc」は、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、中リール2Cの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT18に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT18に入賞させることができない。つまり、AT18は取りこぼしのある役である。AT18に入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
小役のうちイチゴは、有効ラインに「ANY−イチゴ−リプ」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもイチゴを入賞させることが可能である。また、中リール2Cの図柄である「イチゴ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。さらに、右リール2Rの図柄である「リプ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてイチゴに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているイチゴを入賞させることができる。つまり、イチゴは取りこぼしのない役である。イチゴに入賞したときには、14枚のメダルが払出される。
小役のうち特殊役は、CB中に7揃いリプまたはSBに当選したとき(すなわち、CB中に7揃いリプまたはSBと全ての小役が同時当選した状態になったとき)にのみ入賞可能となる。
また、CB中は最大で1コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから1コマ先までにある図柄、合計2コマ分の図柄となる。そして、CB中には内部抽選において7揃いリプまたはSBに当選したときには、左リール2Lのみが1コマの図柄を引き込むように制御され、中リール2Cおよび右リール2Rは4コマの図柄を引き込むように制御される。
特殊役は、有効ライン(入賞ラインL1のみ)に「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組合せが揃ったときに入賞となる。そして、左リール2Lの「JAC1/JAC3」は、5コマ以内に配置されているが、CB中は左リール2Lのみ2コマ分の引き込み制御が行われることから、ストップスイッチ8Lの操作タイミングによって入賞ラインL1に停止できない場合がある。すなわち、左リール2Lにおいては、JAC1またはJAC2が入賞ラインL1上に引き込まれる適正なタイミングでストップスイッチ8Lを操作(いわゆる「目押し」)しなければJAC1またはJAC2を入賞ラインL1に停止できない。また、中リール2Cの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。よって、「白7」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、入賞ラインL1に停止できない場合がある。したがって、CB中に内部抽選において7揃いリプまたはSBに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している特殊役に入賞させることができない。つまり、特殊役は取りこぼしのある役である。特殊役に入賞したときには、14枚のメダルが払出される。
なお、中リール2Cが第1停止となるようにストップスイッチ8Cを操作したときは中リール2Cの「イチゴ」が優先的に引き込まれて停止する。また、右リール2Rが第1停止となるようにストップスイッチ8Rを操作したときは右リール2Rの「リプ」が入賞ラインL2〜L4(すなわち上段または下段)のいずれかに優先的に引き込まれて停止する。このため、内部抽選において7揃いリプまたはSBに当選しても、左リール2Lを第1停止としなければ「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組合せを揃えることができない。
小役のうちチャンス役には、チャンス1およびチャンス2の2種類のチャンス役が含まれる。チャンス1は、有効ラインに「ブランク−ベルa−ANY」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ブランク」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「ブランク」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもチャンス1を入賞させることが可能である。したがって、内部抽選においてチャンス1に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8Cを操作しなければ、当選しているチャンス1に入賞させることができない。つまり、チャンス1は取りこぼしのある役である。チャンス1に入賞したときには、7枚のメダルが払出される。
チャンス2は、有効ラインに「ブランク−ベルb−ANY」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ブランク」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「ブランク」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。右リール2Rの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもチャンス2を入賞させることが可能である。したがって、内部抽選においてチャンス2に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8Cを操作しなければ、当選しているチャンス2に入賞させることができない。つまり、チャンス2は取りこぼしのある役である。チャンス2に入賞したときには、7枚のメダルが払出される。
次に、図11を用いて取りこぼし出目を説明する。取りこぼし出目は、小役のうち後述する左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかに当選しているゲームにおいて、当選役に含まれる入賞役の何れにも入賞させることができない場合(取りこぼす場合)において、有効ライン上に必ず引込まれて停止する特定のはずれの図柄組合せである。
取りこぼし出目は、図11に示すように、こぼし目1〜18を含む。こぼし目1は、有効ラインに「ベルa−ベルa−JAC1」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目2は、は、有効ラインに「ベルb−ベルa−JAC1」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目4は、有効ラインに「ベルb−ベルb−JAC1」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目5は、有効ラインに「ベルc−ベルa−JAC1」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目6は、有効ラインに「ベルc−ベルb−JAC1」が停止された図柄組合せをいう。
こぼし目7は、有効ラインに「白7−ベルa−ベルa」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目8は、有効ラインに「白7−ベルa−ベルb」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目9は、有効ラインに「白7−ベルa−ベルc」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目10は、有効ラインに「白7−ベルb−ベルa」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目11は、有効ラインに「白7−ベルb−ベルb」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目12は、有効ラインに「白7−ベルb−ベルc」が停止された図柄組合せをいう。
こぼし目13は、有効ラインに「ベルa−ベルa−JAC3」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目14は、有効ラインに「ベルa−ベルb−JAC3」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目15は、有効ラインに「ベルb−ベルa−JAC3」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目16は、有効ラインに「ベルb−ベルb−JAC3」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目17は、有効ラインに「ベルc−ベルa−JAC3」が停止された図柄組合せをいう。こぼし目18は、有効ラインに「ベルc−ベルb−JAC3」が停止された図柄組合せをいう。
小役のうち左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3に当選しているゲームにおいて、当選役に含まれる入賞役のうち何れも発生させることができない場合にはこぼし目1〜18の何れかが有効ラインに導出され、RT状態がRT1に移行される。
[遊技状態の遷移]
図12は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、図12に示すように、メイン制御部41により、RT0〜3の4種類の遊技状態(RT状態ともいう)のうち何れかに制御される。
RT0は、内部抽選の当選確率の設定変更後に制御される遊技状態である。RT1は、通常、最も制御される時間が長い遊技状態である。RT1には、RT0におけるゲームで取りこぼし出目が導出されたときに移行される。また、RT2は、RT1よりも再遊技の確率が高くなる遊技状態である。RT2には、RT1におけるゲームで昇格リプに入賞したときに移行される。一方、RT2におけるゲームで転落リプに入賞、または取りこぼし出目が導出されたときには、RT1に移行される。また、RT3は、RT2よりも再遊技役に当選する確率が高くなる遊技状態である。RT3には、RT2におけるゲームで突入リプに入賞したときに移行される。一方、RT3におけるゲームで転落リプに入賞、または取りこぼし出目が導出されたときには、RT1に移行される。さらに、本実施の形態においては、RT0〜3の何れにおいても、CBに入賞することで、RT状態を維持したままでCB中のゲームが実行される。CBとは、チャレンジボーナスとも称し、後述する抽選対象役のうち、JAC、AT1〜18、イチゴ、およびチャンス1、2の小役全てが当選するゲームが行なわれる。そのため、CB中のゲームでは、遊技者の目押しにより小役の入賞が毎ゲーム可能となる。
[非CB時の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図13、10を参照して、非CB時の内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3の何れであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図13、10においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の名称を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
また、抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、無印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行なわれる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「1600」が設定されている抽選対象役の当選確率は、1600/65536となる。なお、内部抽選において、何れの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
図13に示すように、内部抽選において、抽選対象役のうちJACが読み出されたときには、JACに対応する入賞役であるJACについての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち左ベル1が読み出されたときには、左ベル1に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT1、AT2、AT3、AT4、AT5、およびAT6すべてを一括した当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち左ベル2が読み出されたときには、左ベル2に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT7、AT8、AT9、AT10、AT11、およびAT12すべてを一括した当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち左ベル3が読み出されたときには、左ベル3に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT13、AT14、AT15、AT16、AT17、およびAT18すべてを一括した当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち中ベル1が読み出されたときには、中ベル1に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT1、AT4、AT8、AT11、AT15、およびAT18すべてを一括した当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち中ベル2が読み出されたときには、中ベル2に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT2、AT5、AT9、AT12、AT13、およびAT16すべてを一括した当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち中ベル3が読み出されたときには、中ベル3に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT3、AT6、AT7、AT10、AT14、およびAT17すべてを一括した当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち右ベル1が読み出されたときには、右ベル1に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT1、AT4、AT7、AT10、AT13、およびAT16すべてを一括した当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち右ベル2が読み出されたときには、右ベル2に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT2、AT5、AT8、AT11、AT14、およびAT17すべてを一括した当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち右ベル3が読み出されたときには、右ベル3に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT3、AT6、AT9、AT12、AT15、およびAT18すべてを一括した当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうちイチゴが読み出されたときには、イチゴについての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうちチャンス1が読み出されたときには、チャンス1についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうちチャンス2が読み出されたときには、チャンス2についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうちSBが読み出されたときには、SBについての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうちCBが読み出されたときには、CBについての当否抽選が行なわれる。
また、RT0〜3の何れの遊技状態においても、JAC、左ベル1〜3、中ベル1〜3、右ベル1〜3、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBが内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、RT0〜RT3の何れの遊技状態においても、遊技状態にかかわらずそれぞれの抽選対象役に共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役およびCB、SBに当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役およびCB、SBに当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
次に、右欄に記載されているリール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止リール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れであるかに応じて、JACあるいは当選しているAT役のうちの何れかを有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
たとえば、左ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。一方、左ベル1〜3の何れかが当選し、中第1停止または右第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。前述したように、AT役は、取りこぼしのある役である。よって、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図11で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
中ベル1〜3の何れかが当選し、中第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。一方、中ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止または右第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図11で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
右ベル1〜3の何れかが当選し、右第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。一方、右ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止または中第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図11で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
このように、左ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、左第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行なわれ、左第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、中ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、中第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行なわれ、中第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、右ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、右第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行なわれ、右第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
以上のように本実施の形態では、左ベル1〜3の何れが当選したか、中ベル1〜3の何れが当選したか、および右ベル1〜3の何れが当選したかによって、JACを確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ取りこぼし出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。つまり、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3についてはそれぞれ、押し順(以下、「特定押し順」ともいう。)が対応付けられている。図13の例では、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3それぞれの特定押し順は、左第1停止、中第1停止、右第1停止である。
上記のようなリール制御が行なわれる理由は、遊技者がストップスイッチを操作したときに、払出枚数が多い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に有効ライン上に引き込んでリールを停止させるか、あるいは、入賞の可能性が高い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に有効ライン上に引き込んでリールを停止させるかが、一義的に決められているからである。
たとえば、左ベル1に当選したときに遊技者が行なった第1停止が左第1停止であった場合には、左ベル1に含まれる入賞役のうち払出枚数が多いJACを入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。一方、左ベル1に当選したときに遊技者が行なった第1停止が中第1停止や右第1停止であった場合には、左ベル1に含まれる入賞役のうち入賞の可能性が高いAT役を入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。
入賞の可能性が高いAT役を入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させる具体例を以下に説明する。たとえば、左ベル1に当選したときに遊技者が行なった第1停止が中第1停止であった場合には、図10に示すように、左ベル1に含まれる何れかの役を入賞させるためには、「JAC2」、「ベルa」、「ベルb」の何れかを有効ライン上に引き込んでリールを停止させる必要がある。ここで、「JAC2」を有効ライン上に引き込むよりも、「ベルa」または「ベルb」を有効ライン上に引き込んだ方が入賞役の選択肢が多い(たとえば、「JAC2」を停止させると入賞役の選択肢は「JAC]の1種類のみだが、「ベルa」を停止させると入賞役の選択肢は「AT1」、「AT2」、「AT3」の3種類ある)。そのため、第1停止が中第1停止であった場合には、入賞の可能性の高いAT役の何れかを入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。
そして、RT2またはRT3で、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選したときに特定押し順で操作された場合には、JACが入賞してRT状態が維持されるとともに14枚のメダルが払出される。一方、RT2またはRT3で、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選したときに特定押し順以外の押し順で操作された場合には、取りこぼし出目が導出される可能性があり、この場合にはRT状態がRT1に転落する。RT1は、RT2やRT3と比較して再遊技役の当選確率が低い不利なRT状態であるため、RT2またはRT3で左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選した場合には、特定押し順で操作されたときよりも特定押し順以外の手順で操作されたときの方が遊技者は不利になる割合が高い。よって、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3は、押し順によってRT状態が変わって大きく有利度を異ならせることが可能な役であるといえる。
一方、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、SB、およびCBについては、押し順にかかわらず取りこぼさなければそれぞれに対応する役に入賞する。さらに、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、SB、およびCBについては、入賞前後でRT状態は変化しない。よって、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、SB、およびCBは、押し順にかかわらず有利度が同一である役だといえる。
なお、本実施の形態においては、前述したような押し順によって有利度が異なる当選役を第1当選役といい、押し順にかかわらず有利度が同一である当選役を第2当選役ともいう。図13に示す例では、非CB時における第1当選役には、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3が含まれる。また、非CB時における第2当選役には、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、SB、およびCBが含まれる。
なお、図13に示すように、中ベル1〜3や右ベル1〜3よりも、左ベル1〜3の当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止しなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左第1停止させるように設計されている。このため、左ベル1〜3よりも中ベル1〜3や右ベル1〜3の方が当選確率が高いにもかかわらず、非AT中のときには中ベル1〜3や右ベル1〜3に当選した場合にJACを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときに仮にRT2に制御された場合であっても、高い確率で取りこぼし出目が導出されるため、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3に当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行なうことにより、JACを確実に入賞させることができ、RT1に転落することを回避させることができる。
次に、図14に示すように、抽選対象役のうち通常リプ1が読み出されたときには、通常リプ1に対応する入賞役であるリプ1についての当否抽選が行なわれる。なお、図14に示すテーブル表は、非CB時テーブル表ともいう。
抽選対象役のうち通常リプ2が読み出されたときには、通常リプ2に対応する入賞役の組合せであるリプ1およびリプ7についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち通常リプ3が読み出されたときには、通常リプ3に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ7、およびリプ8についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち通+昇リプ1が読み出されたときには、通+昇リプ1に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ2、リプ7、リプ10、リプ11、およびリプ12についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち通+昇リプ2が読み出されたときには、通+昇リプ2に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ2、リプ7、リプ10、リプ11、リプ12、およびリプ3についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち通+昇リプ3が読み出されたときには、通+昇リプ3に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ2、リプ7、リプ10、リプ11、リプ12、リプ4、およびリプ5についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち通+昇リプ4が読み出されたときには、通+昇リプ4に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ2、リプ7、リプ10、リプ11、リプ12、リプ3、リプ4、およびリプ5についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち通+転リプ1が読み出されたときには、通+転リプ1に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ3、リプ4、およびリプ5についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち通+転リプ2が読み出されたときには、通+転リプ2に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ3、リプ4、リプ5、およびリプ2についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち通+転リプ3が読み出されたときには、通+転リプ3に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ3、リプ4、リプ5、およびリプ6についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち通+突リプ1が読み出されたときには、通+突リプ1に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ6、リプ10、リプ11、およびリプ12についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち通+突リプ2が読み出されたときには、通+突リプ2に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ6、リプ10、リプ11、リプ12、およびリプ2についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち通+突リプ3が読み出されたときには、通+突リプ3に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ6、リプ10、リプ11、リプ12、およびリプ7についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうちチャンリプ1が読み出されたときには、チャンリプ1に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ7、およびリプ3についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうちチャンリプ2が読み出されたときには、チャンリプ2に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ7、リプ4、およびリプ5についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうちチャンリプ3が読み出されたときには、チャンリプ3に対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ7、リプ3、リプ4、およびリプ5についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち7揃いリプが読み出されたときには、7揃いリプに対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ6、リプ7、リプ8、およびリプ9についての当否抽選が行なわれる。
抽選対象役のうち7はずれリプが読み出されたときには、7はずれリプに対応する入賞役の組合せであるリプ1、リプ6、リプ7、リプ8、リプ9、およびリプ2についての当否抽選が行なわれる。
また、RT0の遊技状態においては、通常リプ1が内部抽選の対象役として読み出される。
RT1の遊技状態においては、通常リプ1および通+昇リプ1〜4が内部抽選の対象役として順に読み出される。
RT2の遊技状態においては、通常リプ1、通+転リプ1〜3、および通+突リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。
RT3の遊技状態においては、通常リプ2、通常リプ3、通+転リプ1〜3、f1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
ここで、通常リプ2、通常リプ3、チャンリプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプは、RT3の遊技状態であるときのみ抽選対象役に設定されている。そのため、RT3は、他の遊技状態に比べて再遊技となる確率が高くなっている。また、後述するように、通常リプ2および通常リプ3は、CB中においては唯一14枚払出しが可能な役である。そのため、RT3のときのみCB中のゲームで14枚払出しがされる可能性がある。さらに、後述するように、7揃いリプに当選したときには、AT抽選が実行される。そのため、RT3は、他の遊技状態に比べてAT抽選が実行される可能性が高くなっている。
次に、リール制御の内容について説明する。通+昇リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+昇リプ1が当選し、中第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+昇リプ1が当選し、中第1停止させその後に右第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。さらに、通+昇リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
通+昇リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+昇リプ2が当選し、中第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+昇リプ2が当選し、中第1停止させその後に右第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。さらに、通+昇リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
通+昇リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+昇リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+昇リプ3が当選し、右第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。さらに、通+昇リプ3が当選し、右第1停止させその後に中第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
通+昇リプ4が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+昇リプ4が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+昇リプ4が当選し、右第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。さらに、通+昇リプ4が当選し、右第1停止させその後に中第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
このように、通+昇リプ1〜4の何れかが当選したときには、左第1停止する限りは、常に維持リプが入賞するようになっており、昇格リプを入賞することができなくなっている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+昇リプ1〜4の何れかが当選した場合には、昇格リプを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときにRT1に制御されているときは、昇格リプを入賞させてRT2に昇格させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+昇リプ1〜4に当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行なうことにより、昇格リプを確実に入賞させることができ、RT2に昇格することができる。
通+転リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+転リプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+転リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
通+転リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+転リプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+転リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
通+転リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+転リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。また、通+転リプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
このように、通+転リプ2または通+転リプ3に当選したときには、左第1停止する限りは、常に転落リプが入賞するようになっている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+転リプ2または通+転リプ3に当選した場合には、転落リプに入賞する可能性が高くなっている。よって、非AT中のときにRT2に制御されていても、転落リプに入賞することでRT1に転落する可能性が高くなる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+昇リプ2または通+昇リプ3に当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行なうことにより、転落リプの入賞を回避させることができ、RT2を維持することができる。
通+突リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。通+突リプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。通+突リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
通+突リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。通+突リプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。通+突リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
通+突リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。通+突リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。通+突リプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
このように、通+突リプ2または通+突リプ3に当選したときには、左第1停止する限りは、常に維持リプが入賞するようになっており、突入リプを入賞することができなくなっている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+突リプ2または通+突3に当選した場合には、突入リプを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときにRT2に制御されていても、突入リプを入賞させてRT3に昇格させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+突リプ2または通+転リプ3に当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行なうことにより、突入リプを確実に入賞させることができ、RT3に昇格することができる。
チャンリプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。チャンリプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。チャンリプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
チャンリプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。チャンリプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。チャンリプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
チャンリプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。チャンリプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。チャンリプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。
7揃いリプが当選した場合には、第2停止まで行なったときに有効ライン上に「白7」が2つ揃うテンパイ状態となり、その後、第3停止のタイミングに応じて有効ライン上に「白7」が3つ揃って停止する7揃い出目を導出させる制御を行なう。
7はずれリプが当選した場合には、第2停止まで行なったときに有効ライン上に「白7」が2つ揃うテンパイ状態となり、その後、第3停止のタイミングにかかわらず有効ライン上に「白7」が3つ揃わずに停止する7揃いはずれ出目を導出させる制御を行なう。
以上のように、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3については、それぞれ特定押し順が対応付けられている。そして、図14に示すように、押し順に応じて異なる種類の再遊技役(維持リプ、転落リプ、昇格リプ、突入リプ)が入賞して、RT状態が変化する。よって、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3は、押し順によってRT状態が変わって大きく有利度を異ならせることが可能な役であるといえる。
一方、通常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプについては、押し順にかかわらず所定の役に入賞する。つまり、通常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプは、押し順にかかわらず有利度が同一である役だといえる。
よって、図14に示す例では、非CB時における第1当選役には、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3が含まれる。また、非CB時における第2当選役には、常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプが含まれる。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて、リール制御を行ない、表示結果にしたがってメダル払出しや遊技状態移行を行なう。また、メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信する。
[ゲームの流れ]
ここで、図12を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、図12に示されるように、設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0では、ATに制御されず、通常ナビ演出が実行されない。このように、RT0において通常ナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときに、高い確率でJACおよびAT役を取りこぼして、有効ラインに取りこぼし出目が停止され、いつまでも取りこぼし出目が停止されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、前述したように、RT0〜RT3において非AT中のときに、左第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、非AT中のときには、左第1停止するように停止操作を行なう。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT1では、昇格リプに入賞することにより、RT2に移行する。昇格リプに入賞するためには、図14で示したように、通+昇リプ1〜4の何れかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、通+昇リプ1〜4の何れかに当選しても左第1停止する限りは昇格リプに入賞しない。よって、左第1停止させる限り、RT2に移行する可能性はない。
また、RT1においてペナルティを科されながらも左第1停止させて昇格リプに入賞してRT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、RT2では、通+転リプ2、3に当選する可能性があり、このときに、左第1停止すると転落リプが入賞してRT1に転落してしまう。さらに、RT2で中ベル1〜3や右ベル1〜3のうち何れかに当選したときには、左第1停止すると第2停止と第3停止のタイミングによっては取りこぼし出目が導出されてRT1に転落してしまう。このため、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、通+昇リプ1〜4の何れかに当選したときに、昇格リプを入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行され得る。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行なうことにより、昇格リプ入賞によりRT2に移行させることができる。
また、RT2では、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに、維持リプを入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行され得る。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行なうことにより、維持リプ入賞によりRT2を維持することができる。
さらに、RT2では、通+突リプ1〜3の何れかに当選したときに、突入リプを入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行され得る。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行なうことにより、突入リプ入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときに、JACを入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行される。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行なうことにより、JAC入賞により取りこぼし出目の導出を回避させてRT3を維持させることができる。ここで、本実施の形態においては、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときにJACを取りこぼした場合は押し順に応じてAT1〜18に入賞するしかメダルは払出されない。しかも、運よくAT1〜18に入賞したとしても、メダルの払出枚数はJACの14枚よりもはるかに少ない1枚のメダルしか払出されない。そのため、ATに制御されているときには、制御されていないときよりも、遊技者が得られるメダルの払出枚数を多くすることができ、AT制御の有無によって有利度を大きく異ならせることができる。なお、RT3では、チャンリプ1〜3の何れかに当選したときに、チャンスリプを入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行される。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、通常ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。
また、本実施の形態のスロットマシンでは、後述するように、遊技状態として、AT、潜伏AT、非ATのうちいずれかに制御される。そして、後述する図28に示すように、非ATでありかつRT3である期間を「特定期間」という。また、「特定期間」において、取りこぼし出目が導出されるまたは転落リプが入賞すると(図12参照)、RT3からRT1(つまり、非AT+RT1)に転落する。このように、特定期間のRT3からRT1に転落して当該RT1が維持されている期間を「転落期間」という。また、「特定期間」は、通常演出が実行されている期間でありかつRT3である期間としてもよい。
そして、本実施形態のスロットマシンにおいては、ART(AT+RT3)の期間においては、有利演出が実行され、特定期間(非AT+RT3)および転落期間(非AT+RT1)においては、通常演出が実行される。ここで、有利演出とは、通常演出よりも遊技者にとって有利な情報を報知する演出である。有利演出とは、たとえば、通常ナビ演出や、AT残りゲーム数を報知する演出、通常演出の背景画像とは異なる背景画像とする演出などを含む。また、有利演出は、ATが開始されたゲーム(AT1ゲーム目)において、当該ATが開始された旨を報知する演出も含む。
つまり、特定期間であっても転落期間であっても通常演出が実行されることから、演出内容からは、遊技者に対して特定期間であるか転落期間であるかを把握させないようにすることができ、換言すると、ATが終了した後のRT状態を遊技者に把握させないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、何れのRT状態においてもCB入賞することによって、RT状態を維持したままCB中のゲームに移行する。これにより、CBの発生によって、RT状態を変更するものと比較して、処理負担を削減できる。
[CB時の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図15を参照して、CB時の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3の何れであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図15においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの抽選される遊技状態の内容を示している。なお、図15に示すテーブル表は、CB時テーブル表ともいう。
本実施の形態のCB(チャレンジボーナス)は、全ての小役の当選が同時に成立し、所定の条件(本実施の形態においては、15枚以上のメダルの払出し、つまり、14枚を超えるメダルの払出し)が成立するまで、遊技者の目押しにより小役の入賞を毎ゲーム可能とする。また、再遊技役については、CBが発生した遊技状態に応じて、全ての小役と同時当選する役が予め定められている。当該CB中では、再遊技役以外の全ての小役(以下、単に「全ての小役」ともいう。)が当選することから、再遊技役に当選した場合には、全ての小役と当選した再遊技役とが同時当選することになる。
たとえば、遊技状態がRT0であるときには、全ての小役、全ての小役と通常リプ1、全ての小役とSBが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT1であるときには、全ての小役、全ての小役と通常リプ1、全ての小役と通+昇リプ1〜4、全ての小役とSBが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、全ての小役、全ての小役と通常リプ1、全ての小役と通+転リプ1〜3、全ての小役と通+突リプ1〜3、全ての小役とSBが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT3であるときには、全ての小役、全ての小役と通常リプ2、全ての小役と通常リプ3、全ての小役と通+転リプ1〜3、全ての小役とチャンリプ1〜3、全ての小役と7揃いリプ、全ての小役と7はずれリプ、全ての小役とSBが内部抽選の対象役として順に読み出される。
次に、CB時のリール制御について説明する。CB時のゲームで再遊技役に当選しなかった場合には、再遊技役以外の全ての小役のみが当選したことになる。この場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止の何れであっても15枚のメダルが払出されるようにリール制御が行なわれる。
CB時のゲームで通常リプ1、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、チャンリプ1〜3、および7はずれリプのうち何れかと全ての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止の何れであっても15枚のメダルが払出されるようにリール制御が行なわれる。
CB時のゲームで7揃いリプまたはSBと全ての小役が同時当選した場合には、左第1停止であればストップスイッチ8L,8Cの操作タイミングに応じて14枚または15枚のメダルが払出されるようにリール制御が行なわれ、中第1停止または右第1停止であれば15枚のメダルが払出されるようにリール制御が行なわれる。なお、SBに当選するとその次の1ゲームのみSBに制御され、小役の当選確率が非SB時よりも高くなる。
CB時のゲームで通常リプ2と全ての小役が同時当選した場合には、左第1停止または右第1停止であれば15枚のメダルが払出されるようにリール制御が行なわれ、中第1停止であれば14枚のメダルが払出されるようにリール制御が行なわれる。
CB時のゲームで通常リプ3と全ての小役が同時当選した場合には、左第1停止または中第1停止であれば15枚のメダルが払出されるようにリール制御が行なわれ、右第1停止であれば14枚のメダルが払出されるようにリール制御が行なわれる。
このように、本実施の形態においては、通常リプ2または通常リプ3が当選したときに、押し順によっては14枚のメダルが払出されるリール制御が行なわれる。
また、通常リプ2および通常リプ3については、特定押し順が対応付けられている。図15の例では、通常リプ2の特定押し順は、中第1停止であり、通常リプ3の特定押し順は、右第1停止である。そして、通常リプ2または通常リプ3と全ての小役とが同時当選したときに特定押し順で操作された場合には、CB1ゲーム目で14枚のメダルが払出されてCBが継続し、CB2ゲーム目でさらにメダルを獲得できる。一方、通常リプ2または通常リプ3と全ての小役とが同時当選したときに特定押し順以外の押し順で操作された場合には、CB1ゲーム目から15枚のメダルが払い出され、CBが終了する。よって、通常リプ2と全ての小役との同時当選役、または通常リプ3と全ての小役との同時当選役は、押し順によってCBが1ゲーム終了になるか2ゲーム終了になるかでメダル払出枚数を大きく異ならせることが可能な役であるといえる。
一方、通常リプ2および通常リプ3以外の再遊技役と全ての小役との同時当選役、または全ての小役のみの当選役(つまり、再遊技役当選なし)については、押し順にかかわらずCB1ゲーム目から15枚のメダルが払い出され、CBが終了する。よって、通常リプ2および通常リプ3以外の再遊技役と全ての小役との同時当選役、および全ての小役のみの当選役は、押し順にかかわらず有利度が同一である役だといえる。
図15に示す例では、CB時における第1当選役には、通常リプ2と全ての小役との同時当選役、または通常リプ3と全ての小役との同時当選役が含まれる。一方、CB時における第2当選役には、通常リプ2および通常リプ3以外の再遊技役と全ての小役との同時当選役、SBと全ての小役との同時当選役、および全ての小役のみの当選役が含まれる。
以上、図15に示すように、本実施の形態においては、第1当選役が複数種類あり、当該第1当選役の種類と遊技者による押し順とに基づき、14枚払出しか、あるいは15枚払出しかの入賞結果が導出される。そのため、当選した第1当選役の種類と遊技者による押し順との組合せにより14枚払出しか、あるいは15枚払出しかの入賞結果が異なってくるため、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、以下では、CB中において、図15に示す通常リプ2および全ての小役に同時当選したことを単に「通常リプ2に当選する」といい、通常リプ3および全ての小役に同時当選したことを単に「通常リプ3に当選する」という。また、図15に示す、メダルが14枚払い出される役を「14枚払出し役」といい、メダルが15枚払い出される役を「15枚払出し役」という場合がある。
また、本実施の形態においては、CBは、推奨押し順で操作すると、15枚払出し役が必ず入賞するが、推奨押し順以外の押し順で操作すると14枚払出し役が入賞する可能性があるゲームである。また、上述では、「CBに入賞したときには、CB入賞前後でRT状態が変わらずに、CBが開始される。」と説明したが、これは、図14と図15を比較しても明らかなように、CB入賞前のゲームの「抽選対象役」および「RT状態ごとの抽選対象役に当選する確率(判定値数)」を全て引き継いで、CB中のゲームの「抽選対象役」および「RT状態ごとの抽選対象役に当選する確率(判定値数)」とするということである。換言すれば、RT状態が変更されない限り、CB入賞前のゲームとCB中のゲームの「抽選対象役」および「RT状態ごとの抽選対象役に当選する確率(判定値数)」とが同一である。さらに、RT状態が変更されない限り、CB入賞前のゲームとCB中のゲームの「抽選対象役」および「RT状態ごとの抽選対象役に当選する確率(判定値数)」と、CB終了直後のゲームの「抽選対象役」および「RT状態ごとの抽選対象役に当選する確率(判定値数)」も同一としてもよい。
[CB時の入賞態様]
ここで、CB時の入賞態様について説明する。図16は、CB時の入賞態様について説明するための図である。図16(a)は、CB時において通常リプ2が当選したときにストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された押し順ごとの小役の入賞態様を示している。
本実施の形態においては、CB時において当選した再遊技役の種類と押し順とに応じて、小役のうちイチゴが1ラインまたは2ラインの有効ラインで入賞する。
図16(a)に示すように、CB時に通常リプ2に当選した場合において左第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。ここで、本実施の形態においては、1ゲームで払出されるメダルは15枚が最大である。そして、イチゴは1ライン入賞で14枚の払出しとなる。そのため、イチゴが2ラインで同時入賞すると合計で28枚の払出しとなり、結果的に、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
CB時に通常リプ2に当選した場合において中第1停止されたときには、中段ラインの1ラインのみでイチゴが入賞する。この場合、14枚のメダルが払出される。
CB時に通常リプ2に当選した場合において右第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
図16(b)に示すように、CB時に通常リプ3に当選した場合において左第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
CB時に通常リプ3に当選した場合において中第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
CB時に通常リプ3に当選した場合において右第1停止されたときには、中段ラインの1ラインのみでイチゴが入賞する。この場合、14枚のメダルが払出される。
図16(c)に示すように、CB時に通常リプ2、3以外(7揃いリプおよびSBを除く)に当選した場合において左第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
CB時に通常リプ2、3以外(7揃いリプおよびSBを除く)に当選した場合において中第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
CB時に通常リプ2、3以外(7揃いリプおよびSBを除く)に当選した場合において右第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
図17(d)に示すように、CB時に7揃いリプまたはSBに当選した場合において左第1停止され、かつ適正なタイミング(左リール2LでJAC1/JAC3が停止するタイミングおよび中リール2Cで白7が停止するタイミング)でストップスイッチが操作された場合には、中段ラインの1ラインのみで特殊表示結果である「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組み合わせが揃って特殊役が入賞する。この場合、14枚のメダルが払出される。
CB時に7揃いリプまたはSBに当選した場合において左第1停止されたが、適正なタイミング(左リール2LでJAC1/JAC3が停止するタイミングおよび中リール2Cで白7が停止するタイミング)でストップスイッチが操作されなかった場合には、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインで「ANY−イチゴ−リプ」の組み合わせが揃ってイチゴが同時入賞する。また、ストップスイッチの押下タイミングによっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインで「ANY−イチゴ−リプ」の組み合わせが揃ってイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
CB時に7揃いリプまたはSBに当選した場合において中第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインで「ANY−イチゴ−リプ」の組み合わせが揃ってイチゴが同時入賞する。また、ストップスイッチの押下タイミングによっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインで「ANY−イチゴ−リプ」の組み合わせが揃ってイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
CB時に7揃いリプまたはSBに当選した場合において右第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインで「ANY−イチゴ−リプ」の組み合わせが揃ってイチゴが同時入賞する。また、ストップスイッチの押下タイミングによっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインで「ANY−イチゴ−リプ」の組み合わせが揃ってイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
後述するように、CB中でも7揃いリプまたはSBに当選すると特典としてATが付与される可能性がある。また、上記のように、CB中に7揃いリプまたはSBに当選したときは、CB中に7揃いリプまたはSB以外の抽選結果になったときには導出されない特殊表示結果である「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組み合わせが中段の入賞ラインL1に揃って特殊役が入賞する。ここで、従来のように、CB中に7揃いリプまたはSBに当選したときに、7揃いリプまたはSB以外の抽選結果になったときと同様に図16の(C)で示すように「ANY−イチゴ−リプ」の組み合わせでイチゴを入賞させてしまうと、遊技者は7揃いリプまたはSBに当選したことを認識できないため、ATが付与される可能性があるにもかかわらず、そのことを認識できない。しかし、本発明では、CB中に7揃いリプまたはSBに当選したときは、CB中に7揃いリプまたはSB以外の抽選結果になったときには導出されない特殊表示結果である「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組み合わせが中段の入賞ラインL1に揃って特殊役が入賞するので、CB中でも遊技者は7揃いリプまたはSBに当選したことを認識できる。そして、7揃いリプまたはSBに当選するとATが付与される可能性があるので、CB中でも内部抽選の結果へ期待感や緊張感を高めることができ、ゲームの向上を図ることができる。
ここで、本実施の形態のCBは、メダルが15枚払出されることで終了するため、CBの1ゲーム目からメダルが15枚払出される場合は1ゲームでCBが終了してしまう。それに対して、CBの1ゲーム目でメダルが14枚払出される場合は、未だ終了条件の15枚に到達していないため、2ゲーム目も遊技することができ、当該2ゲーム目でさらに14枚や15枚のメダルが払出されることにより、結果的に15枚以上のメダルを遊技者が獲得することができる。つまり、CB時においては1ゲーム目から14枚の払出しが行なわれるときの方が、1ゲーム目から15枚の払出しが行なわれるときよりも遊技者にとって有利であるといえる。
また、図15に示されたCB時の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数は、再遊技役以外の全ての小役が当選していることを除いて、図14で示された非CB時の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数と同じである。つまり、再遊技役の抽選対象役および判定値数は、CB入賞前後で変更されないようになっている。そのため、CB入賞前のRT状態が遊技者にとって有利な状態であれば、CB入賞後においても、遊技者にとって有利な状態を維持したままでCB中のゲームが行なわれることになる。たとえば、CB入賞前がRT3であれば、CB入賞後においても、RT3と同じ再遊技役の抽選対象役および判定値数を維持したままでCB中のゲームが行なわれる。
さらに、図15に示すCB時の抽選対象役および抽選対象役の判定値数によると、1ゲーム内で14枚のメダルが払出されるリール制御が行なわれる抽選対象役である通常リプ2および通常リプ3は、RT3のときのみ当選する。そのため、すべての遊技状態の中でRT3のときにCB入賞した場合が、CB内で2ゲーム以上のゲームをすることができ、遊技者にとって最も有利となる。
なお、本実施の形態においては、後述するように、AT中にCB入賞した場合、CB時のゲーム内で通常リプ2や通常リプ3が当選したときには、有効ラインに特殊役の入賞図柄を導出させるための通常ナビ演出が実行されるようになっている。そのため、AT時においては、非AT時に比べて、1ゲーム内で14枚のメダルが払出される可能性が高く、遊技者にとって有利となる。
また、図13に示す非CB時の抽選対象役、判定値数によると、イチゴは何れの遊技状態においても判定値数が1である。そのため、非CB時においては、その他の入賞役がイチゴよりも高い確率で入賞が発生可能となる。つまり、非CB時では、イチゴが入賞可能なメインの役ではない。これに対して、図16に示すCB時の入賞態様によると、14枚払出しのときも15枚払出しのときもイチゴが入賞する。つまり、CB時では、イチゴが入賞可能なメインの役となる。
さらに、イチゴが有効ラインに導出されることを条件(第4AT抽選条件)に、後述するAT抽選が行なわれ、ATに制御するためナビストックが付与される可能性がある。
このように、非CB時においてはイチゴよりも高い確率でその他の入賞役が入賞可能となり、CB時においては当該その他の入賞役よりも高い確率でイチゴが入賞可能となる。そして、イチゴに入賞することを条件としてAT抽選が行なわれてナビストックが付与される。このため、イチゴが入賞することによって直接的にナビストックが付与されることに対する期待感を抱かせることができるとともに、イチゴの入賞確率が高まることによりCBに制御されることによる遊技者にとっての価値をより一層高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態では、図10に示すように「JAC3−JAC2−JAC3」の図柄組合せを表示することにより、CB入賞した旨を遊技者に対して示唆することができる。したがって、遊技者は、CB入賞した旨を認識することができ、遊技の興趣を向上させる
ことができる。
[サブ制御部の演出制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行なう。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてROM91bに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行なう。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行なうのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、ROM91bに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンから何れかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてROM91bに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行なわれることがある。
また、サブ制御部91では、非AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、左第1停止されているか否かを判定し、当該判定結果に応じて所定のペナルティを科す制御を行なう。ペナルティとしては、前述したように、6ゲームの期間中、AT抽選が実行されなかったり、AT抽選においてナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものなどがある。
なお、単なる操作ミスにより左第1停止することができない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に左第1停止以外を操作している蓋然性が高いことを推認できる所定のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行なうようにしてもよい。
所定のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに左第1停止以外の操作がされた回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、非AT中のゲームにおいて、受信した内部当選コマンド、入賞判定コマンド、および遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて左第1停止している限り入賞しない入賞役に入賞したと判定されたときや、このように判定された回数が所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよい。なお、遊技状態に応じて左第1停止している限り入賞しない入賞役とは、たとえば、中ベル1〜3や右ベル1〜3の何れかに当選したときのJACが該当する。
また、サブ制御部91は、AT中に通常ナビ演出を実行したゲームにおいて、当該通常ナビ演出から特定される操作手順と異なる手順で操作されたか否かを判定し、異なる手順で操作されたと判定されたときには遊技者にとって不利なAT中のペナルティを科す制御を行なう。AT中のペナルティとしては、6ゲームの期間中、AT抽選が実行されなかったり、AT抽選においてナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものなどがある。また、たとえば、すでに付与されているナビストックを所定数減算すること、AT抽選条件が成立してもAT抽選を行なわないことなどがある。
なお、AT中においても、単なる操作ミスにより通常ナビ演出から特定される操作手順で操作できない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に通常ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作している蓋然性が高いことを推認できるAT中のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行なうようにしてもよい。
AT中のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに通常ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作された回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、所定回数(2回)連続して通常ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作されたことにより成立するものなどであってもよい。
また、AT中において、通常ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作した場合において、取りこぼし出目の導出や転落リプ入賞した場合には、RT1に制御されてしまう。このようにAT中でありながら、操作ミスによってRT1に制御されてしまった場合には、制裁措置としてその時点でATを終了(ナビストックを消去)させるようにしてもよく、これとは逆に、救済措置としてATを継続して再びRT3へ制御させるように通常ナビ演出を実行するようにしてもよい。
[起動処理(サブ)]
次に、本実施の形態におけるサブ制御部91が実行する起動処理(サブ)の制御内容を図18に基づいて説明する。
図18に示すように、サブ制御部91は、リセット回路95からシステムリセット信号が入力されると起動処理(サブ)を行う。
まず、サブ制御部91は、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sn1)、RAM91cへのアクセスを許可する(Sn2)。次いで、図5の起動処理(メイン)のSa12で生成された復帰コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(Sn3)。復帰コマンドを受信していない場合には、図5の起動処理(メイン)のSa16で生成された設定変更中コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(Sn4)。設定変更中コマンドを受信した場合には、設定変更中コマンドを受信したことを示す設定受信コマンドフラグをRAM91cの所定領域に格納する(Sn5)。
復帰コマンドを受信した場合および設定変更中コマンドを受信した場合には、RAM91cにバックアップデータがあるか否かが判定される。RAM91cにバックアップデータがあるか否かは、例えば、後述する電断処理においてRAM91cに設定されるバックアップフラグがあるか否かによって確認される(Sn6)。Sn6のステップにおいてバックアップフラグが設定されていなければRAM91cの初期化を実行する(Sn13)。他方、Sn6において、バックアップフラグが設定されていることが判定された場合には、RAMのデータは正常であるので、バックアップフラグがクリアされる(Sn7)。
Sn7のステップにおいてバックアップフラグがクリアされた場合には、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算する(Sn8)。Sn9のステップでは、Sn8のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する。Sn9のステップにおいてRAMパリティが0でなければRAM91cの初期化を実行する(Sn13)。
Sn9のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、設定変更中コマンド受信フラグがRAM91cに格納されているか否かが判定される(Sn10)。
設定変更中コマンド受信フラグがRAM91cに格納されている場合には、RAM91cの初期化を実行する(Sn13)。設定変更中コマンド受信フラグがRAM91cに格納されていない場合には、バックアップされたデータに基づいて復帰処理が実行される(Sn11)。また、ステップSn4において、設定変更中コマンドを受信していないことが判定された場合には、図5の起動処理(メイン)のSa22で生成されたエラーコマンドをメイン制御部41から受信したか否かが判定される(Sn14)。エラーコマンドを受信していることが判定された場合には、Sn15のステップに移行してRAM91cの初期化を実行し、エラー処理が行われる(Sn16)。エラー処理では、エラー報知がなされ、例えば、遊技店員によってリセット/設定スイッチ38が操作されるなどしてエラー状態が解除されると、エラー報知が終了して元の状態に復帰する。エラーコマンドを受信していないことが判定された場合、すなわち、設定変更中コマンドおよび復帰コマンドおよびエラーコマンドを受信していない場合にはRAM91cの初期化を実行する(Sn13)。
[タイマ割込処理(サブ)]
次に、サブ制御部91(CPU91c)が内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)について説明する。
図19に示すように、タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sp1)。次いで、停電判定処理を行う(Sp2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sp2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sp3)、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、図18で示す起動処理(サブ)のSn6の判定で用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、図18で示す起動処理(サブ)のSn9の判定で用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する(Sp4)。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
[AT関連処理]
Sp5のステップでは、サブ制御部91は、遊技状態に応じて、演出状態をATに制御するとともに、通常ナビ演出を実行するためのAT関連処理を行なう(Sp5)。
サブ制御部91は、AT関連処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行なう。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選は、ナビストック数を付与するか否かを決定するナビ付与抽選と、付与するナビストック数を決定するナビストック数抽選とを含む。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定期間に亘りゲームを消化するまで(たとえば、ATに制御されてから10ゲーム)、ATに制御され、その間通常ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図20は、AT抽選に用いるAT抽選用テーブルを説明するための図である。AT抽選条件は、RT状態、AT状態、および、当選状況やゲーム進行状況などのその他の条件の組合せにより成立する。サブ制御部91は、成立したAT抽選条件に定められた当選確率に従ってAT当選し、AT当選した場合には振分率に従ってナビストックを付与する。
なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンド、内部当選コマンド、入賞判定コマンドに基づき、制御されているRT状態および当選状況を判定するとともに、AT中にセットされるATフラグに基づきAT中か否かを判定する。
第1AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、チャンス1またはチャンス2に当選したときに成立する。第1AT抽選条件が成立したときには、30%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、50%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」に決定される。なお、AT抽選は、たとえば乱数などを用いて、設定されている確率あるいは振分率にしたがってランダムに行なわれる。よって、第1AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.5+2×0.3+3×0.2)×0.03=0.051となる。
第2AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT3であるときに、7揃いリプに当選したときに成立する。第2AT抽選条件が成立したときには、10%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、30%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第2AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.3+2×0.3+3×0.2+4×0.1+5×0.1)×0.1=0.24となる。
第3AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT3であるときに、チャンスリプに入賞したときに成立する。第3AT抽選条件が成立したときには、3%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、20%の確率で「1」に、20%の確率で「2」に、30%の確率で「3」、20%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第3AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.2+2×0.2+3×0.3+4×0.2+5×0.1)×0.3=0.84となる。
また、第1〜第3AT抽選条件は、各々、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、当選確率および振分率が同じである例について説明したが、これに限らず、AT中であるか否かに応じて当選確率および振分率を異ならせてもよい。たとえば、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも高い当選確率でナビ付与抽選を行ない、また、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも期待ナビストック数が大きくなるようにナビストック数抽選を行なうようにしてもよい。
なお、第1、第2AT抽選条件は、所定の入賞役に当選することにより成立する例について説明したが、これに限らず、所定の入賞役に入賞することにより成立するものであってもよい。たとえば、第1AT抽選条件は、チャンス1またはチャンス2に入賞することにより成立するようにしてもよい。
第4AT抽選条件は、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、また非CB中であるかCB中であるかにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときにイチゴが入賞したときに成立する。第4AT抽選条件が成立したときには、50%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、40%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」になる。よって、第4AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.4+2×0.3+3×0.2+4×0.1)×0.5=1.0となる。なお、CB中においてはイチゴが1ラインの有効ラインのみで入賞して14枚の払出しが行なわれたときにAT抽選条件が成立するものであってもよい。これにより、CB中に15枚の払出しが行なわれたとき(イチゴが2ラインの有効ラインで同時入賞したとき)にはAT抽選条件を成立させない一方で、CB中に14枚の払出しが行なわれたとき(イチゴが1ラインの有効ラインのみで入賞したとき)にはAT抽選条件を成立させることができる。
第5AT抽選条件は、非AT中であって、遊技状態がRT1〜3であるときに、前回ARTが終了してから1000ゲーム消化したときに成立する。第5AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、付与されるナビストック数が、60%の確率で「1」に、40%の確率で「2」に決定される。よって、第5AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.6+2×0.4)×1.0=1.4となる。
なお、サブ制御部91は、AT中にセットされるATフラグに基づきART終了を特定するとともに、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき、ART終了から消化したゲーム数を特定するための終了後ゲーム数を計数し、当該終了後ゲーム数に基づき前回ARTが終了してから1000ゲーム消化したか否かを特定し、第5AT抽選条件の成否を判定する。
第6AT抽選条件は、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、非CB中においてRT状態がRT0〜3であるときにSBに当選したときに成立する。第6AT抽選条件が成立したときには、50%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、60%の確率で「1」に、40%の確率で「2」になる。よって、第6AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.6+2×0.4)×0.5=0.7となる。
第7AT抽選条件は、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、CB中においてRT状態がRT0〜3であるときにSBに当選したときに成立する。第7AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、40%の確率で「4」に、60%の確率で「5」になる。よって、第7AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(4×0.4+5×0.6)×1.0=4.6となる。
このように、第7AT抽選条件のほうが第6AT抽選条件よりもAT抽選に当選する確率が高く、かつ得られる期待ナビストック数の数も多くなっている。すなわち、CB中にSBに当選した場合には非CB中にSBに当選した場合よりもAT抽選に当選する確率が高く、かつ得られる期待ナビストック数の数も多くなる。よって、CB中にSBに当選することへの期待感を高めることができる。そして、CB中にSBに当選したときには、CB中に7揃いリプまたはSB以外の抽選結果になったときには導出されない特殊表示結果である「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組み合わせが中段の入賞ラインL1に揃って特殊役が入賞するので、このような態様で特殊役が入賞したときにAT付与への期待感を高めることができる。これにより、CB中でも内部抽選の結果へ期待感や緊張感を高めることができ、ゲームの向上を図ることができる。
なお、本実施の形態では、非CB中に7揃いリプまたはSBに当選した場合には、例えば非CB中にチャンス1やチャンス2に当選して第1AT抽選条件が成立した場合など、非CB中に7揃いリプまたはSBに当選しなかった場合に比べて、高い確率でAT当選し(第1AT抽選条件が成立したときは当選確率30%であるのに対し、第2AT抽選条件、第6AT抽選条件が成立したときは50%あるいは100%となる)、かつ付与されるナビストック数も多くなって有利度の高いATが付与される(第1AT抽選条件が成立したときは最大3個のナビストックが付与されるのに対し、第2AT抽選条件では最大5個のナビストックが付与される)こととなる。
同様に、CB中に7揃いリプまたはSBに当選した場合には、例えばCB中にイチゴが入賞して第4AT抽選条件が成立した場合など、CB中に7揃いリプまたはSBに当選しなかった場合に比べて、高い確率でAT当選し(第4AT抽選条件が成立したときは当選確率50%であるのに対し、第2AT抽選条件、第7AT抽選条件が成立したときは100%となる)、かつ付与されるナビストック数も多くなって有利度の高いATが付与される(第4AT抽選条件が成立したときは最大4個のナビストックが付与されるのに対し、第2AT抽選条件または第7AT抽選条件では最大5個のナビストックが付与される)こととなる。
このように、メイン制御部41からのコマンドに基づきサブ制御部91によってAT制御のためのナビストックを付与するか否かが決定されて、当該決定に応じてナビストックが付与されるため、遊技者に対して、サブ制御部91の処理に注目させることができる。
なお、本実施形態では、また、AT抽選に当選したときに付与され得るナビストック数の最大個数を比較して、7揃いリプまたはSBに当選した場合は7揃いリプまたはSBに当選しなかった場合に比べて有利度が高くなる例を挙げているが、7揃いリプまたはSBに当選した場合は7揃いリプまたはSBに当選しなかった場合に比べてAT抽選に当選したときに付与され得るナビストック数の平均個数が多くなることにより有利度が高くなるようにしてもよい。なお、本実施形態では、AT抽選に当選したときに付与され得るナビストック数の平均個数はAT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数を示し、上記したように、第1AT抽選条件が成立したときは0.051個、第2AT抽選条件が成立したときは0.24個、第3AT抽選条件が成立したときは0.84個、第4AT抽選条件が成立したときは1.0個、第5AT抽選条件が成立したときは1.4個、第6AT抽選条件が成立したときは0.7個、第7AT抽選条件が成立したときは4.6個となっている。
また、7揃いリプまたはSBに当選した場合は7揃いリプまたはSBに当選しなかった場合に比べてATの抽選の当選確率とAT抽選に当選したときに付与され得るナビストック数の平均個数とを乗じて算出されるAT抽選に当選していない状態で付与され得るナビストックの平均個数が多くなることにより有利度が高くなるようにしてもよい。本実施形態では、当該平均個数は、第1AT抽選条件が成立したときは0.3(ATの抽選の当選確率)×0.051(AT抽選に当選したときに付与され得るナビストック数の平均個数)=0.0153個となる。同様に、第2AT抽選条件が成立したときは1.0×0.24=0.24個、第3AT抽選条件が成立したときは0.03×0.84=0.0252個、第4AT抽選条件が成立したときは0.5×1.0=0.5個、第5AT抽選条件が成立したときは1.0×1.4=1.4個、第6AT抽選条件が成立したときは0.5×0.7=0.35個、第7AT抽選条件が成立したときは1.0×4.6=4.6個となっている。
また、本実施形態では、7揃いリプまたはSBに当選した場合は7揃いリプまたはSBに当選しなかった場合と比べて、AT抽選の有利度を比較して有利度が高くなる例を挙げたが、AT抽選の抽選条件とならない当選役(ベルや通常リプなど)が当選してAT抽選が行われないたときと比べて、7揃いリプやSBに当選したときにはAT抽選が行われること自体を有利度が高いとすることも可能である。
[AT制御処理]
Sp6のステップでは、サブ制御部91はATに制御するAT制御処理を実行する(Sp6)。サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。ナビストック数が残っているときに、さらにAT抽選によってナビストック数を獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。本実施の形態においては、AT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。
非AT中であるときにおいてナビストックを獲得した場合、サブ制御部91は、所定のAT開始条件が成立したときにATに制御する。所定のAT開始条件は、特定の当選状況となったときに成立する。特定の当選状況となったときの一例としては、たとえば、非AT中でかつRT2中であるときに突入リプに入賞したときに成立する。
サブ制御部91は、非AT中かつナビストックが1以上付与されているときにおいて、AT開始条件が成立したときに、ATである旨を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納してATに制御する。
なお、AT開始条件は、当選状況に応じて成立するものに限らず、ナビストックを獲得したことを契機として複数ゲームに亘り所定の連続演出を実行した後、当該連続演出の演出結果によってナビストックを獲得した旨が報知されたときに成立するようにしてもよい。この場合、連続演出は、ナビストックを獲得していないときにも所定確率にしたがって実行される。これにより、連続演出が実行されることによりナビストックを獲得したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
サブ制御部91は、RT1またはRT2においてATフラグからATである旨が特定されたときに、ATへの制御を開始する。これにより、通常ナビ演出が実行される。このため、図14に示すように、RT1においては、通+昇リプ1〜4の何れかに当選したときに昇格リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT2へ制御されやすくなる。また、RT2においては、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに維持リプに入賞する可能性が高くなるとともに、転落リプに入賞することを回避することができる。さらに、通+突リプ1〜3の何れかに当選したときに突入リプに入賞する可能性が高くなり、その結果、RT3へ移行する可能が高くなる。
また、RT2またはRT3においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4の何れかに当選したときに取りこぼし出目の導出を回避させ、その結果、RT1への転落を回避することができる。
RT1またはRT2においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、通常ナビ演出が実行可能となる。AT中におけるRT1において昇格リプ入賞によりRT2に制御されたときにも当該ATへの制御が継続される。
RT3に制御されたときには、ナビストックを1消費(減算)して、所定回数(たとえば10)ゲームを消化する間、RT3かつATであるARTに制御可能となる。なお、ナビストックを1消費したときには、RAM91cに記憶されているナビストック数を1減算させた値に更新される。
サブ制御部91は、ARTに制御すると、ATに制御されることが確定しているATゲーム数を報知するとともに、ゲーム消化に応じてATゲーム数を更新させる。具体的に、たとえば、ATに制御されたときに、液晶表示器51において「AT残り10ゲーム」といったメッセージを表示し、ゲーム消化に応じて残りゲーム数を更新表示する有利演出が実行される。これにより、少なくともナビストック1に対応してATに制御されている旨が報知される。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が0であれば、「AT終了!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ATでない旨を示すATフラグに更新させて一連のATを終了させる。これにより、通常ナビ演出が実行されなくなるため、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかに当選したときに取りこぼし出目が導出されやすく、かつ、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに転落リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT3からRT1へ制御される可能性が高まる。
ここで、本実施の形態においては、ATに制御される状態およびATに制御されない状態(非AT)の他に、潜伏時ATにも制御される。潜伏時ATとは、ナビストックが消費されないが、第1当選役に当選したときに限っては通常ナビ演出が実行される期間である。さらに、潜伏時ATにおいては、前述した有利演出が実行されないようになっているため、遊技者がAT中であることを演出上では認識できないようになっているとともに、再びATに制御されることに対して期待することができる。なお、潜伏時ATである期間を潜伏期間ともいう。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0になれば一旦ATでない旨を示すATフラグに更新する。そして、残りのナビストック数が1以上であれば、先ず潜伏抽選を実行する。潜伏抽選とは、たとえば、乱数抽選によって潜伏時ATに制御するか否かを決定する抽選である。サブ制御部91は、潜伏抽選に当選したときには、潜伏時ATである旨を示す潜伏フラグをRAM91cの所定領域に格納する。これにより、潜伏時ATに制御される。そして、潜伏時ATは、所定期間(たとえば、32ゲーム)経過するまで制御される。
サブ制御部91は、潜伏時ATが終了すると、AT復帰報知を実行するとともに、ナビストックを1消費してATである旨を示すATフラグに更新してATに制御する。AT復帰報知とは、潜伏時ATからATへと復帰する際に行なわれる報知であり、たとえば、「まだまだー!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。また、AT残りゲーム数が0になったときにおいて、残りのナビストック数が0である場合には、潜伏抽選を実行せずに非ATに移行される。
なお、本実施の形態においては、潜伏時ATにおいて1回でも通常ナビ演出が実行されたときには、その時点でAT復帰報知が行なわれる。その理由は、潜伏時ATは、有利演出が実行されないことによって、ナビストックが残っているか否かを遊技者に判別されない状態であり、再びATに制御されることに対して期待をもたせる状態であるにもかかわらず、通常ナビ演出が実行されることによって、遊技者にまだナビストックが残っていることがばれてしまうからである。この場合でも、AT復帰報知後に、所定期間経過するまでは潜伏時ATに制御され、その後、ナビストックを1消費してATである旨を示すATフラグに更新して、ATに再び制御される。この場合のAT復帰報知としては、「もうすぐATに戻るよ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示されることにより、所定ゲーム数消化すると、ATへ復帰する旨が報知される。なお、潜伏時ATにおいて1回でも通常ナビ演出が実行されたときには、AT復帰報知が行なわれるとともにその時点でナビストックを1消費してATに制御するものであってもよい。
一方、サブ制御部91は、潜伏抽選に当選しなかったときには、前回のATが終了した後すぐにAT復帰報知が行なわれるとともに、ナビストックを1消費してATへの制御を継続させる。
このように、潜伏時ATに制御されることにより、ATが終了して、非ATに制御された場合でも、再び、ATに制御されるかもしれないという期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技への興趣を向上させることができる。
以上のように、RT3であるときには、ナビストック数を1消費することにより、所定回数ゲームを消化する間ARTに制御される。また、ARTにおいて所定回数ゲームを消化して1ナビストックに対応するATが終了したときであっても、未だナビストック数が1以上であるときには所定確率で潜伏期間を経た後、さらにナビストックを1消費させてARTへの制御が継続される。これにより、AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた回数だけ、ATに繰り返し制御可能となる。
サブ制御部91は、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応する通常ナビ演出を実行する。
[演出実行処理]
図21は、図19に示すタイマ割込処理(サブ)のSp7で実行される演出実行処理のフローチャートである。
図21に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づいてCB中か否かを判定する(Sb1)。CB中でない場合には処理を終了する。CB中の場合には、メイン制御部41から内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(Sb2)。内部当選コマンドを受信した場合には、受信した内部当選コマンドに基づいて7揃いリプ(すなわち、リプ8またはリプ9)またはSBに当選したか否かを判定する(Sb3)。7揃いリプまたはSBに当選した場合には、これらの当選役に当選したことを示唆する示唆演出を実行するための示唆演出実行フラグをRAM91cの所定領域にセットする(Sb4)。また、7揃いリプまたはSBに当選しなかった場合には、示唆演出を実行するか否かを決定する示唆演出実行抽選を実行する(Sb9)。示唆演出実行抽選に当選しなかった場合には(Sb10:N)処理を終了する。示唆演出実行抽選に当選した場合には(Sb10:Y)、示唆演出実行フラグをRAM91cの所定領域にセットする(Sb4)。次いで、Sb5のステップに進む。
一方、Sb2のステップで内部当選コマンドを受信していないと判定された場合には、示唆演出実行フラグがRAM91cの所定領域にセットされているか否かを判定する(Sb8)。示唆演出実行フラグがRAM91cの所定領域にセットされていない場合には処理を終了する。示唆演出実行フラグがRAM91cの所定領域にセットされている場合にはSb5のステップに進む。
Sb5のステップでは、メイン制御部41からリール回転開始コマンドを受信したか否かを判定する(Sb5)。リール回転開始コマンドを受信していない場合には処理を終了する。
リール回転開始コマンドを受信した場合には示唆演出を実行する(Sb6)。示唆演出では、例えば液晶表示器51から「左第1停止でJAC1/JAC3−白7−リプを中段に狙え!」という旨の文字を表示する。すなわち、CB中に7揃いリプやSBに当選したときには、7揃いリプやSB以外の抽選結果となったときは導出されない特殊表示結果である「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組み合わせが中段の入賞ラインL1に揃って特殊役が入賞可能になるので、示唆演出においては、この特殊役が入賞するよう適正なタイミングでストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することを促すことになる。すなわち、左第1停止となるようにストップスイッチ8Lを1番目に操作し、また、左リール2LでJAC1またはJAC3が入賞ラインL1に停止するとともに中リール2Cで白7が停止するように適正なタイミングでストップスイッチ8L,8Cを目押しすることを促す。
示唆演出を行った後には、示唆演出実行フラグをクリアして処理を終了する(Sb7)。
このように、7揃いリプやSBに当選するとATが付与される可能性があるので、示唆演出を行うことにより、7揃いリプやSBに当選したことへの大きな期待を遊技者に抱かせることができる。また、7揃いリプやSBに当選しなかった場合でも示唆演出が実行されることがあるので、示唆演出が行われたときにストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することへの緊張感を高めることができる。そして、ゲームに意外性を付与することが可能になり、左リール2Lの「JAC1/JAC3」が停止したときの喜びを増すことができ、ゲームへの興趣を高めることができる。
[非CB中の通常ナビ演出]
次に、非CB中においてサブ制御部91が実行する通常ナビ演出について説明する。図22は、第1当選役に当選したときの非CB中通常ナビ演出実行処理を実行するためのフローチャートである。サブ制御部91は、非CB中通常ナビ演出実行処理を実行することにより、第1当選役に当選したときのAT状態に応じて、通常ナビ演出を所定の確率に基づき実行する。
先ず、非CB時において、遊技状態に応じたナビ対象役について図13、10を用いて説明する。RT1に応じたナビ対象役としては、左ベル1〜3、中ベル1〜3、右ベル1〜3、および通+昇リプ1〜4が定められている。
また、RT2に応じたナビ対象役としては、左ベル1〜3、中ベル1〜3、右ベル1〜3、通+転リプ1〜3、および通+突リプ1〜3が定められている。
また、RT3に応じたナビ対象役としては、左ベル1〜3、中ベル1〜3、右ベル1〜3、通+転リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3が定められている。
なお、本実施の形態においては、前述した非CB時におけるナビ対象役は、第1当選役に該当する。
図22に示すように、先ずサブ制御部91は、メイン制御部41から第1当選役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S10)。サブ制御部91は、第1当選役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S10においてNO)、第2当選役に当選しているため、非CB中通常ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、第1当選役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S10においてYES)、現在のAT状態を確認する(S20)。このとき、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域にATフラグが格納されていなければ非ATである旨を特定し、RAM91cの所定領域にATフラグが格納されていればATである旨を特定し、RAM91cの所定領域に潜伏フラグが格納されていれば潜伏時ATである旨を特定する。その後、サブ制御部91は、特定したAT状態に応じて、図23の非CB中通常ナビ演出実行テーブルに基づき通常ナビ演出実行抽選を行なう(ステップS30)。
ここで、図23の非CB中通常ナビ演出実行テーブルについて説明する。なお、非CB中通常ナビ演出実行テーブルは、ROM91bに格納されている。
非CB中通常ナビ演出実行テーブルにおいては、AT状態に対応して通常ナビ演出の実行確率が設定されている。サブ制御部91は、この非CB中通常ナビ演出実行テーブルを参照することによって、AT状態に応じて、通常ナビ演出を実行するか否かを抽選によって決定する。
たとえば、非ATであれば、第1当選役に当選していても通常ナビ演出は実行されないようになっている。
また、ATであれば、第1当選役に当選していれば100%の確率で通常ナビ演出が実行されるようになっている。
さらに、潜伏時ATであれば、第1当選役に当選していれば100%の確率で通常ナビ演出が実行されるようになっている。
このように、特定ゲームにおける内部抽選の結果が、押し順によって有利度が異なる第1当選役に当選した結果となったときにおいては、ATに制御された場合であっても、一旦潜伏時ATに制御された場合であっても、同じ確率で通常ナビ演出が実行される。このため、ATに制御された場合であっても、一旦潜伏時ATに制御された場合であっても、遊技者は、同じ確率で第1当選役に対応する押し順に正解したときの入賞役を入賞させることができる。そのため、ATに制御された場合と一旦潜伏時ATに制御された場合とで、有利度の差を生じにくくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
通常ナビ演出の態様としては、たとえば、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかに当選したときは、当選状況に応じてJACを確実に入賞させて取りこぼし出目の導出を回避させるための押し順が報知される。より具体的には、左ベル1〜3に当選したときの通常ナビ演出としては、JACを入賞させるために「左だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。また、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3の何れかに当選したときの通常ナビ演出としては、当選状況に応じて遊技者にとって有利となる押し順が報知される。より具体的には、通+昇リプ1に当選したときの通常ナビ演出としては、昇格リプを入賞させるために「中だ!その次は右だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
なお、通常ナビ演出の態様は、上述したような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、通常ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
図22に戻り、サブ制御部91は、通常ナビ演出実行抽選を行なった後、抽選の結果、通常ナビ演出を実行するか否かを判定する(S40)。サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行しないと判定したときには(S40においてNO)、非CB中通常ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行すると判定したときには(S40においてYES)、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施であるか否かを判定する(S50)。サブ制御部91は、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施であると判定したときには(S50においてYES)、潜伏時ATにおいて初めて通常ナビ演出を実行したことになるため、AT復帰報知が実行される(S60)。その後、サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行し(S70)、非CB中通常ナビ演出実行処理を終了する。
なお、本実施の形態においては、AT復帰報知の後に、通常ナビ演出を実行するようになっているが、通常ナビ演出を実行した後に、AT復帰報知を実行するようにしてもよいし、通常ナビ演出とAT復帰報知とを同時に実行するものであってもよい。
一方、サブ制御部91は、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施ではないと判定したときには(S50においてNO)、潜伏時ATではないか、あるいは潜伏時ATにおいてすでにAT復帰報知が実行されたことになるため、AT復帰報知をすることなく、通常ナビ演出を実行し(S70)、非CB中通常ナビ演出実行処理を終了する。
[CB中の演出]
次に、CB中においてサブ制御部91が実行するナビ演出について説明する。本実施の形態において、CB中で実行されるナビ演出として、通常ナビ演出または防止ナビ演出がある。
ここで、防止ナビ演出について説明する。上述のように、非ATのとき(つまり、通常ナビ演出が実行されないとき)遊技者が変則押しを実行すると、ペナルティが付与される。また、非ATのときにCB入賞した場合には、遊技者はCB入賞する図柄である「JAC3−JAC2−JAC3」が導出されたことを把握することにより、CB入賞した旨を認識する。特に、RT3のときにCB入賞した場合には、第1当選役(図15記載の通常リプ2と全ての小役との同時当選または通常リプ3と全ての小役との同時当選)に当選する可能性があり、「CB入賞すると第1当選役が当選する可能性がある旨」を把握している遊技者は、「変則押しすることにより14枚払出しされる可能性がある」と感じ、変則押しを実行しようとする。ところが、非AT中に変則押しが実行されると、ペナルティが付与されるので、遊技者は不本意な不利益を被ることになる。
そこで、本実施の形態では、非ATでありかつRT3のときのCBゲーム中に第1当選役に当選した場合には、順押しさせるために、防止ナビ演出として、推奨押し順(左第1停止)を報知する。具体的には、「左だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。遊技者は、当該報知を認識して、順押しすることにより、ペナルティが付与されることはない。また、後述する図28に示すように、非ATでありかつRT3の期間を「特定期間」という。また、当該特定期間中には、RAM91cに特定期間フラグがセットされる。
このように、CB入賞したときにおいての通常ナビ演出とは、AT中であるときに実行される演出であって、第1当選役または第2当選役に当選した場合に14枚払出し役を入賞させるための押し順を報知する演出である。たとえば、ART中にCB入賞した場合において、通常リプ2と全ての小役とが同時当選した場合には、通常ナビ演出として、中第1停止させる押し順を報知する。具体的には、「中だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。なお、通常ナビ演出は、非AT中であっても、低確率で実行するようにしてもよい。
一方、防止ナビ演出とは、CB入賞したときにおいて、非ATでありかつRT3のとき(特定期間)に、第1当選役に当選した場合に実行される演出であって、順押しをさせるための押し順(推奨押し順)を報知する演出である。たとえば、非ATでありかつRT3のときにCB入賞した場合において、防止ナビ演出として、左第1停止させる押し順を報知する。具体的には、「左だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
なお、RT3かつ非AT中にCB入賞した場合に、防止ナビ演出で報知された推奨押し順に従って遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより、第1当選役に当選したとしても、14枚払出し役を入賞させることができず、15枚払出し役を入賞させてCB終了することになる。
図24は、第1当選役(通常リプ2と全ての小役との同時当選役、または通常リプ3と全ての小役との同時当選役)に当選したときのRT3におけるCB中ナビ演出実行処理を実行するためのフローチャートである。サブ制御部91は、CB中ナビ演出実行処理を実行することにより、第1当選役に当選したときに、AT状態およびCBゲーム数に応じて、通常ナビ演出または防止ナビ演出を所定の確率に基づき実行する。
図24に示すように、先ずサブ制御部91は、メイン制御部41から第1当選役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S110)。サブ制御部91は、第1当選役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S110においてNO)、第2当選役(通常リプ2および通常リプ3以外の再遊技役と全ての小役との同時当選役、および全ての小役のみの当選役)に当選したことになるため、CB中ナビ演出実行処理を終了する。この場合、サブ制御部91は、所定の抽選確率に基づき、リール2L、2C、2Rの押し順をランダムに決定し、決定されたリールを第1停止させる押し順を報知するナビ演出を実行する。これにより、CB1ゲーム目から15枚のメダルが払出されて、CBが1ゲームで終了することになる。なお、第2当選役は何れの押し順であっても15枚の払出ししかされない役であるが、このように、第1当選役に当選したときと同様にナビ演出を実行することによって、第1当選役に当選したのか、第2当選役に当選したのかを遊技者に判別させにくくすることができる。
一方、サブ制御部91は、第1当選役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S110においてYES)、現在のAT状態を確認する(S120)。このとき、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域にATフラグが格納されていなければ非ATである旨を特定し、RAM91cの所定領域にATフラグが格納されていればATである旨を特定し、RAM91cの所定領域に潜伏フラグが格納されていれば潜伏時ATである旨を特定する。その後、サブ制御部91は、特定したAT状態に応じて、図25のCB中ナビ演出実行テーブルに基づきナビ演出実行抽選を行なう(ステップS130)。ここで、ナビ演出実行抽選とは、通常ナビ演出を実行するか、防止ナビ演出を実行するか、通常ナビ演出および防止ナビ演出のいずれも実行しないか、を特定するための抽選である。
ここで、図25のCB中ナビ演出実行テーブルについて説明する。なお、CB中ナビ演出実行テーブルは、ROM91bに格納されている。
CB中ナビ演出実行テーブルにおいては、AT状態およびCBゲーム数に対応して通常ナビ演出の実行確率が設定されている。サブ制御部91は、このCB中ナビ演出実行テーブルを参照することによって、AT状態およびCBゲーム数に応じて、通常ナビ演出を実行するか否かを抽選によって決定する。
たとえば、非ATであれば、CB1ゲーム目および2ゲーム目ともに、14枚払出しのための通常ナビ演出も15枚払出しのための通常ナビ演出も実行されないようになっている。ここで、14枚払出しのための通常ナビ演出とは、図16で示したように、1ラインのみの有効ラインにイチゴを入賞させるための押し順を報知する演出である。たとえば、通常リプ2に当選したときであれば、「中だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示され、通常リプ3に当選したときであれば、「右だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。また、15枚払出しのための通常ナビ演出とは、図16で示したように、2ラインの有効ラインにイチゴを同時入賞させるための押し順を報知する演出である。たとえば、通常リプ2に当選したときであれば、「左だ!」や「右だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示され、通常リプ3に当選したときであれば、「左だ!」や「中だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
なお、前述したように、本実施の形態においては、非AT中に左第1停止させなかった場合にはペナルティが科される。そのため、CB1ゲーム目で通常ナビ演出が実行されなければ、通常、遊技者は左第1停止を行なうため、左第1停止で14枚の払出しが行なわれない第1当選役の当選時においては、14枚の払出しが行なわれずにCBは1ゲームで終了するようになっている。しかしながら、ペナルティを科して中第1停止や右第1停止を行なったときに偶然にも14枚の払出しが行なわれた場合は、CB2ゲーム目を遊技することができてしまう。よって、CB中に非ATであっても、CB2ゲーム目を遊技することが可能な状況は起こりうる。
そして、非ATであれば、通常ナビ演出は実行されないが、防止ナビ演出が100%の確率で実行される。上述したように、防止ナビ演出については、推奨押し順を報知する演出であることから、「左だ!」などいったメッセージが液晶表示器51に表示される。具体的には、特定期間フラグがRAM91cに記憶されているときに、CB入賞して第1当選役に当選した場合には、防止ナビ演出が実行される。
また、AT中であれば、第1当選役に当選したときがCB1ゲーム目の場合は100%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、第1当選役に当選したときがCB2ゲーム目の場合は100%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。
また、潜伏時ATであれば、第1当選役に当選したときがCB1ゲーム目の場合は100%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、第1当選役に当選したときがCB2ゲーム目の場合は100%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。
このように、CB1ゲーム目で第1当選役に当選したときには、CB中の1ゲーム目で第1当選役以外の第2当選役に当選したときよりも、当該CB中に付与されるメダルの払出枚数が多くなるように、イチゴが1ラインのみの有効ラインで入賞する。つまり、CB1ゲーム目においてイチゴが1ラインのみの有効ラインで入賞して14枚のメダルが払出されるため、CB2ゲーム目も遊技することができ、結果としてCB中のメダルの払出数が多くなる。そのため、RT0〜2では当選しない第1当選役が当選するRT3においてCBが実行されたときには、RT0〜2でCBが実行されたときよりも、CB中に付与されるメダルの払出枚数が多くなる。これにより、CBが行なわれたときのRT状態やCB中における当選結果に対して遊技者の興味を惹き付け、興趣を向上させることができる。
また、図25で示したCB中ナビ演出実行テーブルにおいては、潜伏時ATでのCB1ゲーム目で第1当選役が当選した場合に14枚払出しの通常ナビ演出が実行される確率と、AT中のCB1ゲーム目で第1当選役が当選した場合に14枚払出しの通常ナビ演出が実行される確率とがともに100%で同確率である。また、潜伏時ATでのCB2ゲーム目で第1当選役が当選した場合に15枚払出しの通常ナビ演出が実行される確率と、AT中のCB2ゲーム目で第1当選役が当選した場合に15枚払出しの通常ナビ演出が実行される確率とがともに100%で同確率である。つまり、ATであっても潜伏時ATであっても、CB1ゲーム目で第1当選役が当選した場合には、合計29枚のメダルが払い出されるようになっている。
このように、CB1ゲーム目における内部抽選の結果が、押し順によって有利度が異なる第1当選役に当選した結果となったときにおいては、ATに制御された場合であっても、一旦潜伏時ATに制御された場合であっても、同じ確率で通常ナビ演出が実行される。このため、ATに制御された場合であっても、一旦潜伏時ATに制御された場合であっても、遊技者は、同じ確率でCB1ゲーム目からイチゴを1ラインの有効ラインのみで入賞させることができる。そのため、ATに制御された場合と一旦潜伏時ATに制御された場合とで、有利度の差を生じにくくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図24に戻り、サブ制御部91は、ナビ演出実行抽選を行なった後、抽選の結果、通常ナビ演出を実行するか否かを判定する(S140)。サブ制御部91は、通常ナビ演出を行しないと判定したときには(S140においてNO)、防止ナビ演出を実行するか否かを判定する(S180)。防止ナビ演出を実行しないと判定したときには(S180のNO)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行すると判定したときには(S140においてYES)、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施であるか否かを判定する(S150)。サブ制御部91は、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施であると判定したときには(S150でYES)、潜伏時ATにおいて初めて通常ナビ演出を実行したことになるため、AT復帰報知が実行される(S160)。その後、サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行し(S170)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
また、サブ制御部91は、防止ナビ演出を実行すると判定したときには(S180においてYES)、防止ナビ演出を実行し(S190)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
なお、本実施の形態においては、AT復帰報知の後に、通常ナビ演出を実行するようになっているが、通常ナビ演出を実行した後に、AT復帰報知を実行するようにしてもよいし、通常ナビ演出とAT復帰報知とを同時に実行するものであってもよい。
一方、サブ制御部91は、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施ではないと判定したときには(S150でNO)、潜伏時ATではないか、あるいは潜伏時ATにおいてすでにAT復帰報知が実行されたことになるため、AT復帰報知をすることなく、通常ナビ演出を実行し(S170)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
図24記載のCB中ナビ演出実行処理であれば、非ATでありCB中において、第1当選役が当選した場合に、防止ナビ演出を実行する。したがって、遊技者に変則押しさせることを防止でき、遊技者にとって意図しないペナルティが付与されてしまうことを防止できる。また、図24記載のCB中ナビ演出実行処理においては、RT3のときに防止ナビ演出を実行し、RT0〜2のときについては、防止ナビ演出を実行しない。したがって、防止ナビ演出の実行負担を削減できる。また、図24記載のCB中ナビ演出実行処理においては、第1当選役が当選したときに防止ナビ演出を実行する可能性があり、第2当選役が当選したときには防止ナビ演出を実行しない。したがって、第2当選役が当選したときに防止ナビ演出を実行するときと比較して防止ナビ演出の実行負担を削減できる。
[AT中におけるCB中の払出しに関するタイミングチャートの一例]
次に、図26を用いて、AT中におけるCB中の払出しに関する一例を説明する。図26は、AT中におけるCB中の払出しに関するタイミングチャートの一例を説明するための図である。なお、図26(a)、(b)には、CBへの制御と、第1当選役または第2当選役への当選と、通常ナビ演出の実行と、メダルの払出しおよび払出枚数との関係が示されている。なお、(A)のCB制御については、CBに制御された状態であればONで立ち上がり、CBに制御されていない状態であればOFFで立ち下がる旨を示している。また、(B)の第1当選役または第2当選役への当選については、第1当選役または第2当選役に当選したときにOFFからONで立ち上がる旨を示している。また、(C)の通常ナビ演出の実行については、通常ナビ演出が実行されている状態であればONで立ち上がり、通常ナビ演出が実行されていない状態であればOFFで立ち下がる旨を示している。また、(D)のメダルの払出しについては、メダルが払出されたときにOFFからONで立ち上がる旨を示している。さらに、払出されたメダルの枚数が示されている。
図26(a)は、RT0〜3の何れかにおいて、CB1ゲーム目で第2当選役に当選したときのタイミングチャートを示している。本実施の形態においては、所定のRT状態のときにCBが行なわれると、RT状態が変化せずにCB中のゲームが実行され、その後、CBが終了した後もRT状態は変化しない。このようなCBを貫通型のCBともいう。そして、CB1ゲーム目で第2当選役に当選したときには、AT中であるため、15枚払出しのための通常ナビ演出が実行される。遊技者が通常ナビ演出に従った押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、15枚のメダルが払出される。前述したように、本実施の形態のCBは、15枚以上のメダルの払出しが成立すると終了するため、図26(a)のように、CB1ゲーム目で第2当選役に当選したときにはCBが1ゲームで終了して、15枚のメダルしか払出されない。
図26(b)は、RT3において、CB1ゲーム目で第1当選役に当選したときのタイミングチャートを示している。RT3のときにCBが行なわれ、CB1ゲーム目で第1当選役に当選したときには、AT中であるため、14枚払出しのための通常ナビ演出が実行される。遊技者が通常ナビ演出に従った押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、14枚のメダルが払出される。この場合、CB終了条件の15枚払出しまではメダルの払出しがあと1枚余裕があるため、CBは1ゲームで終了しない。次に、CB2ゲーム目で第1当選役または第2当選役に当選したときには、ATであるため、15枚払出しのための通常ナビ演出が実行される。遊技者が通常ナビ演出通りの押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、15枚のメダルが払出される。その結果、CBを2ゲーム実行することができ、毎ゲームのメダル払出しによってCB終了条件の15枚よりも多い29枚のメダルが合計で払出される。
このように、CB中に第1当選役に当選したときには、当該第1当選役以外の第2当選役に当選したときよりも、当該CB中に付与されるメダル払出枚数が多くなるように、イチゴが1ラインのみの有効ラインで入賞する。
より具体的には、CB中に第1当選役に当選したときには、CB1ゲーム目でCB中に付与されたメダルの払出枚数の累積量がCBの終了する14枚を超えないようにイチゴが1ラインのみの有効ラインで入賞した後に、CB2ゲーム目でCB中に付与されたメダルの払出枚数の累積量が14枚を超えるようにイチゴが1ラインのみの有効ラインで入賞するか、もしくはイチゴが2ラインの有効ラインで入賞する。
そのため、RT0〜2では当選しない第1当選役が当選するRT3においてCBが実行されたときには、RT0〜2でCBが実行されたときよりも、CB中に付与されるメダルの払出枚数の累積量が多くなる。これにより、CBが行なわれたときのRT状態やCB中における当選結果に対して遊技者の興味を惹き付け、興趣を向上させることができる。
また、RT3は、T0〜2よりも有利度合いが高い遊技状態である。そのため、RT3に制御されているときには、有利度合いが高いうえに、さらにCBに実行されることに対して遊技者の興趣を向上させることができる。
[CB中におけるAT状態別のメダル払出枚数の一例]
次に、図27を用いて、CB中におけるAT状態別のメダル払出枚数の一例を説明する。図27は、CB中におけるAT状態別のメダル払出枚数の一例を説明するための図である。
図27(a)は、潜伏時ATでCB1ゲーム目で第2当選役に当選した場合のメダル払出枚数の例を示している。図27(a)に示すように、前回のATが終了した時点でナビストック数が1以上残っていれば、潜伏抽選が行なわれ、当該潜伏抽選に当選したときには、潜伏時ATに制御される。潜伏時ATにおいてCB1ゲーム目に第2当選役に当選したときには、15枚払出しのための通常ナビ演出が実行される。その結果、15枚のメダルが払出される。この場合、CBの終了条件である15枚以上の払出しがされたため、CBは1ゲームで終了する。
図27(b)は、ATが継続された場合でCB1ゲーム目で第1当選役に当選した場合のメダル払出枚数の例を示している。図27(b)に示すように、前回のATが終了した時点でナビストック数が1以上残っていれば、潜伏抽選が行なわれ、当該潜伏抽選に当選しなかったときには、潜伏時ATに制御されることなく、ナビストックを1消費して次のATに継続される。AT中のCB1ゲーム目に第1当選役に当選したときには、14枚払出しのための通常ナビ演出が実行される。その結果、14枚のメダルが払出される。この場合、CBの終了条件である15枚以上の払出しが未だされていないため、CB2ゲーム目が行なわれる。CB2ゲーム目では、何れかの役に当選したときに、15枚払出しのための通常ナビ演出が実行される。この場合、CB中の合計払出枚数が29枚となり、CBの終了条件である15枚以上の払出しがされたため、CBは2ゲームで終了する。
図27(c)は、潜伏時ATでCB1ゲーム目で第1当選役に当選した場合のメダル払出枚数の例を示している。図27(c)に示すように、前回のATが終了した時点でナビストック数が1以上残っていれば、潜伏抽選が行なわれ、当該潜伏抽選に当選したときには、潜伏時ATに制御される。潜伏時ATにおいてCB1ゲーム目に第1当選役に当選したときには、14枚払出しのための通常ナビ演出が実行される。その結果、14枚のメダルが払出される。この場合、CBの終了条件である15枚以上の払出しが未だされていないため、CB2ゲーム目が行なわれる。CB2ゲーム目では、何れかの役に当選したときに、15枚払出しのための通常ナビ演出が実行される。この場合、CB中の合計払出枚数が29枚となり、CBの終了条件である15枚以上の払出しがされたため、CBは2ゲームで終了する。
ここで、ATが継続された場合と、潜伏時ATに制御された場合とを比較すると、何れの状態においてもCB1ゲーム目で第1当選役に当選したときには14枚払出しのための通常ナビ演出が実行されて、CB2ゲーム目も遊技することが可能である。よって、最終的にCB中に得られた累積枚数は、ATが継続された場合と潜伏時ATに制御された場合とでCB中の払出枚数が同じになる。
このように、CB1ゲーム目における内部抽選の結果が、押し順によって有利度が異なる第1当選役に当選した結果となったときにおいては、ATに制御された場合であっても、一旦潜伏時ATに制御された場合であっても、同じ確率で通常ナビ演出が実行されて結果的にCB中の払出枚数が同じになる。そのため、ATに制御された場合と一旦潜伏時ATに制御された場合とで、有利度の差を生じにくくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、潜伏時ATで第1当選役に当選した場合と、潜伏時ATで第2当選役に当選した場合とを比較すると、CB1ゲーム目で第1当選役に当選したときの方が、CB2ゲーム目まで遊技することができ、その結果、CB中の払出枚数を多くすることができる。そのため、RT0〜2では当選しない第1当選役が当選するRT3においてCBが実行されたときには、RT0〜2でCBが実行されたときよりも、CB中に付与されるメダルの払出枚数が多くなる。これにより、CBが行なわれたときのRT状態やCB中における当選結果に対して遊技者の興味を惹き付け、興趣を向上させることができる。
[防止ナビ演出に関するタイミングチャートの一例]
次に、図28を用いて、防止ナビ演出に関するタイミングチャートについて説明する。(A)は、ATに制御された状態であればONで立ち上がり、非ATに制御された状態であればOFFで立ち下がる旨を示している。(B)は、RT3に制御された状態であればONで立ち上がり、RT3でなければ、OFFで立ち下がる旨を示している。(C)は、RT1に制御された状態であればONで立ち上がり、RT1でなければ、OFFで立ち下る旨を示している。(D)は、CBゲームに制御されればONで立ち上がり、CBゲームに制御されればOFFで立ち下がる旨を示している。(E)は、防止ナビ演出が実行されればONで立ち上がり、防止ナビ演出が実行されなければOFFで立ち下がる旨を示している。
(A)に示すように、ART中にAT終了条件を満たすと、非ATに制御される。そうすると、通常ナビ演出が実行されなくなることから、RT3のときに取りこぼし出目が導出されたり転落リプが入賞することにより、RT1に転落する場合がある。そして、上述のように、非ATでありかつRT3である期間を特定期間といい。RT3からRT1に転落して当該RT1に維持されている期間を転落期間という。
そして、(D)に示すように、特定期間において、CB入賞した場合には、防止ナビ演出を実行する。このようにすることにより、CB入賞した旨を把握した遊技者に対して、変則押しさせることを防止し、順押しさせることを促すことから、遊技者にとって意図せぬペナルティが付与されてしまうことを防止することができる。
また、上述のように、特定期間であっても転落期間であっても通常演出が実行されることから、演出内容からは、遊技者に対して特定期間であるか転落期間であるかを把握させないようにすることができ、換言すると、ATが終了した後のRT状態を遊技者に把握させないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、転落期間であっても防止ナビ演出を実行するようにしてもよい。
[防止ナビ演出が実行されるRTについて]
図14、図15では、14枚役が入賞する可能性がある第1当選役(通常リプ2または通常リプ3)が、RT3のときのみで当選し、RT0〜2では当選しないようになっているが、これに限られるものではない。図14、図15の変形例として、RT0〜2である場合には、低確率で(たとえば、判定値数が「1」や「2」など)通常リプ2または通常リプ3が当選するようにしてもよい。ここで、RT3で第1当選役に当選する確率は、RT0〜2で第1当選役に当選する確率よりも高い構成が好ましい。これにより、RT3に移行することにより、第1当選役に当選する確率が高くなるので、遊技の興趣を向上できる。また、図14、図15の変形例である場合においても上記本実施の形態と同様に、CB入賞前のゲームとCB中のゲームの「抽選対象役」および「RT状態ごとの抽選対象役に当選する確率(判定値数)」とが同一であり、特に、通常リプ2または通常リプ3の判定数値も同一とする。
[本実施の形態の効果]
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態によれば、CB中に7揃いリプまたはSBに当選したときは、CB中に7揃いリプまたはSB以外の抽選結果になったときには導出されない特殊表示結果である「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組み合わせが中段の入賞ラインL1に揃って特殊役が入賞可能になる(本例では、図10および図17に示す入賞態様)。また、CB中および非CB中のいずれにおいても、7揃いリプまたはSBに当選したときは、7揃いリプまたはSBに当選しなかったときと比べて有利度の高いATが付与される(本例では、図20において、非CB中では、第1AT抽選条件が成立したときは最大3個のナビストックが付与されるのに対し、第2AT抽選条件では最大5個のナビストックが付与され、CB中では、第4AT抽選条件が成立したときは最大4個のナビストックが付与されるのに対し、第2AT抽選条件または第7AT抽選条件では最大5個のナビストックが付与される部分)。
よって、CB中でも7揃いリプまたはSBに当選すると有利度の高いATが付与される可能性があり、また、CB中でも遊技者は7揃いリプまたはSBに当選したことを認識できるので、CB中でも内部抽選の結果へ期待感や緊張感を高めることができ、ゲームの向上を図ることができる。
本実施の形態によれば、CB中に7揃いリプまたはSBに当選したときは、CB中に7揃いリプまたはSB以外の抽選結果になったときには導出されない特殊表示結果である「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組み合わせが中段の入賞ラインL1に揃って特殊役が入賞可能になる(本例では、図10および図17に示す入賞態様)。また、CB中および非CB中のいずれにおいても、7揃いリプまたはSBに当選したときは、7揃いリプまたはSBに当選しなかったときと比べて高い確率でATが付与される(本例では、図20において、非CB中では、第1AT抽選条件が成立したときは当選確率30%であるのに対し、第2AT抽選条件、第6AT抽選条件が成立したときは50%あるいは100%となり、CB中では第4AT抽選条件が成立したときは当選確率50%であるのに対し、第2AT抽選条件、第7AT抽選条件が成立したときは100%となる部分)。
よって、CB中でも7揃いリプまたはSBに当選すると高い確率でATが付与される可能性があり、また、CB中でも遊技者は7揃いリプまたはSBに当選したことを認識できるので、CB中でも内部抽選の結果へ期待感や緊張感を高めることができ、ゲームの向上を図ることができる。
本実施の形態によれば、第7AT抽選条件のほうが第6AT抽選条件よりも有利度の高いATが付与される(本例では、図20において、CB中に第7AT抽選条件が成立したときは4個あるいは5個のナビストックが付与されるのに対し、非CB中に第6AT抽選条件が成立したときは1個あるいは2個のナビストックが付与される部分)。
よって、CB中にSBに当選することへの期待感を高めることができる。そして、CB中にSBに当選したときには、CB中に7揃いリプまたはSB以外の抽選結果になったときには導出されない特殊表示結果である「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組み合わせが中段の入賞ラインL1に揃って特殊役が入賞可能になるので、このような特殊役が入賞したときにAT付与への期待感を高めることができる。これにより、CB中でも内部抽選の結果へ期待感や緊張感を高めることができ、ゲームの向上を図ることができる。
本実施の形態によれば、第7AT抽選条件のほうが第6AT抽選条件よりも高い確率でATが付与される(本例では、図20において、CB中に第7AT抽選条件が成立したときは当選確率が100%であるのに対し、非CB中に第6AT抽選条件が成立したときは当選確率が50%である部分)。
よって、CB中にSBに当選することへの期待感を高めることができる。そして、CB中にSBに当選したときには、CB中に7揃いリプまたはSB以外の抽選結果になったときには導出されない特殊表示結果である「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組み合わせが中段の入賞ラインL1に揃って特殊役が入賞可能になるので、このような特殊役が入賞したときにAT付与への期待感を高めることができる。これにより、CB中でも内部抽選の結果へ期待感や緊張感を高めることができ、ゲームの向上を図ることができる。
本実施の形態によれば、CB中に7揃いリプやSBに当選したとき、および他の当選役に当選したときの一部で示唆演出を行う(図21のSb6の処理を行う部分)。
よって、7揃いリプやSBに当選するとATが付与される可能性があるので、示唆演出を行うことにより、7揃いリプやSBに当選したことへの大きな期待を遊技者に抱かせることができる。また、7揃いリプやSBに当選しなかった場合でも示唆演出が実行されることがあるので、示唆演出が行われたときにストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することへの緊張感を高めることができる。そして、ゲームに意外性を付与することが可能になり、左リール2Lの「JAC1/JAC3」が停止したときの喜びを増すことができ、ゲームへの興趣を高めることができる。
本実施の形態によれば、非AT中に推奨押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることにより、ペナルティが付与される。また、CB中に第1当選役(本例では、通常リプ2や通常リプ3)が当選した場合に、推奨押し順以外の押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されると14枚払出し役が入賞して2ゲーム目のCBを遊技できる一方、推奨押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されると15枚払出し役が入賞してCBは終了する。したがって、CB中に第1当選役(本例では、通常リプ2や通常リプ3)が当選した場合に、推奨押し順以外の押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する方が推奨押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作するよりも遊技者にとって有利度が高い。その一方、特定期間中のCB中で第1当選役に当選した場合には、防止ナビ演出として推奨操作手順を報知する。
したがって、CB中でも、推奨操作手順の報知を認識した遊技者は、特定操作手順ではなく推奨操作手順(本例では、「左だ!」のメッセージ)で操作することにより、不本意なペナルティが付与されることを防止でき、遊技の興趣を向上させることができる。
また、CB入賞前とCB中のゲームとで抽選対象役および当該抽選対象役に当選する確率とが同一であるため、CB入賞前とCB中のゲームとで抽選対象役および当該抽選対象役に当選する確率とが同一でないものと比較すると、処理負担を軽減できる。
[変形例について]
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
なお、上記実施の形態では、特殊表示結果として7揃いリプまたはSB以外の抽選結果になったときには導出されない「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組み合わせが中段の入賞ラインL1に揃う例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、7揃いリプまたはSB以外の抽選結果になったときにも導出される図柄の組み合わせであるが、77揃いリプまたはSB以外の抽選結果になったときに揃わない入賞ラインで導出される組み合わせを特殊表示結果する、7揃いリプまたはSB以外の当選役を構成しない図柄の組み合わせを特殊表示結果とするなど、上記の実施形態と異なる態様の特殊表示結果を導出するスロットマシンに上記の実施形態で示した構成を適用することが可能である。なお、特殊表示結果として、例えば「白7−白7−白7」のように同一図柄が揃う態様とするなど、特殊表示結果が導出されたことを認識しやすい態様にすることが好ましく、また、特典が付与されることを連想させやすい態様にすることが好ましい。
また、上記実施の形態では、特殊表示結果として「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組み合わせが中段の入賞ラインL1に揃った場合にはCB中にのみ入賞する特殊役が入賞する例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、特殊表示結果が導出されたときにはCB中に入賞する他の小役と同一の小役が入賞する(例えば、イチゴ)、あるいは、非CB中に入賞する小役と同一の小役が入賞するなど、特殊表示結果が導出されたときに入賞する小役を上記の実施形態と異なる小役に設定したスロットマシンに上記の実施形態で示した構成を適用することが可能である。
また、上記実施の形態では、CB中は全小役が当選する例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、CB中は内部抽選で小役が当選しないものの小役が入賞可能となるようにリールの停止制御を行うようにしてもよい。すなわち、CB中は、小役を抽選するか否かにかからわらず最終的に小役が入賞可能となればよい。
また、上記実施の形態では、7揃いリプとSBを特定決定結果とする例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、小役など所定役の当選確率が通常時よりも高くなるBB(ビックボーナス)やRB(レギュラーボーナス)などのボーナス、7揃いリプとは異なるリプレイなど、上記の実施形態と異なる特定決定結果を設定したスロットマシンに上記の実施形態で示した構成を適用することが可能である。
なお、上記実施の形態では、特典としてATを付与する例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、BB(ビックボーナス)やRB(レギュラーボーナス)などボーナスの付与、ボーナスの付与確率の上昇、ボーナスが付与されやすい状態の付与、ATの継続率引き上げやATのストック数上乗せといったより有利なATの付与、ATに移行しやすい状態の付与、有利RTへの移行の許容、設定示唆演出の実行、演出種類の増加、プレミアム演出が出現しやすい状態への移行、遊技者に携帯端末の壁紙や音楽を付与するための二次元コードの表示、携帯端末の壁紙や音楽の付与など、上記の実施形態と異なる特典を付与するスロットマシンに上記の実施形態で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。
また、上記実施の形態では、示唆演出においてストップスイッチを適正順序(左第1停止である旨)および適正なタイミング(JAC1またはJAC3を目押しする旨)で操作することを促す例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、特定決定結果がストップスイッチの操作順序が特定操作順序または適正なタイミングのいずれか一方でストップスイッチを操作すると導出されるときには、いずれか一方のみを促すなど、上記の実施形態と異なる態様の示唆演出を実行するスロットマシンに上記の実施形態で示した構成を適用することが可能である。すなわち、特殊表示結果である「JAC1/JAC3−白7−リプ」の組み合わせは、特定順序でストップスイッチが操作されたときにのみ導出されるようにしてもよいし、特定タイミングでストップスイッチが操作されたときにのみ導出されるようにしてもよいし、ストップスイッチの操作順序あるいは操作タイミングにかかわらず導出されるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、示唆演出を液晶表示器51によって実行する例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、スピーカ53,54、演出効果LED52、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(例えば、リールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED(例えば、演出効果LED52)、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で示唆演出を行うスロットマシンに上記の実施形態で示した構成を適用することが可能である。また、示唆演出は他の機能を有する装置の一部を利用して行ってもよいし(例えば、リールLED55を用いて演出を行う場合にリールLED55はリールを背面側から照明する機能を有する)、演出のみを行う装置を設けて行ってもよい。また、上記実施の形態では、画面表示のみで示唆演出を行う例を挙げたが、この実施の形態に限らず、複数の態様の演出を組み合わせて示唆演出を行うスロットマシンに上記の実施形態で示した構成を適用することが可能である。
上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均などの意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。