JP2005102459A - ケーブルラックのカバー取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 底面側カバーの取り付け・取り外し作業をケーブルラックの配設(連結)作業と独立して行うことができて作業性及び安全性が高く、さらに強固に取り付けられて地震に対して高耐性のケーブルラックのカバー取付構造を提供する。
【解決手段】 対向する一対の親桁1間に所定間隔で子桁2を架設してケーブルラックを形成し、前記ケーブルラックの一対の親桁1の一端部間をケーブル挿入側の開口とすると共に他端部間を底面側の開口とし、前記一対の親桁1の底面側の開口の互いに対向する端縁間に底面側カバー3を配置し、上記ケーブルラックに取り付けた底面側カバー3の取付用部材にて底面側カバー3を取り付けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ケーブルを配線するのに用いられるケーブルラックのカバー取付構造に関するものである。
従来より、ケーブルを配線するのにケーブルラックが用いられる。ケーブルラックは、図13に示すように、対向する一対の親桁1間に所定間隔で子桁2を架設して形成されるもので、例えば天井面に取り付けられる吊具等にて天井下に配設される。そして、ケーブルラックの子桁2上にケーブルを載置して配線が施される。(例えば特許文献1参照)
このようなケーブルラックにおいては、例えば人体が触れ得る位置に配設される場合や高圧ケーブルが配線される場合等にケーブルを保護して安全確保するため、また、親桁1間及び子桁2間の隙間からケーブルや親桁1の内面や子桁2等が見えて見苦しくて美観を向上させたい場合には、ケーブルラックに底面側カバー3’を設けるものである。底面側カバー3’は、断面形状が上方に開口する略コ字状をして長手方向の長さが親桁1とほぼ同じもので、図13に示すように長手方向全長に亘って両親桁1の下端部の外面に下方より被嵌するように配置し、親桁1に取り付けたハンガー部材4’によって支持固定して、親桁1間の隙間を覆い隠すものである。
このようなケーブルラックにおいては、複数のケーブルラックを長手方向に連結して天井下に配設するのであるが、これは図14に示すように、隣接するケーブルラックの互いに突き合わせた親桁1の端部外面に亘ってジョイント部材Jを固定することで連結が行われていた。
しかしながら、この従来のケーブルラックの底面側カバー3’では底面側カバー3’が親桁1の端部の外面に沿うように位置するため、底面側カバー3’を先にケーブルラックに取り付けてしまうとジョイント部材Jを親桁1に取り付けることができず、先にジョイント部材Jによるケーブルラックの連結作業を行った後で底面側カバー3’の取り付け作業を行う必要があり、作業順序が制限されてしまって作業性が悪いという問題があった。
そこで、親桁の下端部に溝を設けてこの溝に底板(底面側カバー)を挿入したり(例えば特許文献2参照)、一対の親桁の下端部の上面間に底板(底面側カバー)を載置して架設したりして(例えば特許文献3参照)、上記ジョイント部材のような部材と底面側カバーとの干渉を避けることが考えられるが、この場合には長尺の底面側カバーを親桁の長手方向の端部から長手方向へ挿入する必要があって、底面側カバーを親桁に取り付ける作業自体が非常に作業性の悪いものとなり、作業性の悪さを改善するには至らなかった。
また、子桁上に底板を配置するものにあっては(例えば特許文献4参照)、ケーブルを前記底板に配置することとなって、例えばセパレータの取付け、ケーブルの結束固定等で子桁を利用することができなくなる、といった問題があるものであった。
また、図15に示すように、建物のシャフト内に縦(垂直)に施工されるような従来例においては、ケーブルラックの親桁1’を外側から被嵌するように上記従来例の底面側カバーに相当する背面カバー3’とその対向側の開口に正面カバー7’を取り付け、これらをジョイント部材J’にて固定していた。このものにあっては、背面カバー3’の取り付けについては上記従来例と同じように取り付ける場合には同様の問題点があった。また、背面カバー3’,正面カバー7’にそれぞれ取り付け片をボルト・ナットで直に取り付け、この取り付け片を別のボルト・ナットで連結するものにあっては、該別のボルト・ナットが長尺になってしまうため、この別のボルト・ナットで強く締付けると取り付け片ひいては背面カバー3’,正面カバー7’が変形してしまう惧れがあるためあまり強く締付けることができず、この場合、地震に耐え得る締結力が得られないものであった。
また、図15に示すような従来例にあっては、シャフト内はスペースが限られ、殆どの場合にケーブルラックと壁とが近接配置されるため、背面カバー3’の取り付け空間が無く且つ取り付け作業が高所作業となるため作業性が悪いとともに危険を伴うものであった。さらに、シャフト内に縦方向に施工するケーブル及びケーブルラックは、その建物の幹線となる場合が多く、地震に対する耐性が大いに要求されるものであった。
登録実用新案第3014304号公報 実開平2−104714号公報 特開2002−199540号公報 特開平10−66219号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、底面側カバーの取り付け・取り外し作業をケーブルラックの配設(連結)作業と独立して行うことができて作業性及び安全性が高く、さらに強固に取り付けられて地震に対して高耐性のケーブルラックのカバー取付構造を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために請求項1に係る発明にあっては、対向する一対の親桁1間に所定間隔で子桁2を架設してケーブルラックを形成し、前記ケーブルラックの一対の親桁1の一端部間をケーブル挿入側の開口とすると共に他端部間を底面側の開口とし、前記一対の親桁1の底面側の開口の互いに対向する端縁間に底面側カバー3を配置し、上記ケーブルラックに取り付けた底面側カバー3の取付用部材にて底面側カバー3を取り付けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、ケーブルラックの連結部分において親桁1の外面に取り付ける連結部材と底面側カバー3との干渉を避けることができて、底面側カバー3の取り付け作業とケーブルラックの連結作業等の配設作業とを独立して行うことが可能となって、作業性が向上すると共に前記高所作業工程が少なくなって安全性が向上するものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、底面側カバー3の端部をケーブルラック内方側に折り返して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、子桁2の外側面と底面側カバー3の内側面との間に隙間が形成可能となって、ケーブルCを固定するために子桁2に巻き付ける紐部材Hと底面側カバー3との干渉が避けられる(すなわち、子桁2の外側面と底面側カバー3の内側面との間に形成される隙間に紐部材Hを通すことができて、底面側カバー3を取り付けてもケーブルCを子桁2に括り付けた状態とすることができる)。また、折り返して二重にしたことで強度の向上も図られるものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、底面側カバー3をケーブルラックに取り付けた時に該底面側カバー3の外面が親桁1の外面よりも外方に突出し、前記取り付けた底面側カバー3の外面を底面側カバー支持部材4で押圧支持して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、底面側カバー支持部材4で底面側カバー3をケーブルラックに確実に押圧して挟持固定することが可能となる。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明において、ケーブルラックの一対の親桁1のケーブル挿入側の開口にケーブル挿入側カバー7を配置するものであって、ケーブル挿入側カバー7を取り付けるためのケーブル挿入側カバー取付部材8と底面側カバー3の取付用部材としての底面側カバー支持部材4とをケーブル挿入側カバー連結部材9にて連結可能として成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、底面側カバー3を支持するための底面側カバー支持部材4を用いてケーブル挿入側カバー7を挟持して固定することが可能となり、部品共用による部品点数削減及び作業工程を低減することができる。
また、請求項5の発明は、請求項1又は2の発明において、底面側カバー3の取付用部材としての底面側カバー固定部材6を子桁2の前記底面側カバー3が取り付けられる面と反対側の面に固定して成ることを特徴とするものである。このような構成にすることで、底面側カバー固定部材6をケーブルラックの内側に設けることができて、見栄えが良くなり、さらに、底面側カバー固定部材6をケーブルラックのケーブル挿入側の開口から挿入してケーブルラックに固定することができて、ケーブルラックの配設後にでも任意に底面側カバー固定部材6の取付作業等が行えて作業性が向上する。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明において、ケーブル挿入側カバー7の取付用部材としてのケーブル挿入側カバー固定部材9を底面側カバー固定部材6が取り付けられる子桁2とは別の子桁2の底面側カバー3が取り付けられる面と反対側の面に固定し、底面側カバー固定部材6及びケーブル挿入側カバー固定部材9にて底面側カバー3とケーブル挿入側カバー7とをそれぞれ取り付けて成ることを特徴とするものである。このような構成にすることで、ケーブル挿入側カバー固定部材9をケーブルラックの内側に設けることができて、見栄えが良くなる。
本発明にあっては、ケーブルラックの連結部分において親桁の外面に取り付ける連結部材と親桁の下端部に設ける底面側カバーとの干渉を避けることができて、底面側カバーの取り付け作業とケーブルラックの連結等を含む配置作業とをその順序を任意に行うことが可能となって、作業性が向上すると共に前記高所での作業工程が少なくなって安全性が向上するものである。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。ケーブルラックは、図1,図3に示すように、一対の親桁1と、前記親桁1間に架設される複数の子桁2とでラック本体が構成され、例えば天井に沿って略水平に配設したり、あるいは壁に沿って略上下方向に配設したりするものであるが、本実施形態では略水平に配設するものについて説明する。
親桁1は、ケーブルラックの両側端部、即ち幅(短手)方向の両端部にそれぞれ対向するように略平行に配置される通常金属製のもので、本体側片(本実施形態のように略水平に配設するものにおいては側縦片となるため、以下、便宜上側縦片11として説明する)と、該側縦片11の一端部(本実施形態では下端部)から対をなす他方の親桁1に向けて突出する突出片(以下、便宜上下横片12として説明する)とを有して下端部が断面略L字状をなすものであり、更に本実施形態では、側縦片11の他端部(本実施形態では上端部)からは前記下横片12と同様に対をなす他方の親桁1に向けて突出片(以下、便宜上上横片13として説明する)を突設して親桁1全体の断面形状が略コ字状となるように形成してあり、両親桁1の上横片13及び下横片12同士がそれぞれ対向するように配置される。そして、この一対の親桁1間に複数の子桁2が架設される。
子桁2は、板状部材を折曲したりして断面ロ字状やコ字状、リップ付きコ字状等に形成した通常金属製のもので、その形状は特に限定されないが、本実施形態では上方に開口するリップ付きコ字状に形成してある。子桁2は、該子桁2の長手方向(即ちケーブルラックの幅方向)両端部をそれぞれ上記親桁1の側縦片11に溶接等にて固定するもので、本実施形態では子桁2の下面を親桁1の下横片12の上面に当接して載置した状態で固定しているが、子桁2の下面を下横片12の上面から所定長さ離した状態で固定してもよい。この子桁2は、親桁1の長手方向に所定間隔をあけて複数架設される。
ここで、ケーブルラックの「ケーブル挿入側」及び「底面側」を定義する。本実施形態では子桁2を親桁1の下横片12に当接又は近接して設けてあり、後述するがこの子桁2の下横片12に当接又は近接している側と反対側の面(ここでは上面)の側からケーブルがケーブルラックに挿入されてこの面にケーブルが固定されるため、この面側を「ケーブル挿入側」とし、子桁2の下横片12に当接又は近接している側の面(ここでは下面)の側を「底面側」というものとする。従って、一対の親桁1の上横片13の端縁間の開口がケーブル挿入側の開口となり、下横片12の端縁間の開口が底面側の開口となる。
このようにして主体が構成されるケーブルラックは、現場において天井面に取り付けた吊具等にて天井下に配設され、所定間隔ごとに設けてある子桁2上にケーブルCを載置して配線を施すのであるが、上述したようにケーブルを保護して安全確保する場合や美観を向上させる場合には、ケーブルラックに底面側カバー3を設けるものである。
底面側カバー3は、図2に示すように底面側カバー支持部材4を介してケーブルラックに設けられる板状をしたもので、ケーブルラックを略水平に配設する本実施形態では図1に示すように一対の親桁1の下横片12の端縁間にほぼ隙間なく配置される下カバー3aとなっている(以下、本実施形態では底面側カバー3を下カバー3aとして説明する)。これにより下カバー3aのケーブルラックへの取り付け位置も自動的に位置決めされることとなり、作業性が向上する。さらに本実施形態では、図1(b)に示すように、下カバー3aを親桁1の下横片12の厚さtとほぼ同じ厚さtの板で形成し、その幅方向(ケーブルラックの幅方向)の両端部において板をケーブルラック内方側(即ち上側)に折り返すことで、厚さtが中間部32の厚さtよりも厚く(ほぼtの二倍)中間部32の上面よりも上方に突出した親桁1の下横片12への突き合わせ端部31としてある。またなお、本実施形態では下カバー3aの厚さtを親桁1の下横片12の厚さtとほぼ同じに形成してあるが、後述するように下カバー3aの折り返した突き合わせ端部31の上面がケーブルラックの子桁2の下面に当接した時に該下カバー3aの外面(即ち下面)が親桁1の下横片12の外面(即ち下面)よりも外方(即ち下方)に突出すれば厚みtは厚さtとほぼ同じに限定されず、適宜設定変更可能である。
上記のように親桁1及び子桁2からなるラック本体に下カバー3aを取り付けて上方に開口する断面略コ字状をしたケーブルラックの主体が構成される。
下カバー3aは、下カバー3a即ち底面側カバー3の取付用部材としての底面側カバー支持部材4によってケーブルラックに設けられる。底面側カバー支持部材4は、引掛け部材40と支持部材50とからなる。引掛け部材40は、図3に示すように、吊下げ縦片41と、その上端部及び下端部にそれぞれ設けられる引掛け上片42及び取付け下片43とからなるもので、板状部材を折曲したりして形成される。吊下げ縦片41は、上下長さが親桁1の側縦片11の上下長さよりも若干長い板状のもので、開口側から親桁1に取り付けられた際に前記側縦片11の外面に沿うように配置される(図1参照)。この吊下げ縦片41の上端部からは、ケーブルラックの幅方向内方に向けて引掛け上片42が設けてある。引掛け上片42は、その左右方向長さ(即ちケーブルラックの幅方向長さ)が親桁1の上横片13の長さとほぼ同じ横片を有すると共に該横片の内先端から下方に爪片を突設した断面略逆L字状をしたもので、この引掛け上片42と前記吊下げ縦片41とで形成される下方に開口した凹所44を親桁1の上横片13に被嵌して引掛ける。そして、吊下げ縦片41の下端部からはケーブルラックの幅方向外方に向けて取付け下片43が突設してあり、この取付け下片43に支持部材50が取り付けられる。
支持部材50は、板状部材を折曲したりして断面ロ字状やコ字状、リップ付きコ字状等に形成した通常金属製のもので、本実施形態では上方に開口するリップ付きコ字状に形成してあるが、特に限定されない。支持部材50は、その長手方向長さがケーブルラックの幅方向長さよりも長く形成してあり、その両端部付近が上記引掛け部材40の取付け下片43にそれぞれ取り付けられるもので、以下にこの支持部材50及び下カバー3aの取り付けについて説明する。
まず、下カバー3aを両親桁1の下横片12の端縁間に配置すると共に、底面側カバー支持部材4の引掛け部材40をそれぞれ両方の親桁1の互いに対向する位置に引掛ける。この時、下カバー3aの折り返した突き合わせ端部31の上面がケーブルラックの子桁2の下面に当接するが、上述したように子桁2はその下面が親桁1の下横片12の上面に当接した状態で架設されており、また、下カバー3aの折り返した突き合わせ端部31の厚tさは親桁1の下横片12の厚さtよりも厚いため、下カバー3aの下面が親桁1の下横片12の下面よりも下方に突出した状態となる。そして、前記のように下横片12よりも下方に突出した下カバー3aの下面に上記支持部材50を当接し、下カバー3aを支持した状態で支持部材50を引掛け部材40に固定する。引掛け部材40への固定は、図3に示すように引掛け部材40の取付け下片43に形成した固着具挿通孔43aに上方よりねじからなる固着具55を挿通し、支持部材50の固着孔54に前記固着具55を螺着するものである。なお本実施形態では、支持部材50の上方開口51の幅(即ちリップ部52の端縁間距離)よりも幅広の板部材53を支持部材50のリップ部52の下面に配置し、この板部材53に形成した固着孔54に固着具55を螺着することで、子桁2の下面及び支持部材50の上面で下カバー3aを確実に押圧挟持して固定するものである。
また、下カバー3aを取り付けるに先立ってケーブルラックにケーブルCを配設するのであるが、これは、図1に示すように、子桁2の上面にケーブルCを載置すると共にケーブルCの子桁2への載置部分を紐部材Hで子桁2に括りつけて固定することが多いがこの時、子桁2に巻き付けられた前記紐部材Hは子桁2の下面よりも下方に突出することとなり、一方、下カバー3aは上述したようにその上面が子桁2の下面に当接するのであるが、下カバー3aの子桁2の下面へ当接する部分は上述したように両端部の折り返した突き合わせ端部31であり、下カバー3aの中間部32の上面は突き合わせ端部31の上面と比べて低くなっているため、紐部材Hが巻き付けられる部分(即ち中間部32部分)においては子桁2の下面と下カバー3aの上面との間に隙間が形成されて、下カバー3aと紐部材Hの干渉が避けられるものである。なお、下カバー3aの板厚t自体を厚くすることで、端部を特に折り返したりしなくても親桁1の下面よりも下方に突出させることが可能となるが、この場合には下カバー3aの重量が重くなって取り扱い性が悪いという問題があり、この点においても、下カバー3aの端部を折り返したことで、軽量化による取り扱い性の向上を図ることができて材料コストの低減が図られるものであり、また、折り返して二重にしたことで強度の向上も図られる。
ところで、このようなケーブルラックは、長手方向に連結するにあたって、長手方向端部を突き合わせてその両端部間に亘って外面に連結部材(図14の従来例に示すジョイント部材Jのような部材)を固定するのであるが、本発明におけるように下カバー3aを対をなす親桁1の下端部の端縁間に設けたことで、ケーブルラックの連結部分において前記連結部材と下カバー3aとの干渉がなくなり、下カバー3aの取り付け作業とケーブルラックの連結等を含む配置作業とを独立して(即ち順序を任意に)行うことが可能となって作業性が向上し、ケーブルラックの配置替えを行う場合でも、下カバー3aを取り外して配置替えを行った後に再び下カバー3aを取り付けたりする必要がなく、下カバー3aを付けたままケーブルラックを配置替えすればよく、作業性が向上すると共に前記高所での作業工程が少なくなって安全性も向上する。また、下カバー3aの端部を折り返したことで、エッジ部分をなくしてRを形成することができて、作業者の手を傷つけたりするのを防止することができる。
次に、本実施形態の他の実施例について図4,図5に基づいて説明する。なお、上実施例と同じ部分については図中において同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態のものは上実施形態に加えて、ケーブル挿入側カバー取付部材80及びケーブル挿入側カバー連結部材83を用いてケーブル挿入側カバー7を取り付けるものである。
ケーブル挿入側カバー7は、本体横片71と側縦片72とからなる下方に開口する断面略コ字状をしてその長手方向の長さが親桁1の長さとほぼ同等であり、一対の親桁1のケーブル挿入側の開口の外側に側縦片72を被嵌して親桁1間の隙間を閉塞するもので、以下、本実施例ではこれを上カバー7aとして説明する。この上カバー7a上にはケーブル挿入側カバー取付部材80が載置される。
ケーブル挿入側カバー取付部材80は、長手方向の両端部がそれぞれ対をなす親桁1の対向方向、即ちケーブルラックの幅方向の外側に突出するもので、本実施例では上述した底面側カバー支持部材4の支持部材50と同様に形成してあり、該支持部材50と同様にリップ部52側の面をケーブル挿入側カバー取付部材80への当接面としてある。また支持部材50は、前記ケーブル挿入側カバー取付部材80の長手方向長さと同等になるように両端部を延設してあり、この延設した部分を後述するケーブル挿入側カバー連結部材83が取り付けられる取付部としてある。この取付部には、次に述べるケーブル挿入側カバー連結部材83の係止部84が係止される係止孔56と、ケーブル挿入側カバー連結部材83の本体軸部が挿通される切欠57が形成してある。
ケーブル挿入側カバー連結部材83は、下側の先端部が上向きに屈曲された略L字やJ字状等をしたもので、その上向きとなった下側の先端部は上記支持部材50の係止孔56に係止される係止部84となっている。そして、ケーブル挿入側カバー連結部材83の本体軸部の上端部には雄ねじ部85が螺設してあり、ケーブル挿入側カバー取付部材80に締結する固着具82が螺着される。また、ケーブル挿入側カバー取付部材80には、その両端部にそれぞれ挿通孔81が貫通形成してあり、ケーブル挿入側カバー連結部材83の上端部が挿通される。
上カバー7aの取り付けについて説明すると、まず、上カバー7aを両親桁1の上端部に被嵌し、ケーブル挿入側カバー連結部材83の係止部84を支持部材50の係止孔56に下方より挿入係止すると共に、ケーブル挿入側カバー連結部材83の本体軸部を支持部材50の切欠57に挿通する。そして、ケーブル挿入側カバー取付部材80の挿通孔81を前記ケーブル挿入側カバー連結部材83の上端部に被嵌し、固着具82をケーブル挿入側カバー取付部材80の上側より締結することにより、上カバー7aの取り付けが完了する。
このようにすることで、下カバー3aを支持するための底面側カバー支持部材4を兼用して上カバー7aを挟持することが可能となり、部品共用による部品点数削減及び作業工程を低減することができる。
次に、他の実施形態について図6乃至図12に基づいて説明する。本実施形態のものは、上実施形態で略水平に配設されたケーブルラックと同様のケーブルラックを略上下方向に配設するものである。
親桁1及び子桁2、底面側カバー3(上実施形態の下カバー3a)、ケーブル挿入側カバー7(上実施形態の上カバー7a)の構成については上実施形態と同様であるため図中にて同符号を付して説明を省略するが、底面側カバー3及びケーブル挿入側カバー7がそれぞれ背面カバー3b及び正面カバー7bとなっている。そして、このように略上下方向に配設したケーブルラックにおいても上実施形態のように背面カバー3b、正面カバー7bをそれぞれ底面側カバー支持部材4、ケーブル挿入側カバー取付部材80及びケーブル挿入側カバー連結部材を用いてケーブルラックに取り付けてもよいのであるが、本実施形態では上実施形態とは別の部材を用いて取り付けるもので、以下に説明する。
まず、背面カバー3bの取り付けについて図6乃至図8に基づいて説明する。本実施形態では背面カバー3bは、底面側カバーの取付用部材としての底面側カバー固定部材6を用いてケーブルラックに取り付ける。底面側カバー固定部材6は、図6に示すように、本体片61と、本体片61から連設される連設片62及び位置決め片64と、前記連設片62から連設される固定片63とからなる。本体片61は、子桁2のケーブル挿入側の面に当接する板状のものである。すなわち、ケーブルラックのケーブル挿入側の開口からこの底面側カバー固定部材6を挿入して本体片61を前記子桁2のケーブル挿入側の面に当接する。子桁2は、本実施形態ではリップ部21を有する略コ字状に形成してあって、このリップ部21の端縁間に開口部20が形成されるもので、リップ部21を設けていない側の面(底面側の面)を親桁1の下横片12の内側面に当接した状態で溶接等にて固定され、このリップ部21を設けていない側の面(底面側の面)に背面カバー3bが当接するように設けられる。そして、本体片61は子桁2のリップ部21を設けた面(ケーブル挿入側の面)に当接した状態で取り付けられるようにその長さはリップ部21の開口部20を挟んだ両端部の長さとほぼ同じか若干長く形成してある。この本体片61の両端部からはそれぞれ連設片62と位置決め片64が連設される。連設片62と位置決め片64は、板状をした本体片61から略直角に連設され、子桁2の両側面に沿ってそれぞれ近接又は当接するものである。そして、連設片62の先端からは固定片63が連設される。固定片63は、子桁2の側面に沿う連設片62から子桁2と反対側に突出するように形成され、本体片61を子桁2のリップ部21を設けた面に当接した状態で固定片63の裏面と子桁2のリップ部21を設けた面と反対側の面とが略面一となるように形成される。この固定片63には後述する固着具69が挿通される挿通孔68が形成してある。そして、本体片61の連設片62を連設したのと反対側の端部からは位置決め片64が突設してあり、本体片61を子桁2に当接した時に子桁2の両側面にそれぞれ連設片62と位置決め片64とが当接して本体片61の位置決めがなされる。
また、本体片61には後述する固着具66が挿通される挿通孔65が形成してある。この固着具66は、子桁2の開口部20内に挿入される板部材67に形成した固着孔67aに螺着される。板部材67は、子桁2のリップ部21の開口部20の幅よりも長い長さに形成され、開口部20の両側のリップ部21に当接した状態で底面側カバー固定部材6の本体片61の挿通孔65を挿通されたねじからなる固着具66が螺着され、これによって底面側カバー固定部材6が子桁2に固定される。そして、背面カバー3bを子桁2の外側面(即ちリップ部21を形成した面と反対側の面)に当接した状態で、ねじからなる固着具69を固定片63の挿通孔68に挿通して背面カバー3bの螺着孔30(図7参照)に螺着される。なおこの螺着孔30は、子桁2に固定した底面側カバー固定部材6の挿通孔68に対応する部分(少なくともケーブルラックの長手方向の両端部において最も外側又はその一つ内側の子桁2に固定した底面側カバー固定部材6の挿通孔68に対応する部分)に形成してある。これにより、背面カバー3bが子桁2に固定した底面側カバー固定部材6に固定されてケーブルラックに固定されることとなる。これにより、底面側カバー固定部材6をケーブルラックの内側に設けることができて、見栄えが良くなる。
次に、正面カバー7bの取り付けについて図9乃至図11に基づいて説明する。本実施形態では正面カバー7bはケーブル挿入側カバー固定部材9を用いてケーブルラックに取り付ける。ケーブル挿入側カバー固定部材9は、図9に示すように、本体片91と、本体片91から連設される連設片92と、連設片92から連設される引掛片93、固定片94とからなる。本体片91は、子桁2の正面カバー7bに当接する面と反対側の面に当接する板状のものである。すなわち、ケーブル挿入側の開口からこのケーブル挿入側カバー固定部材9を挿入して本体片91を前記子桁2のケーブル挿入側の面に当接する。本体片91は子桁2のリップ部21を設けた面に当接した状態で取り付けられるようにその長さはリップ部21の開口部20を挟んだ両端部の長さとほぼ同じか若干長く形成してある。この本体片91の一端部からは連設片92が連設される。連設片92は、子桁2のケーブル挿入側の面から親桁1の内側面に沿って配設されるもので、その先端には親桁1の端部に当接される引掛片93が略直角に連設される。引掛片93の先端からは略直角に固定片94が連設される。固定片94は、親桁1の外面側に親桁1に略平行に配設され、その中央部に後述する固着具99が挿通される挿通孔98が形成してある。また、本体片91には後述する固着具96が挿通される挿通孔95が形成してある。この固着具96はねじからなり、子桁2の開口部20内に挿入される板部材97に形成した固着孔97aに螺着される。板部材97は、子桁2のリップ部21の開口部20の幅よりも長い長さに形成され、開口部20の両側のリップ部21に当接した状態でケーブル挿入側カバー固定部材9の本体片91の挿通孔95を挿通された固着具96が螺着され、これによってケーブル挿入側カバー固定部材9が子桁2に固定される。そして、正面カバー7bをケーブルラックのケーブル挿入側の開口に被嵌した状態で、ねじからなる固着具99を固定片94の挿通孔98に挿通して正面カバー7bの螺着孔73に螺着される。なおこの螺着孔73は、子桁2に固定したケーブル挿入側カバー固定部材9の挿通孔98に対応する部分(少なくともケーブルラックの長手方向の両端部において最も外側又はその一つ内側の子桁2に固定したケーブル挿入側カバー固定部材9の挿通孔98に対応する部分)に形成してある。これにより、正面カバー7bが子桁2に固定したケーブル挿入側カバー固定部材9に固定されてケーブルラックに固定されることとなる。
上述した底面側カバー固定部材6による背面カバー3bの固定とケーブル挿入側カバー固定部材9による正面カバー7bの固定とは、図12に示すように同時に行うことができる。すなわち、底面側カバー固定部材6とケーブル挿入側カバー固定部材9とはいずれも子桁2のケーブル挿入側の面に取り付けるのであるが、底面側カバー固定部材6とケーブル挿入側カバー固定部材9とをそれぞれ異なる子桁2に取り付けることで、同時に背面カバー3bと正面カバー7bをケーブルラックに固定することが可能となる。
また、このような底面側カバー固定部材6、ケーブル挿入側カバー固定部材9でそれぞれ背面カバー3b、正面カバー7bをケーブルラックに固定することで、図15に示す従来のカバー固定部材J’のように強固に締付けると背面カバー3bや正面カバー7bが変形したりする、といったことがないものである。また、底面側カバー固定部材6、ケーブル挿入側カバー固定部材9をケーブルラックの内側に設けることができて、見栄えが良くなる。さらに、底面側カバー固定部材6をケーブルラックのケーブル挿入側の開口から挿入してケーブルラックに固定することができて、ケーブルラックの配設後にでも任意に底面側カバー固定部材6の取付作業等が行えて作業性が向上する。
また、背面カバー3bを親桁1の幅内に収容することができ、ケーブルラックが壁に近接配置されたような場合でも容易に施工できるようになるとともに、安全に高所作業が行えるようになる。
また、背面カバー3b及び正面カバー7bを固定するためのボルト69,99も短くてすむとともに、これらのボルト69,99は背面カバー3b及び正面カバー7bの荷重のみを受けることとなって地震に対する安全性が高まる。
また、背面カバー3bと正面カバー7bの取り付けを別々にしたので、地震に対する安全性が高まる。
本発明の一実施形態を示し、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のA部拡大斜視図である。 同上の実施形態の底面側カバー(下カバー)の斜視図である。 同上の実施形態の分解斜視図である。 同上の他の実施例を示し、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のB部拡大斜視図である。 同上の分解斜視図である。 他の実施形態の底面側カバー固定部材の分解斜視図である。 同上の実施形態において底面側カバー(背面カバー)の取り付けを説明する分解斜視図である。 同上の実施形態において底面側カバー(背面カバー)を取り付けた状態を説明する斜視図である。 同上の実施形態のケーブル挿入側カバー固定部材の分解斜視図である。 同上の実施形態においてケーブル挿入側カバー(正面カバー)の取り付けを説明する分解斜視図である。 同上の実施形態においてケーブル挿入側カバー(正面カバー)を取り付けた状態を説明する斜視図である。 同上の実施形態において底面側カバー(背面カバー)及びケーブル挿入側カバー(正面カバー)を取り付けた状態を説明する斜視図である。 従来例の要部斜視図である。 従来例のケーブルラックの連結部の斜視図である。 他の従来例を示し、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。
符号の説明
1 親桁
2 子桁
3 底面側カバー
4 底面側カバー支持部材

Claims (6)

  1. 対向する一対の親桁間に所定間隔で子桁を架設してケーブルラックを形成し、前記ケーブルラックの一対の親桁の一端部間をケーブル挿入側の開口とすると共に他端部間を底面側の開口とし、前記一対の親桁の底面側の開口の互いに対向する端縁間に底面側カバーを配置し、上記ケーブルラックに取り付けた底面側カバーの取付用部材にて底面側カバーを取り付けて成ることを特徴とするケーブルラックのカバー取付構造。
  2. 底面側カバーの端部をケーブルラック内方側に折り返して成ることを特徴とする請求項1記載のケーブルラックのカバー取付構造。
  3. 底面側カバーをケーブルラックに取り付けた時に該底面側カバーの外面が親桁の外面よりも外方に突出し、前記取り付けた底面側カバーの外面を底面側カバー支持部材で押圧支持して成ることを特徴とする請求項1又は2記載のケーブルラックのカバー取付構造。
  4. ケーブルラックの一対の親桁のケーブル挿入側の開口にケーブル挿入側カバーを配置するものであって、ケーブル挿入側カバーを取り付けるためのケーブル挿入側カバー取付部材と底面側カバーの取付用部材としての底面側カバー支持部材とをケーブル挿入側カバー連結部材にて連結可能として成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のケーブルラックのカバー取付構造。
  5. 底面側カバーの取付用部材としての底面側カバー固定部材を子桁の前記底面側カバーが取り付けられる面と反対側の面に固定して成ることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のケーブルラックのカバー取付構造。
  6. ケーブル挿入側カバーの取付用部材としてのケーブル挿入側カバー固定部材を底面側カバー固定部材が取り付けられる子桁とは別の子桁の底面側カバーが取り付けられる面と反対側の面に固定し、底面側カバー固定部材及びケーブル挿入側カバー固定部材にて底面側カバーとケーブル挿入側カバーとをそれぞれ取り付けて成ることを特徴とする請求項5記載のケーブルラックのカバー取付構造。
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