以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、無線ハンディターミナルを使用した注文管理システムを導入してなる飲食店に本発明を適用した場合である。
図1は、本実施の形態における飲食店のシステム構成図である。飲食店には、客のオーダ入力及びそのデータ管理と厨房への調理指示並びに飲食代金の会計処理を一元化してなる注文管理システム1と、各客席に着いた客に対して文章,画像,電子ゲーム等の表示を伴うコンテンツを提供可能なコンテンツ配信システム2とが構築されている。
一方の注文管理システム1は、図中一点鎖線で示すように、複数の無線ハンディターミナル11と、無線部12と、コントローラ13と、厨房用端末14と、伝票発行機15と、POS(Point Of Sales)端末16とから構成されている。他方のコンテンツ配信システム2は、図中二点鎖線で示すように、コンテンツデータベース21を有するコンテンツサーバ22と、各客席3a,3b,…3n毎に設けられた情報端末23及び無線タグリーダ24と、前記コントローラ13と、モニタ装置25とから構成されている。そして、両システム兼用のコントローラ13と、注文管理システム1の厨房用端末14,伝票発行機15及びPOS端末16と、コンテンツ配信システム2のコンテンツサーバ22及びモニタ装置25とは、LAN(Local Area Network)4によってネットワーク接続されている。
各無線ハンディターミナル11は、メニュー商品の注文データを入力するための各種キーが配置されたキー入力部、キー入力されたデータ等を表示するための表示部、データの無線送受信を司る無線部、各部を制御して注文データの入力等を処理する制御部等で構成された携帯型端末機であり、ウェイターやウェイトレスと呼ばれる接客担当の店員がそれぞれ携帯して使用するものである。無線部12は、各無線ハンディターミナル11から無線送信されるデータの受信機能と、各無線ハンディターミナル11に供給するデータの無線送信機能とを有するもので、複数の客席3a〜3nが設けられた食堂の天井部等に取り付けられている。厨房用端末14は、厨房内の店員に対して客から注文を受けたメニュー商品の調理指示を画面表示または調理指示票の印刷出力等によって行うものである。伝票発行機15は、客が注文したメニュー商品の品名,単価,注文点数,金額等を印字した注文伝票5を発行するものである。POS端末16は、客が飲食したメニュー商品の代金を会計処理するものである。
各情報端末23は、図2に示すように、少なくともキーボード231とディスプレイ232とを備えてなるコンピュータ機器であり、それぞれ各客席3a〜3nの食卓6上に1台ずつ置かれている。なお、各情報端末23は、入力デバイスとしてキーボード231以外に例えばマウスを接続したものであってもよい。また、出力デバイスとしてディスプレイ232以外に例えばプリンタを備えたものであってもよい。また、情報端末23は1つの客席に対して並列的に複数台置かれていてもよい。無線タグリーダ24は、同図に示すように、各客席3a〜3nの食卓6毎に設けられた札収納部7に組み込まれており、この札収納部7に収納される会計札8に設けられた無線タグ9のメモリ情報を検出するものとなっている。
会計札8は、食卓6に着いた客のオーダに関する注文伝票5を挟み止めておくバインダとして用いられるもので、本実施の形態では、図3の(a)〜(d)に示すように、百番台の番号がそれぞれ会計札番号として割当てられた第1の会計札8aと、二百番台の番号がそれぞれ会計札番号として割当てられた第2の会計札8bと、三百番台の番号がそれぞれ会計札番号として割当てられた第3の会計札8cと、四百番台の番号がそれぞれ会計札番号として割当てられた第4の会計札8dの計4種類の会計札8が予め用意されている。そして、第1の会計札8aは子供を連れたグループ客に対する注文伝票5のバインダとして使用され、第2の会計札8bはカップルのグループ客に対する注文伝票5のバインダとして使用され、第3の会計札8cは子供のいないグループ客に対する注文伝票5のバインダとして使用され、第4の会計札8dは個人客に対する注文伝票5のバインダとして使用されるものとなっている。
図4は、各客席3a〜3nの札収納部7に設けられた無線タグリーダ24と、各会計札8(8a〜8d)にそれぞれ設けられた無線タグ9の要部構成を示すブロック図である。無線タグリーダ24は、上位装置とのインターフェイス部31と、不揮発性のメモリ部32と、制御部33と、制御部33から与えられるデータを無線通信に適した変調信号に変調する変調部34と、変調信号を増幅してアンテナ36から問合せ電波として放射させる送信アンプ35と、アンテナ36で受信した電波信号を増幅する受信アンプ37と、増幅された電波信号からデータを復調して制御部33に与える復調部38とから構成されている。メモリ部32には、各無線タグリーダ24毎に異なるように設定された識別情報としてのタグリーダIDが予め格納されている。制御部33は、上位装置からインターフェイス部31を介して起動が指令されると所定のデータを周期的に変調部34に送出する機能と、復調部38にて復調されたデータを取込むとそのデータをタグリーダIDとともにインターフェイス部31を介して上位装置に送出する機能とを有する。
無線タグ9は、アンテナ41で受信した変調電波の整流と安定化を行うことにより各部に電源を供給する電源生成部42と、上記変調電波を復調して制御部45へ送出する復調部43と、制御部45から送出されたデータを変調してアンテナ41に送出する変調部44と、復調部43で復調されたデータのメモリ部46への書込みや、メモリ部46から送信データを読み出して変調部44へ送出する制御部45と、不揮発性のメモリ部46とから構成されている。メモリ部46には、当該無線タグ9の製造段階で製造業者により割当て設定された一意の識別情報であるRFID(無線ID)を記憶する無線IDエリア46aと、ユーザが任意のデータを書込むことができるユーザエリア46bとが形成されている。そしてユーザエリア46bには、当該無線タグ9が設けられた会計札8の会計札番号が予め格納されている。
図5はコントローラ13の要部構成を示すブロック図である。コントローラ13は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)51、プログラム等の固定的データが予め格納されたROM(Read Only Memory)52、可変的なデータを記憶するための各種メモリエリアが形成されるRAM(Random Access Memory)53、現在の日付及び時刻を計時する計時手段としての時計部54、LAN4に接続され、このLAN4を介して行われるデータ通信を司るLANインターフェイス55、各メニュー商品のメニューコードに対応して品目名,単価等がプリセットされたメニューファイル等が保存されるHDD(Hard Disk Drive)装置56、前記各無線タグリーダ24から出力される信号を入力するI/Oポート57、前記無線部12が接続され、この無線部12との間でデータを送受信する無線部インターフェイス58等で構成されている。そしてCPU51と、ROM52,RAM53,時計部54,LANインターフェイス55,HDD装置56,I/Oポート57及び無線部インターフェイス58とは、アドレスバス,データバス等のバスライン59で接続されている。
かかる構成のコントローラ13において、そのRAM53には、特に図6に示すように、各客席3a〜3nにそれぞれ設けられている無線タグリーダ24のタグリーダIDに対応して、その無線タグリーダ24が設けられている客席3a〜3nの食卓6に対して一意に設定された卓番号を記憶してなるタグリーダテーブル61と、会計札8a〜8dの使い分けを行う客層(子供連れ,カップル,グループ,個人)に対して一意に設定された客層コードに対応して、その客層項目名と、その客層に対して使用される会計札8a〜8dの会計札番号とを記憶してなる会計札テーブル62と、各食卓6の卓番号別に、その食卓6の客席3a〜3nに着席した客に関する情報(客席情報)を格納する客席情報バッファ63とが形成されている。
因みに、本実施の形態では、タグリーダテーブル61に、タグリーダID[ID001]の無線タグリーダ24が設けられた食卓6の卓番号を「01」と設定し、タグリーダID[ID002]の無線タグリーダ24が設けられた食卓6の卓番号を「02」と設定し、タグリーダID[ID003]の無線タグリーダ24が設けられた食卓6の卓番号を「03」と設定している。また、会計札テーブル62に、客層コード「1」に対応して客層項目名「子供連れ」を設定するとともに第1の会計札8aにそれぞれ割当てられている会計札番号が全て該当する情報「1XX」(Xは任意の値を示す)を設定し、客層コード「2」に対応して客層項目名「カップル」を設定するとともに第2の会計札8bにそれぞれ割当てられている会計札番号が全て該当する情報「2XX」を設定し、客層コード「3」に対応して客層項目名「グループ」を設定するとともに第3の会計札8cにそれぞれ割当てられている会計札番号が全て該当する情報「3XX」を設定し、客層コード「4」に対応して客層項目名「個人」を設定するとともに第4の会計札8dにそれぞれ割当てられている会計札番号が全て該当する情報「4XX」を設定している。
客席情報バッファ63に記憶される客席情報は、図7に示すように、対応する卓番号の客席3a〜3nに置かれた会計札8の会計札番号と、当該客席3a〜3nが空席なのか在席なのかを識別する状態フラグ(0:空席、1:在席)と、客層コードと、人数と、接客担当者の担当者コードと、注文データとから構成されている。なお、空席状態にある客席3a〜3nの卓番号に対応する客席情報は、会計札番号,客層コード,人数,担当者コード及び注文データがすべてクリアされている。
図8は、コンテンツサーバ22の要部構成を示すブロック図である。コンテンツサーバ22は、CPU71、ROM72、RAM73、時計部74、LANインターフェイス75及びHDD装置76と、端末インターフェイス77とで構成されている。そしてCPU71と、ROM72,RAM73,時計部74,LANインターフェイス75,HDD装置76及び端末インターフェイス77とは、アドレスバス,データバス等のバスライン78で接続されている。端末インターフェイス77には、各情報端末23がそれぞれ通信ケーブルを介して接続されており、各情報端末23に供給するデータの送信機能及び各情報端末23から送信されるデータの受信機能を有している。
かかる構成のコンテンツサーバ22において、そのHDD装置76には、図10に示すように、文章,画像,電子ゲーム等の表示を伴う各種コンテンツの実体データが、それぞれコンテンツID,コンテンツ名,分類コード,推奨客層コード,制限フラグ,課金フラグ及び単価の各コンテンツ制御データとともに保存されたコンテンツデータベース21が形成されている。なお、HDD装置76は、コンテンツサーバ22に内蔵されていてもよいし、外付されていてもよい。
ここで、コンテンツIDは、各コンテンツ毎に一意に設定された識別符号である。コンテンツ名は、対応するコンテンツIDが設定されたコンテンツの名称である。分類コードは、対応するコンテンツIDが設定されたコンテンツの分類(文章コンテンツ,画像コンテンツ,電子ゲームコンテンツ等)を特定するコードである。
推奨客層コードは、対応するコンテンツIDが設定されたコンテンツを推奨する客層の客層コードである。すなわち、子供連れの客に推奨するコンテンツに対しては推奨客層コード=1が設定されており、カップルに推奨するコンテンツに対しては推奨客層コード=2が設定されている。また、カップルや子供のいないグループ客に推奨するコンテンツに対しては推奨客層コード=2及び3が設定されている。なお、特に推奨すべき客層がないコンテンツに対しては、コード“0”が設定されている。
制限フラグは、対応するコンテンツIDが設定されたコンテンツが子供連れの客に対して使用を禁止するか否かを識別する情報であり、禁止する場合には“1”にセットされる。例えば、子供には見せたくない映像を含むコンテンツや比較的高額の課金を要する有料コンテンツ等が該当する。
課金フラグは、対応するコンテンツIDが設定されたコンテンツが有料コンテンツか否かを識別する情報であり、有料の場合には“1”にセットされる。そして、有料コンテンツに対しては1回の課金が単価として設定される。
コンテンツサーバ22のRAM73は、特に図9に示すように、各客席3a〜3nの食卓6に対して一意に設定された卓番号別に、その客席3a〜3nに着席した客が利用した有料コンテンツの合計料金と、当該客に対する推奨コンテンツのリストデータと、推奨コンテンツ以外の使用可能なコンテンツ(一般コンテンツ)のリストデータとを記憶するコンテンツ情報メモリ80が形成されている。
さて、本実施の形態の飲食店においては、客が来店すると、接客担当の店員が客を空席状態にある客席3a〜3nまで案内する。このとき店員は、客が子供連れの場合には百番台の会計札番号が設定された第1の会計札8aを持ち出し、当該客を案内した客席3a〜3nの食卓6に設けられた札収納部7に収納する。同様に、客がカップルの場合には二百番台の会計札番号が設定された第2の会計札8bを札収納部7に収納し、客が子供綴れでないグループ客の場合には三百番台の会計札番号が設定された第3の会計札8cを札収納部7に収納し、客が個人客の場合には四百番台の会計札番号が設定された第4の会計札8dを札収納部7に収納する。
こうして、札収納部7に客層に対応した会計札8a〜8dが収納されると、無線タグリーダ24によって当該会計札8a〜8dに設けられている無線タグ9のメモリ情報(RFID,会計札番号)が読取られる。そして、このタグメモリ情報が当該無線タグリーダ24のタグリーダIDとともにタグ検出出力信号としてコントローラ13に送信される。これにより、コントローラ13のCPU51は、図11の流れ図に示すタグ検出処理を実行するものとなっている。
すなわちCPU51は、I/Oポート57を介していずれかの無線タグリーダ24からタグ検出出力信号を入力すると、このタグ検出処理を開始する。先ず、ST(ステップ)1としてタグ検出出力信号のタグリーダIDでタグリーダテーブル61を検索して、当該タグリーダIDに対応して設定されている卓番号を取得する。次に、ST2としてST1の処理で取得した卓番号で客席情報バッファ63を検索し、当該卓番号に対応する客席情報の状態フラグを調べる。
ここで、状態フラグが“0”であった場合には、空席状態にあった客席3a〜3nに客が案内され、その卓6の札収納部7に当該客の客層に該当する会計札8が収納されたので、CPU51は、ST3としてタグ検出出力信号のタグメモリ情報から会計札番号を取得する。そして、ST4としてST3の処理で取得した会計札番号で会計札テーブル62を検索し、当該会計札番号と百の位が一致する会計札番号が設定された客層コードを取得する(客層認識手段)。
次に、CPU51は、ST5としてST3の処理で取得した会計札番号と、ST4の処理で取得した客層コードとを、客席情報バッファ63のST1の処理で取得した卓番号に対応する客席情報レコードにセットする。また、この客席情報レコードの状態フラグを在席を示す“1”に変更する。
次に、CPU51は、ST6としてST1の処理で取得した卓番号とST4の処理で取得した客層コードとを含むコンテンツサーバ22宛の着席通知伝文を作成し、この伝文をLAN4に送信する。また、ST7としてST4の処理で取得した客層コードに対応して会計札テーブル62に設定されている客層項目名情報を取得する。そして、この客層項目名情報とST1の処理で取得した卓番号とを含むモニタ装置25宛の客層通知伝文を作成し、この通知伝文をLAN4に送信する(客層出力手段)。
以上で、CPU51は、タグ検出処理を終了する。なお、ST2の処理で状態フラグが“1”,つまり在席であった場合には、CPU51は、前記ST3〜ST7の各処理を実行することなく、このタグ検出処理を終了する。
LAN4を介して自己宛の着席通知伝文を受信したコンテンツサーバ22においては、後述するリスト作成処理が実行される。また、同じくLAN4を介して自己宛の客層通知伝文を受信したモニタ装置25においては、その伝文中の卓番号と客層項目名が対応付けられて表示される。
客席3a〜3nに着席した客は、メニュー等を見てオーダを決め、店員に伝える。接客担当の店員は、客からオーダを受けると、ハンディターミナル11を操作してオーダ内容を入力する。このとき、自身の担当者コードと、その客が着席している客席3a〜3nの卓番号と、客の人数も入力する。そして、必要なデータを入力した後、データ伝送を指示する操作を行う。すると、これらの入力データが無線伝送され、無線部12を介してコントローラ13に取り込まれる。
これにより、コントローラ13のCPU51は、担当者コードと客の人数データとオーダ内容に相当する注文データとを客席情報バッファ63の当該卓番号に対応する客層情報レコードにセットする。また、客から注文を受けたメニュー商品のメニューコード,注文数量等を含む厨房用端末14宛の調理指示伝文を作成し、この調理指示伝文をLAN4に送信する。さらに、卓番号,担当者コードに対応する担当者名,人数,注文メニュー商品の品目名,単価,注文点数及びその合計金額等を含む伝票発行機15宛の注文伝票伝文を作成し、この注文伝票伝文をLAN4に送信する。
LAN4を介して自己宛の調理指示伝文を受信した厨房用端末14においては、客から注文を受けたメニュー商品の調理指示が行われる。これにより、厨房内の調理担当者は、客から注文を受けたメニュー商品の調理を行う。
また、同じくLAN4を介して自己宛の注文伝票伝文を受信した伝票発行機15においては、卓番号,担当者名,人数,注文メニュー商品の品目名,単価,注文点数及び合計金額等が印字された注文伝票5が発行される。注文伝票5が発行されると、店員は、その注文伝票5の内容にしたがって調理された料理を配膳する。そして、配膳を完了すると、注文伝票5を該当する卓番号の客席3a〜3nまで持って行って、札収納部7に収納されている会計札8に鋏み止める。
飲食を終えた客は、会計札8を持って客席3a〜3nを離れ、会計カウンタに行って代金を支払う。このとき、会計担当の店員は、POS端末16を操作して、会計札8に挟み止められていた注文伝票5の卓番号を入力する。そうすると、POS端末16では、入力された卓番号を含むコントローラ13宛の卓番号問合せ伝文が作成され、この卓番号問合せ伝文がLAN4に送信される。
LAN4を介して自己宛の卓番号問合せ伝文を受信したコントローラ13のCPU51は、図12の流れ図に示す会計応答処理を開始する。先ず、CPU51は、ST11として受信した卓番号問合せ伝文から卓番号を取得する。そして、ST12としてST11の処理で取得した卓番号で客席情報バッファ63を検索して、当該卓番号に対応する客席情報レコードの状態フラグを調べる。
ここで、状態フラグが“1”であった場合には、在席状態にある客席3a〜3nに着席していた客からの会計の申し出なので、CPU51は、ST13としてST11の処理で取得した卓番号でタグリーダテーブル61を検索して、当該卓番号に対応して設定されているタグリーダIDを取得する。そして、ST14としてI/Oポート57に入力される各無線タグリーダ24の信号から、ST13の処理で取得したタグリーダIDが設定されている無線タグリーダ24が無線タグ9を検出しているか否かを判断する。
ここで、当該無線タグリーダ24が無線タグ9を検出していないことを確認したならば、CPU51は、ST16としてST11の処理で取得した卓番号を含むコンテンツサーバ22宛の離席通知伝文を作成し、この離席通知伝文をLAN4に送信する。すると、コンテンツサーバ22からは、離席通知伝文に含まれる卓番号の客席3a〜3nに対するコンテンツ利用料のデータが返信されてくるので(後述するコンテンツサーバ22の出力制御処理を参照)、CPU51は、ST18として客席情報バッファ63に格納されている当該卓番号の注文データとコンテンツ利用料のデータとから会計データを編集する。そして、ST19としてこの会計データを含むPOS端末16宛の会計許可伝文を作成し、この伝文をLAN4に送信する。
しかる後、CPU51は、ST20として客席情報バッファ63に格納されている当該卓番号の状態フラグを空席を示す情報“0”に変更する。また、ST21として当該卓番号と空席情報とを含むモニタ装置25宛の空席通知伝文を作成し、この伝文をLAN4に送信する。
以上で、CPU51は、会計応答処理を終了する。なお、ST12にて状態フラグが空席を示す“0”であった場合、及びST15にて該当する無線タグリーダ24が無線タグ9を検出していた場合には、POS端末16宛の会計不可伝文を作成し、この伝文をLANに送信して、会計応答処理を終了するものとなっている。
LAN4を介して自己宛の伝文を受信したPOS端末16においては、その伝文が会計許可伝文であれば、その伝文に含まれる会計データに基づいて会計処理を実行する。これに対し、その伝文が会計不可応答であった場合には、会計エラーを報知するものとなっている。
また、同じくLAN4を介して自己宛の空席通知伝文を受信したモニタ装置25においては、その伝文中の卓番号と空席を示す文字またはマーク等が対応付けられて表示される。
図13は、コンテンツサーバ22のCPU71が実行するリスト作成処理の要部を示す流れ図である。CPU71は、LAN4を介して受信した自己宛の伝文が着席通知伝文であるとき、このリスト作成処理を開始する。
先ず、CPU71は、ST31として受信した着席通知伝文から卓番号x(x=a〜nのいずれか)と客層コードを取得する。そして、ST32としてRAM73に形成されている卓番号別のコンテンツ情報メモリ80のうち当該卓番号xのコンテンツ情報メモリ80(x)からコンテンツ利用料,推奨コンテンツリストデータ及び許可コンテンツリストデータを削除する。
次に、CPU71は、ST33として所定のコンテンツカウンタnを一旦“0”にリセットする。しかる後、CPU71は、ST34として上記コンテンツカウンタnを1だけカウントアップする。そして、ST35としてコンテンツデータベース21を検索して、n番目(nはコンテンツカウンタの値)に記憶されているコンテンツ実体データのコンテンツ制御データを読み出す。ここで、ST36としてn番目のコンテンツ実体データがコンテンツデータベース21に存在しない場合には、後述する出力制御処理に移行する。
コンテンツデータベース21からn番目のコンテンツ実体データのコンテンツ制御データを読み出したならば、CPU71は、ST37としてそのコンテンツ制御データの制限フラグが“1”にセットされているか否かを判断する。そして、制限フラグが“1”にセットされていた場合には、CPU71は、ST38としてST31の処理で着席通知伝文から取得した客層コードが“1”であるか否かを判断する。
ここで、ST37の処理で制限フラグが“1”でなかった場合、及び制限フラグは“1”であったがST38の処理で客層コードが“1”以外であった場合には、CPU71は、ST39としてST31の処理で着席通知伝文から取得した客層コードが当該コンテンツ制御データの推奨客層コードに含まれているか否かを判断する。そして、含まれている場合には、CPU71は、ST40として前記コンテンツ情報メモリ80(x)の推奨コンテンツリストデータに、当該コンテンツ制御データのコンテンツID,コンテンツ名,分類コード及び単価を追加する(コンテンツ選択手段)。これに対し、含まれていない場合には、CPU71は、ST41として同コンテンツ情報メモリ80(x)の一般コンテンツリストデータに、当該コンテンツ制御データのコンテンツID,コンテンツ名,分類コード及び単価を追加する。
ST37の処理で制限フラグが“1”であり、かつST38の処理で客層コードが“1”であった場合には、ST39〜ST41の処理を実行しない。その後、CPU71は、ST34の処理に戻り、コンテンツカウンタnを“1”だけカウントアップする。
こうして、CPU71は、コンテンツデータベース21に保存されている各コンテンツ実体データのコンテンツ制御データを順番に読み出す。そして、コンテンツ制御データを読み出す毎に、ST37〜ST41の各処理を実行する。すなわち、読み出したコンテンツ制御データの制限フラグが“1”にセットされていないか、“1”にセットされていても着席通知伝文から取得した客層コードが“1”以外であった場合において、その客層コードが当該コンテンツ制御データの推奨客層コードに含まれる場合には、当該コンテンツ制御データのコンテンツID,コンテンツ名,分類コード及び単価を、卓番号xに対応したコンテンツ情報メモリ80(x)の推奨コンテンツリストデータに追加し(コンテンツ選択手段)、推奨客層コードに含まれない場合には、同コンテンツ情報メモリ80(x)における一般コンテンツリストデータに追加する。
そして、n番目のコンテンツ実体データがコンテンツデータベース21に存在しないことを確認すると、CPU71は、図14に具体的に示す出力制御処理を開始する。先ず、CPU71は、ST42として当該卓番号xに対応したコンテンツ情報メモリ80(x)の推奨コンテンツリストデータを、当該卓番号xが設定された客席3x(x=a〜n)に設置されている情報端末23にダウンロードする(コンテンツリスト通知手段)。
これにより、情報端末23のディスプレイ232には、図15に示すような内容の推奨コンテンツリストが表示されるので、CPU71は、当該情報端末23のキーボード231が操作されて、推奨コンテンツリストの中からいずれか1つのコンテンツが選択されるか、その他釦が操作されるのを待機する。
ここで、ST45として当該情報端末23からの信号によりキーボード231のその他釦が操作されたことを検知した場合には、CPU71は、ST46として前記コンテンツ情報メモリ80(x)に記憶された一般コンテンツリストデータを、当該情報端末23にダウンロードする。
これにより、情報端末23のディスプレイ232には、図16に示すような内容の一般コンテンツリストが表示されるので、CPU71は、当該情報端末23のキーボード231が操作されて、一般コンテンツリストの中からいずれか1つのコンテンツが選択されるか、推奨釦が操作されるのを待機する。
ここで、ST49として当該情報端末23からの信号によりキーボード231の推奨釦が操作されたことを検知した場合には、CPU71は、ST42の処理に戻る。すなわち、前記コンテンツ情報メモリ80(x)に記憶された推奨コンテンツリストデータを、当該情報端末23にダウンロードする。
ST42にて推奨コンテンツリストデータを通知した後、ST43として当該情報端末23からの信号によりいずれかのコンテンツが選択されたことを検知すると、CPU71は、ST50としてその選択されたコンテンツの課金フラグを調べる。そして、課金フラグが“1”にセットされていた場合には、選択されたコンテンツは有料コンテンツなので、CPU71は、ST51として前記コンテンツ情報メモリ80(x)のコンテンツ利用料データに当該有料コンテンツの単価データを加算する。
しかる後、CPU71は、ST52として選択されたコンテンツの実体データをコンテンツデータベース21から読出し、当該情報端末23にダウンロードする(コンテンツ配信手段)。これにより、当該情報端末23においては、ダウンロードされたコンテンツ実体データが処理されて、ディスプレイ232に表示される。
その後、CPU71は、ST53として当該情報端末23にてコンテンツの終了が宣言されるのを待機する。そして、当該情報端末23からの信号によりコンテンツ終了を検知すると、CPU71は、ST42の処理に戻る。すなわち、前記コンテンツ情報メモリ80(x)に記憶された推奨コンテンツリストデータを、当該情報端末23にダウンロードする。
ST46にて一般コンテンツリストデータを通知した後、ST47として当該情報端末23からの信号によりいずれかのコンテンツが選択されたことを検知すると、CPU71は、ST55としてその選択されたコンテンツの課金フラグを調べる。そして、課金フラグが“1”にセットされていた場合には、選択されたコンテンツは有料コンテンツなので、CPU71は、ST56として前記コンテンツ情報メモリ80(x)のコンテンツ利用料データに当該有料コンテンツの単価データを加算する。
しかる後、CPU71は、ST57として選択されたコンテンツの実体データをコンテンツデータベース21から読出し、当該情報端末23にダウンロードする。これにより、当該情報端末23においては、ダウンロードされたコンテンツ実体データが処理されて、ディスプレイ232に表示される。
その後、CPU71は、ST58として当該情報端末23にてコンテンツの終了が宣言されるのを待機する。そして、当該情報端末23からの信号によりコンテンツ終了を検知すると、CPU71は、ST42の処理に戻る。すなわち、前記コンテンツ情報メモリ80(x)に記憶された推奨コンテンツリストデータを、当該情報端末23にダウンロードする。
また、CPU71は、当該情報端末23からの信号を待機している状態、すなわち当該情報端末23に推奨コンテンツリストデータまたは一般コンテンツリストデータを送信後、若しくはコンテンツ実体データを送信後において、LAN4を介してコントローラ13から、当該情報端末23が設置されている客席3xに設定された卓番号xを含む離席通知伝文を受信すると(ST44,ST48,ST54及びST59のYES)、CPU71は、ST60として当該卓番号xに対応したコンテンツ情報メモリ80(x)に記憶されているコンテンツ利用料データをLAN4を介してコントローラ13に送信して、当該情報端末23に対する出力制御処理を終了するものとなっている。
このように、本実施の形態の注文管理システム1及びコンテンツ配信システム2が構築された飲食店においては、店員が来店した客を客席に案内する際に、その客の客層(子供連れ,カップル,グループ客または個人客)により仕分けされた会計札8a〜8dを用意し、当該客を案内した客席の食卓6に設けられている札収納部7に収納することによって、自動的に当該客の客層が認識される。そして、コンテンツデータベース21に格納されている各種のコンテンツの中から当該客層に対して推奨コンテンツとして設定されているコンテンツ群が選択され、当該客が着いた客席に置かれている情報端末23にその推奨コンテンツのリストデータが表示される。
ここで、客が情報端末23のキーボード231を操作していずれかのコンテンツを選択操作したとする。そうすると、コンテンツサーバ22から当該情報端末23に対してその選択されたコンテンツの実体データが配信され、ディスプレイ232に表示される。これにより、客は、当該コンテンツを楽しむことができる。また、コンテンツを終了させると、当該情報端末23のディスプレイ232に推奨コンテンツリストデータが再表示されるので、客は別のコンテンツを選択することによって楽しむことができる。
したがって、例えばゲーム等の子供が喜びそうなコンテンツを子供連れの客に対する推奨コンテンツとして設定することによって、子供が情報端末23の操作に夢中になり、店内を歩き回ったり騒いだりしなくなることが期待できる。また、子供を喜ばすことによって、子供連れの客が何度でも店に足を運ぶようになることも期待できる。勿論、カップルやグループ客等に対しても、それぞれその客層に対して推奨設定されたコンテンツを容易に選択して楽しむことができるので、食事以外の娯楽を与えることができ、来客数の増加を期待できる。
また客は、推奨コンテンツリストデータに所望するコンテンツがない場合には、当該情報端末23のキーボード231に設けられているその他釦を操作する。そうすると、コンテンツデータベース21に格納されている各種のコンテンツの中から当該客層に対して推奨コンテンツとして設定されていない一般コンテンツ群が選択され、当該客が着いた客席に置かれている情報端末23にその一般コンテンツのリストデータが表示される。したがって、例えば子供連れの客に対する推奨コンテンツとして子供向けのコンテンツのみを設定した場合でも、子供が情報端末23を操作していないときに親が操作して各種のコンテンツを楽しむことができる。
ただし、本実施の形態では、各種のコンテンツにそれぞれ対応したコンテンツ制御データに制限フラグを設けている。そして、客層コードが“1”、つまり子供連れの客に対しては、制限フラグがセットされたコンテンツを推奨コンテンツリスト及び一般コンテンツリストから除くようにしている。したがって、例えば子供には見せたくないコンテンツを当該子供連れの客が着席している客席に設けられた情報端末23に表示される推奨コンテンツリスト及び一般コンテンツリストから除くことができるので、親も安心して情報端末23を操作することができる。また、安心して子供に情報端末23の操作を任せることができる。
また、本実施の形態では、コントローラ13が会計札8a〜8dに設けられた無線タグ9の情報から客席3a〜3n別に認識した客層情報をモニタ装置25に通知し、モニタ装置25の画面にその卓番号と客層情報とを対応付けて表示させるようにしている。図17は、モニタ装置25に表示される客席状態表示画面の一例である。この画面を店員が見ることによって、例えばどの客席に子供連れがいるのかを容易に確認することができる。図17の例では、卓番号02と卓番号08の客席に着いている客が子供連れであることが分かる。そこで、子供に玩具や菓子を配るようなサービス等を実施する場合も、子供がいる客席を容易に把握でき、効率的である。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、コンテンツデータベース21をコントローラ13に設けるとともに、各客席の情報端末23をコントローラ13に接続して、コンテンツサーバ22の機能をコントローラ13が兼ね備えるようにしてもよい。こうすることにより、客自身が情報端末23を操作してメニュー商品の注文データを入力することも可能となる。
また、前記実施の形態では、会計札8に設けられた無線タグ9に会計札番号を記憶させ、無線タグ9から読取った会計札番号から会計札テーブル62を参照して客層コードを取得したが、会計札8に設けられた無線タグ9にその会計札8に該当する客層コードを記憶させ、無線タグ9から客層コードを直接取得するようにして、会計札テーブル62を省略してもよい。
また、前記実施の形態では、コンテンツサーバ22のCPU71が実行する出力制御処理において、必要な都度、推奨コンテンツリストデータと一般コンテンツリストデータをそれぞれ情報端末23にダウンロードしてそのリストを表示させたが、各情報端末23に各コンテンツリストデータの一時保存手段を設けることによって、出力制御処理の最初のステップで推奨コンテンツリストデータと一般コンテンツリストデータとを同時に情報端末23にダウンロードし、情報端末23が最初に推奨コンテンツリストを表示させ、この状態でその他釦が操作されると一般コンテンツリストを表示させ、この状態で推奨釦が操作されると推奨コンテンツリストを再度表示させるように構成してもよい。こうすることにより、情報端末23において釦操作によりコンテンツリストを切換える際の表示までの所要時間を短縮できる効果を奏する。
また、前記実施の形態では、客層を子供連れ,カップル,グループ客及び個人客の4つに分類したが、客層の分類はこれに限定されるものではない。例えば、入店時に靴をスリッパ等の上履きに履き替える形式の飲食店において、子供連れとそれ以外とで客層を分類してもよい。この場合、客層認識手段として、図18(a),(b)に示すように、大人用の上履き101と子供用の上履き102にそれぞれ無線タグ103を埋設し、大人用の上履き101に埋設された無線タグ103には大人用であることを示すデータを記憶させ、子供用の上履き102に埋設された無線タグ103には子供用であることを示すデータを記憶させる。また、図19に示すように、各客席に設置された食卓6の下の床部に、各上履き101,102に埋設された無線タグ9のメモリ情報を読取るための無線タグリーダ104を設ける。そして、この無線タグリーダ104で検出した無線タグ103のメモリ情報に子供用であることを示すデータが含まれる場合には、子供連れの客であると認識し、大人用であることを示すデータのみである場合には、子供連れでない客であると認識する手段が考えられる。こうすることにより、会計札を使用しない形式の飲食店においても本発明を適用できるものである。
また、前記実施の形態では、客層情報と卓番号の通知先をモニタ装置25としたが、厨房用端末14がディスプレイを備えたものであれば、厨房用端末14に通知してそのディスプレイに卓番号とそれに対応する客層情報とを表示させることによって、同様な効果を奏することができる。
この他、情報端末23をタッチパネル付の装置として、その他釦,推奨釦をタッチ操作により入力できるようにする等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
1…注文管理システム、2…コンテンツ配信システム、3a〜3n…客席、7…札収納部、8(8a〜8d)…会計札、9,103…無線タグ、13…コントローラ、21…コンテンツデータベース、22…コンテンツサーバ、23…情報端末、24,104…無線タグリーダ、25…モニタ装置。