JP2005100693A - 燃料電池の冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池から排出される生成水の気化潜熱を十分に利用して、燃料電池の冷却効率を高めるとともに、燃料電池を冷却するための冷却液が循環する冷却液回路の途中に設けられて冷却液の熱を外部に放熱させるラジエータの小型化を可能にする。
【解決手段】燃料電池11を冷却するための冷却液が循環する冷却液回路20と、冷却液回路20に設けられて冷却液の熱を外部に放熱させるラジエータ23と、燃料電池11で生成される生成水を水タンク21に貯留させ、貯留された水の一部を加湿器14を介して燃料電池11に再び供給する生成水回路22とを備えている。冷却液回路20は、経路20aが水タンク21内を通過するように構成されている。水タンク21は管路28を介してエジェクタ27の吸入側に連通され、エジェクタ27の作用により大気圧より低く減圧されるようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池の冷却システムに関する。
近年、電気自動車の動力源等として、クリーンでエネルギー効率の優れた燃料電池が注目されている。燃料電池は、周知のように、酸素と水素とを化学反応させることで生じる起電力を利用するものである。そして、カソード側に酸素を供給するとともに、アノード側に水素を供給し、水素と酸素とを反応させることによって、化学エネルギーが直接的に電気エネルギーに変換されるので、優れた変換効率が得られる。
燃料電池にはいくつかの種類があるが、自動車に使用するには小型で高出力であることが要求され、固体高分子型燃料電池が好適に使用される。固体高分子型燃料電池は、所定の温度(例えば、80℃付近)で効率よく発電が行われる。燃料電池は発熱反応のため、燃料電池の温度が前記所定の温度より上昇するのを抑制するため、冷却する必要がある。そのため、燃料電池には冷却液が循環する冷却液回路が設けられ、冷却液が燃料電池内を通過する際に冷却液が熱を奪って燃料電池を冷却し、冷却液が放熱器(ラジエータ)を通過する際に冷却液の熱を外気に放熱して冷却液を冷却している。
しかし、固体高分子型燃料電池の場合には、燃料電池の出口における冷却液温度が比較的に低く(例えば、80℃付近)、外気温との差が小さいため、必要な冷却能力を確保するには放熱器、ひいては冷却システムが大型化する傾向にあった。
冷却液を効率良く冷却する燃料電池の冷却装置として、燃料電池を冷却するための冷却液が循環する液冷却回路に設けられ、外部に放熱するラジエータと、空気オフガス経路に設けられた蒸発冷却器を備えた装置が提案されている(特許文献1参照。)。蒸発冷却器は隔壁を隔てて第1室及び第2室を有し、第1室に空気オフガスと生成水とを流し、第2室に燃料電池から排出された冷却水を流す。生成水は冷却液によって加熱されて蒸発し、空気オフガス中に放出され、冷却液は冷却される。
また、燃料電池を冷却する冷却水が流れる排熱ライン内の冷却水を冷却する冷却水を、気化潜熱を利用して冷却する放熱装置も提案されている(特許文献2参照。)。この装置では、図8に示すように、燃料電池51を冷却する冷却水が流れる排熱ラインL3と別体に前記冷却水を冷却する冷却水の循環ラインL1が設けられている。循環ラインL1の途中に設けられた蒸発器52内には、排熱ラインL3を流れる冷却水を冷却するための熱交換器53が設けられている。循環ラインL1には蒸発器52より下流側に圧縮機54が設けられ、蒸発器52で発生した水蒸気が圧縮されて凝縮器55へ供給されるようになっている。そして、凝縮器55で凝縮された冷却水が蒸発器52に送られ、熱交換器53に滴下される。なお、蒸発器52内の冷却水の一部は凝縮器55へ送られずにポンプ56で蒸発器52の上部から熱交換器53に滴下される。
特開2003−7323号公報(明細書の段落[0013]〜[0015]、[0020]〜[0022]、図1) 特開2003−74994号公報(明細書の段落[0053]、[0054]、図10,11)
ところが、特許文献1に記載の装置では、生成水の潜熱を利用して冷却液を冷却しているが、燃料電池は80℃付近で運転され、その冷却液は80℃付近に保たれている。そして、生成水の蒸発は大気圧下において行われ、1気圧において水の飽和温度は100℃であるため、気化潜熱を十分利用できないという問題がある。
一方、特許文献2に記載の装置では、蒸発器52内に貯留されている冷却水の一部が蒸発する気化潜熱を利用して冷却し、蒸発した水蒸気を圧縮機54で圧縮して凝縮器55へ供給している。従って、気化潜熱の利用は特許文献1の装置に比較して向上している。しかし、この装置は、循環ラインL1が閉ループのため、基本的に燃料電池51から冷却水により取り出された熱は、凝縮器55において放熱される必要があり、凝縮器55を小型化することは難しい。また、循環ラインL1が閉ループのため、冷却水として文字どおり水を使用すると寒冷時に0℃で凍結するため、一般に不凍液が使用される。不凍液は水より沸点が高く、気化潜熱を冷却に使用する場合、水より効率が悪くなる。
本発明の目的は、燃料電池から排出される生成水の気化潜熱を十分に利用して、燃料電池の冷却効率を高めることができ、燃料電池を冷却するための冷却液が循環する冷却液回路の途中に設けられ、冷却液の熱を外部に放熱させるラジエータの小型化を可能にすることができる燃料電池の冷却システムを提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、燃料電池を冷却するための冷却液が循環する冷却液回路と、前記冷却液回路に設けられて冷却液の熱を外部に放熱させるラジエータと、前記燃料電池で生成される生成水を水タンクに貯留させ、貯留された水の一部を加湿器を介して燃料電池に再び供給する生成水回路とを備えている。また、前記水タンク内の圧力を大気圧より低く減圧する減圧手段を備え、前記水タンク内の生成水の気化潜熱を利用して前記冷却液回路内の冷却液を冷却可能に、前記冷却液回路の一部が前記水タンク内を通過するようにした。
この発明では、燃料電池で生成された生成水は水タンクに貯留され、貯留された水の一部は加湿器を介して燃料電池に再び供給される。水タンク内に貯留された生成水が蒸発する際に気化潜熱を奪い、水タンク内の温度が下がる。燃料電池を冷却するための冷却液が循環する冷却液回路の一部が前記水タンク内を通過する構成のため、水タンク内の温度が下がることにより冷却液回路内の冷却液の冷却効率が向上する。また、生成水は80℃付近の温度のため、生成水を不凍液とする必要がなく、水タンク内の同じ圧力及び温度において気化潜熱が不凍液に比較して大きくなり、冷却効率が向上する。その結果、冷却液回路に設けられて冷却液の熱を外部に放熱させるラジエータの小型化が可能になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記生成水の一部を前記生成水回路の外部に放出する際、生成水と共に熱を放出する。従って、この発明では、ラジエータで冷却すべき負荷がより小さくなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記減圧手段として、燃料電池に圧縮空気を供給するためのコンプレッサを利用する。コンプレッサを減圧手段として利用する構成としては、圧縮空気の一部をエジェクタを介して燃料電池に供給し、エジェクタの吸引側を水タンクに連通させる構成や、圧縮機の吸入側に水タンクを連通させる構成がある。この発明では、減圧手段の主要部として燃料電池に既に装備されている構成(コンプレッサ)を利用するため、減圧手段を新たに設ける構成に比較して、構成が簡単になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記減圧手段として、減圧用ポンプを備えた。この発明では、減圧用ポンプにより水タンク内が減圧にされるため、水タンク内を所望の減圧状態に容易に保持することができる。
本発明によれば、燃料電池から排出される生成水の気化潜熱を十分に利用して、燃料電池の冷却効率を高めることができ、燃料電池を冷却するための冷却液が循環する冷却液回路に設けられ、冷却液の熱を外部に放熱させるラジエータの小型化を可能にすることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を燃料電池を駆動源とした電気自動車に具体化した第1の実施形態を図1及び図2に従って説明する。図1は燃料電池冷却システムの概略構成図であり、図2は高負荷時の減圧冷却作用を示すフローチャートである。
図1に示すように、燃料電池11には、酸素供給ポート(図示せず)に圧縮空気を供給するためのコンプレッサ12が管路13を介して連結され、管路13の途中に加湿器14が設けられている。コンプレッサ12は図示しないエアクリーナでゴミ等が除去された空気を圧縮して管路13に吐出するようになっている。
また、図示しない水素タンクから供給される水素を導く管路15が水素供給ポート(図示せず)に連結され、管路15の途中に加湿器16が設けられている。管路15の加湿器16より下流には、燃料電池11で使用されなかった水素を管路15に戻すことが可能な水素循環経路17が設けられ、水素循環経路17の途中に水素循環ポンプとしてのコンプレッサ18が設けられている。水素循環経路17のコンプレッサ18より上流側には、電磁三方弁V6が設けられている。
燃料電池11は、例えば固体高分子型の燃料電池からなり、水素タンクから供給される水素と、コンプレッサ12から供給される酸素とを反応させて直流の電気エネルギー(直流電力)を発生する。
燃料電池冷却システム19は、燃料電池11を冷却するための冷却液が循環する冷却液回路20と、燃料電池11で生成される生成水を水タンク21に貯留させ、貯留された水の一部を加湿器14を介して燃料電池11に再び供給する生成水回路22とを備えている。冷却液回路20の途中には、冷却液の熱を外部に放熱させるラジエータ23が設けられている。冷却液にはLLC(ロングライフクーラント)が使用されている。
冷却液回路20は、閉ループとなるように形成されるとともに、燃料電池11の外部において水タンク21を通過する経路20aと、ラジエータ23を通過する経路20bとが並列に設けられている。即ち、冷却液回路20は、生成水の気化潜熱を利用して冷却液回路20内の冷却液を冷却可能に、冷却液回路20の一部が水タンク21内を通過するように構成されている。冷却液回路20の燃料電池11への導入側にはポンプ24が設けられ、経路20aの水タンク21より上流には電磁開閉弁V4が設けられている。
生成水回路22には燃料電池11と水タンク21との間に電磁三方弁V3が設けられている。電磁三方弁V3は燃料電池11から排出される空気及び生成水を水タンク21へ導く状態と、空気及び生成水を生成水回路22の外部(大気)へ放出する状態とに切り換えられる。
生成水回路22の水タンク21より下流側を構成する管路22aは、水タンク21の貯留部21aに連通され、管路22aの途中にはウォータポンプ25が設けられている。ウォータポンプ25は、水タンク21に溜まった生成水を加湿器14へ送るようになっている。また、管路22aはウォータポンプ25より下流側で分岐され、生成水の一部が水素用の加湿器16に供給されるようになっている。管路22aのウォータポンプ25より上流側には電磁三方弁V5が設けられている。電磁三方弁V5は、水タンク21をウォータポンプ25と連通させる状態と、水タンク21を管路22aの外部と連通させる状態、即ち生成水を管路22aから排出させる状態とに切り換えられる。
燃料電池冷却システム19は、水タンク21内の圧力を大気圧より低く減圧する減圧手段を備えている。この実施形態では、減圧手段は、燃料電池11に圧縮空気を供給するためのコンプレッサ12を利用する構成となっている。具体的には、管路13のコンプレッサ12と加湿器14との中間に分岐管路26が設けられ、分岐管路26の他端が加湿器14と燃料電池11との中間部に連通されている。分岐管路26の途中には、電磁開閉弁V1とエジェクタ27とが設けられている。
エジェクタ27の吸入側には、一端が水タンク21の上部、即ち生成水の貯留部21aの上方に連通された管路28の他端が連結されている。管路28の途中には電磁三方弁V2が設けられている。電磁三方弁V2は、水タンク21をエジェクタ27と連通させる状態と、水タンク21を管路28の外部と連通させる状態、即ち空気を管路28から排出させる状態とに切り換えられる。そして、電磁三方弁V2が水タンク21をエジェクタ27と連通させる状態に保持され、エジェクタ27にコンプレッサ12の吐出ガスが供給される状態で、水タンク21内が減圧状態になる。この実施形態ではエジェクタ27が水タンク21内の圧力を大気圧より低く減圧する減圧手段を構成する。
前記コンプレッサ12,18、ポンプ24、ウォータポンプ25、電磁開閉弁V1、V4及び電磁三方弁V2,V3,V5,V6は、制御装置(図示せず)からの指令によって運転あるいは切換え制御されるようになっている。ポンプ24は制御装置からの指令信号に基づいて駆動、停止及び流量変更が可能になっている。制御装置には、燃料電池11の温度を検出する温度センサ(図示せず)の検出信号と、貯留部21aに貯留されている水量を検出するセンサ(図示せず)の検出信号とが入力される。
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。
燃料電池11は、環境温度が燃料電池11の発電が可能な予め設定された温度(設定温度)以上の場合に通常運転が行われる。制御装置は環境温度を計測する温度センサ(図示せず)の検出信号に基づいて、環境温度が前記設定温度以上であれば始動時から通常運転を行い、環境温度が設定温度未満の場合には暖機を行った後、通常運転に移行する。
通常運転時には、水素タンクから加湿器16を介して水素が燃料電池11のアノード電極側に供給される。コンプレッサ18は燃料電池11における未反応の水素を再利用するため、所定の加圧状態に圧縮するように運転される。また、コンプレッサ12が駆動されて、空気が所定の圧力に加圧されて燃料電池11のカソード電極側に供給される。水素の供給量及び空気の供給量は、水素及び空気(酸素)がアノード電極又はカソード電極と対応する通路を通過する間に燃料電池11での化学反応によって消費される量より多い。そして、発電のための化学反応で発生した水(生成水)は、水蒸気の状態で未反応の空気とともに生成水回路22に排出される。また、未反応の水素は水素循環経路17を経てコンプレッサ18へ導かれ、コンプレッサ18により加圧されて循環再利用される。
また、燃料電池11の運転時には、ポンプ24は流量が規定量となるように運転され、ウォータポンプ25も所定の流量となるように運転される。ここで「規定量」とは、電気自動車が平坦な走行路を定常走行時に走行する際に燃料電池11を冷却するのに十分な流量を意味する。
固体高分子型燃料電池は、80℃程度で効率よく発電が行われるが、水素と酸素との化学反応は発熱反応のため、発電を継続すると、反応熱のため燃料電池11の温度が80℃程度の適正温度より上昇する。この温度上昇を防止するため、水タンク21及びラジエータ23を備えた冷却液回路20内を冷却液が循環される。
次に冷却液回路20内を循環する冷却液を冷却する燃料電池冷却システム19の作用について説明する。
冷却液の冷却は、水タンク21及びラジエータ23において行われる。水タンク21においては、燃料電池11から空気と共に排出された生成水が貯留部21aに溜まる。そして、溜まった生成水が蒸発する際の気化潜熱によって生成水から熱が奪われる結果、生成水が冷却され、生成水に接触している冷却液回路20の経路20a内の冷却液が冷却される。また、ラジエータ23においては、外気が図示しないファンによって経路20bに吹き付けられ、冷却液との温度差によって放熱が行われることで、冷却が行われる。
燃料電池11において、水タンク21に貯留される生成水の量は、システムの運転状況により変動し、その蒸発潜熱で冷却可能な熱量は、発電で発生する熱量に対して不足する場合があるため、ラジエータ23は必須となる。そして、平坦な道路での車両の低速走行時のように、燃料電池11での発電量が少ない場合は、ラジエータ23による冷却のみでも必要な冷却は可能となる。
次に図2のフローチャートに従って、燃料電池冷却システム19の作用を詳しく説明する。
先ずステップS1で制御装置からの指令により、電磁開閉弁V1が閉じられ、コンプレッサ12の吐出空気はエジェクタ27へは供給されずに加湿器14のみに供給される。また、電磁三方弁V2は、水タンク21を大気と連通させる状態に切り換えられ、電磁三方弁V3は燃料電池11から排出される空気及び生成水を水タンク21へ導く状態に切り換えられる。また、電磁開閉弁V4が閉じられ冷却液回路20を循環する冷却液は水タンク21は通過せずにラジエータ23のみを通過する状態となる。また、電磁三方弁V5は、常には水タンク21をウォータポンプ25と連通させる状態に保持されているが、水タンク21内の生成水の量が多くなり過ぎた場合に、生成水を管路22aから排出可能な状態に切り換えられ、過剰な生成水が生成水回路22の外部に排出されるようになっている。
ステップS1の状態では、水タンク21内の減圧は行われず、燃料電池11から排出された生成水及び空気は、常圧(大気圧)の状態の水タンク21へ供給され、生成水が貯留部21aに溜まり、空気は管路28及び電磁三方弁V2を経て外部へ放出される。この状態では、水タンク21による冷却液の冷却機能はない。しかし、燃料電池11から排出された生成水が貯留部21aに貯留されるとともに、水タンク21から排出された空気が管路28及び電磁三方弁V2を経て外部へ放出されることにより、空気及び生成水によって燃料電池11から運び出された熱量の一部が廃棄されるため、燃料電池11の冷却に寄与する。
次にステップS2に進み、制御装置は燃料電池11の温度が規定温度以上か否かを判断し、規定温度以上であればステップS3に進み、規定温度未満であればステップS4を経てステップS1に戻る。ステップS4では、制御装置からポンプ24に流量が規定量となるように駆動させる指令信号が出力され、ポンプ24は流量が規定量となるように運転される。規定温度未満ということは冷却液回路20による冷却能力を高める必要が無い状態であることを意味するため、ポンプ24は流量が規定量となるように運転される。また、水タンク21を冷却液回路20の冷却液の冷却に使用しない状態で運転が行われる。
制御装置はステップS3で水タンク21の貯留部21aに溜まっている生成水が所定量以上か否かを判断し、所定量以上であればステップS5を経てステップS6へ進み、所定量未満であればステップS7を経てステップS6へ進む。ここで「所定量」とは、例えば、水タンク21内を減圧状態にして貯留部21a内の生成水の蒸発量を多くしても、加湿器14,16への生成水の供給に支障を来さない量を意味する。
ステップS5では、制御装置からの指令により、電磁開閉弁V1が開かれ、コンプレッサ12の吐出空気の一部がエジェクタ27へ供給される。また、電磁三方弁V2は、水タンク21をエジェクタ27と連通させる状態に切り換えられ、電磁三方弁V3は燃料電池11から排出される空気及び生成水を外部(大気)へ放出する状態に切り換えられる。また、電磁開閉弁V4が開かれ、冷却液回路20を循環する冷却液の一部が水タンク21を通過し、一部がラジエータ23を通過する状態となる。
ステップS5では燃料電池11の温度が規定温度以上である状態に対応する必要があるため、冷却液回路20の冷却液の冷却効率を高める必要がある。冷却効率を高めるために、冷却液の一部が水タンク21を通過する状態に切り換えられる。また、水タンク21内が減圧状態にされて、水タンク21における冷却水の冷却効率は、水タンク21内が減圧されない状態より向上する状態に保持される。貯留部21a内に生成水があまりない状態で減圧状態にすると、加湿器14,16に送る生成水が不足する状態となり、燃料電池11の運転に支障を来す。しかし、ステップS5は、水タンク水量、即ち貯留部21a内の水量が所定量以上で実行されるため、水タンク21内が減圧状態に保持されても支障はない。水タンク21内の圧力が低いほど、即ち減圧圧力が大きいほど気化潜熱が大きくなって、冷却効果が高くなる。
ステップS6では、制御装置からの指令信号に基づいて、ポンプ24は流量が規定量より多くなる状態で運転される。なぜならば、燃料電池11の温度が規定温度以上のため、冷却液回路20における冷却液の循環速度を高めて冷却効率を高める必要があるからである。制御装置は、ステップS6でポンプ24の流量を高める指令を行った後、ステップS2に戻る。
ステップS7では、冷却液回路20の冷却液の冷却が水タンク21でも行われるが、貯留部21a内の生成水の量が規定量未満のため、水タンク21内は減圧状態とされない。即ち、制御装置からの指令により、電磁開閉弁V1は閉じた状態に保持され、コンプレッサ12の吐出空気は加湿器14のみに供給される。また、電磁三方弁V2は、水タンク21を大気と連通させる状態に保持され、電磁三方弁V3は燃料電池11から排出される空気及び生成水を水タンク21へ供給する状態に切り換えられる。また、電磁開閉弁V4が開かれ、冷却液回路20を循環する冷却液の一部が水タンク21を通過し、一部がラジエータ23を通過する状態となる。
ステップS7の状態では、貯留部21a内の生成水の量が所定量より少なく、水タンク21内を減圧状態として生成水の蒸発量を高めると支障が生じるため、減圧は行われない。しかし、燃料電池11から排出された空気及び生成水が水タンク21に供給され、生成水が貯留部21aに溜まる。また、空気及び水タンク21で蒸発した水蒸気は管路28及び電磁三方弁V2を経て外部(大気)に放出されるため、水タンク21に冷却液回路20の冷却液を流さない場合に比較して、冷却液の冷却効率は高くなる。
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 燃料電池冷却システム19は、燃料電池11を冷却するための冷却液が循環する冷却液回路20と、燃料電池11で生成される生成水を水タンク21に貯留させ、貯留された水の一部を加湿器14,16を介して燃料電池11に再び供給する生成水回路22とを備えている。冷却液回路20には冷却液の熱を外部に放熱させるラジエータ23が設けられ、水タンク21内の生成水の気化潜熱を利用して冷却液回路20内の冷却液を冷却可能にするため、冷却液回路20の一部が水タンク21内を通過するように構成されている。そして、水タンク21内の圧力を大気圧より低く減圧する減圧手段を備えている。従って、水タンク21内を減圧状態にすることにより、水タンク21内に貯留された生成水が蒸発する際に奪う気化潜熱の量が大気圧の場合に比較して多くなり、水タンク21内の温度低下量が大きくなって、冷却液回路20内の冷却液を効率よく冷却できる。また、生成水は80℃付近の温度のため、生成水を不凍液とする必要がなく、水タンク21内の同じ圧力及び温度において気化潜熱が不凍液に比較して大きくなり、冷却効率が向上する。その結果、冷却液回路20に設けられて冷却液の熱を外部に放熱させるラジエータ23の小型化が可能になる。
(2) 前記減圧手段として、燃料電池11に圧縮空気を供給するためのコンプレッサ12を利用する構成が採用されている。従って、減圧手段を新たに設ける構成に比較して、構成が簡単になる。
(3) コンプレッサ12を減圧手段として利用する構成として、圧縮空気の一部をエジェクタ27を介して燃料電池11に供給し、エジェクタ27の吸引側を水タンク21に連通させる構成が採用されている。従って、少ない追加の部品点数で減圧手段を構成できる。
(4) 生成水の一部を生成水回路22の外部に放出する際、生成水と共に熱を放出する。従って、ラジエータ23で冷却すべき負荷がより少なくなる。
(5) 常に水タンク21内を減圧状態として、貯留部21aの生成水の蒸発量を多くするのではなく、所定の条件を満たした時(この実施形態では、燃料電池11の温度が規定温度以上で、水タンク21の水量が所定量以上の時)に水タンク21内を減圧状態とする。従って、燃料電池11の運転に支障を来さずに冷却液を効率良く冷却することができる。
(6) 冷却液回路20に、水タンク21を通る経路20aと、ラジエータ23を通る経路20bとが並列に設けられ、経路20aの水タンク21より上流側に電磁開閉弁V4が設けられ、冷却液回路20の冷却液を経路20aへ循環させる状態と、循環させない状態とに切り換え可能に構成されている。従って、水タンク21内の生成水の量が少ない時に、経路20aへの冷却水の循環を停止させた状態で、燃料電池11から生成水回路22に排出された空気及び生成水を水タンク21へ供給することにより、生成水を貯留部21aに貯め易くなる。その結果、水タンク21内を減圧状態にして運転できる態勢を確保し易くなる。
(7) 高負荷時(燃料電池11の温度が規定温度以上の時)で水タンク21内を減圧状態にする際は、燃料電池11から排出された空気及び生成水が水タンク21へ供給されずに大気に放出される状態に保持される。従って、水タンク21内を減圧にする影響が燃料電池11へ波及せず、また、燃料電池11で発生した熱の一部は空気及び生成水と共に大気に排出されるため、燃料電池11の冷却効率に寄与する。
(8) 貯留部21aに溜まった過剰の生成水は、水タンク21内が減圧されていない状態で電磁三方弁V5から排出されるため、燃料電池11の運転中に支障なく排出される。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態を図3及び図4に従って説明する。この実施形態では、水タンク21内を大気圧より減圧にする減圧手段として、コンプレッサ12を利用せずに、専用の減圧ポンプ(真空ポンプ)を設けた点と、エジェクタ27を設けない点とが前記第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図3に示すように、一端が水タンク21の上部に連通された管路28は、他端が真空ポンプ30に連結されている。管路28の途中には電磁三方弁V2が設けられている。電磁三方弁V2は、水タンク21を真空ポンプ30と連通させる状態と、水タンク21を管路28の外部と連通させる状態、即ち空気を管路28から排出させる状態とに切り換えられる。そして、電磁三方弁V2が水タンク21を真空ポンプ30と連通させる状態で、水タンク21内が減圧状態になる。この実施形態では真空ポンプ30が水タンク21内の圧力を大気圧より低く減圧する減圧手段を構成する。
次に図4のフローチャートに従って、燃料電池冷却システム19の作用を説明する。
先ずステップS11で制御装置からの指令により、電磁三方弁V2は、水タンク21を大気と連通させる状態に切り換えられ、電磁三方弁V3は燃料電池11から排出される空気及び生成水を水タンク21へ導く状態に切り換えられる。また、電磁開閉弁V4が閉じられ冷却液回路20を循環する冷却液は、水タンク21は通過せずにラジエータ23のみを通過する状態となる。また、電磁三方弁V5は、常には水タンク21をウォータポンプ25と連通させる状態に保持されているが、水タンク21内の生成水の量が多くなり過ぎた場合に、生成水を管路22aから排出可能な状態に切り換えられ、過剰な生成水が生成水回路22の外部に排出される。なお、真空ポンプ30は停止されている。ステップS11の状態では、水タンク21内の減圧は行われず、燃料電池冷却システム19の作用は、第1の実施形態のステップS1の状態と同じである。
次にステップS12に進み、制御装置は燃料電池11の温度が規定温度以上か否かを判断し、規定温度以上であればステップS13に進み、規定温度未満であればステップS14及びステップS15を経てステップS11に戻る。ステップS14では真空ポンプ30に停止指令が出力され、ステップS15ではポンプ24に流量が規定量となるように指令信号が出力される。
制御装置はステップS13で水タンク21の貯留部21aに溜まっている生成水が所定量以上か否かを判断し、所定量以上であればステップS16を経てステップS17、ステップS18へと進み、所定量未満であればステップS19を経てステップS18へ進む。
ステップS16では、制御装置からの指令により、電磁三方弁V2は、水タンク21を真空ポンプ30と連通させる状態に切り換えられ、電磁三方弁V3は燃料電池11から排出される空気及び生成水を外部(大気)へ放出する状態に切り換えられる。また、電磁開閉弁V4が開かれ、冷却液回路20を循環する冷却液の一部が水タンク21を通過し、一部がラジエータ23を通過する状態となる。
ステップS16では燃料電池11の温度が規定温度以上である状態に対応する必要があるため、冷却液回路20の冷却液の冷却効率を高める必要がある。冷却効率を高めるために、冷却液の一部が水タンク21を通過する状態に切り換えられる。また、水タンク21内を減圧状態にして、水タンク21における冷却水の冷却効率が、減圧しない状態より向上する状態にするための準備作業が行われる。そして、ステップS17で真空ポンプ30が駆動されると、水タンク21内が減圧状態になる。貯留部21a内に生成水があまりない状態で減圧状態にすると、加湿器14,16に送る生成水が不足する状態となり、燃料電池11の運転に支障を来す。しかし、ステップS16,S17は、水タンク水量、即ち貯留部21a内の水量が所定量以上で実行されるため、水タンク21内が減圧状態に保持されても支障はない。
ステップS18では、制御装置からの指令信号に基づいて、ポンプ24は流量が規定量より多くなる状態で運転される。なぜならば、燃料電池11の温度が規定温度以上のため、冷却液回路20における冷却液の循環速度を高めて冷却効率を高める必要があるからである。制御装置は、ステップS18でポンプ24の流量を高める指令を行った後、ステップS12に戻る。
ステップS19では、冷却液回路20の冷却液の冷却を水タンク21でも行うが、貯留部21a内の生成水の量が規定量未満のため、水タンク21内が減圧状態にされると不具合が生じるため、減圧状態とせずに冷却液回路20の冷却水を冷却する準備が行われる。電磁三方弁V2は、水タンク21を大気と連通させる状態に保持され、電磁三方弁V3は燃料電池11から排出される空気及び生成水を水タンク21へ供給する状態に保持される。また、電磁開閉弁V4が開かれ、冷却液回路20を循環する冷却液の一部が水タンク21を通過し、一部がラジエータ23を通過する状態となる。
ステップS19の状態では、減圧は行われない。しかし、燃料電池11から排出された空気及び生成水が水タンク21に供給され、生成水が貯留部21aに溜まる。また、空気及び水タンク21で蒸発した水蒸気は管路28及び電磁三方弁V2を経て外部(大気)に放出されるため、水タンク21に冷却液回路20の冷却液を流さない場合に比較して、冷却液の冷却効率は高くなる。
この実施形態では、第1の実施形態の(1),(4)〜(8)と同様な効果を有する他に次の効果を有する。
(9) 前記減圧手段として、減圧用のポンプ(真空ポンプ30)を備えた。従って、減圧用のポンプにより水タンク21内が減圧にされるため、水タンク21内を所望の減圧状態に容易に保持することができる。生成水の蒸発による気化潜熱をより有効に利用することができる。
(10) コンプレッサ12及びエジェクタ27で減圧手段を構成する場合に比較して、管路が単純になる。
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態を図5及び図6に従って説明する。この実施形態では、水タンク21内を大気圧より減圧にする減圧手段として、コンプレッサ12を利用する点は第1の実施形態と同じであるが、エジェクタ27を使用しない点が前記第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同様な部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図5に示すように、コンプレッサ12の吸入口側に連結された管路31には流量調整弁32が設けられている。一端が水タンク21の上部に連通された管路28は、他端が管路31に対してコンプレッサ12と流量調整弁32との間において連結されている。この構成では、電磁三方弁V2が水タンク21を管路31と連通する状態に切り換えられた状態で、コンプレッサ12の吸入作用(吸引作用)が管路28を介して水タンク21に及ぶ。水タンク21に対するコンプレッサ12の吸入作用は流量調整弁32を通過する空気の流量の影響を大きく受ける。そして、コンプレッサ12の運転容量が同じであれば、流量調整弁32の開度が大きくなるほど、水タンク21に及ぶコンプレッサ12の吸入作用が小さくなる。この実施形態ではコンプレッサ12及び流量調整弁32が水タンク21内の圧力を大気圧より低く減圧する減圧手段を構成する。
次に図6のフローチャートに従って、燃料電池冷却システム19の作用を説明する。
先ずステップS21で制御装置からの指令により、電磁三方弁V2は、水タンク21を大気と連通させる状態に切り換えられ、電磁三方弁V3は燃料電池11から排出される空気及び生成水を水タンク21へ導く状態に切り換えられる。また、電磁開閉弁V4が閉じられ冷却液回路20を循環する冷却液は水タンク21は通過せずにラジエータ23のみを通過する状態となる。また、電磁三方弁V5は、常には水タンク21をウォータポンプ25と連通させる状態に保持されているが、水タンク21内の生成水の量が多くなり過ぎた場合に、生成水を管路22aから排出可能な状態に切り換えられ、過剰な生成水が生成水回路22の外部に排出される。ステップS21の状態では、水タンク21内の減圧は行われず、燃料電池冷却システム19の作用は、第1の実施形態のステップS1の状態と同じである。
次にステップS22に進み、制御装置は燃料電池11の温度が規定温度以上か否かを判断し、規定温度以上であればステップS23に進み、規定温度未満であればステップステップS24及びステップステップS25を経てステップS21に戻る。ステップS24では流量調整弁32に空気流量を規定量に調整する指令が出力され、ステップS25ではポンプ24に流量が規定量となるように指令信号が出力される。空気流量の規定量とは、燃料電池11へ送るべき空気をコンプレッサ12から供給できる流量を意味する。
制御装置はステップS23で水タンク21の貯留部21aに溜まっている生成水が所定量以上か否かを判断し、所定量以上であればステップS26を経てステップS27、ステップS28へと進み、所定量未満であればステップS29を経てステップS28へ進む。
ステップS26では、制御装置からの指令により、電磁三方弁V2は、水タンク21を管路31と連通させる状態に切り換えられ、電磁三方弁V3は燃料電池11から排出される空気及び生成水を外部(大気)へ放出する状態に切り換えられる。また、電磁開閉弁V4が開かれ、冷却液回路20を循環する冷却液の一部が水タンク21を通過し、一部がラジエータ23を通過する状態となる。
ステップS26では燃料電池11の温度が規定温度以上である状態に対応する必要があるため、冷却液回路20の冷却液の冷却効率を高める必要がある。冷却効率を高めるために、冷却液の一部が水タンク21を通過する状態に切り換えられる。また、水タンク21内を減圧状態にして、水タンク21における冷却水の冷却効率が、水タンク21内を減圧しない状態より向上する状態にするための準備作業が行われる。そして、ステップS27で流量調整弁32の開度が、ステップS24における規定量に対応する開度より絞られる。その結果、水タンク21内にコンプレッサ12の吸引作用が及び、水タンク21内が減圧状態になる。貯留部21a内に生成水があまりない状態で減圧状態にすると、加湿器14,16に送る生成水が不足する状態となり、燃料電池11の運転に支障を来す。しかし、ステップS26,S27は、水タンク水量、即ち貯留部21a内の水量が所定量以上で実行されるため、水タンク21内が減圧状態に保持されても支障はない。
ステップS28では、制御装置からの指令信号に基づいて、ポンプ24は流量が規定量より多くなる状態で運転される。なぜならば、燃料電池11の温度が規定温度以上のため、冷却液回路20における冷却液の循環速度を高めて冷却効率を高める必要があるからである。制御装置は、ステップS28でポンプ24の流量を高める指令を行った後、ステップS22に戻る。
ステップS29では、冷却液回路20の冷却液の冷却を水タンク21でも行うが、貯留部21a内の生成水の量が所定量未満のため、水タンク21内が減圧状態にされると不具合が生じるため、減圧状態とせずに冷却液回路20の冷却水を冷却する準備が行われる。電磁三方弁V2は、水タンク21を大気と連通させる状態に保持され、電磁三方弁V3は燃料電池11から排出される空気及び生成水を水タンク21へ供給する状態に保持される。また、電磁開閉弁V4が開かれ、冷却液回路20を循環する冷却液の一部が水タンク21を通過し、一部がラジエータ23を通過する状態となる。
ステップS29の状態では、減圧は行われない。しかし、燃料電池11から排出された空気及び生成水が水タンク21に供給され、生成水が貯留部21aに溜まる。また、空気及び水タンク21で蒸発した水蒸気は管路28及び電磁三方弁V2を経て外部(大気)に放出されるため、水タンク21に冷却液回路20の冷却液を流さない場合に比較して、冷却液の冷却効率は高くなる。
この実施形態では、第1の実施形態の(1),(2),(4)〜(8)と同様な効果を有する他に次の効果を有する。
(11) エジェクタ27を使用する場合に比較して、電磁開閉弁V1が不要な分、部品点数が少なくなるとともに、管路も簡単になる。
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 冷却液回路20において、水タンク21と対応する箇所を流れる経路20aと、ラジエータ23と対応する箇所を流れる経路20bとを並列に設けたが、図7に示すように、冷却液回路20の水タンク21と対応する箇所と、ラジエータ23と対応する箇所とを直列に構成してもよい。水タンク21とラジエータ23との配置は逆であってもよい。この場合、電磁開閉弁V4が不要になり、制御が簡単になる。
○ 燃料電池冷却システム19を高負荷時に水タンク21内を減圧状態に切り換え、低負荷時(高負荷時でない状態)に水タンク21と対応する経路20aに流さないように制御する方法は、燃料電池11の温度に基づいて行う方法に限らない。例えば、自動車の走行を制御する主制御装置から、燃料電池冷却システム19を制御する制御装置に高負荷運転時か低負荷運転時かを報知する報知信号を出力するように構成し、該制御装置がその指令により、高負荷時か低負荷時かの判断を行うようにしてもよい。例えば、登坂時や高速走行時に高負荷の報知信号が出力される。制御装置は、コンプレッサ12、ポンプ24、電磁開閉弁V1、V4及び電磁三方弁V2,V3,V5に、低負荷時にはステップS1,S11,S21に対応する指令信号を出力し、高負荷時にはステップS5以降、ステップS16以降あるいはステップS26以降に対応する指令信号を出力する。
〇 電磁三方弁V5を設けずに、水タンク21内の生成水の量が過剰になった時には、電磁三方弁V3を燃料電池11から排出される空気及び生成水を外部(大気)へ放出する状態に切り換える構成としてもよい。この場合、電磁三方弁V5が不要となり、部品点数が減る。
〇 電磁開閉弁V4をなくしてもよい。この場合、水タンク21と対応する箇所を流れる経路20aにも常に冷却液が流れる状態となる。
〇 燃料電池11の酸素供給ポートにコンプレッサ12で圧縮空気を供給する構成に代えて、酸素タンクから所定圧力に調整された酸素を供給するようにしてもよい。
○ 水タンク21内の経路20aの熱交換性能を向上させるために、フィンを取り付けてもよい。また、フィンを液面より出るように配置してもよい。燃料電池11から流入してくる液滴状の生成水の気化潜熱を冷却に利用できる。
以下の技術的思想(発明)は前記実施の形態から把握できる。
(1) 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記生成水回路の燃料電池と水タンクの入口との間に三方弁を設け、前記減圧手段で前記水タンク内を減圧状態にするときには、燃料電池から排出される生成水及び空気を水タンクに導入せずに大気に放出する。
(2) 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記冷却液回路には、冷却液が前記水タンク内を通過する経路と、前記ラジエータを通過する経路とが並列状態で設けられている。
(3) 前記技術的思想(2)に記載の発明において、前記水タンク内を通過する経路には水タンクより上流側に開閉弁が設けられ、前記開閉弁は前記水タンク内が減圧状態のときに開放される。
第1の実施形態の燃料電池冷却システムの概略構成図。 冷却作用を説明するフローチャート。 第2の実施形態の燃料電池冷却システムの概略構成図。 冷却作用を説明するフローチャート。 第3の実施形態の燃料電池冷却システムの概略構成図。 冷却作用を説明するフローチャート。 別の実施形態の燃料電池冷却システムの部分構成図。 従来技術の燃料電池冷却システムの概略構成図。
符号の説明
11…燃料電池、12,18…コンプレッサ、14,16…加湿器、20…冷却液回路、21…水タンク、22…生成水回路、23…ラジエータ、27…減圧手段を構成するエジェクタ、30…減圧用ポンプとしての真空ポンプ。

Claims (4)

  1. 燃料電池を冷却するための冷却液が循環する冷却液回路と、
    前記冷却液回路に設けられて冷却液の熱を外部に放熱させるラジエータと、
    前記燃料電池で生成される生成水を水タンクに貯留させ、貯留された水の一部を加湿器を介して燃料電池に再び供給する生成水回路と、
    前記水タンク内の圧力を大気圧より低く減圧する減圧手段とを備え、
    前記水タンク内の生成水の気化潜熱を利用して前記冷却液回路内の冷却液を冷却可能に、前記冷却液回路の一部が前記水タンク内を通過するようにした燃料電池の冷却システム。
  2. 前記生成水の一部を前記生成水回路の外部に放出する際、生成水と共に熱を放出する請求項1に記載の燃料電池の冷却システム。
  3. 前記減圧手段として、燃料電池に圧縮空気を供給するためのコンプレッサを利用する請求項1又は請求項2に記載の燃料電池の冷却システム。
  4. 前記減圧手段として、減圧用ポンプを備えた請求項1又は請求項2に記載の燃料電池の冷却システム。
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