JP2005100965A - リチウム一次電池用正極活物質および二酸化マンガンの製造方法 - Google Patents

リチウム一次電池用正極活物質および二酸化マンガンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温耐性に優れたリチウム一次電池用正極活物質及び該正極活物質に用いられる二酸化マンガンの製造方法を提供する。
【解決手段】 二酸化マンガンからなるリチウム一次電池用正極活物質であって、前記二酸化マンガンが、周期律表13〜15族の非金属元素および半金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、並びにマンガン以外の金属元素からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素からなる他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有するリチウム一次電池用正極活物質とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は二酸化マンガンからなるリチウム一次電池用正極活物質及び二酸化マンガンの製造方法に関するものである。
リチウム一次電池の正極活物質として二酸化マンガン、フッ化炭素等が代表的なものとして知られており、これらは既に実用化されている。この中で特に二酸化マンガンは、保存性に優れ、かつ安価であるという利点を有するため、正極活物質としての使用が多く検討されている(特許文献1及び2等参照)。また、350〜450℃の低温焼成により得られる斜方晶系リチウムマンガン複合酸化物を酸処理した二酸化マンガン(特許文献3参照)、スピネル型LiMnを酸処理した二酸化マンガン(特許文献4参照)や、LiMnを酸処理した後焼成した二酸化マンガン(非特許文献1参照)が知られている。
しかしながら、従来の二酸化マンガンを使用すると、高温で使用した場合は、低温パルス特性等の電池特性が低下するという問題があり、特に、120℃での高温保存では、有機電解液の溶媒であるプロピレンカーボネートを分解し、発生するガスによって電池が膨張し、電池特性が劣化してしまう。
特開平3−80120号公報(特許請求の範囲等) 特開平3−254065号公報(特許請求の範囲等) 特開平3−122968号公報(特許請求の範囲、第2,3頁等) 特公昭58−34414号公報(第1,2頁等) 特開2001−151511号公報(第1頁等) 特開2002−75366号公報(特許請求の範囲等) サッカレー(Thackeray)著、「understanding MnO2 for lithium batteries」、(IBA犬山会合での講演資料、1991年10月28−29日)、P.33,35,36
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みなされたもので、高温耐性に優れたリチウム一次電池用正極活物質及び該正極活物質に用いられる二酸化マンガンの製造方法を提供することを課題とするものである。
なお、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物のMnを他元素で置換したものはリチウム二次電池用正極活物質として用いると充放電を繰り返しても電解液中へのMn溶解量が抑制されるという効果を奏することや(特許文献5参照)、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物の酸素をフッ素で置換して、高温(60℃)雰囲気下での電解液中へのMn溶解を抑制し、充放電サイクル寿命を向上させたリチウム二次電池正極用リチウムマンガン酸化物が知られている(特許文献6参照)。しかしながら、このようなリチウムマンガン複合酸化物はそれ自体を二次電池の正極活物質として用いるものであり、二酸化マンガンの原料とすることにより、本願発明のような特異な効果を奏することを示唆するものではない。
前記課題を解決する第1の態様は、二酸化マンガンからなるリチウム一次電池用正極活物質であって、前記二酸化マンガンが、周期律表13〜15族の非金属元素および半金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、並びにマンガン以外の金属元素からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素からなる他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有することを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質にある。
かかる第1の態様では、二酸化マンガンが内部に他元素Aを含有し且つ酸素の一部がフッ素に置換されているので、高温保存時のガス発生が抑制され、高温耐性に優れた高性能なリチウム一次電池用正極活物質を提供することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記二酸化マンガンの比表面積が、1〜12m/gであることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質にある。
かかる第2の態様では、二酸化マンガンの比表面積が1〜12m/gと低いため、有機溶媒との反応面積が減少し、高温での電池の膨張を抑制することができる。
本発明の第3の態様は、第1または2の態様において、前記二酸化マンガンには、硫酸根が0.6質量%以下含有されていることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質にある。
かかる第3の態様では、二酸化マンガンの硫酸根含有量が低いので、特に低温パルス特性に優れたリチウム一次電池用正極活物質を提供することができる。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記二酸化マンガンは、マンガン又はリチウムの一部を前記他元素Aで置換し且つ酸素の一部をフッ素で置換したリチウムマンガン複合酸化物を、鉱酸処理した後、焼成したものであることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質にある。
かかる第4の態様では、マンガン又はリチウムの一部を前記他元素Aで置換し且つ酸素の一部をフッ素で置換したリチウムマンガン複合酸化物を鉱酸処理した後焼成することにより、マンガンと均一な他元素Aを内部に含有し且つ酸素の一部がフッ素に置換され酸素とフッ素が均一な二酸化マンガンからなるリチウム一次電池用正極活物質を提供することができる。
本発明の第5の態様は、二酸化マンガンからなるリチウム一次電池用正極活物質であって、前記二酸化マンガンが、マンガン又はリチウムの一部を周期律表13〜15族の非金属元素および半金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、並びにマンガン以外の金属元素からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素からなる他元素Aで置換すると共に酸素の一部をフッ素で置換し且つホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物を、鉱酸処理した後、焼成することにより製造された二酸化マンガンであることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質にある。
かかる第5の態様では、マンガン又はリチウムの一部を前記他元素Aで置換すると共に酸素の一部をフッ素で置換し且つホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物を鉱酸処理した後焼成することにより、マンガンと均一な他元素Aを内部に含有し且つ酸素の一部がフッ素に置換され酸素とフッ素が均一な二酸化マンガンであって、比表面積が低い二酸化マンガンからなるリチウム一次電池用正極活物質を提供することができる。
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記二酸化マンガンが、他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有することを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質にある。
かかる第6の態様では、二酸化マンガンが、他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有するので、リチウム一次電池に用いると電池の高温耐性を良好にすることができる。
本発明の第7の態様は、第5または6の態様において、前記二酸化マンガンの比表面積が、1〜8m/gであることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質にある。
かかる第7の態様では、二酸化マンガンの比表面積が1〜8m/gと低いため、高温での電池の膨張を抑制することができ、高温耐性に優れた高性能なリチウム一次電池用正極活物質を提供することができる。
本発明の第8の態様は、第5〜7の何れかの態様において、前記二酸化マンガンには、硫酸根が0.1質量%以下含有されていることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質にある。
かかる第8の態様では、二酸化マンガンの硫酸根含有量が低いので、特に低温パルス特性に優れたリチウム一次電池用正極活物質を提供することができる。
本発明の第9の態様は、第5〜8の何れかの態様において、前記二酸化マンガンには、ホウ素が0.01質量%以下含有されていることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質にある。
かかる第9の態様では、二酸化マンガンのホウ素含有量が0.01質量%以下で高温耐性に優れた高性能なリチウム一次電池用正極活物質を提供することができる。
本発明の第10の態様は、第5〜9の何れかの態様において、前記リチウムマンガン複合酸化物は、ホウ素含有量が0.001〜2.0質量%のものであることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質にある。
かかる第10の態様では、ホウ素が0.001〜2.0質量%含有されているリチウムマンガン複合酸化物を鉱酸処理した後焼成するので、比表面積が1〜8m/gであるβ型二酸化マンガンからなるリチウム一次電池用正極活物質を得ることができる。
本発明の第11の態様は、マンガン又はリチウムの一部を周期律表13〜15族の非金属元素および半金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、並びにマンガン以外の金属元素からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素からなる他元素Aで置換し且つ酸素の一部をフッ素で置換したリチウムマンガン複合酸化物を鉱酸処理した後、焼成することにより、他元素Aを含有し且つ酸素の一部がフッ素に置換された二酸化マンガンを得ることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法にある。
かかる第11の態様では、マンガン又はリチウムの一部を他元素Aで置換し且つ酸素の一部をフッ素で置換したリチウムマンガン複合酸化物を用い、これを処理して二酸化マンガンとすることにより、内部に他元素Aを含有し且つ酸素の一部をフッ素に置換した二酸化マンガンを容易に得ることができ、また、この二酸化マンガンをリチウム一次電池に用いると電池の高性能化を図ることができる。
本発明の第12の態様は、第11の態様において、前記二酸化マンガンが、他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有することを特徴とする二酸化マンガンの製造方法にある。
かかる第12の態様では、二酸化マンガンが他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有するので、リチウム一次電池に用いると電池の高温耐性を良好にすることができる。
本発明の第13の態様は、第11または12の態様において、前記リチウムマンガン複合酸化物を、原料としての二酸化マンガンとリチウム塩とフッ素化合物と他元素Aを含む化合物とを混合した後、焼成することにより得ることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法にある。
かかる第13の態様では、原料としての二酸化マンガンとリチウム塩とフッ素化合物と他元素Aを含む化合物とを混合した後焼成することにより得たマンガン又はリチウムの一部を他元素Aで置換し且つ酸素の一部をフッ素で置換したリチウムマンガン複合酸化物を用い、これを処理して二酸化マンガンとするので、内部に他元素Aを含有し且つ酸素の一部をフッ素で置換した二酸化マンガンを容易に得ることができ、この二酸化マンガンをリチウム一次電池に用いると電池の高性能化を図ることができる。
本発明の第14の態様は、第13の態様において、前記リチウムマンガン複合酸化物を、原料としての二酸化マンガンとリチウム塩とフッ素化合物と他元素Aを含む化合物とを混合した後、550〜950℃で焼成することにより得ることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法にある。
かかる第14の態様では、550〜950℃で焼成してマンガン又はリチウムの一部を他元素Aで置換し且つ酸素の一部をフッ素で置換したリチウムマンガン複合酸化物を得、これを処理して二酸化マンガンとするので、硫酸根含有量が0.6質量%以下の二酸化マンガンを得ることができる。
本発明の第15の態様は、第13または14の態様において、前記原料としての二酸化マンガンが、電解法により得られた電解二酸化マンガンであることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法にある。
かかる第15の態様では、電解二酸化マンガンを原料とし、他元素Aを含有し且つ酸素の一部をフッ素で置換した二酸化マンガンとすることにより、リチウム一次電池に用いると電池の高性能化を図ることができる二酸化マンガンを得ることができる。
本発明の第16の態様は、マンガン又はリチウムの一部を周期律表13〜15族の非金属元素および半金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、並びにマンガン以外の金属元素からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素からなる他元素Aで置換すると共に酸素の一部をフッ素で置換し且つホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物を鉱酸処理した後、焼成することにより、他元素Aを含有し且つ酸素の一部がフッ素に置換された二酸化マンガンを得ることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法にある。
かかる第16の態様では、マンガン又はリチウムの一部を他元素Aで置換すると共に酸素の一部をフッ素で置換し且つホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物を用い、これを処理して二酸化マンガンとすることにより、内部に他元素Aを含有し且つ酸素の一部をフッ素に置換した二酸化マンガンであって、比表面積の低い二酸化マンガンを容易に得ることができ、また、この二酸化マンガンをリチウム一次電池に用いると電池の高性能化を図ることができる。
本発明の第17の態様は、第16の態様において、前記二酸化マンガンが、他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有することを特徴とする二酸化マンガンの製造方法にある。
かかる第17の態様では、二酸化マンガンが他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有するので、リチウム一次電池に用いると電池の高温耐性を良好にすることができる。
本発明の第18の態様は、第16または17の態様において、前記リチウムマンガン複合酸化物を、原料としての二酸化マンガンとリチウム塩とホウ素化合物とフッ素化合物と他元素Aを含む化合物とを混合した後、焼成することにより得ることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法にある。
かかる第18の態様では、原料としての二酸化マンガンとリチウム塩とホウ素化合物とフッ素化合物と他元素Aを含む化合物とを混合した後焼成することにより得たマンガン又はリチウムの一部を他元素Aで置換すると共に酸素の一部をフッ素で置換し且つホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物を用い、これを処理して二酸化マンガンとするので、内部に他元素Aを含有し且つ酸素の一部をフッ素で置換した二酸化マンガンであって、比表面積の低い二酸化マンガンを容易に得ることができ、この二酸化マンガンをリチウム一次電池に用いると電池の高性能化を図ることができる。
本発明の第19の態様は、第18の態様において、前記リチウムマンガン複合酸化物を、原料としての二酸化マンガンとリチウム塩とホウ素化合物とフッ素化合物と他元素Aを含む化合物とを混合した後、550〜950℃で焼成することにより得ることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法にある。
かかる第19の態様では、550〜950℃で焼成してマンガン又はリチウムの一部を他元素Aで置換すると共に酸素の一部をフッ素で置換し且つホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物を得、これを処理して二酸化マンガンとするので、硫酸根含有量が0.1質量%以下の二酸化マンガンを得ることができる。
本発明の第20の態様は、第18または19の態様において、前記原料としての二酸化マンガンが、電解法により得られた電解二酸化マンガンであることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法にある。
かかる第20の態様では、電解二酸化マンガンを原料とし、他元素Aを含有し且つ酸素の一部をフッ素で置換した比表面積の低い二酸化マンガンとすることにより、リチウム一次電池に用いると電池の高性能化を図ることができる二酸化マンガンを得ることができる。
以下、本発明の構成をさらに詳細に説明する。
本発明の正極活物質は、二酸化マンガンに事後的に他元素Aやフッ素を添加したものと異なり、二酸化マンガンが他元素Aを内部に含有し且つ酸素の一部がフッ素に置換されたものである。さらに詳言すると、他元素Aが内部に含有された状態とは、例えばX線回折で測定した時、他元素Aおよび他元素Aの酸化物等が観察されない状態であり、他元素Aが二酸化マンガンに一体的に固溶、もしくは、マンガン複合酸化物を形成していると推測される。また、二酸化マンガンの酸素がフッ素に置換された状態とは、例えばX線回折で測定した時、フッ化物が観察されない状態であり、フッ素が酸素を置換して一体的な二酸化マンガンとなっていると推測される。
本発明の正極活物質は、高温耐性に優れる、すなわち、低温パルス特性等の電池特性の高温保存後の劣化が低減されるという特性を有する。これは、二酸化マンガンが他元素Aを内部に含有し且つ酸素の一部がフッ素に置換されたことにより、二酸化マンガンのマンガン価数を低下させて酸化触媒活性を落とし、これにより、高温での有機溶媒分解によるガス発生が引き起こす電池の膨張が改善され、内部抵抗の上昇が抑制されて、低温パルス特性等の電池特性の劣化が改善されたと推測される。
このような他元素Aを内部に含有し且つ酸素の一部がフッ素に置換された二酸化マンガンは、例えば、マンガン又はリチウムの一部を他元素Aで置換し且つ酸素の一部をフッ素で置換したリチウムマンガン複合酸化物を、鉱酸処理した後、焼成することにより得ることができ、この場合には、リチウムマンガン複合酸化物の時点で、マンガン又はリチウムの一部を他元素Aに置換し且つ酸素の一部をフッ素に置換する必要がある。
ここで他元素Aとは、周期律表13〜15族の非金属元素および半金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、並びにマンガン以外の金属元素からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素である。周期律表13〜15族の非金属元素および半金属元素としては、窒素、ホウ素、ケイ素、ヒ素、リン等が挙げられる。また、アルカリ金属としては、リチウム、カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム等が挙げられる。さらに、マンガン以外の金属元素としては、アルミニウム、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等を例示することができる。他元素Aは上記の元素であればよいが、特にマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム等の13族金属元素、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の第4周期の遷移金属元素が好ましい。
本発明の二酸化マンガンは、他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有することが好ましい。他元素Aの含有量が0.01質量%より低い又はフッ素の含有量が0.01質量%より低いと、リチウム一次電池の正極活物質として用いた時、電池での高温保存時のガス発生抑制効果が低くなり、他元素Aの含有量が5.0質量%より高い又はフッ素の含有量が5.0質量%より高いと電池での低温パルス特性が低下する。ここでフッ素の含有量は、本発明の二酸化マンガンをMnO2−xで表すと、Xは0.001≦X≦0.2であることが好ましい。
また、本発明の二酸化マンガンの比表面積は、1〜12m/gであることが好ましい。比表面積が12m/gより高いと反応面積が大きいため、リチウム一次電池の正極活物質として用いた時、電池での高温保存時のガス発生抑制効果が低くなり、1m/gより低いと低温パルス特性が低下する。
二酸化マンガンの比表面積が1〜12m/gと低いと、反応面積が減少し、高温での有機溶媒分解によるガス発生が減少するため、電池の膨張を抑制することができる。また、水分も有機溶媒を分解しガスを発生して電池を膨張させるが、比表面積が低いと付着する水分量が低くなり、高温での有機溶媒分解を抑制できるため、リチウム一次電池の正極活物質として用いると、高温耐性に優れた電池とすることができる。
ここで比表面積は、例えば、BETの一点法によって測定される。測定条件の例としては以下の通りである。
測定装置:カンタクロム社製モノソーブ
サンプル質量:0.15g
測定前の脱ガス条件:250℃にて窒素ガスを30cc/分の流量で導入しながら20分間加熱
吸着測定温度:21±1℃から−196℃まで冷却
脱離測定温度:−196℃から21±1℃まで昇温
さらに、本発明の二酸化マンガンに含有される硫酸根(SO)は、0.6質量%以下であることが好ましい。硫酸根含有量が0.6質量%より高いと電池の正極活物質として用いた時、電池での低温パルス特性向上効果及び高温保存時のガス発生抑制効果が低くなる。硫酸根が0.6質量%以下であると、結晶性が向上し二酸化マンガン内部でのリチウムの拡散性が向上して、低温パルス特性が改善されると推測される。また、硫酸根は有機溶媒を分解し二酸化炭素等を発生して電池を膨張させるが、硫酸根濃度を0.6質量%以下とすることにより、高温での有機溶媒分解を抑制することができる。ここで、二酸化マンガンに含有される硫酸根は、二酸化マンガンに事後的に添加したものではなく、例えば電解法により製造された電解二酸化マンガンを原料とする場合は、電解により製造された時点で電解二酸化マンガンの内部に含有される硫酸根に由来する。
本発明の他元素Aを内部に含有し且つ酸素の一部がフッ素に置換された二酸化マンガンの製造方法では、マンガン又はリチウムの一部を前記他元素Aで置換し且つ酸素の一部をフッ素で置換したリチウムマンガン複合酸化物を鉱酸処理した後、焼成する。すなわち、マンガン酸リチウムなどのリチウムマンガン複合酸化物の合成過程でマンガン又はリチウムの一部を他元素Aに置換し且つ酸素の一部をフッ素に置換する工程を行うことにより、二酸化マンガンの内部に他元素Aを含有させ且つ酸素の一部をフッ素に置換することができる。
具体的には、例えば、まず、原料としての二酸化マンガンとリチウム塩とフッ素化合物と他元素Aを含む化合物とを混合した後焼成して、マンガン又はリチウムの一部を他元素Aに置換し且つ酸素の一部をフッ素に置換したリチウムマンガン複合酸化物を得る。ここで、リチウムマンガン複合酸化物はスピネル構造であることが好ましい。後述する鉱酸処理で、リチウムマンガン複合酸化物からリチウムを除去しやすくするためである。
原料としての二酸化マンガンは、電解法によって得られたもの、化学合成により得られたもの、天然のものの何れでもよく、また、これらを加熱処理したものやリン等を添加したものでもよいが、特に電解二酸化マンガンを用いることが好ましい。なお、電解二酸化マンガンは、例えば、従来から知られている硫酸マンガン及び硫酸溶液からなる電解液を電解して得ることができる。具体的には、例えば、電解液中のマンガン濃度は20〜50g/L、硫酸濃度は30〜80g/Lが一般的である。また、電極として陽極にはチタン等、陰極にはカーボン等を用いることができる。電解条件も従来から知られている条件でよく、例えば、浴温90〜100℃、電流密度50〜100A/mで行えばよい。
ここで、現在、リチウム一次電池の正極活物質として使用されている電解二酸化マンガンは、0.8〜1.3質量%の硫酸根を含有しているが、本発明の製造方法では、原料としての二酸化マンガンに含有される硫酸根は、リチウムマンガン複合酸化物合成時点でほとんどが硫酸リチウムとなるため、後述する鉱酸処理時に溶出して除去され、硫酸根は0.6質量%以下となる。したがって、上述の製造方法では、原料としての二酸化マンガンは、硫酸根を0.6質量%より多く含んでいてもよい。また、先に出願した特願2002−140703号に記載されているように、硫酸根を1.3〜1.6質量%と多く含有する電解二酸化マンガンも、原料としての二酸化マンガンとして用いることができる。
また、この製造方法で用いるリチウム塩としては、炭酸リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム等を挙げることができる。
この製造方法で用いるフッ素化合物としては、アルカリ金属のフッ素化合物、遷移金属のフッ素化合物等、具体的には、フッ化リチウム、フッ化マンガン等を挙げることができる。フッ素化合物は、酸素部分置換量相当の量を用いればよい。
この製造方法で用いる他元素Aを含む化合物としては、他元素Aの酸化物、他元素Aの水酸化物、他元素Aの硝酸塩、他元素Aのシュウ酸塩等、具体的には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。他元素Aを含む化合物は、マンガン又はリチウム部分置換量相当の量を用いればよい。なお、他元素Aをリチウムとする場合は、他元素Aを含む化合物として上記リチウム塩と同様に炭酸リチウムを好適に用いることができるが、この場合は、リチウムマンガン複合酸化物のリチウムサイトに必要な炭酸リチウムよりも過剰な量を用いることにより、マンガンの一部をリチウムで置換したリチウムマンガン複合酸化物を得ることができる。
原料としての二酸化マンガンと、リチウム塩と、フッ素化合物と、他元素Aを含む化合物とを混合した後の焼成条件は特に限定されないが、焼成温度は550〜950℃であることが好ましく、また、焼成時間は5〜20時間であることが好ましい。この温度で焼成するとリチウムマンガン複合酸化物はスピネル構造となり、鉱酸処理によりリチウムサイトのリチウムを除去しやすくなるからである。また、550℃以上で焼成すると硫酸根はほとんど硫酸リチウムとなり、次の鉱酸処理工程で除去できるため、550℃以上で焼成することが好ましい。例えば550℃で焼成した場合は二酸化マンガンの硫酸根含有量は0.6質量%以下、950℃で焼成した場合は二酸化マンガンの硫酸根含有量は0.2質量%以下とすることができる。なお、950℃より高温で焼成した場合は、分解してMn等の不純物が、550℃より低温で焼成した場合はLiMn(式中Zは、Z>4)等の不純物が生成してしまうため、低温パルス特性等の電池特性は低下し、さらに、高温耐性も低下してしまう傾向にある。さらに、原料の粒径によっても影響されるが、焼成温度を550〜950℃とすると、本発明の二酸化マンガンの比表面積は1〜12m/gの範囲となる。
この製造方法でリチウムマンガン複合酸化物を製造すると、例えば、他元素Aをマグネシウムやカルシウムやリチウムとした場合は、マンガンの一部を置換したリチウムマンガン複合酸化物となり、他元素Aを亜鉛とした場合は、リチウムの一部を置換したリチウムマンガン複合酸化物となる。
次に、マンガン又はリチウムの一部を他元素Aに置換し且つ酸素の一部をフッ素に置換したリチウムマンガン複合酸化物を鉱酸処理することにより、リチウムサイトのリチウムを除去する。ここで、鉱酸とは、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸であり、鉱酸処理とは、この鉱酸によりリチウムマンガン複合酸化物中のリチウムサイトのリチウムを除去して、λ型二酸化マンガンを得ることである。リチウムマンガン複合酸化物としてスピネル構造のものを用いると鉱酸処理でリチウムサイトのリチウムを容易に除去することができるため、リチウムサイト由来のリチウムの含有量が0.5質量%以下の二酸化マンガンを得ることができる。なお、他元素A及びフッ素はこの鉱酸処理によりほとんど除去されない。また、他元素Aをリチウムとした場合に得られるマンガンの一部をリチウムに置換したリチウムマンガン複合酸化物において、マンガンの一部を置換したリチウムは、鉱酸処理によりほとんど除去されない。鉱酸処理の条件は、リチウムマンガン複合酸化物中のリチウムサイトのリチウムを除去できれば特に限定されないが、例えば、10〜100g/Lの鉱酸、例えば硫酸で1時間程度洗滌後、2〜3度水洗することが好ましい。
上記鉱酸処理後、焼成することにより水分を除去してβ型二酸化マンガンである本発明の二酸化マンガンを得る。この焼成条件は特に限定されないが、焼成温度は350〜450℃が好ましく、また、焼成時間は2〜10時間であることが好ましい。
ここで、本発明の二酸化マンガンを製造するための上記リチウムマンガン複合酸化物を、さらにホウ素を含有したものとすることもできる。すなわち、マンガン酸リチウムなどのリチウムマンガン複合酸化物の合成過程でマンガン又はリチウムの一部を他元素Aで置換すると共に酸素の一部をフッ素で置換し且つホウ素を含有させる工程を行うこともできる。リチウムマンガン複合酸化物に含有されたホウ素は、上述した他元素A及びフッ素を含有するリチウムマンガン複合酸化物の比表面積を低減させる。
このように他元素A及びフッ素を含有し且つホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物とは、例えば、他元素Aやフッ素は省略するが、LiMn・Liのように、ホウ素化合物が水に可溶性の塩となってリチウムマンガン複合酸化物と共に存在している状態である。従って、リチウムマンガン複合酸化物に含有されるホウ素化合物は、鉱酸処理によって除去されるため、この方法で製造した場合、本発明の二酸化マンガン中のホウ素含有量は通常0.01質量%以下となる。しかしながら、リチウムマンガン複合酸化物の段階でホウ素を含有させることにより上述のように比表面積が低減するため、鉱酸処理によりホウ素が除去された二酸化マンガンも比表面積が低くなり、他元素A及びフッ素を含有し且つホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物を原料として用いた本発明の二酸化マンガンを、電池の正極活物質として用いると、高温での有機溶媒分解によるガス発生が引き起こす電池の膨張が改善されるものと推測される。
本発明の二酸化マンガンを製造するためのリチウムマンガン複合酸化物に含有されるホウ素の割合は、0.001〜2.0質量%が好ましい。含有量が0.001質量%より低いと、二酸化マンガンの比表面積を低減させる効果が顕著ではなくなり、水分含有量は高くなるため、本発明の二酸化マンガンをリチウム一次電池の正極活物質として用いた時、電池での高温保存時のガス発生抑制効果は顕著でなくなり、2.0質量%より高いと電池での低温パルス特性が低下する傾向がある。
さらに、このように他元素A及びフッ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物にホウ素を含有させて得た本発明の二酸化マンガンに含有される硫酸根(SO)は、0.1質量%以下であることが好ましい。鉱酸処理時に溶出して除去され、上述のように硫酸根は0.6質量%以下となるが、ホウ素を含有させることにより、このリチウムマンガン複合酸化物合成段階で硫酸根が硫酸リチウムになる反応が促進されるので、ホウ素を含有しない場合に鉱酸処理で除去できない硫酸根量が低減され、二酸化マンガンの硫酸根の含有量を0.1質量%以下まで低減させることができる。
他元素A及びフッ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物にホウ素も含有させたリチウムマンガン複合酸化物を原料として用いた二酸化マンガンの製造方法では、上記マンガン又はリチウムの一部を他元素Aに置換し且つ酸素の一部をフッ素に置換したリチウムマンガン複合酸化物であってさらにホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物を鉱酸処理した後、焼成する。具体的には、例えば、原料としての二酸化マンガンと、リチウム塩と、ホウ素化合物と、フッ素化合物と、他元素Aを含む化合物とを混合した後焼成して、ホウ素を含有するリチウムマンガン複合酸化物を得る。
ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸リチウム、四ホウ酸ナトリウム等を挙げることができる。ホウ素化合物は、リチウムマンガン複合酸化物合成時に、ホウ素を0.001〜2.0質量%含むようになる量を用いることが好ましい。
原料としての二酸化マンガンとリチウム塩とホウ素化合物とフッ素化合物と他元素Aを含む化合物を混合した後、焼成温度550〜950℃でホウ素含有量が0.001〜2.0質量%のリチウムマンガン複合酸化物を合成すると、原料の粒径によっても影響されるが、比表面積が1〜8m/gの二酸化マンガンを得ることができる。なお、その他の工程等については、上述のマンガン又はリチウムの一部を他元素Aに置換し且つ酸素の一部をフッ素に置換したリチウムマンガン複合酸化物を用いた場合と同様である。
本発明の二酸化マンガン、すなわち、内部に他元素Aを含有し且つ酸素の一部をフッ素に置換した二酸化マンガン、または、マンガン又はリチウムの一部を他元素Aに置換すると共に酸素の一部をフッ素に置換し且つホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物を原料とした二酸化マンガンを、リチウム一次電池の正極活物質に用いると、低温パルス特性及び高温耐性に優れた電池となる。なお、リチウム一次電池の負極活物質は従来から知られているものでよく、例えば、リチウム等を用いることができる。また、電池を構成する電解液も従来から知られているものでよく、例えば、リチウム塩の有機溶媒溶液等を用いることができる。
このように、本発明の正極活物質を用いたリチウム一次電池は低温パルス特性及び高温耐性に優れているので、高温、例えば120℃以上でも好適に使用することができる。
本発明の正極活物質は、二酸化マンガンが内部に他元素Aを含有し且つ酸素の一部をフッ素に置換することにより、高温での低温パルス特性等の電池特性の劣化が改善される。また、鉱酸処理により含有される硫酸根等の不純物を低減したため、結晶性が向上し二酸化マンガン内部でのリチウムの拡散性が向上して、低温パルス特性が改善される。さらに、二酸化マンガンの比表面積を1〜12m/gと低くすると有機溶媒との反応面積が減少し、加えて付着水分量が低くなるため、高温での電池の膨張を抑制することができる。なお、マンガン又はリチウムの一部を他元素Aに置換すると共に酸素の一部をフッ素に置換し且つホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物を鉱酸処理した後、焼成することにより、リチウム一次電池の正極活物質として用いると高温耐性及び低温パルス特性に優れた電池となる二酸化マンガンを製造することができる。
以上説明したように、本発明によると、二酸化マンガンの酸素の一部をフッ素に置換し且つ他元素Aを含有しているので、高温耐性及び低温パルス特性に優れた高性能なリチウム一次電池用正極活物質とすることができる。また、マンガンまたはリチウムの一部を他元素Aで置換し且つ酸素の一部をフッ素に置換したリチウムマンガン複合酸化物を鉱酸処理した後、焼成することにより、他元素A及びフッ素を含有する二酸化マンガンを得ることができる。さらに、この二酸化マンガンをリチウム一次電池の正極活物質として用いると、高温耐性に優れた電池、特に120℃の高温保存前後共に低温パルス特性に優れた電池を得ることができるという効果を奏する。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
MnOとLiCOを主原料として使用したLiMnの合成において、LiF及びMgOを添加して、Oの一部をFで置換し且つMnの一部をMgで置換したLiMnを得た。具体的には、フッ素含有量が0.1質量%、マグネシウム含有量が2.5質量%となるようにLiF及びMgOを添加して、MnO(通常の電解二酸化マンガン)とLiCOを混合し、大気中750℃で焼成することにより、マグネシウム及びフッ素を含有するリチウムマンガン複合酸化物を得た。これを、100g/LのHSOで洗滌した後、水洗を行った。この後、濾過、乾燥を行い、大気中400℃で焼成することにより実施例1の二酸化マンガン(平均粒径10〜30μm)を得た。
(実施例2)
リチウムマンガン複合酸化物のフッ素含有量が0.01質量%となるようにした以外は、実施例1と同様に行って実施例2の二酸化マンガンを得た。
(実施例3)
リチウムマンガン複合酸化物のフッ素含有量が5.0質量%となるようにした以外は、実施例1と同様に行って実施例3の二酸化マンガンを得た。
(実施例4)
リチウムマンガン複合酸化物のマグネシウム含有量が0.01質量%となるようにした以外は、実施例1と同様に行って実施例4の二酸化マンガンを得た。
(実施例5)
リチウムマンガン複合酸化物のマグネシウム含有量が5.0質量%となるようにした以外は、実施例1と同様に行って実施例5の二酸化マンガンを得た。
(実施例6)
リチウムマンガン複合酸化物合成時の焼成温度を550℃とした以外は、実施例1と同様に行って実施例6の二酸化マンガンを得た。
(実施例7)
リチウムマンガン複合酸化物合成時の焼成温度を950℃とした以外は、実施例1と同様に行って実施例7の二酸化マンガンを得た。
(実施例8)
リチウムマンガン複合酸化物合成時の焼成温度を500℃とした以外は、実施例1と同様に行って実施例8の二酸化マンガンを得た。
(実施例9)
リチウムマンガン複合酸化物合成時の焼成温度を1000℃とした以外は、実施例1と同様に行って実施例9の二酸化マンガンを得た。
(実施例10)
マグネシウムを鉄とした以外は、実施例1と同様に行って実施例10の二酸化マンガンを得た。
(実施例11)
マグネシウムをケイ素とした以外は、実施例1と同様に行って実施例11の二酸化マンガンを得た。
(実施例12)
マグネシウムをリンとした以外は、実施例1と同様に行って実施例12の二酸化マンガンを得た。
(実施例13)
MnOとLiCOを主原料として使用したLiMnの合成において、LiF、MgO及びFeOを添加して、Oの一部をFで置換しMnの一部をMg及びFeで置換したLiMnの得た。具体的には、フッ素含有量が0.1質量%、マグネシウム含有量が1.25質量%、鉄含有量が1.25質量%となるようにLiF、MgO及びFeOを添加して、MnO(通常の電解二酸化マンガン)とLiCOを混合し、大気中750℃で焼成することにより、フッ素、マグネシウム及び鉄を含有するリチウムマンガン複合酸化物を得た。これを、100g/LのHSOで洗滌した後、水洗を行った。この後、濾過、乾燥を行い、大気中400℃で焼成することにより実施例13の二酸化マンガンを得た。
(実施例14)
マグネシウムを亜鉛として、Oの一部をFで置換しLiの一部をZnで置換したLiMnの得た以外は、実施例1と同様に行って実施例14の二酸化マンガンを得た。
(実施例15)
マグネシウムをアルミニウムとした以外は、実施例1と同様に行って実施例15の二酸化マンガンを得た。
(実施例16)
マグネシウムをカルシウムとした以外は、実施例1と同様に行って実施例16の二酸化マンガンを得た。
(実施例17)
MnOとLiCOを主原料として使用したLiMnの合成において、LiF及び過剰量のLiCOを添加して、Oの一部をFで置換し且つMnの一部をLiで置換したLiMnを得た。具体的には、フッ素含有量が0.1質量%、マンガンを置換したリチウムの含有量が2.5質量%となるようにLiF及び過剰量のLiCOを添加して、MnO(通常の電解二酸化マンガン)を混合し、大気中750℃で焼成することにより、リチウム及びフッ素を含有するリチウムマンガン複合酸化物を得た。これを、100g/LのHSOで洗滌した後、水洗を行った。この後、濾過、乾燥を行い、大気中400℃で焼成することにより実施例17の二酸化マンガン(平均粒径10〜30μm)を得た。
(実施例18)
MnOとLiCOを主原料として使用したLiMnの合成において、LiF、MgO及びLiを添加して、Mnの一部をMgで置換すると共にOの一部をFで置換し且つホウ素を含有するLiMnを得た。具体的には、マグネシウム含有量が1.0質量%、フッ素含有量が0.1質量%、ホウ素含有量が0.01質量%となるようにLiF、MgO及びLiを添加して、MnO(通常の電解二酸化マンガン)とLiCOを混合し、大気中750℃で焼成することにより、マグネシウム、フッ素及びホウ素を含有するリチウムマンガン複合酸化物を得た。これを、100g/LのHSOで洗滌した後、水洗を行った。この後、濾過、乾燥を行い、大気中400℃で焼成することにより実施例18の二酸化マンガン(平均粒径10〜30μm)を得た。
(実施例19)
リチウムマンガン複合酸化物のホウ素含有量が0.001質量%となるようにした以外は、実施例18と同様に行って実施例19の二酸化マンガンを得た。
(実施例20)
リチウムマンガン複合酸化物のホウ素含有量が2.0質量%となるようにした以外は、実施例18と同様に行って実施例20の二酸化マンガンを得た。
(実施例21)
リチウムマンガン複合酸化物のフッ素含有量が0.01質量%となるようにした以外は、実施例18と同様に行って実施例21の二酸化マンガンを得た。
(実施例22)
リチウムマンガン複合酸化物のフッ素含有量が5.0質量%となるようにした以外は、実施例18と同様に行って実施例22の二酸化マンガンを得た。
(実施例23)
リチウムマンガン複合酸化物のマグネシウム含有量が0.01質量%となるようにした以外は、実施例18と同様に行って実施例23の二酸化マンガンを得た。
(実施例24)
リチウムマンガン複合酸化物のマグネシウム含有量が5.0質量%となるようにした以外は、実施例18と同様に行って実施例24の二酸化マンガンを得た。
(実施例25)
リチウムマンガン複合酸化物合成時の焼成温度を550℃とした以外は、実施例18と同様に行って実施例25の二酸化マンガンを得た。
(実施例26)
リチウムマンガン複合酸化物合成時の焼成温度を950℃とした以外は、実施例18と同様に行って実施例26の二酸化マンガンを得た。
(実施例27)
リチウムマンガン複合酸化物合成時の焼成温度を500℃とした以外は、実施例18と同様に行って実施例27の二酸化マンガンを得た。
(実施例28)
リチウムマンガン複合酸化物合成時の焼成温度を1000℃とした以外は、実施例18と同様に行って実施例28の二酸化マンガンを得た。
(実施例29)
マグネシウムを亜鉛として、Liの一部をZnで置換すると共にOの一部をFで置換し且つホウ素を含有するLiMnを得た以外は、実施例18と同様に行って実施例29の二酸化マンガンを得た。
(実施例30)
マグネシウムをアルミニウムとした以外は、実施例18と同様に行って実施例30の二酸化マンガンを得た。
(実施例31)
マグネシウムをカルシウムとした以外は、実施例18と同様に行って実施例31の二酸化マンガンを得た。
(実施例32)
MnOとLiCOを主原料として使用したLiMnの合成において、LiF、Li及び過剰量のLiCOを添加して、Mnの一部をLiで置換すると共にOの一部をFで置換し且つホウ素を含有するLiMnを得た。具体的には、フッ素含有量が0.1質量%、ホウ素含有量が0.01質量%、マンガンを置換したリチウムの含有量が1.0質量%となるようにLiF、Li及び過剰量のLiCOを添加して、MnO(通常の電解二酸化マンガン)を混合し、大気中750℃で焼成することにより、リチウム、フッ素及びホウ素を含有するリチウムマンガン複合酸化物を得た。これを、100g/LのHSOで洗滌した後、水洗を行った。この後、濾過、乾燥を行い、大気中400℃で焼成することにより実施例32の二酸化マンガン(平均粒径10〜30μm)を得た。
(比較例1)
リチウムマンガン複合酸化物のフッ素含有量が0.005質量%となるようにした以外は、実施例1と同様に行って比較例1の二酸化マンガンを得た。
(比較例2)
リチウムマンガン複合酸化物のフッ素含有量が6.0質量%となるようにした以外は、実施例1と同様に行って比較例2の二酸化マンガンを得た。
(比較例3)
リチウムマンガン複合酸化物のマグネシウム含有量が0.005質量%となるようにした以外は、実施例1と同様に行って比較例3の二酸化マンガンを得た。
(比較例4)
リチウムマンガン複合酸化物のマグネシウム含有量が6.0質量%となるようにした以外は、実施例1と同様に行って比較例4の二酸化マンガンを得た。
(比較例5)
通常の電解二酸化マンガンを、400℃で焼成し、比較例5の二酸化マンガンを得た。
(比較例6)
通常の電解二酸化マンガンにMgO及びLiFを添加混合し、400℃で焼成して、フッ素及びマグネシウムを事後的に添加した比較例6の二酸化マンガンを得た。
(比較例7)
リチウムマンガン複合酸化物のホウ素含有量が0.0005質量%となるようにした以外は、実施例18と同様に行って比較例7の二酸化マンガンを得た。
(比較例8)
リチウムマンガン複合酸化物のホウ素含有量が3.0質量%となるようにした以外は、実施例18と同様に行って比較例8の二酸化マンガンを得た。
(比較例9)
リチウムマンガン複合酸化物のフッ素素含有量が0.005質量%となるようにした以外は、実施例18と同様に行って比較例9の二酸化マンガンを得た。
(比較例10)
リチウムマンガン複合酸化物のフッ素素含有量が6.0質量%となるようにした以外は、実施例18と同様に行って比較例10の二酸化マンガンを得た。
(比較例11)
リチウムマンガン複合酸化物のマグネシウム含有量が0.005質量%となるようにした以外は、実施例18と同様に行って比較例11の二酸化マンガンを得た。
(比較例12)
リチウムマンガン複合酸化物のマグネシウム含有量が6.0質量%となるようにした以外は、実施例18と同様に行って比較例12の二酸化マンガンを得た。
(比較例13)
通常の電解二酸化マンガンにLiF、MgO及びLiを添加混合し、400℃で焼成して、フッ素、マグネシウム及びホウ素を事後的に添加した比較例13の二酸化マンガンを得た。
(試験例1)
実施例1〜32および比較例1〜13で得られた二酸化マンガンのフッ素含有量、他元素A含有量、硫酸根含有量および比表面積を、実施例18〜32と比較例5及び7〜13についてはホウ素含有量についても測定した。実施例1〜17および比較例1〜6については表1−1及び表1−2に、実施例18〜32および比較例7〜13については表2−1及び表2−2に測定結果を示す。なお、二酸化マンガン中のフッ素含有量はイオンクロマト法で測定し、二酸化マンガン中の他元素A含有量、硫酸根含有量及びホウ素含有量は、通常のICP発光分光分析法で測定した。また、比表面積の測定は、窒素通気中で250℃で20分間、二酸化マンガンを加熱し、細孔内の水分を除去後、BET1点法で行った。
表1−1〜表2−2に示すように、実施例1〜32の二酸化マンガンの他元素A含有量は0.01〜5.0質量%で、フッ素の含有量は0.01〜5.0質量%であり、また、実施例18〜32のホウ素含有量は0.01質量%以下であった。
(実施例1A〜32A)
実施例1〜32で得られた二酸化マンガンを正極活物質として、図1の断面図で示すコイン型リチウム一次電池を作成した。
正極1としては、上記正極活物質粉末を使用し、これに導電剤としてアセチレンブラック、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末を質量比90:10:5で混練し、これをローラープレスにより厚み0.5mmのシート状に成形した後、直径14mmの円形に打ち抜いたものを用いた。負極2としては、厚み0.3mmのリチウム箔を直径16mmの円形に打ち抜いたものを用いた。また、セパレータ3に含浸されている電池の電解液としては、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンの混合溶媒にLiClOを1mol/L溶解したものを使用した。
図1に示すように、正極1は正極缶4に正極集電体6を介して圧着されている。また、正極1の上面には、上述の電池の電解液を含浸したポリプロピレン製微多孔膜のセパレータ3が配置されている。一方、負極2は、セパレータ3の上に配置され、負極2の上面に負極集電体7を介して圧着された負極缶5が配置されている。なお、負極缶5は、絶縁パッキング8を介して正極缶4の開口部を封止するように設けられており、これにより電池が密封されている。なお、電池の直径は20mm、厚さは1.6mmである。
(比較例1A〜13A)
比較例1〜13の二酸化マンガンを正極活物質として、実施例1A〜32Aと同様にコイン型リチウム一次電池を作製した。
(試験例2)
実施例1A〜32Aおよび比較例1A〜13Aのリチウム一次電池について、120℃で5日間の保存試験を行い、保存前後の低温パルス特性を測定した。測定は、−40℃で放電電流500mAで15秒ON、45秒OFFのパルス繰り返し放電を行い、カット電圧(終止電圧)1.5Vまでのパルス回数を測定した。比較例5Aの値をそれぞれ100%としてパルス特性を評価した。実施例1〜17および比較例1〜6については表1−1及び表1−2に、実施例18〜32および比較例7〜13については表2−1及び2−2に評価結果を示す。
Figure 2005100965
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表1−1及び表1−2の結果から、二酸化マンガンの他元素A含有量が0.01〜5.0質量%で且つフッ素の含有量が0.01〜5.0質量%である実施例1〜17は、従来二酸化マンガンの比較例5と比較して、概ねリチウム一次電池の保存前の低温パルス特性が向上し、また、保存後の低温パルス特性が大きく向上したことが分かった。このことから、本発明の二酸化マンガンを正極活物質としたリチウム一次電池は、−40℃の低温パルス特性に優れていること及び120℃の高温保存後の低温パルス特性が特に向上し高温耐性に優れていることがわかった。実施例8はリチウムマンガン複合酸化物合成時の焼成温度が500℃と低いので、硫酸根含有量が0.6質量%より高いためか、高温保存前の低温パルス特性は他の実施例より低下することが認められた。一方実施例9は、リチウムマンガン複合酸化物合成時の焼成温度が1000℃と高いので、硫酸根濃度は低くなるが比表面積が0.5m/gと低くなり、低温パルス特性は他の実施例より低下することが分かった。また、リチウムマンガン複合酸化物合成時の焼成温度が550〜950℃であると、比表面積1〜12m/g且つ硫酸根含有量0.6質量%以下の二酸化マンガンが得られることも分かった。
また、フッ素含有量の少ない比較例1及び他元素A含有量の少ない比較例3は、実施例と比較して高温耐性の改善は顕著でなかった。フッ素含有量の多い比較例2及び他元素A含有量の多い比較例4は、低温パルス特性が低下し高温耐性は向上しなかった。さらに、事後的にマグネシウム及びフッ素を添加した比較例6では、低温パルス特性は低下し、高温耐性は向上しなかったことから、実施例1〜17では二酸化マンガンが内部に他元素Aを固溶、もしくは、マンガン複合酸化物を形成し、且つ、酸素の一部がフッ素に置換されて上述した効果を奏するものであると推定できる。
一方、表2−1及び表2−2の結果から、リチウムマンガン複合酸化物合成時のホウ素含有量が0.001〜2.0質量%であり二酸化マンガンの他元素A含有量が0.01〜5.0質量%でフッ素の含有量が0.01〜5.0質量%である実施例18〜32は、従来二酸化マンガンの比較例5と比較して、概ねリチウム一次電池の保存前の低温パルス特性が向上し、また、保存後の低温パルス特性が大きく向上したことが分かった。このことから、本発明の二酸化マンガンを正極活物質としたリチウム一次電池は、−40℃の低温パルス特性に優れていること及び120℃の高温保存後の低温パルス特性が特に向上し高温耐性に優れていることがわかった。
また、リチウムマンガン複合酸化物のホウ素含有量が低い比較例7、フッ素含有量の少ない比較例9及び他元素A含有量の少ない比較例11は、実施例18〜32と比較して高温耐性の改善は顕著でなかった。リチウムマンガン複合酸化物のホウ素含有量が高い比較例8、フッ素含有量の多い比較例10及び他元素A含有量の多い比較例12は、低温パルス特性が大きく低下した。さらに、事後的にフッ素、マグネシウム及びホウ素を添加した比較例13では、低温パルス特性は低下し、高温耐性は向上しなかったことから、実施例18〜32ではリチウムマンガン複合酸化物の段階でフッ素、他元素A及びホウ素を添加し、鉱酸処理することにより、二酸化マンガンが内部に他元素Aを固溶、もしくは、マンガン複合酸化物を形成し、且つ、酸素の一部がフッ素に置換されて上述した効果を奏するものであると推定できる。
なお本発明について、正極活物質として二酸化マンガンの含有他元素Aとしてマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、ケイ素、リン、マグネシウムと鉄の併用、亜鉛、リチウムを例にしたリチウム一次電池について説明したが、本発明における二酸化マンガンが含有する他元素Aは、上記元素に限定されるものでなく、周期律表13〜15族の非金属元素および半金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、並びにマンガン以外の金属元素からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素が対象となり、同様に有効である。
本発明に係る正極活物質を用いたリチウム一次電池の断面図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 正極缶
5 負極缶
6 正極集電体
7 負極集電体
8 絶縁パッキング

Claims (20)

  1. 二酸化マンガンからなるリチウム一次電池用正極活物質であって、前記二酸化マンガンが、周期律表13〜15族の非金属元素および半金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、並びにマンガン以外の金属元素からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素からなる他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有することを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質。
  2. 請求項1において、前記二酸化マンガンの比表面積が、1〜12m/gであることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質。
  3. 請求項1または2において、前記二酸化マンガンには、硫酸根が0.6質量%以下含有されていることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記二酸化マンガンは、マンガン又はリチウムの一部を前記他元素Aで置換し且つ酸素の一部をフッ素で置換したリチウムマンガン複合酸化物を、鉱酸処理した後、焼成したものであることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質。
  5. 二酸化マンガンからなるリチウム一次電池用正極活物質であって、前記二酸化マンガンが、マンガン又はリチウムの一部を周期律表13〜15族の非金属元素および半金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、並びにマンガン以外の金属元素からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素からなる他元素Aで置換すると共に酸素の一部をフッ素で置換し且つホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物を、鉱酸処理した後、焼成することにより製造された二酸化マンガンであることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質。
  6. 請求項5において、前記二酸化マンガンが、他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有することを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質。
  7. 請求項5または6において、前記二酸化マンガンの比表面積が、1〜8m/gであることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質。
  8. 請求項5〜7の何れかにおいて、前記二酸化マンガンには、硫酸根が0.1質量%以下含有されていることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質。
  9. 請求項5〜8の何れかにおいて、前記二酸化マンガンには、ホウ素が0.01質量%以下含有されていることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質。
  10. 請求項5〜9の何れかにおいて、前記リチウムマンガン複合酸化物は、ホウ素含有量が0.001〜2.0質量%のものであることを特徴とするリチウム一次電池用正極活物質。
  11. マンガン又はリチウムの一部を周期律表13〜15族の非金属元素および半金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、並びにマンガン以外の金属元素からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素からなる他元素Aで置換し且つ酸素の一部をフッ素で置換したリチウムマンガン複合酸化物を鉱酸処理した後、焼成することにより、他元素Aを含有し且つ酸素の一部がフッ素に置換された二酸化マンガンを得ることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法。
  12. 請求項11において、前記二酸化マンガンが、他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有することを特徴とする二酸化マンガンの製造方法。
  13. 請求項11または12において、前記リチウムマンガン複合酸化物を、原料としての二酸化マンガンとリチウム塩とフッ素化合物と他元素Aを含む化合物とを混合した後、焼成することにより得ることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法。
  14. 請求項13において、前記リチウムマンガン複合酸化物を、原料としての二酸化マンガンとリチウム塩とフッ素化合物と他元素Aを含む化合物とを混合した後、550〜950℃で焼成することにより得ることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法。
  15. 請求項13または14において、前記原料としての二酸化マンガンが、電解法により得られた電解二酸化マンガンであることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法。
  16. マンガン又はリチウムの一部を周期律表13〜15族の非金属元素および半金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、並びにマンガン以外の金属元素からなる群から選ばれた1種または2種以上の元素からなる他元素Aで置換すると共に酸素の一部をフッ素で置換し且つホウ素を含有したリチウムマンガン複合酸化物を鉱酸処理した後、焼成することにより、他元素Aを含有し且つ酸素の一部がフッ素に置換された二酸化マンガンを得ることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法。
  17. 請求項16において、前記二酸化マンガンが、他元素Aを内部に0.01〜5.0質量%含有し且つ酸素の一部と置換したフッ素を0.01〜5.0質量%含有することを特徴とする二酸化マンガンの製造方法。
  18. 請求項16または17において、前記リチウムマンガン複合酸化物を、原料としての二酸化マンガンとリチウム塩とホウ素化合物とフッ素化合物と他元素Aを含む化合物とを混合した後、焼成することにより得ることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法。
  19. 請求項18において、前記リチウムマンガン複合酸化物を、原料としての二酸化マンガンとリチウム塩とホウ素化合物とフッ素化合物と他元素Aを含む化合物とを混合した後、550〜950℃で焼成することにより得ることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法。
  20. 請求項18または19において、前記原料としての二酸化マンガンが、電解法により得られた電解二酸化マンガンであることを特徴とする二酸化マンガンの製造方法。
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