JP2005098363A - 係止具 - Google Patents

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義隆 大久保
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Abstract

【課題】取付ける板状体の板厚の範囲が広く、小さな被保持部材も保持する。
【解決手段】取付部21と保持部11が一体的に成型され、取付部21は、板状体16に形成された貫通孔16aに挿通可能な軸部22と、軸部の基端部に設けられ外径が貫通孔より大径のフランジ部23と、軸部の直径方向両側に互いに外側に突出しかつ先端外径が貫通孔の直径より大きく形成された一対の係止爪24とを備え、一対の係止爪24が軸部の軸方向に複数対設けられる。保持部は、長手方向に鋸歯状突起12aを有する帯板12と、帯板12の一端部に設けられ鋸歯状突起12aに噛合する段部13bが突設された小孔13aを有する係合部13とを有し、係合部13近傍の帯板12に取付部21が設けられ、取付部21の両側に薄肉部12bが形成され、一方の薄肉部12bで帯板12を折り返したとき係合部13の小孔13aが他方の薄肉部に対向するように構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、管、ワイヤーハーネス、ケーブル等を保持する保持部と、それらをパネル等の板状体に取付ける取付部とが、弾性変形可能な樹脂により一体的に成型された係止具に関するものである。
従来、管、ワイヤーハーネス、ケーブル等を束ねるものとして束線バンドが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この束線バンドは、長手方向に直交しかつ長手方向に連続して複数形成された一連の鋸歯状突起を有する帯板と、その帯板の一端部に設けられ帯板の板面と直角に穿設され内面に鋸歯状突起と互いに噛合する段部が突設された小孔を有する係合部とを有する。そして、帯板の他端を小孔に挿通させて帯板によりループを構成し、このループの内部に管、ワイヤーハーネス、ケーブル等を存在させた状態で帯板の他端を更に小孔に挿通させることにより帯板によりこれらを束ねる。すると帯板に設けられた鋸歯状突起に段部が噛合して帯板の他端が係合部における小孔から抜けることは防止され、この帯板により束ねられた状態を維持できるようになっている。
一方、近年では、このような束線バンドのような構造を有する保持部に、それらをパネル等の板状体に取付ける取付部とを一体的に成型した係止具が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この係止具にあっては、取付けるべき板状体に形成された貫通孔に挿通可能な支柱と、その支柱の先端から折り返し状に形成された可撓性を有する係止片とから構成され、係止片の自由端には貫通孔と係合するための係合段部が複数形成される。この係止具では、係止片とともに支柱を貫通孔に挿入すると係止片が弾性変形してその貫通孔を通過し、その後復元して係止片の自由端における係合段部が貫通孔の孔縁に係合することにより支柱の抜けを防止できるようになっている。そして、係止片の自由端に係合段部を複数形成することにより、貫通孔が形成された板状体の若干の板厚の変更にも対応しうるようになっている。
実公昭45−23091号公報(第1図及び第2図) 特開平8−145021号公報(図1及び図2)
しかし、従来の係止具では、対応可能な板状体の板厚の範囲が小さいという未だ解決すべき課題が残存していた。即ち、従来の係止具は、係止片の自由端に係合段部を複数形成してその内のいずれかの段部を孔縁に係合させて板厚の変更に対応させるものであるけれども、係合段部が貫通孔の孔縁に係合するためには係止片が支柱とともに貫通孔を貫通して復元しなければならない。従って、この係止片の先端に形成できる段部の数にも限界があり、例えば板状体の厚さが2倍を超えるような板厚の変更にまで対応させることは比較的困難であるという不具合があった。
また、従来の係止具は束線バンドのような構造を有する保持部に取付部を一体的に成型したものであり、その取付部は帯板に形成されることから帯板の可撓性がその取付部において失われる。従って、この取付部が一体的に形成された保持部では、それが保持する被保持部材の大きさに制限が生じるけれども、その保持部は比較的小さなワイヤハーネス等のような比較的小径の被保持部材までをも保持できることが好ましい。
本発明の目的は、取付けられる板状体の板厚の範囲が比較的広い係止具を提供することにある。
本発明の別の目的は、比較的小さな被保持部材をも確実に保持し得る係止具を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図1に示すように、取付部21と保持部11が弾性変形可能な樹脂により一体的に成型された係止具の改良である。
その特徴ある構成は、取付部21は、取付ける板状体16に形成された貫通孔16aに挿通可能に保持部11に突設された軸部22と、保持部11に隣接する軸部22の基端部に設けられ半径方向外向きであって先端が軸部22先端に向って傾斜しかつ外径が貫通孔16aより大径のフランジ部23と、軸部22の直径方向両側に互いに外側に突出し先端がフランジ部23に近づくように傾斜しかつ先端外径が貫通孔16aの直径より大きく形成された一対の係止爪24とを備え、一対の係止爪24が軸部22の軸方向に所定の間隔をあけて複数対設けられたところにある。
この請求項1に係る係止具では、この係止具を板状体16に取付ける場合、板状体16に形成された貫通孔16aに軸部22を先端から挿入する。すると、軸部22の直径方向両側に外側に突出して形成された複数対の係止爪24はその傾斜により案内されて弾性変形し、その貫通孔16aを通過してその後復元する。そして、貫通孔16aより大きな外径を有するフランジ部23が板状体の一方の面に当接し、この時点で貫通孔16aを通過して復元した一対の係止爪24が板状体の他方の面に当接して板状体16に取付けられる。従って、本発明の係止具10では、フランジ部23より先端よりの係止爪24が形成された軸部22の長さに相当するだけの板状体16の厚さの変化に対応させることができ、対応可能な板状体16の板厚の範囲を従来に比較して著しく拡大させることができる。
請求項2にかかる発明は、請求項1に係る発明であって、複数対の係止爪24が、フランジ部23近傍の軸部22に設けられた2〜5対の小係止爪24aと、その小係止爪24aに連続して先端側の軸部22に設けられた複数対の大係止爪24bとを有し、小係止爪24aの先端外径より大係止爪24bの先端外径が大きく形成され、小係止爪24a相互の間隔より大係止爪24b相互の間隔が大きく形成された係止具である。
この請求項2に係る係止具では、小係止爪24aの範囲に含まれる比較的薄い板厚の板状体16であっても、そのフランジ側の近傍に設けられた小係止爪24aが板状体の他方の面に確実に当接して軸部22がそのように薄い板状体16の貫通孔16aから抜けることを効果的に防止することができ、対応可能な板状体の板厚の範囲を更に広げることができる。
請求項3に係る発明は、取付部21と保持部11が弾性変形可能な樹脂により一体的に成型された係止具の改良である。
その特徴ある構成は、保持部11は、長手方向に直交しかつ長手方向に連続して複数形成された一連の鋸歯状突起12aを有する帯板12と、帯板12の一端部に設けられ帯板12の板面と直角に穿設され内面に鋸歯状突起12aと互いに噛合する段部13bが突設された小孔13aを有する係合部13とを有し、係合部13近傍の帯板12に取付部21が設けられ、取付部21の両側における帯板12に薄肉部12bが形成され、取付部21と係合部13との間の一方の薄肉部12bで帯板12を折り返したとき係合部13の小孔13aが他方の薄肉部12bに対向するように構成されたところにある。
この請求項3に係る係止具では、帯板12の他端を小孔13aに挿通させて帯板12によりループを構成し、このループの内部に管、ワイヤーハーネス、ケーブル等を存在させて帯板12によりこれらを束ねる。すると帯板12に設けられた鋸歯状突起12aに段部13bが噛合して帯板12により束ねられた状態は維持される。ここで、被保持部材である管、ワイヤーハーネス、ケーブル等が比較的小さな場合には、帯板12の他端を小孔13aに挿通させて束ねると係合部13が取付部21を超えるようにして帯板12が一方の薄肉部12bから折り返され、係合部13の小孔13aが他方の薄肉部12bに対向して固定され、折り返された帯板12が比較的小さな被保持部材を確実に保持する。
請求項4に係る発明は、取付部21と保持部11が弾性変形可能な樹脂により一体的に成型された係止具の改良である。
その特徴ある構成は、取付部21は、取付ける板状体16に形成された貫通孔16aに挿通可能に保持部11に突設された軸部22と、保持部11に隣接する軸部22の基端部に設けられ半径方向外向きであって先端が軸部22先端に向って傾斜しかつ外径が貫通孔16aより大径のフランジ部23と、軸部22の直径方向両側に互いに外側に向って突出し先端がフランジ部23に近づくように傾斜しかつ先端外径が貫通孔16aの直径より大きく形成された一対の係止爪24とを備え、保持部11は、長手方向に直交しかつ長手方向に連続して複数形成された一連の鋸歯状突起12aを有する帯板12と、帯板12の一端部に設けられ帯板12の板面と直角に穿設され内面に鋸歯状突起12aと互いに噛合する段部13bが突設された小孔13aを有する係合部13とを有し、一対の係止爪24が軸部22の軸方向に所定の間隔をあけて複数対設けられ、係合部13近傍の帯板12に取付部21が設けられ、取付部21の両側における帯板12に薄肉部12bが形成され、取付部21と係合部13との間の一方の薄肉部12bで帯板12を折り返したとき係合部813の小孔13aが他方の薄肉部12bに対向するように構成されたところにある。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、複数対の係止爪24が、フランジ部23近傍の軸部22に設けられた2〜5対の小係止爪24aと、その小係止爪24aに連続して先端側の軸部22に設けられた複数対の大係止爪24bとを有し、小係止爪24aの先端外径より大係止爪24bの先端外径が大きく形成され、小係止爪24a相互の間隔より大係止爪24b相互の間隔が大きく形成された係止具である。
以上述べたように、本発明によれば、取付部が板状体に形成された貫通孔に挿通可能に保持部に突設された軸部と、保持部に隣接する軸部の基端部に設けられたフランジ部と、軸部の直径方向両側に互いに外側に突出し先端がフランジ部に近づくように傾斜しかつ先端外径が貫通孔の直径より大きく形成された一対の係止爪とを備え、その一対の係止爪を軸部の軸方向に所定の間隔をあけて複数対設けたので、フランジ部より先端よりの係止爪が形成された軸部の長さに相当するだけの板状体の厚さの変化に対応させることができ、対応可能な板状体の板厚の範囲を従来に比較して著しく拡大させることができる。
また、係合部近傍の帯板に取付部を設け、取付部の両側における帯板に薄肉部を形成し、取付部と係合部との間の一方の薄肉部で帯板を折り返したとき係合部の小孔が他方の薄肉部に対向するように構成したので、被保持部材が比較的小さな場合には、係合部が取付部を超えるようにして帯板が一方の薄肉部から折り返される。このため、その折り返された帯板が比較的小さな被保持部材を確実に保持することができる。
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の係止具10は、取付部21と保持部11が弾性変形可能な樹脂により一体的に成型される。保持部11は帯板12とその帯板12の一端部に設けられた係合部13とを有し、帯板12にはその片面に長手方向に直交しかつ長手方向に連続する一連の鋸歯状突起12aが複数形成される。一方、係合部13には帯板12が他端から挿入可能な細長い小孔13aがその帯板12の板面と直角になるように穿設され、小孔13aの内面にはその小孔13aに挿入された帯板12の鋸歯状突起12aと互いに噛合する段部13bが突設される。この段部13bは基端が係合部13に接続されたリブ状物13cの中間に形成され、このリブ状物13cを鋸歯状突起12aから遠ざかるように揺動させることにより段部13bも鋸歯状突起12aから遠ざかってその歯合状態が解消されるように構成される。
係合部13近傍の帯板12には取付部21が設けられる。係合部13近傍の帯板12には取付部21を設けるためにその幅を大きくした基板部12cが形成され、その基板部12cには取付部21を構成する軸部22が立設される。その取付部21の両側、この実施の形態では基板部12cの両側における帯板12に薄肉部12bが形成される。そして、図3に示すように、取付部21と係合部13との間の一方の薄肉部12bで帯板12を折り返したとき、係合部13の小孔13aが他方の薄肉部12bに対向するように構成され、基板部12cの中央部分に対向する帯板12には長手方向に所定の間隔を開けて幅方向に伸びる一対の凸条12d,12dが形成される。
一方、取付部21は、上述のように保持部11に突設された軸部22と、保持部11に隣接する軸部22の基端部に設けられたフランジ部23とを有する。軸部22は係止具10を取付ける板状体16に形成された貫通孔16aに挿通可能な外径を有する棒状部材であり、軸部22の基端部に設けられるフランジ部23は半径方向外向きであって先端が軸部22先端に向って傾斜するような円皿状に形成される。そしてこのフランジ部23の外径は貫通孔16aより大径に形成されて軸部22が貫通孔16aに挿入された状態で貫通孔16aの周囲の板状体16の片面に当接し、軸部22のそれ以上の挿通を防止するように構成される。
このフランジ部23より先端よりの軸部22には、軸部22の直径方向両側に互いに外側に向って突出する一対の係止爪24が軸部22の軸方向に所定の間隔をあけて複数対設けられ。それぞれの係止爪24はその先端がフランジ部23に近づくように傾斜して形成され、軸部22の直径方向両側に互いに外側に向って突出する一対の係止爪24のそれぞれの先端により描かれる外径は貫通孔16aの直径よりそれぞれ大きく形成される。ここで、一対の係止爪24は2対以上設けることが好ましく、3対以上15対以下がより好ましい。この場合、フランジ側から2〜5対の係止爪24の先端外径より他の複数対の係止爪24の先端外径を大きく形成して、複数対の係止爪24がフランジ部23近傍の軸部22に設けられた2〜5対の小係止爪24aとその小係止爪24aに連続して先端側の軸部22に設けられた複数対の大係止爪24bとを有することが好ましい。そして、小係止爪24aの先端外径より大係止爪24bの先端外径を大きく形成し、小係止爪24aの間隔より大係止爪24bの間隔を大きく形成することが好ましい。この実施の形態では、一対の係止爪24は15対設けられる例を示し、フランジ側から小係止爪24aが3対の形成され、その小係止爪24aの間隔が大係止爪24bの間隔より小さくなるように形成される例を示す。
このように構成された係止具10では、帯板12の他端を小孔13aに挿通させて帯板12によりループを構成し、このループの内部に管、ワイヤーハーネス、ケーブル等を存在させた状態で帯板12の他端を更に小孔13aに挿通させることにより帯板12によりこれらを束ねる。すると帯板12に設けられた鋸歯状突起12aに段部13bが噛合して帯板12の他端が係合部13における小孔13aから抜けることは防止され、この帯板12により束ねられた状態を維持できるようになっている。
ここで、被保持部材26である管、ワイヤーハーネス、ケーブル等が比較的小さな場合には、図3に示すように、帯板12の他端を小孔13aに挿通させて束ねると帯板12により描かれるループはきわめて小さくなり、最終的に係合部13が取付部21を超えるようにその間の帯板が折り返される。この折り返しは取付部21と係合部13との間に形成された一方の薄肉部12bにより行われ、係合部13の小孔13aが他方の薄肉部12bに対向し、他方の薄肉部12bにより折り返された帯板12がその小孔13aに挿通され、帯板12は被保持部材26を有効に保持することができる。特にこの実施の形態では、基板部12cの中央部分に対向する帯板12には長手方向に所定の間隔を開けて幅方向に伸びる一対の凸条12dを形成したので、基板部12cの長手方向の長さより小さな直径を有する被保持部材26はこの一対の凸条12dに挟まれた状態で基板部12cに押しつけられる。これにより、この保持部11は比較的小さな部材をも確実に保持することができる。
一方、この係止具10は保持部11に被保持部材26を保持させた後又は被保持部材26を保持する以前に、それらを取付けるべきパネル等の板状体16に取付部21を取付ける。この取付けは板状体16に形成された貫通孔16aに軸部22を先端から図1の実践矢印で示すように挿入することにより行われる。貫通孔16aに軸部22を挿入すると、軸部22の直径方向両側に外側に突出して形成された複数対の係止爪24はその傾斜により案内されて弾性変形し、その貫通孔16aを通過してその後復元する。そして、貫通孔16aより大きな外径を有するフランジ部23が板状体の一方の面に当接した段階で軸部22をそれ以上貫通孔16aに挿入できなくなる。すると、この時点で貫通孔16aを丁度通過して復元した一対の係止爪24の先端は板状体の他方の面に当接する。これにより軸部22が貫通孔16aから抜けることは防止される。従って、本発明の係止具10では、一対の係止爪24が形成されたフランジ部23より先端よりの軸部22の長さに相当するだけの板厚の変化に対応させることができ、例えば図1の一点鎖線で示すような比較的薄い板状体16から図3に示すような比較的厚い板状体16まで単一の係止具10で対応させることができる。そして、一対の係止爪を特に5対以上設けることにより対応可能な板状体16の板厚の範囲を従来に比較して著しく拡大させることができる。
ここで、フランジ部23は先端が軸部22先端に向って傾斜して形成されるので、フランジ部23が板状体の一方の面に当接した段階で貫通孔16aを丁度通過する係止爪24が存在しない場合にそのフランジ部23を変形させて軸部22を更に貫通孔16aに押し込んで貫通孔16aの内部に変形して存在する次の係止爪24を板状体16の他面側に押し出して復元させる。このように押し出された一対の係止爪の先端は板状体の他方の面に当接し、フランジ部23とともに板状体16を貫通孔16aの両側から挟持して軸部22が貫通孔16aから抜けることを有効に防止することができる。
次に、板状体に打抜き加工で形成した貫通孔に適用した実施の形態を述べる。
打抜き加工は、図4に示すように嵌合関係にあるポンチ33とダイス34から構成される金型を汎用機械であるプレス機械に装着し、ポンチ33とダイス34の間に板状体16を配置してプレス機械で加圧して板状体16にポンチ33の横断面と同一形状の打抜孔からなる貫通孔30を形成する。1秒未満の加工時間で簡単に同一形状の孔を形成できるので、ポンチ33とダイス34による打抜き加工は、安価な費用で短時間に大量に貫通孔30の形成ができるため産業界で広く利用されている。
しかし、図4に示すように、打抜き加工で形成した打抜孔からなる貫通孔30は、ドリル等の工具で機械加工した機械加工孔と異なり、打抜孔からなる貫通孔30の内面は剪断面31と破断面32で構成され、打抜き加工の完了時に非加工物の材料破断によって形成される破断面32がおおむねテーパー形状となるため、機械加工孔のような円筒面にはならない。これはポンチ外径33aとダイス内径34aとの寸法差の半分の値、いわゆるクリアランス35が原因となっている。
従って、機械加工孔では、板状体16の機械加工開始面と機械加工完了面の孔径が略同一であるが、打抜孔からなる貫通孔30では打抜き開始面(表面36)と打抜き完了面(裏面37)の孔径が異なる。更にクリアランス35は被加工物の材質が同じであれば被加工物の板厚に正比例する、つまり板状体16の板厚16bが増えればクリアランス35も増加するので、板厚16bが厚くなると板状体16の表面36と裏面37の孔径の寸法差が大きくなる。
上述のような特徴を有する打抜孔からなる貫通孔30に従来の係止具を適用すると、板状体16の板厚16bが厚くなった場合、係止爪の先端が板状体16の裏面37の打抜孔からなる貫通孔30の孔縁まで到達できないため係合不能になったり、たとえ係止爪の先端が孔縁に到達できても、係止爪の先端と孔縁との引っかかり量が十分でないため係合力不足となったりした。
図1に示した本発明に係る実施の形態の係止具10の取付部21に形成した係止爪24は小係止爪24aと大係止爪24bとから構成されるので、図1に示す本願発明に係る実施の形態の係止具10の取付部21を図4で示す板状体16の表面36から挿入すると、剪断面31には小係止爪24aが適合してその先端が剪断面31を押圧する。破断面32には大係止爪24bが適合しその先端が破断面32を押圧する一方、弾性変形して破断面32を通過した大係止爪24bが復元して破断面32と裏面37との孔縁に係合する。この際、大係止爪24bの外径が大きいので、大係止爪24bの先端が孔縁を押圧して十分な係合力が期待でき確実な係合となる。更に、小係止爪24aの剪断面31への押圧と大係止爪24bの破断面32との押圧で、取付部21は打抜孔からなる貫通孔30に対してがたつき無く固定される。
特に打抜孔からなる貫通孔30に適合した本願発明に係る実施の形態を図5に示す。図5で示す実施の形態は、図1で示した実施の形態の係止具10の取付部21の一部が異なるだけであるので、取付部21のみを示しており、図1の係止具10と共通する部分には同符号を付している。
図5で示す実施の形態において、取付部21の根本部21aは小径で軸方向の間隔が狭い小係止爪24aを備え、取付部21の中央部21bと先端部21cには、小係止爪24aに比較して大径で軸方向の間隔が広い大係止爪24bを備えるとともに、取付部21の中央部21bは取付部21の先端に近づくに従って、大係止爪24bの外径が大きくなる輪郭としている。
ここで、取付部21の先端部21cは取付部21の先端に近づくに従って大係止爪24bの外径が小径となってり、言い換えれば、先端部21cから中央部21bに向かって大係止爪24bの外径が大きくなっているので、これが取付部21を打抜孔からなる貫通孔30に挿入する際の案内となって、取付部21の円滑な挿入ができる。
図5に示す本願発明に係る実施の形態の係止具10は、取付部21の中央部21bにおいて先端に近づくに従って大係止爪24bの外径が大きくなっているので、板厚16bが厚くなりクリアランス35が大きくなっても、大係止爪24bの外径を構成する先端は孔縁を押圧して十分な係合力が期待できるので、打抜孔からなる貫通孔30との係合がより確実に行われる。
更に、取付部21の中央部21bの輪郭を確定する方法に関して、図6に示す直角を挟む2辺39,40が板厚16bとクリアランス35の値と同一の長さである直角三角形の斜辺41が、図5に示す輪郭38と同じ傾斜になるように定義する。具体的には、図7に示すように、板厚16bの長さを表す辺39を軸線42に重ね、図6で示した直角三角形の斜辺41を平行に移動させて取付部21の中央部21bの輪郭38を確定すれば、その輪郭38は破断面32を形成するテーパと略平行となり、その傾斜が略一致するので、係止具10の取付部21は打抜き加工で形成した打抜孔からなる貫通孔30と最も係合する。
この際、平行に移動させた移動量は大係止爪24bが変形する長さに相当するので、破断面32を押圧する弾性力(取付部21を打抜孔からなる貫通孔30に対してがたつき無く固定する力)を算出する根拠となるとともに、板状体16の裏面37の孔縁と係合する大係止爪24bの引っ掛かり量を規定する根拠ともなる。従って、逆の課程をめぐることにより、設計時に要求されるこれらの数値から取付部21の輪郭38を設計することができ、計算によって容易に適正な輪郭38を決定できる。
また、多くの場合、クリアランス35は常数と板厚16bとの積として規定されているので、板状体16の板厚16bが異なっても、図6で示した直角三角形は相似形となるので、取付部21の中央部21bの輪郭38は、打抜き加工で形成した破断面32を形成するテーパーと傾斜が略一致して、係止部の取付部21は打抜孔からなる貫通孔30と最も係合する。
大係止爪24bの外径を変化させて取付部21の中央部21bの輪郭を固定した場合、図5に示したようにその外径の値の変化と連動してそれぞれの大係止爪24bの間隔も変更することで、図7に示したようにその間隔が近すぎて大係止爪24b同士が絡み合って打抜孔からなる貫通孔30の中で停滞して挿入の際の抵抗となったり、その間隔が遠すぎてフランジと大係止爪24bの弾性作用によって板状体16を挟持する挟持力の機能範囲を越え、板状体16を十分押圧できずに板状体16と取付部21との間でがたつきを生じたりすることがないので、裏面37の孔縁に係合するという大係止爪24bの機能は十分に発揮される。
本発明の係止具10を示す側面図。 その係止具10の底面図。 その係止具10が比較的小さな被保持部材を保持した状態を示す図1に対応する側面図。 ポンチとダイスを用いて打抜孔からなる貫通孔30を形成する状態を示す断面図。 その打抜孔からなる貫通孔に適合した係止具の取付部を示す縦断面図。 その取付部の中央部の輪郭を確定する際に用いる直角三角形を示す図。 その取付部が打抜孔からなる貫通孔に係合した状態を示す断面図。
符号の説明
10 係止具10
11 保持部
12 帯板
12a 鋸歯状突起
12b 薄肉部
13 係合部
13a 小孔
13b 段部
16 板状体16
16a 貫通孔
21 取付部21
22 軸部
23 フランジ部
24 係止爪24
24a 小係止爪
24b 大係止爪

Claims (5)

  1. 取付部(21)と保持部(11)が弾性変形可能な樹脂により一体的に成型された係止具において、
    前記取付部(21)は、取付ける板状体(16)に形成された貫通孔(16a,30)に挿通可能に前記保持部(11)に突設された軸部(22)と、
    前記保持部(11)に隣接する前記軸部(22)の基端部に設けられ半径方向外向きであって先端が前記軸部(22)先端に向って傾斜しかつ外径が前記貫通孔(16a,30)より大径のフランジ部(23)と、
    前記軸部(22)の直径方向両側に互いに外側に突出し先端が前記フランジ部(23)に近づくように傾斜しかつ先端外径が前記貫通孔(16a,30)の直径より大きく形成された一対の係止爪(24)と
    を備え、
    前記一対の係止爪(24)が前記軸部(22)の軸方向に所定の間隔をあけて複数対設けられたことを特徴とする係止具。
  2. 複数対の係止爪(24)が、フランジ部(23)近傍の軸部(22)に設けられた2〜5対の小係止爪(24a)と、前記小係止爪(24a)に連続して先端側の軸部(22)に設けられた複数対の大係止爪(24b)とを有し、前記小係止爪(24a)の先端外径より前記大係止爪(24b)の先端外径が大きく形成され、前記小係止爪(24a)相互の間隔より前記大係止爪(24b)相互の間隔が大きく形成された請求項1記載の係止具。
  3. 取付部(21)と保持部(11)が弾性変形可能な樹脂により一体的に成型された係止具において、
    前記保持部(11)は、長手方向に直交しかつ長手方向に連続して複数形成された一連の鋸歯状突起(12a)を有する帯板(12)と、
    前記帯板(12)の一端部に設けられ前記帯板(12)の板面と直角に穿設され内面に前記鋸歯状突起(12a)と互いに噛合する段部(13b)が突設された小孔(13a)を有する係合部(13)とを有し、
    前記係合部(13)近傍の前記帯板(12)に前記取付部(21)が設けられ、
    前記取付部(21)の両側における前記帯板(12)に薄肉部(12b)が形成され、
    前記取付部(21)と前記係合部(13)との間の一方の前記薄肉部(12b)で前記帯板(12)を折り返したとき前記係合部(13)の小孔(13a)が他方の前記薄肉部(12b)に対向するように構成された
    ことを特徴とする係止具。
  4. 取付部(21)と保持部(11)が弾性変形可能な樹脂により一体的に成型された係止具において、
    前記取付部(21)は、取付ける板状体(16)に形成された貫通孔(16a,30)に挿通可能に前記保持部(11)に突設された軸部(22)と、前記保持部(11)に隣接する前記軸部(22)の基端部に設けられ半径方向外向きであって先端が前記軸部(22)先端に向って傾斜しかつ外径が前記貫通孔(16a,30)より大径のフランジ部(23)と、前記軸部(22)の直径方向両側に互いに外側に向って突出し先端が前記フランジ部(23)に近づくように傾斜しかつ先端外径が前記貫通孔(16a,30)の直径より大きく形成された一対の係止爪(24)とを備え、
    前記保持部(11)は、長手方向に直交しかつ長手方向に連続して複数形成された一連の鋸歯状突起(12a)を有する帯板(12)と、前記帯板(12)の一端部に設けられ前記帯板(12)の板面と直角に穿設され内面に前記鋸歯状突起(12a)と互いに噛合する段部(13b)が突設された小孔(13a)を有する係合部(13)とを有し、
    前記一対の係止爪(14)が前記軸部(22)の軸方向に所定の間隔をあけて複数対設けられ、
    前記係合部(13)近傍の前記帯板(12)に前記取付部(21)が設けられ、
    前記取付部(21)の両側における前記帯板(12)に薄肉部(12b)が形成され、
    前記取付部(21)と前記係合部(13)との間の一方の前記薄肉部(12b)で前記帯板(12)を折り返したとき前記係合部(13)の小孔(13a)が他方の前記薄肉部(12b)に対向するように構成された
    ことを特徴とする係止具。
  5. 複数対の係止爪(24)が、フランジ部(23)近傍の軸部(22)に設けられた2〜5対の小係止爪(24a)と、前記小係止爪(24a)に連続して先端側の軸部(22)に設けられた複数対の大係止爪(24b)とを有し、前記小係止爪(24a)の先端外径より前記大係止爪(24b)の先端外径が大きく形成され、前記小係止爪(24a)相互の間隔より前記大係止爪(24b)相互の間隔が大きく形成された請求項4記載の係止具。
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