JP2005098389A - プーリ成形体用樹脂組成物および当該樹脂組成物を用いたプーリ成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の課題は、プーリに必要な機械的強度を保持しつつ、ベルトに対する摩耗攻撃性を可能な限り少なくしたプーリ成形体を製造するためのプーリ成形体用樹脂組成物を提供することである。
【解決手段】 本発明の課題は、ガラス繊維と、無機充填材と、熱可塑性樹脂とを含むプーリ成形体用樹脂組成物であって、無機充填材の平均粒径は、18 μm以下であり、(ガラス繊維の質量)対(無機充填材の質量)の比率は、1:0.6〜1:3.7であることを特徴とするプーリ成形体用樹脂組成物によって解決される。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の課題は、ガラス繊維と、無機充填材と、熱可塑性樹脂とを含むプーリ成形体用樹脂組成物であって、無機充填材の平均粒径は、18 μm以下であり、(ガラス繊維の質量)対(無機充填材の質量)の比率は、1:0.6〜1:3.7であることを特徴とするプーリ成形体用樹脂組成物によって解決される。
【選択図】 なし
Description
本発明は、プーリ成形体用樹脂組成物および当該樹脂組成物を用いたプーリ成形体に関する。
近年、軽量化や経済性の要請から、エンジン補機駆動装置のベルト伝動用金属製のプーリに代えて、樹脂製のプーリが採用されるようになってきている〔例えば、以下の特許文献1、参照〕。
特開平11−060948号公報
このような樹脂製のプーリ、例えばアイドラープーリは、金属製ボスの外周にプーリ本体(プーリ成形体)を嵌め込んで形成され、このプーリ本体の外周にベルトがかけられている。
一般に、プーリ成形体(プーリ本体)製造用の樹脂組成物は、機械的強度の向上のため、熱可塑性樹脂中に多量のガラス繊維を配合させている。このため、プーリを長期間使用すると、プーリ成形体表面が摩耗して、樹脂組成物中のガラス繊維がプーリ成形体表面に露出し、このガラス繊維がベルトに対して示す摩耗攻撃性により、ベルトが摩耗し、最終的にはベルトが切断するという、問題があったのである。
一般に、プーリ成形体(プーリ本体)製造用の樹脂組成物は、機械的強度の向上のため、熱可塑性樹脂中に多量のガラス繊維を配合させている。このため、プーリを長期間使用すると、プーリ成形体表面が摩耗して、樹脂組成物中のガラス繊維がプーリ成形体表面に露出し、このガラス繊維がベルトに対して示す摩耗攻撃性により、ベルトが摩耗し、最終的にはベルトが切断するという、問題があったのである。
本発明の課題は、上記問題点に鑑み、プーリ成形体に必要な機械的強度を保持しつつ、ベルトに対する摩耗攻撃性を少なくしたプーリ成形体を製造するためのプーリ成形体用樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、前記課題を達成すべく、多数の実験を行った結果、ガラス繊維と、所定粒径以下の比較的小さい粒径の無機充填材とを、所定の比率割合で熱可塑性樹脂中に配合させると、前記課題を達成できることを見出し、この知見により、本発明が完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、ガラス繊維と、無機充填材と、熱可塑性樹脂とを含むプーリ成形体用樹脂組成物を提供する。本発明のプーリ成形体用樹脂組成物は、無機充填材の平均粒径が、18 μm以下であり、(ガラス繊維の質量)対(無機充填材の質量)の比率が、1:0.6〜1:3.7であることを特徴とする。
本発明の第2の態様として、本発明の前記プーリ成形体用樹脂組成物を成形してなることを特徴とするプーリ成形体を提供する。
本発明によれば、前記要件、特に、所定粒径以下の小粒径無機充填材の添加により、当該ガラス繊維が示す摩擦攻撃性を緩和させると共に、無機充填材とガラス繊維との相対的配合比率の最適化によりプーリ成形体に必要な機械的強度が得られ、これらにより、プーリ成形体に必要な機械的強度を保持しつつ、ベルトに対する摩耗攻撃性を可能な限り少なくできるという、技術的効果を奏することができたのである。
好適には、無機充填材は、炭酸カルシウム、シリカおよびアルミナからなる群から選ばれる。また好適には、熱可塑性樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂である。また、(熱可塑性樹脂の質量)対(ガラス繊維と無機充填材との合計質量)の比率は、30:70〜50:50である。
前記したように、本発明のプーリ成形体用樹脂組成物は、ガラス繊維と、平均粒径18 μm以下の無機充填材とを質量比1:0.6〜1:3.7で、熱可塑性樹脂中に配合させることによって形成することができる。
ガラス繊維
本発明に使用されるガラス繊維は、ガラスを溶融状態から引伸して作製される繊維であれば、いずれであってもよく、例えば、長繊維、短繊維などを例示できる。本発明にとって、繊維径5〜10 μmで繊維長80〜300 μmの短繊維が特に好適である。
ガラス繊維
本発明に使用されるガラス繊維は、ガラスを溶融状態から引伸して作製される繊維であれば、いずれであってもよく、例えば、長繊維、短繊維などを例示できる。本発明にとって、繊維径5〜10 μmで繊維長80〜300 μmの短繊維が特に好適である。
無機充填材
本発明に使用される無機充填材は、ガラス繊維がベルトに対して示す摩擦攻撃性を緩和させる材料であればいずれであってもよく、好適には、炭酸カルシウム、シリカおよびアルミナからなる群から選ばれる材料である。したがって、これら材料を、単独の形態または混合物の形態で使用することができる。
本発明に使用される無機充填材の平均粒径は、18 μm以下であることが必要である。この上限値を越えれば、以下の実施例7と、比較例5および6との比較から明らかなように、プーリ成形体の機械的強度が低下する共に摩耗攻撃性の改善が得られず、最終的にはプーリ成形体の破壊につながる。これは、無機充填材の平均粒径が上限値を越えると、樹脂組成物中、無機充填材の分散が不良となって、不均一になり、これより、最終のプーリ成形体の強度が低下すると共に摩耗攻撃性の改善が得られないものと、考えられる。
他方、1 μm以下の微粒子の無機充填材であっても、本発明のプーリ成形体用樹脂組成物中に使用することができるが、このような微粒子無機充填材は、高価であるため、経済的観点から言えば、好適には平均粒径2〜18 μm、より好適には平均粒径10〜18 μmの無機充填材を使用する。なお、平均粒径は、実施例記載の方法によって測定される。
本発明に使用される無機充填材は、ガラス繊維がベルトに対して示す摩擦攻撃性を緩和させる材料であればいずれであってもよく、好適には、炭酸カルシウム、シリカおよびアルミナからなる群から選ばれる材料である。したがって、これら材料を、単独の形態または混合物の形態で使用することができる。
本発明に使用される無機充填材の平均粒径は、18 μm以下であることが必要である。この上限値を越えれば、以下の実施例7と、比較例5および6との比較から明らかなように、プーリ成形体の機械的強度が低下する共に摩耗攻撃性の改善が得られず、最終的にはプーリ成形体の破壊につながる。これは、無機充填材の平均粒径が上限値を越えると、樹脂組成物中、無機充填材の分散が不良となって、不均一になり、これより、最終のプーリ成形体の強度が低下すると共に摩耗攻撃性の改善が得られないものと、考えられる。
他方、1 μm以下の微粒子の無機充填材であっても、本発明のプーリ成形体用樹脂組成物中に使用することができるが、このような微粒子無機充填材は、高価であるため、経済的観点から言えば、好適には平均粒径2〜18 μm、より好適には平均粒径10〜18 μmの無機充填材を使用する。なお、平均粒径は、実施例記載の方法によって測定される。
また、本発明に使用される粒状の無機充填材に関し、その変動係数は、60%以下が好ましく、より好ましくは55%以下であり、特に好ましくは45%以下である。有利な一実施形態によれば、変動係数は、55〜50%である。ここに、変動係数は、〔粒径の標準偏差/平均粒径〕×100(%)により定義される。
炭酸カルシウムとして、天然の石灰岩、白亜などを粉砕した重質炭酸カルシウムおよび化学的方法で得られる沈降性炭酸カルシウムを例示することができる。
また、本発明に使用されるシリカには、結晶性、無定形、ガラス状またはコロイド状の二酸化ケイ素と呼ばれる物質であって、式:SiO2で示される純粋な化学種の他に、種々の水和物の形態が包含される。
さらに、本発明に使用されアルミナには、バイヤー法または非バイヤー法で製造されるアルミナが包含され、セラミック材として使用されるアルミナが本発明に好適である。
炭酸カルシウムとして、天然の石灰岩、白亜などを粉砕した重質炭酸カルシウムおよび化学的方法で得られる沈降性炭酸カルシウムを例示することができる。
また、本発明に使用されるシリカには、結晶性、無定形、ガラス状またはコロイド状の二酸化ケイ素と呼ばれる物質であって、式:SiO2で示される純粋な化学種の他に、種々の水和物の形態が包含される。
さらに、本発明に使用されアルミナには、バイヤー法または非バイヤー法で製造されるアルミナが包含され、セラミック材として使用されるアルミナが本発明に好適である。
(ガラス繊維)対(無機充填材)の質量比
本発明に関し、〔ガラス繊維の質量〕対〔無機充填材の質量〕の比率(質量比)は、1:0.6〜1:3.7であることが必要である。この質量比の限界値に関し、相対的にガラス繊維の含有割合がより小さければ、機械的強度が低下する一方、相対的に無機充填材の含有割合がより小さければ、摩耗攻撃性の改善が得られない。好適なガラス繊維/無機充填材の質量比は、1:0.8〜1:3.0であり、より好適なガラス/無機充填材の質量比は、1:1.5〜1:2.5である。一実施形態によれば、有利なガラス繊維/無機充填材の質量比は、1:0.6〜1:2.5または1:2.5〜1:3.7である。
本発明に関し、〔ガラス繊維の質量〕対〔無機充填材の質量〕の比率(質量比)は、1:0.6〜1:3.7であることが必要である。この質量比の限界値に関し、相対的にガラス繊維の含有割合がより小さければ、機械的強度が低下する一方、相対的に無機充填材の含有割合がより小さければ、摩耗攻撃性の改善が得られない。好適なガラス繊維/無機充填材の質量比は、1:0.8〜1:3.0であり、より好適なガラス/無機充填材の質量比は、1:1.5〜1:2.5である。一実施形態によれば、有利なガラス繊維/無機充填材の質量比は、1:0.6〜1:2.5または1:2.5〜1:3.7である。
熱可塑性樹脂
本発明に使用される熱可塑性樹脂は、ガラス繊維および無機充填材に対し、良好な混和性を示し、プーリとして必要な耐熱性、摩耗性、機械的強度等を有する熱可塑性樹脂であればいずれであってもよい。好適な熱可塑性樹脂は、汎用樹脂、エンプラ(例えば、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高密度ポリエチレン樹脂等)、スーパーエンプラ(例えば、ポリスルホン樹脂、ポリアレート樹脂、ポリイミド樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等)である。特に、エンジン補機駆動装置のベルト伝動用プーリの場合には、融点が200℃以上の結晶性エンプラが好ましく、例えば、結晶性ポリアミド樹脂を挙げることができる。かかるポリアミド樹脂として、脂肪族ポリアミド樹脂、特に、6,6-ナイロン(例えば、メタキシレンジアミンと、アジピン酸との共重合体)、6-ナイロン、6,10-ナイロン等が好ましい。
本発明に使用される熱可塑性樹脂は、ガラス繊維および無機充填材に対し、良好な混和性を示し、プーリとして必要な耐熱性、摩耗性、機械的強度等を有する熱可塑性樹脂であればいずれであってもよい。好適な熱可塑性樹脂は、汎用樹脂、エンプラ(例えば、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高密度ポリエチレン樹脂等)、スーパーエンプラ(例えば、ポリスルホン樹脂、ポリアレート樹脂、ポリイミド樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等)である。特に、エンジン補機駆動装置のベルト伝動用プーリの場合には、融点が200℃以上の結晶性エンプラが好ましく、例えば、結晶性ポリアミド樹脂を挙げることができる。かかるポリアミド樹脂として、脂肪族ポリアミド樹脂、特に、6,6-ナイロン(例えば、メタキシレンジアミンと、アジピン酸との共重合体)、6-ナイロン、6,10-ナイロン等が好ましい。
熱可塑性樹脂とガラス繊維等の比率
本発明に関し、〔熱可塑性樹脂の質量〕対〔ガラス繊維と無機充填材との合計質量〕の比率(質量比)は、30:70〜50:50であることが好ましく、30:70〜35:65がより好ましい。上記の質量比の範囲内であれば、機械的強度をより向上させることができ、また、摩耗攻撃性をより改善することができる。
本発明に関し、〔熱可塑性樹脂の質量〕対〔ガラス繊維と無機充填材との合計質量〕の比率(質量比)は、30:70〜50:50であることが好ましく、30:70〜35:65がより好ましい。上記の質量比の範囲内であれば、機械的強度をより向上させることができ、また、摩耗攻撃性をより改善することができる。
プーリ成形体用樹脂組成物の他の成分
本発明のプーリ成形体用樹脂組成物は、機械的強度および摩耗攻撃性に悪影響を与えない限り、他の成分を含むことができる。例えば、カーボン繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、各種ホイスカー等の補強剤、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウムなどの難燃剤、タルク、クレーなどの充填剤、耐トラッキング剤、鉄、銅などの金属粉あるいは金属酸化物粉等の熱伝導度向上剤、顔料等を挙げることができる。
本発明のプーリ成形体用樹脂組成物は、機械的強度および摩耗攻撃性に悪影響を与えない限り、他の成分を含むことができる。例えば、カーボン繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、各種ホイスカー等の補強剤、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウムなどの難燃剤、タルク、クレーなどの充填剤、耐トラッキング剤、鉄、銅などの金属粉あるいは金属酸化物粉等の熱伝導度向上剤、顔料等を挙げることができる。
プーリ成形体用樹脂組成物の製造法
本発明のプーリ成形体用樹脂組成物を製造するには、混合機、例えばヘンシェルミキサーを用い、室温で、熱可塑性樹脂に、無機充填材、ガラス繊維、要すれば希釈剤を添加して、均一になるまで撹拌する。
本発明のプーリ成形体用樹脂組成物を製造するには、混合機、例えばヘンシェルミキサーを用い、室温で、熱可塑性樹脂に、無機充填材、ガラス繊維、要すれば希釈剤を添加して、均一になるまで撹拌する。
プーリ成形体の製造法
本発明のプーリを製造するには、本発明のプーリ成形体用樹脂組成物を、温度270〜300℃で成形機(特に二軸押出機)によって押出成形してひも状の樹脂を製造し、得られた樹脂をペレタイザーによってペレットを得る。このペレットを用い、成形機(特に、射出成形機)によって、本発明のプーリ成形体を製造することができる。
本発明のプーリを製造するには、本発明のプーリ成形体用樹脂組成物を、温度270〜300℃で成形機(特に二軸押出機)によって押出成形してひも状の樹脂を製造し、得られた樹脂をペレタイザーによってペレットを得る。このペレットを用い、成形機(特に、射出成形機)によって、本発明のプーリ成形体を製造することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
無機充填材の平均粒径の測定法
無機充填材の平均粒径は、溶液内でブラウン運動している粒子にレーザー光を照射して測定する光散乱式粒子計数器法を用いて測定した。なお、この測定に用いた装置は、大塚電子株式会社製のELS-8000である。
無機充填材の平均粒径は、溶液内でブラウン運動している粒子にレーザー光を照射して測定する光散乱式粒子計数器法を用いて測定した。なお、この測定に用いた装置は、大塚電子株式会社製のELS-8000である。
実施例1〜7:プーリ成形体用樹脂組成物
前記した製造法に従い、以下の表1に示した成分および使用割合で配合して本発明のプーリ成形体用樹脂組成物を製造した。なお、無機充填材の平均粒径は、前記した測定法で測定したものである。また、用いた粒状の無機充填材の変動係数は、55〜50%の範囲内であった。
なお、この実施例で用いた熱可塑性樹脂は、メタキシレンジアミンと、アジピン酸との共重合体〔商品名PA-MXD6、製造会社:三菱エンプラ(株)〕である。
また、炭酸カルシウムは、日東粉化工業(株)社製の炭酸カルシウム、シリカは、宇部日東化成社製のシリカ、アルミナは、住友化学(株)社製のアルミナを用いた。
前記した製造法に従い、以下の表1に示した成分および使用割合で配合して本発明のプーリ成形体用樹脂組成物を製造した。なお、無機充填材の平均粒径は、前記した測定法で測定したものである。また、用いた粒状の無機充填材の変動係数は、55〜50%の範囲内であった。
なお、この実施例で用いた熱可塑性樹脂は、メタキシレンジアミンと、アジピン酸との共重合体〔商品名PA-MXD6、製造会社:三菱エンプラ(株)〕である。
また、炭酸カルシウムは、日東粉化工業(株)社製の炭酸カルシウム、シリカは、宇部日東化成社製のシリカ、アルミナは、住友化学(株)社製のアルミナを用いた。
比較例1〜6:プーリ成形体用樹脂組成物
前記実施例と同様な方法に従い、以下の表2に示した成分および使用割合で配合して、比較例としてのプーリ成形体用樹脂組成物を調製した。なお、無機充填材の平均粒径は、前記した測定法で測定したものである。また、用いた粒状の無機充填材の変動係数は、55〜50%の範囲内であった。
前記実施例と同様な方法に従い、以下の表2に示した成分および使用割合で配合して、比較例としてのプーリ成形体用樹脂組成物を調製した。なお、無機充填材の平均粒径は、前記した測定法で測定したものである。また、用いた粒状の無機充填材の変動係数は、55〜50%の範囲内であった。
実施例8〜14
前記したプーリ成形体の製造法に従い、上記実施例1〜7で製造したプーリ成形体用樹脂組成物を用い、各々、実施例8〜14のプーリ成形体(プーリ外径70 mm)を製造した。
前記したプーリ成形体の製造法に従い、上記実施例1〜7で製造したプーリ成形体用樹脂組成物を用い、各々、実施例8〜14のプーリ成形体(プーリ外径70 mm)を製造した。
比較例8〜13
実施例8〜14と同様な方法に従い、上記比較例1〜6で調製したプーリ成形体用樹脂組成物を用い、各々、比較例8〜13のプーリ成形体(プーリ外径70 mm)を形成した。
実施例8〜14と同様な方法に従い、上記比較例1〜6で調製したプーリ成形体用樹脂組成物を用い、各々、比較例8〜13のプーリ成形体(プーリ外径70 mm)を形成した。
試験例1
実施例8〜14および比較例8〜13のプーリ成形体を金属製のボスにはめ込んだプーリを用い、機械的強度および摩耗攻撃性について試験した。得られた結果を以下の表3にまとめた。
なお、機械的強度については、引張強度(MPa)を測定した(JIS-D638に準拠)。評価基準は、100 MPa以上を合格とし、100 MPa未満を不合格とした。
また、摩耗攻撃性については、プーリ成形体の表面を0.1 mm切取って、ガラス繊維を露出させた。得られたガラス繊維露出プーリを、プーリ回転数10,000 r.p.m.、荷重980 Nおよび温度100℃の条件下にデッドウエイト評価で、ベルトが切断されるまでの走行時間を測定した。
評価基準は、次の通りである。
〇:166時間以上
×:166時間未満
××:166時間未満でかつ、プーリ成形体破壊
実施例8〜14および比較例8〜13のプーリ成形体を金属製のボスにはめ込んだプーリを用い、機械的強度および摩耗攻撃性について試験した。得られた結果を以下の表3にまとめた。
なお、機械的強度については、引張強度(MPa)を測定した(JIS-D638に準拠)。評価基準は、100 MPa以上を合格とし、100 MPa未満を不合格とした。
また、摩耗攻撃性については、プーリ成形体の表面を0.1 mm切取って、ガラス繊維を露出させた。得られたガラス繊維露出プーリを、プーリ回転数10,000 r.p.m.、荷重980 Nおよび温度100℃の条件下にデッドウエイト評価で、ベルトが切断されるまでの走行時間を測定した。
評価基準は、次の通りである。
〇:166時間以上
×:166時間未満
××:166時間未満でかつ、プーリ成形体破壊
評価
上記表3に示すように、本発明のプーリ成形体用樹脂組成物を用いたプーリ成形体は、引張強度および摩耗攻撃性の両方に関して満足のゆく結果が得られた。これに対し、1)本発明のGF/Fの比率に関する要件のみを充足しない比較例1、2、3および4の組成物を用いたプーリ成形体並びに2)本発明の無機充填材の粒径に関する要件のみを充足しない比較例5および6の組成物を用いたプーリ成形体は、引張強度および摩耗攻撃性の両方またはいずれか1つに関し、満足のゆかない結果が得られた。したがって、本発明のプーリ成形体は、優れた技術的効果を奏することが証明された。
上記表3に示すように、本発明のプーリ成形体用樹脂組成物を用いたプーリ成形体は、引張強度および摩耗攻撃性の両方に関して満足のゆく結果が得られた。これに対し、1)本発明のGF/Fの比率に関する要件のみを充足しない比較例1、2、3および4の組成物を用いたプーリ成形体並びに2)本発明の無機充填材の粒径に関する要件のみを充足しない比較例5および6の組成物を用いたプーリ成形体は、引張強度および摩耗攻撃性の両方またはいずれか1つに関し、満足のゆかない結果が得られた。したがって、本発明のプーリ成形体は、優れた技術的効果を奏することが証明された。
本発明のプーリ成形体を用いたプーリは、ベルト伝動用として任意の分野で使用でき、例えば、エンジン補機駆動装置のベルト伝動用樹脂プーリ、バイブレーション・ダンパー付プーリ、パワーステアリング・ファンベルト用プーリ、アイドラープーリなどとして使用することができる。
Claims (5)
- ガラス繊維と、無機充填材と、熱可塑性樹脂とを含むプーリ成形体用樹脂組成物であって、
無機充填材の平均粒径は、18 μm以下であり、
(ガラス繊維の質量)対(無機充填材の質量)の比率は、1:0.6〜1:3.7であることを特徴とするプーリ成形体用樹脂組成物。 - 無機充填材は、炭酸カルシウム、シリカおよびアルミナからなる群から選ばれる請求項1記載のプーリ成形体用樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂である請求項1記載のプーリ成形体用樹脂組成物。
- (熱可塑性樹脂の質量)対(ガラス繊維と無機充填材との合計質量)の比率は、30:70〜50:50である請求項1記載のプーリ成形体用樹脂組成物。
- 請求項1記載のプーリ成形体用樹脂組成物を成形してなることを特徴とするプーリ成形体。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008275108A (ja) * | 2007-05-01 | 2008-11-13 | Jtekt Corp | プーリ装置 |
JP2017210513A (ja) * | 2016-05-24 | 2017-11-30 | 旭化成株式会社 | ポリアミド樹脂組成物及び成形体 |
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