JP6530640B2 - リチウム二次電池用正極活物質の処理方法 - Google Patents

リチウム二次電池用正極活物質の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池用の正極材として使用される正極活物質に関し、特に、該物質の粒子強度を高めるとともに、該物質の結晶間に残存するアルカリ成分の含有量を低減させ、リチウム二次電池に用いた際に、該電池の放電容量やサイクル特性等を改善することができる上記リチウム二次電池用正極活物質の処理方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータや携帯電話等の電子機器の小型化、高性能化が急速に進んでおり、これらの電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池への要求が高くなっている。このような状況下において、充放電容量が大きいリチウム二次電池が幅広く用いられている。
従来、リチウム二次電池の正極活物質は、コバルトを主成分とするものが主流であった。しかし、コバルトは希少金属であり、高価であるため、ニッケルを主成分とする正極活物質が注目されている。ニッケルを主成分とする正極活物質は、コバルトを主成分とする正極活物質に比較してコバルトの含有量が少ないため、コストが低い。しかし、ニッケルを主成分とする正極活物質は、未反応残渣や合成時の副生物等である炭酸リチウムや水酸化リチウム等のアルカリ成分が粒子表面や一次粒子間に多く存在している。
一般に、炭酸リチウムや水酸化リチウム等のアルカリ成分が多く含まれる正極活物質を正極材として用いた場合、炭酸リチウムが分解して電池内部で炭酸ガスを発生させるために電池内部の圧力が増加し、電池の膨れが発生したり、充放電効率等の電池特性が低下する等の不具合が生じる。さらに、水酸化リチウムが多く含まれるリチウム二次電池用正極活物質を正極材として用いた場合、正極活物質のペーストのゲル化を誘発し、該ペーストを塗布する工程が困難となる。また、正極活物質の粒子強度が不十分であると該活物質のペーストを塗布・プレス等して電池を製造する際に粒子が壊れ、該正極活物質中の残存アルカリ成分がペースト中に溶出してしまい、上記と同様に、ペーストのゲル化を誘発する。
従来、正極活物質中に残存するアルカリ成分を除去し、正極材として用いた時の電池特性を改善するための手法として、例えば、正極活物質を水洗し、これを酸化性雰囲気下で焼成する方法(特許文献1)、正極活物質を酸性水溶液で洗浄し、これを酸化性雰囲気下で焼成する方法(特許文献2)、正極活物質をpH7以上のアルカリ性水溶液で洗浄する方法(特許文献3)等、製造された正極活物質を単に特定の洗浄液で洗浄する方法か、さらに洗浄後に再焼成する方法等がいくつか提案されている。
しかし、従来から提案されている方法に従って洗浄処理された正極活物質では、該活物質として必要なリチウムまでも引き抜いてしまい、正極材として用いた場合に電池特性を低下させる原因となる。
また、該活物質のリチウムが引き抜かれたことにより結晶構造が脆くなり、該活物質のペーストを塗布・プレスする際に粒子が壊れ、粒子内部のアルカリ成分が溶出する可能性があり、電極作成の際の作業性の低下、あるいは作成された電池特性の低下の原因となっている。
更に、従来の製造方法によって製造された正極活物質の粒子強度も必ずしも十分ではないところから、より電池特性が改善されたリチウムイオン二次電池が得られ、しかも電極の作成が容易な正極材の開発が望まれている。
特開2009−266712号公報 特開2011−113885号公報 特開2011−100633号公報
本発明は上記状況に基づいてなされたもので、リチウム二次電池用正極活物質の結晶中に残留し、正極材としては不都合な炭酸リチウムや水酸化リチウム等のアルカリ成分を十分に除去することができ、該物質の粒子強度を向上させ、ペースト状にした場合にゲル化し難く、これをリチウム二次電池の正極材とした場合に、該電池の放電容量やサイクル特性がより向上した正極活物質が得られる、リチウム二次電池用正極活物質の処理方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために正極活物質の後処理方法について種々検討を重ねた結果、先ず、
(1)正極活物質を、上記先行技術に見られるように、水やアルカリ性溶液等により洗浄した後、焼成するだけでは、この洗浄によって正極活物質として必要なリチウムまでもが引き抜かれることがあること、
(2)この状態のものを焼成するのでは、リチウムが引き抜かれた部分は焼結されるものの、正極活物質として必要なリチウム量が不足し、十分な電池特性が得られないこと、
(3)しかも、必要なリチウムを引き抜かないように該活物質を洗浄処理することは極めて難しいこと、
(4)但し、所定量のリチウムを追加しても、処理(すなわち再焼成)後の正極活物質のプレス前後における粒径変化が所定の値を示さないことがあり、十分な電池特性が得られない場合があること、
の知見を得た。
これらの知見を基に更に検討を加えたところ、電池特性を十分優れたものとするためには、
(5)再焼成後のリチウム二次電池用正極活物質中に残留する炭酸リチウムと水酸化リチウムの総量がリチウムに換算して該正極活物質の0.15wt%以下であればよいこと、
(6)上記(5)に代えて、あるいは上記(5)と共に、再焼成後のリチウム二次電池用正極活物質のプレス前後における粒径変化率がD50で80%以上であればよいこと、
の知見を得た。
そして、(7)上記(5)や(6)が充足しない場合には、洗浄と再焼成を繰り返し行うことがよい
との知見を得た。
本発明は、以上の知見に基づいて提案したものである。
すなわち、本発明のリチウム二次電池用正極活物質の処理方法は、リチウム二次電池用正極活物質を洗浄液によって洗浄した後、固液分離して得た固形成分にLiを含む化合物を添加し、これを酸化性の雰囲気下において730〜980℃で焼成することを特徴とする。
上記処理後のリチウム二次電池用正極活物質中に残留する炭酸リチウムと水酸化リチウムの総量は、リチウムに換算して該正極活物質の0.15wt%以下であってよく、また処理後のリチウム二次電池用正極活物質のプレス前後における粒径変化率は、D50で80%以上であってよい。
上記処理後のリチウム二次電池用正極活物質の結晶の組成は、Li(x)Ni(1-a-b)Co(a)Mn(b)2(式中、x、a、及びbは、それぞれ0.9≦x≦1.1、0<a≦0.34、及び0<b≦0.34)で表されてよい。
さらに、上記の洗浄とその後の再焼成の工程は、繰り返し行ってもよい。
本発明の処理方法によれば、正極活物質中に残存している炭酸リチウムや水酸化リチウム等のアルカリ成分の量を著しく低減させることができるとともに、該正極活物質の粒子強度を向上させることができる。そのため、本発明の処理方法によって処理された正極活物質をリチウム二次電池に用いた場合、充放電容量、レート特性、抵抗増加率の向上等の電池特性が改善されるのに加えて、該正極活物質のペーストを用いて電極を作製する際の該ペーストのゲル化、作製された電池内部でのガス発生による膨れ等の不都合が回避される。
本発明の正極活物質の処理方法は、予め公知の製造方法によって製造された、例えば、Li(x)Ni(1-a-b)Co(a)Mn(b)2(式中、0.9≦x≦1.1、0<a≦0.34、0<b≦0.34)で表される組成を有するLi−Ni−Co−Mn系の複合酸化物からなる正極活物質(以下、単に、被処理原料ともいう)が使用され、この被処理原料を洗浄する工程と、洗浄された被処理原料に所定量のLiを含む化合物(以下、Li化合物ともいう)を添加して焼成する工程とからなる。
(洗浄工程)
先ず、被処理原料を洗浄液によって洗浄して被処理原料中のLi2CO3、LiOH等のアルカリ成分を除去する。この洗浄液は、純水、酸性やアルカリ性に調整された水、アルコール等の有機溶媒など、従来から一般に使用されている正極活物質用洗浄液が用いられるが、純度の点や経済的な観点等から純水が好ましい。
洗浄は、例えば所定量の被処理原料と洗浄液とを十分に撹拌した後、静置する。次いで、濾過やデカンテーション等の公知の方法により固液分離して被処理原料を採取する。
(焼成工程)
次いで上記固体分(被処理原料)を乾燥し、この乾燥固体に所定量のLi化合物を添加混合し、焼成する。
上記の乾燥固体にLi化合物を添加するのは、上記の洗浄によって必要なリチウムまでもが引き抜かれることがあり、この過剰に引き抜かれるLi化合物を補うためである。
このLi化合物は、LiOH、ハロゲン化リチウム(LiX)、LiNO3、Li2SO4等が用いられるが、取り扱い易さの点でLiOHが好ましい。
上記Li化合物の添加量は、該Li化合物中のLiが、上記乾燥固体中のNiとCoとMnの総量に対してモル比で0.05〜0.25となる割合、すなわち(Li/Ni+Co+Mn)のモル比が0.05〜0.25、好ましくは0.05〜0.15、より好ましくは0.05〜0.10となる範囲とする。この範囲であれば、本発明による処理後の活物質中に残留するLi化合物(炭酸リチウムと水酸化リチウム)の総量がリチウムに換算して該活物質中の0.15wt%以下となり、正極材として使用する場合に、正極材ペーストのゲル化を良好に防止することができるばかりでなく、電池特性を良好にすることができる。
すなわち、上記のLi化合物は、一部が被処理原料と反応して該被処理原料の結晶中に導入されるが、残部は未反応のまま被処理原料中に残留するため、この残留量を少なく、好ましくは上記のように0.15wt%以下とするためにも、Li化合物の添加量は上記の範囲内とすることが適している。
上記Li化合物添加後の焼成は、空気のような酸化性雰囲気下において、730〜980℃、好ましくは830〜980℃で、1〜10時間行われる。焼成により、被処理原料が結晶化し、正極材として好適な各種特性を得ることができる。
なお、再処理を行う場合の焼成温度は、各回の処理において同一としてもよいし、各前回処理よりも低温で行ってもよい。低温の程度は、各前回処理時の温度の約5〜25%程度(具体的には、1つ前の処理時の焼成温度が900℃の場合、855℃〜675℃)が好適である。この程度の低温度合であれば、処理後の活物質の諸特性を正極材として好適にすることができる。
本発明において、被処理原料を洗浄することによって、該原料の結晶間等に残存し電池特性低下の要因となるLi2CO3、LiOH等のアルカリ成分を低減させることができるのみならず、アルカリ分の低減した原料に所定量のLi化合物を添加して焼成することにより、Li化合物が被処理原料の結晶中に取り込まれ、正極活物質として使用される原料が安定化される。
以上の本発明の処理方法によって得られる原料中に残存するアルカリ成分であるLi2CO3とLiOHの総量は、Liに換算して該原料の0.15wt%以下であることが極めて好適であり、また処理後の正極活物質のプレス前後における粒径変化率がD50で80%以上であることも極めて好適である。
本発明の方法によって処理された正極活物質中の残存アルカリ成分が所定値以下に、また該物質のプレス前後における粒径変化率が所定値以上に、それぞれコントロールされる結果、該活物質を正極材とするリチウム電池のレート特性、電池の抵抗増加率、初期充・放電容量、サイクル特性等の電池特性が向上する。
〔実施例I・比較例I〕
〔被処理原料〕
結晶の組成がLi1.01Ni0.60Co0.20Mn0.202(Li/Ni+Co+Mnのモル比が1.01)の正極活物質を被処理原料(被処理原料A)とした。
なお、下記のようにして分析したところ、この被処理原料中にはアルカリ成分として、0.59wt%のLi2CO3と0.24wt%のLiOH(Liに換算すると0.18wt%)の未反応アルカリが残存していた。
〔アルカリ成分の分析方法〕
被処理原料(10g)を純水(50ml)中に懸濁し、1時間撹拌後、濾過し、濾液を自動滴定装置にて中和滴定(Warder法)する。これにより濾液中のLi2CO3及びLiOHの含有量を定量し、濾液中に占めるLiの総重量の正極活物質の重量に対する割合を算出して、この値を残存アルカリ量とした。
〔洗浄工程〕
前記被処理原料100gを容器に投入し、純水100mlを加えて5分間撹拌し、撹拌終了後30分間静置した。
その後濾過し、得られた固形分を140℃で16時間乾燥した。
〔Li化合物の混合工程〕
前記固形分に、LiOHを、表1に示す量(該LiOH中のLiの、乾燥固形分中のNiとCoとMnの総量に対するモル比−以下の実施例において、同義−)で混合し、乾式にて十分に撹拌した。
〔焼成工程〕
これらの混合物をそれぞれ900℃、空気中で4.5時間焼成して、結晶組成がLi1.05Ni0.60Co0.20Al0.202の正極活物質を得た。
〔処理後原料(正極活物質)〕
前記焼成を終えた正極活物質を、前記〔アルカリ成分の分析方法〕に従って分析した結果、該物質中の残留リチウム量は表1に示す通りであった。
また、これらの正極活物質を下記の方法で測定したプレス前後における粒径変化率が表1に示す通りであった。
〔粒径変化率の測定方法〕
前記焼成を終えた正極活物質について、粒度分布(D50)、及び約400MPaの圧力でプレスした後の粒度分布(D50)を測定し、プレス前の(D50)値に対するプレス後の(D50)の割合を算出した。この値(粒径変化率)が大きいほど粒子強度が大である。
〔二次電池の特性〕
前記の残留リチウム量と粒径変化率を示す正極活物質を使用してリチウム二次電池を作製し、これらのリチウム二次電池について、下記の要領で、初期充放電容量、レート特性、サイクル特性、抵抗増加率を測定し、結果を表2に示す。
〔初期充放電容量〕
各正極活物質につき、正極活物質90wt%に、アセチレンブラック7wt%及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)3wt%を混練して正極材とし、これを70μm厚に延ばし、直径11mmの円板状に打ち抜き、アルミメッシュに圧着し乾燥させて正極とした。金属リチウム箔を負極とし、1:1vol%のLiPF6/PC(プロピレンカーボネート)+DMC(ジメチルカーボネート)を非水電解液として、CR2016タイプのコインセル(リチウム二次電池)を作製した。得られたコインセル(リチウム二次電池)を20℃で作動させ、初期充・放電容量を測定した。
〔レート特性〕
上記の各電池につき、電池を1Cで放電した場合の放電容量、該放電容量に対する0.2Cでの放電容量の割合からレート特性を評価した。
〔サイクル特性〕
上記の各電池につき、100サイクルの充放電を繰り返した時の100回目の放電容量を測定し、初期(1回目)の放電容量に対する放電回数100回目の放電容量の割合からサイクル特性を評価した。
〔抵抗増加率〕
上記の各電池につき、100サイクルの充放電を繰り返した時の電池抵抗に対する、初期(1回目)放電時の電池抵抗の割合から抵抗増加率を評価した。この値(抵抗増加率)が小さいほど電池特性がより良好である。
〔実施例・比較例II〕
実施例1・比較例Iの洗浄工程で得た固形分にLiOHを0.10モル比加え、同表に示す温度で焼成する以外は実施例・比較例Iと同様にして結晶組成がLi1.05Ni0.60Co0.20Mn0.202の正極活物質を得た。
これらの正極活物質について、実施例・比較例Iと同様にして残留リチウム量と粒径変化率を測定し、この結果を表3に合わせて示す。
また、これらの正極活物質を用いた以外は実施例・比較例Iと同様にしてリチウム二次電池を作製した。
これらリチウム二次電池についても実施例・比較例Iと同様にして、レート特性、サイクル特性、抵抗増加率を測定し、結果を表4に合わせて示す。
〔実施例・比較例III〕
〔被処理原料〕
結晶の組成がLi1.10Ni0.60Co0.20Mn0.202(Li/Ni+Co+Mnのモル比が1.10)である正極活物質を被処理原料(被処理原料B)とした。
なお、被処理原料Bを実施例・比較例Iと同様にして分析したところ、アルカリ成分として、0.98wt%のLi2CO3と0.38wt%のLiOH(Liに換算して、0.29wt%)の未反応アルカリが残存していた。
被処理原料Bを用い、実施例・比較例I,IIと同様の処理を行って正極活物質を得、これらの正極活物質の残留アルカリ量、粒径変化率を測定した。結果を表5,6に示す。
また、これらの正極活物質を用い、実施例・比較例I,IIと同様にしてリチウム二次電池を作製し、これらの電池の諸特性を測定し、結果を表7に示す。
〔実施例・比較例IV〕
〔被処理原料〕
結晶の組成がLi0.93Ni0.60Co0.20Mn0.202(Li/Ni+Co+Mnのモル比が0.93)である正極活物質を被処理原料(被処理原料C)とした。
被処理原料Cを実施例・比較例I,IIと同様にして分析したところ、アルカリ成分として、0.58wt%のLi2CO3と、0.27wt%のLiOH(すなわち、Liに換算して、0.19wt%)の未反応アルカリが残存していた。
被処理原料Cを用い、実施例・比較例I,IIと同様の処理を行って正極活物質を得、これらの正極活物質の残留アルカリ量、粒径変化率を測定した。結果を表8,9に示す。
また、これらの正極活物質を用い、実施例・比較例I,IIと同様にしてリチウム二次電池を作製し、これらの電池の諸特性を測定し、結果を表10に示す。
〔実施例・比較例V〕
〔被処理原料〕
実施例・比較例III−9で処理したものを被処理原料Dとし、該原料Dを再度、実施例・比較例III−9と同様にして洗浄・焼成処理した。結果は、表11,12に示す通りであった。
〔実施例・比較例VI〕
前記原料Dを、再度、実施例・比較例III−78と同様にして洗浄・焼成処理した。結果は、表11、12に示す通りであった。
本発明の正極活物質の処理方法によれば、粒子表面や粒子間に存在する正極材として不都合なリチウム化合物の量を低減することができると共に、正極活物質のゲル化を抑制することができ、加えて粒子強度を向上させることができる。
さらに、該活物質をリチウム二次電池の正極材として使用することによって、該二次電池の放電容量、レート特性、抵抗増加率等の電池特性の向上を図ることができる。
よって、本発明は予め製造された既存のリチウム二次電池用正極活物質の特性向上化のための処理方法として有用である。

Claims (5)

  1. リチウム二次電池用正極活物質を洗浄液により洗浄した後、固液分離して得た固体成分にリチウムを含む化合物を添加し、これを酸化性雰囲気下において730〜980℃で焼成することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の処理方法。
  2. 処理後のリチウム二次電池用正極活物質中に残留する炭酸リチウムと水酸化リチウムの総量がリチウムに換算して該正極活物質の0.15wt%以下であることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池用正極活物質の処理方法。
  3. 処理後のリチウム二次電池用正極活物質のプレス前後における粒径変化率が、D50で80%以上であることを特徴とする請求項1または2記載のリチウム二次電池用正極活物質の処理方法。
  4. 処理後のリチウム二次電池用正極活物質の結晶組成が
    Li(x)Ni(1-a-b)Co(a)Mn(b)2(式中、x、a、及びbは、それぞれ0.9≦x≦1.1、0<a≦0.34、及び0<b≦0.34)で表されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のリチウム二次電池用正極活物質の処理方法。
  5. 請求項1の工程を繰り返し行うことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のリチウム二次電池用正極活物質の処理方法。
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