JP2005101425A - 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Takanobu Katsuyama
高信 戞山
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Abstract

【課題】電気的な特性を悪化させることなく、短絡不良の発生を抑制することが可能な積層セラミックコンデンサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】中央領域Bを構成するセラミックグリーンシートS2として、下側領域Aおよび上側領域Cを構成するセラミックグリーンシートS1よりも厚みの厚い(厚みが1.1〜1.3倍)のセラミックグリーンシートを用いるとともに、厚みの薄いセラミックグリーンシートS1を略(1/2Y)だけ積層した後、厚みの厚いセラミックグリーンシートS2を(X−Y)だけ積層し、その後、厚みの薄いセラミックグリーンシートS1を略(1/2Y)だけ積層する。
また、総積層数Xに対するセラミックグリーンシートS2の積層数の割合((X−Y)/X)を0.2〜0.5とする。
【選択図】図1

Description

本願発明は、セラミックコンデンサおよびその製造方法に関し、詳しくは、内部電極パターンが印刷された複数のセラミックグリーンシートを積層、圧着して積層体を形成する工程を経て製造される積層セラミックコンデンサおよびその製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサは、例えば、図8に示すように、セラミック積層体(セラミック素子)51中に、複数の内部電極層52がセラミック層53を介して積層され、かつ、セラミック層53を介して互いに対向する内部電極層52が交互にセラミック積層体(セラミック素子)51の逆側の端面に引き出されて、該端面に形成された外部電極54に接続された構造を有している。
このような従来の積層セラミックコンデンサの製造方法の一つに、厚みが同一の複数枚のセラミックグリーンシートを用意し、これに内部電極パターンを印刷、乾燥後、積層、圧着して積層体を形成し、この積層体を所望のサイズにカットした後、焼成を行い、得られた焼結体(積層セラミック素子)に外部電極を形成する方法がある。
そして、このような積層セラミックコンデンサの製造方法においては、製品の小型化・大容量化を図るために、内部電極間に介在するセラミック層の厚みを薄くしたり、内部電極の積層枚数を増やしたりすることが行われている(例えば、特許文献1の従来技術の欄参照)。
特開平11−31633号公報
ところで、上記従来の積層セラミックコンデンサの製造方法では、積層後の圧着工程で積層体内に発生する応力にばらつきが生じ、内部電極が印刷された領域とその周囲の内部電極が印刷されていない領域との密度差により、積層体の厚み方向の中央領域では特に流動が進行し、中央領域におけるセラミック層の厚みの低下が顕著になる。そして、この中央領域におけるセラミック層の厚みの低下により、セラミック層を介して対向する内部電極間に短絡が発生するという問題点がある。
このような問題点を解決するためには、積層される各セラミックグリーンシートの厚みを厚くして、中央領域のセラミック層の厚みが低下しても短絡が生じないようにすることが考えられるが、すべてのセラミックグリーンシートの厚みを厚くした場合には、静電容量の低下が著しく、所望の静電容量を取得することが困難になったり、製品が大型化したりするという問題点がある。
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、取得できる静電容量を減少させることなく、短絡不良の発生を抑制することが可能な積層セラミックコンデンサおよびその製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)の積層セラミックコンデンサの製造方法は、セラミックグリーンシートを形成する工程と、前記セラミックグリーンシート上に内部電極パターンを印刷する工程と、前記内部電極パターンが印刷された複数枚のセラミックグリーンシートを積層、圧着して、各内部電極パターンがセラミック層を介して対向するように配設された構造を有する積層体を形成する工程とを有する積層セラミックコンデンサの製造方法において、
前記内部電極パターンが印刷された複数枚のセラミックグリーンシートとして、
厚みが異なる少なくとも2種類のセラミックグリーンシートを用い、
前記積層体の積層方向を垂直としたときに、前記積層体を下側から上側に向かって、下側領域A、中央領域B、上側領域Cの3つのグループに区分した場合において、前記中央領域Bを構成するセラミックグリーンシートとして、前記下側領域Aおよび前記上側領域Cを構成するセラミックグリーンシートS1よりも厚みの厚いセラミックグリーンシートS2を用いるとともに、
前記セラミックグリーンシートS1、S2を積層した後、圧着することにより、
前記セラミックグリーンシートS2の厚みを前記セラミックグリーンシートS1の厚みと略同一にしたこと
を特徴としている。
また、請求項2の積層セラミックコンデンサの製造方法は、前記セラミックグリーンシートSl、S2を圧着する前の前記セラミックグリーンシートS1の厚みT1に対する、前記セラミックグリーンシートS2の厚みT2の比(T2/T1)を1.1〜1.3としたことを特徴としている。
また、請求項3の積層セラミックコンデンサの製造方法は、前記セラミックグリーンシートS1およびS2の総積層数をX、セラミックグリーンシートS1の積層数をYとした場合において、
下側領域Aを構成するセラミックグリーンシートとして、厚みの薄い方のセラミックグリーンシートS1を略(1/2Y)だけ積層した後、
中央領域Bを構成するセラミックグリーンシートとして、厚みの厚い方のセラミックグリーンシートS2を(X−Y)だけ積層し、その後、
上側領域Cを構成するセラミックグリーンシートとして、厚みの薄い方のセラミックグリーンシートS1を略(1/2Y)だけ積層するとともに、
総積層数Xに対する厚みの厚い方のセラミックグリーンシートS2の積層数の割合((X−Y)/X)を0.2〜0.5としたことを特徴としている。
また、本願発明(請求項4)の積層セラミックコンデンサは、
内部電極パターンが印刷された複数枚のセラミックグリーンシートを積層、圧着して積層体を形成する工程を経て製造された、積層セラミック素子中にセラミック層を介して内部電極が互いに対向するように配設された構造を有する積層セラミックコンデンサであって、
積層方向を垂直としたときに、前記積層セラミック素子を下側から上側に向かって、下側領域A1、中央領域B1、および上側領域C1の3つのグループに区分した場合において、前記中央領域B1を構成するセラミック層と、前記下側領域A1および前記上側領域C1を構成するセラミック層の厚みが略同一であること
を特徴としている。
上述のように、本願発明(請求項1)の積層セラミックコンデンサの製造方法は、内部電極パターンが印刷された複数枚のセラミックグリーンシートを積層、圧着することにより、各内部電極パターンがセラミック層を介して対向するように配設された構造を有する積層体を形成する工程を有する積層セラミックコンデンサの製造方法において、内部電極パターンが印刷された複数枚のセラミックグリーンシートとして、厚みが異なる少なくとも2種類のセラミックグリーンシートを用い、積層体を下側から上側に向かって、下側領域A、中央領域B、上側領域Cの3つのグループに区分した場合において、中央領域Bを構成するセラミックグリーンシートとして、下側領域Aおよび上側領域Cを構成するセラミックグリーンシートS1よりも厚みの厚いセラミックグリーンシートS2を用いるとともに、セラミックグリーンシートS1、S2を積層した後、圧着することにより、セラミックグリーンシートS2の厚みを前記セラミックグリーンシートS1の厚みと略同一にするようにしているので、電気的な特性を悪化させることなく、短絡不良の発生を抑制することが可能になる。
また、請求項2の積層セラミックコンデンサの製造方法のように、セラミックグリーンシートSl、S2を圧着する前のセラミックグリーンシートS1の厚みT1に対する、セラミックグリーンシートS2の厚みT2の比(T2/T1)を1.1〜1.3とすることにより、積層体の圧着工程で中央領域のセラミックグリーンシート(セラミック層)の厚みが低下した場合にも、短絡が生じないようにすることが可能になる。
また、セラミックグリーンシートS2の厚みT2を、下側領域Aおよび上側領域Cを構成するセラミックグリーンシートS1の厚みT1の1.1〜1.3倍とすることにより、中央領域BのセラミックグリーンシートS2の厚みT2が圧着工程で薄くなり、他の領域(下側領域Aおよび上側領域C)を構成するセラミックグリーンシートS1の厚みT1に近づくため、取得静電容量の低下や製品の大型化を招くことなく、短絡不良の発生を防止することが可能で、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを確実に製造することができるようになる。
また、請求項3の積層セラミックコンデンサの製造方法のように、セラミックグリーンシートS1およびS2の総積層数をX、セラミックグリーンシートS1の積層数をYとした場合において、下側領域Aを構成するセラミックグリーンシートとして、厚みの薄い方のセラミックグリーンシートS1を略(1/2Y)だけ積層した後、中央領域Bを構成するセラミックグリーンシートとして、厚みの厚い方のセラミックグリーンシートS2を(X−Y)だけ積層し、その後、上側領域Cを構成するセラミックグリーンシートとして、厚みの薄い方のセラミックグリーンシートS1を略(1/2Y)だけ積層するとともに、総積層数Xに対する厚みの厚い方のセラミックグリーンシートS2の積層数の割合((X−Y)/X)を0.2〜0.5とすることにより、電気的な特性を悪化させることなく、短絡不良の発生を抑制することが可能になる。
すなわち、厚みの薄いセラミックグリーンシートS1を略(1/2Y)だけ積層した後、厚みの厚いセラミックグリーンシートS2を(X−Y)だけ積層し、その後、厚みの薄いセラミックグリーンシートS1を略(1/2Y)だけ積層することにより、中央領域Bが、厚みがほぼ同じである下側領域Aと上側領域Cに挟まれた、表裏の方向性のない積層セラミックコンデンサを得ることが可能になる。
さらに、総積層数Xに対する、中央領域Bを構成するセラミックグリーンシートS2の積層数の割合((X−Y)/X)を0.2〜0.5とすることにより、圧着工程で最も厚みが薄くなりやすい領域において内部電極間の短絡を引き起こすようなセラミック層の厚み低下が発生することを防止することが可能になり、製品の大型化を招くことなく、短絡不良のない信頼性の高い積層セラミックコンデンサを効率よく製造することが可能になる。
なお、本願発明の積層セラミックコンデンサの製造方法においては、セラミックグリーンシートとして、厚みが異なる少なくとも2種類のセラミックグリーンシートを用いることが可能であり、例えば、厚みが異なる3種類以上のセラミックグリーンシートを用意し、最も厚みの厚いセラミックグリーンシートを、中央領域Bを構成するセラミックグリーンシートS2として用い、他のセラミックグリーンシートを中央領域Bを構成するセラミックグリーンシート以外のセラミックグリーンシートとして用いるように構成することも可能である。
また、本願発明(請求項4)の積層セラミックコンデンサは、内部電極パターンが印刷された複数枚のセラミックグリーンシートを積層、圧着して積層体を形成する工程を経て製造された積層セラミックコンデンサであって、積層セラミック素子を下側領域A1、中央領域B1、および上側領域C1の3つのグループに区分した場合において、中央領域B1を構成するセラミック層と、下側領域A1および上側領域C1を構成するセラミック層の厚みが略同一となるようにしているので、電気的な特性を悪化させることなく、短絡不良を抑制、防止することが可能な積層セラミックコンデンサを提供することが可能になる。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
なお、この実施例では、図7に示すように、セラミック積層体(セラミック素子)1中に、複数の内部電極層2がセラミック層3を介して積層され、かつ、セラミック層3を介して互いに対向する内部電極層2が交互にセラミック積層体(セラミック素子)1の逆側の端面に引き出されて、該端面に形成された外部電極4に接続された構造を有する積層セラミックコンデンサを製造する場合を例にとって説明する。
まず、キャリアフィルム上に厚みの異なるセラミックグリーンシートS1と、セラミックグリーンシートS2を形成する。
なお、この実施例では、セラミックグリーンシートS2の厚みT2を、セラミックグリーンシートS1の厚みT1に対する比率(T2/T1)が、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5となるように変化させた。
それから、セラミックグリーンシートS1およびS2に、スクリーン印刷により内部電極パターン2a(図1(a),(b))を印刷した後、乾燥させた。
さらに、上記のセラミックグリーンシートS1およびS2と同じ材料からなる、内部電極パターンが印刷されていない外層用のセラミックグリーンシートを用意した。
次に、上述のようにして形成した各セラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する方法について説明する。ただし、以下では、理解が容易になるように、図1(a),(b)に、一つの素子を備えた積層体(本圧着の前および後の積層体)を示して説明を行うが、実際には、マザーセラミックグリーンシートを用いて、多数個分の素子が含まれる一つのマザー積層体を形成し、これを切断、分割して、個々の素子を得るようにした。
以下、セラミックグリーンシートS1,S2およびS3を積層、圧着して積層体を形成する方法について説明する。
まず、図1(a)に示すように、外層用のセラミックグリーンシートS3を所定枚数積層した後、その上に、乾操させたセラミックグリーンシートS1を所定枚数積層した。次に、上述のようにして積層したセラミックグリーンシートS1上に、乾燥させたセラミックグリーンシートS2を所定枚数積層し、その上に乾燥させたセラミックグリーンシートS1を積層した後、さらに、セラミックグリーンシートS1上に外層用のセラミックグリーンシートS3を所定枚数積層することにより、図1(a)に示すような積層体(本圧着されていない積層体)10aを得た。なお、積層体10aを形成するにあたっては、各セラミックグリーンシートを積層するごとに、あるいは所定枚数のセラミックグリーンシートを積層するごとに仮圧着を行い、すべてのセラミックグリーンシートを積層した後、最終的な圧着(本圧着)を行うように構成することも可能である。
また、この実施例では、セラミックグリーンシートS1およびS2を積層するにあたって、セラミックグリーンシートS1およびS2の総積層数をX、セラミックグリーンシートS1の積層数をYとした場合において、下側領域Aを構成するセラミックグリーンシートとして、厚みの薄い方のセラミックグリーンシートS1を略(1/2Y)だけ積層した後、中央領域Bを構成するセラミックグリーンシートとして、厚みの厚い方のセラミックグリーンシートS2を(X−Y)だけ積層し、その後、上側領域Cを構成するセラミックグリーンシートとして、厚みの薄い方のセラミックグリーンシートS1を略(1/2Y)だけ積層した。
また、この実施例では、セラミックグリーンシートS1およびS2の総積層数Xに対する、厚みの厚い方のセラミックグリーンシートS2の積層数の割合((X−Y)/X)を0、0.1、0.2、0.3、0.5と変化させた。
それから、上述のようにしてセラミックグリーンシートS1,S2および外層用のセラミックグリーンシートS3を積層することにより得られた積層構造体10aを、圧力300MPaでプレスすることにより積層体(本圧着されたセラミック積層体)10(図1(b))を得た。
なお、図1(b)は、セラミックグリーンシートS1とS2の厚みT1,T2の比率(T2/T1)を1.2とし、総積層数Xに対する、厚みの厚い方のセラミックグリーンシートS2の積層数の割合((X−Y)/X)を0.3とした、本願発明の範囲内の条件で形成した積層体(セラミック積層体)を示す図である。
図1(b)に示すように、本願発明の要件を備えた方法により形成された積層体においては、中央領域Bを構成するセラミックグリーンシートS2の厚みT2が、本圧着の前の厚みT2(図1(a)参照)に比べて薄くなっているが、この厚みT2は、下部領域Aおよび上部領域Cを構成するセラミックグリーンシートS1の厚みT1とほぼ同一であり、内部電極間の短絡を引き起こすおそれがないことがわかる。
それから、T1,T2の比率(T2/T1)、および総積層数Xに対するセラミックグリーンシートS2の積層数の割合((X−Y)/X)を上述のように変化させて形成した本圧着後の積層体(マザー積層体)を切断し、積層セラミックコンデンサとして所定の寸法:1.6mm(長さ)×0.8mm(幅)×0.8mm(厚さ)となる大きさの未焼成の積層セラミック素子(チップ)を得た。
そして、この未焼成の積層セラミック素子(チップ)を、約1250℃の還元雰囲気で焼成した後、得られた積層セラミック素子の両端部に導電性ペーストを塗布、焼き付けして、外部電極を形成することにより、図7に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサを得た。
それから、この積層セラミックコンデンサにつき、短絡不良率および取得容量(取得静電容量)を調べた。
なお、短絡不良率は、6.3V、1minの条件において、絶縁抵抗(IR)が、logIR<6となる積層セラミックコンデンサを不良と判定し、測定した試料数に対する不良と判定された試料数の割合を短絡不良率とした。
また、取得容量(取得静電容量)は、周波数1kHz、AC電圧0.5Vの条件で測定を行った。
図2は、総積層数Xに対する、セラミックグリーンシートS2の積層数の割合(以下、「積層枚数比」と略称する)を(X−Y)/X=0.5に固定し、セラミックグリーンシートS2の厚みT2の、セラミックグリーンシートS1の厚みT1に対する比率(以下、「膜厚比」と略称する)(T2/T1)を1〜1.5の範囲で変化させた場合の短絡不良率、および膜厚比1の場合の取得容量を1とした場合の取得容量の値(取得容量比)を示している。
図2に示すように、膜厚比が1.1以上の場合、膜厚比1の場合と比較して、短絡不良率が低下することが確認された。
また、膜厚比が1.1の場合、取得容量が約0.96で、膜厚比1の場合の容量1の場合の95%以上の取得容量を確保できることが確認された。
図3は、積層枚数比を(X−Y)/X=0.2に固定し、膜厚比(T2/T1)を1〜1.5の範囲で変化させた場合の短絡不良率および膜厚比1の場合の取得容量を1とした場合の取得容量の値(取得容量比)を示している。
図3に示すように、膜厚比が1.1以上の場合、膜厚比1と比較して短絡不良率が低下することが確認された。
また、膜厚比が1.3以下の場合、膜厚比1の場合の95%以上の取得容量を確保できることが確認された。
図4は、膜厚比(T2/T1)を1.1に固定し、積層枚数比を(X−Y)/X=0〜0.5の範囲で変化させた場合の短絡不良率、および膜厚比1の場合の取得容量を1とした場合の取得容量の値(取得容量比)を示している。
図4に示すように、積層枚数比が0.1以上の場合、積層枚数比0の場合(積層されたセラミックグリーンシートがすべて厚みの薄い方のセラミックグリーンシートS1である場合)と比較して短絡不良が低下することが確認され、積層枚数比が0.2以上の場合には、その効果が大きくなることが確認された。
また、積層枚数比が0.5以下の場合、積層枚数比0の場合の95%以上の取得容量を確保できることが確認された。
図5は、膜厚比(T2/T1)を1.3に固定し、積層枚数比を(X−Y)/X=0〜0.5の範囲で変化させた場合の短絡不良率、および膜厚比1の場合の取得容量を1とした場合の取得容量の値(取得容量比)を示している。
図5に示すように、積層枚数比が0.1以上の場合、積層枚数比0の場合と比較して短絡不良が低下することが確認され、積層枚数比が0.2以上の場合には、その効果が大きくなることが確認された。
また、積層枚数比が0.2以下の場合、積層枚数比0の場合の95%以上の取得容量を確保できることが確認された。
また、膜厚比1の場合の取得容量を1とした場合の取得容量の値(容量取得比)が95%以上(容量低下率5%以下)、短絡不良率が6%以下の積層セラミックコンデンサを良品と規定した場合において、膜厚比(T2/T1)が1.1の場合には、積層枚数比((X−Y)/X)が0.2〜0.5の範囲において、また、膜厚比(T2/T1)が1.3の場合には、積層枚数比((X−Y)/X)が0.2の場合に良品が得られること(すなわち、容量低下率5%以下、短絡不良率が6%以下を実現できること)が確認された。なお、容量取得比が95%以上(容量低下率5%以下)、短絡不良率が6%以下の要件を満たすことが可能な、膜厚比(T2/T1)および積層枚数比((X−Y)/X)の範囲を図6に示す。
なお、本願発明は、上記実施例に限定されるものではなく、セラミックグリーンシートを構成する材料の種類、内部電極を構成する材料の種類、セラミックグリーンシートの積層数、圧着して積層体を形成する際の条件などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
本願発明の積層セラミックコンデンサの製造方法によれば、厚みが異なる少なくとも2種類のセラミックグリーンシートを積層した積層体を下側から上側に向かって、下側領域A、中央領域B、上側領域Cの3つのグループに区分した場合に、中央領域Bのセラミックグリーンシートとして、下側領域Aおよび上側領域CのセラミックグリーンシートS1よりも厚みの厚いセラミックグリーンシートS2を用い、セラミックグリーンシートS1、S2を積層した後、圧着してセラミックグリーンシートS2の厚みをセラミックグリーンシートS1の厚みと略同一にするようにしているので、電気的な特性を悪化させることなく、短絡不良の発生を抑制することが可能になる。
また、セラミックグリーンシートS1とS2の厚みT1とT2の関係およびセラミックグリーンシートS1とS2の積層数の関係を所定の範囲とすることにより、電気的な特性を悪化させることなく、さらに確実に、短絡不良などのない、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることが可能になる。
したがって、本願発明は、内部電極パターンが印刷された複数のセラミックグリーンシートを積層、圧着して積層体を形成する工程を経て製造される積層セラミックコンデンサ及びそれを製造する場合に広く適用することが可能であり、セラミック層および内部電極の積層数が多く、セラミック層の厚みの薄い積層セラミックコンデンサの場合には特に有意義である。
本願発明の積層セラミック電子部品の製造方法の一工程を示す図であって、(a)はセラミックグリーンシートを積層することにより形成された本圧着の前の段階の積層体を模式的に示す断面図、(b)はセラミックグリーンシートを積層した後、本圧着した状態の積層体を模式的に示す断面図である。 積層枚数比を(X−Y)/X=0.5に固定し、膜厚比(T2/T1)を1〜1.5の範囲で変化させた場合の、膜厚比と、短絡不良率および取得容量比の関係を示す図である。 積層枚数比を(X−Y)/X=0.2に固定し、膜厚比(T2/T1)を1〜1.5の範囲で変化させた場合の、膜厚比と、短絡不良率および取得容量比の関係を示す図である。 膜厚比(T2/T1)を1.1に固定し、積層枚数比を(X−Y)/X=0〜0.5の範囲で変化させた場合の、積層枚数比と、短絡不良率および取得容量比の関係を示す図である。 膜厚比(T2/T1)を1.3に固定し、積層枚数比を(X−Y)/X=0〜0.5の範囲で変化させた場合の、積層枚数比と、短絡不良率および取得容量比の関係を示す図である。 容量取得比が95%以上(容量低下率5%以下)、短絡不良率が6%以下の要件を満たすことが可能な、膜厚比(T2/T1)および積層枚数比((X−Y)/X)の範囲を示す図である。 本願発明の一実施形態にかかる方法により製造される積層セラミックコンデンサの構造を示す断面図である。 従来の積層セラミックコンデンサの構造を示す断面図である。
符号の説明
1 セラミック積層体(セラミック素子)
2 内部電極層
2a 内部電極パターン
3 セラミック層
4 外部電極
10 本圧着された未焼成の積層体
10a 本圧着されていない未焼成の積層体
S1 厚みの薄い方のセラミックグリーンシート
S2 厚みの厚い方のセラミックグリーンシート
S3 内部電極パターンを有しない外層用のセラミックグリーンシート

Claims (4)

  1. セラミックグリーンシートを形成する工程と、前記セラミックグリーンシート上に内部電極パターンを印刷する工程と、前記内部電極パターンが印刷された複数枚のセラミックグリーンシートを積層、圧着して、各内部電極パターンがセラミック層を介して対向するように配設された構造を有する積層体を形成する工程とを有する積層セラミックコンデンサの製造方法において、
    前記内部電極パターンが印刷された複数枚のセラミックグリーンシートとして、厚みが異なる少なくとも2種類のセラミックグリーンシートを用い、
    前記積層体の積層方向を垂直としたときに、前記積層体を下側から上側に向かって、下側領域A、中央領域B、上側領域Cの3つのグループに区分した場合において、前記中央領域Bを構成するセラミックグリーンシートとして、前記下側領域Aおよび前記上側領域Cを構成するセラミックグリーンシートS1よりも厚みの厚いセラミックグリーンシートS2を用いるとともに、
    前記セラミックグリーンシートS1、S2を積層した後、圧着することにより、前記セラミックグリーンシートS2の厚みを前記セラミックグリーンシートS1の厚みと略同一にしたこと
    を特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。
  2. 前記セラミックグリーンシートSl、S2を圧着する前の前記セラミックグリーンシートS1の厚みT1に対する、前記セラミックグリーンシートS2の厚みT2の比(T2/T1)を1.1〜1.3としたことを特徴とする請求項1記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  3. 前記セラミックグリーンシートS1およびS2の総積層数をX、セラミックグリーンシートS1の積層数をYとした場合において、
    下側領域Aを構成するセラミックグリーンシートとして、厚みの薄い方のセラミックグリーンシートS1を略(1/2Y)だけ積層した後、
    中央領域Bを構成するセラミックグリーンシートとして、厚みの厚い方のセラミックグリーンシートS2を(X−Y)だけ積層し、その後、
    上側領域Cを構成するセラミックグリーンシートとして、厚みの薄い方のセラミックグリーンシートS1を略(1/2Y)だけ積層するとともに、
    総積層数Xに対する厚みの厚い方のセラミックグリーンシートS2の積層数の割合((X−Y)/X)を0.2〜0.5としたこと
    を特徴とする請求項1または2記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  4. 内部電極パターンが印刷された複数枚のセラミックグリーンシートを積層、圧着して積層体を形成する工程を経て製造された、積層セラミック素子中にセラミック層を介して内部電極が互いに対向するように配設された構造を有する積層セラミックコンデンサであって、
    積層方向を垂直としたときに、前記積層セラミック素子を下側から上側に向かって、下側領域A1、中央領域B1、および上側領域C1の3つのグループに区分した場合において、前記中央領域B1を構成するセラミック層と、前記下側領域A1および前記上側領域C1を構成するセラミック層の厚みが略同一であること
    を特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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KR20140092107A (ko) * 2013-01-15 2014-07-23 삼성전기주식회사 적층 커패시터, 적층 커패시터가 실장된 기판
CN115483031A (zh) * 2021-06-16 2022-12-16 株式会社村田制作所 层叠陶瓷电容器

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